【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による解決策は、TDIモードにおいて動作するが、それにも拘らず、ピクセル内における電荷−電圧変換を伴う能動型ピクセルを使用するピクセルの2つのラインのみの使用に基づいている。本発明によれば、2つのラインの同一ランクのピクセルは、それぞれ、フォトダイオードと、フォトダイオード内に蓄積された電荷を電荷保存ノードに転送するようにフォトダイオード及び保存ノードに隣接した転送ゲートを有する電荷保存用のノードと、を使用している。保存ノードは、同一ランクの2つのピクセルの間で共有されており、且つ、2つのフォトダイオードの電荷は、この電荷に起因してノードが取得する電位の読取りの前に、このノードに対して連続的に転送され、2回の電荷転送を分離している時間間隔は、ピクセルの2つのラインを連続的に過ぎる同一の画像ラインの通過を分離する時間に実質的に対応している。
【0011】
従って、1つのピクセルの内部に位置するが2つのピクセルに共通する保存ノードは、観測対象のシーンとセンサの間の相対的な運動において同一の画像ポイントを観察する2つの異なるフォトダイオードから生じた電荷の2つのパケットの連続的な到着を観察する。
【0012】
この結果、ピクセルの2つのラインに限定した際には、即ち、感度及び信号対ノイズ比の観点において中程度の利得に限定した際には、ピクセルを製造するために技術を大幅に変更する必要性は存在せず、ピクセルは、従来のMOS技術の能動型ピクセル(通常は、1つのフォトダイオードといくつかのトランジスタを有するピクセルである)に留まることができることが判明した。
【0013】
従って、本発明は、運動及び電荷蓄積によって動作する電荷転送画像センサを提案し、このセンサは、2つのラインの同一ランクの2つのピクセル内の画像ポイントによって収集された電荷の加算を伴うピクセルの2つのラインによる連続的な同一の画像ラインの観測を目的としたP個のピクセルの2つの隣接するラインを有し、これらのピクセルは、フォトダイオードと、電荷保存ノードと、フォトダイオード及び保存ノードに隣接した転送ゲートからなる電荷をフォトダイオードから保存ノードに転送する手段と、を有するMOS技術の能動型ピクセルであり、電荷保存ノードは、同一ランクの2つのピクセルに共通しており、且つ、シーケンシング手段は、保存ノードの電位の再初期化と、保存ノードの再初期化された電位のサンプリングと、サンプリングの直後における第1ピクセルのフォトダイオードから共通保存ノードへの電荷の第1転送と、周期的サイクルの末尾における第2ピクセルのフォトダイオードから保存ノードへの電荷の第2転送であって、2回の転送の間には、保存ノードの電位の再初期化が伴っていない、第2転送と、電荷の第2転送の後の保存ノードの電位のサンプリングと、を連続的に有する周期的サイクルを確立するように設計されていることを特徴としている。
【0014】
2回の電荷転送は、一方は、サイクルの開始点の後に非常に迅速に実行され、他方は、サイクルの末尾の非常にわずかに前において実行される。これらを分離している時間間隔は、実質的に、画像ラインがピクセルの第1ラインとピクセルの第2ラインの間において運動した間隔である。周期的なサイクルタイムは、この持続時間よりもわずかに大きく、その理由は、電荷の第1転送は、再初期化された電位のサンプリングの前に実行することができず、且つ、電荷の第2転送は、保存ノードの電位の最後のサンプリングの瞬間において終了しなければならないためである。
【0015】
実際に、ピクセルは、ピクセルに固有のフォトダイオード及び同一ランクの2つのピクセルに共通する保存ノードに加えて、一側においては個々のフォトダイオードに隣接すると共に他側においては共通保存ノードに隣接した個々の転送ゲートと、2つのピクセルに共通する再初期化トランジスタと、2つのピクセルに共通する読取りトランジスタと、を有する。
【0016】
第1実施形態においては、センサは、同一ランクの2つのピクセルごとに、再初期化の後の保存ノードの電位のサンプルと、電荷のダブル転送の後の保存ノードの電位のサンプルと、をそれぞれ受け取るように、2つのサンプリングコンデンサのみを有する読取り回路を有する。アナログ−デジタルコンバータは、これらのコンデンサ内に保存されている電圧の差を循環的に変換する。
【0017】
この場合に、シーケンシング手段は、連続的且つ循環的に、
−第1サイクルの開始点において、電荷保存ノードの電位の再初期化を、
−次いで、第1コンデンサ内における保存ノードの電位のサンプリングを、
−次いで、第1ピクセルのフォトダイオードから保存ノードへの電荷の全体転送を、
−次いで、第1サイクルの末尾に向かって、第2ピクセルのフォトダイオードから保存ノードへの電荷の全体転送を、
−次いで、第2コンデンサ内における保存ノードの電位のサンプリングを、
−次いで、第2サイクルの間において、保存ノードの電位の再初期化及び第1コンデンサ内におけるこの電位の第2サンプリングを、そして、
−この後においてのみ、第1サイクルの末尾の後において、第2コンデンサ内に保存されている第1サイクルのサンプルと第1コンデンサ内に保存されている第2サイクルのサンプルの間の差のアナログ/デジタル変換を、
実行する。
【0018】
このダブルサンプリングは、相関ダブルサンプリングではない。
【0019】
別の実施形態においては、相関ダブルサンプリングが実行される。センサは、同一ランクの2つのピクセルごとに、3つのサンプリングコンデンサを有する読取り回路を有し、これらのうちの第1及び第3サンプリングコンデンサは、再初期化の後の電位のサンプリングに専用であり、第2サンプリングコンデンサは、電荷のダブル転送の後のサンプリングに専用である。
【0020】
この結果、シーケンシング手段は、奇数サイクル及び偶数サイクルの交互の変化の間に、連続的に、
a)サイクルの開始点において、再初期化トランジスタによる電荷保存ノードの電位の再初期化を
b)次いで、奇数サイクルにおいて第1コンデンサ内での、或いは、偶数サイクルにおいて第3コンデンサ内での、保存ノードの電位のサンプリングを、
c)次いで、第1ピクセルのフォトダイオードから保存ノードへの電荷の全体転送を、
d)次いで、サイクルの末尾に向かって、第2ピクセルのフォトダイオードから保存ノードへの電荷の全体転送を、
e)次いで、第2コンデンサ内における保存ノードの電位のサンプリングを、そして、
f)次いで、後続のサイクルの間において、保存ノードの電位の再初期化及び後続の偶数サイクルにおける第3コンデンサ内における又は後続の奇数サイクルにおける第1コンデンサ内におけるこの電位の第2サンプリング、並びに、ステップeにおいて第2コンデンサ内に保存されたサンプルとステップbにおいて第1又は第3コンデンサ内に保存されたサンプルの間の差のアナログ−デジタル変換を、
を実行し、従って、第1及び第3コンデンサの役割が、それぞれのサイクルにおいて相互交換されている。
【0021】
このダブルサンプリングは、相関ダブルサンプリングである。
【0022】
この場合には、2つの異なる実施形態が想定され、一実施形態においては、ピクセルの信号に起因した変換のために単一のアナログ−デジタルコンバータが存在しており、且つ、第1コンデンサ又は第3コンデンサは、進行中に、サイクルに応じて、このコンバータの1つの入力に交互に接続される。コンバータのもう1つの入力は、第2コンデンサにリンクされている。別の実施形態においては、2つのコンバータが設けられ、一方は、第1コンデンサに接続された入力を有し、他方は、第3コンデンサに接続された入力を有し、且つ、一方の又は他方のコンバータの出力は、進行中に、サイクルに応じて、交互に使用される。この第2のケースにおいては、相関ダブルサンプリングをそれぞれのサイクルにおいて実行できるようにしているのは、第1又は第3コンデンサ内における保存の選択肢の交互の変化ではなく、コンバータの選択肢の交互の変化である。
【0023】
更に別の実施形態においては、2つのアナログ−デジタルコンバータと、それぞれ第1及び第3サンプルを取得する第1及び第3コンデンサであって、2つのコンデンサのそれぞれは、個々のコンバータの第1入力にリンクされている、第1及び第3コンデンサと、2つのサイクルのうちの1つのサイクルにおいて交互に第2サンプルを保存するように、それぞれのコンバータの第2入力にそれぞれリンクされた第2及び第4コンデンサと、が存在しており、コンバータのうちの1つは、第2コンデンサ内に保存されているサンプルと第1コンデンサ内に保存されているサンプルの間の差の変換を提供し、他方のコンバータは、第4コンデンサ内に保存されているサンプルと第3コンデンサ内に保存されているサンプルの間の差の変換を提供する。
【0024】
この結果、シーケンシング手段は、奇数サイクル及び偶数サイクルの交互の変化の間に、
a)サイクルの開始点における電荷保存ノードの電位の再初期化と、
b)その後の奇数サイクルにおける第1コンデンサ内での又は偶数サイクルにおける第3コンデンサ内での保存ノードの電位のサンプリングと、
c)その後の第1ピクセルのフォトダイオードから保存ノードへの電荷の全体転送と、
d)その後の、サイクルの末尾に向かう、第2ピクセルのフォトダイオードから保存ノードへの電荷の全体転送と、
e)その後の奇数サイクルにおける第2コンデンサ内での又は偶数サイクルにおける第4コンデンサ内での保存ノードの電位のサンプリングと、
f)その後の、後続のサイクルの間における、保存ノードの電位の再初期化及び後続の偶数サイクルにおける第3コンデンサ内での又は後続の奇数サイクルにおける第1コンデンサ内でのこの電位の第2サンプリング、並びに、最後の、第2コンデンサ内に保存されているサンプルと第1コンデンサ内に保存されているサンプルの間の差の後続の偶数サイクルにおける第1コンバータによるアナログ−デジタル変換、或いは、第4コンデンサ内に保存されているサンプルと第3コンデンサ内に保存されているサンプルの間の差の第2コンバータによる後続の奇数サイクルにおけるアナログ―デジタル変換と、
の連続した動作を循環的に実行するように設計されている。
【0025】
本発明のその他の特性及び利点については、添付図面を参照して提供される以下の詳細な説明を参照することにより、明らかとなるであろう。