特許第6101401号(P6101401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6101401
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】光音響画像化プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/13 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   A61B8/13
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-511661(P2016-511661)
(86)(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公表番号】特表2016-517745(P2016-517745A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】KR2013003764
(87)【国際公開番号】WO2014178458
(87)【国際公開日】20141106
【審査請求日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0048797
(32)【優先日】2013年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514127460
【氏名又は名称】アルピニオン メディカル システムズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALPINION MEDICAL SYSTEMS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】イ,スソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒウォン
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11-290316(JP,A)
【文献】 特開2005-21380(JP,A)
【文献】 特開2012-231980(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0190612(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体にライトを送信するライト送信部と、
前記被検体に前記ライトを送信することで発生する音響波を受信し、前記ライト送信部を内部に配置し、前記ライト送信部の第1面が外部に露出されるように配置する、音響波受信部と、
を備え
前記音響波受信部は、前記被検体側に突出する凸状の第1曲面及び第2曲面を有し、前記ライト送信部の第1面は、前記音響波受信部の前記第1曲面と前記第2曲面との間で連続する、前記被検体側に突出する凸状の曲面である、
光音響画像化プローブ。
【請求項2】
前記ライト送信部は、
前記第1面を含むライトガイド部と、
前記ライトガイド部にライトを照射する少なくとも一つ以上のライト部と、
を含む、
請求項に記載の光音響画像化プローブ。
【請求項3】
前記ライト部は、電気的信号によって動作する、
請求項2に記載の光音響画像化プローブ。
【請求項4】
前記ライト部は、前記ライトガイド部の前記第1面の反対側に隣接して配置する、
請求項2に記載の光音響画像化プローブ。
【請求項5】
前記ライトガイド部は、光学的に透明な(Optically transparent)材質を含む、
請求項2に記載の光音響画像化プローブ。
【請求項6】
前記ライトガイド部の前記第1面は、第1方向に沿って長く形成され、
前記ライトガイド部は、前記第1面の反対側から前記第1面に向かうにつれて、前記第1方向に垂直な第2方向の幅が狭くなる、
請求項2に記載の光音響画像化プローブ。
【請求項7】
前記音響波受信部は、レンズ層を含み、
前記第1面は、前記レンズ層の前面部のセンターライン(Center line)に配置する、
請求項1に記載の光音響画像化プローブ。
【請求項8】
前記音響波受信部は、第1方向に沿って間隔を置いて配置した複数の振動子を含み、
前記第1面は、前記第1方向に沿って長く形成した、
請求項1に記載の光音響画像化プローブ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の光音響画像化プローブを備える、
音響波を利用する医療機器。
【請求項10】
吸音層に、圧電体と音響整合層を積層し、積層体を形成する積層工程と、
複数の振動子が、第1方向に沿って、間隔を置いて配列するように、該第1方向に垂直な第2方向に複数のダイシング(Dicing)を行うダイシング工程と、
前記ダイシングした積層体に前記第1方向に沿って長く溝が形成されるように切削加工を行う切削工程と、
前記溝に被検体側に突出する凸状の曲面である第1面を有するライトガイド部を挿入する挿入工程と、
前記被検体側に突出する凸状の第1曲面及び第2曲面を有するレンズ層であって、前記ライトガイド部の第1面が前記第1曲面と前記第2曲面との間で連続する前記レンズ層を前記積層体上に形成するレンズ層形成工程と、
を備える、
光音響画像化プローブの製作方法。
【請求項11】
前記挿入工程は、前記ライトガイド部を、前記音響整合層の前面部から突出するように挿入する工程を含む、
請求項10に記載の光音響画像化プローブの製作方法 。
【請求項12】
前記切削工程の後に、前記溝の底面に少なくとも一つ以上の貫通穴を形成する貫通穴形成工程をさらに備える、
請求項10に記載の光音響画像化プローブの製作方法 。
【請求項13】
請求項10乃至12の何れか1項に記載の方法で製作した光音響画像化プローブを備える、
音響波を利用する医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光音響画像化プローブに関し、より詳しくは、光音響効果を利用して被検体のイメージなどを得ることができるプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述した内容は単に本実施例に係る背景情報を提供するのみで、従来技術を構成するのではない。
【0003】
光音響効果は、被検体に光を照射した際に被検体から音響波が励起(excitation)される効果をいう。
【0004】
このような光音響効果を利用する光音響画像化技術は、光源から放出されたライトを被検体(生体)に照射し、被検体内を伝播または拡散したライトが生体組織によって吸収される際に発生する音響波を受信し、受信した音響波を解析処理することで、被検体である生体内部の解剖学的情報を可視化する技術である。
【0005】
最近、このような光音響効果を利用する技術が研究開発されている。特に医療機器の分野でそのような研究開発が活発に行われている。
【0006】
図1は、光音響画像化技術を利用したプローブでライトを送信する様子を示す概略図である。
【0007】
図1に示すように、光音響画像化技術は、特にプローブなどに適用され、プローブノーズ部の両側の二つの部分(1,2)でライト(3)を照射し、ライト(3)を被検体に収束させる方法が一般的である。
【0008】
しかし、このような方法は、近距離からライト(3)が照射されない領域(Dead Zone、4)が発生するので、表在性臓器の診断のような浅いフォーカル・デプス(Focal Depth)を要する場合には適用できないという問題がある。
【0009】
さらに、従来の光音響画像化プローブは、ライトを照射するための構成として光ファイバーを採用しているが、このような構成は、画像化プローブの体積を多く占めるだけでなく、製造費用も高くなる問題がある。また、ケーブルのバンドル内に光ファイバーが位置するので、繰り返し使用による持続的なケーブルの曲げによる信頼性の問題もあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
医療機器などに用いられる光音響画像化プローブにおいて、ライトが照射されない領域が発生しない新しい構造の光音響画像化プローブへのニーズが高まっている。
【0011】
さらに、光源として、電気的信号で動作する素子を用いる構造の光音響画像化プローブへのニーズが高まっている。
【0012】
本発明で解決しようとする技術的な課題は、上述した技術的課題に制限されないうえ、言及されてない他の技術的課題は、次の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する当業者には明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施例においては、被検体にライトを送信するライト送信部と、被検体にライトを送信することで発生する音響波を受信し、ライト送信部を内部に配置し、ライト送信部の第1面が外部に露出されるように配置する、音響波受信部と、を備える、光音響画像化プローブを提供する。
【0014】
本発明の実施例においては、前述した光音響画像化プローブを備える、音響波を利用する医療機器を提供する。
【0015】
本発明の実施例においては、吸音層に、圧電体と音響整合層を積層し、積層体を形成する積層工程と、複数の振動子が、第1方向に沿って、間隔を置いて配列するように、該第1方向に垂直な第2方向に複数のダイシング(Dicing)を行うダイシング工程と、ダイシングした積層体に前記第1方向に沿って長く溝が形成されるように切削加工を行う切削工程と、溝にライトガイド部を挿入する挿入工程と、ライトガイド部の第1面が外部に露出されるようにレンズ層を形成するレンズ層形成工程と、を備える、光音響画像化プローブの製作方法を提供する。
【0016】
本発明の実施例においては、前述した光音響画像化プローブの製作方法で製作した光音響画像化プローブを備える、音響波を利用する医療機器を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光音響画像化プローブにおいて、ライト送信部をトランスデューサーの内部に挿入することで、プローブの前面からイメージングプレーン(Plain)上にライトが照射されない領域が発生しないという効果を奏する。
【0018】
さらに、光源として、電気的信号で動作する素子を採用することで、製品の製作費用を削減し、既存の超音波プローブ用のケーブルを同じく利用することができるので、光ファイバーによるケーブルの信頼性が向上されるという効果を奏する。
【0019】
他にも、本発明の効果は、実施例によって、優秀な耐久性を有するなど、様々な効果を有し、そのような効果については、後述する実施例を説明する部分で明確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術による光音響画像化プローブでライトを送信する様子を示す概略図である。
【0021】
図2】本発明の実施例に係る光音響画像化プローブの斜視図である。
【0022】
図3】本発明の実施例に係る光音響画像化プローブの側面図である。
【0023】
図4図3に示す光音響画像化プローブにおいて、ライトガイド部の第2方向の幅が第1面に向かうにつれて狭くなる様子を示す概略図である。
【0024】
図5】音響波受信部の内部にライト部を設置するための貫通穴を形成する様子を示す平面図である。
【0025】
図6】本発明の実施例に係るライト送信部と音響波受信部の外部をハウジングで囲んだ様子を示す斜視図である。
【0026】
図7】本発明の実施例に係る光音響画像化プローブを製作する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照し、本明細書に開示された実施例を詳しく説明する。図面符合に関係なく同一または類似する構成要素は同一な参照番号を付与し、これに対する重複される説明は省略するものとする。後述の説明に使用される構成要素に対する接尾語“部”は明細書作成の容易さのみ考慮され付与されたり、混用されたりするものとし、それ自体で区別される意味または役割を持つものではない。さらに本明細書で開示された実施例を説明するにあたって、関連する公知技術に対する具体的な説明が本明細書で開示された実施例の要旨を濁すだろうと判断された時、その詳細な説明を省略する。さらに、添付された図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるためのものであり、添付された図面により本明細書に開示された技術的思想が制限されないうえ、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更均等物乃至代替物を含むものと理解するものとする。
【0028】
さらに、本発明の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)、などの用語を用いることがある。このような用語は、該当する構成要素を他の構成要素と区別するためであり、その用語によって該当する構成要素の本質や順番または順序などが限定することはない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」されると記載されている場合、当該構成要素は、他の構成要素にダイレクトに連結または接続される場合もあるが、当該構成要素の間にもう一つの構成要素が「連結」、「結合」、または「接続」される場合もあると理解すべきである。
【0029】
本発明において、音響波は、音波、超音波、及び光音響波を含み、被検体に近赤外線などのライト(電磁波)を送信することで、被検体の内部で発生する弾性波(Elastic wave)などを意味する場合もある。
【0030】
さらに、本発明の実施例に係る光音響画像化プローブは、実施例によっては、人間や動物の悪性腫瘍及び血管疾患の診断などに使用することができ、被検体の内部の生体情報を取得して画像データを生成する装置である。従って、被検体として、人体や動物の乳房、指、または手足などが診断の対象部位になる。
【0031】
図2は、本発明の実施例に係る光音響画像化プローブ(10)の斜視図である。図3は、本発明の実施例に係る光音響画像化プローブ(10)の側面図である。図2及び3を参照し、本発明の実施例を詳しく説明する。
【0032】
本発明の実施例に係る光音響画像化プローブ(10)は、ライト送信部(20)と音響波受信部(30)とを備える。
【0033】
ライト送信部(20)は、被検体にライトを送信する。ライト送信部(20)は、ライトガイド部(21)と少なくとも一つ以上のライト部(22)を含む。
【0034】
ライトガイド部(21)は、ライト部(22)で放出するライトをガイドし、被検体に向けて送信されるようにする。ライトガイド部(21)は、光学的に透明な(Optically transparent)材質を含む。光学的に透明な材質は、必ずしも肉眼で見て透明な材質を意味するのではなく、ライトをガイドできる材質をすべて含むものである。ライトガイド部(21)は、例えば、ガラスまたは透明なプラスチックの材質である。
【0035】
ライト部(22)は、ライトガイド部(21)にライトを照射する。
【0036】
ライト部(22)は、被検体、即ち、生体を構成する所定の成分、例えば、ヘモグロビンなどによって吸収される所定の波長を有するライトを照射する。実施例によっては、ライトの波長は、500nm乃至1500nmである。この範囲の波長は、被検体の表面、例えば、皮膚で発生した音響波と被検体の内部の光吸収体で発生した音響波などを容易に区別することができる。ここで、被検体の内部の光吸収体は、例えば、酸化または還元ヘモグロビンを含む血管または新生血管を有する悪性腫瘍である。
【0037】
ライト部(22)は、実施例によっては、電気的信号によって動作する。実施例によって、ライト部(22)は、発光ダイオードまたはレーザービームを照射するレーザーダイオードである。
【0038】
ライト部(22)を電気的信号によって動作させる方法は、その製作が簡単であるので、光音響画像化プローブ(10)の製造費用を低減できるし、プローブの内部で少ない体積を占めるので、プローブの構造を効率的に設計することができる。
【0039】
音響波受信部(30)は、被検体にライトを送信することで発生する音響波を受信する。音響波受信部(30)は、実施例によっては、音響波を受信し、受信した音響波を電気的信号に変換するトランスデューサー(30)を含む。本発明の実施例において、トランスデューサー(30)は、吸音層(31)、圧電体(32)、及び音響整合層(33)が積層され、音響整合層(33)の前面部にレンズ層(34)を形成して構成する。
【0040】
ここで、圧電体(32)は、発電効果を発生させる物質をいう。吸音層(31)は、圧電体(32)の自由振動を抑制し、音響波のパルス幅を狭くし、音響波が不必要に圧電体(32)の後方に進行するのを遮断して、映像歪曲を防止する。音響整合層(33)は、圧電体(32)の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスとを整合させる。
【0041】
実施例において、トランスデューサー(30)は、吸音層(31)に圧電体(32)と音響整合層(33)を積層した後に、複数の振動子が第1方向(X方向)に沿って間隔を置いて配列されるように第1方向(X方向)に垂直な第2方向(Y方向)に複数のダイシング(Dicing)を行い、音響整合層(33)の前面部にレンズ層(34)を形成することで、製作する。ここで、複数の振動子は、例えば、電気的に独立してそれぞれ個別的に音響波を受信することができる複数の独立素子である。
【0042】
本発明の様々な特徴の一つは、ライト送信部(20)が音響波受信部の内部に配置されることである。
【0043】
実施例によって、光音響画像化プローブ(10)は、音響波受信部(30)の中央部に第1方向(X方向)に沿って長く形成した溝にライト送信部(20)が配置される構造を有する。言い換えれば、光音響画像化プローブ(10)は、ライト送信部(20)の長さ方向に音響波受信部(30)の第1方向(X方向)と一致するようにライトガイド部(21)をトランスデューサー(30)の内部に配置する構造である。
【0044】
但し、ライト送信部(20)の第1面(21a)は、光音響画像化プローブ(10)の外部に露出されるように配置する。ここで、第1面(21a)は、ライト送信部(20)からライトが送信される最外郭面をいう。
【0045】
言い換えれば、光音響画像化プローブ(10)は、第1面(21a)が音響波受信部(30)、即ち、トランスデューサー(30)のレンズ層(34)の前面部のセンターライン(Center line)に配置される構造である。第1面(21a)は、レンズ層(34)の第1方向(X方向)に沿って長く形成される。第1面(21a)を含むライトガイド部(21)は、光学的窓(Optical window、21)であるといえる。ライトガイド部(21)を通してライトが送信される。第1面(21a)を除いた残りの部分、即ち、レンズ層(34)は、音響窓(Acoustic window、34)であるといえる。レンズ層(34)を通して音響波を受信する。
【0046】
図1に示すように、従来の光音響画像化プローブは、ライト(3)が両側面(1、2)から一点に収束する形態で送信される。従って、近距離(Near field)では、画像を取得できない領域(Dead zone、4)が存在する。しかし、本発明の実施例に係る光音響画像化プローブ(10)は、このような領域(4)がないので、近距離でも画像を取得することができる。
【0047】
図4は、図3に示す光音響画像化プローブ(10)において、ライトガイド部(21)の第2方向(Y方向)の幅が第1面(21a)に向かうにつれて狭くなる様子を示す概略図である。
【0048】
図3及び4を参照して詳しく説明する。
【0049】
実施例によっては、ライトガイド部(21)は、第1面(21a)と、第1面(21a)の反対面(21b)までその断面積が一定である(図3参照)。他の実施例によっては、その断面積は一定ではない。実施例によって、その断面積は、第1面(21a)の反対面(21b)から第1面(21a)に向かうにつれて狭くなる。実施例によっては、ライトガイド部(21)の第2方向(Y方向)の幅が第1面(21a)の反対面(21b)から第1面(21a)に向かうにつれて狭くなる(図4参照)。
【0050】
ライトガイド部(21)は、その断面積が第1面(21a)の反対面(21b)から第1面(21a)に向かうにつれて狭くなる形状をすることで、ホイヘンスの原理によってライトが第1面(21a)を通過するとき第2方向(Y方向)に広がる効果がある。さらに、音響波受信部(30)の受信面(31a)の面積を相対的に広くすることができ、受信感度を向上させる効果がある。
【0051】
実施例によって、溝の深さ(D)は、吸音層(31)の一部までである。ライト部(22)は、ライトガイド部(21)の第1面(21a)の反対面(21b)に隣接して配置される。実施例によって、溝の底面にはライト部(22)を挿入するための貫通穴を形成する。
【0052】
図5は、音響波受信部(30)の内部にライト部(22)を設置するための貫通穴(30a)を形成する様子を示す平面図である。図5を参照して詳しく説明する。
【0053】
実施例によって、溝の底面は吸音層(31)に位置する。この場合、ライト部(22)を挿入するための貫通穴(30a)は、吸音層(31)の内部に形成される。前述したように、ライト部(22)の数は少なくとも一つ以上である。実施例によって、ライト部(22)は、溝の中央に一つのみ設置することもでき、溝の長さ方向に沿って一端から他端まで連続的または断続的に設置することもできるが、これに限定されず、ライト部(22)を設置する様々なパターンを用いることができる。図5(a)は、貫通穴(30a)が1個の場合を、図5(b)は、貫通穴(30a)が3個の場合を、図5(c)は、貫通穴(30a)が8個の場合を示す。貫通穴(30a)は、図5に示すように、溝に沿って一列に配置することもでき、様々なパターンで配置することもできる。図5(c)に示すように、溝の長さ方向に一端から他端に至るまでほぼすべての部分に貫通穴(30a)を形成しても良い。
【0054】
図6は、本発明の実施例に係るライト送信部(20)と音響波受信部(30)の外部をハウジングで囲んだ様子を示す斜視図である。図6に示すように、センターライン(C)に第1面(21a)が位置し、第1面(21a)の周辺に音響波受信部(30)の受信面(31a)が位置する。
【0055】
図7は、本発明の実施例に係る光音響画像化プローブを製作する方法を示すフローチャートである。
【0056】
図7に示すように、本発明の実施例に係る光音響画像化プローブを製作する方法は、吸音層(31)に圧電体(32)と音響整合層(33)を積層して積層体を製造する積層工程(ステップS100)を備える。さらに、複数の振動子が第1方向(X方向)に沿って間隔を置いて配列するように第1方向(X方向)に垂直な第2方向(Y方向)に複数のダイシング(Dicing)を行うダイシング工程(ステップS200)を備える。さらに、ダイシングした積層体に第1方向(X方向)に沿って長く溝が形成されるように切削加工を行う切削工程(ステップS300)を備える。さらに、溝にライトガイド部(21)を挿入する挿入工程(ステップS400)を備える。さらに、ライトガイド部(21)の第1面(21a)が外部に露出されるようにレンズ層(34)を形成するレンズ(ステップS500)を備える。
【0057】
本発明の実施例に係る光音響画像化プローブを製作する方法は、挿入工程(S400)において、ライトガイド部(21)は、音響整合層(33)の前面部から突出するように挿入する。この特徴によって、挿入工程(S400)以降の工程で、レンズ層(34)を形成する際に突出した部分を除いた部分にレンズ層(34)が形成することができる。このようにして、レンズ層(34)の表面のセンターライン(C)に第1面(21a)を形成する構造を容易に製造できる。
【0058】
本発明の実施例に係る光音響画像化プローブを製作する方法は、切削工程(300)の後で溝の底面に少なくとも一つ以上の貫通穴(30a)を形成する貫通穴形成工程(S300a)をさらに備えることができる。
【0059】
本発明の実施例に係る音響波を利用する医療機器の実施例は、前述した実施例の光音響画像化プローブ(10)を備える医療機器である。前述した実施例の光音響画像化プローブ(10)を適用できる医療機器であれば、どのようなものでも構わない。このような医療機器に関する一般的な内容は多く知られているので、詳細な説明は省略する。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
本明細書は前記構成の精神及び必須的特徴を外れない範囲で他の特定の形態で具体化されることを当業者へ自明する。前記詳細な説明はすべての面で制限的に解釈してはならず、例示的であることを考慮しなくてはならない。本明細書の範囲は添付された請求項の合理的会社により決定されなくてはならないうえ、本明細書の等価的範囲内でのすべての変更は本発明の範囲に含むものとする。
【符号の説明】
【0062】
10:光音響画像化プローブ 20:ライト送信部
30:音響波受信部 C:センターライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7