【実施例】
【0052】
以下に本発明の様態を明らかにするために実施例を示すが、本発明はここに示す実施例のみに限定されるわけではない。
【0053】
実施例で得られた反応溶液は、ガスクロマトグラフィー分析を行い、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの純度を面積百分率にて算出した。測定条件は以下の通りである。
【0054】
装置:GC−14A(島津製作所)
カラム:HP−ULTRA1(Agilent Technologies)
25m×I.D.0.32mm、0.52μmdf
カラム温度:100℃→[10℃/min]→250℃
インジェクション温度:250℃
キャリヤーガス:ヘリウムガス
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
【0055】
また、参考例及び実施例で単離した化合物のNMRスペクトルの測定条件は以下のとおりである。
【0056】
化合物と重CDCl
3(Cambrige Isotope Laboratories, Inc.製、0.05%TMS含有)とを混合した溶液を調製し、NMR(ブルカー(株)製 AVANCE 400)にて、
1H−NMR測定を行った。
【0057】
参考例1
【化17】
ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)(3.64g、20.6mmol)を2−プロパノール(100mL)に懸濁させ、8−キノリノール(5.97g、41.1mmol)を添加した。これを室温で7時間撹拌を行った後、析出した結晶をろ過し、2−プロパノール(20mL)で洗浄した。得られた湿結晶を、減圧下、40℃で17時間乾燥を行い、上記式(2−1)で表わされるバナジウム錯体(以下、「i−Pr錯体」と称する)(6.42g、収率75.2%)を得た。
【0058】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.60(s,1H),8.46(s,1H),8.09(d,1H,J=8.0Hz),8.02(d,1H,J=8.4Hz),7.51−7.56(m,2H),7.15−7.22(m,6H),6.26−6.32(m,1H),1.53(d,3H,J=11.6Hz),1.49(d,3H,J=6.4Hz)
【0059】
製造実施例1
【化18】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)(182mg、0.69mmol)をアセトニトリル(5mL)に懸濁させ、8−キノリノール(199mg、1.37mmol)及びフェノール(5mL)を添加した。これを室温で6時間撹拌を行った後、溶媒を減圧留去した。残渣にジイソプロピルエーテル(10mL)を加えた後、析出した結晶をろ過し、ジイソプロピルエーテル(5mL)で洗浄した。得られた湿結晶を、減圧下、40℃で7時間乾燥を行い、上記式(2a−1)で表わされるバナジウム錯体(264mg、収率85.7%)を得た。
【0060】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.64(d,1H,J=4.4Hz),8.49(d,1H,J=3.2Hz),8.15(d,1H,J=7.2Hz),8.04(d,1H,J=7.2Hz),7.54−7.60(m,2H),7.27−7.31(m,6H),7.17−7.23(m,4H),6.95−6.99(m,1H)
【0061】
製造実施例2
【化19】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)(182mg、0.69mmol)をアセトニトリル(5mL)に懸濁させ、8−キノリノール(199mg、1.37mmol)及び1−オクタデカノール(370mg、1.37mmol)を添加した。これを室温で5時間撹拌を行った後、析出した結晶をろ過し、アセトニトリル(5mL)で洗浄した。得られた湿結晶を、テトラヒドロフラン(5mL)に懸濁させ、室温で1時間撹拌を行った後、ろ過し、テトラヒドロフラン(5mL)で洗浄した。得られた湿結晶を、減圧下、40℃で16時間乾燥を行い、上記式(2a−2)で表わされるバナジウム錯体(285mg、収率66.4%)を得た。
【0062】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.61(d,1H,J=4.8Hz),8.47(d,1H,J=4.4Hz),8.11(d,1H,J=8.3Hz),8.03(d,1H,J=8.2Hz),7.52(t,2H,J=7.8Hz),7.14−7.25(m,6H),6.03(dt,1H,J=6.5,11.1Hz),5.63(dt,1H,J=6.5,11.1Hz),1.85(t,2H,6.5Hz),1.16−1.43(m,30H),0.88(t,3H,J=7.0Hz)
【0063】
製造実施例3
【化20】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
8−キノリノール(618mg、4.3mmol)をアセトニトリル(7mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(0.5mL、2.1mmol)、フェネチルアルコール(3.8mL、32mmol)を加えて、室温で18時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、得られた残渣にヘキサンを加えて固化させ、生成した固体をろ取後、減圧下乾燥して、上記式(2a−3)で表わされるバナジウム錯体(445mg、44%)を得た。
【0064】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.61(d,1H,J=4.6Hz),8.44(d,1H,J=4.6Hz),8.12(d,1H,J=8.2Hz),8.04(d,1H,J=8.2Hz),7.56(dd,1H,J=4.6,8.2Hz),7.54(dd,1H,J=4.6,8.2Hz),7.12−7.30(m,7H),7.06−7.09(4H,m),6.12(ddd,1H,J=6.5,8.0,14.5Hz),5.80(ddd,1H,J=6.5,8.0,14.5Hz),3.27(ddd,1H,J=6.5,8.0,13.8Hz),3.11(ddd,1H,J=6.5,8.0,13.8Hz)
【0065】
製造実施例4
【化21】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)(182mg、0.69mmol)をアセトニトリル(5mL)に懸濁させ、8−キノリノール(199mg、1.37mmol)及び(E)−ネロリドール(305mg、1.37mmol)を添加した。これを室温で5時間撹拌を行った後、ジイソプロピルエーテル(5mL)を注入した。析出した結晶をろ過し、ジイソプロピルエーテル(5mL)で洗浄した。得られた湿結晶を、減圧下、40℃で6時間乾燥を行い、上記式(2a−4)で表わされるバナジウム錯体(232mg、収率58.6%)を得た。
【0066】
製造実施例5
【化22】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
5,7−ジブロモ−8−キノリノール(1.29g、4.3mmol)をアセトニトリル(7mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(0.5mL、2.1mmol)を加えて、室温で24時間撹拌した。生成した沈殿物をろ取し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、上記式(2a−5)で表わされるバナジウム錯体(977mg、63%)を得た。
【0067】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.60(dd,1H,J=1.2,4.8Hz),8.40(dd,1H,J=1.3,4.5Hz),8.37(dd,1H,J=1.3,8.4Hz),8.31(dd,1H,J=1.2,8.6Hz),8.00(s,1H),7.93(s,1H),7.44(dd,1H,J=4.8,8.6Hz),7.38(dd,1H,J=4.5,8.4Hz),6.54(sept,1H,J=6.1Hz),1.62(d,3H,J=6.1Hz),1.46(d,3H,J=6.1Hz)
【0068】
製造実施例6
【化23】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
5−ニトロ−8−キノリノール(810mg、4.3mmol)をアセトニトリル(7mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(0.5mL、2.1mmol)を加えて、室温で24時間撹拌した。生成した沈殿物をろ取し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、上記式(2a−6)で表わされるバナジウム錯体(974mg、91%)を得た。
【0069】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):9.45(dd,1H,J=1.2,8.8Hz),9.32(dd,1H,J=1.3,8.8Hz),8.77(d,1H,J=8.8Hz),8.72(d,1H,J=8.8Hz),8.71(dd,1H,J=1.2,4.5Hz),8.50(dd,1H,J=1.3,4.5Hz),7.61(dd,1H,J=4.5,8.8Hz),7.53(dd,1H,J=4.5,8.8Hz),7.20(d,1H,J=4.5Hz),7.14(d,1H,J=4.5Hz),6.56(sept,1H,J=6.2Hz),1.57(d,3H,J=6.2Hz),1.50(d,3H,J=6.2Hz)
【0070】
製造実施例7
【化24】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
7−フェニル−8−キノリノール(111mg、0.50mmol)をアセトニトリル(1mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(59μL、0.25mmol)を加えて、室温で24時間撹拌した。生成した沈殿物をろ取し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、上記式(2a−7)で表わされるバナジウム錯体(71mg,50%)を得た。
【0071】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.44(dd,1H,J=1.3,4.5Hz),8.34(dd,1H,J=1.3,4.5Hz),8.23(dd,2H,J=1.3,8.5Hz),8.17(dd,2H,J=1.3,8.5Hz),8.05(dd,1H,J=1.3,8.2Hz),8.00(dd,1H,J=1.3,8.2Hz),7.86(d,1H,J=8.5Hz),7.80(d,1H,J=8.5Hz),7.59(m,2H),7.54(m,2H),7.42(m,1H),7.39(m,1H),7.29(d,1H,J=8.5Hz),7.22(d,1H,J=8.5Hz),7.15(dd,1H,J=4.5,8.2Hz),7.12(dd,1H,J=4.5,8.2Hz),6.31(sept,1H,J=6.1Hz),1.55(d,3H,J=6.1Hz),1.47(d,3H,J=6.1Hz)
【0072】
製造実施例8
【化25】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
2−メチル−8−キノリノール(678mg、4.3mmol)をアセトニトリル(7mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(0.5mL、2.1mmol)を加えて、室温で24時間撹拌した。生成した沈殿物をろ取し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、上記式(2a−8)で表わされるバナジウム錯体(817mg、87%)を得た。
【0073】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.84(d,2H,J=8.3Hz),7.38(t,2H,J=7.8Hz),7.07(d,2H,J=8.3Hz),7.00(d,2H,J=7.8Hz),6.99(d,2H,J=7.8Hz),6.41(sept,1H,J=6.1Hz),2.93(s,6H),1.52(d,6H,J=6.1Hz)
【0074】
製造実施例9
【化26】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
2−シアノ−8−キノリノール(289mg、1.7mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(0.2mL、0.85mmol)を加えて、室温で24時間撹拌した。生成した沈殿物をろ取し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、上記式(2a−9)で表わされるバナジウム錯体(382mg、97%)を得た。
【0075】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.25(d,2H,J=8.3Hz),7.74(t,2H,J=8.0Hz),7.58(d,2H,J=8.3Hz),7.41(d,2H,J=8.0Hz),7.29(d,2H,J=8.0Hz),6.43(sept,1H,J=6.2Hz),1.52(d,6H,J=6.2Hz)
【0076】
製造実施例10
【化27】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
7−tert−ブチル−8−キノリノール(341mg、1.7mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(0.2mL、0.85mmol)を加えて、室温で16時間撹拌した。生成した沈殿物をろ取し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、上記式(2a−10)で表わされるバナジウム錯体(322mg、72%)を得た。
【0077】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.49(dd,1H,J=1.4,4.5Hz),8.35(dd,1H,J=1.4,4.5Hz),8.02(dd,1H,J=1.4,8.3Hz),7.95(dd,1H,J=1.4,8.3Hz),7.64(d,1H,J=8.6Hz),7.63(d,1H,J=8.6Hz),7.16(d,1H,J=8.6Hz),7.10(dd,1H,J=4.5,8.3Hz),7.09(d,1H,J=8.6Hz),7.06(dd,1H,J=4.5,8.3Hz),6.23(sept,1H,J=6.1Hz),1.73(s,9H),1.69(s,9H),1.53(d,3H,J=6.1Hz),1.43(d,3H,J=6.1Hz)
【0078】
製造実施例11
【化28】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
5−ブロモ−7−tert−ブチル−8−キノリノール(479mg、1.7mmol)を塩化メチレン(5mL)に溶解し、トリイソプロポキシバナジウム(V)オキシド(0.2mL、0.85mmol)を加えて、室温で23時間撹拌した。反応液を、減圧下溶媒を留去し、得られた固体を減圧下乾燥して、上記式(2a−11)で表わされるバナジウム錯体(554mg、97%)を得た。
【0079】
製造実施例12
【化29】
で表わされる、バナジウム錯体の合成
ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)(182mg、0.69mmol)をアセトニトリル(5mL)に懸濁させ、8−キノリノール(199mg、1.37mmol)及びシクロヘキサノール(5mL)を添加した。これを室温で20時間撹拌を行った後、溶媒を減圧留去した。残渣にジイソプロピルエーテル(10mL)を加えた後、生成した沈殿物をろ取し、得られた固体をジイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、上記式(2a−12)で表わされるバナジウム錯体(266mg、85%)を得た。
【0080】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):8.61(d,1H,J=3.9Hz),8.46(d,1H,J=3.9Hz),8.10(d,1H,J=8.4Hz),8.03(d,1H,J=8.4Hz),7.54(m,2H),7.14−7.31(m,6H),6.04(m,1H),2.30(m,2H),1.29−1.78(m,7H),1.14(m,1H)
【0081】
実施例1〜15
(E)−ネロリドール(100mg、0.45mmol)をクロロベンゼン(MCB,2.0g)またはo−ジクロロベンゼン(DCB,2.0g)に溶解し、表1に示されるバナジウム錯体(0.045mmol)を加え、空気気流下、130℃で反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの生成をガスクロマトグラフィー分析で確認した。GC収率、異性体比((2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール)を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
実施例16
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をo−ジクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、i−Pr錯体(18.6mg,0.045mmol)を加え、空気気流下、130℃で反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの生成をガスクロマトグラフィー分析で確認した。GC収率及び異性体比((2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール)を表2に示す。反応液を、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1 Rf値=0.5)で精製して、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの異性体混合物(47mg,収率47.5%,(2E,6E)−ファルネサール:(2Z,6E)−ファルネサール=81.2:11.4,異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=7.12)を得た。
【0084】
(2E,6E)−ファルネサール:
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ9.99(d,1H,J=8.0Hz),5.89(d,1H,J=8.0Hz),5.03−5.13(m,2H),2.18−2.29(m,4H),2.17(d,3H,J=1.2Hz),2.02−2.11(m,2H),1.94−2.02(m,2H),1.68(s,3H),1.61(s,3H),1.60(s,3H);
(2Z,6E)−ファルネサール:
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ9.92(d,1H,J=8.2Hz),5.88(d,1H,J=8.2Hz),5.03−5.16(m,2H),2.60(t,2H,J=7.5Hz),2.21−2.30(m,2H),2.01−2.10(m,2H),1.94−2.01(m,2H),1.99(d,3H,J=1.2Hz),1.68(s,3H),1.60(s,6H)
【0085】
実施例17〜19
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)を表2に示す溶媒(2.0g)に溶解し、i−Pr錯体(18.6mg,0.045mmol)を加え、空気気流下、130℃で反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの生成をガスクロマトグラフィー分析で確認した。GC収率及び異性体比((2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール)を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
実施例20
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、i−Pr錯体(9.3mg,0.0225mmol)を加え、空気気流下、130℃で23時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:57.1%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:5.8%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=9.84)を得たことを確認した。
【0088】
実施例21
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、i−Pr錯体(18.6mg,0.045mmol)を加え、空気気流下、100℃で23時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:70.1%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:8.4%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=8.35)を得たことを確認した。
【0089】
実施例22
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、i−Pr錯体(18.6mg,0.045mmol)、ジメチルスルホキシド(70mg,0.9mmol)を加え、130℃で21時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:66.4%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:8.6%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=7.72)を得たことを確認した。
【0090】
実施例23〜25
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2.0g)に溶解し、8−キノリノール(13mg,0.09mmol)、表3に示されるバナジウム化合物(0.045mmol)を加え、空気気流下、130℃で反応を行った。室温までし、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの生成をガスクロマトグラフィー分析で確認した。GC収率及び異性体比((2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール)を表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
実施例26
(E)−ネロリドール(1g,4.5mmol)をクロロベンゼン(5g)に溶解し、メタバナジン酸アンモニウム(53mg,0.45mmol)、8−キノリノール(131mg,0.90mmol)を加えて、空気をバブリングしながら130℃で12時間反応を行った。室温まで冷却し、得られた反応液を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)を用いてクロロベンゼンおよびバナジウム錯体を除去し、黄色油状の粗生成物(589mg,(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:65.4%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:8.04%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=8.1)を得た。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1 Rf値=0.5)で精製して、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの異性体混合物(478mg,収率48%,(2E,6E)−ファルネサール:(2Z,6E)−ファルネサール=68.7:10.9,(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=6.3)を得た。
【0093】
実施例27
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2g)に溶解し、メタバナジン酸アンモニウム(5.3mg,0.045mmol)、8−キノリノール(13mg,0.09mmol)を加えて、酸素雰囲気下130℃で12時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:67.7%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:7.6%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=8.91)を得たことを確認した。
【0094】
実施例28
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2g)に溶解し、メタバナジン酸アンモニウム(5.3mg,0.045mmol)、5,7−ジブロモ−8−キノリノール(27mg,0.09mmol)、ジメチルスルホキシド(70mg,0.9mmol)を加えて、130℃で10時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:81.6%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:18.4%)(異性体比:(2E,6E)−体/(2Z,6E)−体=4.43)で得たことを確認した。
【0095】
実施例29
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2g)に溶解し、メタバナジン酸アンモニウム(5.3mg,0.045mmol)、5,7−ジクロロ−8−キノリノール(19mg,0.09mmol)、ジメチルスルホキシド(70mg,0.9mmol)を加えて、130℃で7.5時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:86.8%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:13.2%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=6.58)を得たことを確認した。
【0096】
実施例30
(E)−ネロリドール(100mg,0.45mmol)をクロロベンゼン(2g)に溶解し、メタバナジン酸アンモニウム(5.3mg,0.045mmol)、5−フルオロ−8−キノリノール(15mg,0.09mmol)、ジメチルスルホキシド(70mg,0.9mmol)を加えて、130℃で8.5時間反応を行った。室温まで冷却し、(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:92.3%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:7.7%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=11.99)を得たことを確認した。
【0097】
実施例31
(E)−ネロリドール(1g,4.5mmol)をクロロベンゼン(5g)に溶解し、メタバナジン酸アンモニウム(53mg,0.45mmol)、8−キノリノール(131mg,0.90mmol)、ジメチルスルホキシド(704mg,9.0mmol)を加えて、空気をバブリングしながら130℃で7時間反応を行った。室温まで冷却し、得られた反応液を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)を用いてクロロベンゼンおよびバナジウム錯体を除去し、黄色油状の粗生成物(633mg,(2E,6E)−ファルネサール(GC収率:62.6%)及び(2Z,6E)−ファルネサール(GC収率:8.8%)(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=7.1)を得た。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1 Rf値=0.5)で精製して、(2E,6E)−ファルネサール及び(2Z,6E)−ファルネサールの異性体混合物(457mg,収率46%,(2E,6E)−ファルネサール:(2Z,6E)−ファルネサール=66.5:11.0,(異性体比:(2E,6E)−ファルネサール/(2Z,6E)−ファルネサール=6.0)を得た。