【課題を解決するための手段】
【0008】
ドラムはウインチドラム又は収納ドラムとすることが可能である。
【0009】
典型的に、振動は綱がドラム上へと巻き取られている時に、典型的に張力のある状態の綱に与えられる。典型的に、振動が例えば綱の最大負荷限界の5乃至10パーセト内で与えられている間に、綱は限界近くにまで張力を与えられる。典型的に、振動が与えられている間に、綱は最大可能張力にまで緊張される。
【0010】
発振器装置は、例えば発振器装置のヘッドのような、綱と係合する装置に対して振動を与えるために配置可能である。選択的に、発振器ヘッドはガイド手段とすることが可能である。ガイド手段はシーブ又はローラのように、綱の進路を選択的に転換可能である。選択的に、発振器ヘッドは軌道を備えることが可能である。選択的に、軌道はローラに対して押し付けられる時に、ローラの周囲で回転するよう構成された無限軌道を備える。それにより、綱をローラ間の軸に対して平行方向に勧める力が、軌道から与えられる。軌道は綱に対して、単一又は対向一対で間に綱を挟むように装備可能である。
【0011】
選択的に、発振器装置はドラムに振動を与えるよう配置可能であり、典型的にドラムの綱を受容する部分に対して振動を与えるため、典型的に、綱は発振器装置とドラムとの間に配置され、発振器装置とドラムの外側の表面の双方と接触して綱の部分が振動される。ドラムは選択的に、ドラム上へと巻き取られる綱の層を備えることが可能である。
【0012】
典型的に、綱はロープとすることが可能であり、典型的に合成繊維又は有機繊維の繊維製ロープとする。選択的に、ロープは非有機繊維(例えば金属の繊維)製のワイヤロープとすることが可能である。
【0013】
典型的に、振動は綱の面に対して直角な面において与えられる。
【0014】
典型的に、発振面は通常ドラムの軸に対して直角をなすため、綱は典型的に、発振のピークで発振のピーク間の中間点よりも高い張力を受ける。
【0015】
典型的に、綱が発振器装置により振動されている間に、綱がドラム上へと巻き取られる。
【0016】
発振器装置は典型的に、ロープがドラム上へと巻き取られている時に、瞬間的及び経時的にロープ上の負荷を増減させ、綱がドラムに対する直線進路から反対の方向へ逸れる時に、綱の張力内で差動的変動を発生させる。
【0017】
綱に与えられた振動により、綱がドラム上に巻き取られるのに先立ち、綱の内部の繊維が整列可能であるため、典型的に、ドラム上の綱の配置がより圧縮される。
【0018】
振動により典型的に繊維間の摩擦が低下し、綱の軸内部で繊維がより良好に整列する。典型的にロープの円周が低減し、綱の内部で個々の繊維がより圧縮され、綱がドラムに巻き取られている時の綱の密度が一定の方法で増加するため、ドラム上の綱の圧縮程度が異なる綱の層の間でより一貫する。
【0019】
振動により典型的に綱上の負荷が迅速に変更され、ドラム上へと巻き取られる綱に対して与えられる負荷に追加される。このように負荷が典型的に変更されることにより、綱の内部で可能な伸縮が低減され、従って圧縮が助長される。
【0020】
振動は正弦波(等しく反対方向に逸れる)として、又他の波、例えば単一方向のみに直線で逸れる鋸歯状波として、又は例えば各方向に逸れる複合波として与えることが可能であるが、このように逸れた時の振幅は必ずしも等しくない。逸れは正弦波のように漸進的とすることが可能であり、振幅は漸進的に増加してピークに達し、続いて漸進的に低下する。しかし、例えば鋸歯状波及び矩形波のような他のケースでは、振動の振幅は迅速で実質的には即座に変更可能である。
【0021】
選択的に、綱は典型的にシーブ又はローラのようなローラ素子の形状であるガイド手段を、ドラム上に巻き取られるのに先立って通過してよい。ガイド手段は選択的に溝を備えてよい。ある実施形態においては、シーブ上の溝のプロフィールは選択的に、ドラム上のロープを、下にある綱の層上に巻き取られる新たな綱の層の圧縮に有利な、特に所望の横断面形状にするよう構成可能である。綱がドラム上へと巻き取られるのに先立ち、綱上に溝のプロフィールを押し付けるために、綱を溝の内部に選択的に圧入可能である。シーブ又は他のガイド手段から外れる綱のプロフィールは、綱を溝のプロフィール内部に圧入する力を調整することにより調整可能である。例えばシーブ上の溝は、綱がドラム上に巻き取られる時の綱の形状を変化させるようなプロフィールを有することが可能である。ワイヤロープの場合、溝は典型的に支承溝であり、連続的な弧形の横断面プロフィールを備え、これにより弧上の全ての点で綱を支承する。繊維製ロープは典型的にスリーブ(円形又は楕円形の断面を備える)として形成され、スリーブは繊維素線からなる複数のストランドから形成される。通常、繊維製ロープは平坦な底部、弧形の側面を有する溝を与えることで、より良好に平坦なプロフィールに圧縮されるため、ロープの径方向の外側の表面は、典型的により平坦になる。従って繊維製ロープは、ドラム上で圧縮された構成をとるのに最も適したプロフィールに近い、比較的平坦なプロフィールでシーブから外れる。幾つかの実施形態では、綱は溝内に拘束され、溝のプロフィールに適合するためドラム上の綱の圧縮に有利である。例えばシーブ内の溝は、側壁、及び開口を備えた開放溝とすることが可能である。開口は、独立したガイド部材、例えば溝を備えた他のシーブ、又はプレート、又は溝に対して開口を閉鎖する軌道等である閉鎖手段により閉鎖可能であり、典型的に綱をシーブ上の溝内へ推進させ、溝のプロフィールにより写される特定の横断面プロフィールに綱を適合させる。これは典型的に、ドラム上の綱の圧縮のために有利である。例えば、ガイド手段が相対する溝を備えた2つのシーブを備える場合、異なる程度に綱を圧縮するために、シーブの間隙を制御可能であり、綱がシーブを離れる時に、ドラム上に巻き取られる綱を特定の高さとすることが可能である。綱が比較的低い張力を受ける場合、綱がシーブを離れる時に、綱が平坦になる傾向が典型的に低減されるため、シーブの間隙を制御し、典型的にこの間隔を制御可能とすることにより、ドラム上に綱が巻き取られている間に、綱に与えられる張力が変化する時でもより一貫性のある綱のプロフィール(例えば一貫して平坦であるプロフィール)をドラム上で達成可能である。ガイド手段は、シーブに替えて又はシーブに加えてローラを備えることが可能である。選択的に、ローラは溝を備えることが可能である。しかしある実施形態では、ローラは表面に溝の無い円筒形のプロフィールを備えることも可能である。選択的に、ガイド手段はガイド手段の間隔を調整するアジャスタ機構を備え、アジャスタ間の綱に与えられる圧搾を調整することにより、ガイド手段が綱上に与える平坦化効果を制御可能である。選択的に、綱はセットになったローラを通過する。セットになったローラは綱を振動させ、綱がドラム上へと巻き取られる時に、ローラ間で綱を圧縮する。ローラは選択的に、綱とドラムとの間で一貫した入射角度を保つために、ドラム上で綱の層が形成される時に、ドラム上の綱の移動を追跡可能である。
【0022】
綱をドラム上で各層の連続した列で巻き取るために、ガイド手段は典型的に、綱をドラムの軸に対して平行に(例えば、ドラム軸が水平にある場合には水平に)移動させる。典型的にガイド手段は、ドラム上へと綱を巻き取るためのガイド手段を水平に移動させるために、モータにより駆動可能である。ガイド手段の水平移動のスピードは、各層の綱の列の幅を制御するために変更可能である。
【0023】
典型的にガイド手段は、ドラム上の綱の入射角を一貫させるために、ドラムの軸に対して直角に(例えば垂直に)移動可能である。
【0024】
本発明の典型的な実施形態では、発振器装置は可及的にドラムに近接して取り付けられる。
【0025】
選択的に発振器装置は振動を生成し、典型的には発振器ヘッドに配置される。発振器ヘッドは、綱がドラム上に巻き取られている時に綱に振動を与えるために、綱に対して適用される。振動は典型的に、綱に対して直接、典型的に発振器ヘッドにより与えられる。従って綱は、ドラム及びアセンブリの他の部品よりも振動されるか、又はより強く振動される。
【0026】
発振器装置は典型的に綱に作用し、綱の材料の整列状態を変更し、綱の軸により整列させる。
【0027】
選択的に、発振器装置は綱の材料を構成する繊維又はストランドの圧縮を助長し、ドラム上へと綱が巻き取られる時に、綱に張力を与えることを助長し、それによりドラム上でより固い層を形成するより圧縮された綱を作り出す。これにより、典型的に外側層上の綱の滑りが低減され、一貫した圧搾度及び圧縮度、及び外側と内側の層との間で綱の滑りが増加する。従って、典型的に綱の内側層と外側の層との間の圧縮での振動が低減され、綱が軽い荷物で元の状態に戻る時、及び重い荷物と共に繰り出される時に、より一貫した挙動をとる。
【0028】
振動の周波数は、ロープの異なる円周及び構成、異なる吊上げスピードに対応するよう変更可能である。振動の周波数を変更することで、最大の圧縮状態を達成可能である。典型的に、直径2乃至3cmで張力が1トンのロープに対して適切な周波数を、25Hzとすることが可能である。異なる実施形態に対して有益な周波数は、15と500Hzの間であろう。振幅を変更することによっても、異なる結果を得ることが可能である。振幅が高い場合には、20乃至50Hzの範囲の比較的低い振動の周波数が効果的である。振幅が低ければ、例えば300乃至500Hzの高い周波数を使用可能である。各々の綱は、異なる構成、直径、円周及び繊維間の摩擦係数を備えて変化しがちである。周波数が容易に変更可能であるため、最適周波数は各ケースに関して、固定スピードで走るロープ及び既知である張力により周波数を変更することで、容易に決定可能である。円周は、そのロープに関して最大の圧縮状態を発見するために計測可能である。同様のテストは、最適な振幅及び位相を決定するためにも実行可能である。
【0029】
発振器装置は、少なくとも1つの回転型偏心錘を組み入れてよい。代替的又は追加的に、発振器装置は選択的に電気的、油圧的又は気圧的なパルス又は信号により始動可能である。異なる種類の発振器装置は、本発明の範囲から逸脱することなく使用可能である。
【0030】
多くの実施形態では、振動の周波数は制御可能としてよい。このようにして、最大効率で稼動する単一機構、又は互いに対して順番に作動する2つ以上の機構、又は例えば両機構がロープの同一側又は反対側で作動するかにより、互いに対して反対方向に作動する2つ以上の機構を備えることが可能である。
【0031】
選択的に、発振器装置は1つを上回る方向に発振を与えることが可能である。選択的に、発振器装置は1つを上回る発振器を備えることが可能である。選択的に発振器装置により、1つを上回る発振が綱に与えられる場合、発振は同一の位相である。しかし選択的に、発振を異なる位相とすることも可能である。典型的に、異なる発振器装置の振幅は同一であるが、選択的に異なることも可能である。典型的に、異なる発振器装置の周波数は同一であるが、選択的に異なることも可能である。
【0032】
1つを上回る発振が与えられる場合、2つの発振器装置は選択的に、例えば回転型又は直線型など、同一又は異なるタイプとすることが可能である。典型的に、振動の振幅が総体としてロープを張るよう作動することが有益である。従って数個の発振器装置を位相内で、しかしながら反対方向に、例えばループ内で作動するよう配置することが特に効果的である。
【0033】
発振器装置は典型的に、ロープをドラム上で軽い負荷を受けて巻き取るために使用される。発振器装置は典型的に、ロープの緊張が可及的な最大張力である時に、ロープの圧縮に最も効果を有する。
【0034】
発振器装置は選択的に、必要とされる場合には発振器装置が移動可能であり、例えば綱が繰り出されている時又は重い荷物を吊上げる時等必要とされない場合には、綱及び選択的にドラムを外すよう配置してよい。例えば、発振器装置(又はシーブ、又は発振器装置が綱に発振を伝導するために作用を及ぼす他のガイド手段)は、ヒンジ機構上に取り付け可能である。ヒンジ機構によりガイド手段又は発振器装置は、綱の進路の内外で振れることが可能となる。
【0035】
典型的に発振器装置は、綱がドラム上に巻き取られる時に振動を綱(及び/又はドラム)に与え、綱がドラムから繰り出されている時には綱に振動を与えない。
【0036】
発振手段は、電気的、気圧的又は油圧的発振器装置を備えることが可能であり、典型的に回転式フライホイール又はピストン等の往復部材を備える。発振器装置は典型的に、振動が垂直面に与えられ、そのため重力により振動の下降局面が助長される時に、最も良好に作動する。周波数は、回転発振器では回転速度を増加することで変更される。良好に潤滑されたラインでは、高い周波数が非常に有効である。しかし高摩擦コーティングが施されたラインでは、低い周波数及び典型的に高い振幅がより有効であるようだ。ピストンタイプの発振器装置は、衝撃波タイプの影響をロープに伝えるのにより適しているが、高周波数用にも使用可能である。繊維製ロープの場合、油圧的に動力供給された回転発振器装置が最適と見なされていた。周波数範囲が高く、作動油の流れを単に制御することで周波数を変更可能で、特定のロープサイズ及び構成に最適の周波数を発見可能なためである。通常、発振器装置は小さいほど、周波数が高いと見なされる。周波数が高い程、より容易に綱に限定される。一方周波数が低いと、関連する機器(ブラケット等)により容易に伝導される傾向がある。
【0037】
本発明の実施形態はウインチドラムに限定されることなく、荷物を吊上げ又は降下するというより、むしろ収納を目的として綱がドラム上へと巻き取られる収納ドラムに関連しても使用可能である。本発明の実施形態は、特に船舶用ウインチに適用可能であるが、しかしそれに限定されることなく、ある実施形態は、地上配備されたウインチに対しても有益である。
【0038】
選択的に、深海用係留ロープの場合のように、ロープが使用に先立ち特に調整されている時に、発振器装置をドラム用の「スタンドアロン」ユニットとしても構成可能である。その場合、発振器装置は選択的に、綱の圧縮の後にドラムから取り外し可能である。
【0039】
振動は、選択的に方向性を有する、例えば綱の軸に亘って直線的とすることが可能である。回転発振器装置(例えば、シーブに取り付けられた偏心錘を有する単一軸の単一発振器を備える)も、綱に非直線型の振動を与えるために使用可能である。典型的に回転型の振動は、典型的に垂直面である単一面で与えられる。
【0040】
選択的に、ドラムアセンブリは綱制動機構を備える。綱制動機構は、綱がドラム上に巻き取られている時に、綱に逆張力を与えるよう構成される。選択的に綱制動機構は変更可能であり、制動を制御可能である。典型的に綱制動機構は、シーブ、及び/又はローラ、又は綱と係合する他の綱のガイド手段に対して適用可能である。選択的に、ドラムアセンブリは綱への張力手段を備える。張力手段は制動機構を備える。ドラム上に綱が巻き取られる間に綱上の張力が増加すると、典型的に綱に与えられる振動の効果が増す。
【0041】
選択的に、シーブ上の溝のプロフィールは、張力を増すためか、又はウインチドラム上に巻き取るために、綱のプロフィールをより予測可能な方法で形成するために構成可能である。例えばシーブ上の溝は、選択的に側壁を備え、側壁は典型的にV字型のプロフィールを備える。それにより相補的に、綱は溝に対して深いV字型のプロフィールを帯びる。シーブの制動は、深いV字型の溝により向上可能である。溝により、シーブに対する綱の摩擦が増加可能なためである。綱が発振を受ける時に綱上の張力を増加させるために、こうした制動の向上が必要とされる可能性もある。綱がドラム上で平坦となることが望まれる時は、平坦な溝のプロフィールがより適している。こうした場合には、ロープがシーブによりドラムに最適な最も圧縮された形状となるためである。典型的に、綱は溝の内部に拘束、例えば圧縮され、溝のプロフィールに適合する。典型的にシーブ、ローラ、又は他のガイド手段は、溝上に移動可能に取り付けられた閉鎖手段を備え、閉鎖手段は典型的に溝に対して移動可能であり、溝と閉鎖手段との間隙を調整し、綱を溝の内部に調整可能な状態で押し付け、綱がドラム上へと巻き取られる時に、綱を強制的に溝のプロフィールに合致させる。
【0042】
シーブのような綱ガイド手段の全ての材料は、綱とシーブ又は他の綱ガイド手段との間の摩擦を増加させる又は低減させるために、選択的に構成可能である。典型的に、綱とガイド手段との間の摩擦力を高めることにより、発振器機構の効果を増加させることができる。典型的に、高摩擦面材料にはゴム、及びシーブの表面に接着されるエラストマーを含む弾性プラスチック材料が含まれる。高摩擦材料は、ガイド手段全体を構成するために使用可能、又は表面に取り付けるために使用可能である。
【0043】
典型的にアセンブリ(選択的に発振器装置)は、振動を綱に集中させ、振動がドラムの他の部分又は補助装置に伝播又は伝導するのを典型的に低減する又は防ぐために、振動ダンパを備えることが可能である。典型的に、振動ダンパは弾性手段を備えることが可能である。振動ダンパは選択的にエラストマー材料を組み入れ可能であり、振動を吸収又は低減し、又は振動が支承アーム、又は発振器装置を装置の他の部分に取り付けるブラケットに伝導するのを防ぎ、振動を綱に集中させる。
【0044】
綱に対して、綱ガイド手段(シーブ、ローラ、軌道等)はタイヤを含んでよく、又摩擦を増加させる表面プロフィールを備えてよい。選択的に、タイヤは空気入りタイヤとすることが可能である。綱ガイド手段は、綱を綱ガイド手段上の溝の内部に押し付けるために、綱の進路に対して調整可能である。
【0045】
綱ガイド手段(例えばシーブ、ローラ、軌道等)は、摩擦ブレーキ、油圧ブレーキ、電気ブレーキ又は他のブレーキ手段等の制動手段を含んでよく、シーブ上の綱の転回運動、ねじり運動を低減し、必要とされる場合には綱をガイド手段上に固定する。緩んだロープをドラム上に巻き取るために必要である場合には、シーブを駆動するためにモータを使用してよい。
【0046】
綱は選択的に、軌道手段に類似するプレート等の、数個の(例えば2つ)のガイド手段の間を通過してよい。ガイド手段は個々に又は共に、同一又は異なる周波数で、位相内又は位相外で振動してよい。綱がこれらのガイド手段の間でドラム上へと牽引される時に、綱が振動可能である。プレート又は他のガイド手段の間隙は調整可能であり、これらの間にある綱を、典型的に1つ以上のガイド手段上の溝の内部へ圧縮する。
【0047】
ある実施形態では、綱はローラ又はシーブのような隣接するガイド手段の間で、ループを形成してよい。ローラ又はシーブは典型的に、同一面、又は近接する平行面に位置してよい。ループを形成する1つ又は1つ以上のローラ又はシーブは、発振器装置により振動されるよう配置可能である。ループを形成するローラ又はシーブの、綱内の相対位置は、ループを拡大又は縮小するため、及び/又はガイド手段の間で綱を圧縮するために調整可能である。典型的に、発振は1つ以上のローラ又はシーブに与えられる。ローラ又はシーブは、ローラ又はシーブの間に形成された軸に平行する面でループを形成するため、発振によりループ内の綱の張力が増減する。
【0048】
ローラ又はシーブは(2つ以上が使用されている場合)、同一又は異なる直径を備えることが可能である。
【0049】
ある実施形態では、綱ガイド手段(例えばローラ、シーブ等)は、発振器装置を例えばローラのバレル内部に組み入れ可能である。
【0050】
本発明は又、ドラム上に綱を巻き取る方法を提供する。方法は、綱がドラム上に巻き取られる時に綱に振動を与えるステップを含み、それによりドラム上に巻き取られた綱が圧縮される。
【0051】
本発明は又、使用に先立ち綱を処理する方法を提供する。方法は綱に振動を与えるステップを含む。
【0052】
典型的に、綱は使用に先立ってドラム上に巻き取られるが、これは必ずしも必須ではない。また綱がドラムから展開されている時、又は綱が収納装置に収納されている時に、綱が振動を受けることが可能である。収納装置はドラム又は異なる綱収納装置を備えることが可能である。典型的に、綱(例えば係留ロープ又はクレーンロープであり、典型的に繊維製ロープ又はワイヤロープとすることが可能)が展開されている時、例えば船舶から繰り出されている時、又は収納、例えばドラム上に巻き取られている時、綱に張力を与えて振動させることが可能である。綱はドラム又はケーブルタンクから展開可能であり、典型的にリニアウインチを通過する。(リニアウインチは典型的に牽引手段を備え、牽引手段は1対を上回るタイヤ又は軌道等であり、これらは綱を締め付けるために各対のタイヤの間に綱を引き込み、対応する対のタイヤの間の綱に対して張力を与え、展開されている綱を緊張させる。)典型的に、綱はその後に本明細書に記載された発振器ヘッド等である発振器装置を通過可能である。発振器装置は牽引ウインチの一部として形成可能であるか、又は独立した構成部品とすることも可能である。発振器装置により綱に張力が与えられている時、又は綱が船舶の側面を移動する時に、綱に振動が与えられる。従って、綱が工場から船舶に移動する時、又は船舶から海底にリニアウインチで移動する時に、綱は発振ヘッドから振動及び張力を受けることが可能である。
【0053】
選択的に、振動は発振器装置により綱に与えられる。発振器装置は、綱がドラム上に巻き取られている時に作動され、典型的に綱がドラムから元の状態に戻されている時に停止される。
【0054】
本発明は又、使用に先立ち綱を処理する装置を提供する。装置は、綱に振動を与えるよう構成された発振手段を備える。
【0055】
本発明の多様な態様は、単独で又は1つ以上の他の態様と組み合わせて実施可能であり、関連する同業者に評価されるであろう。本発明の多様な態様は選択的に、本発明の他の態様の選択的な特徴を1つ以上組み合わせて提供可能である。また、1つの実施形態に関連して記載された選択的な特徴は、典型的に単独で又は本発明の他の実施形態における他の特徴と共に組み合わせ可能である。
【0056】
本発明の多様な実施形態及び態様は、添付の図面を参照して以下に詳説される。本発明の更に他の態様、特徴及び利点は、図面を含む本発明の記載全体より容易に明らかとなる。図面は、多数の例示的な態様及び実施形態を説明する。また本発明により他の異なる実施形態及び態様が可能であり、そのいくつかの詳細は多様な点で変更可能であり、全て本発明の趣旨及び範囲を逸脱することはない。従って、図面及び明細書は本質的に説明的と見なされるべきであり、制限的と見なされるべきではない。更に、本明細書中で使用された用語及び表現は、単に記述を目的に使用されたものであり、範囲を制限するものとして構成すべきではない。「含む」「備える」「有する」「包含する」又は「関係する」及びこれらの変形である言葉は広義であり、以下に記載された主題、同等の内容、及び記載されていない追加の主題を含むことを意図しており、他の付加的要素、部品、整数又はステップを排除することを意図していない。同様に「備える」との用語は、適用可能な法的な目的のために、「含む」又は「包含する」との用語と同義語であると解釈される。
【0057】
書類、行為、材料、装置、項目等に関するいかなる議論も、本明細書においては単に本発明についての文脈を提供する目的で含まれる。これらの事柄の何れ又は全てが、先行技術基準を形成した又は本発明の関連分野において一般的知識であったとは、示唆又は指摘されていない。
【0058】
本開示では、構成、素子又素子のグループが「備える」との移行句に先行される場合は常に、我々は又、「主としてなる」「なる」「からなる群より選択される」「含む」又は「である」等の、構成、素子又は素子のグループの記載に先行する移行句を有する同一の構成、素子又は素子のグループをも考慮しており、逆もまた同様であると理解される。
【0059】
本開示中の全ての数値は、「約」により加減されていると理解される。明細書中に記載された素子又は他のいかなる構成部品に関する全ての単数形式は複数形式を含み、逆も又同様であると理解される。