(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の供給装置は、不定形或いは紐状の産業廃棄物、例えば廃プラスチック、廃ゴム等の材料は、テーブルから材料通路に誘導され、通路内においてスクレーパによって解されながら材料排出口に円滑に搬送することができ、精度の高い定量供給を実現し得る。
【0007】
ところで、ウッドチップ、木質ペレット等のように、例えば数10mm〜150mm程度の長さの小片状の材料は、上記複数のスクレーパによって材料通路を搬送誘導される場合、材料排出口からの排出される供給材料に脈動が生じる場合があり、より高い供給精度の定量供給が望まれている。
【0008】
一方、特許文献2の供給装置では、供給材料がタンクから振動ホッパに直接供給される構成であるので、例えば上記ウッドチップ等の材料が塊状になってホッパに落下したとき、塊状の材料の内部には材料間に複数の空間(空隙)が存在するため、これらの空間により塊状となった個々のウッドチップにホッパの振動が伝わり難く、結果として、塊状のまま排出されてしまうことがあり、定量供給に支障をきたすおそれがある。
【0009】
また、特許文献3の供給装置では、ホッパから振動コンベアに供給された材料に脈動が生じた場合、当該脈動を振動コンベアでは解消することができず、定量供給精度を低下するおそれがある。
【0010】
本発明は上記従来装置の課題に鑑みてなされたものであり、材料排出用の回転羽根と振動ホッパを併用することにより、例えば木質ペレット等のような小片状の材料であっても、脈動を生ずることなく、高精度に定量供給を実現することができる振動ホッパを用いた定量供給機を提供することを目的とする。
【0011】
また、電動機等の駆動系を、材料供給に伴う粉塵等から保護し得る構成の定量供給機を提供することを目的とする。
【0012】
また、電動機等の駆動系の冷却を円滑に行うことができる定量供給機を提供することを目的とする。
【0013】
また、装置のメンテナンス等を円滑に行うことができる定量供給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、円筒ケーシングの上部に当該円筒ケーシングと中心軸を共有する環状板を接続し、該環状板の内周縁に上記中心軸を共有する内筒を接続し、上記内筒下端より下側の上記円筒ケーシングの対向内周面間に
薄幅縦板直線状の固定板を縦横に組んだ井桁状の機枠を固定し、当該機枠の中央部上側に上記中心軸を共有する円形底盤を固定し、該円形底盤の上記中心軸上に直立回転軸を設け、上記円形底盤の上面側において上記直立回転軸に複数の回転羽根を放射状に設け、さらに上記直立回転軸を回転駆動する駆動機を上記円形底盤の下側に設け、
上記機枠は、その中央部に上記円形底盤の下側の上記直立回転軸を包囲する包囲機枠を具備し、上記包囲機枠の下側開口部に上記駆動機を覆う防塵カバーを密閉状態に設け、上記包囲機枠と上記円筒ケーシング内周面との間に丸パイプによる直線状の通気管を接続し、上記包囲機枠内の上記駆動部収納空間内と上記円筒ケーシング外部空間とを上記通気管により連通し、上記内筒の下端と上記円形底盤上面との間に環状の材料排出間隙を形成すると共に、上記円形底盤外周縁と上記円筒ケーシング内周面との間に環状の材料落下空間を形成し、上記円筒ケーシングの下部に
おける上記通気管の下側に、上記中心軸を共有すると共に、上記材料落下空間の下側に位置する逆円錐状の振動ホッパを支持すると共に、上記振動ホッパを振動させるための加振機を設け、上記回転羽根の回転により、上記円形底盤上面から上記材料排出間隙及び上記材料落下空間を介して上記振動ホッパ上に落下供給された材料を、上記振動ホッパを介して当該振動ホッパ下部の排出口から排出し得るように構成したものである定量供給機により構成される。
【0015】
上記円筒ケーシングは駆動部支持円筒(1)と外筒(3)により構成することができる。上記環状板は例えば円環状上蓋(4)により構成することができる。上記内周縁は、環状内周開口(4a)により構成することができる。機枠は例えば固定板(6a〜6d)により構成される格子状の支持機枠(6)及びその中央部の包囲機枠(6’)により構成することができる。上記駆動機は例えば直立回転軸に接続された減速機(10’)及び電動機(10)により構成することができる。上記加振機は例えばバイブレータ(25)により構成することができる。このように構成すると、内筒から円筒ケーシング内に材料を投入すると、材料は円形底盤上に収納されると共に上記内筒下端の材料排出間隙から外周方向に所定の安息角にて流出する。回転羽根を回転すると、当該回転羽根の回転に伴って上記円形底盤上の材料は該円形底盤外周方向に移動し、該円形底盤周縁の全域から略均等に、塊を生ずることなく、材料落下空間を介して下方に落下してゆく。上記材料落下空間から落下した材料は振動ホッパ上に落下し、振動ホッパの振動により、円滑に下方に誘導され、当該ホッパの排出口から脈動を生ずることなく定量に排出することができる。
【0017】
上記駆動部収納空間は例えば電動機収納空間(S2)により構成することができる。このように構成すると、上記材料が通過する材料落下空間と上記駆動部収納空間とを隔離することができるため、材料の落下に伴って発生する粉塵等が駆動部収納空間内に進入することを防止することができ、例えば粉塵等を生ずる性状の材料であっても、粉塵の駆動系に与える影響を無くし、支障なく使用することができる。
【0019】
このように構成すると、隔離空間である駆動部収納空間内にて発生する熱を通気管を通じて円筒ケーシング外部に排出することができ、例えば駆動系の冷却を円滑に行うことができる。
【0020】
第
2に、上記振動ホッパは、その上端部と上記円筒ケーシングの下端部との間に設けられた吊下手段により、上記円筒ケーシング下端部に吊り下げ支持されており、上記吊下手段は、上記振動ホッパの振動の上記円筒ケーシング側への伝達を防止するための防振用弾性体を具備しているものであることを特徴とする上記第
1に記載の定量供給機により構成される。
【0021】
上記吊下手段は、例えば円筒ケーシング下端部外周に設けられた支持板(17a)と、上記振動ホッパ上端部外周に設けられた支持板(18a)と、上記両支持板を接続する吊下用ボルト(21)により構成することができる。上記防振用弾性体は、例えば上記吊下用ボルト(21)と上記両支持板(17a,18a)との間に設けられた防振ゴム(23,24)により構成することができる。このように構成すると、振動ホッパの振動の円筒ケーシング側への伝達を防止することができ、装置の無駄な振動を防止して、装置寿命を長く保つことができる。
【0022】
第
3に、上記振動ホッパにおける傾斜面の水平面に対する下向傾斜角度は、上半部側は緩やかな所定の下向傾斜角度を有しており、上記排出口を有する下半部側は上記上半部の上記所定の下向傾斜角度より大きな下向傾斜角度となるように構成されたものであることを特徴とする上記第1
又は2に記載の定量供給機により構成される。
【0023】
上記上半部側は上ホッパ部(14a)、上記下半部側は下ホッパ部(14b)により構成することができる。このように構成すると、上半部側の緩やかな傾斜面の振動によって材料の偏在を防止して、材料を分散して円滑に下方に誘導することができ、下半部側の急な傾斜面の振動によって、分算した材料を速やかに排出口に誘導することができ、振動ホッパの全体の上下高さを抑制して装置を小型化することができる。
【0024】
第
4に、上記振動ホッパの上記上半部側と上記下半部側を着脱可能に設けたものであることを特徴とする上記第
3記載の定量供給機により構成される。
【0025】
このように構成すると、振動ホッパの例えば下半部側を上半部側から離脱して、定量供給機内部のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0026】
第
5に、上記円筒ケーシングを上側円筒部と下側円筒部に上下2分割し、上記下側円筒部に上記機枠及び上記駆動機を固定し、上記上側円筒部に上記内筒を固定するように構成し、上記上側円筒部と上記下側円筒部とを着脱可能としたものであることを特徴とする上記第1〜
4の何れかに記載の定量供給機により構成される。
【0027】
上記上側円筒部は外筒(3)により構成し、上記下側円筒部は駆動部支持円筒(1)により構成することができる。このように構成すると、上記下側円筒部から上側円筒部を離脱することで、円筒内部のメンテナンスを容易に行うことができる。また、材料の搬送容量に応じて上側円筒部の容積を適宜変更することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上述のように、材料を、円形底盤の環状の外周縁の全域から略均等に、塊を生ずることなく、ばらばらに、材料落下空間を介して逆円錐形状の振動ホッパに落下供給することができるため、振動ホッパに落下した個々の材料に効率的に振動を伝達することができ、例えばウッドチップのような小片状の材料であっても、振動ホッパを介して、脈動を生ずることなく、円滑に排出口から定量排出することができる。
上記材料落下空間から上記振動ホッパに落下する際、材料落下空間に通気管が存在するが、これら通気管は丸パイプなので、当該通気管上に材料が滞留することはない。また、上記材料落下空間に上記固定板が存在するが、各固定板の幅は薄いので、上記材料の落下には影響ない。
【0029】
また、材料が通過する材料落下空間と駆動部収納空間とを隔離することができるため、材料の落下に伴って発生する粉塵等が駆動部収納空間内に進入することを防止することができ、例えば粉塵等を生ずる性状の材料であっても、粉塵の駆動系に与える影響を無くし、支障なく使用することができる。
【0030】
また、隔離空間である駆動部収納空間内にて発生する熱を通気管を通じて円筒ケーシング外部に排出することができ、例えば駆動系の冷却を円滑に行うことができる。
【0031】
また、防振用弾性体により、振動ホッパの振動の円筒ケーシング側への伝達を防止することができ、装置の無駄な振動を防止して、装置寿命を長く保つことができる。
【0032】
また、振動ホッパの上半部側の緩やかな傾斜面の振動によって材料の偏在を防止して、材料を分散して円滑に下方に誘導することができ、振動ホッパの下半部側の急な傾斜面の振動によって、分算した材料を速やかに排出口に誘導することができ、これにより逆円錐型の振動ホッパの全体として上下高さを抑制することができ、装置を小型化することができる。
【0033】
また、振動ホッパの例えば下半部側を上半部側から離脱して、定量供給機内部のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0034】
また、円筒ケーシングの下側円筒部から上側円筒部を離脱することで、円筒内部のメンテナンスを容易に行うことができる。また、材料の搬送容量に応じて上側円筒部の容積を適宜変更することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る定量供給機を詳細に説明する。
図1は上記定量供給機の側面断面図、
図2は
図1のA−A線断面図である。これらの図において、1は上下開口の駆動部支持円筒であり、共通中心軸(中心軸)Cを中心とした円筒形状をなし、当該駆動部支持円筒1は、その外周面における90度の角度を隔てた4か所に支柱支持板2が水平に固定されており(
図2等)、これら4か所の支柱支持板2に4本の支柱2aが垂直に固定されており、当該駆動部支持円筒1、従って当該定量供給機は、上記4本の支柱2aによって水平に立設支持されている。
【0037】
この駆動部支持円筒1の上部環状フランジ1aには上記共通中心軸Cを中心とし(中心軸Cを共有し)、上記駆動部支持円筒1と同一直径の上下開口の外筒3がその下部環状フランジ3aを以ってボルトBにて固定されており、当該外筒3の上部環状フランジ3bには上記共通中心軸Cを中心とする円環状上蓋(環状板)4の外周縁がボルトBによって固定されている。従って、上記駆動部支持円筒1と上記外筒3とはメンテナンス等のために着脱可能に構成されている。
【0038】
さらに上記円環状上蓋4の内周縁である環状内周開口4aには上記共通中心軸Cを中心とし、上記外筒3より小径の上下開口の内筒5の外周面が固定されており、上記内筒5の上面には材料投入用の開口部5aが形成されている。また、当該内筒5の下端5bは後述の円形底盤7に近接配置され、上記下端5bと上記円形底盤7との間に材料排出間隙t1が形成されている。そして、上記内筒5の外周には流量調整リング27が当該内筒5に同心に設けられている。この流量調整リング27は、その外周面3箇所に水平取付板27aが固定され(
図2参照)、当該取付板27aには上記円環状上蓋4の上側から垂直に調整ボルト28が螺合されている。従って、上記調整ボルト28を回転させることにより、上記流量調整リング27の下端27bの位置を調整することにより、上記材料排出間隙t1の間隔を調整可能に構成されている。
図1、
図4において、上記調整リング27の下端27bの最上段位置と最下段位置を示している。
【0039】
尚、
図2において、図面に向かって下方を「前方」、上法を「後方」、前方から後方を向いた場合の左右を「左右方向」と定義する。
【0040】
上記駆動部支持円筒1内部には(
図2参照)、上記共通中心軸Cから左右方向に一定距離離間した位置に、前後方向に平行な補強用の薄幅縦板直線状の固定板6a,6bが、当該円筒1の内周面1c後方側と内周面1c前方側に渡って水平に固定配置され、さらに上記共通中心軸Cから前後方向に一定距離離間した位置に、左右方向に平行な補強用の薄幅縦板直線状の固定板6c,6dが、当該円筒1の内周面1c右方側と内周面1c左方側に渡って水平に固定配置され、これにより、上記駆動部支持円筒1の内部中央には上記共通中心軸Cを中心とし、縦横に組まれた井桁状(方形格子状)の支持機枠6が構成されている(
図5、
図9参照)。
【0041】
この支持機枠6の中央部には、後述の直立回転軸8を包囲するものであって、上記共通中心軸Cを中心とする方形の包囲機枠6’が構成されている。当該包囲機枠6’を構成する固定板6a〜6dの垂直方向の幅は、その上端部が当該駆動部支持円筒1の上端部近傍に位置し、下端部が上記駆動部円筒1の下端部1bより若干内部側に位置する幅t2を有しており、上記包囲機枠6’の四隅の交差端部6”(8か所)から当該円筒1の各内周面1cまでに位置する各固定板6a〜6dは、上部側の幅が狭く形成された幅t2’(<t2)となるように構成されている(
図1、
図9参照)。
【0042】
そして、上記幅t2の上記包囲機枠6’の上部(上側開口部6e)に、上記共通中心軸Cを中心とする円形底盤7が水平に固定されている。この円形底盤7の上面の水準位置は、上記駆動部支持円筒1の上部環状フランジ1aと略同一位置であり、当該円形底盤7の外周縁における一定範囲、即ち、上記底盤7の外周における上記内筒5の上記下端5bの位置を垂直下方に延長した位置近傍より外側は、材料を円滑に押し出すための下向き傾斜部7’が、当該円形底盤7全周に亘って形成されている。
【0043】
この円形底盤7の直径は、上記駆動部支持円筒1の内径より小径であり、当該円形底盤7の外周縁7”(下向き傾斜部7’の外周縁7”)と上記駆動部支持円筒1の内周面1cとの間に環状の材料落下空間S1が形成されている(
図1,2参照)。
【0044】
上記円形底盤7上には上記共通中心線C上に直立回動軸8の上端部8’を突設し、該上端部8’に複数(本実施形態では4本)の回転羽根9を上記円形底盤7上に放射状に設ける(
図2参照)。上記回転羽根9は、上記共通中心軸Cの周りに、90度毎に放射状に延出形成され、各回転羽根9と上記円形底盤7上面との間には、狭い間隙t3が形成されている(
図1参照)。上記各回転羽根9は、上記共通中心軸Cを中心として矢印aの方向に回転し、各回転羽根9は、全体的に回転方向とは反対方向に円弧形に湾曲しており、回転方向側に円弧状前縁部9’が形成されている。従って、各回転羽根9は上記共通中心軸C側の基端部9a側より、材料落下空間S1側の先端部9b側が回転方向aに対して後退している構成となっている。
【0045】
また上記回転羽根9の先端部9bは、上記円形底盤7の外周縁7”よりも長く形成されており、その先端部9bは上記材料落下空間S1における上記外周縁7”と上記外筒3内周面3c(駆動部支持円筒1の内周面1c)間の略中間位置に位置するように構成している。このように構成することにより、当該回転羽根9により円形底盤7の外周方向に誘導した材料を上記下向き傾斜部7’を介して円滑に落下供給し得るように構成されている。上記円形底盤7の裏面側には、上記直立回転軸8、従って上記回転羽根9を回転駆動するための減速機10’及び電動機10が、減速機取付座10”を以ってボルトBにて固定されている。この減速機10’及び電動機10は上記共通中心軸C上に位置しており、上記支持機枠6の上記包囲機枠6’内中央に位置している。
【0046】
上記包囲機枠6’の下端(下側開口部6h)は、略上記減速機10’の側方に位置しており、上記下側開口部6hには中央開口閉鎖板6fが固定されている(
図1、
図5、
図9参照)。そして、上記中央開口閉鎖板6fの円形の中央開口部6gには、上記電動機10及び減速機10’を密閉状態に覆う防塵カバー11を設け、上記包囲機枠6’と上記防塵カバー11により構成された電動機収納空間S2を上記材料落下空間S1とは隔離された空間となるように構成している。この防塵カバー11は、上面開口の円筒状をなしており、上記上端縁に設けた取付フランジ11’を以って上記中央開口閉鎖板6fにボルトBによって固定されている(
図1、
図5参照)。
【0047】
さらに、上記包囲機枠6’の各面を構成する固定板6a,6b,6c,6dの各中央部と上記駆動部支持円筒1の外周面1cとの間には、各々断面円形の丸パイプによる4本の通気管12a,12b,12c,12dが各々設けられている(
図2、
図9参照)。これらの通気管12a〜12dの内側端部は、上記包囲機枠6’内に開口12’しており、上記通気管12a〜12dの外側端部は上記駆動部支持円筒1の外周面を貫通して外部に開口12”している。これにより、上記電動機10が存在する上記包囲機枠6’内の上記防塵カバー11内部空間(電動機収納空間)S2と上記駆動部支持円筒1の外部空間S3とを連通し、上記各通気管12a〜12dを上記電動機10の冷却通路として使用し得るように構成している。また、上記電動機10の電線10aを例えば上記通気管12c内を通して電線中継ボックス13に通すことにより、電動機10の電線用配管としても使用する(
図2参照)。
【0048】
このように、内筒5内に供給される材料は上記円形底盤7の外周縁7”より材料落下空間S1を介して下方の振動ホッパ14に落下供給されるが、上記円形底盤7の裏面側において上記電動機10及び減速機10’は包囲機枠6’及び防塵カバー11により被覆されているので、材料落下供給に伴う粉塵が上記電動機収納空間S2内に進入することはないように構成されている。一方、上記電動機収納空間S2は、上記防塵カバー11及び上記包囲機枠6’により密閉されることになるので、上記支持機枠6の包囲機枠6’の各固定板6a〜6dと上記駆動部支持円筒1との間に、上記通気管12a〜12dを各々接続し、上記電動機収納空間S2内と上記駆動部支持円筒1外部空間S3とを連通させ、駆動部と円筒外部との空気の通気を確保することで、電動機10等の駆動部を冷却可能に構成している。
【0049】
上記駆動部支持円筒1の下側には、振動ホッパ14が設けられている(
図3参照)。この振動ホッパ14は全体として、上記共通中心軸Cを中心軸とする逆円錐形状(逆円錐状)を成すものであり、下端に、上記共通中心軸Cを中心とする円形排出口(排出口)14’が開口形成されている(
図8参照)。
【0050】
この振動ホッパ14は、上記共通中心軸Cを中心としその傾斜面14a’が緩やかな上ホッパ部14aと、上記共通中心軸Cを中心としその傾斜面14b’が上記上ホッパ部14aより急激に設けられた下ホッパ部14bとにより構成されており、上ホッパ部14aの下環状フランジ15aと下ホッパ部14bの上環状フランジ16aとがボルトBによって接続されている。即ち、上ホッパ部14aと下ホッパ部14bはメンテナンス等のために着脱可能となっている。そして、上記振動ホッパ14における傾斜面の水平面に対する下向傾斜角度は、上半部側の上ホッパ部14aは緩やかな所定の下向傾斜角度θ1度を有しており、上記排出口14’を有する下半部側の下ホッパ部14bは上記上半部の上記所定の下向傾斜角度θ1度より大きな下向傾斜角度θ2度(>θ1)となるように構成されている(
図1参照)。
【0051】
このような構成により、振動ホッパ14の上半部の緩やかな傾斜面14a’の振動によって材料の偏在を防止して、材料を分散して円滑に下方に誘導することができ、下半部の急な傾斜面14b’の振動によって、分算した材料を速やかに排出口14’に誘導することができるように構成している。
【0052】
上記駆動部支持円筒1の外周面における上記共通中心軸Cを中心とする外周に沿った90度毎の位置には、上記振動ホッパ14を支持するための吊下用の支持板17aが4か所に水平に突設されている(
図2参照)。また、該支持板17aと上記円筒1外周面との間には補強用リブ17b,17bが上記支持板17aに直交して設けられている。これらの支持板17aの各板面中央には貫通孔19が各々設けられている(
図7参照)。
【0053】
一方、上記振動ホッパ14は、上記傾斜面14a’の上端部には上記駆動部支持円筒1より若干大きい直径であって上記共通中心軸Cを中心とする上円筒部14cを有しており、当該上円筒部14cの外周面における、上記共通中心軸Cを中心とする外周に沿った90度毎の位置には、支持板18aが4か所に水平に突設されている(
図3参照)。また、上記各支持板18aと上記上円筒部14cとの間には補強用リブ18b,18bが上記支持板18aに各々直交して設けられている。これらの支持板18aの各板面中央には上記貫通孔19と同一径の貫通孔20が各々設けられている(
図7参照)。
【0054】
上記振動ホッパ14は、上記上円筒部14cを上記駆動部支持円筒1の下面側に宛がい、上記駆動部支持円筒1の上記4所の支持板17aと、上記振動ホッパ14の上記4箇所の支持板18aの位置合わせを行い、上記支持板17aの上記各貫通孔19と上記支持板18aの各貫通孔20との位置を合わせ、各4箇所の支持板17aと各4箇所の支持板18aとを各々以下の構成により接続する。
【0055】
即ち、
図7に示すように、上記貫通孔19,20の直径より小径の吊下用ボルト21(4本)を用意して、その中央部に、ナット23,23を螺合し、かつ上記貫通孔19,20の直径より大径の直径を有する環状の防振ゴム22,22を挿通し、当該吊下ボルト21の上端部と下端部を各々貫通孔19,20に内側から挿通し、上記支持板17a上に突出した上記ボルト21の上端部に上記貫通孔19の直径より大径の外径を有する環状の防振ゴム24を挿通すると共に、ナット23を螺合し、上記支持板18a下に突出した上記ボルト21の下端部に上記貫通孔20の直径より大径の外径を有する防振ゴム24を挿通すると共にナット23を螺合する。
【0056】
その後、上記支持板17a上側のナット23及び上記支持板17a下側のナット23を締め付けることにより、上記支持板17aを上記上下の防振ゴム24,22にて挟持し、同様に上記支持板18a上下のナット23,23を締め付けることにより上記支持板18aを上記防振ゴム22,24にて挟持することにより、上記振動ホッパ14を上記駆動部支持円筒1の下面側に吊り下げ支持する。
【0057】
これにより、当該振動ホッパ14は、上記駆動部支持円筒1の下側に、上記4本の吊下用ボルト21によって、上記貫通孔20との間に空隙を形成した状態で横方向に微小に振動可能に支持されると共に、上記防振ゴム22,24にて上記振動ホッパ14の振動を吸収して、当該振動ホッパ14の振動が上記吊下用ボルト21を通じて上側の駆動部支持円筒1に直接に伝達し難いように構成している。
【0058】
上記振動ホッパ14の上ホッパ部14aの外周面の一部には、当該振動ホッパ14に振動を与えるためのバイブレータ(加振機)25が垂直支持板26,26によって固定されている。このバイブレータ25は、内部に垂直方向の回転軸を有する電動機が収納されており、この電動機の出力軸にアンバランスウェイトが設けられている。上記電動機が回転(例えば3600rpm)することにより発生する振動(円運動をしながらの横振動)の振幅は、
図1の左右方向に約0.4mm〜0.6mmであり、当該振幅の振動(微小振動)を上記振動ホッパ14に伝達し得るように構成されている(
図6参照)。
【0059】
従って、上記バイブレータ25を回転駆動することにより、上記振動は上記振動ホッパ14に伝達され、当該振動ホッパ14は、横方向に約0.4mm〜0.6mmの振幅にて横方向(
図1の左右方向)に微小振動することなる。
【0060】
29は上記駆動部支持円筒1の下端外周に沿って複数の取付具30にて固定された環状接続シールであり(
図1、
図6参照)、ゴム等の弾性体により筒状に構成されている。この接続シール29はその上端周縁は上記駆動部支持円筒1の下端外周縁に密着され、下端周縁は上記上ホッパ部14aの上面(傾斜面14a’)に接触するように配置されている(
図6参照)。このように、当該環状接続シール29は、上記駆動部支持円筒1下端部1bと上記上ホッパ部14aの傾斜面14a’上端部とを閉鎖することにより、上記材料落下空間S1から振動ホッパ14方向に落下してくる材料が、上記上円筒部14cと上記駆動部支持円筒1下端部1bとの間隙から装置外部空間S3へ飛散することを防止するものである
【0061】
本発明は上述のように構成されているので、次に本発明に係る定量供給機の動作を説明する。尚、本実施形態で定量供給する材料は、一例として、長さが10mm〜30mmのウッドチップとする(
図10参照)。尚、当該定量供給機は、支柱2aにより
図1に示すように水平に起立設置されており、排出口14’下に材料の収納用袋、或いは、材料を次工程に移送するための直線搬送コンベアが設置されているものとする。また、調整ボルト28によって流量調整リング27を所定の位置に固定する。
【0062】
まず、内筒5の上面開口5aから上記外筒3内に材料(ウッドチップ)Rを投入する。投入された材料Rの上端水準位置を
図1中仮想線にて示す。すると、上記内筒5内に投入された材料Rは、内筒5の下端の流量調整リング27下端27bの全周域から、材料排出間隙t1を介して円形底盤7の外周縁7”に向けて、下向き傾斜部7’上に、例えば所定の安息角θ3にて流出する(
図4二点鎖線参照)。
【0063】
その後、電動機10を駆動して、回転羽根9を矢印a方向に一定速度(例えば1rpm〜5rpm)にて回転駆動すると共に、バイブレータ25を駆動して、振動ホッパ14を振動させる。すると、上記回転羽根7は矢印a方向に回転を開始し、同時に、振動ホッパ14は横方向の振幅約0.4mmの微振動を開始する。
【0064】
上記回転羽根9が回転すると、上記円形底盤7上の材料Rは各回転羽根9の回転に伴って矢印a方向に移動開始するが、上記円形底盤7上面近傍に位置する材料は、上記各回転羽根9の円弧状前縁部9’によって回転方向(矢印a方向)に押されながら徐々に円形底盤7の外周縁7”に向けて押されて行く。従って、上記円形底盤7上近傍の材料は全体として矢印a方向に回転しながら、上記外周縁7”方向に徐々に移動していく(
図1、
図2矢印b方向参照)。
【0065】
上記円弧状前端部9’の円弧は回転羽根9の回転方向とは逆方向であり、かつ各回転羽根9の先端部9bは基端部9aより後退しているので、材料Rは回転羽根9の円弧状前端部9’によって、円滑に、外周方向(矢印b方向)に移動させられていく。
【0066】
その結果、上記材料Rは、上記円形底盤7の全周に亘って、当該底板7の外周方向に万遍なく誘導され、上記円形底盤7の上記下向き傾斜部7’に至る。上記下向き傾斜部7’に到達した材料Rは、当該傾斜部7’の傾斜により、上記外周縁7”の円形の全周域から矢印a方向に回転しながら円滑に下方に落下していくことができる。
【0067】
よって、上記内筒5から環状の上記材料排出間隙t1より全周域の外方に流出した材料Rは、上記円形底盤7の上記下向き傾斜部7’の全周域部分から、塊状になることなく、ばらけた状態で(ばらばらの状態で)、上記円形底盤7の外周縁7”の全周域から、矢印a方向に回転しながら、万遍なく、材料落下空間S1を介して下方に連続的に落下供給される(
図1矢印b方向)。
【0068】
上記材料落下空間S1を介して下方に落下した材料Rは、微振動している振動ホッパ14の上ホッパ部14aの環状供給エリアM(
図3のハッチング部分)に万遍なく落下供給される(
図1矢印b方向)。尚、上記材料落下空間S1から上記振動ホッパ14に落下する際、材料落下空間S1に通気管12a〜12dが存在するが、これら通気管は丸パイプなので、当該通気管上に材料が滞留することはない。また、上記材料落下空間S1に上記固定板6a〜6dが存在するが、各固定板の幅は薄いので、上記材料Rの落下には影響ない。
【0069】
従って、上記材料Rは、上記環状の材料落下空間S1から、上記振動ホッパ14の環状供給エリアMに、脈動を生ずることなく、ばらけた状態で回転しながら連続的に落下供給されるので、上記振動ホッパ14の上記環状供給エリアM上に落下してきた個々の材料R(ウッドチップ)に振動ホッパ14の振動を効率的に伝達することができる。
【0070】
従って、上記上ホッパ部14aの上記環状供給エリアMに落下した材料Rは、当該振動ホッパ14の振動(微振動)により、傾斜面14a’に沿って、上記回転羽根9の回転方向(矢印a方向)に回転しながら(
図3矢印d方向)、円滑に中心軸C方向に下降移動して行き(
図1、
図3矢印d参照)、上記上ホッパ部14aより傾斜の急な下ホッパ部14bに移動する。そして、上記下ホッパ部14bにおいても、個々の材料Rに振動が効果的に伝達されるため、上記下ホッパ部14bに移動した材料Rは、上記回転羽根9の回転方向に回転しながら(
図1、
図3矢印e方向)、当該振動ホッパ14の振動によって引き続いて中心軸C方向に円滑に下降誘導され、当該振動ホッパ14下端の排出口14’から下方に落下供給される(
図1矢印f)。
【0071】
このように、上記円形底盤7から振動ホッパ14に落下してくる材料には、脈動が生ずることはなく、円環状の材料落下空間S1を介して上記円形底盤7の外周縁7”の全周から万遍なく、ばらけた状態で落下してくるので、ウッドチップのような小片状の材料Rであっても、振動ホッパ14上に落下してきたとき、当該振動ホッパ14の振動が個々の材料Rに効果的に伝達されるため、振動ホッパ14上に落下した材料は、円滑に下降誘導され、排出口14’から、脈動が生ずることなく、定量に(一定時間に一定量ずつ)排出することができる。
【0072】
また、材料落下空間S1から材料Rが振動ホッパ14に落下する際、電動機収納空間S2は、上記材料落下空間S1とは包囲機枠6’及び防塵カバー11にて隔離されているので、粉塵等が上記電動機収納空間S2内に進入することはない。また、上記環状供給エリアMの外周側には環状接続シール29が位置しているので、材料Rが上記材料落下空間S1から外部空間S3に飛散することはない。
【0073】
また、上記材料Rの供給中は、電動機収納空間S2内の熱は、通気管12a〜12dの開口12’,12”を介して円筒ケーシング外部空間S3に逃がすことができ、電動機10等の駆動系の冷却を行うことができる。
【0074】
また、上記振動ホッパ14の振動は、支持板18a,17aに固定された防振ゴム22,24によって防振することができ、駆動部支持円筒1その他、定量供給装置の他の部分に直接伝達することはない。
【0075】
また、振動ホッパ14の下ホッパ部14bを上ホッパ部14aから離脱し、又は、外筒3を駆動部支持円筒1から離脱することで、装置内部の各種のメンテナンスを行うことができる。
【0076】
本発明は上述のように、材料Rを、円形底盤7の外周縁7”の全周域から略均等に、塊を生ずることなく、ばらばらに、材料落下空間S1を介して振動ホッパ14に落下供給することができるため、振動ホッパ14に落下した個々の材料に効率的に振動を伝達することができ、例えばウッドチップのような小片状の材料Rであっても、振動ホッパ14を介して、脈動を生ずることなく、円滑に排出口14’から定量的に排出することができる。
【0077】
また、環状の材料落下空間S1の全周域から、ばらけた状態の材料Rを、振動ホッパ14の環状供給エリアMに、材料Rを回転羽根9の回転方向に回転しながら、均等に落下供給することができるため、材料Rは、振動ホッパ14上に供給する段階において、既に、材料Rの脈動が防止されており、従って、振動ホッパ14の振動を個々の材料Rに効率的に伝達することができる。
【0078】
また、振動ホッパ14が逆円錐形状であり、材料Rを当該ホッパ14の環状供給エリアMに環状に万遍なく落下供給することができ、振動ホッパ14上においても、材料Rを回転させながら下方に誘導していくことができるため、材料Rに効率的に振動を伝達しながら、円滑に下方に誘導することができる。
【0079】
また、材料Rが通過する材料落下空間S1と電動機収納空間S2とを隔離することができるため、材料Rの落下に伴って発生する粉塵等が電動機収納空間S2内に進入することを防止することができ、例えば粉塵等を生ずる性状の材料Rであっても、粉塵の駆動系に与える影響を無くし、支障なく使用することができる。
【0080】
また、隔離空間である電動機収納空間S2内にて発生する熱を通気管12a〜12dを通じて円筒ケーシング(駆動部支持円筒1)外部に排出することができ、電動機10等の駆動系の冷却を円滑に行うことができる。
【0081】
また、防振ゴム22,24により、振動ホッパ14の振動が円筒ケーシング(駆動部支持円筒1)側に伝達することを効果的に防止することができ、装置の無駄な振動を防止して、装置寿命を長く保つことができる。
【0082】
また、振動ホッパ14の上半部の緩やかな傾斜面14a’の振動によって材料Rの偏在を防止して、材料Rを分散して円滑に下方に誘導することができ、振動ホッパ14の下半部の急な傾斜面14b’の振動によって、分算した材料Rを速やかに排出口14’に誘導することができ、これにより逆円錐型の振動ホッパ14の全体として上下高さを抑制することができ、装置全体、特に上下高さを抑制して小型化することができる。
【0083】
また、振動ホッパ14の例えば下半部側(下ホッパ部14b)を上半部側(上ホッパ部14a)から離脱して、定量供給機内部のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0084】
また、円筒ケーシングの下側円筒部(駆動部支持円筒1)から上側円筒部(外筒3)を離脱することで、円筒内部のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0085】
また、材料の搬送容量に応じて上側円筒部(外筒3)の容積を適宜変更することができる。
【実施例】
【0086】
本発明に係る定量供給機を用い、材料Rとして長さが10mm〜50mmのウッドチップを使用し、上記回転羽根9を回転駆動し、振動ホッパ14を振幅約0.41mmにて左右方向に振動させ、該振動ホッパ14の排出口14’から排出される材料の重量を10秒間隔で測定(サンプリング)し、各測定値の変動率を測定した。
【0087】
比較例として、振動フィーダを用いない特許文献1の従来の定量供給機を用い、同様の材料Rを使用し、上記と同様の条件で、排出口から排出される材料Rの重量を10秒間隔で測定(サンプリング)し、各測定値の変動率を測定した。
【0088】
その結果、比較例の従来の定量供給機は、供給精度(材料の10秒毎の排出重量の変動率)は15%〜20%であったが、本発明に係る定量供給機では、供給精度(材料の10秒毎の排出重量の変動率)は5%〜10%となり、供給精度が大幅に向上することが確認できた。尚、
図1中、31は円環状上蓋4のメンテナンス用開閉板、32は直立回転軸8上に装着されたキャップである。