(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る戸当たり部材は、通常、長尺状に成形され、取り付け枠の取り付け溝に、この取り付け溝に沿って圧入され、その機能を発揮する。本発明に係る戸当たり部材は、引戸等を有する建物の開口部において、騒音を低減し、衝撃を緩和すると共に気密性等を確保するのに好適に用いられ、特に、耐候性等が求められる開口部に好適に用いられる。建物の開口部に設けられるものとして、例えば、引戸、ガラス窓、サッシ、ドア等が挙げられる。
【0012】
本発明に係る戸当たり部材は、本体から屈曲形状に自立する、JIS A硬度が50〜80である戸当り部を有する戸当たり部材であって、戸当たり部及び/又は全体形状は公知の戸当たり部材と同じであっても異なっていてもよい。すなわち、本発明に係る戸当たり部材は、本体から屈曲形状に自立する戸当り部を有していれば、適宜の形状を採用できる。戸当たり部材の寸法は取り付けられる開口部等に応じて適宜に設定される。
【0013】
本発明に係る戸当たり部材の一例及びその製造方法を、図面を参酌しつつ説明するが、本発明に係る戸当たり部材は下記一例及びその製造方法に限定されるものではない。
【0014】
本発明に係る戸当たり部材の一例である戸当たり部材1は、
図1に示されるように、長尺状の本体10と、本体10の延在方向に沿って本体10の一主面における一端縁側に立設され、この一端縁側よりも本体10の他端縁側に先端が位置する屈曲形状に形成された戸当り部20とを有している。
【0015】
本体10は、戸当たり部材の長手方向及びこの長手方向に垂直な幅方向に延びる板状本体11と、板状本体11の他方の主面に一体的に形成された装着部12を有し、例えば5cm以上の長尺状に形成されている。この装着部12は逆T字型をしており、取り付け枠に形成された取り付け溝に嵌着される。
【0016】
戸当り部20は、本体10の延在方向に沿って長尺状の壁体として立設されている。この戸当たり部20は、本体10の一主面の幅方向中央よりも一端縁側から外方に向かって立設された立設部21と、立設部21に連設された屈曲部22と、屈曲部22に連設され、先端が立設部21の立ち上がり位置よりも他端縁側に位置する先端部23とを有している。このように戸当たり部20は、
図1に示されるように、長尺方向に垂直な断面形状が全体として屈曲形状になっている。ここで、戸当たり部20の寸法及び形状は、特に限定されず、取り付けられる開口部等に応じて適宜に設定される。例えば、屈曲部22の屈曲角度、立設部21の立設長さ(高さ)及び厚さ並びに先端部23の厚さは、適宜に設定される。戸当り部材1において、屈曲部22の屈曲角度は120〜140°、立設部21及び先端部23の厚さは1〜3mm、戸当り部20全体の立設長さは5〜20mmである。
なお、戸当たり部材1において、先端部23は、その先端が立設部21の立ち上がり位置よりも他端縁側に位置するように調整されている。この発明において、戸当たり部材は一端縁から外方に向かい、屈曲部で逆方向に向かう屈曲形状であればよく、戸当り部の先端は立設部21の立ち上がり位置と同じ直線上にあってもよく、また立設部21の立ち上がり位置よりも一端縁側に位置していてもよい。
【0017】
本発明に係る戸当たり部材の別の一例である戸当たり部材2は、
図2に示されるように、本体10が戸当たり部20に対向する対向壁25を有していること以外は戸当たり部材1と基本的に同様である。この対向壁25は、本体10の一主面の幅方向中央よりも他端縁側に戸当たり部20に対向するように本体10の延在方向に沿う長尺状に形成されている。この対向壁25は、本体10の一主面の幅方向中央よりも他端縁側から外方に向かって立設されている。したがって、戸当たり部20の立設部21と対向壁25とはその先端に向かって徐々に離間するように立設されている。なお、この対向壁25は、気密性を目的として形成されており、後述するように、本発明に係る戸当たり部材の製造方法において、支持部の形成部にもなりうる。
【0018】
これらの戸当たり部材1及び2は、加硫又は硬化後のJIS A硬度が50〜80である未加硫又は未硬化ゴム成分を含有するゴム組成物で一体的に形成され、その全体が50〜80のJIS A硬度を有している。JIS A硬度はJIS K6253(1997)に記載の方法に従って測定される値である。未加硫又は未硬化ゴム成分の加硫又は硬化後のJIS A硬度は、引き戸を戸辺り部材に嵌合する際に追従性が良くなる点で、60〜80であるのが好ましい。
そして、これら戸当たり部材1及び2は、本発明に係る戸当たり部材の製造方法によって製造されているから、JIS A硬度が50〜80という低硬度であるゴム成分を含有するゴム組成物を用いても、戸当たり部20は所定形状を有している。具体的には、戸当たり部20の屈曲部22は所定の屈曲角度、例えば120〜140°で屈曲しており、先端部23が本体10側に過度に屈曲も傾倒もせず、先端部23の先端が所望の位置に配置されている。
【0019】
また、戸当たり部材1及び2がこのようなゴム組成物で製造されていると、従来の戸当たり部材に比して、取り付け枠等の被装着体に追従性よく装着でき、またより高い気密性を確保し、さらに衝撃をより一層低減し、加えて耐火難燃性ゴム組成物で製造される場合には耐火性という近年の戸当たり部材に要求される特性を満足できる。特に、戸当たり部材1がシリコーンゴムを含有する組成物で製造されていると、これらに加えて、耐久性、耐候性という要求特性をも満たすことができ、広範な用途に好適に使用され、有用性が高い。
【0020】
JIS A硬度が50〜80であるゴム成分を含有するゴム組成物は、上述の範囲のJIS A硬度を有するゴム成分を含有するゴム組成物であればよく、例えば、ゴム成分として、ウレタンゴム成分、シリコーンゴム成分、クロロプレンゴム成分等が挙げられる。これらの中でも、耐久性、耐候性等に優れる点で、シリコーンゴム成分を含有するゴム組成物が好適に挙げられる。このような、シリコーンゴム成分を含有するゴム組成物としては、JIS A硬度が上述の範囲内にある公知のシリコーンゴム成分を含有するゴム組成物を特に制限されることなく、用いることができる。このゴム組成物は、ゴム成分と同様に、JIS A硬度が50〜80であるのが好ましい。
シリコーンゴム成分としては、例えば、平均単位式:RaSiO
(4−a)/2で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。平均単位式において、aは1.9〜2.1の平均数、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の1部又は全部がハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、エポキシ基、カルボキシル基等を含む有機基で置換された基であり、互いに同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基である。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数4〜10のシクロアルキル基が挙げられ、具体的には、シクロヘキシル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。Rは、好ましくは、その80モル%以上がメチル基であり、0.1〜0.5モル%がビニル基である。このオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が1,000cSt以上であるのが好ましく、10,000cSt以上であるのがさらに好ましい。なお、このオルガノポリシロキサンの末端はシラノール基、メチル基、ビニル基等で封鎖されたもの、特にビニル基で封鎖されたものが好ましい。
【0021】
このような、シリコーンゴム成分を含有するゴム組成物としては、例えば、商品名:KE−5620WU(信越化学工業株式会社製)、商品名:KE−5609U(信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0022】
JIS A硬度が50〜80であるゴム成分を含有するゴム組成物は、JIS A硬度が50〜80であるゴム成分に加えて、加硫剤、加硫促進剤、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、難燃化剤、顔料、酸化防止剤等の各種添加剤を含有していてもよい。これらの各種添加剤は公知のものを特に制限されることなく採用できる。
【0023】
例えば、難燃化剤等を含有する耐火難燃性ゴム組成物として、特許第3485387号公報に記載された耐火難燃性シリコーンゴム組成物等が好適に挙げられる。
【0024】
本発明に係る戸当たり部材の製造方法は、本体から屈曲形状に自立する戸当り部を有する戸当り部材を製造する方法であって、JIS A硬度が50〜80であるゴム成分を含有するゴム組成物を、本体、戸当り部、及び、本体から戸当り部に向かって延在して戸当り部を支持する支持部を有する長尺状成形体に押出す工程と、長尺状成形体を加熱する工程とを有している。ゴム組成物を押出す工程に用いられるダイスは、本発明に係る戸当たり部材における本体及び戸当り部に加えて、本体から戸当り部に向かって延在して戸当り部を支持する支持部を一体的に成形できるキャビティを有している。
【0025】
以下、戸当たり部材1を製造する具体的製造方法を説明する。
【0026】
戸当たり部材1の具体的製造方法においては、ゴム組成物を、本体10、戸当り部20、及び、本体10から戸当り部20に向かって延在して戸当り部を支持する支持部41を有する長尺状成形体40に押出す工程を実施する。この押出し工程によって、
図3に示されるように、長尺状の本体10と、本体10の延在方向に沿って本体10の一主面の一端縁側に立設され、この一端縁側よりも本体10の他端縁側に先端が位置する屈曲形状に形成された戸当り部20と、本体10の一主面の他端側から戸当り部20に向かって立設され、先端部23近傍まで延在する支持部41とを有する長尺状成形体40を、一体的に押出成形する。この長尺状成形体40の支持部41は、戸当り部20に間隔をあけて近接対向するように、形成されている。すなわち、支持部41は、その先端が戸当り部20の先端部23近傍、例えば、戸当たり部20の所定の屈曲角度を考慮して0.5〜5mm離間する位置まで、伸びている。このように支持部41が成形されると、加硫後又は硬化後の支持部41の剥離容易性、ダイス30のキャビティ31の調整容易性等に優れる。なお、支持部41の剥離容易性及びキャビティ31の調整容易性等よりも、戸当たり部20の屈曲角度を厳密に制御することを目的とするのであれば、支持部41を戸当り部20に接続するように成形することができる。
【0027】
したがって、この押出す工程において用いられる好適なダイス30は、
図4に示されるように、本体10、戸当り部20及び支持部41を成形可能なキャビティ31を有している。
【0028】
この具体的製造方法においては、このダイス30に押出機を用いてゴム組成物を押出成形する。この押出す工程で用いる押出機はゴム組成物をダイス30に押し出すことができれば、その構造、例えば、スクリュー数、押出方向(ストレート又はクロス)等は特に限定されず、公知の押出機を使用することができる。したがって、押出機は縦型押出機であっても横型押出機であってもよい。
【0029】
ゴム組成物は、JIS A硬度が50〜80であるゴム成分を含有するゴム組成物であれば特に制限はないが、前述の通り、シリコーンゴム成分を含有するゴム組成物、又は、戸当たり部材1に耐火難燃性が求められる場合には耐火難燃性シリコーンゴム組成物を用いるのが好ましい。
【0030】
この押出す工程は、用いるゴム組成物に応じてこのゴム組成物を押出成形可能な適宜の条件を採用することができ、押出成形の条件及び方法等は特に制限されない。
【0031】
このようにして、押出す工程において、本体10と戸当り部20と支持部41とを有する長尺状成形体40が成形される。そして、成形された長尺状成形体40は、
図3に示されるように、支持部41が戸当り部20に接することなく、成形直後の屈曲状態を保持している。なお、
図5に示されるように、支持部41が戸当り部20に接していてもよい。
【0032】
押出す工程において、
図3に示されるように、支持部41の本体10近傍に、長尺状成形体40の延在方向に沿う溝状の切り込みを設けると後述する除去する工程で支持部41を容易に除去できる。このような切り込みは、
図4に示されるように、支持部41を形成するキャビティ31に突起を設けることによって、形成できる。
【0033】
この具体的製造方法においては、このようにして成形された長尺状成形体40を、例えば横型加熱炉又は縦型加熱炉等の加熱手段を用いて、加熱する工程を実施する。
【0034】
ところが、押出す工程が終了後、ゴム組成物が加熱加硫又は加熱硬化するまでに、戸当たり部20が重力又は自重によって、また加熱する工程における加熱によって、屈曲部22を中心に屈曲し、又は先端部23が屈曲して、戸当たり部20が必要以上に傾倒することがある。特に長尺状成形体40を牽引しつつ横型加熱炉内を搬送して加熱する工程を実施すると、戸当たり部20は傾倒しやすくなる。しかし、この具体的製造方法においては、支持部41が戸当たり部20の先端部23近傍まで延びる長尺状成形体40を成形するから、低硬度のゴム組成物で長尺状成形体40が成形されていても、また牽引しつつ横型加熱炉内を搬送しても、支持部41が次第に傾倒してくる戸当たり部20、特にその先端部23に接して支持し、過度の屈曲を防止できる。特に、戸当たり部材1の具体的製造方法は、耐久性、耐候性等に優れる比較的硬度が小さく柔軟で、押出成形後の形状を硬化するまで保持できない傾向にあるシリコーンゴム組成物を用いても、戸当たり部20の過度の屈曲を防止して、耐久性、耐候性等に優れた所定形状の戸当り部材を製造できる。このとき、その先端部23と支持部41とは、
図5に示される長尺状成形硬化体45のように、支持部41の先端の一部が先端部23の側面に接触する。
【0035】
そして、この加熱する工程において、戸当たり部20が傾倒し、場合によっては支持部41に接触支持された状態で長尺状成形体40が加熱加硫又は加熱硬化される。このときの加硫条件又は硬化条件は用いるゴム組成物に応じてゴム組成物が加硫又は硬化する温度及び時間が選択され、通常、加熱炉等で所定時間加熱される。例えば、シリコーンゴム組成物は、1次硬化及び二次硬化を経て加熱硬化されるのが寸法安定性等に優れる点で好ましく、1次硬化及び二次硬化の条件はシリコーンゴム組成物に応じて適宜の条件が選択される。このようにして、長尺状成形体40が加熱加硫又は加熱硬化されると、戸当たり部20が支持部41に接触しているときは、
図5に示される長尺状成形硬化体45が形成される。長尺状成形硬化体45において、支持部41は、その先端の一部が先端部23に接触して一体的に加熱硬化し、支持部41と先端部23との接触部は支持部41よりも細くなる。
【0036】
この具体的製造方法においては、所望により、長尺状成形硬化体45から支持部41を除去する工程を実施する。この工程は、例えば、加熱する工程の直後、出荷前、使用直前等、任意の時期に実施できる。この除去する工程は、出荷前又は使用直前に実施するのが、保存時における戸当たり部20の屈曲を防止できる点で、よい。すなわち、この具体的製造方法において、長尺状成形硬化体45はそのまま保存することもでき、また支持部41を除去してから保存することもできる。
【0037】
支持部41を引っ張ると、支持部41の先端の一部が接触硬化した、戸当たり部20との接触部から容易に剥離されることができる。特に、本体10における支持部41の立設部にも切り込み等を形成しておくと、支持部41を本体10からも容易に剥離することができる。このようにして支持部41を戸当たり部20及び本体10から剥離すると、支持部41と接触硬化していた戸当たり部20及び本体10に支持部41の線状痕が残る。なお、支持部41を切除によって除去することもできる。
【0038】
この具体的製造方法においては、このようにして、成形後における戸当たり部20の屈曲を防止できるから、低硬度のゴム成分を含有するゴム組成物を用いても、押出す工程によって押出成形された形状を保持して所定形状の戸当り部材1を再現性よく製造できる。
【0039】
戸当たり部材2を製造する場合には、戸当たり部材1と同様に支持部41を本体10に立設してもよいが、
図2に破線で示されるように、対向壁25から戸当たり部20に向かって延在する支持部42を設けるのが好ましい。
【0040】
本発明に係る戸当たり部材は、上述した例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、本体10は1枚の板状本体11と装着部12とを有しているが、本発明において、本体は、柱状等の板状でなくてもよく、また複数の板状本体を有していてもよく、さらに装着部を有していなくてもよい。
【0041】
また、本発明に係る戸当たり部材は、戸当たり部が所期の機能を発揮するために容易に屈曲するように屈曲部の厚さを薄くしてもよく、また屈曲部の内側に断面円形又は多角形等の切り欠き溝を設けてもよい。このように屈曲部を改変しても、本発明に係る戸当たり部材は、本発明に係る戸当たり部材の製造方法で製造されるから、所定形状に再現性よく製造される。
【0042】
本発明に係る戸当たり部材の製造方法は、上述した具体的製造方法に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、本発明に係る戸当たり部材の製造方法は、所望により、長尺状成形硬化体45又は戸当たり部材1若しくは2を所定長さに切断する工程を有していてもよい。
【0043】
また、本発明に係る戸当たり部材の製造方法は、加熱する工程の前に、戸当たり部の屈曲状態を調整する工程を有していてもよく、調整する工程を加熱する工程と共に実施してもよい。調整する工程は、例えば、長尺状成形体40の搬送経路に、戸当たり部の屈曲状態を矯正するブレード等の矯正具を配置することにより、実施できる。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
シリコーンゴム組成物(商品名:KE−5620WU、信越化学工業株式会社製)100質量部と、硬化剤(商品名:C-24、信越化学工業株式会社製)2質量部とを含有するゴム組成物を調製した。このゴム組成物の硬化後のJIS A硬度は70であった。
【0045】
このゴム組成物を用いて、
図4に示されるダイス30が装着された縦型押出機によって、
図3に示される形状を有する長尺状成形体40を成形した。長尺状成形体40の寸法は以下の通りである。
本体10の幅20mm、全体厚さ25mm、長さ50m
戸当たり部材20の厚さ1.5mm、高さ20mm、板状本体11に対する傾斜角度120°
屈曲部22の屈曲角度120°
先端部23の厚さ1.5mm、高さ10mm
立設部21の厚さ1.5mm、高さ10mm、板状本体11に対する傾斜角度120°
支持部41の厚さ1.5mm、延在長さ18mm、板状本体11に対する傾斜角度70°、先端部23との離間距離1mm
【0046】
次いで、長尺状成形体40を、内部温度が500℃に設定された縦型加熱炉中を10秒かけて搬送して、ゴム組成物を1次硬化させた。次いで、この1次硬化体を内部温度が200℃に設定されたオーブン(乾燥機)5時間投入して2次硬化させて、
図5に示される長尺状成形硬化体45を得た。
【0047】
長尺状成形硬化体45の支持部41の端縁を摘まんで除去し、戸当たり部材1を製造した。製造された戸当たり部材1において、戸当たり部20の屈曲角度は120°で、所定の屈曲角度、すなわち所定形状を満たしていた。
【0048】
同様にして戸当たり部材1を10検体製造したところ、すべての検体において戸当たり部材20の屈曲角度が所定角度±5°以内にあり、高い再現性が得られた。
【0049】
(実施例2)
図4に示されるダイスに代えて
図2に示される形状に対応するキャビティを有するダイスを用いて、戸当たり部材2を実施例1と基本的に同様にして製造したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0050】
(比較例1)
図4に示されるダイスに代えて
図1に示される形状に対応するキャビティを有するダイスを用いて、戸当たり部材10検体を実施例1と基本的に同様にして製造した。その結果、戸当たり部材それぞれの戸当たり部は大きく屈曲し、所定の屈曲角度を逸脱していたものがあった。また、戸当たり部材それぞれにおける屈曲角度は大きくばらつき、製造した戸当たり部材の再現性は乏しかった。