(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6101315
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】多重コイルシステムを有する無線表面の再構成の決定
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20170313BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20170313BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20170313BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/12
H02J50/80
H02J7/00 301D
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-145067(P2015-145067)
(22)【出願日】2015年7月22日
(65)【公開番号】特開2016-25850(P2016-25850A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2015年7月23日
(31)【優先権主張番号】14/339,147
(32)【優先日】2014年7月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ディヌ ペトル マダウ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー エドワード ザック
【審査官】
猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−110399(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/041863(WO,A1)
【文献】
特開2009−201344(JP,A)
【文献】
特開2009−189087(JP,A)
【文献】
特開2013−135572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00−3/12,
B60L7/00−13/00,
B60L15/00−15/42,
H02J7/00−7/12,
H02J7/34−7/36,
H02J50/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重コイルシステムを有する無線表面の再構成を決定するためのシステムであって、
前記再構成の前記決定のための命令のプログラムを記憶するコンピュータ読み出し可能な媒体を備えるデータ記憶装置と、
前記命令のプログラムを実行するプロセッサと、
前記無線表面と関連付けられる基準パラメータを決定するための基準生成器と、
再測定を起動するための再確認イニシエータと、
前記起動した再測定に応じて、前記基準パラメータと関連付けられるパラメータを測定するための再測定器と、
前記測定したパラメータと前記測定した基準パラメータとの差異に基づいて、前記無線表面に関する決定を取り出すための分析器と、
を備え、
前記基準パラメータは、少なくとも第1の基準パラメータ、第2の基準パラメータ、および第3の基準パラメータを備え、前記第1の基準パラメータはコイルの周波数に相当し、前記第2の基準パラメータはコイルの電圧に相当し、前記第3の基準パラメータはコイルの電流に相当し、
前記無線表面は、複数のコイルを備え、前記分析器による決定は、前記無線表面上において電子デバイスが整列しているか、整列していないかに相関するものであり、
前記分析器は、測定された前記周波数が前記第1の基準パラメータから減少している場合、測定された前記電圧が前記第2の基準パラメータから増加している場合、及び、測定された前記電流が前記第3の基準パラメータから増加している場合、のうちのいずれの場合に、前記電子デバイスが整列していないと決定する、
システム。
【請求項2】
前記再確認イニシエータは、所定の時間間隔に基づいて前記再測定を起動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記再確認イニシエータは、刺激に基づいて前記再測定を起動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記分析器は、前記決定に基づいて前記複数のコイルの1つを再割り当てして前記電子デバイスを充電するように、無線表面に指示を伝送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
多重コイルシステムを有する無線表面の再構成を決定するための方法であって、
前記無線表面の充電と関連付けられる特性の基準パラメータに基づいて測定を記録することと、
再測定を起動するためのコマンドを受け取ることと、
前記コマンドを受け取ることに応じて、前記基準パラメータと関連付けられる測定を再記録することと、
前記記録した測定と前記再記録した測定との差異を認めることと、
前記認めた差異に基づいて前記無線表面の状態を決定することと、を含み、
前記記録すること、前記受け取ること、前記再記録すること、および前記決定することの少なくとも1つは、プロセッサによって行われ、
前記基準パラメータは、少なくとも第1の基準パラメータ、第2の基準パラメータ、および第3の基準パラメータを備え、前記第1の基準パラメータはコイルの周波数に相当し、前記第2の基準パラメータはコイルの電圧に相当し、前記第3の基準パラメータはコイルの電流に相当し、
前記無線表面は、複数のコイルを備え、前記決定は、前記無線表面上において電子デバイスが整列しているか、整列していないかに相関するものであり、
測定された前記周波数が前記第1の基準パラメータから減少している場合、測定された前記電圧が前記第2の基準パラメータから増加している場合、及び、測定された前記電流が前記第3の基準パラメータから増加している場合、のうちのいずれの場合に、前記電子デバイスが整列していないと決定される、
方法。
【請求項6】
前記再測定は、所定の時間間隔に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記再測定は、刺激に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記決定に基づいて前記複数のコイルの1つを再割り当てして前記電子デバイスを充電するように、無線表面に指示を伝送することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、代理人整理番号46107−01636(V214−0003)を有する、2014年7月23日に出願された米国特許出願第14/339,025号に関するものであり、これは、本出願と同じ譲受人に譲渡され、その全ては、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
モバイル電子機器およびデバイスは、ますます普及している。しばしば、モバイルデバイスは、エネルギー貯蔵デバイスを含み、また、エネルギー貯蔵デバイスの電力を用いて、モバイルデバイスと関連付けられる機能を動作させる。モバイルデバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、または同類のものであり得るが、それらに限定されない。
【0003】
モバイルデバイスを充電するために、従来は、有線電力充電システムが提供されてきた。モバイルデバイスの操作者は、モバイルデバイスを充電電源(例えば、壁面コンセントまたは車両用電気アダプタ)に接続し、そして、デバイスが満充電されるか、または充電電源に取り付けられたときよりも高いレベルに充電されるのを待つ。接続は、ユーザがモバイルデバイスを充電電源に差し込むことを可能にする、モバイルデバイスと関連付けられる、ワイヤまたはソケットを介して透過され得る。
【0004】
近年、有線充電という概念は、無線充電に置き換えられてきたか、または拡張されてきた。無線充電の初期の実現形態は、モバイルデバイスに無線エネルギーを伝送するコイルを用いた。モバイルデバイスは、無線エネルギーを受け取り、無線エネルギーを使用可能かつ貯蔵可能な電力に変換するための技法を装備する。
【0005】
この実現例では、単一のコイルが提供される。したがって、この種類の無線充電の実現者は、モバイルデバイスを配置するべき場所または状況をユーザに案内する役割を果たす、種々の指示を提供し得る。このようにして、ユーザは、無線充電の効率を最適化し、かつ確実にする領域の中にモバイルデバイスを配置する際に、効果的に案内される。
【0006】
近年、数多くのモバイルデバイスが発表されてきた。種々のモバイルデバイスはそれぞれ、異なるサイズおよび充電能力を有する。故に、単一のコイルシステムは、ユーザの無線充電の要求に有効に応えていない場合がある。
【0007】
この懸念に対処するために、無線表面(wireless surface)またはシートが提供される。故に、ユーザは、自分のモバイルデバイスを無線表面またはシートの上に配置し、その行動に応じて、無線デバイスの充電を開始し得る。したがって、ユーザは、デバイスを特定の場所に配置するように促されない場合がある。
【0008】
無線表面またはシートは、無線充電を浸透させるために、複数のコイルが提供され得る。各コイルは、モバイルデバイスの充電を開始するために、異なる時間で選択的にオンおよびオフされ得る。各コイルは、様々な電力量および効率を有するモバイルデバイスを無線で充電し得る。
【0009】
ある状況において、無線表面またはシートは、移動環境において実現され得る。例えば、無線表面またはシートが車両において実現される場合、モバイルデバイスは、ある場所からもう一方の場所に移動し得る。別の例において、無線表面またはシートは、異なる場所にあり得る。故に、ユーザまたは操作者が無線表面またはシートを上下動させれば、モバイルデバイスは、移動し得る。このような状況では、モバイルデバイスが異なる場所にあるので、無線充電の有効性が変化し得る。
【発明の概要】
【0010】
多重コイルシステムを有する無線表面の再構成を決定するためのシステムおよび方法が提供される。本システムは、無線表面と関連付けられる基準パラメータを決定するための基準生成器(reference generator)と、再測定を起動するための再確認イニシエータと、開始した再測定に応じて、基準パラメータと関連付けられるパラメータを測定するための再測定器と、測定したパラメータと測定した基準パラメータとの差異に基づいて、無線表面に関する決定を取り出すための分析器とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
詳細な説明は、以下の図面を参照し、同じ数字は、同じ項目を指す。
【
図1】例示的なコンピュータを例示するブロック図である。
【
図2】検出したパラメータに基づいて、多重コイルシステムの効率を決定するためのシステムの実現形態の実施例を示す図である。
【
図3】(a)〜(c)は、モバイルデバイスと無線充電表面との不整列を介して変化する周波数、電圧、および電流の一例を例示する図である。
【
図4】
図2で例示される実施例による、所定のルックアップテーブルを例示する図である。
【
図5】検出したパラメータに基づいて、多重コイルシステムの効率を決定するための方法の実現形態の実施例を示す図である。
【
図6】(a)および(b)は、
図2で示されるシステムまたは
図5で示される方法の例示的な実現形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、本発明の例示的な実施形態が示される添付図面を参照して、以下により完全に説明される。しかしながら、本発明は、数多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本開示の目的のために、「それぞれの少なくとも1つ」は、複数の列挙された要素の組み合わせを含む、それぞれの言語に従う、列挙された要素の任意の組み合わせを意味するものと解釈されることが理解されよう。例えば、「X、Y、およびZの少なくとも1つ」は、Xだけ、Yだけ、Zだけ、またはX、Y、およびZの2つ以上の項目の任意の組み合わせ(例えば、XYZ、XZ、YZ、X)を意味するものと解釈される。図面および詳細な説明の全体を通して、別途説明されない限り、同じ図面参照番号は、同じ要素、特徴、および構造を指すものと理解される。これらの要素の相対的サイズおよび描写は、明確さ、例示、および便宜のために誇張され得る。
【0013】
無線充電をユーザに提供することは、モバイルデバイスを効果的に充電することを可能にし、一方で、ワイヤおよび他の介在的な接続技法を用いる煩わしさを回避することを可能にする。無線充電の一例では、無線でエネルギーを発生させ、空間を通じてエネルギーを伝送するために、金属コイルが用いられる。モバイルデバイスは、無線エネルギーを受け取り、そして、受け取った無線エネルギーを、デバイスを動作させるために用いられ得る電力に変換する、受信機を装備し得る。モバイルデバイスは、スマートフォン、タブレット、着用可能な腕時計、および同類のもの等の、充電が必要とされる、または用いられる任意のデバイスであり得る。
【0014】
発明の背景で説明されるように、無線表面が実現され、ユーザに提供され得る。無線表面は、複数のコイルを有する(したがって、「多重コイルシステム」と称され得る)。多重コイルシステムは、複数のコイルを用い得、各コイルは、エネルギーをモバイルデバイスに送達することができる。
【0015】
無線表面の上へのモバイルデバイスの配置に応じて、個々のコイルの充電が、向上または悪化し得る。単一のコイルからモバイルデバイスを充電する能力は、種々の因子に依存するが、その1つは、充電されているデバイスに対する場所である。
【0016】
したがって、多重コイルシステムが用いられたときに、無線充電表面に位置し、提供されるコイルのいくつかから充電することは、非効率的であり得る。例えば、電力が、低い充電効率を有するコイルに送達される場合、無線充電表面の有効性は、総じて低下し得る。また、必要以上のコイルがオンであるか、または非効率的なコイルがオンであるので、過剰な加熱も問題になる。
【0017】
しかしながら、無線充電システムは、充電する前に、モバイルデバイスの配置を知らない場合がある。ユーザがデバイスを無線充電表面に配置する度に、配置が異なる場所になり得る。さらに、配置は、無線充電表面に配置されるデバイス、または配置されるデバイスのサイズ、またはモバイルデバイスのコイルの場所等の、他の因子に依存し得る。無線充電システムは、配置を検出し得るが、場所検出回路を用いることで、無線充電システムが高価で嵩張るようになり得る。
【0018】
本出願の相互参照の項で論じられる関連出願は、モバイルデバイスを無線で充電するための最適なコイルを決定するための技法を開示する。したがって、その出願で開示される態様を用いることで、コイルは、無線表面の上に配置されたモバイルデバイスの検出に基づいて選択され得る。
【0019】
しかしながら、モバイルデバイスは、複数の理由から、移動または変位し得る。例えば、車両等の無線表面が移動環境に配置された場合、車両の移動力は、モバイルデバイスを変位させ得る。別の例において、無線表面、無線表面の周りの領域、またはモバイルデバイスは、上下動または揺動し得る。上下動または揺動は、モバイルデバイスを移動させ得る。この場合、充電に最適であると決定された選択されたコイルは、もはやモバイルデバイスを無線充電するための最も有効なコイルであり得ない。
【0020】
本明細書では、検出したパラメータに基づく多重コイルシステムの再構成を決定するための方法およびシステムが開示される。本明細書で開示される態様を用いることで、本方法およびシステムは、多重コイルシステムと関連付けられる現在の充電効率の検出、および充電を浸透させるために利用される1つのコイル(または複数のコイル)の再構成を可能にする。
【0021】
したがって、本明細書で開示される概念に基づいて、モバイルデバイス(または任意の充電可能なデバイス)が充電期間中に変位した場合であっても、本明細書で開示される態様は、効率的な充電の状態に戻り得ることを確実にするための再構成を可能にする。
【0022】
図1は、例示的なコンピュータ100を例示するブロック図である。コンピュータ100は、チップセット104に連結される少なくとも1つのプロセッサ102を含む。チップセット104は、メモリコントローラハブ120と、入力/出力(I/O)コントローラハブ122とを含む。メモリ106およびグラフィックスアダプタ112は、メモリコントローラハブ120に連結され、ディスプレイ118は、グラフィックスアダプタ112に連結される。記憶デバイス108、キーボード110、ポインティングデバイス114、およびネットワークアダプタ116は、I/Oコントローラハブ122に連結される。コンピュータ100の他の実施形態は、異なるアーキテクチャを有し得る。
【0023】
記憶デバイス108は、ハードドライブ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、DVD、またはソリッドステートメモリデバイス等の、非一時的なコンピュータ読み出し可能な記憶媒体である。メモリ106は、プロセッサ102によって使用される命令およびデータを保持する。ポインティングデバイス114は、マウス、トラックボール、または他のタイプのポインティングデバイスであり、また、キーボード110と組み合わせてデータをコンピュータ100に入力するために使用される。ポインティングデバイス114はまた、ゲーミングシステムコントローラ、または、ゲーミングシステムを制御するために使用される任意のタイプのデバイスであり得る。例えば、ポインティングデバイス114は、特定のユーザを検出するために生体走査を用いるビデオまたは画像取り込みデバイスに接続され得る。特定のユーザは、コンピュータ100の種々の態様を制御するようポインティングデバイス114に命令するために、運動またはジェスチャーを用い得る。
【0024】
グラフィックスアダプタ112は、画像および他の情報をディスプレイ118に表示する。ネットワークアダプタ116は、1つ以上のコンピュータネットワークにコンピュータシステム100を連結する。
【0025】
コンピュータ100は、本明細書で説明される機能を提供するためのコンピュータプログラムモジュールを実行するように適合される。本明細書で使用されるとき、「モジュール」という用語は、指定された機能を提供するために使用されるコンピュータプログラム論理を指す。したがって、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアで実現することができる。一実施形態において、プログラムモジュールは、記憶デバイス108に記憶され、メモリ106に読み込まれ、そして、プロセッサ102によって実行される。
【0026】
本明細書で開示されるエンティティおよび過程によって使用されるコンピュータのタイプは、実施形態およびエンティティによって必要とされる処理能力に依存して変動する可能性がある。コンピュータ100は、モバイルデバイス、タブレット、スマートフォン、または上で列記した要素を有する任意の種類のコンピューティング要素であり得る。例えば、ハードディスク、ソリッドステートメモリ、または記憶デバイス等のデータ記憶デバイスは、本明細書で説明される機能を提供するためにともに機能する複数のブレードサーバを備える、分散データベースシステムに収容され得る。コンピュータは、キーボード110、グラフィックスアダプタ112、およびディスプレイ118等の、上で説明される構成要素のいくつが欠如している可能性がある。
【0027】
コンピュータ100は、本明細書で開示されるコンテンツ共有サービスのためのサーバ(図示せず)としての機能を果たし得る。コンピュータ100は、サーバを作成するために、他のコンピュータ100デバイスによってクラスタ化され得る。サーバを構成する種々のコンピュータ100のデバイスは、ネットワークを通じて互いに通信し得る。
【0028】
図2は、検出したパラメータに基づいて多重コイルシステムの効率を決定するためのシステム200の実現形態の実施例である。システム200は、基準生成器210と、再確認イニシエータ220と、再測定器230と、分析器240とを含む。
【0029】
システム200は、上で説明されるコンピュータ100等のデバイスを介して実現され得る。システム200は、永続記憶装置205によって実現され得、該永続記憶装置は、記憶デバイス108に関して上で列挙される記憶デバイスのいずれかであり得る。
【0030】
システム200は、マイクロコントローラ260と通信する。マイクロコントローラ260は、スイッチ251〜253を選択的に開き、閉じることを可能にする、任意の種類のスイッチング制御デバイスであり得る。スイッチ251〜253は、電力源250からのエネルギーを、無線充電表面270の対応するコイル(271〜273)に伝送することを可能にする。
【0031】
示される無線充電表面270は、3つのコイル(コイル271〜273)を含む。下で説明される実施例では、3つのコイルが示されるが、当業者は、1つを超える任意の数のコイルによって、本明細書で説明される態様を実現し得る。コイル271〜273は、表面またはマットに埋め込まれ得る。
【0032】
図2を参照すると、モバイルデバイス280は、既に無線充電状態である。既知のまたは関連出願で論じられる任意の技法を用いて、コイルが選択される(すなわち、駆動スイッチが閉じられる)。
【0033】
基準生成器210は、モバイルデバイス280との相互作用の初期測定に基づいて、基準パラメータを測定する。基準生成器210は、周波数基準211と、ピーク発振器電圧基準212と、電流基準213とを含み得る。一旦測定した基準211〜213のそれぞれは、一時レジスタに記憶されるか、または永続記憶装置205に記憶され得る。
【0034】
周波数は、具体的には、コイル駆動周波数を指し得る。無線充電するために用いられる伝送器は、伝送器コイル「タンク」回路を用い得る。伝送器コイル「タンク」回路は、共振周波数を有する。したがって、伝送器コイル「タンク」回路がさらに共振することは、電子デバイスを充電するために用いられているコイルが最適な効率で動作していることを示す。
【0035】
再確認イニシエータ220は、基準生成器210によって測定されるパラメータの測定を起動する。再確認イニシエータ220は、所定時間レジスタ225と通信し得る。したがって、所定時間レジスタ225に記憶された所定時間が経過した後に、再確認イニシエータ220は、測定を起動し得る。
【0036】
別の実施例において、再確認イニシエータ220は、(例えば、無線充電表面270で開始されるコマンドによって発生した)信号を受け取り得る。信号を受け取ることに応じて、システム200は、再測定を開始し得る。
【0037】
再測定器230は、再確認イニシエータ220からの指示に応じて、要素210によって記録されるパラメータを測定する。システム200の種々の実現形態において、上で論じられる3つのパラメータは、選択的に用いられ得る。例えば、システム200の実現形態は、周波数基準211および電圧基準212を用い得る。したがって、再測定器230は、現在の周波数基準および現在の電圧基準を測定するように構成され得る。
【0038】
再測定器230は、周波数231、電圧232、および電流233等の種々の測定したパラメータをレジスタに記憶し得る。レジスタは、永続記憶装置205と関連付けられ得るか、またはシステム200とともに実現され得る。
【0039】
分析器240は、差異発生器245と、ルックアップテーブル取り出し器246とを含む。差異発生器245は、要素210および230で測定した値の差異を決定する。それに応じて、周波数基準211と周波数231との差異は、差異周波数レジスタ241に記憶され得る。電圧基準212と電圧232との差異は、差異電圧レジスタ242に記憶され得る。電流基準213と電流233との差異は、差異電流レジスタ243に記憶され得る。上で述ベられるように、上で論じられるパラメータの1つ、いくつかまたは3つ全ては、システム200の実現形態に含まれ得る。
【0040】
ルックアップテーブル取り出し器246は、検出した差異に基づいて決定を取り出す。検出した差異は、種々のモードと相関され得る。
【0041】
図3(a)〜(c)は、無線充電表面270とのモバイルデバイス280の不整列を介して変化する周波数、電圧、および電流の実施例を例示する。
【0042】
例えば、通常の場合、すなわち、モバイルデバイス280が充電されるときにモバイルデバイス280が変位していない(すなわち、整列している)場合、電圧、電流、および周波数の量は、維持され得るか、または、ある場合においては、減少もしくは増加され得る。例えば、モバイルデバイス280が満充電された場合、無線充電表面270は、もはやモバイルデバイスに電力を供給し得ない。
【0043】
しかしながら、モバイルデバイス280が変位した場合は(
図3(a)〜(c)で示されるように、x軸上で増加するにつれて)、電圧および電流の需要が増加し得る。さらに、コイル周波数が減少し得る。
【0044】
したがって、本明細書で開示される態様によれば、レジスタ241〜243(またはそれらの組み合わせ)で示される傾向および値を用いることで、種々の傾向が所定のルックアップテーブル206に記憶され得る。
【0045】
図4は、所定のルックアップテーブル206を例示する。示されるように、周波数フィールド401、電圧フィールド402、および電流フィールド403が示される。各フィールドは、決定フィールド404と相関される。差異レジスタ241〜243からの検出した差異に基づいて、決定が相関される。
図4で示される値は、単なる一例に過ぎず、実現者の選好に基づいて様々な所定の決定が設定可能である。
【0046】
次いで、決定がマイクロコントローラ250に転送される。決定は、現在の無線充電が効率的であることを示し得る。よって、現在のスイッチ配向が維持される。別の例において、不整列が検出された場合、マイクロコントローラ250は、より効率的なコイル配置を決定するための動作を行い得る(例えば、本出願の相互参照の項で示される関連出願を参照されたい)。この場合、マイクロコントローラ250は、スイッチ251〜253のどれを開くのか、および閉じるのかを再構成するように指示され得る。
【0047】
図5は、検出したパラメータに基づいて多重コイルシステムの効率を決定するための方法500の実現形態の実施例である。方法500は、マイクロコントローラ260、スイッチ251〜253、電力源250、無線充電表面270、コイル271〜273、およびモバイルデバイス280等の、
図2で示される要素のいずれかを使用して用いられ、実現され得る。
【0048】
動作510で、モバイルデバイス280が無線充電表面270上またはその周りに位置する間、種々のパラメータの基準測定が記録される。動作510の前に、コイル271〜273の1つが、最適なまたは効率的な充電のために選択されている場合がある。動作510で、無線充電と関連付けられる周波数が記録され得(511)、無線充電と関連付けられる電圧が記録され得(512)、または無線充電と関連付けられる電流が記録され得る(513)。動作511〜513の任意の組み合わせが用いられ得る。
【0049】
動作520で、無線充電の状態を検出するためのコマンドが受け取られる。コマンドは、所定の時間間隔に基づき得(動作521)、またはコマンドは、外部刺激を介して受け取られ得る(動作522)。例えば、無線充電表面270は、ユーザまたは操作者が状態検出を開始し、それによって起動することを可能にする、選択技法が装備され得る。状態検出が開始された場合、方法500は、動作530に進む。状態検出が開始されていない場合、方法500は、動作520に残る。
【0050】
動作530で、状態検出が要求されることに応じて、動作510で測定され、記録されたパラメータが再記録される。したがって、方法500の実現形態に応じて、周波数(531)、電圧(532)、および電流(533)が再記録され得る。
【0051】
動作540で、再記録したパラメータと対応する基準パラメータとの差異が認められる。動作550で、差異が(
図4で示されるルックアップテーブル206等の)ルックアップテーブルと相関される。動作550に基づいて、無線充電の現在の状態が確認される。例えば、方法500は、無線充電が適切に整列していると決定し得る。別の例において、方法500は、不整列が検出されたと決定し得る。
【0052】
動作560で、確認した状態に基づいて、通知またはコマンドが無線充電表面270に伝送される。一実施例において、マイクロコントローラ260は、どのスイッチ251〜253が整列を訂正し得るか(すなわち、最も効率的な充電を可能にするスイッチを選択し得るか)を決定するように指示され得る。別の例では、無線充電が整列している(すなわち、効率的である)、または整列していない(すなわち、効率的でない)ことを示す、光または指示がユーザまたは操作者に伝送され得る。
【0053】
図6(a)および(b)は、システム200または方法500の例示的な実現形態を例示する。
【0054】
図6(a)において、モバイルデバイス280は、無線充電表面270に配置される。示されるように、無線充電表面270は、システム200に接続される。
図6(a)では、スイッチ251が閉じられている(すなわち、無線様式でコイル271を介して電力をモバイルデバイス280に送達している)。
【0055】
図6(b)では、モバイルデバイス280が変位している。故に、モバイルデバイス280は、もはやコイル271と整列していない。本明細書で開示される態様を用いることで、システム200は、周波数、電圧、または電流のパラメータの少なくとも1つが特定の様式で変化したことを検出することができ、また、モバイルデバイス280が現在整列していないことを検出し得る。故に、システム200は、スイッチ251〜253と関連付けられるマイクロコントローラに、指示またはコマンドを伝送し得る。示されるように、コイル272の付近がモバイルデバイス280に最も近いため、この時点で、スイッチ252が閉じられる。
【0056】
したがって、本明細書で開示される態様を用いることで、多重コイルシステムを組み込む無線充電表面は、充電されるモバイルデバイスが変位し、したがって、整列していないときに、効果的に検出し得る。