特許第6101265号(P6101265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6101265統合キャリアの同期及びリファレンス信号の送受信方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6101265
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】統合キャリアの同期及びリファレンス信号の送受信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20170313BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20170313BHJP
   H04J 1/00 20060101ALI20170313BHJP
   H04L 7/06 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W72/04 111
   H04W56/00 130
   H04J1/00
   H04L7/06
【請求項の数】23
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-525519(P2014-525519)
(86)(22)【出願日】2012年6月19日
(65)【公表番号】特表2014-531145(P2014-531145A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】IB2012053093
(87)【国際公開番号】WO2013024372
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年5月19日
(31)【優先権主張番号】61/522,735
(32)【優先日】2011年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/307,835
(32)【優先日】2011年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】クーラパティ、ハビッシュ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジュン−フ
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フレンネ、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ゲルシュテンベルガー、ディルク
(72)【発明者】
【氏名】バルデマイア、ロベルト
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−071637(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/110526(WO,A1)
【文献】 Huawei, HiSilicon,Discussion on CA-based HetNet,R1-111381,フランス,3GPP,2011年 5月 3日,paragraph 3.1
【文献】 Institute for Information Industry (III), Coiler Corporation,DL Frame Timing in Carrier Aggregation,R1-104869,フランス,3GPP,2010年 8月17日,paragraph 3
【文献】 QUALCOMM Europe,RRC Signaling changes to aid DC-HSDPA Type 3i UEs when SCH is absent on secondary carrier,R1-094063,フランス,3GPP,2009年10月 7日,paragraph 2,3
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Design Considerations for Extension Carriers and Carrier Segments,R1-100408,フランス,3GPP,2010年 1月12日,paragraph 2.1
【文献】 Ericsson, ST-Ericsson,Remaining details for CA based HetNet in Rel-10,R1-111323,フランス,3GPP,2011年 5月 3日,paragraph 2
【文献】 Ericsson, ST-Ericsson,Discussion on design principles for additional carrier types,3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112082,フランス,3GPP,2010年 8月26日,paragraphs 4,5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
H04J 1/00
H04L 7/06
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(1130)のノード(1120)を動作させる方法であって、
プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上でユーザ機器(1110)へ情報を送信すること(210)と、
前記プライマリキャリアよりも低い頻度で、前記セカンダリキャリア上で、前記ユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信すること(220)と、
を含む方法。
【請求項2】
前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの標識を、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信すること(230)、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報を送信することは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアと、プライマリキャリア時間/周波数リソースの前記第1のセットに時間及び周波数において同期しているセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアと、を含む前記統合キャリア上で前記ユーザ機器へ情報を送信すること(410)、を含み、
前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信することは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの前記第1のセットに時間及び周波数において同期しているセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含む前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信することを控えること(420)、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
セカンダリキャリア時間/周波数リソースの前記第2のセットは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの前記第1のセットに時間及び周波数において同期しているが、一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットだけそこからオフセットしており、前記方法は、
前記一定の時間オフセット及び/又は前記一定の周波数オフセットの標識を、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信すること(430)、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記一定の時間オフセット及び/又は前記一定の周波数オフセットの標識を前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信することは、前記一定の時間オフセット及び/又は前記一定の周波数オフセットの前記標識を提供するパラメータを含む無線リソース制御メッセージを、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信すること、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プライマリキャリア及び前記セカンダリキャリアは同じサイトに属し、前記送信することを控えることは、前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ同期信号及びリファレンスシンボルを送信することを控えること(420)、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記情報を送信することは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアと、プライマリキャリア時間/周波数リソースの前記第1のセットに時間において同期しているが、プライマリキャリア時間/周波数リソースの前記第1のセットとは異なる周波数帯域にあるセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアと、を含む前記統合キャリア上で前記ユーザ機器へ情報を送信すること(610)、を含み、
前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信することは、前記プライマリキャリアよりも低い頻度で、前記セカンダリキャリア上で、前記ユーザ機器へリファレンスシンボルを送信すること(620a)、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信することは、前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ同期信号を送信することを控えること(620b)、をさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ前記リファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの標識を、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信すること(630)、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信することは、前記プライマリキャリアの周期よりも低い周期で、前記セカンダリキャリア上で、前記ユーザ機器へリファレンスシンボルを送信すること、を含み、
前記方法は、当該周期の標識を前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信すること、をさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記プライマリキャリア及び前記セカンダリキャリアは同じサイトに属する、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記情報を送信することは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアと、プライマリキャリア時間/周波数リソースの前記第1のセットに時間において同期しておらずしかもプライマリキャリア時間/周波数リソースの前記第1のセットとは異なる周波数帯域にあるセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアと、を含む統合キャリア上で前記ユーザ機器へ情報を送ること(810)、を含み、
前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信することは、前記プライマリキャリアよりも低い頻度で、前記セカンダリキャリア上で、前記ユーザ機器へ同期信号及びリファレンスシンボルを送信すること(820)、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ前記同期信号及び/又は前記リファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの少なくとも1つの標識を、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信すること(830)、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記同期信号及びリファレンスシンボルを送信することは、前記プライマリキャリアの周期よりも低い周期で、前記セカンダリキャリア上で、前記ユーザ機器へ前記同期信号及び前記リファレンスシンボルを送信すること、を含み、
前記方法は、前記同期信号及び/又は前記リファレンスシンボルを送信する前記周期の少なくとも1つの標識を、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信すること、をさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの標識は、無線リソース制御メッセージのパラメータとして前記プライマリキャリア上で送信される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの標識は、無線リソース制御メッセージのパラメータとして前記プライマリキャリア上で送信される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記プライマリキャリア及び前記セカンダリキャリアは同じサイトに属しない、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
無線通信ネットワーク(1130)のノード(1120)であって、
プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上でユーザ機器(1110)へ情報を送信する(210)ように構成された少なくとも1つの送信器(1340)、を含み、
前記少なくとも1つの送信器は、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信する(920)ようにさらに構成され、
前記少なくとも1つの送信器は、前記セカンダリキャリアの同期信号及び/又はリファレンスシンボルに関する情報を、前記プライマリキャリア上で前記ユーザ機器へ送信する(930)ようにさらに構成される、
ノード。
【請求項19】
前記セカンダリキャリアの同期信号及び/又はリファレンスシンボルに関する前記情報は、前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ前記同期信号及び/若しくは前記リファレンスシンボルがいつ送信されることになるかの標識、並びに/又は前記セカンダリキャリア上で前記ユーザ機器へ前記同期信号及び/若しくは前記リファレンスシンボルがどのような頻度で送信されることになるかの標識を含む、請求項18に記載のノード。
【請求項20】
無線通信ネットワーク(1130)のユーザ機器(1110)を動作させる方法であって、
プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上で情報を受信すること(1010)と、
前記プライマリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し(1020)、前記プライマリキャリア上で受信された前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルを処理することと、
前記プライマリキャリアよりも低い頻度で、前記セカンダリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し(1030)、前記プライマリキャリアよりも低い頻度で前記セカンダリキャリア上で受信された前記同期信号及び/又は前記リファレンスシンボルを処理することと、
を含む方法。
【請求項21】
前記セカンダリキャリア上で前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で受信されることになるかの標識を、前記プライマリキャリア上で受信すること(1040)、
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記セカンダリキャリア上で前記同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で受信されることになるかの標識を、前記プライマリキャリア上で受信することは、前記セカンダリキャリア上で前記同期信号及び/若しくは前記リファレンスシンボルがいつ受信されることになるかの少なくとも1つの標識を受信すること、並びに/又は前記セカンダリキャリア上で前記同期信号及び/若しくは前記リファレンスシンボルがどのような頻度で受信されることになるかの少なくとも1つの標識を受信すること、を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの標識は、無線リソース制御メッセージのパラメータとして前記プライマリキャリア上で受信される、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2011年11月30日に提出された“Aggregated Carrier Synchronization and Reference Signal Transmitting and Receiving Methods, Devices and Systems”というタイトルの米国特許出願第13/307,835号及び2011年8月12日に提出された“Synchronization and Reference Signals on Aggregated Carriers”というタイトルの米国仮特許出願第61/522,735号の利益を主張し、その双方の開示はここで十分に説明されるかのように参照によりここに取り入れられる。
【0002】
[技術分野]
ここで説明される多様な実施形態は、無線周波数通信に関し、より具体的には、無線通信ネットワーク及びデバイス、並びにそれらを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークは、多様なタイプの無線ユーザ機器との無線通信のために、ますます使用されるようになっている。無線ネットワーク自体は、複数のセルを定義する、通常は“基地局”、“無線アクセスノード”、“RANノード”、“NodeB”、“eNodeB”又は単純に“ノード”とも呼ばれる空間的に離れた複数の無線基地局と、基地局を制御し基地局を他の有線及び/又は無線ネットワークにインタフェースさせるコアネットワークと、を含み得る。ノードは、地上にあっても及び/又は宇宙ベース(space-based)であってもよい。ノードは、無線ネットワークに割り当てられた無線リソースを用いて、“ユーザ機器”、“無線端末”又は“移動局”とも呼ばれる無線ユーザ機器(UE:User Equipment)と通信する。無線リソースは、(例えば、時間分割多重アクセス(TDMA)システムでは)時間、(例えば、周波数分割多重アクセス(FDMA)システムでは)周波数、及び/又は(例えば、符号分割多重アクセス(CDMA)システムでは)符号の観点で定義され得る。ノードは、ライセンスされた及び/又はライセンスされていない周波数スペクトルを使用し得る。無線リソースは、初期通信の後に無線ネットワークによってUEへ割り振られ、例えばUEの移動、変化する帯域幅要件、変化するネットワークトラフィックなどに起因して再割振りされ得る。
【0004】
多くの既存の無線セルラ通信システム及び方法において、パイロットシンボルが無線リソースエレメント上でアンテナ又はアンテナポートごとに送信され、それらは他のアンテナ又はアンテナポートについて送信されるパイロットシンボルとは時間及び周波数において重複しない。例えば、LTE(Long Term Evolution)無線技術の現行のリリース(Rel−10)では、異なるアンテナポートについて、多様な時間的瞬間及び周波数で、既知のリファレンスシンボル(RS)又はパイロットシンボルが送信される。これら既知のRSを用いて、受信機は、各送信アンテナから各受信アンテナへの多様な時間及び周波数をまたがるチャネル応答を推定することができる。
【0005】
その上、多くの既存の無線セルラシステムでは、UEが無線アクセスネットワーク内のセルを見出し及び同期を獲得することを可能とするために、同期信号もまたノードによって送信される。例えば、LTEの現行のリリース(Rel−10)では、LTEダウンリンク上で2つの特別な信号が送信される:プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)である。PSS及びSSSは同様の構造を有し得るが、フレーム内の同期信号の時間領域での位置は、セルが周波数分割複信(FDD)モード又は時間分割複信(TDD)モードのいずれで動作しているかに依存して、いくらか相違し得る。FDDのケースでは、PSSはサブフレーム0及びサブフレーム5の第1スロットの最後のシンボル内で送信され、一方でSSSは同じスロットの最後から2番目のシンボル内で(即ち、PSSの直前に)送信される。対照的に、TDDのケースでは、PSSはサブフレーム1及びサブフレーム6の3番目のシンボル内で送信され、一方でSSSはサブフレーム0及びサブフレーム5の最後のシンボル内で(即ち、PSSよりも3シンボル分先行して)送信される。UEがセルのPSSを一度検出し識別すると、UEは、セルのタイミングと、PSSに対して固定的なオフセットを有するSSSの位置とを、単一のアイデンティティグループの範囲内でのセルアイデンティティと共に見出したことになる。SSSから、UEは、フレームタイミングとセルアイデンティティグループとを見出し得る。PSS及びSSSは、ここでは“同期信号”と総称される。
【0006】
LTEは、ノードとユーザ機器との間で信号を送信するために、複数のキャリアの統合(aggregation)を可能とする。そうした形のキャリアの統合が、図1に図形的に示されている。主要なキャリアはプライマリキャリアと呼ばれ、一方で追加的なキャリアはセカンダリキャリアと呼ばれる。LTEのRel−10では、セカンダリキャリアは、概して、正規のLTEキャリアの特徴を有することを要する。即ち、それは、プライマリキャリアとほぼ同じように、時間及び周波数同期のために同期信号を、チャネル推定のためにリファレンスシンボルを、並びに、データ割当て及び他の制御機能のために制御信号を搬送する。
【0007】
セルラネットワーク内の複数のサイトをまたがるキャリア周波数の再利用は、干渉の課題を引き起こし得る。加えて、ネットワーク内で同期及びリファレンス信号が複数のノードにより送信されることは、エネルギーの浪費でもあり得る。干渉の課題は、特に、マイクロ又はピコ基地局を用いてキャリア統合が達成される所謂“ヘテロジーニアスネットワーク”において、解決困難となり得る。
【0008】
このセクションで説明したアプローチは追求され得たものであったが、必ずしも過去に想到され又は追求されたアプローチではない。従って、ここで特段示されない限り、このセクションで説明したアプローチは、本願及び本願からの優先権を主張するいかなる出願内の請求項に対する従来技術でもなく、このセクションに含めることによってそれは従来技術として認められるものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここで説明される多様な実施形態は、無線ネットワークのノードを、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報を送信することによって動作させる。同期信号及び/又はリファレンスシンボルが、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信される。いくつかの実施形態では、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの標識もまた、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。同期信号及び/又はリファレンスシンボルを、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信することによって、セカンダリキャリアのリソースが節約され、セカンダリキャリアのエネルギー効率が高められ、及び/又は他のセルとの干渉が低減され、若しくは防止され得る。
【0010】
同期信号及び/又はリファレンスシンボルを、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信するための多様な実施形態が提供され得る。例えば、いくつかの実施形態では、セカンダリキャリアは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間及び周波数において同期しているセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含む。これらの実施形態では、ノードは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間及び周波数において同期しているセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンス信号を送信することを控える。いくつかの実施形態では、セカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間及び周波数において同期しているが、一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットだけそこからオフセットしており、一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットの標識がプライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットの標識は、一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットの標識を提供するパラメータを含む無線リソース制御(RRC)メッセージを用いて、プライマリキャリア上でユーザへ送信され得る。さらに、プライマリキャリア及びセカンダリキャリアが同じサイトに属する(co-sited)ときには、ノードは、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及びリファレンスシンボルを送信することを控えることができる。
【0011】
別の実施形態では、セカンダリキャリアは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間において同期しているが、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットとは異なる周波数帯域にあるセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含む。プライマリキャリア及びセカンダリキャリアは同じサイトに属し得る。これらの実施形態では、リファレンスシンボルがプライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信される。さらに、いくつかの実施形態では、ノードは、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号を送信することを控える。いくつかの実施形態では、セカンダリキャリア上でユーザ機器へリファレンスシンボルがいつ送信されることになるかの標識が、ノードによってプライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。さらに、いくつかの実施形態では、リファレンスシンボルは、プライマリキャリアの周期よりも低い周期で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信され、周期(即ち、どのような頻度か)の標識がプライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。
【0012】
さらに別の実施形態では、セカンダリキャリアは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間において同期しておらずしかもプライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットとは異なる周波数帯域にあるセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含む。プライマリキャリア及びセカンダリキャリアは同じサイトに属しなくてもよい。これらの実施形態では、同期信号及びリファレンスシンボルは、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信される。さらに、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの少なくとも1つの標識が、ノードによってプライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。いくつかの実施形態では、同期信号とリファレンスシンボルの両方が、プライマリキャリアの周期よりも低い周期で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信され、同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信する周期の少なくとも1つの標識が、プライマリキャリア上でノードからユーザ機器へ送信される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの標識は、RRCメッセージのパラメータとしてプライマリキャリア上で送信される。
【0013】
以上では、主として無線通信ネットワークのノードを動作させる方法との関連で多様な実施形態を説明した。しかし、別の実施形態はノード自体を提供することができる。ノードは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報を送信するように構成された少なくとも1つの送信器を含む。少なくとも1つの送信器は、前述の実施形態のいずれかに従って、同期信号及び/又はリファレンスシンボルを、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ送信するようにさらに構成され得る。
【0014】
さらに、ここで説明される別の実施形態に従った無線通信ネットワークの他のノードも提供され得る。これらの実施形態では、少なくとも1つの送信器は、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報を送信するように構成される。少なくとも1つの送信器は、プライマリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信するようにさらに構成される。少なくとも1つの送信器は、セカンダリキャリアの同期信号及び/又はリファレンスシンボルに関する情報を、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信するようにさらに構成される。情報は、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルがいつ送信されることになるかの標識、並びに/又はセカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルを送信する周期(即ち、どのような頻度で)の標識を含み得る。ここで説明される多様な実施形態に従ったノードを動作させる類似の方法も提供され得る。
【0015】
ここで説明される多様な別の実施形態は、無線通信ネットワークのユーザ機器を動作させる方法を提供し得る。これらの方法は、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上で情報を受信することを含み得る。プライマリキャリア上では同期信号及び/又はリファレンスシンボルも受信され、プライマリキャリア上で受信された同期信号及び/又はリファレンスシンボルは処理され得る。さらに、同期信号及び/又はリファレンスシンボルは、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で受信される。プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で受信された同期信号及び/又はリファレンスシンボルもまた、ユーザ機器によって処理される。
【0016】
ユーザ機器を動作させるこれらの方法は、セカンダリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルがどのような頻度で受信されることになるかの標識を、プライマリキャリア上で受信することをさらに含み得る。標識は、セカンダリキャリア上で同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルがいつ受信されることになるかの少なくとも1つの標識、並びに/又はセカンダリキャリア上で同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルを受信する周期(即ち、どのような頻度で)の少なくとも1つの標識を含み得る。少なくとも1つの標識は、RRCメッセージのパラメータとしてプライマリキャリア上で受信され得る。さらに、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上で情報を受信するように構成された少なくとも1つの送信器を含む類似のユーザ機器も提供され得る。送信器は、前述のように、プライマリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し、処理し、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し、処理するようにもさらに構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】LTEのリリース10(Rel−10)における統合キャリアを概念的に示す図である。
図2】ここで説明される多様な実施形態に従って無線通信ネットワークのノードを動作させるために行われ得る動作の流れ図である。
図3】ここで説明される多様な実施形態に従って動作するように構成された統合キャリアのプライマリキャリア及びセカンダリキャリアのフレームを示す図である。
図4】例えば図3に示すように構成されたプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いてノードによって行われ得る動作の流れ図である。
図5】ここで説明される多様な別の実施形態に従って動作するように構成された統合キャリアのプライマリキャリア及びセカンダリキャリアのフレームを示す図である。
図6】例えば図5に示すように構成されたプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いてノードによって行われ得る動作の流れ図である。
図7】ここで説明されるさらに別の実施形態に従って動作するように構成された統合キャリアのプライマリキャリア及びセカンダリキャリアのフレームを示す図である。
図8】例えば図7に示すように構成されたプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いてノードによって行われ得る動作の流れ図である。
図9】ここで説明されるさらに別の実施形態に従ってノードによって行われ得る動作の流れ図である。
図10】ここで説明されるさらに多様な実施形態に従って無線通信ネットワークのユーザ機器によって行われ得る動作の流れ図である。
図11】ここで説明される多様な実施形態による無線ネットワークのブロック図である。
図12】ここで説明される多様な実施形態によるユーザ機器のブロック図である。
図13】ここで説明される多様な実施形態によるノードのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで説明される多様な実施形態は、統合キャリアのプライマリキャリアよりも低い頻度で、統合キャリアのセカンダリキャリア上で、ノードからユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信する。さらに、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの標識もまた、ノードによってプライマリキャリア上でユーザ機器へ送信され得る。ユーザ機器は、プライマリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し、処理し、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上でも同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し、これらの同期信号及び/又はリファレンスシンボルを処理し得る。
【0019】
LTEの現行のリリースではセカンダリキャリアは概して正規のLTEキャリアの特徴を有することを要するという認識から、ここで説明される多様な実施形態が生じてもよい。即ち、それは、プライマリキャリアとほぼ同じように、時間及び周波数同期のために同期信号を、チャネル推定のためにリファレンスシンボルを、並びに、データ割当て及び他の制御機能のために制御信号を搬送する。しかし、LTEの将来のリリースでは、セカンダリキャリアが非後方互換の特徴を有することを可能とすることが提案されている。従って、セカンダリキャリア上で同期信号及び他の信号がどのようにして送信されるかに関する変更が、ことによると、加えられる可能性もある。
【0020】
さらに、LTEは複数のやり方で配備することができ、あるタイプの配備においてはネットワーク内の基地局の大部分は所謂マクロ基地局であり同様の送信電力及びアンテナ利得を有するという認識から、ここで説明される多様な実施形態が生じてもよい。一般にヘテロジーニアスネットワークと呼ばれる別のタイプの配備においては、基地局の2つ以上のティアがあってよく、主要なティアはマクロ基地局のセットであり、二次的なティアはマイクロ基地局及び/又はピコ基地局である。マイクロ基地局及びピコ基地局は、通常はより低い送信電力を有し、従ってより狭いセル範囲を有する。ピコ及びマイクロセルの賢明な配置により、全般的なネットワーク容量を増加させることができる。
【0021】
低負荷条件の下では、即ちデータを受信するUEがごく少数しかないときには、ネットワーク内で送信される信号の大部分が同期信号やリファレンスシンボルといった制御信号であるという認識から、ここで説明される多様な実施形態が生じてもよい。低負荷条件の下では、複数のサイトからのこれらの信号間の干渉がシステム容量を制限し得る。ヘテロジーニアスネットワークを配備する際の課題は、多くの場合、ネットワークのマクロ層とマイクロ/ピコ層との間のそうした干渉を中心とするものである。多くのケースにおいて、ピコ基地局から送信される同期信号及びリファレンス信号の受信は、マクロ基地局における同様の信号からの干渉に起因して阻害される。よって、たとえピコ基地局からデータが受信され得るはずであったとしても、同期信号及び他の信号上の干渉は、ピコ基地局からのUEにおけるデータの受信を妨害し得る。
【0022】
広帯域無線ネットワークのエネルギー効率もますます重要になってきている。いくつかのシナリオでは、無線ネットワーク内のエネルギーの約90%が、どのユーザもデータを受信していないときに消費される。システムにユーザがいないときでさえ行われる基地局からの同期信号及びリファレンス信号の周期的な送信がLTEネットワークにおける電力消費の重要な原因の1つであるという認識から、ここで説明される多様な実施形態が生じてもよい。
【0023】
エネルギー効率並びに現行のホモジーニアス及びヘテロジーニアスのLTEネットワークとの干渉の課題が与えられた場合、ここで説明される多様な実施形態は、キャリアアグリゲーションの状況においてセカンダリキャリアのための同期信号及びリファレンスシンボルを提供し、一方で、上記の課題及び/又は他の課題のうちの1つ若しくは複数を軽減することができる。上記課題のうちの1つ若しくは複数に対処するために、チャネル推定の目的のためのリファレンスシンボルが、制御メッセージ又はデータメッセージを転送するためにUEへ行われるデータ割当てにおいて送信されることができる。
【0024】
複数のUEによって使用されることが意図される同期信号及びリファレンスシンボルのための既存の解決策は、概して、何らかの形の周期的送信を使用する。即ち、これらの信号/シンボルは一定の間隔で出現し、システム内のUEは、フレームタイミングを導出すること、並びに時間及び周波数の同期を維持することを含む多様な目的に周期の知識を使用する。ここで説明される多様な実施形態は、そのような解決策の問題が、信号/シンボルの使用を試みているUEの有無にかかわらずこれらの信号の周期的送信が行われることであるという認識から生じ得るものである。これは、ホモジーニアスな配備においてであれ、ヘテロジーニアスな配備においてであれ、エネルギーの非効率性、並びに他のセルへの不要な干渉につながり得る。
【0025】
ここで説明される多様な実施形態は、プライマリキャリアも送信されているキャリアアグリゲーションの配備における、セカンダリキャリア上での同期信号及びリファレンス信号の送信を解決する。いくつかの実施形態では、プライマリキャリアは、同期信号及びリファレンス信号がLTEの仕様で定義される周期で送信されるLTE準拠のキャリアであるものと想定される。
【0026】
ここで説明される多様な実施形態は、前述の課題のうちの1つ若しくは複数を、例えば、システム内にアクティブなUEがないときの同期信号及び/又はリファレンスシンボルの送信を回避することによって克服することができる。UEがセカンダリキャリアをアクティブに使用しているときには、これらの信号/シンボルの送信がプライマリキャリア上で、明示的にシグナリングされ得る。これは、同期信号及びリファレンスシンボルが、データ送信と全く同様にスケジュールされることを可能とする。これは、LTEの現行のリリースと対比させることができ、LTEの現行のリリースでは、通常、そのような信号/シンボルの送信は固定的なやり方で行われる。これらの信号/シンボルの送信のスケジューリング又は抑制(suppressing)におけるこの柔軟性は、低負荷条件時のネットワーク内の干渉を管理することができる能力の向上につながり得るものであり、この能力の向上によりシステム性能を高めることができる。これは、無線ネットワークをよりエネルギー効率の高いものとすることも可能とし得る。
【0027】
図2は、ここで説明される多様な実施形態に従って無線通信ネットワークのノードを動作させるために行われ得る動作の流れ図である。図2を参照すると、ブロック210で、無線通信ネットワークのノードは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報を送信することによって動作することができる。ブロック220で、同期信号及び/又はリファレンスシンボルが、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信される。さらに、ブロック230で、いくつかの実施形態では、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの標識も、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信され得る。
【0028】
図3に、ここで説明される多様な実施形態に従って動作するように構成された統合キャリアのプライマリキャリア及びセカンダリキャリアのフレームを示す。プライマリキャリア及びセカンダリキャリアは同じセルサイトから送信され(即ち、同じサイトに属し)、時間及び周波数において同期し得る。このシナリオでは、ここで説明される多様な実施形態によれば、セカンダリキャリア上では同期信号もリファレンス信号も送信されなくてよい。具体的には、図3に示すように、プライマリキャリアはプライマリ同期信号及び/又はセカンダリ同期信号(PSS/SSS)を、プライマリキャリアの所与のスロットで送信し得る。リファレンスシンボル(RS)も図示のように送信され得る。無線リソース制御(RRC)メッセージを含む制御メッセージも送信され得る。
【0029】
UEは、初期の時間及び周波数同期を獲得し、その後、プライマリキャリア上で利用できる場合には同期信号(PSS/SSS)及び/又は他のリファレンスシンボルを用いて同期を維持する。実際のキャリア周波数及びフレームタイミングは異なり得ることに留意されたい。この同期は、プライマリキャリア上及びセカンダリキャリア上のキャリア周波数間及びフレームタイミング間のオフセットが一定である場合に維持され得る。これら一定のオフセットの知識は、プライマリキャリアとの同期が行われた後でUEがセカンダリキャリア上で動作することを可能とする。オフセットパラメータは、RRCメッセージといったプライマリキャリア上の制御シグナリングを用いてUEへシグナリングされ得る。
【0030】
プライマリキャリア上のPSS/SSS(同期信号)又はリファレンスシンボルを用いて、UEによってモビリティ測定も行われ得る。そのような測定は、現行のサービスセルから異なるセルへのハンドオフが必要であるかどうか判定するのに使用される。各キャリアは同じサイトに属するため、送信電力スペクトル密度は両キャリア上で同じであると仮定して、プライマリキャリア上の測定は、現在プライマリキャリア上又はセカンダリキャリア上にないUEがそのセルに移動すべきかどうか決定するのに十分である。
【0031】
図4は、例えば、図3に示すように構成されたプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いてノードによって行われ得る動作の流れ図である。図4のブロック410〜ブロック430は、それぞれ、図2のブロック210〜ブロック230の動作に対応し得るが、図3のプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いて行われる。
【0032】
ブロック410を参照すると、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアと、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間及び周波数において同期しているセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアと、を含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報が送信される。ブロック420で、ノードは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間及び周波数において同期しているセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンス信号を送信することを控える。いくつかの実施形態では、ブロック430で、セカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットは、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間及び周波数において同期しているが、一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットだけそこからオフセットしており、ノードは、一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットの標識を、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、ブロック430の標識は、プライマリキャリア上で、一定の時間オフセット及び/又は一定の周波数オフセットの標識を提供するパラメータを含むLTE RRCメッセージを用いて送信される。最後に、図4のいくつかの実施形態では、プライマリキャリア及びセカンダリキャリアは同じサイトに属し、ノードは、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号とリファレンスシンボルの両方を送信することを控える。
【0034】
図5に、ここで説明される多様な別の実施形態に従って動作するように構成された統合キャリアのプライマリキャリア及びセカンダリキャリアのフレームを示す。図5の実施形態は、2つのキャリアが異なる帯域にあるという点で、図3の実施形態と異なり得る。そのような状況では、帯域の各々の伝搬特性が異なることが可能である。例えば、プライマリキャリアは1900MHz帯域にあり、一方でセカンダリキャリアは700MHz帯域にあり得る。そのような状況では、プライマリキャリアからモビリティ測定を導出するよりも、セカンダリキャリア自体の上でモビリティ測定が行われることが望ましい場合もある。よって、図5に示すように、ここで説明される多様な実施形態に従って、リファレンスシンボルがセカンダリキャリア上で送信され、例えば、図5の“シグナリング”によって示されるように、プライマリキャリアからシグナリングされる。別の実施形態では、リファレンスシンボルは、構成可能な周期で(例えば、X個のサブフレームごとに)送信され、例えば、図5の“シグナリング”によって示されるように、プライマリキャリアから(1つ若しくは複数の)UEへシグナリングされる。
【0035】
UEは図3及び図4の実施形態と同様に時間及び周波数の同期を獲得し得る。モビリティ測定のために、UEはまず、プライマリキャリア上で、モビリティ測定に使用され得るリファレンスシンボルがセカンダリキャリア上で送信される予定であることを指示する制御シグナリングを受信する。UEは次いで、セカンダリキャリア上でリファレンスシンボルを受信し、リファレンスシンボルを使用してモビリティ測定を行う。
【0036】
セカンダリキャリア内のリファレンスシンボルの位置は、多くのやり方で指示され得る。例えば、いくつかの実施形態では、(サブフレーム数又はOFDMシンボル数による)プライマリキャリア上のシグナリングの時間とセカンダリキャリア上のリファレンスシンボルの送信との間のオフセットがシグナリングされ得る。別の実施形態では、そこでリファレンスシンボルが送信される予定であるセカンダリキャリア上のサブフレーム番号がシグナリングに明示的に含まれる。他の技術も使用され得る。
【0037】
図6は、例えば図5に示すように構成されたプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いてノードによって行われ得る動作の流れ図である。図6のブロック610〜ブロック630はそれぞれ図2のブロック210〜ブロック230の動作に対応し得るが、図5のプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いて行われる。
【0038】
より具体的には、図6を参照すると、ブロック610で、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアと、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間において同期しているが、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットとは異なる周波数帯域にあるセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアと、を含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報が送信される。ブロック620aに示すように、リファレンスシンボルが、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信される。さらに、ブロック620bに示すように、同期信号は、セカンダリキャリア上で送信されることを控えられる(即ち、送信されない)。最後に、ブロック630に示すように、セカンダリキャリア上でユーザ機器へリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの標識も、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信され得る。いくつかの実施形態では、ブロック630で、リファレンスシンボルは、プライマリキャリアの周期よりも低い周期で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信され、周期の標識が送信される。
【0039】
図7に、ここで説明されるさらに別の実施形態に従って動作するように構成された統合キャリアのプライマリキャリア及びセカンダリキャリアのフレームを示す。図7の実施形態では、プライマリキャリア及びセカンダリキャリアは、時間及び周波数において同期しなくてよく、又は異なるサイトから送信されてもよい。このケースでは、ここで説明される多様な実施形態によれば、同期信号とリファレンスシンボルの両方がセカンダリキャリア上で送信され、それらが送信されるときにプライマリキャリアから明示的にシグナリングされる。別の実施形態では、同期信号及びリファレンスシンボルは、セカンダリキャリア上で周期的に送信され、周期は構成可能であり、プライマリキャリアによってシグナリングされる。同期信号及びリファレンスシンボルの周期は異なり得る。
【0040】
図7に示すように、UEは、まずプライマリキャリアに同期し、プライマリキャリア上で、セカンダリキャリア上の同期信号及びリファレンスシンボルの位置を指示するシグナリングを受信することによって、時間及び周波数の同期を獲得する。UEは次いで、セカンダリキャリア上のPSS/SSSシーケンスを使用して初期同期を行い、又は同期を維持する。UEは、モビリティ測定に必要とされるときには、セカンダリキャリア上のリファレンスシンボルも使用する。セカンダリキャリアのリファレンスシンボル及び/又は同期信号の位置のシグナリングは、例えば、図5との関連で説明したように行われ得る。
【0041】
図8は、例えば図7に示すように構成されたプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いてノードによって行われ得る動作の流れ図である。図8のブロック810〜ブロック830はそれぞれ図2のブロック210〜ブロック230の動作に対応し得るが、図7のプライマリキャリア及びセカンダリキャリアを用いて行われる。
【0042】
図8を参照すると、ブロック810で、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアと、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットに時間において同期しておらず、しかもプライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットとは異なる周波数帯域にあるセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアと、を含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報が送信される。ブロック820で、同期信号及びリファレンスシンボルが、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信される。いくつかの実施形態では、ブロック830で、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で送信されることになるかの標識が、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。さらに、いくつかの実施形態では、同期信号及びリファレンスシンボルは、プライマリキャリアの周期よりも低い周期で、セカンダリキャリア上で、ユーザ機器へ送信され、ブロック830の動作は、送信がどのような頻度で行われることになるか指示するために、同期信号及び/又はリファレンスシンボルを送信する周期の少なくとも1つの標識をプライマリキャリア上でユーザ機器へ送信する。
【0043】
図9は、ここで説明されるさらに別の実施形態に従って無線通信ネットワークのノードによって行われ得る動作の流れ図である。これらの実施形態では、セカンダリキャリアの同期信号/リファレンスシンボルのシグナリングが、任意の目的で、図5及び図7に示したようにプライマリキャリアから送信され得る。
【0044】
図9を参照すると、ブロック210で、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上でユーザ機器へ情報が送信される。ブロック920で、同期信号及び/又はリファレンスシンボルが、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。さらに、ブロック930で、セカンダリキャリアの同期信号及び/又はリファレンスシンボルに関する情報が、プライマリキャリア上でユーザ機器へ送信される。いくつかの実施形態では、セカンダリキャリアの同期信号及び/又はリファレンスシンボルに関する情報は、セカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルがいつ送信されることになるかの標識、並びに/又はセカンダリキャリア上でユーザ機器へ同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルを送信する周期(即ち、どのような頻度で)の標識を含む。最後に、いくつかの実施形態では、同期信号及び/又はリファレンスシンボルは、ブロック930で送信された情報に基づいてセカンダリキャリア上で送信される。セカンダリキャリア上の送信は、図9の動作を行う同じ送信器によって、及び/又は異なる送信器によって行われ得る。
【0045】
図10は、ここで説明されるさらに多様な実施形態に従ってユーザ機器によって行われ得る動作の流れ図である。具体的には、ブロック1010を参照すると、ユーザ機器は、プライマリキャリア時間/周波数リソースの第1のセットを含むプライマリキャリアとセカンダリキャリア時間/周波数リソースの第2のセットを含むセカンダリキャリアとを含む統合キャリア上で情報を受信する。ブロック1020で、ユーザ機器は、プライマリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し、処理する。ブロック1030で、ユーザ機器は、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルを受信し、処理し、プライマリキャリアよりも低い頻度で、セカンダリキャリア上で受信された同期信号及び/又はリファレンスシンボルを処理する。ある実施形態では、ブロック1040で、ユーザ機器は、セカンダリキャリア上で同期信号及び/又はリファレンスシンボルがいつ及び/又はどのような頻度で受信されることになるかの標識も、プライマリキャリア上で受信する。いくつかの実施形態では、標識は、セカンダリキャリア上で同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルがいつ受信されることになるか、並びに/又はセカンダリキャリア上で同期信号及び/若しくはリファレンスシンボルを受信する周期の少なくとも1つの標識を含む。
【0046】
図5及び図7には、例えば、ここでブロック230、430、630、830、930及び1040で説明したように、ここで説明される多様な実施形態に従って提供され得るシグナリングを示した。次に、このシグナリングの多様な実施形態を説明する。例えば、ここで説明されるシグナリングは、RRCメッセージの1つ若しくは複数のパラメータ、L1制御チャネルによってシグナリングされる1つ若しくは複数のパラメータを用いて、暗黙的なシグナリングを用いて、及び/又は、例えば、LTEによって提供され得る他のシグナリング機構を用いて行われてよい。
【0047】
RRCメッセージは、ブロードキャストRRCメッセージによって、及び/又は専用RRCメッセージによって当該プライマリセル内の各特定のUEへ、提供されることができる。RRCパラメータがブロードキャストメッセージによって送信されるときに、RRCパラメータは、制御情報を送るために送信されるシステム情報ブロック(SIB:System Information Block)のうちの1つによって信号で伝えることができ、又はSIB内の情報を受信する前にUEによって受信される物理ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)上で送信されるメッセージに含めることができる。また、専用メッセージによって送信されるRRCパラメータは、その情報を利用し、同じセルに接続される全てのUEに共通とされてもよい。
【0048】
別の実施形態では、1つ若しくは複数のパラメータがL1制御チャネルによってシグナリングされ得る。さらに別の実施形態では、暗黙的シグナリングが使用され得る。暗黙的シグナリングは、例えば、以下の適用可能なパラメータのうちの1つ若しくは複数に基づいて導出されることができる:物理セルインジケータ(PCI:Physical Cell Indicator)、送信点を定義するパラメータ、OFDMシンボル番号、スロット番号、サブフレーム番号、無線フレーム番号などである。多様な他のシグナリング技術が提供されてよく、ここで説明される多様な実施形態は上記の技術だけに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0049】
ここで説明される多様な実施形態はエネルギー効率を高めることができる。ここで説明される多様な実施形態に従って同期信号及び/又はリファレンスシンボルの送信を抑制することによって、エネルギー効率を高めることができる。同期信号及び/又はリファレンスシンボルが送信されることになる場合、その送信がシグナリングされ、及び/又は信号/シンボルの周期がシグナリングされ得る。そのような構成可能性(configurability)は、システムが低負荷又は無負荷時のこれらの信号/シンボルの送信を低減させ、又は最小化することを可能とし、よって、電力消費を低減させ、エネルギー効率を高める。
【0050】
さらに、干渉管理によってシステム性能が改善され得る。具体的には、ここで説明される多様な実施形態は、同期信号及び/又はリファレンスシンボルがセカンダリキャリア上で送信されず、又は事実上他のデータ送信と全く同じようにスケジュールされることを可能とし得る。これらの信号/シンボルの送信のスケジューリング又は抑制におけるこの柔軟性は、低負荷条件時のネットワークにおける干渉を管理することができる能力の向上をもたらすことができ、よって、システム性能を高める。
【0051】
次に、ここで説明される多様な実施形態のさらなる考察を提供する。ここで説明される多様な実施形態は、任意の適切な構成要素を用いた任意の適切な通信規格をサポートする任意の適切なタイプの電気通信システムにおいて実施され得るが、説明する解決策の個々の実施形態は、図11に示すようなLTEネットワークにおいて実施されてもよい。
【0052】
図11に示すように、例示的なネットワーク1100は、1つ若しくは複数のUE1110のインスタンスと、これらのUEと通信することのできる1つ若しくは複数のノード1120とを、UE間の、又はUEと(地上回線電話といった)別の通信機器との間の通信をサポートするのに適した任意の追加的なネットワーク要素1130と共に含み得る。図示のUE1110はハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含む通信機器を表し得るが、これらのUEは、個々の実施形態では、図12によってさらに詳細に示す例示的なUEといった機器を表し得る。同様に、図示のノード1120はハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含むネットワークノードを表し得るが、これらのノードは、個々の実施形態では、図13によってさらに詳細に示す例示的なノードといった機器を表し得る。
【0053】
図12に示すように、例示的なUE1110は、UEプロセッサ1210と、メモリ1220と、送受信器1230と、アンテナ1240と、ハウジング1250とを含む。個々の実施形態では、UEによって提供されるものとして先に説明した機能のうちの一部又は全部が、図12に示すメモリ1220といったコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を実行するUEプロセッサ1210によって提供され得る。UEの代替の実施形態は、前述の機能のいずれか及び/又は前述の解決策をサポートするのに必要な任意の機能を含む、UEの機能のある特定の側面を提供する役割を果たし得る、図12に示す構成要素以外の追加的な構成要素を含み得る。
【0054】
図13に示すように、例示的なノード1120は、プロセッサ1310と、メモリ1320と、送受信器1340と、アンテナ1350と、ハウジング1360とを含む。個々の実施形態では、ホーム基地局、HeNB、HNB、ピコ/フェムト基地局、基地局コントローラ、ノードB、eNB、及び/又は任意の他のタイプのモバイル通信ノードによって提供されるものとして先に説明した機能のうちの一部又は全部が、図13に示すメモリ1320といったコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を実行するノード1120によって提供され得る。従って、ここで説明される多様な実施形態によるノードは、図12の無線ユーザ機器といった無線ユーザ機器と無線で通信するように構成された無線送受信器1340と、ネットワーク1130の要素への通信パスを確立するように構成されたネットワークインタフェース1330と、プロセッサ1310とを含むことができる。ノード1120の代替の実施形態は、前述の機能のいずれか及び/又は前述の解決策をサポートするのに必要な任意の機能を含む、追加的な機能を提供する役割を果たす追加的な構成要素を含み得る。
【0055】
ここでは、本発明の実施形態が示されている添付の図面を参照して多様な実施形態を説明した。しかし本発明は、多くの異なる形態で実施されてよく、ここで示される実施形態だけに限定されるものと解釈すべきではない。そうではなく、これらの実施形態は、本開示が十分で完全なものとなり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えることになるように提供されるものである。
【0056】
ある要素が別の要素に対して“接続されている(connected)”、“結合されている(coupled)”、“応じて(responsive)”、又はこれらの派生であるというときには、その要素は、他方の要素に対して直接接続され、結合され、若しくは応じることができ、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に対して“直接接続されている(directly connected)”、“直接結合されている(directly coupled)”、“直接応じて(directly responsive)”、又はこれらの派生であるというときには、介在する要素は存在しない。さらに、“結合される”、“接続される”、“応じて”、又はこれらの派生は、ここで使用される場合、無線で結合され、接続され、又は応じることを含み得る。類似の番号は全体を通して類似の要素を指す。ここで使用される用語は、個々の実施形態を説明するためのものにすぎず、本発明を限定することが意図されるものではない。ここで使用される場合、単数形の“a”、“an”、及び“the”は、文脈上明確にそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図されている。周知の機能又は構造は、簡潔さ及び/又は明確さのために詳細に説明されない場合もある。
【0057】
ここでは多様な要素を説明するのに第1、第2などの用語が使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語はある要素を別の要素と区別するために使用されるにすぎない。例えば、本発明の範囲を逸脱することなく、第1の要素を第2の要素を呼ぶこともできるはずであり、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶこともできるはずである。さらに、ここで使用される場合、“及び/又は”という用語は、関連付けられた記載項目のうちの1つ若しくは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0058】
特段定義されない限り、ここで使用される(技術科学用語を含む)全ての用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般に使用される辞書で定義された用語といった用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの用語の意味と整合性を有する意味を有するものと解釈すべきであり、ここで特にそのように定義される理想化された、又は過度に形式的な意味で解釈されるものではない。
【0059】
ここで説明される多様な実施形態は、以下の無線アクセス技術のうちのいずれでも動作することができる:AMPS(Advanced Mobile Phone Service)、ANSI−136、GSM(Global Standard for Mobile)通信、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(enhanced data rates for GSM evolution)、DCS、PDC、PCS、符号分割多重アクセス(CDMA)、広帯域CDMA、CDMA2000、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)及び/又は3GPP LTE−A(LTE Advanced)。例えば、GSMの運用は、約824MHzから約849MHzまで及び約869MHzから約894MHzまでの周波数範囲での受信/送信を含むことができる。EGSMの運用は、約880MHzから約914MHzまで及び約925MHzから約960MHzまでの周波数範囲での受信/送信を含むことができる。DCSの運用は、約1410MHzから約1785MHzまで及び約1805MHzから約1880MHzまでの周波数範囲での受信/送信を含むことができる。PDCの運用は、約893MHzから約953MHzまで及び約810MHzから約885MHzまでの周波数範囲での送信を含むことができる。PCSの運用は、約1850MHzから約1910MHzまで及び約1930MHzから約1990MHzまでの周波数範囲での受信/送信を含むことができる。3GPP LTEの運用は、約1920MHzから約1980MHzまで及び約2110MHzから約2170MHzまでの周波数範囲での受信/送信を含むことができる。他の無線アクセス技術及び/又は周波数帯域もここで説明される多様な実施形態で使用することができる。これら全てのシステムは、国際電気通信連合−無線通信標準化部門(ITU−R:Telecommunications Union−Radio Communication Bureau)によって定義されている国際移動電気通信(IMT:International Mobile Telecommunications)帯域として通常知られている多様な帯域で動作するように設計されており、概して、現行の最新技術内の200MHzから5GHzの間の周波数範囲に位置し得る。しかし、ここで説明される多様な実施形態は、任意の無線システムに等しく適用可能であり、いかなる点においてもIMT帯域だけにいかなる点においても制限されるものではないことに留意すべきである。
【0060】
ここでは、例示及び説明の目的に限って、本発明の多様な実施形態を、セルラ通信(セルラ音声及び/又はデータ通信など)を実行するように構成されたユーザ機器の文脈で説明した。しかし、本発明はそのような実施形態だけに限定されず、1つ若しくは複数の無線アクセス技術に従って送受信するように構成された任意の無線通信端末において広く実施され得ることが理解されるであろう。
【0061】
ここで使用される場合、“ユーザ機器”という用語は、ディスプレイ(テキスト/図表)あり又はなしの(1つ若しくは複数の)セルラ及び/若しくは衛星無線電話;データ処理を備える無線電話、ファクシミリ及び/若しくはデータ通信機能を組み合わせ得る(1つ若しくは複数の)パーソナル通信システム(PCS:Personal Communications System)端末;無線周波数送受信器及びページャ、インターネット/イントラネットアクセス、ウェブブラウザ、オーガナイザ、カレンダ及び/若しくは全地球測位システム(GPS:global positioning system)受信機を含むことのできる(1つ若しくは複数の)携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)又は(1つ若しくは複数の)スマートフォン;並びに/又は(1つ若しくは複数の)従来のラップトップ(ノートブック)及び/若しくはパームトップ(ネットブック)コンピュータ若しくは無線周波数送受信器を含む(1つ若しくは複数の)他の電子機器を含む。ここで使用される場合、“ユーザ機器”という用語は、時間で変化する、若しくは固定された地理座標を有し得る、並びに/又は携帯式とし、可搬式とし、(航空、海上、若しくは陸上ベースの)乗り物に搭載され、及び/若しくは1つ若しくはそれ以上の地球上及び/若しくは地球外の場所にわたって局所的に、及び/若しくは分散方式で動作するように位置し、及び/若しくは構成され得る任意の他の放射ユーザ機器も含む。最後に、“ノード”という用語は、1つ若しくは複数のユーザ機器及びコアネットワークと通信するように構成された、任意の固定式、携帯式、及び/又は可搬式機器を含み、例えば、(マイクロセル、ピコセル、無線アクセスポイント及び/又はアドホック通信アクセスポイントを含む)地上セルラ基地局及び衛星を含み、これらは地上に位置していてもよく、及び/又は任意の高度の上空の軌道を有する。
【0062】
ここで使用される場合、“comprise”、“comprising”、“comprises”、“include”、“including”、“includes”、“have”、“has”、“having”、又はこれらの変形の各用語は、開放型であり、1つ若しくは複数の記述される特徴、整数、要素、ステップ、構成要素又は機能を含むが、1つ若しくは複数の他の特徴、整数、要素、ステップ、構成要素、機能又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。さらに、ここで使用される場合、一般的な略語の“e.g.”は、ラテン語の語句exempli gratiaに由来し、前に言及された項目の1つ若しくは複数の一般例を導入し、又は指定するのに使用され得るものであり、そのような項目を限定するためのものではない。ここで使用される場合、一般的な略語の“i.e.”は、ラテン語の語句id estに由来し、より一般的な記述からの具体的な項目を指定するのに使用され得る。
【0063】
ここでは、コンピュータ実装方法、装置(システム及び/若しくは機器)並びに/又はコンピュータプログラム製品のブロック図及び/又は流れ図を参照して例示的な実施形態を説明した。ブロック図及び/又は流れ図のブロック、並びにブロック図及び/又は流れ図内のブロックの組み合わせは、1つ若しくは複数のコンピュータ回路によって実行されるコンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解できる。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、ディジタルプロセッサといった専用コンピュータ回路、及び/又は他のプログラマブルデータ処理回路に提供されてマシンを生成し、そうして、命令は、コンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行され、トランジスタ、メモリ位置に記憶された値、及びそのような回路内の他のハードウェア構成要素を変形し、制御して、ブロック図及び/又は流れ図の1つ若しくは複数のブロックに指定された機能/動作を実装し、それによって、ブロック図及び/又は流れ図の(1つ若しくは複数の)ブロックに指定された機能/動作を実装するための手段(機能)及び/又は構造を作り出し得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に特定のやり方で機能するよう指図することのできるコンピュータ可読媒体に記憶され、そうして、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、ブロック図及び/又は流れ図の1つ若しくは複数のブロックに指定された機能/動作を実装する命令を含む製造品を生成し得る。
【0064】
有形の非一時的なコンピュータ可読媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、又は半導体のデータ記憶システム、装置、又は機器を含み得る。コンピュータ可読媒体のより具体的な例には以下が含まれるはずである。携帯用コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)回路、読取り専用メモリ(ROM)回路、電気的書込み可能読取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)回路、携帯用コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD‐ROM)、及び携帯用ディジタル多用途ディスク読取り専用メモリ(DVD/BlueRay)。
【0065】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされて、コンピュータ実装プロセスを生成するためにコンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置上で一連の動作ステップを行わせ、そうして、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行される命令は、ブロック図及び/又は流れ図の1つ若しくは複数のブロックに指定された機能/動作を実装するためのステップを提供し得る。
【0066】
従って、本発明の実施形態は、ハードウェアにおいて、及び/又はディジタル信号プロセッサといったプロセッサ上で走る(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)ソフトウェアにおいて実装されてよく、これらは“回路”、“モジュール”、又はこれらの変形と総称され得る。
【0067】
いくつかの代替の実施態様では、各ブロックに記載される機能/動作は、流れ図に記載される順序から外れて行われ得ることにも留意すべきである。例えば、関与する機能/動作によっては、連続して図示されている2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行され、又はこれらのブロックは場合によっては逆の順序で実行され得る。さらに、流れ図及び/若しくはブロック図の所与のブロックの機能が複数のブロックへと分離されてもよく、並びに/又は流れ図及び/若しくはブロック図の2つ以上のブロックの機能の少なくとも一部が統合されてもよい。最後に、図示されたブロックの間に他のブロックが追加され/挿入されてもよい。さらに、図のうちのいくつかは、通信の主要な方向を示すために通信パス上に矢印を含むが、通信は図示の矢印と反対方向に行われ得ることを理解すべきである。
【0068】
ここでは多くの異なる実施形態を、後続の説明及び図面との関連で開示した。これらの実施形態のあらゆる組み合わせ及び部分的組み合わせを字句通りそのまま説明し、図示すると、過度にくどく、分かりにくいものになることが理解されるであろう。従って、本明細書は、図面を含めて、ここで説明される実施形態の全ての組み合わせ及び部分的組み合わせと、それらを作成し、使用するやり方及びプロセスの完全な書面による説明を構成すると解釈されるものであり、任意のそのような組み合わせ又は部分的組み合わせについての請求項をサポートするものである。
【0069】
図面及び明細書においては、本発明の実施形態が開示されており、特定の用語が用いられているが、それらの用語は、限定のためではなく、一般的、記述的な意味においてのみ使用されており、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1
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