(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記光源は、LEDチップを有する発光部と、上記主走査方向に延びる細長状であり、上記発光部が出射する光を導く導光体と、を備えている、請求項10に記載の密着型イメージセンサ。
上記光源は、LEDチップを有する発光部と、上記主走査方向に延びる細長状であり、上記発光部が出射する光を導く導光体と、を備えている、請求項13に記載の密着型イメージセンサ。
上記光源は、LEDチップを有する発光部と、上記主走査方向に延びる細長状であり、上記発光部が出射する光を導く導光体と、を備えている、請求項16に記載の密着型イメージセンサ。
上記信号処理部は、上記第4の色情報を、上記第1の電気信号、上記第2の電気信号、上記第3の電気信号、および、上記第4の電気信号を用いて導出する、請求項21に記載の画像読取装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、可視領域外の光の読み取りも行うことが可能なセンサICを提供することである。さらに、そのようなセンサICを備えることにより、可視領域外の光を利用した画像を生成可能な密着型イメージセンサおよび画像読取装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるセンサICは、主走査方向に沿って並ぶ複数の第1の受光部を有する第1の受光部列と、上記主走査方向に沿って並ぶ複数の第2の受光部を有する第2の受光部列と、上記主走査方向に沿って並ぶ複数の第3の受光部を有する第3の受光部列と、上記主走査方向に沿って並ぶ複数の第4の受光部を有する第4の受光部列と、上記複数の第1の受光部、上記複数の第2の受光部、上記複数の第3の受光部、および、上記複数の第4の受光部に接続された制御回路と、を備えており、上記第1の受光部列、上記第2の受光部列、上記第3の受光部列、および、上記第4の受光部列は、副走査方向に沿って並べられており、上記各第1の受光部は、可視領域に含まれる第1の波長の光を受光し、上記各第2の受光部は、可視領域に含まれ、かつ、上記第1の波長とは異なる第2の波長の光を受光し、上記各第3の受光部は、可視領域に含まれ、かつ、上記第1の波長および上記第2の波長とは異なる第3の波長の光を受光し、上記各第4の受光部は、可視領域外の第4の波長の光を受光し、上記制御回路は、上記各第1の受光部が受光する光に応じた第1の電気信号、上記各第2の受光部が受光する光に応じた第2の電気信号、上記各第3の受光部が受光する光に応じた第3の電気信号、および、上記各第4の受光部が受光する光に応じた第4の電気信号を出力することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、上記制御回路が出力する上記第4の電気信号は、可視領域外の第4の波長の光に関する情報を含んでいる。すなわち、上記センサICを採用すれば、赤外光あるいは紫外光を用いて読み取りを行う密着型イメージセンサおよび画像読取装置を実現可能である。
【0008】
本発明の好ましい第1の実施の形態においては、上記各第1の受光部は、上記第1の波長の光を透過させる第1のカラーフィルタと、上記第1のカラーフィルタを通過した光を受光する第1の光電変換素子と、を有し、上記各第2の受光部は、上記第2の波長の光を透過させる第2のカラーフィルタと、上記第2のカラーフィルタを通過した光を受光する第2の光電変換素子と、を有し、上記各第3の受光部は、上記第3の波長の光を透過させる第3のカラーフィルタと、上記第3のカラーフィルタを通過した光を受光する第3の光電変換素子と、を有し、上記各第4の受光部は、上記第4の波長の光を透過させる第4のカラーフィルタと、上記第4のカラーフィルタを通過した光を受光する第4の光電変換素子と、を有している。
【0009】
本発明の好ましい第1の実施の形態においては、上記第4の受光部列は、上記第1の受光部列と上記第3の受光部列との間に設けられている。
【0010】
本発明の好ましい第1の実施の形態においては、上記センサICは、上記第1の電気信号を出力する第1の出力端子と、上記第1の出力端子とは別に設けられており、上記第2の電気信号を出力する第2の出力端子と、上記第1の出力端子および上記第2の出力端子とは別に設けられており、上記第3の電気信号を出力する第3の出力端子と、上記第1の出力端子、上記第2の出力端子および上記第3の出力端子とは別に設けられており、上記第4の電気信号を出力する第4の出力端子とを備えている。
【0011】
本発明の好ましい第2の実施の形態においては、上記センサICは、上記主走査方向に沿って並ぶ複数の第5の受光部を有する第5の受光部列をさらに備えており、上記第5の受光部列は、上記第1の受光部列と上記第3の受光部列との間に位置しており、上記第4の受光部は、赤外光を受光し、上記第5の受光部は、紫外光を受光し、上記各第5の受光部は紫外光を透過させる第5のカラーフィルタと、上記第5のカラーフィルタを通過した光を受光する第5の光電変換素子と、を有しており、上記制御回路は、上記各第5の受光部が受光した紫外光に応じた第5の電気信号を出力する。
【0012】
本発明の好ましい第2の実施の形態においては、上記センサICは、上記第1の電気信号を出力する第1の出力端子と、上記第1の出力端子とは別に設けられており、上記第2の電気信号を出力する第2の出力端子と、上記第1の出力端子、および、上記第2の出力端子とは別に設けられており、上記第3の電気信号を出力する第3の出力端子と、上記第1の出力端子、上記第2の出力端子、および、上記第3の出力端子とは別に設けられており、上記第4の電気信号を出力する第4の出力端子と、上記第1の出力端子、上記第2の出力端子、上記第3の出力端子、および、上記第4の出力端子とは別に設けられており、上記第5の電気信号を出力する第5の出力端子を備えている。
【0013】
本発明の好ましい第3の実施の形態においては、上記各第1の受光部は、上記第1の波長の光を透過させる第1のカラーフィルタと、上記第1のカラーフィルタを通過した光を受光する第1の光電変換素子と、を有し、上記各第2の受光部は、上記第2の波長の光を透過させる第2のカラーフィルタと、上記第2のカラーフィルタを通過した光を受光する第2の光電変換素子と、を有し、上記各第3の受光部は、上記第3の波長の光を透過させる第3のカラーフィルタと、上記第3のカラーフィルタを通過した光を受光する第3の光電変換素子と、を有し、上記各第4の受光部は、上記第1の波長の光、上記第2の波長の光、上記第3の波長の光、および、上記第4の波長の光を受光する第4の光電変換素子と、を有している。
【0014】
本発明の好ましい第3の実施の形態においては、上記第2の受光部列および上記第3の受光部列は、上記第1の受光部列と上記第4の受光部列との間に設けられている。
【0015】
本発明の好ましい第3の実施の形態においては、上記センサICは、上記第1の電気信号を出力する第1の出力端子と、上記第1の出力端子とは別に設けられており、上記第2の電気信号を出力する第2の出力端子と、上記第1の出力端子および上記第2の出力端子とは別に設けられており、上記第3の電気信号を出力する第3の出力端子と、上記第1の出力端子、上記第2の出力端子および上記第3の出力端子とは別に設けられており、上記第4の電気信号を出力する第4の出力端子とを備えている。
【0016】
本発明の第2の側面によって提供される密着型イメージセンサは、本発明の好ましい第1の実施の形態に基づくセンサICと、上記第1の波長の光、上記第2の波長の光、上記第3の波長の光、および、上記第4の波長の光を含む光を出射し、読取対象を照明するための光源と、上記読取対象からの光を上記センサICに正立等倍に結像させるレンズアレイと、を備えていることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、上記光源は、LEDチップを有する発光部と、上記主走査方向に延びる細長状であり、上記発光部が出射する光を導く導光体と、を備えている。
【0018】
好ましくは、上記LEDチップは紫外光を出射し、上記第4の受光部は紫外光を受光し、上記レンズアレイはガラス製である。
【0019】
本発明の第3の側面によって提供される密着型イメージセンサは、本発明の第2の実施形態に基づくセンサICと、上記第1の波長の光、上記第2の波長の光、上記第3の波長の光、赤外光、および、紫外光を含む光を出射し、読取対象を照明するための光源と、上記読取対象からの光を上記センサICに正立等倍に結像させるレンズアレイと、を備えていることを特徴とする。
【0020】
好ましくは、上記光源は、LEDチップを有する発光部と、上記主走査方向に延びる細長状であり、上記発光部が出射する光を導く導光体と、を備えている。
【0021】
好ましくは、上記レンズアレイは、ガラス製である。
【0022】
本発明の第4の側面によって提供される密着型イメージセンサは、本発明の第3の実施形態に基づくセンサICと、上記第1の波長の光、上記第2の波長の光、上記第3の波長の光、および、上記第4の波長の光を含む光を出射し、読取対象を照明するための光源と、上記読取対象からの光を上記センサICに正立等倍に結像させるレンズアレイと、を備えていることを特徴とする。
【0023】
好ましくは、上記光源は、LEDチップを有する発光部と、上記主走査方向に延びる細長状であり、上記発光部が出射する光を導く導光体と、を備えている。
【0024】
好ましくは、上記LEDチップは紫外光を出射し、上記第4の受光部は紫外光を受光し、上記レンズアレイはガラス製である。
【0025】
本発明の第5の側面によって提供される画像読取装置は、本発明の第2の側面に基づく密着型イメージセンサと、上記第1の電気信号、上記第2の電気信号、上記第3の電気信号、および、上記第4の電気信号を受信する信号処理部と、を備えており、上記信号処理部は、上記第1の電気信号に基づく第1の色情報と、上記第2電気信号に基づく第2の色情報と、上記第3の電気信号に基づく第3の色情報と、上記第4の電気信号に基づく第4の色情報と、を含む画素情報を出力することを特徴とする。
【0026】
本発明の第6の側面によって提供される画像読取装置は、本発明の第3の側面に基づく密着型イメージセンサと、上記第1の電気信号、上記第2の電気信号、上記第3の電気信号、上記第4の電気信号、および、上記第5の電気信号を受信する信号処理部と、を備えており、上記信号処理部は、上記第1の電気信号に基づく第1の色情報と、上記第2電気信号に基づく第2の色情報と、上記第3の電気信号に基づく第3の色情報と、上記第4の電気信号に基づく第4の色情報と、上記第5の電気信号に基づく第5の色情報と、を含む画素情報を出力することを特徴とする。
【0027】
本発明の第7の側面によって提供される画像読取装置は、本発明の第4の側面に基づく密着型イメージセンサと、上記第1の電気信号、上記第2の電気信号、上記第3の電気信号、および、上記第4の電気信号を受信する信号処理部と、を備えており、
上記信号処理部は、上記第1の電気信号に基づく第1の色情報と、上記第2電気信号に基づく第2の色情報と、上記第3の電気信号に基づく第3の色情報と、可視領域外の光に関する第4の色情報と、を含む画素情報を出力することを特徴とする。
【0028】
好ましくは、上記信号処理部は、上記第4の色情報を、上記第1の電気信号、上記第2の電気信号、上記第3の電気信号、および、上記第4の電気信号を用いて導出する。
【0029】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0032】
図1には、本発明の第1の実施形態に基づく画像読取装置を示している。本実施形態の画像読取装置101は、密着型イメージセンサ201と、信号処理部400と、画像処理部500と、移送手段600と、制御手段700とを備えている。また、画像読取装置101は、主走査方向xと、主走査方向xと直交する副走査方向yを有しており、読取対象800を副走査方向yに搬送しつつ、一度の走査により主走査方向xに沿う細長帯状の読取領域801を読み取るものである。本実施形態の読取対象800は、たとえば写真といったカラー原稿である。
【0033】
図2には、密着型イメージセンサ201を主走査方向xと直交する平面で切断した概略断面図を示している。
図2に示すように、密着型イメージセンサ201は、センサIC301、筐体21、光源22、透光カバー23、および、レンズアレイ24を備えている。
【0034】
筐体21は、密着型イメージセンサ201の外観の大部分を占める部品であり、主走査方向xに長く延びる細長直方体形状を有している。
図2に示すように、筐体21は図中上下方向に開口し、上方の開口には透光カバー23が、下方の開口にはセンサIC301が嵌め込まれている。また、筐体21の内部には、光源22およびレンズアレイ24が収容されている。
【0035】
光源22は、青色光を出射する第1のLEDチップ221と、緑色光を出射する第2のLEDチップ222と、赤色光を出射する第3のLEDチップ223と、赤外光を出射する第4のLEDチップ224と、主走査方向xに長く延びる細長状の導光体220とを備えている。本実施形態の導光体220は、たとえばアクリル樹脂製であり、第1のLEDチップ221、第2のLEDチップ222、第3のLEDチップ223、および、第4のLEDチップ224が出射した光を主走査方向xに導きつつ、その一部を読取領域801に向けて出射する。
【0036】
レンズアレイ24は、
図2に示すように、読取領域801の図中真下に配置されており、読取領域801からの光をセンサIC301に正立等倍に結像させる。このようなレンズアレイ24は、たとえば、複数のロッドレンズを主走査方向xに沿って配列することで実現可能である。
【0037】
センサIC301は、
図2および
図3に示すように、基板31、読取部32、制御回路35、第1の出力端子361、第2の出力端子362、第3の出力端子363、および、第4の出力端子364を備えている。
【0038】
基板31は、たとえばガラスエポキシ樹脂製であり、
図3に示すように、主走査方向xに長く延びる細長矩形状に形成されている。読取部32は、基板31の副走査方向yにおける
図3中上方寄りの領域に位置しており、制御回路35は基板31の
図3中下方寄りの位置に設けられている。第1の出力端子361、第2の出力端子362、第3の出力端子363、および、第4の出力端子364は、基板31の副走査方向yにおける
図3中下端縁に沿う位置に設けられている。
【0039】
読取部32は、
図2に示すように、レンズアレイ24の図中真下に配置されている。
図3に示すように、読取部32は、各々が主走査方向xに沿って長く延びる第1の受光部列321、第2の受光部列322、第3の受光部列323、および、第4の受光部列324を有している。第1の受光部列321、第2の受光部列322、第3の受光部列323、および、第4の受光部列324は、副走査方向yにおいて互いに異なる位置に設けられている。すなわち、第1の受光部列321、第2の受光部列322、第3の受光部列323、および、第4の受光部列324は、副走査方向yに沿って並んでいる。本実施形態では、第1の受光部列321、第2の受光部列322、第3の受光部列323、および、第4の受光部列324の主走査方向xにおける両端の位置は同一となっている。
【0040】
本実施形態では、第4の受光部列324が、副走査方向yにおいて、第1の受光部列321と第3の受光部列323との間にくるように配置されている。具体的には、
図3に示すように、図中上から、第1の受光部列321、第4の受光部列324、第2の受光部列322、第3の受光部列323の順に並んでいる。換言すると、第4の受光部列324は、読取部32内における
図3中上下の端ではなく、比較的中央寄りの位置に設けられていることになる。
【0041】
図4に示すように、第1の受光部列321は、主走査方向xに沿って一列に、一定のピッチで並ぶ複数の第1の受光部321aを有している。この第1の受光部列321は、第1のLEDチップ221からの青色光を受光するためのものである。便宜上、
図4では、各第1の受光部321aにはBと表記している。各第1の受光部321aは、第1のカラーフィルタ331および第1の光電変換素子341を有している。第1のカラーフィルタ331は第1の光電変換素子341を覆うように設けられており、第1の光電変換素子341には第1のカラーフィルタ331を通過した光のみが入射する。本実施形態では、第1のカラーフィルタ331は青色光を透過させ、他の波長の光を遮断する。なお、第1のLEDチップ221が出射する青色光は、本発明の請求項でいう第1の波長の光に相当する。
【0042】
第2の受光部列322は、主走査方向xに沿って一列に、一定のピッチで並ぶ複数の第2の受光部322aを有している。この第2の受光部列322は、第2のLEDチップ222からの緑色光を受光するためのものである。便宜上、
図4では、各第2の受光部322aにはGと表記している。各第2の受光部322aは、第2のカラーフィルタ332および第2の光電変換素子342を有している。第2のカラーフィルタ332は第2の光電変換素子342を覆うように設けられており、第2の光電変換素子342には第2のカラーフィルタ332を通過した光のみが入射する。本実施形態では、第2のカラーフィルタ332は緑色光を透過させ、他の波長の光を遮断する。なお、第2のLEDチップ222が出射する緑色光は、本発明の請求項でいう第2の波長の光に相当する。
【0043】
第3の受光部列323は、主走査方向xに沿って一列に、一定のピッチで並ぶ複数の第3の受光部323aを有している。この第3の受光部列323は、第3のLEDチップ223からの赤色光を受光するためのものである。便宜上、
図4では、各第3の受光部323aにはRと表記している。各第3の受光部323aは、第3のカラーフィルタ333および第3の光電変換素子343を有している。第3のカラーフィルタ333は第3の光電変換素子343を覆うように設けられており、第3の光電変換素子343には第3のカラーフィルタ333を通過した光のみが入射する。本実施形態では、第3のカラーフィルタ333は赤色光を透過させ、他の波長の光を遮断する。なお、第3のLEDチップ223が出射する赤色光は、本発明の請求項でいう第3の波長の光に相当する。
【0044】
第4の受光部列324は、主走査方向xに沿って一列に、一定のピッチで並ぶ複数の第4の受光部324aを有している。この第4の受光部列324は、第4のLEDチップ224からの赤外光を受光するためのものである。便宜上、
図4では、各第4の受光部324aにはIRと表記している。各第4の受光部324aは、第4のカラーフィルタ334および第4の光電変換素子344を有している。第4のカラーフィルタ334は第4の光電変換素子344を覆うように設けられており、第4の光電変換素子344には第4のカラーフィルタ334を通過した光のみが入射する。本実施形態では、第4のカラーフィルタ334は赤外光を透過させ、他の波長の光を遮断する。なお、第4のLEDチップ224が出射する赤外光は、本発明の請求項でいう第4の波長の光に相当する。
【0045】
なお、上記の説明では区別しているが、第1の光電変換素子341、第2の光電変換素子342、第3の光電変換素子343、および第4の光電変換素子344は同一の型の製品を用いて構わない。
【0046】
制御回路35は、各第1の受光部321a、各第2の受光部322a、各第3の受光部列323a、および、各第4の受光部324aに接続されている。本実施形態では、
図3に示すように、制御回路35は3つに分割されており、主走査方向xに沿って互いに距離を隔てつつ並ぶように配置されている。各第1の受光部321a、各第2の受光部322a、各第3の受光部列323a、および、各第4の受光部324aは、電気信号の減衰を抑えるため、3カ所のうち比較的距離の近い位置にある制御回路35に接続されている。
【0047】
制御回路35は、複数の第1の受光部321aが受光する光に応じた第1の電気信号S1、複数の第2の受光部322aが受光する光に応じた第2の電気信号S2、複数の第3の受光部323aが受光する光に応じた第3の電気信号S3、および、複数の第4の受光部324aが受光する光に応じた第4の電気信号S4を出力する。より具体的には、各第1の光電変換素子341は、光を受光すると、その光の強さに応じた電気信号を制御回路35に伝える。制御回路35は、主走査方向xに沿って並ぶ複数の第1の光電変換素子341からの複数の電気信号を増幅して出力する。第1の電気信号S1は、増幅した複数の電気信号を、たとえば発信元の第1の光電変換素子341の並び順に従って連結したものである。第2〜第4の電気信号S2〜S4は、それぞれ対応する第2〜第4の受光部322a〜324aからの信号に対して、第1の電気信号S1の場合と同様の処理を施すことで生成される。
【0048】
図3に示すように、第1の出力端子361、第2の出力端子362、第3の出力端子363、および、第4の出力端子364はそれぞれ別々に設けられている。
図5に示すように、第1の出力端子361は、制御回路35からの第1の電気信号S1を信号処理部400へ出力する。第2の出力端子362は、制御回路35からの第2の電気信号S2を信号処理部400へ出力する。第3の出力端子363は、制御回路35からの第3の電気信号S3を信号処理部400へ出力する。第4の出力端子364は、制御回路35からの第4の電気信号S4を信号処理部400へ出力する。
【0049】
信号処理部400は、センサIC301が出力する電気信号S1〜S4を受信し、受信した電気信号S1〜S4に基づく画素情報Ipを生成し、生成した画素情報Ipを画像処理部500へ送信する。
【0050】
画素情報Ipは、第1の電気信号S1に基づく第1の色情報と、第2電気信号S2に基づく第2の色情報と、第3の電気信号S3に基づく第3の色情報と、第4の電気信号S4に基づく第4の色情報と、を含んでいる。第1の電気信号S1は、青色光を読み取る第1の受光部321aからの電気信号を増幅したものであり、第1の色情報は読取領域801を青色光で読み取った情報である。上記第2の電気信号S2は、緑色光を読み取る第2の受光部322aからの電気信号を増幅したものであり、第2の色情報は読取領域801を緑色光で読み取った情報である。上記第3の電気信号S3は、赤色光を読み取る第3の受光部323aからの電気信号を増幅したものであり、第3の色情報は読取領域801を赤色光で読み取った情報である。また、第4の色情報は、赤外光を読み取る第4の受光部324aからの電気信号を増幅したものであり、第4の色情報は読取領域801を赤外光で読み取った情報である。
【0051】
画像処理部500は、画素情報Ipに基づき読取領域801のカラー読取画像を生成し、走査毎に得られる読取領域801のカラー読取画像を繋ぎ合わせて読取対象800のカラー読取画像を生成する。本実施形態の画像処理部500は、画素情報Ipの第1〜第3の色情報を用いて読取領域801のカラー読取画像を生成し、生成したカラー読取画像に対して補正処理を行う。画像処理部500は、補正処理を行う際に、第4の色情報を使用する。具体的には、画像処理部500は、第4の色情報を用いて、読取領域801あるいは透光カバー23の傷の有無や、読取領域801と透光カバー23との間に微小な粉塵が介在していないかどうかを検出する。
【0052】
移送手段600は、複数の駆動ローラを組み合わせたものであり、制御手段700によって制御される。制御手段700は、密着型イメージセンサ201が主走査方向xに沿う走査を行うごとに、読取対象800を所定の送り幅だけ移動させる。読取対象800の送り幅は、たとえば、第1の受光部列321における複数の第1の受光部321aのピッチと同じ長さである。
【0053】
次に、センサIC301、密着型イメージセンサ201、および、画像読取装置101の作用について説明する。
【0054】
本実施形態の密着型イメージセンサ201は、赤外光を出射する第4のLEDチップ224を備えており、赤外光を用いて読取対象800を走査可能である。さらに、本実施形態のセンサIC301は、赤外光を受光する複数の第4の受光部324aを有する第4の受光部列324を有しており、赤外光を読み取ることが可能である。これらを内蔵する画像読取装置101は、上述したように、赤外光を用いた走査により得られる情報を用いてカラー読取画像の補正を行うことが可能であり、より精度の高いカラー読取画像を得ることができる。
【0055】
本実施形態のセンサIC301は、読取部32がレンズアレイ24の真下にくるように密着型イメージセンサ201内に固定されている。赤外光を受光するための第4の受光部列324は、読取部32の中では比較的中央寄りに設けられており、第1の受光部列321あるいは第3の受光部列323よりもレンズアレイ24からの光を受ける上で有利な位置にある。赤外光は、可視光と比較して減衰しやすい傾向があり、たとえば、レンズアレイ24から出射された赤外光の一部が第4のカラーフィルタ334によって遮断されてしまうことがある。このような事情から、第4の受光部列324をレンズアレイ24からの光をより受けやすい位置に配置するのは理に適った構成である。
【0056】
本実施形態のセンサIC301は、第1〜第4の出力端子361〜364を備えており、制御回路35からの電気信号S1〜S4を読み取る光の色ごとに分割して同時に出力することができる。このような通信方式を用いることで、センサIC301と信号処理部400との通信時間の短縮化を図ることができる。従って、画像読取装置101は、走査してから画像を出力するまでの時間の短縮を図り易い構成を備えている。
【0057】
図6〜
図17は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0058】
図6および
図7は、本発明の第2実施形態に基づく画像読取装置を説明するためのものである。
図6に示す画像読取装置102は、センサIC302が組み込まれた密着型イメージセンサ202を用いて読取対象800の読み取りを行うように構成されている。密着型イメージセンサ202は、赤外光の代わりに紫外光を用いた照明を行い、センサIC302は赤外光の代わりに紫外光の読み取りを行うように構成されている。
【0059】
紫外光は他の波長の光と比較して樹脂製品に大きな影響を与える。このため、本実施形態の密着型イメージセンサ202は、樹脂製のレンズアレイ24の代わりにたとえば石英ガラス製のレンズアレイ24’を備えている。また、光源22は、樹脂製の導光体220の代わりに石英ガラス製の導光体220’を備えている。さらに、本実施形態の第4のLEDチップ224は紫外光を出射する。
【0060】
図7に示すように、第4の受光部列324は、第1の受光部列321と第2の受光部列322との間に配置されている。さらに、第3の受光部列323は、第2の受光部列322の図中下方に配置されている。
【0061】
本実施形態の第4の受光部列324は、第4のLEDチップ224からの紫外光を受光するためのものである。便宜上、
図7では、各第4の受光部324aにはUVと表記している。各第4の受光部324aは、第4のカラーフィルタ334および第4の光電変換素子344を有している。第4のカラーフィルタ334は第4の光電変換素子344を覆うように設けられており、第4の光電変換素子344には第4のカラーフィルタ334を通過した光のみが入射する。本実施形態では、第4のカラーフィルタ334は紫外光を透過させ、他の波長の光を遮断する。なお、本実施形態の第4のLEDチップ224が出射する紫外光は、本発明の請求項でいう第4の波長の光に相当する。
【0062】
なお、紫外光は可視光と比較して吸収されやすい傾向があり、紫外光を透過させる第4のカラーフィルタ334であっても一部を吸収してしまう。このため、第4のカラーフィルタ334を通過した紫外光の強度は小さくなりがちであり、第4の受光部列324を第1の受光部列321あるいは第3の受光部列323よりもレンズアレイ24’からの光を受けやすい位置に配置するのは理に適っている。
【0063】
紫外光を用いても赤外光を用いた場合と同様に、可視光による読み取りだけでは取得できない情報を得ることが可能である。本実施形態の画像読取装置102は、画像読取装置101と同様に、紫外光を用いた走査により得られる情報を用いてカラー読取画像の補正を行うことが可能であり、より精度の高いカラー読取画像を得ることができる。
【0064】
図8および
図9は、本発明の第3実施形態に基づく画像読取装置を説明するためのものである。
図8に示す画像読取装置103は、センサIC303が組み込まれた密着型イメージセンサ203を用いて読取対象800の読み取りを行うように構成されている。
【0065】
図9に示すように、センサIC303では、第1の受光部列321の図中下隣りには第2の受光部列322が位置しており、第4の受光部列324が第2の受光部列322と第3の受光部列323との間に位置にしている。センサIC303のその他の構成はセンサIC302の場合と同様である。
【0066】
本実施形態でも、第4の受光部列324は、レンズアレイ24’からの光を受ける上で、第1の受光部列321あるいは第3の受光部列323よりも有利な位置にある。
【0067】
なお、本実施形態における第4の受光部列324の配置を採用しつつ、紫外光ではなく赤外光を用いた読み取りを行う構成としてもよい。
【0068】
図10および
図11は、本発明の第4実施形態に基づく画像読取装置を説明するためのものである。
図10に示す画像読取装置104は、センサIC304が組み込まれた密着型イメージセンサ204を用いて読取対象800の読み取りを行うように構成されている。
【0069】
図11に示すように、本実施形態のセンサIC304では、第4の受光部列324が読取部32内の図中下端に配置されている。センサIC304のその他の構成は、センサIC301と同様である。
【0070】
このような構成であっても、第4のLEDチップ224が出射する光量が十分であれば、赤外光を用いた読み取りを実現可能である。
【0071】
図12および
図13は、本発明の第5実施形態に基づく画像読取装置を説明するためのものである。
図12に示す画像読取装置105は、センサIC305が組み込まれた密着型イメージセンサ205を用いて読取対象800の読み取りを行うように構成されている。
【0072】
図13に示すように、本実施形態のセンサIC305では、第4の受光部列324が読取部32内の図中下端に配置されている。さらに、本実施形態の各第4の受光部324aは、第4の光電変換素子344のみで構成されている。換言すると、本実施形態のセンサIC305は、センサIC304から第4のカラーフィルタ334を取り除いた構成を備えている。
【0073】
本実施形態の各第4の光電変換素子344は、第1の波長の光、第2の波長の光、第3の波長の光、および、第4の波長の光を受光する。制御回路35が出力する第4の電気信号S4は、第4の光電変換素子344が出力する電気信号を増幅したものであり、第1の波長の光、第2の波長の光、第3の波長の光、および、第4の波長の光に関する情報を内包している。
【0074】
本実施形態の信号処理部400は、第4の色情報を、第1の電気信号S1、第2の電気信号S2、第3の電気信号S3、および、第4の電気信号S4を用いて導出する。具体的には、第4の電気信号S4から、第1の電気信号S1、第2の電気信号S2、第3の電気信号S3を差し引くことで、第4の波長の光により生じた電気信号を算出することができる。
【0075】
本実施形態では、第4のカラーフィルタ334が設けられていないため、第4の光電変換素子344に入射する光の強さは、他の第1〜第3の光電変換素子341〜343よりも強いものになりやすい。このため、第4の受光部列324を、レンズアレイ24から比較的遠い位置に配置するのは理に適っている。
【0076】
なお、本実施形態では、密着型イメージセンサ205は赤外光を用いた読み取りを行うための構成としているが、たとえば密着型イメージセンサ202のように紫外光を用いた読み取りを行う構成としてもよい。
【0077】
図14〜
図17は、本発明の第6実施形態に基づく画像読取装置を説明するためのものである。
図14に示す画像読取装置106は、センサIC306が組み込まれた密着型イメージセンサ206を用いて読取対象800の読み取りを行うように構成されている。画像読取装置106は、可視光3色光に、赤外光および紫外光の双方を加えた5色読み取りを行うためのものであり、その他の構成は画像読取装置101と同様である。
【0078】
図14に示すように、本実施形態の光源22は、赤外光を出射する第4のLEDチップ224と、紫外光を出射する第5のLEDチップ225とを備えている。また、紫外光を通すために、本実施形態では、石英ガラス製の導光体220’およびレンズアレイ24’ を用いる。
【0079】
図15に示すように、本実施形態のセンサIC306は、可視光を読み取るための第1〜第3の受光部列321〜323と、赤外光を読み取るための第4の受光部列324と、紫外光を読み取るための第5の受光部列325とを備えている。また、センサIC306は、互いに別々に設けられた第1〜第5の出力端子361〜365を備えている。
【0080】
第4の受光部列324は、主走査方向xに沿って一列に、一定のピッチで並ぶ複数の第4の受光部324aを有している。便宜上、
図16では、各第4の受光部324aにはIRと表記している。各第4の受光部324aは、第4のカラーフィルタ334および第4の光電変換素子344を有している。第4のカラーフィルタ334は第4の光電変換素子344を覆うように設けられており、第4の光電変換素子344には第4のカラーフィルタ334を通過した光のみが入射する。本実施形態では、第4のカラーフィルタ334は赤外光を透過させ、他の波長の光を遮断する。
【0081】
第5の受光部列325は、主走査方向xに沿って一列に、一定のピッチで並ぶ複数の第5の受光部325aを有している。便宜上、
図16では、各第5の受光部325aにはUVと表記している。各第5の受光部325aは、第5のカラーフィルタ335および第5の光電変換素子345を有している。第5のカラーフィルタ335は第5の光電変換素子345を覆うように設けられており、第5の光電変換素子345には第5のカラーフィルタ335を通過した光のみが入射する。本実施形態では、第5のカラーフィルタ335は紫外光を透過させ、他の波長の光を遮断する。
【0082】
図15および
図16に示すように、第4の受光部列324および第5の受光部列325は、第1の受光部列321と第3の受光部列323との間に配置されている。比較的光の強度が弱くなりやすい赤外光および紫外光を受光する第4の受光部列324および第5の受光部列325を、レンズアレイ24’に比較的近い位置に配置することは理に適った構成である。
【0083】
図17に示すように、本実施形態の制御回路35は、各第5の受光部325aが受光する光に応じた第5の電気信号S5を出力する。各第5の光電変換素子345は、光を受光すると、その光の強さに応じた電気信号を制御回路35に伝える。制御回路35は、主走査方向xに沿って並ぶ複数の第5の光電変換素子345からの複数の電気信号を増幅して出力する。第5の電気信号S5は、増幅した複数の電気信号を、たとえば発信元の第5の光電変換素子345の並び順に従って連結したものである。
【0084】
第5の出力端子365は、制御回路35からの第5の電気信号S5を信号処理部400へ出力する。
【0085】
信号処理部400は、センサIC306が出力する電気信号S1〜S5を受信し、受信した電気信号S1〜S5に基づく画素情報Ipを生成し、生成した画素情報Ipを画像処理部500へ送信する。本実施形態の画素情報Ipは、第5の電気信号S5に基づく第5の色情報をさらに備えている。第5の色情報は、紫外光を読み取る第5の受光部325aからの電気信号を増幅したものであり、第5の色情報は読取領域801を紫外光で読み取った情報である。
【0086】
このような構成によれば、画像読取装置106は、赤外光だけではなく紫外光で読み取った情報をさらに用いてより精度の高いカラー読取画像の補正を行うことができる。
【0087】
本発明に基づくセンサIC、密着型イメージセンサ、および、画像読取装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に基づくセンサIC、密着型イメージセンサ、および、画像読取装置の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0088】
たとえば、上述した密着型イメージセンサ201〜205では、光源22が、第1〜第4のLEDチップ221〜224からの光を導光体220ないし220’に通す構成であるが、蛍光灯等の白色光源を用いてもよい。あるいは、蛍光灯等と、LEDチップと導光体とを備えた光源とを併用しても構わない。また、密着型イメージセンサ206においても、蛍光灯等の白色光源を用いてもよい。