特許第6101438号(P6101438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6101438情報処理装置及び情報処理方法、コンピューター・プログラム、並びに情報通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6101438
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法、コンピューター・プログラム、並びに情報通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20170313BHJP
   H04N 5/76 20060101ALI20170313BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20170313BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20170313BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   H04N21/258
   H04N5/76 A
   H04N5/91 L
   H04N5/91 Z
   H04N5/93 Z
【請求項の数】19
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2012-136383(P2012-136383)
(22)【出願日】2012年6月15日
(65)【公開番号】特開2014-3403(P2014-3403A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】316009762
【氏名又は名称】サターン ライセンシング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Saturn Licensing LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】特許業務法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 順一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英樹
【審査官】 福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−229035(JP,A)
【文献】 特開2004−013283(JP,A)
【文献】 特開2004−343445(JP,A)
【文献】 特開2005−039657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04N 5/38−5/46
H04N 5/76−5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録部と、
利用者又はグループが使用する端末の情報と、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信し利用者のアカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報と、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信しグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を保持するメタデータ保持部と、
利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供部と、
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記メタデータ提供部は、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末に対して、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、並びに、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記メタデータ提供部は、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末に対して当該グループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、当該グループを紐付けした利用者個人(複数の場合あり)の再生停止位置情報、並びに、当該グループを紐付けした利用者個人にさらに紐付けされた別のグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報のうち少なくとも1つを提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記メタデータ保持部は、コンテンツの出自に関する情報と併せて再生停止位置情報を保持する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンテンツを再生するコンテンツ再生部と、
利用者を検出する利用者検出部と、
前記利用者検出部が検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録部と、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生部におけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録部と、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得部と、
を具備し、
前記コンテンツ再生部は、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生し、
前記利用者検出部がグループの一部の利用者の離脱を検出したことに応答して、前記再生停止位置情報登録部は、前記の離脱した利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、離脱した時点での再生位置情報を再生停止位置情報として前記の離脱した利用者のアカウント情報に紐付けして登録する、
情報処理装置。
【請求項6】
前記登録部は、前記利用者検出部が検出した複数の利用者をグループとしてメタデータ・サーバーに登録してグループのアカウント情報を取得する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記再生停止位置情報取得部は、利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、並びに、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記再生停止位置情報取得部は、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該グループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、当該グループを紐付けした利用者個人(複数の場合あり)の再生停止位置情報、並びに、当該グループを紐付けした利用者個人にさらに紐付けされた別のグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報のうち少なくとも1つを取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記再生停止位置情報登録部は、グループとして視聴しているコンテンツの再生を停止したことに応答して、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、再生停止位置情報をグループのアカウント情報に紐付けして登録する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記利用者検出部がグループの利用者全員の不在を検出したことに応答して、前記再生停止位置情報登録部は、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、全員の不在を検出した時点での再生位置情報を再生停止位置情報としてグループのアカウント情報に紐付けして登録する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログイン中に、当該グループに属する利用者個人が使用する端末からの制御を受けたことに応答して、当該グループとして前記メタデータ・サーバーからログアウトし、当該利用者個人のアカウント情報を用いて再ログインする、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記再生停止位置情報取得部は、グループに属する利用者個人が使用する端末からコンテンツ再生要求を受け取ったことに応答して、当該利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記再生停止位置情報登録部は、グループに属する利用者個人が使用する端末からコンテンツ再生停止要求を受け取ったことに応答して、当該利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、コンテンツの再生停止位置情報を当該利用者個人のアカウント情報に紐付けして登録する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記再生停止位置情報取得部は、コンテンツの出自に関する情報と併せて再生停止位置情報を取得し、
前記コンテンツ再生部は、取得した出自の情報を利用して、コンテンツを特定し再生停止位置から継続再生する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置が備えるアカウント登録部によって実行される、利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録ステップと、
前記情報処理装置が備えるメタデータ保持部によって実行される、利用者又はグループが使用する端末の情報と、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信し利用者のアカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報と、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信しグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を保持するメタデータ保持ステップと、
前記情報処理装置が備えるメタデータ提供部によって実行される、利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項16】
情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置が備えるコンテンツ再生部によって実行される、コンテンツを再生するコンテンツ再生ステップと、
前記情報処理装置が備える利用者検出部によって実行される、利用者を検出する利用者検出ステップと、
前記情報処理装置が備える登録部によって実行される、前記利用者検出ステップで検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録ステップと、
前記情報処理装置が備える再生停止位置情報登録部によって実行される、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生ステップにおけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録ステップと、
前記情報処理装置が備える再生停止位置情報取得部によって実行される、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得ステップと、
を有し、
前記コンテンツ再生ステップでは、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生し、
前記利用者検出部がグループの一部の利用者の離脱を検出したことに応答して、前記再生停止位置情報登録部は、前記の離脱した利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、離脱した時点での再生位置情報を再生停止位置情報として前記の離脱した利用者のアカウント情報に紐付けして登録する、
情報処理方法。
【請求項17】
利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録部、
利用者又はグループが使用する端末の情報と、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信し利用者のアカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報と、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信しグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を保持するメタデータ保持部、
利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供部、
としてコンピューターを機能させるようコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラム。
【請求項18】
コンテンツを再生するコンテンツ再生部、
利用者を検出する利用者検出部、
前記利用者検出部が検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録部、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生部におけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録部、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得部、
としてコンピューターを機能させるようコンピューター可読形式で記述され、
前記コンテンツ再生部は、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生し、
前記利用者検出部がグループの一部の利用者の離脱を検出したことに応答して、前記再生停止位置情報登録部は、前記の離脱した利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、離脱した時点での再生位置情報を再生停止位置情報として前記の離脱した利用者のアカウント情報に紐付けして登録する、
コンピューター・プログラム。
【請求項19】
コンテンツを提供するコンテンツ・サーバーと、
利用者個人又は複数の利用者からなるグループが使用して前記コンテンツ・サーバーが提供するコンテンツを再生する端末と、
各利用者並びにグループのコンテンツ再生停止位置情報を各々のアカウント情報と紐付けして保持し、利用者又はグループが使用する端末に再生停止位置情報を提供するメタデータ・サーバーと、
を具備し、
前記メタデータ・サーバーは、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信し利用者のアカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報と、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信しグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を保持する、
情報通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、家庭内などのネットワーク環境下で複数の利用者が各自の情報端末やAV機器で動画、音楽、電子書籍、写真(スライドショー)などのコンテンツ再生に利用する情報処理装置及び情報処理方法、コンピューター・プログラム、並びに情報通信システムに係り、特に、複数の利用者が同時に利用するコンテンツの継続再生を実現する情報処理装置及び情報処理方法、コンピューター・プログラム、並びに情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線若しくは有線のLAN(Local Area Network)を使って、宅内にホームネットワークを構築する家庭が増えてきている。ホームネットワーク上では、1台のコンテンツ・サーバーに蓄積されている動画や音声などのコンテンツを、家族が各自の再生装置を用いて利用することができる。ここで言う再生装置は、パーソナル・コンピューター、タブレットや携帯電話機などの多機能端末、テレビ受像機などのAV機器である。
【0003】
コンテンツを視聴中の利用者が、他の用事が入ったために視聴を中断し、その後、手が空いたときに改めて視聴を再開することはよくある。このような場合、コンテンツの欠落も再生範囲が重複する無駄もなく、利用者がコンテンツの続きを視聴するためには、前回の再生停止位置の情報が重要になる。DVDなどのメディアを特定の再生装置に装填して視聴する場合、再生装置内で前回の再生停止位置を保持しておくことは容易である。これに対し、宅内のコンテンツ・サーバーに蓄積されたコンテンツを再生するという環境下では、視聴が中断したコンテンツの再生を再開する場合、利用者によって再生開始したい位置が異なる場合がある上に、さらには再生に利用する機器も変わっている可能性がある、という問題がある。
【0004】
例えば、利用者を特定して異なる再生装置間で映像コンテンツの再生停止位置情報を共有し、続きからの再生を実現する表示システム、宅内サーバーについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。しかしながら、このシステムは、複数の利用者が映像コンテンツを同時に利用している場合には対応していないので、ある利用者が代表して映像コンテンツを利用するなど、注意して利用する必要があると思料される。また、このシステムは、ある映像コンテンツを複数の利用者が同時に利用している状態から、一部の利用者だけが視聴を中断した場合にも対応していないので、視聴を中断した利用者にとって再生停止位置情報が失われる可能性がある。また、再生停止位置情報が対応するコンテンツを特定する機能は、宅内サーバーが提供するように構成されているので、再生停止位置情報を利用できるのは宅内サーバーが管理するコンテンツに限られる。
【0005】
また、通信又は放送により取得したコンテンツの再生を停止したときのメタデータ並びに履歴を管理して、停止位置からコンテンツのレジューム再生を実行するコンテンツ再生装置について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。しかしながら、このコンテンツ再生装置は、複数の利用者がコンテンツを同時に利用することを想定しておらず、一部の利用者だけが視聴を中断した場合の再生停止位置情報をどのような管理するのか不明である。
【0006】
また、サーバー上の同一のコンテンツをある機器で再生し、その途中から移動先の機器で続き再生を行なう情報処理システムについて提案がなされている(例えば、特許文献3を参照のこと)。この情報処理システムは、前回の視聴時とは場所や時間に隔たりがあることを想定しているものの、複数の利用者がコンテンツを同時に利用することを想定しておらず、一部の利用者だけが視聴を中断した場合にどのように続き再生を行なうのか不明である。
【0007】
また、サーバー側でユーザー端末毎の再生停止位置情報を管理しておき、ユーザー端末が再度VODサービスを開始したときに、再生停止位置情報を用いて前回視聴を停止した位置から再生開始するコンテンツ配信システムについて提案がなされている(例えば、特許文献4を参照のこと)。このシステムによれば、ユーザー毎に個別に再生停止位置情報を管理できるものの、複数の利用者がコンテンツを同時に利用し、その後、一部の利用者だけが視聴を中断した場合にどのように続き再生を行なうのか不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−94814号公報
【特許文献2】特開2011−146879号公報
【特許文献3】特開2011−35695号公報
【特許文献4】特開2005−269411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本明細書で開示する技術の目的は、複数の利用者が同時に利用するコンテンツの継続再生を好適に実現することができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、コンピューター・プログラム、並びに情報通信システムを提供することにある。
【0010】
本明細書で開示する技術のさらなる目的は、複数の利用者がコンテンツを同時に利用し、その後、一部の利用者だけが視聴を中断した場合であっても、継続再生を好適に実現することができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、コンピューター・プログラム、並びに情報通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願は、上記課題を参酌してなされたものであり、請求項1に記載の技術は、
利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録部と、
利用者又はグループが使用する端末の情報とコンテンツの再生停止位置情報を利用者又はグループのアカウント情報に紐付けして保持するメタデータ保持部と、
利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供部と、
を具備する情報処理装置である。
【0012】
本願の請求項2に記載の技術によれは、請求項1に記載の情報処理装置の前記メタデータ保持部は、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信した再生停止位置情報を当該利用者のアカウント情報に紐付けして保持し、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信した再生停止位置情報を当該グループのアカウント情報に紐付けして保持するように構成されている。
【0013】
本願の請求項3に記載の技術によれは、請求項1に記載の情報処理装置の前記メタデータ提供部は、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末に対して、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、並びに、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を提供するように構成されている。
【0014】
本願の請求項4に記載の技術によれは、請求項1に記載の情報処理装置の前記メタデータ提供部は、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末に対して当該グループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、当該グループを紐付けした利用者個人(複数の場合あり)の再生停止位置情報、並びに、当該グループを紐付けした利用者個人にさらに紐付けされた別のグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を提供するように構成されている。
【0015】
本願の請求項5に記載の技術によれは、請求項1に記載の情報処理装置の前記メタデータ保持部は、コンテンツの出自に関する情報と併せて再生停止位置情報を保持するように構成されている。
【0016】
また、本願の請求項6に記載の技術は、
コンテンツを再生するコンテンツ再生部と、
利用者を検出する利用者検出部と、
前記利用者検出部が検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録部と、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生部におけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録部と、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得部と、
を具備し、
前記コンテンツ再生部は、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生する、
情報処理装置である。
【0017】
本願の請求項7に記載の技術によれば、請求項6に記載の情報処理装置の前記登録部は、前記利用者検出部が検出した複数の利用者をグループとしてメタデータ・サーバーに登録してグループのアカウント情報を取得するように構成されている。
【0018】
本願の請求項8に記載の技術によれは、請求項6に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報取得部は、利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、並びに、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を取得するように構成されている。
【0019】
本願の請求項9に記載の技術によれは、請求項6に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報取得部は、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該グループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、当該グループを紐付けした利用者個人(複数の場合あり)の再生停止位置情報、並びに、当該グループを紐付けした利用者個人にさらに紐付けされた別のグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を取得するように構成されている。
【0020】
本願の請求項10に記載の技術によれは、請求項6に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報登録部は、グループとして視聴しているコンテンツの再生を停止したことに応答して、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、再生停止位置情報をグループのアカウント情報に紐付けして登録するように構成されている。
【0021】
本願の請求項11に記載の技術によれは、請求項6に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報登録部は、前記利用者検出部がグループの一部の利用者の離脱を検出したことに応答して、前記の離脱した利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、離脱した時点での再生位置情報を再生停止位置情報として前記の離脱した利用者のアカウント情報に紐付けして登録するように構成されている。
【0022】
本願の請求項12に記載の技術によれは、請求項6に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報登録部は、前記利用者検出部がグループの利用者全員の不在を検出したことに応答して、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、全員の不在を検出した時点での再生位置情報を再生停止位置情報としてグループのアカウント情報に紐付けして登録するように構成されている。
【0023】
本願の請求項13に記載の技術によれは、請求項6に記載の情報処理装置は、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログイン中に、当該グループに属する利用者個人が使用する端末からの制御を受けたことに応答して、当該グループとして前記メタデータ・サーバーからログアウトし、当該利用者個人のアカウント情報を用いて再ログインするように構成されている。
【0024】
本願の請求項14に記載の技術によれは、請求項13に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報取得部は、グループに属する利用者個人が使用する端末からコンテンツ再生要求を受け取ったことに応答して、当該利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得するように構成されている。
【0025】
本願の請求項15に記載の技術によれは、請求項13に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報登録部は、グループに属する利用者個人が使用する端末からコンテンツ再生停止要求を受け取ったことに応答して、当該利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、コンテンツの再生停止位置情報を当該利用者個人のアカウント情報に紐付けして登録するように構成されている。
【0026】
本願の請求項16に記載の技術によれは、請求項6に記載の情報処理装置の前記再生停止位置情報取得部は、コンテンツの出自に関する情報と併せて再生停止位置情報を取得し、前記コンテンツ再生部は、取得した出自の情報を利用して、コンテンツを特定し再生停止位置から継続再生するように構成されている。
【0027】
また、本願の請求項17に記載の技術は、
利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録ステップと、
利用者又はグループが使用する端末の情報とコンテンツの再生停止位置情報を利用者又はグループのアカウント情報に紐付けして保持するメタデータ保持ステップと、
利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供ステップと、
を有する情報処理方法である。
【0028】
また、本願の請求項18に記載の技術は、
コンテンツを再生するコンテンツ再生ステップと、
利用者を検出する利用者検出ステップと、
前記利用者検出ステップで検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録ステップと、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生ステップにおけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録ステップと、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得ステップと、
を有し、
前記コンテンツ再生ステップでは、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生する、
情報処理方法である。
【0029】
また、本願の請求項19に記載の技術は、
利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録部、
利用者又はグループが使用する端末の情報とコンテンツの再生停止位置情報を利用者又はグループのアカウント情報に紐付けして保持するメタデータ保持部、
利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供部、
としてコンピューターを機能させるようコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムである。
【0030】
また、本願の請求項20に記載の技術は、
コンテンツを再生するコンテンツ再生部、
利用者を検出する利用者検出部、
前記利用者検出部が検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録部、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生部におけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録部、
利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得部、
としてコンピューターを機能させるようコンピューター可読形式で記述され、
前記コンテンツ再生部は、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生する、
コンピューター・プログラムである。
【0031】
本願の請求項19、20に係るコンピューター・プログラムは、それぞれコンピューター上で所定の処理を実現するようにコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムを定義したものである。換言すれば、本願の請求項19、20に係るコンピューター・プログラムをコンピューターにインストールすることによって、コンピューター上では協働的作用が発揮され、それぞれ本願の請求項1、7に係る情報処理装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
また、本願の請求項21に記載の技術は、
コンテンツを提供するコンテンツ・サーバーと、
利用者個人又は複数の利用者からなるグループが使用して前記コンテンツ・サーバーが提供するコンテンツを再生する端末と、
各利用者並びにグループのコンテンツ再生停止位置情報を各々のアカウント情報と紐付けして保持し、利用者又はグループが使用する端末に再生停止位置情報を提供するメタデータ・サーバーと、
を具備する情報通信システムである。
【0033】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【発明の効果】
【0034】
本明細書で開示する技術によれば、複数の利用者が同時に利用するコンテンツの再生停止位置情報を好適に管理して、利用者の簡単な操作によって、複数の利用者や複数の端末で利用することができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、コンピューター・プログラム、並びに情報通信システムを提供することができる。
【0035】
本明細書で開示する技術を適用した情報通信システムでは、複数の利用者で同時に利用する端末(共用端末)に、複数の利用者で構成されるグループ・アカウントを設けるように構成されている。共用端末は、起動時に、再生停止位置情報を保持する機器(メタデータ・サーバー)にグループ・アカウントを使って自動ログインすることができ、個人で独占使用する端末(占有端末)同様に、ログインを意識することなく、同様の使い勝手を実現することができる。
【0036】
また、本明細書で開示する技術を適用した情報通信システムでは、複数の利用者で同時に利用する端末(共用端末)上でコンテンツ再生中に途中で停止したときの再生停止位置情報を、利用者個人を特定せず、複数の利用者で構成されるグループのアカウント情報に紐付けて機器(メタデータ・サーバー)に保持する。したがって、グループに属する各利用者のアカウント情報に紐付いて保持される再生停止情報を失うことがない。また、機器(メタデータ・サーバー)側では、利用者やグループのアカウント毎に再生停止位置情報を管理し、システム内の端末台数分の再生停止位置情報を保持する必要がない。
【0037】
また、本明細書で開示する技術によれば、占有端末でコンテンツの再生を停止した場合とは別に、共用端末の再生停止位置情報を管理するので、利用者は、専用機器から共用端末へ、また、共用端末から占有端末へ乗り換えて、コンテンツの続きの再生を開始することができる。
【0038】
また、本明細書で開示する技術を適用した情報通信システムでは、占有端末として自動ログイン済みの遠隔制御装置(リモコン)から共用端末を制御した場合に、共用端末は、専用端末の利用者のアカウント情報を継承して再ログインすることで、利用者の占有端末となる。そして、制御している利用者のアカウント情報に紐付けられた再生停止位置情報を利用することができるようになるので、自然な使用感を得ることができる。占有端末の制御を受けた共用端末が、占有端末のログイン状態を継承することで、利用者に面倒な操作をさせることなく、再生停止位置情報の保持利用が可能となる。
【0039】
また、本明細書で開示する技術によれば、共用端末は、起動後に、最新の再生停止位置情報を取得することで、対応するコンテンツの出自を確認することができるので、すみやかに再生を開始することができる。
【0040】
本明細書で開示する技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本明細書で開示する技術の一実施形態に係る情報通信システム100の構成を模式的に示した図である。
図2図2は、情報通信システム100内で稼働可能な複数の端末のうち、1人の利用者がほとんど占有して利用する占有端末の利用者アカウント登録例を示した図である。
図3図3は、情報通信システム100内で稼働可能な複数の端末のうち、複数の利用者が同時に利用することがある共用端末の利用者アカウント登録例を示した図である。
図4図4は、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図5図5は、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図6図6は、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図7A図7Aは、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図7B図7Bは、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図7C図7Cは、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図8図8は、メタデータ・サーバー102で保持するメタデータの構成例を示した図である。
図9図9は、メタデータ・サーバー102で保持するメタデータの他の構成例を示した図である。
図10図10は、家族用と利用者毎の再生停止位置情報を利用可能なコンテンツ再生画面の構成例を示した図である。
図11図11は、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図12図12は、情報通信システム100においてコンテンツの継続再生を行なうための通信シーケンス例を示した図である。
図13図13は、メタデータ・サーバー102として動作する情報処理装置1300の機能的構成を模式的に示した図である。
図14図14は、占有端末111…又は共用端末121…として動作する情報処理装置1300の機能的構成を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照しながら本明細書で開示する技術の実施形態について詳細に説明する。
【0043】
図1には、本明細書で開示する技術の一実施形態に係る情報通信システム100の構成を模式的に示している。図示の情報通信システム100は、コンテンツを蓄積するコンテンツ・サーバー101と、コンテンツの再生に関連するメタデータを管理するメタデータ・サーバー102と、コンテンツを再生する複数の端末111…で構成され、例えば一般家庭内に設置されることを想定している。
【0044】
コンテンツ・サーバー101、メタデータ・サーバー102と、各端末111…は、無線LANルーター103に接続して、ネットワークを構成している。無線LANルーター103は、例えばアクセスポイント機能を装備している。コンテンツ・サーバー101は、動画や音楽、電子書籍、写真(スライドショー)などのコンテンツを蓄積しており、各端末111…はこれらのコンテンツを再生することができる。端末111…上でのコンテンツの再生方法は、DLNA(Digital Living Network Alliance)などの既存の技術を利用することができる。また、各端末111…は、複数の利用者で同時に利用する端末(以下、「共用端末」とも言う)、又は、1人の利用者個人で独占使用する端末(以下、「占有端末」とも言う)として、コンテンツの再生を行なう。
【0045】
例えば端末111上で動画コンテンツを再生する場合、端末111は、DLNA規格に則ってネットワーク上で機器探索して、再生のためのコンテンツ配信機能を有するコンテンツ・サーバー101を検出する。そして、端末111は、コンテンツ・サーバー101が提供するCDS(Content Directory Service)機能などを利用して、コンテンツ・サーバー101が保有するコンテンツの一覧などの情報を取得し、端末111の利用者に対して、所望のコンテンツを選択できるような操作性を提供する。その後、端末111の利用者が再生を希望するコンテンツを選択すると、コンテンツ・サーバー101に対してコンテンツの取得要求を送信する。コンテンツ・サーバー101は、この要求に応答して、コンテンツを送出する。他の端末112…でコンテンツを再生する場合も同様である。
【0046】
ここで、例えば利用者Aが端末(占有端末)111を使ってコンテンツAを視聴していたが、何らかの理由でその再生を中断した場合、コンテンツの欠落も再生範囲が重複する無駄もなく、コンテンツの継続再生を実現するには、再生停止位置の情報を記憶しておく必要がある。
【0047】
コンテンツ再生機器の中には、再生停止位置の情報を保持するものもある。さらに、利用者Aが別の端末でコンテンツの続きを視聴する場合のために、移動先の端末でも再生停止位置の情報を共有できるシステムもある。しかしながら、1つのコンテンツを複数の利用者や複数の端末で利用する場合には、制御が複雑になり、利用者に煩雑な操作を求めかねないことが懸念される。
【0048】
複数の利用者A〜Dが、同時に端末(共用端末)121(例えば大画面TV)でコンテンツAを視聴しているときに、利用者Aだけがその場を離れることになったが、他の利用者B〜DがコンテンツAの再生をそのまま継続した場合、利用者Aはコンテンツをどこまで視聴したのか分からなくなってしまう。
【0049】
また、複数の利用者A〜Dが、同時に端末(共用端末)121でコンテンツAの再生を停止した後に、利用者Aだけが、その再生停止位置の情報を利用して、自分の占有端末である端末111で引き続きコンテンツを視聴してしまった場合には、上記とは逆に、他の利用者B〜Dはコンテンツをどこまで視聴したのか分からなくなってしまうおそれがある。
【0050】
そこで、本実施形態に係る情報通信システム100では、コンテンツ・サーバー101に保存されているコンテンツの再生停止位置の情報を含む、利用者管理のためのメタデータを保存するメタデータ・サーバー102が設置される。メタデータ・サーバー102は、利用者(複数の利用者による同時使用を含む)がコンテンツの再生を途中で停止した場合の再生停止位置情報を保持し、その続きを再生する際の頭出しに利用する端末(共用端末又は占有端末)に向けて、再生停止位置情報を提供する。図1に示した例では、メタデータ・サーバー102は物理的に独立した装置として構成されるが、メタデータ・サーバー機能をコンテンツ・サーバー101内に包含したり、インターネット上の1つの機能(ネットワーク・サービス)として稼働させたりするようにしてもよい。
【0051】
利用者が正しい停止位置からコンテンツの再生を再開するという上記の課題を解決するには、再生停止位置情報を、利用者とコンテンツに紐付いた付帯情報(メタデータ)としてネットワーク上の端末111…間で相互に利用できる仕組みが必要になる。
【0052】
ここで、図2に示すように、情報通信システム100内で稼働可能な複数の端末のうち、端末111〜114はそれぞれ、1人の利用者が占有して利用する占有端末であると想定する。すなわち、端末111は利用者Aによって占有され、端末112は利用者Bによって占有され、端末113は利用者Aによって占有され、端末114は利用者Cによって占有される(1人の利用者が複数の端末を占有端末として利用することや、1台の端末を複数の利用者がそれぞれ占有端末として利用することも想定される)。占有端末は、その稼働により利用者をほぼ一意に特定することができる。そこで、各利用者A…は、占有端末となる端末111…を初めて使用する際に、メタデータ・サーバー102に対して利用者アカウント登録を行なう。この結果、利用者毎にメタデータ・サーバー102へのログイン用アカウントとして利用者IDが割り振られる。そして、メタデータ・サーバー102が利用者IDに占有端末となる各端末を紐付けすることで(後述)、利用者が占有端末の利用を開始すると、利用者によるログイン操作なしでメタデータ・サーバー102にログイン・アクセスできる環境を提供する。図2に示す例では、メタデータ・サーバー102は、利用者Aには利用者ID:A、利用者Bには利用者ID:B、利用者Cには利用者ID:Cをそれぞれログイン用アカウントとして割り振る。また、メタデータ・サーバー102は、利用者ID:Aには端末111、113を、利用者ID:Bには端末112を、利用者ID:Cには端末114を、それぞれの占有端末として紐付けしている。また、メタデータ・サーバー102は、各利用者A〜Cのメタデータとして、各利用者が視聴するコンテンツの再生停止位置情報を利用者IDに紐付けして保持する。
【0053】
一方、図3に示すように、端末121、122はそれぞれ、1人の利用者が占有するだけでなく、家族など複数の利用者が同時に利用することがある共用端末であると想定する。この種の端末においても、1人の利用者が占有する場合には、上述したように、同端末を初めて使用する際に、メタデータ・サーバー102に対して利用者アカウント登録を行なう。図3に示す例では、端末121の利用者A〜Dに対してログイン用アカウントとして利用者IDがそれぞれ割り振られるとともに、端末122の利用者A、Bに対してログイン用アカウントとして利用者IDがそれぞれ割り振られている。
【0054】
加えて、各端末121、122が複数の利用者によって同時に利用される場合に対処するために、メタデータ・サーバー102は、同じ端末に登録された複数の利用者を取りまとめるグループに登録し、グループ用のログイン用アカウントとしてグループIDを設定する。そして、メタデータ・サーバー102がグループIDに共用端末となる端末を紐付けすることで(後述)、グループに登録されたいずれかの利用者が共用端末の利用を開始すると、利用者によるログイン操作なしでメタデータ・サーバー102にログイン・アクセスできる環境を提供する。図3に示す例では、メタデータ・サーバー102は、端末121の利用者として登録した利用者A〜DをさらにグループAに登録し、メタデータ・サーバー102へのログイン用アカウントとしてグループID:Aを割り振る。同様に、メタデータ・サーバー102は、端末122の利用者として登録した利用者A、BをさらにグループBに登録し、ログイン用アカウントとしてグループID:Bを割り振る。また、メタデータ・サーバー102は、グループID:Aには端末121、グループID:Bには端末122を、それぞれ共用端末として紐付けしている。また、メタデータ・サーバー102は、各グループA、Bのメタデータとして、各グループが視聴するコンテンツの再生停止位置情報をグループIDに紐付けして保持する。
【0055】
ここで、メタデータ・サーバー102は、1台の端末に2人以上の利用者の登録が発生したときなどに、新規に登録する利用者を登録済みの利用者と同じグループを構成する処理を自動で行なうようにし、1台の端末には1グループしか扱わないなど、グループ登録を簡略な機能に制限して、利用者に煩雑な操作を求めないようにしてもよい。あるいは、その後に想定される利用者の使い方により柔軟に対応できるように、登録済みのグループに加わるのか、端末に登録済みのグループとは別のグループを構成するのか、又は、どのグループにも属さない単一の利用者として登録するのかをユーザーに選択若しくは設定させるようにしてもよい。機能を簡略化する場合、グループへの登録をユーザーに選択・設定させる場合のいずれにおいても、利用者が端末の利用開始する際に、メタデータ・サーバー102へのログイン操作なしで、あらかじめ設定した利用者乃至グループでの稼働が可能とすることが好ましい。このため、各端末にはログインに必要な情報を安全に保持する仕組みが望まれる。
【0056】
図4には、情報通信システム100において利用者がコンテンツを利用するための通信シーケンス例を示している。図示の例では、利用者Aが端末111並びに端末113を占有端末として登録していることを想定している。そして、利用者Aは、コンテンツ・サーバー101に蓄積されている動画コンテンツAを端末111上で再生し、一旦再生処理を中断した後、端末113で再生を再開する。その際、メタデータ・サーバー102が動画コンテンツAの再生停止位置などのメタデータを保存しているので、端末113ではこの再生停止位置情報を取得して動画コンテンツAを継続再生する。
【0057】
利用者Aが端末111を起動すると、端末111は、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ401)、ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ402)。
【0058】
次いで、端末111は、コンテンツ・サーバー101へ、コンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ403)。これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ404)。
【0059】
端末111は、受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。そして、利用者Aはこのコンテンツ・リストから所望の動画コンテンツAを選択すると(SEQ405)、端末111からコンテンツ・サーバー101へ、動画コンテンツAの(コンテンツ先頭位置からの)再生要求が送信される(SEQ406)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの先頭位置からの配信を開始する(SEQ407)。
【0060】
端末111は、利用者Aの操作などに応じて、動画コンテンツAの再生を中断するために、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ再生停止の要求を送信する(SEQ408)。コンテンツ・サーバー101は、再生停止要求に応答して、動画コンテンツAの配信を停止する。
【0061】
端末111は、動画コンテンツAの再生を停止した際、その再生停止位置を保持する(SEQ409)。次いで、端末111は、メタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインし(SEQ410)、メタデータ・サーバー102へ動画コンテンツAの再生停止位置情報を送信する(SEQ411)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、受信した動画コンテンツAの再生停止位置情報を、利用者Aのアカウント情報である利用者ID:Aに紐付けして保持する(SEQ412)。
【0062】
その後、利用者Aは、端末113の利用を開始し、動画コンテンツAを続きから再生しようと操作する。
【0063】
端末113は、起動すると、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ420)ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ421)。
【0064】
次いで、端末113からコンテンツ・サーバー101へコンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ422)。これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ423)。
【0065】
また、端末113は、メタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインする(SEQ424)。そして、端末113は、利用者Aの再生停止位置情報を要求する(SEQ425)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、利用者ID:Aに紐付けされている再生停止位置情報を返信する(SEQ426)。
【0066】
端末113は、SEQ423で受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。また、SEQ425で受け取った再生停止位置情報に基づいて、再生停止位置情報のあるコンテンツをコンテンツ・リスト上で示す。図示の例では、コンテンツ・リスト上の動画コンテンツAに、利用者Aの再生停止位置情報があることを示される。そして、利用者Aはこのコンテンツ・リストから動画コンテンツAの継続再生を選択する(SEQ427)。端末113は、この選択操作に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの再生要求を、コンテンツ・サーバー101へ送信する(SEQ428)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの配信を再開する(SEQ429)。したがって、利用者Aは、利用する端末を端末111から端末113に切り換えた後も、端末113上で動画コンテンツAの続きを欠落なく視聴することができる。
【0067】
なお、動画コンテンツを、音楽や電子書籍、写真(スライドショー)など別のメディア種別のコンテンツに置き換えても、情報通信システム100において同様にコンテンツの再生停止情報の管理を行なうことができる(以下で説明する各通信シーケンスにおいても同様)。
【0068】
図4に示した通信シーケンス例では、利用者Aが移動先の端末113で動画コンテンツAの続きを再生する際に、端末113を操作して動画コンテンツAを再生する操作(SEQ427)を行なっている。これに対し、メタデータ・サーバー102に送信し保持した動画コンテンツAの再生停止位置情報に、動画コンテンツAの出自を特定できる情報を付加することで、さらに利便性を向上させることもできる。
【0069】
図5には、情報通信システム100において利用者Aが動画コンテンツAの続きを移動先の端末で再生するための通信シーケンス例を示している。図示の例では、メタデータ・サーバー102に送信し保持した動画コンテンツAの再生停止位置情報に、動画コンテンツAの出自を特定できる情報を付加することで、さらに利便性を向上させている。
【0070】
利用者Aが端末111を起動すると、端末111が無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ501)、ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ502)。
【0071】
次いで、端末111は、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ503)、これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ504)。
【0072】
端末111は、受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。そして、利用者Aはこのコンテンツ・リストから所望の動画コンテンツAを選択すると(SEQ505)、端末111からコンテンツ・サーバー101へ、動画コンテンツAの(コンテンツ先頭位置からの)再生要求が送信される(SEQ506)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの先頭位置からの配信を開始する(SEQ507)。
【0073】
端末111は、利用者Aの操作などに応じて、動画コンテンツAの再生を中断するために、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ再生停止の要求を送信する(SEQ508)。コンテンツ・サーバー101は、再生停止要求に応答して動画コンテンツAの配信を停止する。
【0074】
端末111は、動画コンテンツAの再生を停止した際、その再生停止位置を保持する(SEQ509)。次いで、端末111は、メタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインし(SEQ510)、メタデータ・サーバー102へ動画コンテンツAの再生停止位置情報を送信する(SEQ511)。
【0075】
メタデータ・サーバー102は、端末111から受信した動画コンテンツAの再生停止位置情報を、利用者Aのアカウント情報である利用者ID:Aに紐付けして保持する(SEQ512)。このとき、さらに動画コンテンツAの出自を特定できる情報を付加して保持する。
【0076】
その後、利用者Aは、端末113を開始し、動画コンテンツAを続きから再生しようと操作する。
【0077】
端末113は、メタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインする(SEQ520)。そして、端末113は、利用者Aの再生停止位置情報を要求する(SEQ521)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、利用者ID:Aに紐付けされている再生停止位置情報を返信する(SEQ522)。
【0078】
図示の例では、メタデータ・サーバー102からは、利用者Aの動画コンテンツAについての再生停止位置情報が返信される。端末113は、受信した再生停止位置情報には動画コンテンツAの出自を特定できる情報が付加されていることを検知する(SEQ523)。そして、利用者Aは、端末113に対して、動画コンテンツAの継続再生を要求する(SEQ524)。
【0079】
端末113は、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ525)ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ526)。
【0080】
端末113は、動画コンテンツAノ再生停止位置からの再生要求を、コンテンツ・サーバー101へ送信する(SEQ527)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの配信を再開する(SEQ528)。したがって、利用者Aは、端末111から端末113へ移動した後も、簡便な操作により動画コンテンツAの続きを視聴することができる。
【0081】
図5に示した通信シーケンス例において、SEQ524で利用者Aが行なう動画コンテンツAの継続再生要求は、図4に示した通信シーケンス例のSEQ427で利用者が動画コンテンツAを選択する操作よりも簡便であることが好ましい。操作を簡便にする方法を以下に例示しておく。
【0082】
端末113は、起動後自動的にSEQ523を発行して、動画コンテンツAの出自を特定できる再生停止位置情報を取得した場合に、同コンテンツの継続再生の開始要求に呼応した操作子を有効にする。利用者Aは、その操作子を使うことで、動画コンテンツAの継続再生を開始する。
【0083】
図4並びに図5は、1人の利用者Aが自分の占有端末として登録された端末111と端末113を切り換えて使用したときのコンテンツの継続再生を行なう通信シーケンス例を示した。続いて、複数の利用者が共用端末上で再生しているコンテンツの継続再生を行なう通信シーケンスについて説明する。
【0084】
図6には、情報通信システム100において複数の利用者がコンテンツを利用するための通信シーケンス例を示している。図示の例では、端末121を利用する利用者が複数登録されたことでグループAが構成された後に、登録済みの利用者A〜Dがコンテンツの再生を開始し、利用者Cが端末121から離席して、コンテンツの利用を中断している。また、各端末は、内蔵するカメラを持ち、又は、外部接続して連携するカメラを備え、このカメラを用いて、どの利用者がコンテンツAの視聴中であるのかを、顔認識機能を利用して判定できるものとする。
【0085】
まず、利用者Aが共用端末である端末121の利用を開始すると、端末121は、利用者Aを利用者として自端末に登録するとともに(SEQ601)、メタデータ・サーバー102に、利用者Aの利用者登録を要求する(SEQ602)。
【0086】
なお、端末121に利用者Aを登録する際には、カメラ(前述)で利用者の顔を撮影し、顔画像、又は、顔認識により抽出された個人を特定するに足りる情報を取得すると、利用者IDに紐づいた個人識別情報として、メタデータ・サーバー102に保持しておく(他の利用者B〜Dについても同様)。
【0087】
メタデータ・サーバー102は、端末121からの利用者登録要求に応答して、利用者Aにアカウント情報である利用者ID:Aを割り振って登録し、端末121に登録結果応答を返信する(SEQ603)。メタデータ・サーバー102は、利用者Aの登録の際に、利用者Aの個人識別情報を利用者ID:Aに紐付けして登録する。
【0088】
次いで、端末121は、自端末で利用者Aのグループ登録を行なうとともに(SEQ604)、メタデータ・サーバー102に、利用者Aを含むグループAの登録を要求する(SEQ605)。
【0089】
メタデータ・サーバー102は、利用者Aを含むグループAにアカウント情報であるグループID:Aを割り振り、利用者ID:Aに紐付けして登録すると、端末121に登録結果応答を返信する(SEQ606)。
【0090】
その後、利用者B〜Dが端末121の利用に順次加わると、各利用者についてSEQ1〜SEQ6の処理を繰り返し行ない、各々の自端末への利用者登録並びにメタデータ・サーバー102へのアカウント情報の取得、自端末並びにメタデータ・サーバー102に対するグループAへの追加登録処理を行なう。
【0091】
また、図示を省略するが、他の共用端末である端末122上では、利用者Aと利用者BからなるグループBの登録が同様に行なわれるものとする。
【0092】
上記のようにして利用者A〜DからなるグループAが構成されると、端末121上では、利用者A〜DがグループAとして、コンテンツ・サーバー101上にあるコンテンツの視聴を行なう。
【0093】
その際、まず端末121が無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ610)、ネットワーク上のサーバー機器を探索し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102から機器発見応答を受け取る(SEQ611)。
【0094】
次いで、端末121は、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ・リスト要求を送信して(SEQ612)、コンテンツ・サーバー101が送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを取得する(SEQ613)。
【0095】
さらに、端末121は、グループAのアカウント情報であるグループID:Aを用いてメタデータ・サーバー102にログインして(SEQ614)、再生停止位置情報を要求する(SEQ615)。メタデータ・サーバー102は、グループAから再生停止位置情報の要求に対し、グループID:Aに紐付けされている再生停止位置情報、並びに、又は各利用者A〜Dの各々に登録されている再生停止位置情報を返信する(SEQ616)。
【0096】
端末121は、SEQ613で受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。また、SEQ616でグループA又は各利用者A〜Dの再生停止位置情報を受け取った場合には、コンテンツ・リスト上で示す。そして、グループAは、コンテンツ・リストから所望の動画コンテンツAを選択する(SEQ617)。ここでは、グループAは、再生停止位置情報を使用しないで、動画コンテンツAの先頭からの再生を選択したとする。端末121は、動画コンテンツAの(先頭位置からの)再生要求を、コンテンツ・サーバー101へ送信する(SEQ618)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの先頭位置からの配信を開始する(SEQ619)。
【0097】
動画コンテンツAを再生動作中、端末121は、カメラ(前述)からの撮影画像などを使って、動画コンテンツAを視聴する各利用者A〜Dの監視を行なう。図示の例では、利用者Cが離席すると(SEQ620)、端末121はカメラによる監視を通じて利用者Cが離脱したことを検知する(SEQ621)。
【0098】
端末121は、離脱した利用者Cは動画コンテンツAの視聴を中断していると判断して、その時点の再生位置を離席した利用者Cの再生停止位置情報として更新する処理を実施する。すなわち、端末121は、このときの再生位置を利用者Cの再生停止位置情報として取得すると(SEQ622)、メタデータ・サーバー102に利用者Cとしてログインし(SEQ623)、メタデータ・サーバー102へ動画コンテンツAの再生停止位置情報を送信する(SEQ624)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、受信した動画コンテンツAの再生停止位置情報を、利用者Cのアカウント情報である利用者ID:Cに紐付けして保持する(若しくは、利用者ID:Cに紐付けされている再生停止位置情報を更新する)(SEQ625)。
【0099】
その後、グループAの残ったメンバーである利用者A、B、Dが、端末121を操作して、動画コンテンツの再生を中断(若しくは停止)する。これに応答して、端末121は、コンテンツ・サーバー101へ動画コンテンツAの再生停止を要求する(SEQ630)。また、端末121は、グループAの再生停止位置を保持すると(SEQ631)、今度はグループAとしてメタデータ・サーバー102にログインして(SEQ632)、メタデータ・サーバー102へ動画コンテンツAの再生停止位置情報を送信する(SEQ633)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、受信した動画コンテンツAの再生停止位置情報を、グループAのアカウント情報であるグループID:Aに紐付けして保持する(SEQ634)。
【0100】
端末121が、人感センサーのような、利用者を特定することなく視聴状態か否かだけを検知可能なセンサーを装備している場合には、SEQ630では、すべての利用者が不在となったことを検知して動画コンテンツAの再生動作を停止し、再生停止位置情報をグループID:Aに紐付けて登録するようにしてもよい。
【0101】
図7A図7Cには、図6に示した通信シーケンスに引き続いて、情報通信システム100において複数の利用者がコンテンツを利用する他の通信シーケンス例を示している。図7Aに示す例では、グループAから離脱した利用者Cが自分の占有端末上で動画コンテンツを継続再生する。また、図7Bに示す例では、利用者DがグループAとして元の共用端末上で動画コンテンツAを継続再生する。また、図7Cに示す例では、グループAの残りのメンバーである利用者A、Bが他の共用端末で登録されたグループBとして動画コンテンツAの継続再生を行なう。
【0102】
SEQ620で端末121(グループA)から離脱した利用者Cは、その後、自分の占有端末である端末114を使って動画コンテンツAを続きから再生しようと操作する。
【0103】
利用者Cが端末114を起動すると、端末114は、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ701)ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ702)。
【0104】
次いで、端末114は、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ703)。これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ704)。
【0105】
そして、端末114は、メタデータ・サーバー102に利用者Cとしてログインする(SEQ705)。そして、端末114は、メタデータ・サーバー102に利用者Cの再生停止位置情報を要求する(SEQ706)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、利用者ID:Cに紐付けされている再生停止位置情報を返信する(SEQ707)。
【0106】
端末114は、SEQ704で受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。また、SEQ707で受け取った再生停止位置情報に基づいて、再生停止位置情報のあるコンテンツをコンテンツ・リスト上で示す。図示の例では、コンテンツ・リスト上の動画コンテンツAに、利用者Cの再生停止位置情報があることを示される。そして、利用者Cはこのコンテンツ・リストから動画コンテンツAの継続再生を選択する(SEQ708)。端末114は、この選択操作に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの再生要求を、コンテンツ・サーバー101へ送信する(SEQ709)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの配信を開始する(SEQ710)。したがって、利用者Cは、端末121から端末114へ移動した後も、端末114上で動画コンテンツAの続きを欠落なく視聴することができる。また、動画コンテンツAの再生を停止したときには、端末114はメタデータ・サーバー102へそのときの再生停止位置情報を送信し、メタデータ・サーバー102側では利用者ID:Cに紐付けられた再生停止位置情報が更新されることになる(図示しない)。
【0107】
一方、グループAのメンバーの1人である利用者Dは、その後、元の端末121の利用を開始し、グループAとして動画コンテンツAを続きから再生しようと操作する。
【0108】
利用者Dが端末121を起動すると、端末121は、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ711)ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ712)。
【0109】
次いで、端末121は、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ713)。これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ714)。
【0110】
そして、端末121は、メタデータ・サーバー102にグループAとしてログインする(SEQ715)。そして、端末121は、メタデータ・サーバー102にグループAの再生停止位置情報を要求する(SEQ716)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、グループID:Aに紐付けされている、動画コンテンツAの再生停止位置情報を返信する(SEQ717)。
【0111】
端末121は、SEQ714で受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。また、SEQ717で受け取った再生停止位置情報に基づいて、再生停止位置情報のあるコンテンツをコンテンツ・リスト上で示す。図示の例では、コンテンツ・リスト上の動画コンテンツAに、グループAの再生停止位置情報があることを示される。そして、利用者Dはこのコンテンツ・リストから動画コンテンツAの継続再生を選択する(SEQ718)。端末121は、この選択操作に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの再生要求を、コンテンツ・サーバー101へ送信する(SEQ719)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの配信を再開する(SEQ720)。したがって、利用者DはグループA、元の端末121上で、動画コンテンツAの続きを欠落なく視聴することができる。
【0112】
その後、端末121は、利用者Dの操作などに応じて、動画コンテンツAの再生を中断するために、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ再生停止の要求を送信する(SEQ721)。コンテンツ・サーバー101は、再生停止要求に応答して、動画コンテンツAの配信を停止する。
【0113】
端末121は、動画コンテンツAの再生を停止した際、その再生停止位置を保持する(SEQ722)。次いで、端末121は、メタデータ・サーバー102に利用者Dとしてログインし直すと(SEQ723)、メタデータ・サーバー102へ動画コンテンツAの再生停止位置情報を送信する(SEQ724)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、受信した動画コンテンツAの再生停止位置情報を、利用者Aのアカウント情報である利用者ID:Aに紐付けして保持する(SEQ725)。要するに、図7Bは、共用端末である端末121を、利用者D個人の利用者ID:Dでの占有使用で使用する通信シーケンス例である。利用者個人のアカウント情報で共用端末にログインした場合、その利用者が属するグループの再生停止情報を取得できる、という点を十分理解されたい。
【0114】
また、グループAの残りのメンバーである利用者Aと利用者Bはともに、グループBの端末122へ場所を移動して、グループBとして動画コンテンツAを続きから再生しようと操作する。
【0115】
利用者A及び利用者Bによって端末122が起動されると、端末122は、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ721)ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ722)。
【0116】
次いで、端末122は、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ723)。これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ724)。
【0117】
そして、端末122は、メタデータ・サーバー102にグループBとしてログインする(SEQ725)。グループID:Bに紐付けされている再生停止位置情報を要求する(SEQ726)。そして、端末122は、メタデータ・サーバー102に対し、本明細書の段落0109以降で説明した再生停止位置情報を要求する(SEQ726)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、要求に呼応した動画コンテンツAの再生停止位置情報を返信する(SEQ727)。
【0118】
端末122は、SEQ724で受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。また、SEQ727で受け取った再生停止位置情報に基づいて、再生停止位置情報のあるコンテンツをコンテンツ・リスト上で示す。図示の例では、コンテンツ・リスト上の動画コンテンツAに、再生停止位置情報があることを示される。そして、利用者A、BはグループBとしてこのコンテンツ・リストから動画コンテンツAの継続再生を選択する(SEQ728)。端末122は、この選択操作に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの再生要求を、コンテンツ・サーバー101へ送信する(SEQ729)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの配信を再開する(SEQ730)。したがって、利用者A、Bは、端末121から端末122へ移動した後も、グループBとして動画コンテンツAの続きを欠落なく視聴することができる。また、動画コンテンツAの再生を停止したときには、端末122はメタデータ・サーバー102へそのときの再生停止位置情報を送信し、メタデータ・サーバー102側ではグループID:Bに紐付けられた再生停止位置情報が更新されることになる(図示しない)。
【0119】
ここで、メタデータ・サーバー102で生成し保持するメタデータについて説明する。
【0120】
図8には、メタデータ・サーバー102で保持するメタデータの構成例を示している。同図では、利用者Aに関連するメタデータを図解している。
【0121】
利用者Aは、メタデータ・サーバー102へのログイン用アカウントとして、利用者ID:Aを有している。メタデータ・サーバー102は、この利用者ID:Aに対して、利用者Aが視聴するコンテンツ毎の再生停止位置情報、利用者Aの個人識別情報、並びに、利用者Aが占有端末として使用する各端末111、113の製品情報を紐付けして登録している。ここで言う個人識別情報は、例えばカメラ(前述)で利用者Aを撮影した顔画像若しくは顔認識結果、あるいは、利用者Aが所持するICカードから読み取られた情報などである。
【0122】
また、利用者Aは、共用端末である端末121並びに端末122の利用者でもあり、各共用端末上で登録されたグループA及びグループBのメンバーでもあるので、利用者ID:Aに対して、グループAのログイン用アカウントであるグループID:Aと、グループBのログイン用アカウントであるグループID:Bが紐付けして登録している。さらに、グループID:Aに対して、グループAとして使用する端末121の製品情報と、グループAで利用するコンテンツ毎の再生停止位置情報を紐付けして登録している。同様に、グループID:Bに対して、グループBとして使用する端末122の製品情報と、グループBで利用するコンテンツ毎の再生停止位置情報を紐付けして登録している。
【0123】
利用者ID:Aに端末111、113の製品情報を紐付けることで、利用者Aが自分の占有端末である端末111、113の利用を開始すると、利用者Aによるログイン操作なしでメタデータ・サーバー102にログイン・アクセスできる環境が提供される。また、グループID:Aに端末121の製品情報を紐付けし、グループID:Bに端末122の製品情報を紐づけることで、利用者Aが各グループA、Bの共用端末である端末121、122の利用を開始すると、利用者A(若しくはグループA、Bのその他のメンバー)によるログイン操作なしで、グループA、Bとしてメタデータ・サーバー102にログイン・アクセスすることができる。
【0124】
また、グループID:Aに紐付けされた再生停止位置情報は、利用者Aが共用端末として紐付けされている端末121からメタデータ・サーバー102にログインしたときに取得可能であり、コンテンツの再生を停止する度に、グループID:Aの再生停止位置情報が更新される。同様に、グループID:Bに紐付けた再生停止位置情報は、利用者Aが共用端末として紐付けされている端末122からメタデータ・サーバー102にログインしたときに取得可能であり、コンテンツを再生するとともに再生停止する度に、該当する再生停止位置情報が更新される。
【0125】
他方、利用者ID:Aに紐付けされた再生停止位置情報は、占有端末として紐付けされた端末111、113のいずれかから利用者ID:Aでメタデータ・サーバー102にログインしたとき、又は、共用端末として紐付けされた端末121、122のいずれかから利用者ID:Aに紐づけられたグループIDでメタデータ・サーバー102にログインしたときに取得可能であり、コンテンツを再生するとともに再生停止する度に、該当する再生停止位置情報が更新される。また、利用者Aの占有端末である端末111、113の自動ログインによって利用者ID:Aでメタデータ・サーバー102にログインしたときには、利用者Aが属するグループA、B、すなわちグループID:A、グループID:Bにそれぞれ紐付けされた再生停止位置情報も取得可能である。
【0126】
図9には、メタデータ・サーバー102で保持するメタデータの他の構成例を示している。図示の例では、無線LANルーター103で構築されるネットワークはホームネットワークであり、情報通信システム100内に存在する利用者は一家族からなることを想定している。
【0127】
家族でメタデータ・サーバー102にログイン・アクセスためのログイン用アカウントとして家族アカウント(Family Account)を有し、この家族アカウントには、家族で視聴するコンテンツ毎の再生停止位置情報(Family Resume)が紐付けられている。
【0128】
家族アカウントには、家庭内に設置され、無線LANルーター103に接続されている各端末に紐付けされている。端末は、家庭内の複数の利用者で同時に利用する共用端末と、1人の利用者がほとんど占有して利用し、複数の利用者が同時に利用することが想定されない占有端末に大別される。各端末には、ログイン用アカウント(Device Account)が設定されている。
【0129】
占有端末には、利用者のログイン用アカウント(User Account)が1つずつ紐付けられている。また、各利用者には、利用者が視聴するコンテンツ毎の再生停止位置情報(User Resume)が紐付けされている。一方、共用端末には、端末を同時に使用する複数の利用者が紐付けされている。共用端末の再生位置停止情報は、家族の再生停止位置情報(Family Resume)となる。
【0130】
占有端末は、紐付けされた利用者個人のログイン用アカウント(User Account)でメタデータ・サーバー102に自動ログインし、当該利用者の再生停止位置情報(User Resume)を更新する。一方、共用端末は、端末用のアカウント(Device Account)でメタデータ・サーバー102に自動ログインし、家族用の再生停止位置情報(Family Resume)を更新する。
【0131】
図9に示すメタデータ構成によれば、家庭内の複数の端末間で再生停止位置情報の共有を実現することができる。占有端末並びに共用端末の各機器は、家族用と利用者毎の再生停止位置情報を参照して、コンテンツの継続再生に利用することができる。また、共用端末上でグループとしコンテンツを再生する際には、グループの再生停止位置情報の他、グループ内の各利用者の再生停止位置情報も共有することができる。図10には、家族用と利用者毎の再生停止位置情報を利用可能なコンテンツ再生画面の構成例を示している。再生画面には、コンテンツの巻き戻し、再生停止、再生、一時停止、早送りを指示する各ボタンと、現在の再生位置を示す水平バーが表示されている。水平バーの右端にはコンテンツの総再生時間の値が表示され、左端には現在の再生位置が時間で表示されている。また、家族用と利用者毎の再生停止位置を示す各アンカー(▼)がそれぞれ水平バーの該当する位置に設置されている。
【0132】
図6並びに図7に示した通信シーケンス例では、共用端末である端末121、122では、あらかじめ利用者とグループを登録しておく。そして、内蔵カメラや人感センサーなどの検知手段の性能に応じて端末の使用状態を検知し、利用者が複数若しくは不特定である場合にはグループIDでメタデータ・サーバー102にログインするようにしている(例えば、SEQ614、SEQ630、SEQ725)。共用端末が利用者の検知手段を持たない場合には、端末の利用開始により利用者又はグループのうちいずれのアカウントでメタデータ・サーバー102にログインするのかをあらかじめ設定しておけば、利用者に煩雑なログイン操作を行なわせなくて済む。
【0133】
一方、近年普及の著しいスマートフォンなどの多機能端末では、AV機器をリモコン操作などにより制御するアプリケーションを提供する例がある。本実施形態に係る情報通信システム100に当てはめてみると、利用者個人が占有して使用する占有端末が他の機器制御用のアプリケーションをインストールして、同じ利用者を登録する他の占有端末や共用端末をリモコン操作することが想定される。例えば、ある利用者の占有端末からリモコン操作などにより制御を受けた共用端末は、その利用者が属するグループの使用状態ではなく、利用者個人による使用状態であると検知することも可能である。
【0134】
図6並びに図7に示した通信シーケンス例では、共用端末は、グループでの使用を前提とし、紐付けされたグループIDでメタデータ・サーバー102にログイン・アクセスするようになっていた。しかしながら、複数の利用者IDに紐付けされた共用端末であっても、いずれかの利用者の占有端末からリモコン操作による制御を受けた場合には、グループではなく利用者個人での利用と判断することができる。そこで、共用端末であっても、占有端末から制御を受けたときには、該当する利用者IDでメタデータ・サーバー102にログイン・アクセスすることで、より利用状況に合わせることが可能である。
【0135】
図11には、情報通信システム100において、利用者の占有端末から共用端末を制御して利用者がコンテンツを利用するための通信シーケンス例を示している。図示の例では、利用者Aが自分の占有端末である端末113のリモコン機能を利用して、利用者Aを含むグループAの共用端末である端末121を制御して、動画コンテンツAの継続再生を行なう。利用者Aの占有端末から制御を受ける場合、端末121は、グループAではなく利用者Aでの利用と判断して、継続再生は、利用者Aに紐付けされた再生停止位置情報を用いて行なう。
【0136】
利用者A〜DからなるグループAが端末121の利用を開始したことに伴い、さらに、端末121は、メタデータ・サーバー102にグループAとしてログインする(SEQ1101)。そして、端末121は、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ1102)、ネットワーク上のサーバー機器を探索し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102から機器発見応答を受け取る(SEQ1103)。
【0137】
一方、利用者Aは、自分の占有端末である端末113を用いて端末121のリモコン操作を試みる。
【0138】
端末113は、利用者Aが利用を開始したことに伴い、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ1104)ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ1105)。
【0139】
次いで、端末113からコンテンツ・サーバー101へコンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ1106)。これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ1107)。
【0140】
端末113は、受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。そして、利用者Aは、このコンテンツ・リストから所望の動画コンテンツAを選択すると(SEQ1108)、端末113は、端末121へ動画コンテンツAの再生要求を送信する(SEQ1109)。このコンテンツ再生要求には、選択された動画コンテンツAを識別する情報と、利用者Aのアカウント情報である利用者ID:Aが含まれている。。
【0141】
端末121は、グループAの共用端末として稼働している利用状況であったが、端末113からの動画コンテンツAのコンテンツ再生要求を受信したことにより、利用者A個人での利用に切り替える。具体的には、端末121は、グループAとしてログイン中のメタデータ・サーバー102からログアウトし(SEQ1110)、メタデータ・サーバー102からログアウト完了通知を受信すると(SEQ1111)、上記のコンテンツ再生要求に含まれる利用者ID:Aを用いてメタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインし直す(SEQ1112)。
【0142】
続いて、端末121は、メタデータ・サーバー102に対してAの再生停止位置情報を要求する(SEQ1113)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、利用者ID:Aに紐付けされている再生停止位置情報を返信する(SEQ1114)。そして、端末121は、再生要求された動画コンテンツAの再生停止情報を受け取ることができた場合には、コンテンツ・サーバー101に対して、その再生停止位置からの動画コンテンツAの再生要求を送信する(SEQ1115)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの配信を開始し(SEQ1116)、端末121上では再生停止位置から動画コンテンツAの再生が開始する。したがって、利用者Aは、端末114で端末121をリモコン操作しながら、端末121上で動画コンテンツAの続きを欠落なく視聴することができる。
【0143】
その後、端末113は、端末121へ動画コンテンツAの再生停止要求を送信する(SEQ1117)。このコンテンツ再生停止要求には、選択された動画コンテンツAを識別する情報と、利用者Aのアカウント情報である利用者ID:Aが含まれている。
【0144】
端末121は、端末113からのコンテンツ再生停止要求に応答して、コンテンツ・サーバー101へ動画コンテンツAの再生停止を要求するとともに(SEQ1118)。利用者Aの再生停止位置を保持する(SEQ1119)。そして、端末121は、コンテンツ再生停止要求に含まれる利用者ID:Aを用いてメタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインし(SEQ1120)、メタデータ・サーバー102へ動画コンテンツAの再生停止位置情報を送信する(SEQ1121)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、受信した動画コンテンツAの再生停止位置情報を、利用者Aのアカウント情報である利用者ID:Aに紐付けして保持する(SEQ1122)。したがって、利用者Aは、その後に自分の占有端末である端末111、113で動画コンテンツAの視聴を再開するときも、端末111、113で端末121、122などの共用端末をリモコン操作して動画コンテンツAの視聴を再開するときも、欠落なく継続再生することができる。
【0145】
AV機器に付属される一般的な赤外線通信方式のリモコン装置のように、利用者を特定できない機器を用いて共用端末を制御する場合、共用端末側では、不特定の利用者による利用と判断して、あらかじめ登録されているグループIDでメタデータ・サーバー102にログインする。これに対し、端末113のような占有端末から共用端末を制御する場合には、共用端末側では、端末113に登録された利用者A個人による利用と判断できるので、利用者Aの占有端末としてコンテンツの継続再生を行なうことができる。
【0146】
ここまで説明してきた通信シーケンス例では、メタデータ・サーバー102には、端末でコンテンツの再生を停止したときにログインしている利用者又はグループのアカウント情報(利用者ID又はグループID)に紐付けして、再生停止位置情報が保持される。再生停止位置情報に紐付けるか又は内包する形式で、コンテンツの出自を含め特定可能な情報を保持することで、より簡便な操作によるコンテンツの継続再生を実現することができる。
【0147】
図12には、情報通信システム100において利用者Aが動画コンテンツAの続きを移動先の端末で再生するための通信シーケンス例を示している。図示の例では、メタデータ・サーバー102に送信し保持した動画コンテンツAの再生停止位置情報に紐付けるか又は内包する形式で、動画コンテンツAの出自を特定できる情報を保持することで、さらに利便性を向上させている。
【0148】
利用者Aが端末111を起動すると、端末111が無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ1201)、ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ1202)。
【0149】
次いで、端末111からコンテンツ・サーバー101へ、コンテンツ・リスト要求を送信する(SEQ1203)。これに対し、コンテンツ・サーバー101は、同サーバーが送信可能なコンテンツの一覧からなるコンテンツ・リストを返信する(SEQ1204)。
【0150】
端末111は、受け取ったコンテンツ・リストを画面に表示する。そして、利用者Aはこのコンテンツ・リストから所望の動画コンテンツAを選択すると(SEQ1205)、端末111からコンテンツ・サーバー101へ、動画コンテンツAの(コンテンツ先頭位置からの)再生要求が送信される(SEQ1206)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの先頭位置からの配信を開始する(SEQ1207)。
【0151】
端末111は、利用者Aの操作などに応じて、動画コンテンツAの再生を中断するために、コンテンツ・サーバー101へコンテンツ再生停止の要求を送信する(SEQ1208)。コンテンツ・サーバー101は、再生停止要求に応答して動画コンテンツAの配信を停止する。
【0152】
端末111は、動画コンテンツAの再生を停止した際、その再生停止位置を保持する(SEQ1209)。次いで、端末111は、メタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインし(SEQ1210)、メタデータ・サーバー102へ動画コンテンツAの再生停止位置情報を送信する(SEQ1211)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、受信した動画コンテンツAの再生停止位置情報を、利用者Aのアカウント情報である利用者ID:Aに紐付けして保持する(SEQ1212)。このとき、再生停止位置情報に紐付けするか又は内包する形式で、動画コンテンツAの出自を特定できる情報をさらに保持する。
【0153】
その後、利用者Aは、端末113の利用を開始し、動画コンテンツAを続きから再生しようと操作する。
【0154】
端末113は、起動すると、無線LANルーター103経由で機器発見要求を送信して(SEQ1220)ネットワーク上のサーバー機器を探索する。これに対し、コンテンツ・サーバー101並びにメタデータ・サーバー102がそれぞれ機器発見応答を返す(SEQ1221)。
【0155】
次いで、端末113は、メタデータ・サーバー102に利用者Aとしてログインし(SEQ1222)、利用者Aの再生停止位置情報を要求する(SEQ1223)。これに対し、メタデータ・サーバー102は、利用者ID:Aに紐付けされている動画コンテンツAの再生停止位置情報を返信する(SEQ1124)。
【0156】
端末113は、動画コンテンツAの再生停止位置情報を受信すると、利用者Aに対し、継続再生可能なコンテンツがあることを画面表示などで示し、再生開始を促す。ここで、利用者Aが動画コンテンツAの継続再生を許可すると(SEQ1225)、端末121は、再生停止位置情報に含まれている動画コンテンツAの出自を確認して、コンテンツ・サーバー101を特定する。そして、端末121は、動画コンテンツAの(再生停止位置からの)再生要求を、コンテンツ・サーバー101へ送信する(SEQ1226)。コンテンツ・サーバー101は、この再生要求に応答して、動画コンテンツAの再生停止位置からの配信を再開する(SEQ1227)。したがって、利用者Aは、端末111から端末113へ移動した後も、簡便な操作により動画コンテンツAの続きを欠落なく視聴することができる。
【0157】
図1に示した情報通信システム100は、端末111…の利用により利用者認証(利用者又はグループのメタデータ・サーバー102へのログイン)を行なうシステムである。端末を使用する利用者の情報と、使用する端末の情報がともにメタデータ・サーバー102に未登録の場合には、利用者をメタデータ・サーバー102に登録して、ログイン用アカウントとして利用者IDを取得することができる。また、登録に使用する端末が内蔵カメラを用いて利用者の顔を撮影するなどして個人を特定できる個人識別情報を得ることができる場合には、メタデータ・サーバー102は、個人識別情報をアカウント情報に紐付けして保持することができる。
【0158】
また、端末を使用する利用者の情報は未登録であるが、使用する端末が既に別の利用者の情報が登録されている場合には、新規の利用者を既登録の利用者とともに端末を共用するグループとしてメタデータ・サーバー102に登録し、ログイン用アカウントとしてグループIDを取得することができる。新規の利用者を自動でグループ登録するようにしてもよいし、既登録の利用者と端末を共用するかどうかを新規の利用者に選択させるようにしてもよい。また、共用しないと選択したときには、メタデータ・サーバー102内の既登録の利用者の情報を消去し又は新規の利用者の情報を上書きするようにしてもよいし、既登録の利用者の情報を残したまま、新規の利用者の情報を追加登録するようにしてもよい。
【0159】
端末を既登録の利用者とは共用せず、且つ、後者の新規の利用者の情報を追加登録することを利用者が選択した場合、端末の利用開始で自動認証(利用者IDによる自動ログイン)を可能とする設定ができる。また、後者の場合、端末が持つ内蔵カメラで利用者の顔を撮影するなど個人識別情報を得ることができる場合に、同端末の利用開始で自動認証(利用者IDによる自動ログイン)を可能とする設定ができる。
【0160】
また、端末へ新規登録する利用者が既登録の利用者と共用すること(すなわち、グループ登録を行なうこと)を選択した場合、端末は、既登録の利用者からなるグループが存在するのかどうかをメタデータ・サーバー102で確認する。そして、既登録のグループが存在する場合には、端末は、当該グループの新規利用者として、メタデータ・サーバー102へ登録を行なう。一方、既登録のグループが存在しない場合には、端末は、既登録の利用者と新規登録の利用者からなるグループを生成して、メタデータ102へ登録を行なう。
【0161】
いずれにせよ、端末へのグループ登録処理を行なった以降は、同端末の利用開始で、自動認証(すなわち、グループIDによるメタデータ・サーバー102への自動ログイン)を可能とする設定ができる。あるいは、同端末の利用開始で、グループ自動認証を解除して、利用者IDによるログインを可能とすることもできる。
【0162】
グループ自動認証を解除する場合、自動認証(利用者IDによる自動ログイン)を可能とする設定ができる。また、端末が持つ内蔵カメラで利用者の顔を撮影するなど個人識別情報を得ることができる場合に、同端末の利用開始で自動認証(利用者IDによる自動ログイン)を可能とする設定ができる。
【0163】
また、端末へ新規登録する利用者がグループ登録することを選択した場合、既存のグループへの登録、又は、新規のグループを登録のいずれを行なう場合も、端末が持つ内蔵カメラで利用者の顔を撮影するなど個人識別情報を得ることができる場合に、同端末の利用開始で、グループ内の利用者が1人でも検出された場合に、自動認証(すなわち、グループIDによるメタデータ・サーバー102への自動ログイン)を可能とする設定ができる。
【0164】
メタデータ・サーバー102へ登録済みで既に利用者IDを有する利用者が自分の端末として未登録の端末の使用を開始するとき、利用者IDにこの端末の情報を紐付けしてメタデータ・サーバー102へ追加登録する。一方、既に利用者IDを有し且つ自端末を使用端末として登録している利用者が使用を開始するときは、メタデータ・サーバー102へ重複して登録しない。
【0165】
また、図1に示した情報通信システム100では、端末がリモコン操作などにより他の端末を制御することを想定している。その際、制御を受ける端末は、制御する側の端末のログイン状態を継承する。例えば、ある利用者が、自分の占有端末から、グループとして共用する端末を制御しようとする場合、この共用端末は、グループとしてではなくこの利用者の利用者IDでメタデータ・サーバー102にログインして、コンテンツの再生停止位置情報の登録・更新や再生停止位置情報の取得を行なう。
【0166】
また、図1に示した情報通信システム100では、利用者のコンテンツの再生停止位置情報を利用者IDに紐付けしてメタデータ・サーバー102に登録するが、同利用者若しくは同利用者が属するグループに登録されている別の端末でも利用可能である。
【0167】
例えば、複数の端末で共有可能な動画、音楽、電子書籍、写真(スライドショー)などのコンテンツAを利用している端末Aにおいてその再生を停止したとき、端末Aが利用者Aによるログイン状態であれば、端末Aは、利用者ID:Aに紐付けて再生停止位置情報をメタデータ・サーバー102に登録する。そして、この再生停止位置情報は、利用者ID:A、並びに利用者Aが属するグループID:Aでログインした占有端末、共用端末から利用して、コンテンツを継続再生することができる。
【0168】
また、端末Aが、利用者Aが属するグループAのグループID:Aによるログイン状態であれば、コンテンツの再生を停止したときに、グループID:Aに紐付けて再生停止位置情報をメタデータ・サーバー102に登録する。そして、この再生停止位置情報は、グループID:Aでログインした共用端末、並びにグループAに属する各利用者の利用者IDでログインした占有端末から利用して、コンテンツを継続再生することができる。
【0169】
また、端末Aが、利用者Aが属するグループAのグループID:Aによるログイン状態でコンテンツを再生中に、利用者Aによる端末Aの使用が終了したことを検知できたとき(例えば、利用者Aの端末Aからの離脱を検出したとき)、端末Aは、利用者ID:Aに紐付けて再生停止位置情報をメタデータ・サーバー102に登録する。そして、この再生停止位置情報は、利用者ID:A、並びに利用者Aが属するグループID:Aでログインした占有端末、共用端末から利用して、コンテンツを継続再生することができる。
【0170】
但し、メタデータ・サーバー102は、利用者ID:Aに紐付けされた再生停止位置情報の、利用者ID:A以外の利用者ID、及び、用者Aが属するグループ以外のグループIDでログインした端末からの利用を抑止する。
【0171】
図13には、情報通信システム100内でメタデータ・サーバー102として動作する情報処理装置1300の機能的構成を模式的に示している。図示の情報処理装置1300は、入出力部1310と、通信部1320と、制御部1330と、記憶部1340を備えている。
【0172】
入出力部1310は、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置と、ディスプレイやプリンターなどの出力装置で構成される。
【0173】
通信部1320は、無線LANルーター103経由でホームネットワークに接続し、コンテンツ・サーバー101や端末111…との通信動作を行なう。また、通信部1320はインターネットなどの外部ネットワークに接続していてもよい。
【0174】
記憶部1340などからなり、制御部1330で実行するソフトウェア・プログラムやメタデータ(図8図9を参照のこと)を格納している。
【0175】
制御部1330は、所定のメタデータ・サーバー機能を実現するアプリケーション・プログラムを実行して、アカウント登録部1331、メタデータ保持部1332、メタデータ提供部1333としての機能を実現する。
【0176】
アカウント登録部1331は、端末111…に対して、利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を配布するとともに、メタデータとして記憶部1340に保持する。
【0177】
メタデータ保持部1332は、端末111…から利用者又はグループが使用する端末の情報とコンテンツの再生停止位置情報を受け取り、該当する利用者又はグループのアカウント情報に紐付けして、メタデータとして記憶部1340に保持する。
【0178】
メタデータ提供部1333は、利用者又はグループが利用する端末111…に対し、記憶部1340に保持されているメタデータ内で、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供する。
【0179】
また、図14には、情報通信システム100内で占有端末111…又は共用端末121…として動作する情報処理装置1300の機能的構成を模式的に示している。図示の情報処理装置1400は、入出力部1410と、センサー部1420と、通信部1430と、制御部1440備えている。
【0180】
入出力部1410は、キーやボタン、タッチパネルなどの入力装置と、ディスプレイなどの出力装置で構成される。出力装置は、再生コンテンツの出力に用いられる。
【0181】
センサー部1420は、利用者を撮影して顔画像を得るカメラや、利用者が所持するICカードを読み取る読み取り装置、人感センサーなどからなる。
【0182】
通信部1430は、無線LANルーター103経由でホームネットワークに接続し、コンテンツ・サーバー101やメタデータ・サーバー102との通信動作を行なう。メタデータ・サーバー102に対してはメタデータの登録・更新・読み取りを行ない、コンテンツ・サーバー101に対しては、コンテンツ・リストの要求やコンテンツの再生要求(継続再生を含む)を行なう。
【0183】
制御部1440は、所定の端末機能を実現するアプリケーション・プログラムを実行して、コンテンツ再生部1441、利用者検出部1442、登録部1443、再生停止位置情報登録部1444、再生停止位置情報取得部1445としての機能を実現する。
【0184】
コンテンツ再生部1441は、通信部1430を介してコンテンツ・サーバー101から配信されるコンテンツを再生する。コンテンツを先頭位置からではなく継続再生するときには、メタデータ・サーバー102から受信したコンテンツの再生停止位置情報を付けて、コンテンツ・サーバー101にコンテンツ再生要求を送信する。
【0185】
利用者検出部1442は、センサー部1420からのセンサー出力に基づいて、利用者を検出する。センサー部1420がカメラの場合には、利用者検出部1420は、撮影画像から顔画像を抽出し、さらには顔認識を行ない、抽出した顔画像や顔認識結果を、検出した利用者の個人識別情報とする。また、センサー部1420が読み取り装置の場合には、利用者検出部1420は、利用者が所持するICカードから個人識別情報を読み取る。また、センサー部1420が人感センサーの場合には、利用者検出部1420は、センサー出力から利用者個人を識別する情報を得ず、不特定人数の利用者の存在を確認する。
【0186】
登録部1443は、利用者検出部1442が検出した利用者又はグループをメタデータ・サーバー103に登録して、当該端末を使用する利用者又はグループ毎に、メタデータ・サーバー102にログイン・アクセスするためのアカウント情報を取得する。
【0187】
再生停止位置情報登録部1444は、当該端末を使用する利用者又はグループのアカウント情報を用いてメタデータ・サーバー102にログインして、コンテンツ再生部1441におけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する。
【0188】
再生停止位置情報取得部1445は、当該端末を使用する利用者又はグループがコンテンツ再生部1441でコンテンツの継続再生を行なう際に、そのアカウント情報を用いてメタデータ・サーバー102にログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する。
【0189】
本明細書で説明した実施形態の特徴について、以下にまとめておく。
【0190】
(1)利用者の顔部分を撮影可能なカメラを内蔵し又は外部接続する端末は、顔認識機能により、利用者個人又は複数の利用者による同時使用かなど、利用状況を把握することができる。また、複数の利用者による同時使用時に、利用状況を監視し、カメラの視野外になった利用者を検出すると、端末で再生中のコンテンツを特定する情報と、視野外になった時点での再生位置の情報を、その利用者と紐付けしてメタデータ・サーバー102に保持する。よって、複数の利用者で共用端末を使用しているときであっても、特別な操作なしで、利用者個人の再生停止位置情報を更新することができる。
【0191】
(2)複数の利用者からなるグループで共用端末を同時に使用中に生成されたコンテンツの再生停止位置情報を、グループIDに紐付けしてメタデータ・サーバー102に保持しておき、その後、同じグループIDだけでなく、同じグループに属する利用者IDでも再生停止位置情報を読み出し可能とする。これによって、共用端末でコンテンツの再生を途中で停止した場合であっても、利用者個人の占有端末から継続再生を行なうことができる。
【0192】
(3)メタデータ・サーバー102は、端末から再生停止位置情報を読み出す際に、利用者を特定するログイン方式を採用しつつ、グループIDによるログインを採用し、複数の利用者による同時使用を可能としている。したがって、民生用AV機器には馴染みの薄い利用者によるログイン操作を必要としない。
【0193】
(4)端末は、利用者の顔部分を撮影可能なカメラを内蔵し又は外部接続している。端末からメタデータ・サーバー102に、利用者やグループがアカウント情報である利用者ID、グループIDでログインする際に、顔認識機能を利用することにより、利用者による操作を不要とすることができる。
【0194】
(5)メタデータ・サーバー102は、利用者個人の占有端末上でコンテンツ再生中に生成された再生停止位置情報を利用者IDに紐付けして保持し、利用者の利用者IDだけでなく利用者が属するグループIDでも読み出し可能にしている。したがって、利用者が自分の占有端末上でコンテンツの再生を途中停止した場合に、利用者が属するグループの共用端末上でもコンテンツの継続再生が可能である。
【0195】
(6)利用者がある端末上でコンテンツの再生を中断した場合に、その再生停止位置情報を、元の端末とは別の機器であるメタデータ・サーバー102上で保持することで、その後利用者が別の端末に移動しても、コンテンツを欠落することなく継続再生することが可能である。
【0196】
(7)端末上でコンテンツの再生を中断した際の再生停止位置情報に紐付けするか又は内包する形式で、コンテンツの出自及びコンテンツ自身を特定可能な情報を併せて保持することで、再生停止位置からコンテンツを継続再生する際の操作を簡便にすることができる。
【0197】
なお、本明細書の開示の技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録部と、利用者又はグループが使用する端末の情報とコンテンツの再生停止位置情報を利用者又はグループのアカウント情報に紐付けして保持するメタデータ保持部と、利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供部と、を具備する情報処理装置。
(2)前記メタデータ保持部は、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信した再生停止位置情報を当該利用者のアカウント情報に紐付けして保持し、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末から受信した再生停止位置情報を当該グループのアカウント情報に紐付けして保持する、上記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記メタデータ提供部は、利用者個人のアカウント情報を用いてログインしてきた端末に対して、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、並びに、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を提供する、上記(1)に記載の情報処理装置。
(4)前記メタデータ提供部は、グループのアカウント情報を用いてログインしてきた端末に対して当該グループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、当該グループを紐付けした利用者個人(複数の場合あり)の再生停止位置情報、並びに、当該グループを紐付けした利用者個人にさらに紐付けされた別のグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を提供する、上記(1)に記載の情報処理装置。
(5)前記メタデータ保持部は、コンテンツの出自に関する情報と併せて再生停止位置情報を保持する、上記(1)に記載の情報処理装置。
(6)コンテンツを再生するコンテンツ再生部と、利用者を検出する利用者検出部と、前記利用者検出部が検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録部と、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生部におけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録部と、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得部と、を具備し、前記コンテンツ再生部は、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生する、情報処理装置。
(7)前記登録部は、前記利用者検出部が検出した複数の利用者をグループとしてメタデータ・サーバーに登録してグループのアカウント情報を取得する、上記(6)に記載の情報処理装置。
(8)前記再生停止位置情報取得部は、利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、並びに、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を取得する、上記(6)に記載の情報処理装置。
(9)前記再生停止位置情報取得部は、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該グループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報、当該グループを紐付けした利用者個人(複数の場合あり)の再生停止位置情報、並びに、当該グループを紐付けした利用者個人にさらに紐付けされた別のグループ(複数の場合あり)の再生停止位置情報を取得する、上記(6)に記載の情報処理装置。
(10)前記再生停止位置情報登録部は、グループとして視聴しているコンテンツの再生を停止したことに応答して、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、再生停止位置情報をグループのアカウント情報に紐付けして登録する、上記(6)に記載の情報処理装置。
(11)前記利用者検出部がグループの一部の利用者の離脱を検出したことに応答して、前記再生停止位置情報登録部は、前記の離脱した利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、離脱した時点での再生位置情報を再生停止位置情報として前記の離脱した利用者のアカウント情報に紐付けして登録する、上記(6)に記載の情報処理装置。
(12)前記利用者検出部がグループの利用者全員の不在を検出したことに応答して、前記再生停止位置情報登録部は、グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、全員の不在を検出した時点での再生位置情報を再生停止位置情報としてグループのアカウント情報に紐付けして登録する、上記(6)に記載の情報処理装置。
(13)グループのアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログイン中に、当該グループに属する利用者個人が使用する端末からの制御を受けたことに応答して、当該グループとして前記メタデータ・サーバーからログアウトし、当該利用者個人のアカウント情報を用いて再ログインする、上記(6)に記載の情報処理装置。
(14)前記再生停止位置情報取得部は、グループに属する利用者個人が使用する端末からコンテンツ再生要求を受け取ったことに応答して、当該利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、当該利用者個人のアカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する、上記(13)に記載の情報処理装置。
(15)前記再生停止位置情報登録部は、グループに属する利用者個人が使用する端末からコンテンツ再生停止要求を受け取ったことに応答して、当該利用者個人のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、コンテンツの再生停止位置情報を当該利用者個人のアカウント情報に紐付けして登録する、上記(13)に記載の情報処理装置。
(16)前記再生停止位置情報取得部は、コンテンツの出自に関する情報と併せて再生停止位置情報を取得し、前記コンテンツ再生部は、取得した出自の情報を利用して、コンテンツを特定し再生停止位置から継続再生する、上記(6)に記載の情報処理装置。
(17)利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録ステップと、利用者又はグループが使用する端末の情報とコンテンツの再生停止位置情報を利用者又はグループのアカウント情報に紐付けして保持するメタデータ保持ステップと、利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供ステップと、を有する情報処理方法。
(18)コンテンツを再生するコンテンツ再生ステップと、利用者を検出する利用者検出ステップと、前記利用者検出ステップで検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録ステップと、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生ステップにおけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録ステップと、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得ステップと、を有し、前記コンテンツ再生ステップでは、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生する、情報処理方法。
(19)利用者毎のアカウント情報並びに複数の利用者からなるグループのアカウント情報を登録するアカウント登録部、利用者又はグループが使用する端末の情報とコンテンツの再生停止位置情報を利用者又はグループのアカウント情報に紐付けして保持するメタデータ保持部、利用者又はグループが利用する端末に対し、利用者又はグループのアカウント情報に紐付けされた再生停止位置情報を提供するメタデータ提供部、としてコンピューターを機能させるようコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラム。
(20)コンテンツを再生するコンテンツ再生部、利用者を検出する利用者検出部、前記利用者検出部が検出した利用者をメタデータ・サーバーに登録してアカウント情報を取得する登録部、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、前記コンテンツ再生部におけるコンテンツの再生停止位置情報をアカウント情報に紐付けして登録する再生停止位置情報登録部、利用者のアカウント情報を用いて前記メタデータ・サーバーにログインして、アカウント情報に紐付けされたコンテンツの再生停止位置情報を取得する再生停止位置情報取得部、としてコンピューターを機能させるようコンピューター可読形式で記述され、前記コンテンツ再生部は、コンテンツを先頭位置又は取得した再生停止位置から再生する、コンピューター・プログラム。
(21)コンテンツを提供するコンテンツ・サーバーと、利用者個人又は複数の利用者からなるグループが使用して前記コンテンツ・サーバーが提供するコンテンツを再生する端末と、各利用者並びにグループのコンテンツ再生停止位置情報を各々のアカウント情報と紐付けして保持し、利用者又はグループが使用する端末に再生停止位置情報を提供するメタデータ・サーバーと、を具備する情報通信システム。
【産業上の利用可能性】
【0198】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本明細書で開示する技術について詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書で開示する技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0199】
本明細書では、家庭内に設置されたホームネットワーク上で家族がコンテンツを利用する実施形態について説明してきたが、本明細書で開示する技術の要旨はこれに限定されるものではない。広域ネットワーク上で不特定多数の利用者がコンテンツを利用する情報通信システムに対しても、同様に本明細書で開示する技術を適用することができる。
【0200】
本明細書で開示する技術は、動画を始め、音楽、電子書籍、写真(スライドショー)などさまざまにコンテンツの再生停止情報の管理に利用することができる。
【0201】
要するに、例示という形態により本明細書で開示する技術について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本明細書で開示する技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【符号の説明】
【0202】
100…情報通信システム
101…コンテンツ・サーバー
102…メタデータ・サーバー
103…無線LANルーター
111、112、113、114…端末(占有端末)
121、122…端末(共用端末)
1300…情報処理装置(メタデータ・サーバー)
1310…入出力部
1320…通信部
1330…制御部
1331…アカウント登録部
1332…メタデータ保持部
1333…メタデータ提供部
1340…記憶部
1400…情報処理装置(端末)
1410…入出力部
1420…センサー部
1430…通信部
1440…制御部
1441…コンテンツ再生部
1442…利用者検出部
1443…登録部
1444…再生停止位置情報登録部
1445…再生停止位置情報取得部
図13
図14
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12