(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
検体の測定を行う測定部と、前記検体の測定に関する情報処理を行う情報処理部と、を含む複数の検体分析装置が、互いに通信可能に接続された分析装置システムであって、
それぞれの前記情報処理部は、
前記情報処理を実行するためのプログラムおよび前記プログラムの属性を示す属性情報を記憶している記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを実行して情報処理を行う処理部と、を備え、
前記処理部は、
他装置が記憶しているプログラムの属性情報を取得し、
前記他装置から取得した属性情報に基づいて、前記他装置が記憶する前記プログラムの中から自装置において発生したイベントの処理に利用可能なプログラムを抽出し、
自装置においてイベントが発生した場合、抽出されたプログラムから選択される一のプログラムを記憶する前記他装置に対して、イベントの処理要求を送信する、
分析装置システム。
前記イベントの処理要求を受信した前記他装置の処理部は、前記選択された一のプログラムを実行することで前記イベントを処理する、請求項1に記載の分析装置システム。
前記処理部は、自装置が記憶するプログラム及び利用可能であるとして抽出された他装置のプログラムの中からオペレータによる選択を受け付け、選択されたプログラムを用いてイベントを処理する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分析装置システム。
前記処理部は、オペレータによるプログラムの選択を受け付ける機能選択画面を表示することが可能であり、前記機能選択画面は、システムに接続された各情報処理部に対応する複数の領域を有し、各領域には、対応する装置が記憶するプログラムの名称が選択可能に表示されている請求項5に記載の分析装置システム。
前記処理部は、予め設定された選択基準に基づいて、機能毎に、同一の機能を有する複数のプログラムの内のいずれか一つを自動的に選択する請求項1〜6のいずれか一項に記載の分析装置システム。
前記処理部は、自装置のシャットダウンの指示を受け付けた場合であって、自装置が記憶するプログラムが他装置によって選択されている場合、オペレータに対して、自装置が記憶するプログラムが他装置によって選択されている旨の通知を出力する請求項1〜7のいずれか一項に記載の分析装置システム。
前記処理部は、前記通知を出力した後、シャットダウンを許可するか否かのオペレータの選択を受け付けることが可能であり、許可する旨の第1の選択を受け付けるとシャットダウンを実行し、許可しない旨の第2の選択を受け付けるとシャットダウンを中止する請求項8に記載の分析装置システム。
前記処理部は、前記通知を出力した後、さらに、自装置とともに他装置をシャットダウンするか否かのオペレータの第3の選択を受け付けることが可能であり、前記処理部は、第3の選択を受け付けると、自装置が記憶するプログラムを選択している他装置に対してシャットダウンの指示を送信する、請求項9に記載の分析装置システム。
検体の測定を行う測定部と、前記検体の測定に関する情報処理を行う情報処理部と、を含む複数の検体分析装置が、互いに通信可能に接続された分析装置システムであって、
それぞれの前記情報処理部は、
前記情報処理を実行するためのプログラムと前記プログラムの属性を示す属性情報を記憶している記憶部と、
前記記憶部に記憶されたプログラムを実行して情報処理を行う処理部と、を備え、
一の処理部は、システム内に接続されている他装置に対して、属性情報の送信要求をブロードキャスト通信で送信し、
送信要求を受信した他の処理部は、自装置が記憶しているプログラムの属性情報を、送信要求の送信元に対して送信し、
一の処理部は、他装置から受信した属性情報に基づいて、自装置において発生したイベントの処理に利用可能なプログラムを抽出し、抽出したプログラムから選択される少なくとも一のプログラムを記憶する他装置に対して、自装置において発生したイベントの処理要求を送信する、
分析装置システム。
検体の測定に関する情報処理を行う情報処理部を含む検体分析装置が、互いに通信可能に複数接続された分析装置システムにおいて、発生した前記情報処理に関するイベントの処理方法であって、
一の情報処理部において、システム内の他の情報処理部が記憶しているプログラムの属性情報を取得し、
前記一の情報処理部において、他の情報処理部から取得した属性情報に基づいて、自装置において発生したイベントの処理に利用可能なプログラムを抽出し、
自装置においてイベントが発生した場合、自装置において利用可能なプログラムから選択された一のプログラムを記憶する他装置に対して、発生したイベントの処理要求を送信する、処理方法。
検体の測定に関する情報処理を行う情報処理部を含む検体分析装置が、互いに通信可能に複数接続された分析装置システムにおいて、発生した前記情報処理に関するイベントの処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに
システム内の自装置以外の他の検体分析装置に含まれる他の情報処理部が記憶しているプログラムの属性情報を取得するステップと、
前記他の情報処理部から取得した属性情報に基づいて、自装置において発生したイベントの処理に利用可能なプログラムを抽出するステップと、
自装置においてイベントが発生した場合、自装置において利用可能なプログラムから選択された一のプログラムを記憶する他装置に対して、発生したイベントの処理要求を送信するステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔1.分析装置システムの構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る分析装置システムの全体構成を示す図である。
この分析装置システム1は、複数の検体分析装置2を備えている。分析装置システム1は、これら複数の検体分析装置2を、ネットワークN(TCP/IPネットワーク)によって互いに通信可能に接続して構成されている。
【0009】
複数の検体分析装置2は、例えば、検体として患者から採取された例えば血液や尿などの臨床検体を分析する分析装置である。各検体分析装置2は、情報処理装置3と、検体測定装置4とを備えている。情報処理装置3は、検体測定装置4における検体測定の制御、及び測定データの分析等の処理を行う。なお、本実施形態のネットワークN内には、検体の測定データ等を管理するためのホストコンピュータHや、単体の情報処理装置3も接続されている。
【0010】
これら複数の検体分析装置2及び情報処理装置3は、それぞれが互いに異なる施設に設置されていてもよいし、同一の施設に設置されていてもよい。
【0011】
図2は、検体分析装置2の構成を示すブロック図である。検体分析装置2に含まれる情報処理装置3は、処理部10、記憶部11、及び表示部12を備えており、パーソナルコンピュータと同様の機能を有している。記憶部11は、ハードディスクで構成されている。記憶部11には、情報処理装置3の処理部10において実行されるコンピュータプログラムがインストールされている。記憶部11には、前記処理の実行に必要な設定値データや処理結果等も記憶される。記憶部11の内容については、後に詳述する。
【0012】
処理部10は、CPU、ROM、RAM等を含み、記憶部11に記憶されたプログラムを読み出して実行する機能を有している。表示部12は、検体の分析結果の表示出力、検体分析装置2の操作画面等の表示を行うためのものであり、ディスプレイやタッチパネル等により構成されている。なお、分析結果は、情報処理装置3に接続されたプリンタ13によって印刷出力も可能である。
【0013】
検体測定装置4は、測定部15と、搬送部16と、通信部17とを備えている。搬送部16は、検体が収容された検体容器をラックに載せて測定部15に搬送する。測定部15は、搬送部16によって搬送された検体容器内の検体を吸引して、血球数等を測定(検体測定処理)を行う。検体容器には個々の検体を識別するための検体IDを示すバーコードラベルが貼付されている。測定部15は、ラックに搭載された検体容器のバーコードを読み取るバーコードリーダ(ID取得部)15aを備えており、バーコードリーダ15aが検体容器のバーコードを読み取ることで、情報処理装置3は検体IDを認識することができる。
【0014】
通信部17は、測定部15及び搬送部16と、情報処理装置3との間の通信を行う機能を有している。情報処理装置3から送信された命令やデータは、通信部17を介して測定部15又は搬送部16に与えられ、測定部15及び搬送部16にて得られた情報(センサ検出結果など)は、通信部17を介して、情報処理装置3に与えられる。
【0015】
検体分析装置2の情報処理装置3は、ネットワークNに接続されており、ホストコンピュータHとの間で通信可能である。ホストコンピュータHは、ネットワークNに接続された複数の検体分析装置2に対して発行すべき測定オーダ情報と、測定オーダ情報にしたがって検体分析装置2が検体を測定・分析して得た分析結果とを統合して管理するコンピュータである。
【0016】
ホストコンピュータHは、測定オーダ情報と、その測定オーダ情報に従って得られる分析結果とが対応付けて登録される患者データベースを記憶、管理している。測定オーダ情報は、検体IDで示される個々の検体について測定すべき項目などを示す情報である。測定オーダ情報は、検体ID、検体が採取された患者の患者ID、検体について測定すべき項目等を含む。測定オーダ情報は、後述するオーダ登録処理によって生成、登録される。
【0017】
ホストコンピュータHは、検体分析装置2から検体に付された検体IDが送信されると、その検体IDに対応する測定オーダ情報を情報処理装置3に対して送信する。情報処理装置3は、ホストコンピュータHから測定オーダ情報を受信すると、その測定オーダ情報を記憶部11に記憶し、その測定オーダ情報に従った測定を測定部15に行わせる。測定部15は測定データを情報処理装置3に返す。情報処理装置3は、取得した測定データを記憶部11に記憶するとともに、測定オーダ情報に対する結果報告のためにホストコンピュータHに分析結果を送信する。ホストコンピュータHは、与えられた分析結果を、測定オーダ情報に対応付けて患者データベースに登録し管理する。
【0018】
〔2.情報処理装置の機能〕
図3は、情報処理装置3における記憶部11の記憶内容を示す図である。図に示すように、記憶部11には、処理データ20と、IPUプログラム21とが記憶されている。処理データ20は、IPUプログラム21の実行時に参照される設定値と、モジュールデータベースを含む。このモジュールデータベースについては、後に詳述する。
【0019】
IPUプログラム21は、機能別に構成された複数のプログラムを含む。なお、本明細書では、定義された機能を実行させるプログラムの単位をプログラムモジュール、あるいは単にモジュールと呼ぶこととする。IPUプログラム21は、具体的には、分析モジュール、記憶検体モジュール、本体制御モジュール、測定オーダモジュール、表示印刷モジュール、設定モジュール、ホスト通信モジュール、精度管理モジュール、ユーザ管理モジュール、自動シャットダウンモジュール、情報処理制御モジュール等を含む。
【0020】
分析モジュールは、測定部15によって生成された測定データを、分析条件設定を参照して分析して分析結果を生成する機能を有するプログラムである。
【0021】
記憶検体モジュールは、分析モジュールによって生成された分析結果を患者データベースに登録する要求をホストコンピュータHに送信する機能を有するプログラムである。
【0022】
本体制御モジュールは、測定オーダ情報にしたがって、測定部15および搬送部16に測定項目の測定を実行させる機能を有するプログラムである。具体的には、本体制御モジュールは、測定部15及び搬送部16といった各動作部が測定項目を測定するために必要な動作をスケジューリングした動作スケジュールを作成する。動作スケジュールの作成にあたっては、処理データ20に含まれる本体部設定が参照される。作成された動作スケジュールは、測定部15及び搬送部16のドライバ回路によって各動作部に割り当てられる。
【0023】
測定オーダモジュールは、患者IDおよび測定項目を含む測定オーダ情報の入力を受け付ける機能と、入力された測定オーダ情報を患者データベースに登録する要求をホストコンピュータHに送信する機能を有するプログラムである。
【0024】
表示印刷モジュールは、表示部12へのデータ表示出力や、プリンタ13への印刷データの出力等の機能を有するプログラムである。
【0025】
設定モジュールは、測定部15及び搬送部16といった各動作部に関する各種設定の入力を受け付けて、記憶部11に記憶させる機能を有するプログラムである。
【0026】
ホスト通信モジュールは、ホストコンピュータHと通信する機能を有するプログラムである。
【0027】
精度管理モジュールは、精度管理検体の分析結果を基に、精度管理チャートを作成する機能を有するプログラムである。
【0028】
ユーザ管理モジュールは、検体分析装置2及び情報処理装置3を使用するオペレータの情報管理機能を有するプログラムである。
【0029】
自動シャットダウンモジュールは、自装置3をシャットダウンする際に、自装置3のモジュールを利用している他装置3のシャットダウンについて制御する機能を有するプログラムである。
【0030】
情報処理制御モジュールは、情報処理装置3の各部を包括的に制御する機能を有するとともに、自装置3で発生した情報処理に関するイベントを処理する際に、自装置3又は他装置3が記憶するIPUプログラム21に含まれるモジュールの中から、使用するモジュールを選択的に利用するための処理を実行する機能を有している。
【0031】
図4は、各情報処理装置3が有するIPUプログラム21の構成の一例を示す図である。(a)、(b)、(c)は、それぞれ異なる情報処理装置3cの一例を示している。
ここで、第1装置2a及び第2装置2bが血球分析装置、第3装置2cが血液凝固測定装置であるとする。
【0032】
図4に示すように、各装置2の情報処理装置3は、同一機能のモジュールを重複して有していたり、他装置3が有しているモジュールを自装置3が有していなかったりすることがある。また、複数の情報処理装置3が同一機能のモジュールを有していても、それらのバージョンが互いに異なる場合もある。
【0033】
図4において第2装置2bの情報処理装置3bは、ホスト通信モジュールを有していないが、他装置3a、3cのホスト通信モジュールを利用することで、自装置にホスト通信モジュールをインストールすることなく、ホストコンピュータと通信することができる。また、第1装置2aの情報処理装置3aは、他装置3bの測定オーダモジュールを利用することで、自装置にインストールされた測定オーダモジュールを異なるバージョンで実行することができる。例えば、情報処理装置3aの測定オーダモジュールが古いバージョンで、情報処理装置3bの測定オーダモジュールが新しいバージョンである場合、情報処理装置3aのバージョンアップをしなくても、新バージョンの動作確認を行うことができる。
【0034】
〔3.分析装置システムの処理動作について〕
〔3.1 検体分析装置の起動時の処理動作〕
次に、本実施形態のシステムの処理動作について説明する。
図5は、分析装置システム内の検体分析装置における起動時の処理動作を示すフローチャートである。
図5では、第2装置2bの情報処理装置3bを起動する際における当該情報処理装置3bの処理動作を示している。また、
図5では、理解し易くするために、第2装置2bの情報処理装置3bと、同じシステム内で起動状態にある他装置3である第1装置2aの情報処理装置3aとの間の関係のみに着目して説明する。なお、他装置3が複数存在していたとしても、第2装置2bの情報処理装置3bは、複数の他装置3それぞれに対して、ほぼ同様の処理を行う。ここでは、第2装置2bの情報処理装置3bによる処理を主として説明するが、他の第1装置2aの情報処理装置3a、第3装置2cの情報処理装置3c、第4装置2dの情報処理装置3dも、同様の処理を実行することができる。
【0035】
まず、第2装置2bの情報処理装置3bに対して電源が投入されると、情報処理装置3bが起動する(ステップS101)。第2装置2bの情報処理装置3bは、他装置3に対して、当該他装置3が記憶するモジュールの属性情報の送信要求をブロードキャスト通信で送信する(ステップS102)。属性情報の送信要求は、送信元を示すIPアドレスを含む。なお、システム1内に接続されている他装置3について送信先に関する情報を有している場合には、ユニキャストで送信してもよい。
【0036】
モジュールの属性情報は、モジュールが用いられる装置の装置種別、モジュールの機能を示す機能種別、及びモジュールのバージョンを示すバージョン情報を少なくとも含む。装置種別は、装置の上位カテゴリ、下位カテゴリの情報を含む。下位カテゴリは、検体分析装置が分析対象とする検体の種類や測定内容に応じて定義される。下位カテゴリとしては、例えば、血球計数装置、血液凝固分析装置、尿分析装置、免疫分析装置、生化学分析装置などが例示される。上位カテゴリは、一又は複数の下位カテゴリを包括する概念として定義される。例えば、血球計数装置と尿分析装置は同じ上位カテゴリに属し、血液凝固分析装置とは別の上位カテゴリに属する。
【0037】
第1装置2aの情報処理装置3aは、第2装置2bからの属性情報の送信要求を受信すると、受信したIPアドレスを参照して当該送信要求の送信元を特定する。次いで、第1装置2aの情報処理装置3aは、他装置の利用を許可すべきモジュールが、自装置3aが記憶するモジュールの中に有るか否かを判定する(ステップS103)。例えば、自装置3aが記憶するモジュールの中に、自装置3aのみが利用すべきモジュールがある場合や、予め他装置3の利用を制限するように設定しているモジュールがある場合、これらモジュールの属性情報については送信されない。
【0038】
利用を許可すべきモジュールが有ると判定すると(ステップS103においてYES)、第1装置2aの情報処理装置3aは、利用を許可すべき一又は複数のモジュールを抽出する(ステップS104)。第1装置2aの情報処理装置3aは、抽出した一又は複数のモジュールの属性情報を、送信要求の送信元を示すIPアドレスに向けて送信する(ステップS105)。S105において送信される属性情報は、送信元を示すための情報として自装置3aのIPアドレスを含む。
【0039】
一方、利用を許可すべきモジュールが無い(ステップS103においてNO)と判定すると、第1装置2aの情報処理装置3aは、許可すべきモジュールが無い旨を示す情報を生成して、送信要求の送信元を示すIPアドレスに向けて送信する(ステップS106)。S106において送信される情報は、送信元を示すための情報として自装置3aのIPアドレスを含む。
【0040】
第2装置2bの情報処理装置3bは、属性情報または許可すべきモジュールがない旨の情報を受信すると、受信したIPアドレスを参照して送信元を特定する。これによって、第1装置2aの情報処理装置3aと、第2装置2bの情報処理装置3bとは、互いのIPアドレスを交換することができる。したがって、以降の両者間で行われるネットワーク通信においては、互いに送受信先を特定して行うことができる。
【0041】
第1装置2aの情報処理装置3aからの属性情報を受信すると、第2装置2bの情報処理装置3bは、他装置の利用を許可すべきモジュールが、自装置3bが記憶するモジュールの中に有るか否かを判定する(ステップS107)。
【0042】
利用を許可すべきモジュールが有ると判定すると(ステップS107においてYES)、第2装置2bの情報処理装置3bは、利用を許可すべき一又は複数のモジュールを抽出する(ステップS108)。第2装置2bの情報処理装置3bは、抽出したモジュールの属性情報を、自装置に対して先に属性情報を送信した送信元のIPアドレス、つまり第1装置2aの情報処理装置3aに向けて送信する(ステップS109)。
【0043】
一方、利用を許可すべきモジュールが無いと判定すると(ステップS107においてNO)、第2装置2bの情報処理装置3bは、許可すべきモジュールが無い旨を示す情報を生成して第1装置2aに向けて送信する(ステップS110)。
【0044】
第2装置2bからの属性情報を受信すると、第1装置2aの情報処理装置3aは、第2装置2bからの属性情報を受信したことを通知する受信確認を第2装置2bの情報処理装置3bに向けて送信する(ステップS111)。
【0045】
第1装置2aからの受信確認を受信すると、第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aとの間で、互いが記憶するモジュールの属性情報が相互に受信され取得されたことを認識する。
【0046】
第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aから取得した属性情報を、記憶部11に記憶されているモジュールデータベースに登録する。
【0047】
図6は、第2装置2bの情報処理装置3bが記憶しているモジュールデータベースの一例を示す図である。モジュールデータベースには、自装置である第2装置2bの情報処理装置3bを含む、ネットワークN内において接続されている各装置2の情報処理装置3から送信される属性情報が登録されている。各装置2の情報処理装置3の属性情報は、各装置2の情報処理装置3のIPアドレスに対応付けて登録されており、取得した属性情報が装置2ごとに登録されている。
【0048】
モジュールデータベースには、属性情報に含まれる装置種別、機能種別、及びバージョンが登録されている。
図6の例では、装置種別として、「血球分析」、「血液凝固」および「尿分析」の3つの下位カテゴリが入力されている。機能種別としては、記憶検体モジュールを示す「記憶検体」や、自動シャットダウンモジュールを示す「自動シャットダウン」、測定オーダモジュールを示す「オーダ」等、モジュールの機能ごとに分類される。モジュールのバージョンとしては、「Ver」の欄にモジュールのバージョンを示すバージョン番号が登録される。
【0049】
モジュールデータベースには、自装置と他装置との装置互換性、モジュールごとの機能互換性、およびソフトウェアの互換性の有無を登録する欄(「機能互換」及び「ソフト互換」)が設けられている。
【0050】
また、モジュールデータベースには、後述する機能選択画面において自装置が選択したモジュールを示す欄(「選択」)が設けられている。
【0051】
第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aから属性情報を取得したり、判定結果が得られるごとにモジュールデータベースに登録する。これにより、第2装置2bの情報処理装置3bは、他装置3が記憶するモジュールの属性情報、及び、選択したモジュールが他装置3が記憶するモジュールである場合における当該他装置3に関する情報を記憶部11に記憶する。なお、本実施形態では、モジュールデータベースは自装置3の記憶部11に記憶されているが、例えば、ネットワークNに接続されているデータサーバ等、自装置3の記憶部11以外の他の外部の記憶装置に記憶させてもよい。
【0052】
図5に戻って、第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aからの受信確認を受信することで、第1装置2aとの間で属性情報の送受信が完了したことを認識すると、他装置から取得した属性情報に基づいて、自装置において発生するイベントの処理に利用可能なモジュールを抽出する(ステップS112)。
【0053】
図7は、
図5のステップS112の手順を示すフローチャートである。
【0054】
第2装置2bの情報処理装置3bは、属性情報に含まれる装置種別に基づいて、他装置が自装置と装置互換性があるかを判定し(ステップS201)、その判定結果をモジュールデータベースに登録する(ステップS202)。ステップS201における判定結果は、モジュールデータベース(
図6参照)において、「装置互換性」の欄に登録される。判定結果が「互換性有り」である場合、「有」と登録され、判定結果が「互換性無し」である場合、「無」と登録される。なお、属性情報の送信元は複数存在する場合があるが、その場合、複数の他装置3のそれぞれについて装置互換性の判定が行われる。ここでは、第2装置2bの情報処理装置3bは、属性情報の送信元の他装置3である第1装置2aの情報処理装置3aについて判定する。
【0055】
装置互換性の判定は、情報処理装置3bが、記憶部11にインストールされたIPUプログラムを実行することで、IPUプログラムに含まれる、予め決められた判定ルールにしたがって行われる。この判定ルールでは、自装置の装置種別と他装置の装置種別を比較して、比較結果が判定ルールに合致すれば装置互換性有りとし、比較結果が判定ルールに合致しなければ装置互換性無しとする。判定ルールとしては、例えば、(1)装置種別に含まれる下位カテゴリが同一である場合に装置互換性有りとする、(2)上位カテゴリが同一である場合に装置互換性有りとする、といったルールを定義することができる。
【0056】
次いで、第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS201において、装置互換性有りと判定された他装置が有るか否かを判定する(ステップS203)。装置互換性のある他装置3が無ければ、第2装置2bの情報処理装置3bはステップS203においてNOと判定し、処理を終える。
【0057】
例えば、ステップS201にて第1装置2aが装置互換性有りと判定されたとすると、第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS203においてYESと判定し、ステップS204に進む。
【0058】
ステップS204において、第2装置2bの情報処理装置3bは、装置互換性を有する他装置3aのモジュールの中から、自装置との間で機能的に互換性があるモジュールを抽出し(ステップS204)、その結果をモジュールデータベースに登録する(ステップS205)。第2装置2bの情報処理装置3bは、属性情報に含まれるモジュールの機能種別に基づいて、機能的に互換性があるか否かを判定し、自装置との間で機能的に互換性があるモジュールを抽出する。
【0059】
機能互換性の判定は、情報処理装置3bが、記憶部11にインストールされたIPUプログラムを実行することで、IPUプログラムに含まれる、予め決められた判定ルールにしたがって行われる。この判定ルールでは、自装置が使用可能な複数のモジュールのリストが予め定義されており、このリストと機能種別とを比較して、機能種別がリストに含まれていれば機能互換性有りとし、含まれていなければ機能互換性無しとする。
【0060】
ステップS204における判定結果は、モジュールデータベース(
図6参照)において、「機能互換」の欄に登録される。「機能互換性あり」と判定されたモジュールの機能互換の欄には「有」と登録され、「機能互換性なし」と判定されたモジュールの機能互換の欄には「無」と登録される。
【0061】
第2装置2bの情報処理装置3bは、機能互換性有りの他装置のモジュールがあるか否かを判定する(ステップS206)。機能互換性有りのモジュールがなければ(ステップS206)、第2装置2bの情報処理装置3bは処理を終える。
【0062】
ステップS207において、第2装置2bの情報処理装置3bは、機能互換性ありのモジュールの中から自装置3bのソフトウエアと互換性のあるモジュールを抽出する(ステップS207)。第2装置2bの情報処理装置3bは、その結果をモジュールデータベースに登録し(ステップS208)、処理を終える。
【0063】
第2装置2bの情報処理装置3bは、属性情報に含まれるモジュールの機能種別や、モジュールのバージョンに基づいて、自装置3bのソフトウエアとの間で互換性があるか否かを判定し、自装置3bのソフトウエアで利用可能なモジュールを特定する。ステップS207における判定結果は、モジュールデータベース(
図6参照)において、「ソフト互換」の欄に登録される。「装置互換性あり」のモジュールのソフト互換の欄には「有」と登録され、「装置互換性なし」のモジュールのソフト互換の欄には「無」と登録される。
【0064】
ステップS201〜S208の処理によって、自装置で利用可能なモジュールが属性情報に基づいて自動的に抽出されるため、オペレータは、個々のモジュールについて互換性をチェックする必要がない。
【0065】
図5に戻って、ステップS112において自装置にて利用可能なモジュールを抽出すると、第2装置2bの情報処理装置3bは、自装置3bにおいて発生したイベントを処理するためのモジュールを選択する処理を行う(ステップS113)。
【0066】
図8は、
図5におけるステップS113の処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
第2装置2bの情報処理装置3bは、まず、表示部12に機能表示画面を表示させる(ステップS301)。
図9は、第2装置2bの表示部12に表示される機能選択画面の一例を示す図である。第2装置2bの情報処理装置3bは、機能選択画面40に、自装置3bが記憶するモジュール及びステップS112において抽出された他装置3のモジュールを選択可能に表示部12に表示する。
【0068】
機能選択画面40は、自装置3bに対応する領域41bと、ネットワークNに接続された他装置3に対応する領域41a、41c、41dを含んでいる。第2装置2bの情報処理装置3bは、モジュールデータベースを参照し、このモジュールデータベースに登録されている他装置3のモジュールの名称を、それぞれの装置の対応する領域に表示する。
【0069】
領域41a〜41d内の各モジュール名の先頭部分には、チェックボックス42が表示される。第2装置2bの情報処理装置3bは、オペレータが、これらチェックボックス42の中から必要なものに対するチェック入力の入力操作を行うことで、当該オペレータの選択結果を受け付けることができる。なお、
図9の機能選択画面40は、
図6に示すモジュールデータベースの内容に応じて表示された場合を示している。
【0070】
第2装置2bの情報処理装置3bは、自装置3bが選択できない機能については、その項目の表示部分をグレーアウト表示し、オペレータによる選択を制限する。例えば、モジュールデータベースにおいて、第4装置2dは、装置互換性が「無」と登録されている。この場合、第2装置2bの情報処理装置3bは、
図9に示すように、第4装置2dの領域41d全体をグレーアウト表示し、選択することができないように表示する。第1装置2a及び第3装置2cは「装置互換性」が「有」と登録されているため、これらに対応する領域41a、41cは、グレーアウト表示されない。第3装置2cの記憶検体モジュールは、「機能互換」が「無」と登録されているため、個別領域41cの記憶検体モジュールの項目表示部分41c1はグレーアウト表示される。
【0071】
第2装置2bの情報処理装置3bは、自装置3bが有していない機能であって、他装置が有しているモジュールがある場合、そのモジュールの名称を自装置3bの個別領域41bにグレーアウト表示する。
図9において、第2装置2bの情報処理装置3bは、自装置3bにない機能のモジュールとして第3装置2cのホスト通信モジュールを選択しているので、個別領域41b中の表示部分41b1のように、「ホスト」とホスト通信モジュールを示すモジュール名を第3装置2c(の情報処理装置3c)から選択していることを示す情報とともに表示し、その部分をグレーアウト表示する。これにより、オペレータに対して、自装置3bにない機能のモジュールを他装置3から選択していることを示すことができる。
【0072】
また、他装置3との間で同一の機能のモジュールを重複して有している場合、第2装置2bの情報処理装置3bは、そのモジュール名の表示部分に下線を表示する。
図9において、記憶検体モジュール、自動シャットダウンモジュール、及び測定オーダモジュールについては、他装置3との間で同一機能のモジュールを重複して有しているので、これらの表示部分41b2、41b3、41b4について第2装置2bの情報処理装置3bは、そのモジュール名の表示部分に下線を表示する。なお、記憶検体モジュール及び測定オーダモジュールについては、第1装置2aのモジュールを選択しているので、第2装置2bの情報処理装置3bは、これらの表示部分41b2、41b4については、そのモジュール名とともに第1装置2aから選択している旨を表示する。
【0073】
図8に戻って、第2装置2bの情報処理装置3bは、機能選択画面40を介してオペレータによるモジュールの選択を受け付ける(ステップS302)。
【0074】
情報処理装置3bは、モジュールデータベース(
図6参照)の「選択」の欄の内、機能選択画面において選択されたモジュールに対応する部分に、選択情報として第2装置2bの情報処理装置3bのIDを登録する(ステップS303)。
情報処理装置3bは、選択結果をモジュールデータベースに登録すると、処理を終える。
【0075】
図5に戻って、ステップS114において、第2装置2bの情報処理装置3bは、選択されたモジュールを有する第1装置2aに向けて、第1装置2aが記憶するモジュールを選択した旨を示す選択通知を送信する(ステップS114)。第2装置2bの情報処理装置3bは、選択したモジュールに関する属性情報を選択通知に含めて送信する。
【0076】
選択通知が与えられた第1装置2aの情報処理装置3aは、選択通知に含まれる属性情報に基づいて、第2装置2bの情報処理装置3bが選択したモジュールを特定し、その特定したモジュールが第2装置2bの情報処理装置3bに選択されている旨を自装置3aのモジュールデータベースに登録する(ステップS115)。
【0077】
この場合、第1装置2aの情報処理装置3aは、モジュールデータベースにおける自装置3aのモジュールの属性情報が登録されている部分における、対応するモジュールの「選択」の欄に、そのモジュールを選択した他装置3である第2装置2bの情報処理装置3bのIDを登録する。例えば、第2装置2bの情報処理装置3bが自装置である場合、
図6に示すモジュールデータベースのように、自装置3bのモジュールに関する属性情報が登録されている部分における「自動シャットダウン」の「選択」の欄に、他装置3(ここでは、第1装置2aの情報処理装置3a)のIDが登録されている。これによって、情報処理装置3bは、自装置3bが記憶している自動シャットダウンモジュールが他装置によって利用すべきモジュールとして選択されていることを認識することができる。
【0078】
第2装置2bの情報処理装置3bは、表示部12にモジュールの実行命令を受け付けることが可能なメニュー画面を表示させる(ステップS116)。
【0079】
図10は、第2装置2bの表示部12に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
図10では、第2装置2bの情報処理装置3bが、
図6に示すモジュールデータベースの内容に応じて表示した場合を示している。つまり、記憶検体モジュール及び測定オーダモジュールとしては、第1装置2aが記憶するモジュールが選択されている。
【0080】
図10に示すように、メニュー画面50は、複数のアイコン51を含んでいる。
各アイコン51は、第2装置2bの情報処理装置3bが記憶するモジュールや、他装置3が記憶するモジュールそれぞれに対応して設けられている。したがって、各アイコン51は、いずれのモジュールに対応するものかを特定可能な表示画像とされている。
【0081】
各アイコン51は、オペレータの操作入力を受け付け可能に表示されている。アイコンの操作入力を受け付けると、情報処理装置3bは、操作入力を受け付けたアイコン51に対応するモジュールの実行命令を受け付けたものとして、対応するモジュールを実行させる。例えば、「記憶検体」と表示されているアイコン51aは、記憶検体モジュールを実行させるためのアイコンであり、オペレータがこのアイコン51aに対して操作入力すると、情報処理装置3bは記憶検体モジュールを実行させる。
【0082】
また、第2装置2bの情報処理装置3bは、他装置3が記憶するモジュールに対応するアイコン51については、そのモジュールを記憶する他装置3を識別するための画像を付加する。
図10に示した例では、記憶検体モジュール及び測定オーダモジュールとして第1装置2aの情報処理装置3aが記憶するモジュールが選択されているので、記憶検体モジュールと測定オーダモジュールに対応するアイコン51a、51bには、アイコンに対応するモジュールを記憶している他装置を識別するための画像52が付加されている。
【0083】
これら装置表示画像52は、「#1」と表示されており、記憶検体モジュール及び測定オーダモジュールについては、第1装置2aの情報処理装置3aの記憶検体モジュールを利用することを示している。これにより、情報処理装置3bが選択したモジュールがいずれの装置のモジュールであるかをオペレータに対して認識させることができる。
【0084】
図5に戻って、第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS116において、表示部12にメニュー画面50を表示させ、その後、オペレータの操作入力の受け付けることによって、検体測定に関する情報処理に係るイベントが発生するまで待機状態を維持する。
【0085】
〔3.2 検体分析装置のモジュール実行時の処理動作〕
図11は、分析装置システム内の検体分析装置におけるモジュール実行時の処理動作を示すフローチャートである。
図11では、第2装置2bの情報処理装置3bが、表示部12に表示させたメニュー画面50に含まれる測定オーダモジュールに対応するアイコン51b(
図10)の操作入力を受け付けることで、測定オーダモジュールを実行させた場合の処理動作を示している。また、
図11では、理解し易くするために、第2装置2bと、同じシステム内で起動状態にある他装置である第1装置2aの情報処理装置3aとの間の関係のみに着目して説明する。なお、他装置3が複数存在していたとしても、第2装置2bの情報処理装置3bは、複数の他装置3それぞれに対して、ほぼ同様の処理を行う。
また、ここでは、第2装置2bの情報処理装置3bによる処理を主として説明するが、他の第1装置2aの情報処理装置3a、第3装置2cの情報処理装置3c、第4装置2dの情報処理装置3dも、同様の処理を実行することができる。
【0086】
まず、第2装置2bの情報処理装置3bは、オペレータによるアイコン51bの操作入力を受け付けると(ステップS401)、モジュールデータベースを参照し、操作入力を受け付けたアイコン51bに対応するモジュールとして、他装置3に記憶されているモジュールが選択されているか否かを判定する(ステップS402)。
【0087】
第2装置2bの情報処理装置3bは、受け付けたアイコン51bに対応するモジュールとして、他装置3に記憶されているモジュールが選択されていると判定すると、その選択されているモジュールを記憶している他装置3に対して、そのモジュールによる処理を依頼するための依頼通知を送信する(ステップS403)。
【0088】
図11において、モジュールを記憶している他装置3が第1装置2aの情報処理装置3aであるとすると、第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aの情報処理装置3aに向けて依頼通知を送信する。依頼通知を受信した第1装置2aの情報処理装置3aは、第2装置2bからの依頼通知を受信した旨を示す依頼通知応答を第2装置2bに向けて送信する(ステップS404)。
【0089】
第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aからの依頼通知応答を受信したか否かを判定する(ステップS405)。依頼通知応答を受信したと判定すると(ステップS405においてYES)、第2装置2bの情報処理装置3bは、オーダ登録処理を依頼すべき第1装置2aとの間で通信接続可能であることを認識することができる。第2装置2bの情報処理装置3bは、オーダ登録処理を実行するためのオーダ受付画面60を表示部12に表示させ、測定オーダ情報の受け付けを行う(ステップS406)。
【0090】
なお、オーダ受付画面60のようにモジュールの実行に供される操作画面(GUI)は、第2装置2bの情報処理装置3bが、自装置に記憶されている対応するモジュールを実行することで生成され、表示される。一方、操作画面を介してイベントの実行が指示されると、そのイベントの処理要求が、選択されたモジュールを記憶する他装置に対して送信される。測定オーダモジュールを例にとれば、操作画面(つまりオーダ受付画面60)の生成は、第2装置2bの情報処理装置3bが自装置に記憶された測定オーダモジュールを実行して行われる。測定オーダモジュールの主機能であるホストコンピュータHへの測定オーダの登録というイベントは、イベント発生条件であるOKスイッチ63が操作されたときに、第1装置2aの情報処理装置3aに対して、操作画面を介して入力された測定オーダの情報とともに処理要求を送信することで処理される。なお、これは一例であって、このような形態に限られない。他装置が操作画面を生成し、生成された操作画面を自装置で表示してもよい。
【0091】
図12は、オーダ受付画面60の一例を示す図である。オーダ受付画面60には、検体番号や、患者IDの検体に関する情報、患者に関する情報等の入力を受け付けるための入力ボックス61が複数設けられている。第2装置2bの情報処理装置3bは、これら各入力ボックスに入力された各情報を項目ごとに対応付けて受け付けることができる。
【0092】
オーダ受付画面60には、検体について測定すべき項目を選択するための複数のチェックボックス62が設けられている。これら複数のチェックボックス62は、それぞれ異なる測定項目が対応付けられており、オペレータが自装置3bに対して入力操作を行うことでチェック入力が可能となっている。
【0093】
オーダ受付画面60には、「OK」と表示されたオペレータの入力操作を受付可能なスイッチ63が表示されている。オペレータによりスイッチ63が操作されると、オーダ受付画面60の各部に入力されている情報を、測定オーダ情報としてホストコンピュータHのデータベースに登録するイベントが発生する。
【0094】
図11に戻って、第2装置2bの情報処理装置3bは、スイッチ63が操作されると、オーダ受付画面60を介して入力を受け付けた測定オーダ情報を、依頼通知を送信した第1装置2aに向けて送信する(ステップS407)。
【0095】
第1装置2aの情報処理装置3aは、第2装置2bから測定オーダ情報を受信すると、受信した測定オーダ情報の登録処理を自装置3aの測定オーダモジュールに実行させる(ステップS408)。具体的には、第1装置2aの情報処理装置3aは、第2装置2bから得た測定オーダ情報をホストコンピュータHのデータベースに登録する処理を行う。
【0096】
このように、第1装置2aの情報処理装置3aは、第2装置2bの情報処理装置3bにて発生したイベントである「オーダ登録処理の実行」を第2装置2bの情報処理装置3bに代わって処理する。これにより、自装置3bで発生したイベントを他装置3のモジュールを利用して処理することができる。
【0097】
オーダ登録処理を終えた第1装置2aの情報処理装置3aは、そのオーダ登録処理の処理結果を第2装置2bに送信する(ステップS409)。
【0098】
第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aからの処理結果を受信すると、その処理結果の内容に基づいて、オーダ登録処理が成功したか否かを判定する(ステップS410)。オーダ登録処理が成功した場合(ステップS410においてYES)、第2装置2bの情報処理装置3bは、自装置3bの記憶部11に記憶するジョブリストを更新し(ステップS411)、処理を終える。
【0099】
図13は、第2装置2bの情報処理装置3bが記憶しているジョブリストの一例を示す図である。ジョブリスト65は、第2装置2bの情報処理装置3bに関する測定オーダ情報や、測定日、測定時刻、測定データ等が登録されるリストである。
【0100】
第2装置2bの情報処理装置3bは、ホストコンピュータHにアクセスし、自装置3bに関する最新の測定オーダ情報を取得しジョブリスト65を更新する。
【0101】
ここで、各装置3は、オーダ登録処理を行う際に、いずれの装置3がオーダ登録処理を行ったのかを示す情報を測定オーダ情報に含める機能を有している。ジョブリスト65には、測定オーダ情報に含まれる、オーダ登録処理を行った装置の情報の内容を示す欄が設けられている。
図13において「端末」と表示された欄に、各測定オーダ情報に含まれる、オーダ登録処理を行った装置の情報の内容が示されている。
図13では、「1」と表示されており、第1装置2aの情報処理装置3aによってオーダ登録処理が行われたことが表示されている。
【0102】
図11に戻って、オーダ登録処理が失敗である場合(ステップS410においてNO)、第2装置2bの情報処理装置3bは、オーダ登録処理にエラーが生じて完了できなかったことを示すエラーメッセージを表示部12に表示させ(ステップS412)、処理を終える。
【0103】
図11におけるステップS405において、第1装置2aからの依頼通知応答を受信していないと判定すると、第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS414に進み、依頼通知を送信してから所定時間経過したか否かを判定する(ステップS414)。
【0104】
ステップS414において、所定時間経過していないと判定すると、第2装置2bの情報処理装置3bは、再度、ステップS405に戻り、第1装置2aからの依頼通知応答を受信しているか否かを判定する。このように、第2装置2bの情報処理装置3bは、所定時間が経過するまで、ステップS405、S406の判定を繰り返す。
【0105】
第1装置2aからの依頼通知応答を受信せず、かつ所定時間が経過したと判定すると(ステップS406)、第2装置2bの情報処理装置3bは、第1装置2aとの間の通信接続ができないと判断し、ステップS415に進む。ここで、上記所定時間は、両装置3a、3b間の通信状態が接続可能か否かを判断するために必要十分な時間(例えば1秒以上5分未満)に設定されている。
【0106】
第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS415に進むと、自装置3bが測定オーダモジュールを記憶しているか否かを判定する(ステップS415)。自装置3bが測定オーダモジュールを記憶していない場合、情報処理装置3bは、ステップS416に進み、第1装置2aの情報処理装置3a以外の他装置3が測定オーダモジュールを記憶しているか否かをモジュールデータベースに基づいて判定する(ステップS416)。
【0107】
第1装置2aの情報処理装置3a以外のいずれの他装置3も測定オーダモジュールを記憶していない場合(ステップS416においてNO)、現状、オーダ登録処理を実行すべきモジュールがないので、第2装置2bの情報処理装置3bは、オーダ登録処理が実行できないことを示すエラーメッセージを表示部12に表示させ(ステップS417)、処理を終える。
【0108】
一方、ステップS416において、第1装置2aの情報処理装置3a以外の他装置3が測定オーダモジュールを記憶している場合、第2装置2bの情報処理装置3bは、当該他装置3が有する測定オーダモジュールを選択する(ステップS418)。第2装置2bの情報処理装置3bは、機能選択画面40(
図9)、及びメニュー画面50(
図10)をモジュールの選択に応じて更新し(ステップS419)、ステップS403に戻る。
【0109】
その後、第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS416において選択した測定モジュールを記憶している他装置3に対して依頼通知を送信する(ステップS403)。
以降、ステップS416において測定オーダモジュールを有していると判定された他装置3から送信される依頼通知応答を受信すると(ステップS405)、第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS406に進む。以降の処理は、上述の通りである。
【0110】
ステップS415において、第2装置2bの情報処理装置3bに測定オーダモジュールが有る場合、情報処理装置3bは、ステップS420に進み、自装置3bの測定オーダモジュールを自装置3bの選択モジュールとして選択する(ステップS420)。情報処理装置3bは、機能選択画面40(
図9)、及びメニュー画面50(
図10)をモジュールの選択に応じて更新する(ステップS421)。
【0111】
次いで、第2装置2bの情報処理装置3bは、オーダ受付画面を表示部12に表示させ、測定オーダ情報の受け付けを行い(ステップS422)、自装置3aの測定オーダモジュールにオーダ登録処理を処理させる(ステップS423)。オーダ登録処理を終えると、第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS410に進む。以降の処理は、上述の通りである。
【0112】
このように、本実施形態では、一度選択したモジュールを有する他装置3との間で通信接続できない場合には、自装置3が有する同一機能のモジュールか、又は前記他装置3とはさらに異なる他装置3が有する同一機能のモジュールの中から選択するように構成されている。つまり、他装置3及び自装置3が、同一機能を有するモジュールを有している場合、自装置3は、他装置3との間の通信状態を加味して、各装置3が有する同一機能のモジュールの内のいずれか一つを選択するように構成されている。この場合、事前に選択していたモジュールを有する情報処理装置3との間の通信状態が悪化したとしても、同一機能の他のモジュールを選択することができ、実行しようとしていた処理を中止させることなくできるだけ続行させることができる。
【0113】
なお、上述したフローチャートでは、オーダ登録が失敗した旨の処理結果を受信した場合に(ステップS410においてNO)、ステップS412においてエラーメッセージを表示して処理を終了したが、これに限られない。他装置に対してイベントの処理を要求して処理が失敗した場合、自動的に、自装置またはさらに別の装置に記憶された同一機能のモジュールの中からモジュールを再選択してもよい。例えば、S410においてNOの場合に、S415に処理を移行してもよい。
【0114】
上述したフローチャートでは、測定オーダの登録処理を例にとって説明したが、これは単なる一例であり、IPUプログラム21に含まれる他のモジュールの機能についても、同様のアルゴリズムに基づいて他装置のモジュールを利用することができる。
【0115】
例えば、他装置の分析モジュールを選択している場合、検体測定装置1から測定データを受信することがイベントの発生に該当する。この場合、選択されているモジュールを記憶している他装置に対して、測定データとともに測定データを分析して分析結果を生成するよう依頼通知を送信することでイベントが処理される。他装置は、分析結果を生成して、分析結果を送信元に送信する。
【0116】
また、例えば他装置のホスト通信モジュールを選択している場合、検体測定装置1から検体IDを受信することがイベントの発生に該当する。この場合、選択されているモジュールを記憶している他装置に対して、検体IDとともに検体IDに基づいてホストコンピュータHに測定オーダを問い合わせるよう依頼通知を送信することでイベントが処理される。他装置は、ホストコンピュータHと通信して、測定オーダを問い合わせ、その結果を送信元に送信する。
【0117】
〔3.3 検体分析装置のシャットダウン時の処理動作〕
図14は、分析装置システム内の検体分析装置におけるシャットダウン時の処理動作を示すフローチャートである。
図14では、第2装置2bの情報処理装置3bが、シャットダウンの操作入力を受け付けることで、第2装置2bの情報処理装置3bをシャットダウンする際の処理動作を示している。また、
図14では、理解し易くするために、第2装置2bと、同じシステム内で起動状態にある他装置である第1装置2aの情報処理装置3aとの間の関係のみに着目して説明する。なお、他装置3が複数存在していたとしても、第2装置2bの情報処理装置3bは、複数の他装置3それぞれに対して、ほぼ同様の処理を行う。また、ここでは、第2装置2bの情報処理装置3bによる処理を主として説明するが、他の第1装置2aの情報処理装置3a、第3装置2cの情報処理装置3c、第4装置2dの情報処理装置3dも、同様の処理を実行することができる。
【0118】
第2装置2bの情報処理装置3bは、オペレータによるシャットダウンの操作入力の有無を判定する(ステップS501)。シャットダウンの操作入力が有ると判定すると(ステップS501においてYES)、情報処理装置3bは、モジュールデータベースを参照し、自装置3bが記憶するモジュールが他装置3に選択されているか否か、又は、自装置3bが他装置3が記憶するモジュールを選択しているか否かを判定する(ステップS502)。上述したように、モジュールデータベース(
図6)には、自装置3bのモジュールが他装置3によって選択されているか否かの情報と、自装置3bがどのモジュールを選択しているかの情報が登録されているので、これらの情報を参照することでステップS502の判定が行われる。
【0119】
自装置3bのモジュールが他装置3に選択されておらず、かつ自装置3bが他装置3のモジュールを選択していなければ(ステップS502においてNO)、情報処理装置3bは、ステップS506に進み、自装置3bのシャットダウンを実行する(ステップS506)。
【0120】
一方、ステップS502において、自装置3bが記憶するモジュールが他装置3に選択されていると判定すると(ステップS502においてNO)、第2装置2bの情報処理装置3bは、表示部12にシャットダウン確認画面を表示出力させる(ステップS503)。
【0121】
図15は、シャットダウン確認画面の一例を示す図である。シャットダウン確認画面70には、自装置3bのモジュールを選択している他装置3の名称(図例では、「第1検体分析装置」)と、選択されているモジュールを特定可能な情報(図例では、「オータ゛(XS:Ver00-01,Order)」)とが表示されている。
【0122】
このように、情報処理装置3bは、シャットダウン確認画面70を表示することで、自装置3bのモジュールが他装置3によって選択されている旨をオペレータに認識させることができる。これにより、他装置を考慮せずに自装置3bをシャットダウンすることにより、他装置3の処理に障害を与えてしてしまう事態を回避することができる。なお本実施形態では、シャットダウン確認画面70を表示することによってオペレータに通知を行う場合を例示したが、例えば、音声等によってオペレータに通知してもよい。
【0123】
シャットダウン確認画面70には、「YES」、「NO」、「連動」と表示されたオペレータの入力操作を受付可能な第1スイッチ71、第2スイッチ72、及び第3スイッチ73が表示されている。これらスイッチ71〜73によって、第2装置2bの情報処理装置3bは、オペレータが第2装置2bの情報処理装置3bのシャットダウンを許可するか否かの選択結果を受け付けることができる。さらに、第2装置2bの情報処理装置3bは、自装置3bが記憶するモジュールを選択している他装置3についても、自装置3bと連動してシャットダウンさせるか否かの選択結果を受け付けることができる。
【0124】
ステップS503において、YESと表示された第1スイッチ71に対する入力操作を受け付けると、第2装置2bの情報処理装置3bはステップS506に進み、自装置3bのシャットダウンを実行する(ステップS506)。
【0125】
ステップS503において、NOと表示された第2スイッチ72に対する入力操作を受け付けると、第2装置2bの情報処理装置3bはステップS505に進み、シャットダウンを中止し(ステップS505)、処理を終える。
【0126】
さらに、ステップS503において、連動と表示された第3スイッチ73に対する入力操作を受け付けると、第2装置2bの情報処理装置3bはステップS507に進み、自装置3bが記憶するモジュールを選択している他装置3に対して、シャットダウンの指示を与える(ステップS507)。シャットダウンの指示が与えられた第1装置2aの情報処理装置3aは、自装置3aのシャットダウンを実行する(ステップS508)。第2装置2bの情報処理装置3bは、ステップS506に進み、自装置3bのシャットダウンを実行する(ステップS506)。
【0127】
このように、第2装置2bの情報処理装置3bは、自装置3bだけでなく、自装置3bのモジュールを選択している他装置3も連動してシャットダウンすることができる。
【0128】
上記実施形態では、ステップS502において、第1装置2aの情報処理装置3aが第2装置2bの情報処理装置3bのモジュールを選択していると判断した場合を例示したが、第2装置2bの情報処理装置3bが第1装置2aのモジュールを選択している場合においても、ステップS502からステップS503に進み、表示部12にシャットダウン確認画面の表示がなされる。以降、上記と同様の処理がなされる。
【0129】
この場合、仮に、第2装置2bの情報処理装置3bの処理を実行するためだけに第1装置2aを起動させている場合には、第2装置2bの情報処理装置3bにおける処理が終了すれば、他の処理に影響を与えることなく、第2装置2b側からシャットダウンの指示を与え、第1装置2aをシャットダウンさせることができる。これにより、第2装置2bのオペレータは、第2装置2bの処理を実行させるためだけに起動させていた第1装置2aを直接操作することなく容易にシャットダウンさせることができる。
【0130】
〔4.効果について〕
本実施形態に係る分析装置システム1によれば、各検体分析装置2の情報処理装置3は、自装置において発生したイベントを、自装置3のモジュールだけでなく、他装置3のモジュールを利用して処理することができる。このため、装置間で互換性のあるモジュールについては、全ての情報処理装置3にインストールしなくても、いずれか一台の情報処理装置3にインストールすれば、全ての情報処理装置3がモジュールを共用することができる。この結果、システム内の各装置3に、同一機能のモジュールを多数重複してインストールするといった無駄が生じるのを抑制することができる。
【0131】
また、同一機能のモジュールであって、バージョンが異なることで機能制限が生じたりすることがある場合にも、最新バージョンのモジュールがインストールされている他装置3の当該モジュールを利用することで、自装置3に最新バージョンのモジュールがインストールされていなくても、最新バージョンのモジュールが利用でき、バージョンの違いによる機能制限等が生じるのを抑制できる。
【0132】
〔5.他の実施形態について〕
図16は、変形例におけるモジュール選択処理の手順を示すフローチャートである。
上記実施形態では、検体分析装置2の情報処理装置3は、表示部12に機能選択画面40を表示させ、機能選択画面40を介してオペレータからモジュールの選択を受け付けた。これに対して、
図16の変形例では、情報処理装置は、予めモジュールを選択する選択基準を記憶しており、選択基準に基づいてモジュールを自動的に選択するように構成されている。
【0133】
図16に示すフローチャートは、
図5におけるステップS113の変形例である。検体分析装置2の情報処理装置3は、予め設定された基準に基づいて、自装置3が記憶するモジュール、及びステップS112(
図5)において抽出された他装置3が記憶するモジュールの中から、機能ごとに自動的にモジュールの選択を行う(ステップS601)。
【0134】
選択基準は、オペレータが選択基準を入力することで設定される。
図17は、モジュールの選択基準の設定を受け付けるための入力画面の一例を示す図である。
【0135】
入力画面80には、機能を選択するためのドロップダウンメニュー81と、装置に付与された優先順位を優先させるか又はバージョンが新しいモジュールを優先させるかを選択するためのチェックボックス82、83とが設けられている。さらに、入力画面80には、優先順位を付与すべき各装置の名称が選択肢としてリストアップされた選択肢ボックス84と、選択肢ボックス84の中から選択した装置の名称を配置し、その配置に応じて優先順位を設定する設定ボックス85とが設けられている。
【0136】
ドロップダウンメニュー81には、モジュールの各機能がリスト表示されており、各機能の内のいずれか一つをオペレータによって選択された結果を受け付けることができる。ドロップダウンメニュー81以下の入力表示は、当該ドロップダウンメニュー81によって選択されている機能のモジュールに関する設定を受け付けるように構成されている。したがって、例えば、ドロップダウンメニュー81にて「記憶検体」が選択されているとすると、他の表示であるチェックボックス82、83、選択肢ボックス84、及び設定ボックス85は、全て「記憶検体」に対応する記憶検体モジュールに関する設定を受け付ける。これにより、各機能ごとにオペレータによって設定されたモジュールの優先順位を受け付けることができる。
【0137】
チェックボックス82、83は、装置ごとの優先順位を優先させるか、バージョンの新しさを優先させるかの選択を受け付けるための表示であり、いずれか一方に対してチェック入力がなされる。情報処理装置3は、「装置優先」にチェック入力がなされることで、各装置に設定された優先順位を優先する旨を受け付け、「新バージョン優先」にチェック入力がなされることで、バージョンの新しさを各装置の優先順よりも優先する旨を受け付けることができる。
【0138】
選択肢ボックス84は、設定ボックス85に配置すべき装置の名称が表示されており、各装置の名称を設定ボックス85内に任意の順序で配置することができるように構成されている。情報処理装置3は、設定ボックス85内に配置された各装置の名称の順番を当該各装置の優先順位として受け付けることができる。
【0139】
以上のように情報処理装置3は、オペレータによって設定される選択基準の内容を、モジュールの各機能ごとの優先順位として受け付けることができる。
【0140】
図16に戻って、情報処理装置3は、ステップS601において選択基準に基づいてモジュールの選択を行うと、その選択結果をモジュールデータベースに登録し(ステップS602)、処理を終える。
【0141】
この変形例によれば、情報処理装置3は、予め設定された選択基準に基づいて、同一の機能を有する複数のモジュールの内のいずれか一つを自動的に選択することができる。
【0142】
上記実施形態のように、オペレータが手動入力でモジュールを選択する場合、他装置に新たなモジュールがインストールされるたびに、オペレータは逐次モジュールを選択し直さなければならない。この点、変形例によれば、予め設定された選択基準に沿ってモジュールを自動的に選択することができる。このため、オペレータが選択結果の入力を行う必要がなく、システムの操作性を高めることができる。
【0143】
〔6.その他〕
本発明は、上記各実施形態に限定されることはない。
上記各実施形態では、各情報処理装置3間における属性情報の送受信の態様として、
図18(a)に示すように、情報処理装置3が起動したときに(図中、「1.装置起動」)、起動した情報処理装置3が自装置3以外の他装置3に対して属性情報の送信要求を送信する場合を示した(図中、「2.送信要求」)。この場合、送信要求を受信した他装置3は、送信要求に応じて他装置3に関する属性情報を送信し(図中、「3.属性情報」)、他装置3からの属性情報を受信した自装置3は、自装置3に関する属性情報を他装置3に向けて送信する(図中、「4.属性情報」)。これにより、各装置3間で属性情報のやり取りを行うことができる。
【0144】
一方、例えば、
図18(b)に示すように、すでに起動してネットワークに接続されている他装置3が常にネットワーク上に新たな装置3が接続されるのを監視しており、自装置3が起動することによって(図中、「1.装置起動」)、他装置3が自装置3の存在をネットワーク上で検出し、その検出した自装置3に対して他装置3に関する属性情報を送信する(図中、「2.属性情報」)ように構成してもよい。この場合も、他装置3からの属性情報を受信した自装置3が、自装置3に関する属性情報を他装置3に向けて送信する(図中、「3.属性情報」)ことで、各装置3間で属性情報のやり取りを行うことができる。
【0145】
さらに、
図19に示すように、各装置3に、起動中の間、一定期間ごとに属性情報の送信を行わせるように構成してもよい。この場合、各装置3は、随時属性情報の送受信を行うので、ネットワークに新たな装置3を接続すれば、その新たな装置3は、一定期間ごとに属性情報の送信を開始するし、他の装置3も、随時属性情報の送信を行うので、送信要求の送信や、新たに接続される装置3の監視等を行うことなく、各装置3間で属性情報のやり取りを行うことができる。
【0146】
また、上記各実施形態では、検体分析装置2の情報処理装置3について説明したが、例えば、
図1に示す、検体分析装置2に付随していない単体の情報処理装置3eについても、検体分析装置2の情報処理装置3と同様の構成とすることができる。これにより、情報処理装置3eは、ネットワークNの中で、自装置3eのモジュールだけでなく、自装置3e以外の他の情報処理装置3のモジュールを選択的に利用することができる。
【0147】
さらに、本システムは、
図20に示すように、ネットワークNに接続されている情報処理装置3が、全て検体分析装置2に付随していない単体の情報処理装置3で構成してもよい。この場合も、各情報処理装置3は、ネットワークNの中で、自装置3のモジュールだけでなく、自装置3以外の他の情報処理装置3のモジュールを選択的に利用することができ、各情報処理装置3それぞれにインストールされているモジュールを、システム全体で適切に利用することができる。