(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記LEDモジュールは、くし形を組み合わせた第1の配線パターンおよび第2の配線パターンを備え、前記LED素子は、前記第1の配線パターン上に実装され、かつ前記第2の配線パターンとワイヤーボンディングされることを特徴とする請求項1に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記モジュール基板の表面上に前記LEDモジュールが実装され、前記モジュール基板の裏面上に前記チャージャー回路及び前記制御回路が実装されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記LEDブロック部単位で閉じた領域となるように前記LED素子の周りに白樹脂の土手が8の字状に塗布され、その8の字状の土手の中に蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記LED素子の周りに白樹脂の土手が矩形に塗布され、前記LEDブロック部単位で閉じた領域となるように前記矩形の土手の中に仕切となる土手が塗布され、その仕切られた土手の中に蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記LEDブロック部単位で閉じた領域となるように前記LED素子の周りに白樹脂の土手が矩形に塗布され、その矩形の土手の中に蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記制御回路は、前記LEDブロック部を個別に駆動し、各LEDブロック部に流す電流値及び点灯時間のうちの少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項12に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記LED素子の周りに白樹脂の土手が塗布され、その白樹脂の土手で囲まれた領域に演色性の異なる蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項12に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記LED素子が複数列配置される場合、隣接する列の前記LED素子のアノード電極同士またはカソード電極同士が向かい合うように配置され、前記モジュール基板上のアノード用配線またはカソード用配線が共通配線であることを特徴とする請求項1に記載のLEDフラッシュモジュール。
前記LEDモジュールは、くし形を組み合わせた第1の配線パターンおよび第2の配線パターンを備え、前記LED素子は、前記第1の配線パターン上に実装され、かつ前記第2の配線パターンとワイヤーボンディングされることを特徴とする請求項18に記載のLEDモジュール。
前記LEDブロック部単位で閉じた領域となるように前記LED素子の周りに白樹脂の土手が8の字状に塗布され、その8の字状の土手の中に蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項18に記載のLEDモジュール。
前記LED素子の周りに白樹脂の土手が矩形に塗布され、前記LEDブロック部単位で閉じた領域となるように前記矩形の土手の中に仕切となる土手が塗布され、その仕切られた土手の中に蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項18に記載のLEDモジュール。
前記LEDブロック部単位で閉じた領域となるように前記LED素子の周りに白樹脂の土手が矩形に塗布され、その矩形の土手の中に蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項18に記載のLEDモジュール。
前記LED素子の周りに白樹脂の土手が塗布され、その白樹脂の土手で囲まれた領域に演色性の異なる蛍光体層が塗布されていることを特徴とする請求項24に記載のLEDモジュール。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的平面図であって、(a)表側から見た図、(b)裏側から見た図。
【
図2】第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的回路ブロック構成図。
【
図3】(a)第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールにおいて、エネルギーデバイスの充電時の動作を説明するフローチャート図、(b)第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールにおいて、LEDトーチモード時の動作を説明するフローチャート図。
【
図4】第1の実施の形態に係るLEDモジュールの模式的平面図であって、(a)LEDブロック部の構成を説明するための図、(b)配線長を説明するための図。
【
図5】第1の実施の形態に係る電源供給部(+)と電源供給部(−)の電位差を説明するための図。
【
図6】第1の実施の形態に係るLEDモジュールのLEDブロック部の模式的断面構造例。
【
図7】第1の実施の形態に係るLEDモジュールの製造方法を説明するための模式的平面構成であって、(a)LEDブロック部単位で閉じた領域となるようにLED素子の周りに白樹脂の土手が8の字状に塗布され、その8の字状の土手の中に蛍光体層が塗布されている模式的平面構成図、(b)LED素子の周りに白樹脂の土手が矩形に塗布され、LEDブロック部単位で閉じた領域となるように矩形の土手の中に仕切となる土手が塗布され、その仕切られた土手の中に蛍光体層が塗布されている模式的平面構成図、(c)LEDブロック部単位で閉じた領域となるようにLED素子の周りに白樹脂の土手が矩形に塗布され、その矩形の土手の中に蛍光体層が塗布されている模式的平面構成図。
【
図8】第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの効果を説明するための図であって、(a)1個のLEDブロック部を示す模式的平面図、(b)4個のLEDブロック部を並べた状態を示す模式的平面図。
【
図9】第2の実施の形態に係るLEDモジュールの模式的平面図であって、(a)LEDブロック部の構成を説明するための図、(b)配線長を説明するための図。
【
図10】第3の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的平面図であって、(a)表側から見た図、(b)裏側から見た図。
【
図11】第3の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的回路ブロック構成図。
【
図12】(a)第3の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールにおいて、エネルギーデバイスの充電時の動作を説明するフローチャート図、(b)第3の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールにおいて、LEDトーチモード時の動作を説明するフローチャート図。
【
図13】第3の実施の形態に係るLEDモジュールの模式的平面図であって、(a)長方形タイプのLEDモジュールの模式的平面図、(b)正方形タイプのLEDモジュールの模式的平面図。
【
図14】国際照明委員会(CIE)1931によるXYZ表色系のXY色度図。
【
図15】第4の実施の形態に係るLED素子の配置例を示す模式的平面パターン構成図であって、(a)全体図、(b)一部の拡大図。
【
図16】第4の実施の形態に係るLED素子の配置例を示す模式的平面パターン構成図であって、(a)全体図、(b)一部の拡大図。
【
図17】第4の実施の形態に係るLED素子の配置例を示す模式的平面パターン構成図であって、(a)全体図、(b)一部の拡大図。
【
図18】第4の実施の形態に係るLED素子の配置例を示す模式的平面パターン構成図であって、(a)全体図、(b)一部の拡大図。
【
図19】第4の実施の形態に係るモジュール基板の断面構造例であって、(a)模式的平面パターン構成図、(b)白樹脂を塗布した状態のA−A断面図、(c)蛍光体層を塗布した状態のA−A断面図。
【
図20】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの模式的鳥瞰構造図。
【
図21】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスのシール部の模式的断面構造図。
【
図22】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの実装方法を説明するための図であって、(a)はくり紙がはがされる前の状態を示す模式的断面構造図、(b)はくり紙がはがされた後の状態を示す模式的断面構造図。
【
図23】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスを実装したモジュール基板の模式的平面パターン構成図。
【
図24】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスを実装したモジュール基板の模式的断面構造図。
【
図25】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスを実装したモジュール基板の模式的断面構造図。
【
図26】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスであって、3端子のラミネート型エネルギーデバイスの模式的平面パターン構成図。
【
図27】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスであって、3端子のラミネート型エネルギーデバイスのバリエーションを例示する模式的平面パターン構成図。
【
図28】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスであって、3端子のラミネート型エネルギーデバイスのバリエーションを例示する模式的平面パターン構成図。
【
図29】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的鳥瞰構造図。
【
図30】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的断面構造図。
【
図31】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的鳥瞰構造図。
【
図32】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的断面構造図。
【
図33】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの実装方法を説明するための図であって、(a)模式的平面パターン構成図、(b)モジュール基板に装着した場合の模式的断面構造図。
【
図34】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的断面構造図。
【
図35】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的断面構造図。
【
図36】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスにおいて、引き出し電極の曲げ加工のバリエーションを説明するための図であって、(a)曲げ加工を施していない場合の模式的断面構造図、(b)曲げ加工を施している場合の模式的断面構造図、(c)曲げ加工を施していない場合のモジュール基板上の模式的断面構造図、(d)曲げ加工を施している場合のモジュール基板上の模式的断面構造図。
【
図37】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的断面構造図であって、(a)引き出し電極を折り返して、EDLCの粘着剤が露出している面をハードコートの外面に貼り合わせている構造例、(b)引き出し電極を折り返して、EDLCの粘着剤が露出している面をEDLCチャージャー回路やDC/DCコンバータ等の部品が搭載されている面と反対の面に貼り合わせている構造例。
【
図38】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的断面構造図であって、(a)EDLCをモジュール基板の裏側に固定し、EDLCの左右両側に設けられたラミネートシートによって、EDLCが実装される基板面と反対側の基板面のみを被覆している構造例、(b)ラミネートシートの端部が特定の部品と接触したり、特定の部品を被覆した構造例。
【
図39】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスの他の実装方法を説明するための模式的断面構造図。
【
図40】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスにおいて、EDLC内部電極の基本構造を例示する模式的平面パターン構成図。
【
図41】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスにおいて、リチウムイオンキャパシタ内部電極の基本構造を例示する模式的平面パターン構成図。
【
図42】第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイスにおいて、リチウムイオン電池内部電極の基本構造を例示する模式的平面パターン構成図。
【
図43】従来のフラッシュ装置の模式的ブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0014】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
[第1の実施の形態]
以下、
図1〜
図8を用いて第1の実施の形態を説明する。
【0016】
(LEDフラッシュモジュールの構成)
第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールは、モジュール基板111と、モジュール基板111上に配置され、正負極の活物質電極と正負極の引き出し電極34とが一体に形成された電極の活物質電極部分に電解液とイオンが通過可能なセパレータ30を介在させながら、引き出し電極34が露出するように、かつ活物質電極の正電極と負電極とが交互になるように積層した2層以上の積層体を有するエネルギーデバイス(例えばEDLC)18と、モジュール基板111上に配置され、エネルギーデバイス18から供給される電源により発光するLED素子を縦(特定方向)に複数個並べたLEDブロック部320a〜320fを横(特定方向と直交する方向)に複数個並べたLEDモジュール320と、モジュール基板111上に配置され、エネルギーデバイス18を充電するためのEDLCチャージャー回路311と、モジュール基板111上に配置され、LED素子の発光を制御するLEDドライバー制御回路313とを備え、LED素子に電源を供給する電源供給部のプラス端321からLED素子までの配線長とLED素子から電源供給部のマイナス端322までの配線長が各LED素子についてほぼ等しい。
【0017】
また、LEDブロック部320a〜320fの配線パターン321a,322aがくし形を組み合わせた構成であってもよい。
【0018】
また、モジュール基板111の表面にLEDモジュール320が実装され、モジュール基板111の裏面にEDLCチャージャー回路311及びLEDドライバー制御回路313が実装されていてもよい。
【0019】
また、LEDドライバー制御回路313は、複数個のLED素子のうち所望のLED素子を選択的に点灯させてもよい。
【0020】
図1は、第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的平面図であって、
図1(a)は表側から見た図、
図1(b)は裏側から見た図である。モジュール基板111の表面には、
図1(a)に示すように、LEDモジュール320が実装されている。このLEDモジュール320は、6個のLEDブロック部320a〜320fを横に並べたものである。LEDブロック部320a〜320fは、それぞれ、LED素子を縦に複数個並べたものであるが、詳しい構成については後述する。ここでは、6個のLEDブロック部320a〜320fを横に並べた構成を例示しているが、もちろん、1つのLEDモジュール320に含まれるLEDブロック部の数は限定されるものではなく、例えば7個であってもよい。一方、モジュール基板111の裏面には、
図1(b)に示すように、LEDフラッシュドライバー310、外付けトランジスタTr1〜Tr3、外付け抵抗R1〜R3、コネクタ340等の電子部品が実装されている。さらに、モジュール基板111の半田接合部24には、エネルギーデバイス18の引き出し電極34が溶接されている。エネルギーデバイス18は、例えばEDLC等のラミネート型エネルギーデバイスである。EDLCは、電極と電解液との界面に形成される電気二重層を利用して蓄電するため、化学反応を利用する二次電池に比べて急速な充放電に耐えることができる。
【0021】
図2は、第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的ブロック構成図である。この図に示すように、LEDフラッシュドライバー310は、EDLCチャージャー回路311と、チャージャー制御回路312と、LEDドライバー制御回路313と、LED定電流制御回路314とを備えている。EDLCチャージャー回路311は、バッテリー330から供給された電源によりエネルギーデバイス18を充電する。チャージャー制御回路312は、CHG信号やC_Fin信号に基づいてEDLCチャージャー回路311を制御する。LEDドライバー制御回路313は、Flash信号やTorch信号に基づいてLED素子の発光を制御する。複数個のLED素子のうち、LEDブロック部単位で所望のLED素子を選択的に点灯させることも可能である。LED定電流制御回路314は、バッテリー330から供給された電源によりLEDモジュール320を定電流駆動する。
【0022】
(LEDフラッシュモジュールの動作)
まず、エネルギーデバイス18の充電時の動作について説明する。LEDフラッシュドライバー310内部のEDLCチャージャー回路311は、バッテリー330から供給された電源によりエネルギーデバイス18を充電する(
図3、ステップS1,S4)。チャージャー制御回路312にはCHG信号とC_Fin信号が入力される。CHG信号がチャージャー制御回路312に入力されると、チャージのON/OFFを切り替えるようになっている。エネルギーデバイス18の充電が完了すれば(
図3、ステップS2,S5)、C_Fin信号からフラグが出力される。エネルギーデバイス18が充電状態の場合、LEDモジュール320は発光させない。
【0023】
次に、LEDフラッシュモード時の動作について説明する。エネルギーデバイス18の充電完了状態でFlash信号が入力されると、LED_CNT1〜3信号により外付けトランジスタTr1〜3がONし、LEDモジュール320に電流が流れ、LEDフラッシュが点灯する(
図3、ステップS3)。このとき、CHG信号によりエネルギーデバイス18のチャージはOFF状態にしておく。LEDフラッシュ時の電流は外付け抵抗R1〜R3により調整される。
【0024】
次に、LEDトーチモード時の動作について説明する。LEDフラッシュドライバー310内部のLED定電流制御回路314は、バッテリー330から供給された電源によりLEDモジュール320を定電流駆動する(
図3、ステップS12)。このとき、LED_CNT1〜3信号により外付けトランジスタTr1〜3をOFF状態にしておく。LEDトーチ時の電流は外付け抵抗R4により調整される。エネルギーデバイス18の充電中にLEDトーチ点灯させるとバッテリー330の電圧が低くなりすぎるため、避けた方が好ましい。そのため、LEDトーチ点灯を開始する前にEDLCの充電を停止し(
図3、ステップS11→S12)、LEDトーチ点灯が終了した後にEDLCの充電を開始するようになっている(
図3、ステップS13→S14)。
【0025】
(LEDモジュールの構成)
第1の実施の形態に係るLEDモジュール320は、
図4(a)に示すように、LED素子を縦に複数個並べたLEDブロック部を横に複数個並べた構成となっている。ここでは、LED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334d毎に1個のLEDブロック部を構成しているものとする。本実施の形態では、COB(Chip on Board)構造を採用している。COB構造とは、ベアチップ(LED素子そのもの)をモジュール基板上の配線パターンに直接実装し、ワイヤーボンディングして樹脂封止する構造をいう。
【0026】
また、第1の実施の形態に係るLEDモジュール320は、
図4(a)に示すように、くし形を組み合わせた第1の配線パターン321aおよび第2の配線パターン322aを備え、LED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dは、第1の配線パターン321a上に実装され、かつ第2の配線パターン322aとワイヤーボンディングされる。
【0027】
この図に示すように、配線パターン321a,322aは、くし形を組み合わせた構成である。すなわち、電源供給部のプラス端321から下向きにくし形の配線パターン321aが形成され、くしの歯の部分にLED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dが実装されている。また、電源供給部のマイナス端322から上向きにくし形の配線パターン322aが形成され、くしの歯の部分がLED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dとワイヤーボンディングされている。
【0028】
第1の実施の形態に係るLEDモジュール320は、
図4(a)に示すように、シングルワイヤータイプに相当している。
【0029】
これにより、電源供給部のプラス端321からLED素子までの配線長とLED素子から電源供給部のマイナス端322までの配線長が各LED素子についてほぼ等しくなる。例えば、
図4(b)では、LED素子334aについての配線パターンを実線L11で表し、LED素子333aについての配線パターンを点線L12で表している。この図を見ても分かるように、実線L11と点線L12の長さはほぼ等しい。言い換えると、どのLED素子についても電流が流れるトータル長さはほぼ同じになっている。そのため、
図5に示すように、電圧降下分V1とGNDレベル上昇分V2はほぼ同じ変化量となり、どの位置においても電源供給部(+)321から電源供給部(−)322を引いた電位差V3が一定となる。その結果、各LED素子に印加される電圧が一定となるため、各LED素子を同等の明るさで発光させることが可能となる。
【0030】
(LEDモジュールのLEDブロック部の構成)
図6は、第1の実施の形態に係るLEDモジュールのLEDブロック部の模式的断面構造例である。ここでは、モジュール基板111にLED素子364が実装された状態の断面構造を示している。この図に示すように、モジュール基板111上に配線パターン321a,322aが形成されている。配線パターン321a上にLED素子364が実装され、そのLED素子364の上面電極(図示省略)と配線パターン322aとがボンディングワイヤ365により接続されている。白樹脂の土手(ダム材)366の内部には、第1発光蛍光体368と第2発光蛍光体369とを透光性樹脂中に混合分散した蛍光体層367を備える。
【0031】
例えば、LED素子364は、窒化物系半導体により形成された青色LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体368および第2発光蛍光体369は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体368は赤色蛍光体、第2発光蛍光体369は、緑色蛍光体で形成されていても良い。
【0032】
ここで、青色LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、例えば、Ce添加YAG(Y
3Al
5O
12:Ce)蛍光体、Eu添加α−サイアロン(CaSiAlON:Eu)、シリケート蛍光体((Sr,Ba,Ca,Mg)
2SiO
4:Eu)などを用いることができる。すなわち、青色発光LEDの青色光の一部を黄色蛍光体により黄色の発光に変換し、青+黄の発光により白色発光を得ることができる。
【0033】
また、青色LEDを励起光源とする緑色蛍光体としては、例えば、Eu添加β−サイアロン(Si
6-zAl
zO
zN
8-z:Eu)蛍光体、Ce添加CSSO(Ca
3Sc
2Si
3O
12:Ce)蛍光体などを用いることができる。
【0034】
また、青色LEDを励起光源とする赤色蛍光体としては、例えば、Eu添加CaAlSiN
3(CaAlSiN
3:Eu)蛍光体などを用いることができる。
【0035】
また、LED素子364は、窒化物系半導体により形成された紫外光LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体368および第2発光蛍光体369は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体368は青色蛍光体、第2発光蛍光体369は、黄色蛍光体で形成されていても良い。
【0036】
紫外光LEDを励起光源とする青色蛍光体としては、紫外光を受けて青色に発光するものであれば良く、例えば、ハロゲン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ケイ酸塩蛍光体などが挙げられる。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもユウロピウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0037】
紫外光LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体および紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体のいずれであっても良い。ここで、演色性を確保するために、第1発光蛍光体368を青色蛍光体、第2発光蛍光体369を黄色蛍光体で形成する場合には、発光効率を一層高めるためには、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体が望ましい。青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、有機蛍光体では、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、無機蛍光体では、アルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等を挙げることができる。このなかでも長時間使用可能な点から、ペリレン系蛍光体、YAG系蛍光体が特に好ましい。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。蛍光体と付活剤との組み合わせとしては、YAGとセリウムとの組み合わせが好ましい。
【0038】
また、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、(La,Ce)(P,Si)O
4や、(Zn,Mg)Oなどの蛍光体を挙げることができる。また、付活剤としては、例えば、テルビウム、亜鉛などを挙げることができる。
【0039】
蛍光体層367中の第1発光蛍光体368・第2発光蛍光体369の含有量は、LED素子364や蛍光体の種類などから適宜決定すればよいが、一般にその含有量は、各蛍光体とも蛍光体層367に対して1〜25wt%の範囲が望ましい。
【0040】
尚、実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに搭載される白色LEDには、LED搭載用汎用パッケージを使用して実装されていても良い。
【0041】
また、LEDの構成として、例えば、1パッケージ中に「青色LED+緑色LED+赤色LED」を収容して白色LEDを構成することもできる。このようなマルチチップの例として、「赤外LED+青色LED」のマルチチップで、青色光励起によって黄色光を発光する蛍光体を組み合わせることもできる。黄色蛍光体は、赤外光による影響を受けないため、小型1パッケージで構成可能であり、占有スペースを小さくすることができ、小さなスペースに実装可能である。
【0042】
(LEDモジュールの製造方法)
図7は、第1の実施の形態に係るLEDモジュールの製造方法を説明するための模式的平面図である。図中の四角はLED素子、ハッチング領域は蛍光体層367、実線矢印は白樹脂の土手366の塗布経路を表している。白樹脂の土手366の高さは0.5〜2.0mm程度であり、白樹脂の土手366の幅は0.5〜1.0mm程度である。
【0043】
例えば、
図7(a)に示すように、LEDブロック部単位で閉じた領域となるようにLED素子の周りに白樹脂の土手366が8の字状に塗布され、その8の字状の土手366の中に蛍光体層367が塗布されていてもよい。或いは、
図7(b)に示すように、LED素子の周りに白樹脂の土手366が矩形に塗布され、LEDブロック部単位で閉じた領域となるように矩形の土手366の中に仕切となる土手366a〜cが塗布され、その仕切られた土手366,366a〜cの中に蛍光体層367が塗布されていてもよい。或いは、
図7(c)に示すように、LEDブロック部単位で閉じた領域となるようにLED素子の周りに白樹脂の土手366が矩形に塗布され、その矩形の土手366の中に蛍光体層367が塗布されていてもよい。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールによれば、EDLC等のエネルギーデバイス18を用いているため、充電に要する時間を短縮することができ、連写発光や連続点灯が可能である。また、エネルギーデバイス18を用いれば、低電圧かつ省エネを実現することができる。さらに、エネルギーデバイス18は薄型であるため、コンパクトなLEDフラッシュモジュールを提供することが可能となる。
【0045】
また、本実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、電源供給部のプラス端321からLED素子までの配線長とLED素子から電源供給部のマイナス端322までの配線長が各LED素子についてほぼ等しくなるようにレイアウトされている。これにより、各LED素子について配線による電圧降下がほぼ等しくなるため、各LED素子を同等の明るさで発光させることが可能となる。
【0046】
また、本実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、LED素子を縦に並べたブロック構成をしているため、
図8(a)に示すように、1個のLED素子分の広がりY1よりも、隣り合うLED素子との相互関係の広がりX1の方が大きくなる。これにより、
図8(b)に示すように、左右の照射角が広くとれる(Y2<X2)。必要な数だけLEDブロック部を並べることで、容易に16:9アスペクト比等の広角に対応することが可能である。
【0047】
また、第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、EDLC等の薄型のエネルギーデバイスを用いているため、従来型キセノン管方式に比べ、体積比で、約20%〜25%であり、小型化軽量化が可能である。
【0048】
また、第1の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、LEDモジュールおよびEDLC等のエネルギーデバイスを用いているため、低電圧動作で充電に要する時間を短縮可能である。
【0049】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態を第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0050】
第2の実施の形態に係るLEDモジュール320は、
図9(a)に示すように、LED素子を縦に複数個並べたLEDブロック部を横に複数個並べた構成となっている。ここでも、第1の実施の形態と同様、LED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334d毎に1個のLEDブロック部を構成しているものとする。
【0051】
また、第2の実施の形態に係るLEDモジュール320は、
図9(a)に示すように、くし形を組み合わせた第1の配線パターン321aおよび第2の配線パターン322aを備え、LEDブロック部は、LED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dを実装した浮き島を有し、かつLED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dは、第1の配線パターン321aおよび第2の配線パターン322aとそれぞれワイヤーボンディングされる。
【0052】
この図に示すように、本実施の形態では、LEDブロック部の配線パターンが浮き島状であり、LED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dとワイヤーボンディングされる配線パターン321a,322aがくし形を組み合わせた構成である。すなわち、LED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dがそれぞれ別個の浮き島状の配線パターンに実装されている。そして、電源供給部のプラス端321から下向きにくし形の配線パターン321aが形成され、くしの歯の部分がLED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dとワイヤーボンディングされている。また、電源供給部のマイナス端322から上向きにくし形の配線パターン322aが形成され、くしの歯の部分がLED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dとワイヤーボンディングされている。
【0053】
第2の実施の形態に係るLEDモジュール320は、
図9(a)に示すように、ダブルワイヤータイプに相当している。
【0054】
これにより、電源供給部のプラス端321からLED素子までの配線長とLED素子から電源供給部のマイナス端322までの配線長が各LED素子についてほぼ等しくなる。例えば、
図9(b)では、LED素子334aについての配線パターンを実線L11で表し、LED素子333aについての配線パターンを点線L12で表している。この図を見ても分かるように、実線L11と点線L12の長さはほぼ等しい。言い換えると、どのLED素子についても電流が流れるトータル長さはほぼ同じになっている。その結果、第1の実施の形態で説明した通り、各LED素子に印加される電圧が一定となるため、各LED素子を同等の明るさで発光させることが可能となる。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、LEDブロック部の配線パターンが浮き島状であり、LED素子331a〜331d、332a〜332d、333a〜333d、334a〜334dとワイヤーボンディングされる配線パターン321a,322aがくし形を組み合わせた構成である。このような構成によっても、各LED素子について配線による電圧降下がほぼ等しくなるため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
また、第2の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、第1の実施の形態と同様に、EDLC等の薄型のエネルギーデバイスを用いているため、従来型キセノン管方式に比べ、体積比で、約20%〜25%であり、小型化軽量化が可能である。
【0057】
また、第2の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、LEDモジュールおよびEDLC等のエネルギーデバイス18を用いているため、低電圧動作で充電に要する時間を短縮可能である。
【0058】
[第3の実施の形態]
以下、
図10〜
図14を用いて、第3の実施の形態を第1または第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0059】
(LEDフラッシュモジュールの構成)
第3の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールは、モジュール基板111と、モジュール基板111上に配置され、正負極の活物質電極と正負極の引き出し電極34とが一体に形成された電極の活物質電極部分に電解液とイオンが通過可能なセパレータ30を介在させながら、引き出し電極34が露出するように、かつ活物質電極の正電極と負電極とが交互になるように積層した2層以上の積層体を有するエネルギーデバイス(例えばEDLC)18と、モジュール基板111上に配置され、エネルギーデバイス18から供給される電源により発光するLED素子を横(特定方向)に複数個並べたLEDブロック部320g,320hを縦(特定方向と直交する方向)に複数個並べたLEDモジュール320と、モジュール基板111上に配置され、エネルギーデバイス18を充電するためのEDLCチャージャー回路311と、モジュール基板111上に配置され、LED素子の発光を制御するLEDドライバー制御回路313とを備え、LEDブロック部320g,320hの演色性が可変である。
【0060】
また、LEDドライバー制御回路313は、LEDブロック部320g,320hを個別に駆動し、各LEDブロック部320g,320hに流す電流値及び点灯時間のうちの少なくとも1つを制御してもよい。
【0061】
図10は、第3の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的平面図であって、
図10(a)は表側から見た図、
図10(b)は裏側から見た図である。モジュール基板111の表面には、
図10(a)に示すように、LEDモジュール320が実装されている。このLEDモジュール320は、2個のLEDブロック部320g,320hを縦に並べたものである。LEDブロック部320g,320hは、それぞれ、LED素子を横に複数個並べたものである。LED素子の周りに白樹脂の土手366が塗布され、その白樹脂の土手366で囲まれた領域に演色性の異なる蛍光体層371,372が塗布されている(後述する)。モジュール基板111の裏面の構成は、
図10(b)に示すように、第1の実施の形態と同じである。
【0062】
図11は、第3の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールの模式的ブロック構成図である。このLEDフラッシュモジュールは、マイコン(図示せず)等と通信するためのI2Cインターフェイス315を備えている。通信方式はI2Cに限定されるものではない。I2Cインターフェイス315は、チャージャー制御回路312及びLEDドライバー制御回路313と接続されている。LEDドライバー制御回路313は、複数個のLED素子のうち、LEDブロック部単位で所望のLED素子を選択的に点灯させることが可能である。また、LEDブロック部の特定の領域のみを選択的に点灯させることも可能である。LED定電流制御回路314は、各Ch(各LEDブロック部)毎にDAC(Digital Analog Converter)314aを備えている。それ以外の点は、基本的に第1の実施の形態と同じである。
【0063】
(LEDフラッシュモジュールの動作)
電源投入時、各LEDブロック部に流す電流値及び点灯時間がマイコンから入力され、I2Cインターフェイス315内のレジスタに設定される(
図12、ステップS22)。このような電流値及び点灯時間は、シチュエーションに応じて適宜決定される。その後、エネルギーデバイス18の充電が完了してLEDフラッシュが点灯するまでの動作は第1の実施の形態と同様である(
図12、ステップS22〜S24)。LEDフラッシュ時の電流は外付け抵抗R1〜R3とDAC314aにより調整される(
図12、ステップS24)。LEDトーチ時の電流は外付け抵抗R4とDAC314aにより調整される(
図12、ステップS33〜S34)。
【0064】
本実施の形態に係るLEDドライバー制御回路313は、LEDブロック部を個別に駆動し、各LEDブロック部に流す電流値や点灯時間を制御する。その際、各LEDブロック部毎にあらかじめレジスタに設定された電流値や点灯時間が参照される。点灯時間の制御とは、具体的には、PWM(pulse width modulation)やPNM(pulse number modulation)等のパルス変調である。電流値と点灯時間の一方だけを制御するようにしてもよいし、両方を制御するようにしてもよい。例えば、おおまかな調整を電流値で行い、その後の微調整を点灯時間で行うことも可能である。
【0065】
(LEDモジュールの構成)
第3の実施の形態に係るLEDモジュール320は、
図13に示すように、LED素子の周りに白樹脂の土手366が塗布され、その白樹脂の土手366で囲まれた領域に演色性の異なる蛍光体層371〜375が塗布されていてもよい。
【0066】
すなわち、
図13(a)は、長方形タイプのLEDモジュール320の模式的平面図である。ここでは、2個のLEDブロック部320g,320hを縦に並べた構成を例示している。LEDブロック部320gには黄色の蛍光体層371が塗布され、LEDブロック部320hには赤・黄色の蛍光体層372が塗布されている。
【0067】
また、
図13(b)は、正方形タイプのLEDモジュール320の模式的平面図である。ここでは、3個のLEDブロック部320i,320j,320kを横に並べた構成を例示している。LEDブロック部320iには緑・黄色の蛍光体層373が塗布され、LEDブロック部320jには黄色の蛍光体層374が塗布され、LEDブロック部320kには赤・黄色の蛍光体層375が塗布されている。
【0068】
このように、各LEDブロック部に演色性の異なる蛍光体層を塗布し、各LEDブロック部に流す電流値や点灯時間を制御するようになっている。これにより、各LEDブロック部の発光バランスが変わるので、演色性を可変にすることができる。
【0069】
(蛍光体層)
図14は、国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de L‘Eclairage)1931によるXYZ表色系のXY色度図を示す。このようなXY色度図は、蛍光体層を選定する際に参照することができる。すなわち、蛍光体層としては、演色性が異なる様々な組み合わせを採用することが可能である。蛍光体の材質等については、第1の実施の形態において説明した通りであるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、LEDブロック部320g,320hの演色性が可変である。そのため、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置に適用した場合は、シチュエーションに応じて演色性を変えることができ、これまでとは異なるアレンジが可能になる。
【0071】
また、本実施の形態では、画像処理ではなくLEDフラッシュモジュールで演色性を変えるようにしている。演色性が固定であるキセノンランプによると、画像処理で演色性を変える必要があるが、本実施の形態によれば、このような画像処理の負荷を軽減することができる。
【0072】
なお、ここでは、演色性の異なる蛍光体層を備える構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、発光色が異なるLED単体を組み合わせた構成によっても、各LEDに流す電流値や点灯時間を制御すれば演色性を可変にすることができる。
【0073】
[第4の実施の形態]
以下、
図15〜
図19を用いて、第4の実施の形態を第1〜第3の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0074】
(LEDフラッシュモジュールの構成)
第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールは、モジュール基板111と、モジュール基板111上に配置され、正負極の活物質電極と正負極の引き出し電極34とが一体に形成された電極の活物質電極部分に電解液とイオンが通過可能なセパレータ30を介在させながら、引き出し電極34が露出するように、かつ活物質電極の正電極と負電極とが交互になるように積層した2層以上の積層体を有するエネルギーデバイス(例えばEDLC)18と、モジュール基板111上に配置され、エネルギーデバイス18から供給される電源により発光するLED素子を横(特定方向)に複数個並べたLEDブロック部320g,320hを縦(特定方向と直交する方向)に複数個並べたLEDモジュール320と、モジュール基板111上に配置され、エネルギーデバイス18を充電するためのEDLCチャージャー回路311と、モジュール基板111上に配置され、LED素子の発光を制御するLEDドライバー制御回路313とを備え、LED素子364が複数列配置される場合、隣接する列364h及び364lのLED素子364のアノード電極A同士またはカソード電極C同士が向かい合うように配置され、モジュール基板111上のアノード用配線またはカソード用配線が共通配線C11である。
【0075】
(比較例)
図15は、第4の実施の形態に係るLED素子364の配置例を示す模式的平面パターン構成図である。ここでは、LED素子364を2列配置する場合を例示している。
図15(a)の一部を拡大したものを
図15(b)に示す。この図に示すように、LED素子364を2列配置する場合は、各LED素子364の両側にアノード用配線A1,A2とカソード用配線C1,C2が必要である。
【0076】
すなわち、この図において上側の1列364hを構成するLED素子364のアノード電極Aは、例えばAuワイヤー等のボンディングワイヤ365Aを介してモジュール基板111上のアノード用配線A1に接続されている。一方、上側の1列364hを構成するLED素子364のカソード電極Cは、ボンディングワイヤ365Cを介してモジュール基板111上のカソード用配線C1に接続されている。
【0077】
また、この図において下側の1列364lを構成するLED素子364のアノード電極Aは、ボンディングワイヤ365Aを介してモジュール基板111上のアノード用配線A2に接続されている。一方、下側の1列364lを構成するLED素子364のカソード電極Cは、ボンディングワイヤ365Cを介してモジュール基板111上のカソード用配線C2に接続されている。
【0078】
(千鳥状の配置例)
図16は、第4の実施の形態に係るLED素子364の配置例を示す模式的平面パターン構成図である。この例では、隣接する列364h及び364lのLED素子364のカソード電極C同士は、向かい合うように配置されている。そのため、カソード用配線を共通化して、カソード電極C全てをモジュール基板111上の共通配線C11に接続することができる。これにより、比較例と比べてモジュール基板111上の配線数が削減されるため、列364h及び364l間の幅を狭くしてモジュール基板111の面積を削減することができる。
【0079】
また、この例では、LED素子364が列364h及び364l毎に千鳥状に配置されている。これにより、ボンディングワイヤ365Aと365Cを共通電極C11に対して垂直方向に実装することができるため、その長さを最短にすることができる。
【0080】
(同一列の配置例)
図17は、第4の実施の形態に係るLED素子364の配置例を示す模式的平面パターン構成図である。この例でも、
図16の場合と同様、隣接する列364h及び364lのLED素子364のカソード電極C同士は、向かい合うように配置されている。これにより、モジュール基板111の面積が削減される点は、
図16の場合と同じである。
【0081】
また、この例では、LED素子364の各列が同一列に配置されている。“同一列に配置されている”とは、この図において縦方向の位置が列364hと列364lとで同じであることをいう。これにより、
図16の場合と比べて、モジュール基板111の横幅(X方向)のサイズを小さくすることができる。
【0082】
さらに、このようにLED素子364を同一列に配置した場合は、ボンディングワイヤ365Cを共通電極C21に対して特定の斜め方向に実装するようにしている。これにより、向かい合うボンディングワイヤ365C同士の接触を避けることができる。
【0083】
(3列配置例)
図18は、第4の実施の形態に係るLED素子364の配置例を示す模式的平面パターン構成図である。ここでは、LED素子364を3列配置する場合を例示している。
【0084】
この図に示すように、隣接する列364h及び364mのLED素子364のカソード電極C同士は、向かい合うように配置されている。また、隣接する列364m及び364lのLED素子364のアノード電極A同士も、向かい合うように配置されている。そのため、カソード電極C全てをモジュール基板111上の共通配線C31に接続することができるとともに、アノード電極A全てをモジュール基板111上の共通電極A31に接続することができる。これにより、比較例と比べてモジュール基板111上の配線数が2ライン削減されるため、さらにモジュール基板111の面積が削減される。
【0085】
もちろん、LED素子364を4列以上配置する場合も同様、1列増加する毎に配線数を1ライン削減することができる。すなわち、列数が増加しても同様にレイアウトを繰り返すことが可能であるため、列数が増えるほど高密度実装となり、商品サイズの小型化に効果がある。
【0086】
(断面構造)
図19は、第4の実施の形態に係るモジュール基板111の断面構造例である。
図19(a)は模式的平面パターン構成図、
図19(b)は白樹脂381を塗布した状態のA−A断面図、
図19(c)は蛍光体層367を塗布した状態のA−A断面図である。
【0087】
既に説明した通り、本実施の形態では、COB構造を採用している。すなわち、モジュール基板111上にLEDベアチップ(LED素子364)をいくつかのLEDブロック部に分けてアレイ状に実装し、ボンディングワイヤ365によりモジュール基板111へ電気的に接続する。LED素子364の下部には、Siチップなどのかさ上げ用のダミーチップ382を実装している。白樹脂381は、LED素子364の反射効率を向上させるための樹脂である。このような状態で、LEDブロック部毎にシリコーン系の白樹脂を塗布して土手366を作り、その土手366の内側に蛍光体層367を塗布する。各LEDブロック部は同一樹脂であるが、各LEDブロック部間では少なくとも2種類以上の異なる蛍光体層367を塗布するようにしている。
【0088】
なお、ここでは、1つの土手366の内側に2列のLED素子364を配置した構成を例示しているが、この2列のLED素子364の間に追加の土手366を形成することも可能である。この場合、追加の土手366により分割された各列(各LEDブロック部)毎に異なる蛍光体層367を塗布してもよいことはもちろんである。
【0089】
以上説明したように、本実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールでは、LED素子364が複数列配置される場合、隣接する列364h及び364lのLED素子364のアノード電極A同士またはカソード電極C同士が向かい合うように配置され、モジュール基板111上のアノード用配線またはカソード用配線が共通配線C11である。これにより、モジュール基板111上の配線数が削減されるため、モジュール基板111の面積が削減され、商品の小型化を図ることが可能となる。また、同一面積でLED素子364をより多く実装することができるため、高輝度な商品を実現することも可能となる。
【0090】
なお、ここでは、LED素子364が複数列配置される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、このような配置構造は、LED素子364に限らず、複数列に配置することが必要な種々の素子について適用することが可能である。
【0091】
(ラミネート型エネルギーデバイス)
第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18について、以下に詳述する。ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111に実装する方法は様々あり、特に限定されるものではない。例えば、以下に説明するように、ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111の基板面に実装することも可能である。以下では、ラミネート型エネルギーデバイス18の実装方法に着目して説明するため、LED素子とラミネート型エネルギーデバイス18との位置関係を明示しない場合もあるが、LED素子から照射される光をラミネート型エネルギーデバイス18が遮らない構成となっている。
【0092】
図20は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18の模式的鳥瞰構造図である。この図に示すように、ラミネート型エネルギーデバイス18の本体を覆うラミネートシートの一方の面にはシール部14が装着されている。シール部14は、
図21に示すように、ラミネートシートの一方の面に塗布された粘着剤13と、粘着剤13の表面を覆うはくり紙15とからなる。粘着剤13としては、熱伝導性がよく、絶縁性の材料を用いるのが好ましい。はくり紙15は、紙の表面に剥離加工を施したものである。シール部14をラミネートシートに装着する方法は特に限定されるものではないが、両面テープの片面のはくり紙をはがして、その片面をラミネートシートに貼り付けるのが簡単である。ここでは、ラミネートシートの一方の面にシール部14を装着している場合を例示しているが、ラミネートシートの両方の面にシール部14を装着するようにしてもかまわない。
【0093】
―実装方法―
次に、ラミネート型エネルギーデバイス18を実装する方法を説明する。
【0094】
まず、
図22(a)に示すように、ラミネートシートを覆っているはくり紙15をはがす。はくり紙15がはがされた部分に粘着剤13が露出している状態で、
図22(b)に示すように、モジュール基板111の所定の実装位置にラミネート型エネルギーデバイス18を固定する。この状態のモジュール基板111の模式的平面パターン構成図を
図23に、また、
図23のI−Iに沿う模式的断面構造を
図24に示す。これらの図に示すように、引き出し電極34a,34bの先端34tは、半田接合部24a,24bの溶接孔25a,25b付近にくるようになっている。この時点でラミネート型エネルギーデバイス18の本体は粘着剤13によってモジュール基板111に固定されているが、長くやわらかい引き出し電極34a,34bはモジュール基板111に固定されておらず不安定な状態である。そこで、
図25に示すように、耐熱性ラバー26等を用いて引き出し電極34a,34bをモジュール基板111側に押さえ、半田接合部24a,24bの溶接孔25a,25bで半田溶接(電気的に接続)を行う。このようにすれば、ラミネート型エネルギーデバイス18の本体と引き出し電極34a,34bの両方が固定された状態で、引き出し電極34a,34bの半田溶接を行うことができる。
【0095】
引き出し電極34a,34bは、モジュール基板111の高さ方向(以下、「基板高さ方向」という。)に事前に曲げ加工を施されているのが好ましい。基板高さ方向は、
図24や
図25でいうと上下方向に相当する。このようにすれば、引き出し電極34a,34bの先端34tが半田接合部24a,24bの溶接孔25a,25bにより近づくので、半田溶接をより簡単に行うことが可能となる。曲げ加工の程度は、ラミネート型エネルギーデバイス18の厚さや実装位置等に応じて適宜変更すればよいが、数mm〜数十mm程度にするのが妥当である。
【0096】
ここでは、2つの引き出し電極34a,34bを備えた構成を例示したが、
図26に示すように、3つの引き出し電極34a,34b,34cを備えてもよい。この3端子のラミネート型エネルギーデバイス18は、2端子のラミネート型エネルギーデバイス18を2つ直列に接続したものである。
図27及び
図28は、3端子のラミネート型エネルギーデバイス18が備える3つの引き出し電極34a,34b,34cの配置のバリエーションを例示している。これらの図に示されるように、3つの引き出し電極34a,34b,34cは、ラミネート型エネルギーデバイス18の任意の側面から引き出すことができる。このような3端子のラミネート型エネルギーデバイス18でも、ラミネートシートにシール部14を備える点は2端子の場合と同様である。
【0097】
図29及び
図30は、ラミネート型エネルギーデバイス18の他の実装方法を説明するための図である。まず、
図29に示すように、EDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品をモジュール基板111に搭載し、ワイヤボンディングによって電気的に接続する。また、ラミネート型エネルギーデバイス18の引き出し電極34a,34b,34cをモジュール基板111の所定位置で押さえて半田溶接を行う。次いで、
図30に示すように、ハードコート200によってEDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品を覆う。そして、ラミネート型エネルギーデバイス18のはくり紙15をはがした状態で引き出し電極34a,34b,34cを折り曲げて、ラミネート型エネルギーデバイス18の粘着剤13が露出している面をハードコート200の外面に貼り合わせる。このようにすれば、ハードコート200によって絶縁されたモジュール基板111を提供することができるのはもちろん、ハードコート200の上にラミネート型エネルギーデバイス18が固定されるので、限られた基板スペースを有効に活用することが可能となる。
【0098】
図31及び
図32は、ラミネート型エネルギーデバイス18の他の実装方法を説明するための図である。引き出し電極34a,34b,34cを更に延ばしてラミネート型エネルギーデバイス18がモジュール基板111の裏面に固定される点を除けば、
図29及び
図30と同様である。すなわち、
図31に示すように、EDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品をモジュール基板111に搭載し、ワイヤボンディングによって電気的に接続する。また、ラミネート型エネルギーデバイス18の引き出し電極34a,34b,34cをモジュール基板111の所定位置で押さえて半田溶接を行う。次いで、
図32に示すように、ハードコート200によってEDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品を覆う。そして、ラミネート型エネルギーデバイス18のはくり紙15をはがした状態で引き出し電極34a,34b,34cを折り曲げて、ラミネート型エネルギーデバイス18の粘着剤13が露出している面をモジュール基板111の裏面に貼り合わせる。モジュール基板111の裏面とは、EDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品が搭載される面と反対の面である。このようにすれば、ハードコート200によって絶縁されたモジュール基板111を提供することができるのはもちろん、モジュール基板111の裏面にラミネート型エネルギーデバイス18が固定されるので、限られた基板スペースを有効に活用することが可能となる。
【0099】
ここでは、引き出し電極34a,34b,34cの半田溶接を行った後にラミネート型エネルギーデバイス18をハードコート200の外面やモジュール基板111の裏面に貼り合わせることとしているが、実装手順はこれに限定されるものではない。すなわち、ラミネート型エネルギーデバイス18をハードコート200の外面やモジュール基板111の裏面に貼り合わせた後に引き出し電極34a,34b,34cの半田溶接を行うことも可能である。
【0100】
以上、説明したように、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18によれば、ラミネート型エネルギーデバイス18が粘着剤13によって実装位置に固定されるので、安定してラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111に実装することができる。これにより、電気的な接続の信頼性が向上するため、ラミネート型エネルギーデバイス18の実装を自動化してモジュール基板111を大量生産する場合、特に効果的である。また、ハードコート200の外面やモジュール基板111の裏面にラミネート型エネルギーデバイス18を固定した場合は、限られた基板スペースを有効に活用することが可能となる。
【0101】
図33は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18の実装方法を説明するための図であって、
図33(a)は模式的平面パターン構成図、
図33(b)はモジュール基板111に装着した場合の模式的断面構造図である。この図に示すように、ラミネートシート40は、モジュール基板111を包み込む外形となるようにプレス処理を施されている。すなわち、通常は、所定のラミネートラインに沿ってラミネートシートを圧縮封止した後、そのラミネートラインより若干外側のラインでプレス処理を施して、不要なラミネートシートを取り除く。それに対して、本実施の形態では、
図33(a)に示すように、ラミネート型エネルギーデバイス18の左右両側に大きくラミネートシート40を残した状態でプレス処理を施す。このようにすれば、
図33(b)に示すように、ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111に装着した際、そのラミネート型エネルギーデバイス18の左右両側に設けられたラミネートシート40によってモジュール基板111を包み込むことができる。モジュール基板111を包み込む態様は様々あるため、後に詳しく説明する。少なくとも、ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111に固定することができればよい。ラミネートシート40の材質は絶縁性のフィルム等であればよいが、モジュール基板111に対して接着性の高いものが好ましい。
【0102】
図34及び
図35は、ラミネート型エネルギーデバイス18の他の実装方法を説明するための図である。
図34中の符号210a,210bは各種の部品を接続するワイヤである。これらの図に示すように、EDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品をハードコート200によって覆った状態で、ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111の裏側に固定し、ラミネート型エネルギーデバイス18の左右両側に設けられたラミネートシート40によってモジュール基板111を包み込むようにしてもよい。
【0103】
以上、説明したように、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18によれば、ラミネートシート40によってモジュール基板111を包み込むことができるため、ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111に安定して実装することが可能である。また、EDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品もラミネートシート40によって包み込むようにした場合は、これら部品を安定して実装することができるようになるのはもちろん、不要な電気的接続から保護するというメリットもある。
【0104】
なお、ここでは、ラミネート型エネルギーデバイス18が粘着剤13によってモジュール基板111に固定されている場合を例示しているが、本実施の形態では、粘着剤13を用いるかどうかは特に限定されるものではない。すなわち、ラミネートシート40によってモジュール基板111を包み込むだけでも、ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111に固定するという点で一定の効果を期待することができる。
【0105】
図36は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18において、引き出し電極34の曲げ加工のバリエーションを説明するための図である。
図36(a)は、曲げ加工を施していない場合、
図36(b)は、引き出し電極34の略中央部分でへの字状の曲げ加工34sを施している場合を例示している。このようなへの字状の曲げ加工34sを施しておけば、引き出し電極34が何らかの荷重を受けたときでも、その応力を吸収することができる。
図36(c)は、曲げ加工を施すことなく図面上で左側へなだらかに傾斜させている場合、
図36(d)は、図面上で左側へ急激に傾斜する曲げ加工34kを施している場合を例示している。
図36(c)及び
図36(d)のいずれによっても引き出し電極34の先端34tの高さ位置を調整することは可能であるが、
図36(c)よりも
図36(d)の方が引き出し電極34の先端34tをラミネート型エネルギーデバイス18側に寄せることができる。
【0106】
図37は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18の他の実装方法を説明するための図である。
図37(a)では、引き出し電極34を折り返して、ラミネート型エネルギーデバイス18の粘着剤13が露出している面をハードコート200の外面に貼り合わせている。
図37(b)では、引き出し電極34を折り返して、ラミネート型エネルギーデバイス18の粘着剤13が露出している面をEDLCチャージャー回路311やDC/DCコンバータ160等の部品が搭載されている面と反対の面に貼り合わせている。言い換えると、引き出し電極34は、ラミネート型エネルギーデバイス18が実装される基板面と反対側の基板面のみを被覆している。そのため、この場合は、引き出し電極34の基板高さ方向の長さΔL1は、モジュール基板111の高さΔTよりも長くしておく。
【0107】
図38は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18の他の実装方法を説明するための図である。
図38(a)では、ラミネート型エネルギーデバイス18をモジュール基板111の裏側に固定し、ラミネート型エネルギーデバイス18の左右両側に設けられたラミネートシート40によって、ラミネート型エネルギーデバイス18が実装される基板面と反対側の基板面のみを被覆している。このような構成は、符号210の部品がLEDの場合、特に効果的である。すなわち、LED210からの光を遮ることなく、ラミネートシート40によってモジュール基板111を包み込むことができる。ラミネートシート40は、基板面のみを被覆してもよいが、
図38(b)に示すように、ラミネートシート40の端部が特定の部品42aと接触したり、特定の部品42aを被覆してもよい。この場合も、ラミネートシート40の基板高さ方向の長さΔL2は、モジュール基板111の高さΔTよりも長くしておく。
【0108】
図39は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18の他の実装方法を説明するための図である。ここでは、引き出し電極34a,34bとラミネートシート40の両方によってラミネート型エネルギーデバイス18がモジュール基板111に固定されている。ラミネートシート40の端部はハードコート200の外面を被覆している。このように、様々な実装態様を適宜組み合わせることが可能である。
【0109】
以上の説明では、ラミネート型エネルギーデバイス18としてEDLCを例示したが、ラミネート型エネルギーデバイス18としてリチウムイオンキャパシタやリチウムイオン電池等を採用してもよい。以下、それぞれの内部電極の基本構造について説明する。
【0110】
(EDLC内部電極)
図40は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18において、EDLC内部電極の基本構造を例示している。EDLC内部電極は、少なくとも1層の活物質電極10,12に、電解液とイオンのみが通過するセパレータ30を介在させ、引き出し電極34a,34bが活物質電極10,12から露出するように構成され、引き出し電極34a,34bは電源電圧に接続されている。引き出し電極34a,34bは、例えば、アルミ箔から形成され、活物質電極10,12は、例えば、活性炭から形成される。セパレータ30は、活物質電極10,12全体を覆うように、活物質電極10,12よりも大きいもの(面積の広いもの)を用いる。セパレータ30は、エネルギーデバイスの種類には原理的に依存しないが、特にリフロー対応が必要とされる場合には、耐熱性が要求される。耐熱性が必要ない場合にはポリプロピレン等を、耐熱性が必要な場合にはセルロース系のものを用いることができる。EDLC内部電極には、電解液44が含侵されており、セパレータ30を通して、電解液とイオンが充放電時に移動する。
【0111】
(リチウムイオンキャパシタ内部電極)
図41は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18において、リチウムイオンキャパシタ内部電極の基本構造を例示している。リチウムイオンキャパシタ内部電極は、少なくとも1層の活物質電極11,12に、電解液とイオンのみが通過するセパレータ30を介在させ、引き出し電極34a,34b1が活物質電極10,12から露出するように構成され、引き出し電極34a,34b1は電源電圧に接続されている。正極側の活物質電極12は、例えば、活性炭から形成され、負極側の活物質電極11は、例えば、Liドープカーボンから形成される。正極側の引き出し電極34aは、例えば、アルミ箔から形成され、負極側の引き出し電極34b1は、例えば、銅箔から形成される。セパレータ30は、活物質電極11,12全体を覆うように、活物質電極11,12よりも大きいもの(面積の広いもの)を用いる。リチウムイオンキャパシタ内部電極には、電解液44が含侵されており、セパレータ30を通して、電解液とイオンが充放電時に移動する。
【0112】
(リチウムイオン電池内部電極)
図42は、第1〜第4の実施の形態に係るLEDフラッシュモジュールに適用可能なラミネート型エネルギーデバイス18において、リチウムイオン電池内部電極の基本構造を例示している。本実施の形態に係るリチウムイオン電池内部電極は、少なくとも1層の活物質電極11,12aに、電解液とイオンのみが通過するセパレータ30を介在させ、引き出し電極34a,34b1が活物質電極11,12aから露出するように構成され、引き出し電極34a,34b1は電源電圧に接続されている。正極側の活物質電極12aは、例えば、LiCoO
2から形成され、負極側の活物質電極11は、例えば、Liドープカーボンから形成される。正極側の引き出し電極34aは、例えば、アルミ箔から形成され、負極側の引き出し電極34b1は、例えば、銅箔から形成される。セパレータ30は、活物質電極11,12a全体を覆うように、活物質電極11,12aよりも大きいもの(面積の広いもの)を用いる。リチウムイオン電池内部電極には、電解液44が含侵されており、セパレータ30を通して、電解液とイオンが充放電時に移動する。
【0113】
以上説明したように、低電圧動作で充電に要する時間を短縮可能、かつ小型軽量化されたLEDフラッシュモジュール、LEDモジュール、及び撮像装置を提供することができる。
【0114】
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1〜第4の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0115】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。