【実施例】
【0023】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0024】
図1〜
図6は第1実施例の空冷2ストローク内燃エンジン100を説明するための図であり、本発明をピストン溝式の2ストローク内燃エンジンに適用した例を示す。
図1はエンジン100の横断面図である。
図2〜
図4はエンジン100の縦断面図である。
図2〜
図4を参照して、参照符号2はシリンダであり、4はシリンダボア(
図2)である。シリンダボア4にはピストン6が往復動可能に挿入されている。シリンダ2は、シリンダボア4を挟んで、その一方側に位置する混合気ポート8と、他方側に位置する排気ポート10とを有している。混合気ポート8及び排気ポート10はピストン6によって開閉される。
【0025】
図2、
図3は、
図1のII(III)−II(III)線に沿って断面したエンジン100の縦断面図であり、
図2はピストン6が下死点に位置している状態を示し、
図3はピストン6が上死点に位置している状態を示す。
図4は、
図1のIV−IV線に沿って断面したエンジン100の縦断面図である。
【0026】
図3、
図4から最も良く分かるように、クランク室12には、エンジン出力軸であるクランクシャフト14が配設されている。クランクシャフト14はピストン6と連結ロッド16を介して連結されている。ピストン6の往復動作はクランクシャフト14によって回転運動に変換される。シリンダボア4に挿入されたピストン6はシリンダ室18を画成する。シリンダ2の頂部にはシリンダ室18に臨んで点火プラグ20が取り付けられている。
【0027】
図1を参照して、シリンダ2は、平面視したときに、左右に位置する2対の掃気通路22を有している。この左右の掃気通路22は、シリンダ室18を平面視したときに、夫々、混合気ポート8と排気ポート10との間に位置している。
【0028】
図3において、破線で示すように、各掃気通路22は、その下端がクランク室12に開放されている。各掃気通路22の上端は掃気ポート24に連なっている。掃気ポート24はシリンダ室18に開放している。掃気ポート24は各掃気通路22に対して第1、第2の2つの掃気ポート24A、24Bが連結されている。この2つの掃気ポート24A、24Bは横並びに位置決めされている(
図1、
図2)。
【0029】
シリンダ2には、上述した混合気ポート8を挟んでその左右に一対のフレッシュエアポート26が形成されている。エンジン100の吸気系は図示を省略したがエアクリーナ、気化器、混合気通路、フレッシュエア通路を含む。気化器で生成された混合気は上記混合気通路を通じて上述した混合気ポート8に供給される。また、エアクリーナで浄化されたフレッシュエアは上記フレッシュエア通路を通じて従来と同様に上述した左右一対のフレッシュエアポート26に供給される。
【0030】
ピストン6には、その周面に左右一対のエア溝6aが形成されている(
図1〜
図3)。ピストン6の上下動によって、ピストン6のエア溝6aはフレッシュエアポート26と掃気ポート24とを連通し又はこの連通を遮断する。フレッシュエアは、フレッシュエアポート26、ピストンエア溝6a、掃気ポート24を通じて掃気通路22に供給される。
【0031】
空冷2ストローク内燃エンジン100の動作は従来と同じである。膨張行程でピストン6が下降すると、排気ポート10が開いて排気が開始される。また、ピストン6の下降に伴ってクランク室12の圧力が上昇し、排気ポート10に続いて掃気ポート24が開くと、クランク室12内の圧力によって掃気通路22内のガスが掃気ポート24からシリンダ室18内に噴出して掃気が実行される。更にピストン6が下降すると、クランク室12内の混合気が掃気通路22、掃気ポート24を通じてシリンダ室18に充填される。
【0032】
次にピストン6が上昇して圧縮行程に入ると、ピストン6の上昇に伴ってクランク室12の圧力が低下する。このクランク室12の圧力低下を利用して、フレッシュエアが、ピストンエア溝6a、掃気ポート8を通じて掃気通路22に供給され、また、混合気が混合気ポート8を通じてクランク室12に充填される。その後、シリンダ室18内の混合気は、上昇するピストン6によって圧縮される。ピストン6が上死点に到達した直後に点火プラグ20が点火される。
【0033】
図5、
図6は掃気ポート24の形状を説明するための図である。
図5はシリンダの横断面図である。なお、
図5には、上側に従来例(比較例)が描いてあり、下側に実施例が描いてある。
図6は、掃気通路22及び掃気ポート24を抽出して掃気ポート24の形状を説明するための図である。
【0034】
図5、
図6を参照して、掃気ポート24は、掃気通路22に直接的に連なるポート本体28と、このポート本体28から横方向つまりシリンダ室18の周方向に延びるポート延長部分30とで構成されている。ポート延長部分30は排気ポート10とは反対側に延びている。換言すれば、ポート延長部分30はシリンダ周方向に延び且つ混合気ポート8側に延びている。
【0035】
ポート延長部分30は、シリンダ2の4つの壁面32、34、36、38によって形成された通路形状を有している(
図6)。すなわち、混合気ポート8側に延びるポート延長部分30は、端壁面32と、上壁面34と、下壁面36と、上下方向に延びる後壁面38とで規定されたポート延長通路を構成している。
【0036】
ポート延長部分30と掃気通路22とが接するコーナー部分(境界部分)40は、混合気ポート8に近づくに従って徐々にシリンダ室18に接近する傾斜面で構成される。この傾斜面は、一つの他の好ましい態様として、平らな面であってもよいし、他の好ましい態様として、図示の例のように滑らかに湾曲した面であってもよい。
【0037】
ポート延長部分30の通路深さ寸法D(
図6)は、ポート本体28に隣接する部分の深さD1と、混合気ポート8側の部分の深さD2とが実質的に同じである。変形例として、
図7を参照して、ポート本体28に隣接する部分の深さD1に比べて、混合気ポート8側の部分の深さD2が小さくてもよい。換言すればポート延長部分30は、混合気ポート8に向かうに従って浅くなる通路形状を有していてもよい。
【0038】
図8は更なる変形例を示す。ポート延長部分30の形状として、ポート本体28に隣接する部分の高さ寸法H1に比べて、混合気ポート8側の部分の高さ寸法H2が小さくてもよい。換言すればポート延長部分30の通路高さ寸法Hに関して、混合気ポート8に向かうに従って先細りの形状を有していてもよい。
図8の例では、ポート延長部分30の全長に亘って深さ寸法Dが同じ場合を例示してあるが、
図7を参照して説明した変形例(混合気ポート8に向かうに従って浅くなる形状)に対して高さ寸法Hを先細りの形状を採用してもよい。
【0039】
実施例を図示する
図5の下側を参照して、第1、第2の掃気ポート24A、24Bは、各掃気ポート24A、24Bに連なる第1、第2の掃気通路22A、22Bを有しているが、この第1、第2の掃気通路22A、22Bは共通の通路で構成してもよい。
【0040】
第1、第2の掃気通路22A、22Bを備えた図示の実施例を説明すると、実施例のエンジン100は反転掃気式のエンジンである。エンジン100の第1、第2の掃気ポート24A、24Bから噴出する掃気ガスが、基本的に、排気ポート10とは反対側に向かうように設計されている(
図5の矢印Aの方向に指向)。
【0041】
図5の下側を参照して、シリンダ2を平面視したときに、第1掃気通路22Aの少なくとも排気ポート10側に位置する第1の側壁42は、排気ポート10とは反対側に向けて傾斜した傾斜面で構成されている。好ましくは、この第1の側壁42と対抗する第2の側壁44つまり混合気ポート8側の側壁も排気ポート10とは反対側に向けて傾斜した傾斜面で構成されるのが好ましい。この第1掃気通路22Aに通じる第1掃気ポート24Aは、排気ポート10側に位置する第1の側壁42が、排気ポート10とは反対側に向けて傾斜した傾斜面で構成されている。この構成により、シリンダ室18に噴出する掃気ガス流の指向方向が規定されている。
【0042】
第2掃気通路22Bについても同様の構成であり、また、これに通じる第2掃気ポート24Bについても上記の第1掃気ポート24Aと同様の構成であることから、これらの側壁に関して、前述した第1掃気通路22A、第1掃気ポート24Aの側壁42、44で使用した参照符号を付すことによりその説明を省略する。
【0043】
図5、
図6を参照して、ポート延長部分30の端壁面32は、第1、第2の掃気通路22A、22Bの側壁42、44と同様に混合気ポート8に向けて傾斜した傾斜面で構成されている。変形例として、ポート延長部分30の端壁面32の傾斜角度を第1、第2の掃気通路22A、22Bの側壁42、44よりも大きくしてもよい。つまり、ポート延長部分30の端壁面32を混合気ポート8側に向けて大きく傾斜した傾斜面で構成してもよい。
【0044】
実施例のエンジン100の掃気ポート24は、前述したように、掃気通路22に直接的に通じるポート本体28と、このポート本体28から横方向に延びるポート延長部分30を有し、このポート延長部分30が排気ポート10とは反対側つまり混合気ポート8側に延びている。
【0045】
これら掃気ポート24及び掃気通路22には、前述したように、フレッシュエアがピストン6の周面に形成された溝6aつまりピストンエア溝を通じて供給される。したがって、掃気行程では、掃気通路22に蓄えられているフレッシュエアが掃気ガスとして先ずシリンダ室18に噴出し、この先導フレッシュエアでシリンダ室18の初期の掃気が行われ、続いてクランク室12内の混合気で掃気が行われる。
【0046】
前述したように、掃気ポート24はポート本体28とポート延長部分30とで構成されている。ポート本体28からシリンダ室18に噴出するメイン掃気ガスの流れは従来と同様に排気ポート10とは反対側に差し向けられる。この状態を
図5の下側において矢印Aで図示してある。
【0047】
ポート本体28は掃気通路22に直接的に連通している。これに対して、ポート延長部分30は、このポート延長部分30を規定する壁32、34、36、38で規定される(
図6)。このことから、ポート延長部分30は相対的に小さな通路断面を有していることになる。したがって、このポート延長部分30を通じてシリンダ室18に噴出する付随掃気ガスの流れBは、ポート本体28から噴出するメイン掃気ガス流Aに比べて相対的に高速になる。
【0048】
ポート延長部分30から流出する相対的に高速の付随掃気ガス流Bはコアンダ効果によってメイン掃気ガス流Aを引き寄せる(
図5)。ポート延長部分30は排気ポート10とは反対側に位置していることから、コアンダ効果によって、掃気行程の初期には、掃気ポート24からシリンダ室18に噴出するフレッシュエアが設計通り排気ポート10とは反対側に向かうことになる。これによりフレッシュエアによる掃気が一層効果的になる。
【0049】
また、フレッシュエアによる掃気に続いて、クランク室12内の混合気が掃気通路22、掃気ポート24を通じてシリンダ室18に流入する。このときも、メイン掃気ガス流Aは、付随掃気ガス流Bによるコアンダ効果によって排気ポート10とは反対側に引き寄せられることになる。これにより、メイン掃気ガス流Aの一部(混合気)が排気ポート10に流れ込む「吹き抜け損失」を低減することができる。
【0050】
下死点からピストン6が上昇するとクランク室12の内部圧力が低下する。ピストン6が上昇する過程で、前述したように、フレッシュエアが、ピストンエア溝6a、掃気ポート24を通じて掃気通路22に供給される。掃気ポート24が、掃気通路22に直接的に連通したポート本体28から横方向に延びるポート延長部分30を備えているため、ピストンエア溝6aから掃気ポート24を通じてフレッシュエアを掃気通路22に円滑に充填させることができる。
【0051】
実施例では、前述したように、ポート延長部分30と掃気通路22とが接するコーナー部分40(境界部分)が、混合気ポート8に近づくに従って徐々にシリンダ室18に接近する傾斜面で構成されている。これにより、掃気通路22からポート延長部分30に掃気ガスが円滑に流れ込むことになる。また、ポート延長部分30に流れ込む掃気ガスの流れ方向を、ポート延長通路を構成するポート延長部分30の長さ方向つまり混合気ポート8側に指向させることができる。
【0052】
上記傾斜面で構成されるコーナー部分40は、
図6から最も良く分かるように、湾曲面で構成するのが好ましい。これにより、掃気通路22からポート延長部分30に掃気ガスが一層円滑に流れ込むことになる。
【0053】
これにより、掃気通路22からポート延長部分30に流入した掃気ガスは、その流れ方向がポート延長部分30の長さ方向つまり混合気ポート8側に差し向けられる。そして、この指向性を付与された掃気ガスがポート延長部分30からシリンダ室18に噴出することになる。したがって、メイン掃気ガス流Aに付随してポート延長部分30から噴出する高速の付随掃気ガス流Bは、その流れ方向がシリンダ室18の壁面に近づく傾向になる。そして、シリンダ室18の壁面に接近する方向に向かう高速掃気ガス流Bによって、ポート本体28から噴出する掃気ガス流Aはシリンダ室18の壁面に近づく方向に偏向されることになる(
図5)。このことは、上述した「吹き抜け損失」の低減効果を更に高める効果が期待できることを意味する。
【0054】
図5を参照して、
図5の上側には従来例(比較例)のエンジン200が描いてある。実施例のエンジン100と同じ要素には同じ参照符号を付して従来例のエンジン200を説明する。
図5の上側(比較例)と下側(実施例)とを対比すると直ぐに分かるように、従来のエンジン200において第1、第2の掃気通路22A、22Bに夫々連通する第1、第2の掃気ポート24A、24Bは、実施例のエンジン100のポート本体28に対応する。
【0055】
実施例のエンジン100の効果を確認するために実験したところ、
図5の上側に描いてある従来例との比較で、実施例のエンジン100は、約4%の燃料消費量低減効果があり、約17%の排気ガス中のHCの低減効果があった。
【0056】
図9は、掃気ポート24の形状に関する他の実施例を示す。
図9は上述した
図6に対応した図である。
図9を参照して、掃気ポート24は、掃気通路22に連なるポート本体28で構成されている。掃気通路22と掃気ポート24との境界部分において、掃気ポート24の排気ポート10とは反対側の部分と、これに連なる掃気通路22の排気ポート10とは反対側の壁面との境界部分に上述したコーナー部分40が形成されている。換言すれば掃気ポート24は、シリンダ室18に接近するに従って混合気ポート8側に拡がる形状を有している。そして、この混合気ポート8側に拡がる形状を備えた掃気ポート24に対して、掃気通路22の壁面のうち混合気ポート8側の壁面と掃気ポート24の壁面との境界部分に上述した傾斜したコーナー部分40が形成されている。このコーナー部分40は図示のようにシリンダ室18に向けて凸形状の湾曲した面で構成するのが好ましい。
【0057】
図10は、傾斜面で構成されるコーナー部分40(境界部分)を説明するための平面図である。
図11は、コーナー部分40の傾斜面を湾曲面で構成した例の平面図である。
図10を参照して、掃気通路22の排気ポート10とは反対側に位置する壁面44のシリンダ室18に向けた延び方向に対して、コーナー部分40は排気ポート10から離れる方向に傾斜している。すなわち、掃気通路22の深部つまりシリンダ室18から遠い部分の壁面44の傾斜よりも更にコーナー部分40は傾斜している。このコーナー部分40の更なる傾斜の角度をθで図示してある。ここに、掃気通路22の排気ポート10とは反対側に位置する壁面44のシリンダ室18に向けた延び方向は実質的に、掃気通路22と掃気ポート24とで規定される掃気ガス流の基本的な噴出方向を規定している。この掃気ガス流の噴出方向は、
図1〜
図9を参照した実施例においてはメイン掃気ガス流Aの指向方向に相当する。
【0058】
勿論、コーナー部分40に連なる掃気ポート24の後壁面38はコーナー部分40の傾斜面に連続している。つまり掃気ポート24は、コーナー部分40に連続して排気ポート10から離れる方向に延びる後壁面38を有している。したがって、掃気通路22と掃気ポート24との境界部分の傾斜面で構成されるコーナー部分40に連続する掃気ポート24は、その排気ポート10とは反対側に拡大した形状を有している。
【0059】
図11を参照して、コーナー部分40(境界部分)の傾斜面をシリンダ室18に向けて凸形状の湾曲面で構成した場合にも、コーナー部分40に連なる掃気ポート24の後壁面38は、コーナー部分40の湾曲した傾斜面に連続しており且つ排気ポート10から離れる方向に延びている。
【0060】
図10、
図11を参照して「傾斜面」を説明したが、この説明は、
図1〜
図9を参照して説明した実施例つまり掃気ポート24をポート本体28とポート延長部分30とで構成した実施例においても同じである。
【0061】
この
図9の他の実施例においても、掃気ポート24から噴出する掃気ガスのうち混合気ポート8に近い側(排気ポート10とは反対側)の付随掃気ガスの流れBは、排気ポート10に近い側のメイン掃気ガスの流れAに比べて比較的高速である。したがって、メイン掃気ガス流Aに付随し且つ混合気ポート8に近い側の比較的高速の付随掃気ガス流Bに基づくコアンダ効果によって、排気ポート10に近い側のメイン掃気ガス流Aはシリンダ室18の壁面に近づく方向に偏向される。これにより、上述した「吹き抜け損失」の低減効果を高めることができる。
【0062】
図12は、第1実施例の変形例のエンジン120を示す。このエンジン120では、排気ポート10の近くに位置する第1の掃気ポート24Aは上述したポート本体28とポート延長部分30とで構成されているが、混合気ポート8の近くに位置する第2の掃気ポート24Bは従来と同様に第2掃気通路22Bに直接的に連通するポート形状を有している。この変形例のエンジン120にあっても、前述した第1実施例のエンジン100と同様の作用効果を奏することができる。勿論、
図9に図示の他の実施例の掃気ポート24と従来の掃気ポートとの組み合わせであってもよい。
【0063】
以上、層状掃気且つ反転掃気式の空冷エンジン100を例に本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されない。実施例では、片側に2つの掃気ポート24A、24Bを備えているが、掃気ポート24の数は限定されない。片側に一つの掃気ポート24を備えたエンジンであってもよいし、片側に3つの掃気ポート24を備えたエンジンであってもよい(特許文献5参照)。
【0064】
また、掃気ポート24の配置に関し、シリンダボア4を平面視したときに、左右対称に掃気ポート24を配置してもよいし、非対象に配置してもよい。
【0065】
図13に示すように、クランク室12内の混合気だけで掃気する形式のエンジン(フレッシュエアを使用しない掃気方式のエンジン)にも本発明を効果的に適用できる。また、
図14に示すように、吸気系のフレッシュエア通路50と掃気通路22との間にリード弁52を介装した形式のエンジンにも本発明を適用できる。
【0066】
実施例のエンジン100では、混合気ポート8と排気ポート10とが、シリンダ室18を挟んで直径方向に互いに対抗した位置に配置されている。2ストローク内燃エンジンは、混合気ポート8と排気ポート10とが同じ側に位置しているエンジンもある。このエンジンに対しても本発明を効果的に適用できる。
【0067】
また、実施例のエンジン100では、排気ポート10がシリンダ室18の一側に配置され、シリンダ室18の他側にフレッシュエアポート26が配置されている。2ストローク内燃エンジンは、フレッシュエアポート26を排気ポート10と同じ側に配置したエンジンが知られている。このエンジンに対しても本発明を効果的に適用できる。