(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年のディスプレイ広告はアニメーションや動画など動きを伴うものが増加している一方、従来では、ブラウザのスクロールなどでユーザが実際に広告を目にするタイミングに基づいて広告の挙動を制御していなかった。このため、動きを伴う広告の場合、ユーザの目にとまる前に目ぼしい動きが終了してしまい、広告効果が十分発揮されないという問題があった。
【0006】
上記の課題に対し、本発明の目的は、ユーザからの視認性に基づく適切なタイミングで広告の挙動を制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)は、制御プログラムをユーザ端末に配信する配信手段を有し、前記制御プログラムは、前記ユーザ端末を、ウェブページ上の所定の基準位置が可視領域内に位置しているかを判断する判断手段、及び前記判断手段による判断の結果に基づいて、前記ウェブページにおける前記所定の基準位置を含む又はその付近の所定の表示領域に表示されるコンテンツの表示を制御する制御手段として機能させることを特徴とする。
【0008】
上記態様を方法として捉えた別の態様(6)としては、制御プログラムをユーザ端末に配信する配信ステップを有し、前記制御プログラムは、前記ユーザ端末に、ウェブページ上の所定の基準位置が可視領域内に位置しているかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによる判断の結果に基づいて、前記ウェブページにおける前記所定の基準位置を含む又はその付近の所定の表示領域に表示されるコンテンツの表示を制御する制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0009】
上記各態様をサーバ側のプログラムとして捉えた別の態様(7)としては、配信装置を実現するコンピュータを制御する配信プログラムであって、前記配信プログラムは、前記配信装置を制御することにより、制御プログラムをユーザ端末に配信する配信ステップを実行させ、前記制御プログラムは、前記ユーザ端末に、ウェブページ上の所定の基準位置が可視領域内に位置しているかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによる判断の結果に基づいて、前記ウェブページにおける前記所定の基準位置を含む又はその付近の所定の表示領域に表示されるコンテンツの表示を制御する制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0010】
上記各態様をクライアント側のプログラムとして捉えた別の態様(8)としては、ユーザ端末に、ウェブページ上の所定の基準位置が可視領域内に位置しているかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによる判断の結果に基づいて、前記ウェブページにおける前記所定の基準位置を含む又はその付近の所定の表示領域に表示されるコンテンツの表示を制御する制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0011】
以上のように、本発明では、ユーザ端末に配信するウェブページデータのスクリプトに代表される制御プログラムにより、ウェブページ上の所定の基準位置が、可視領域内に位置しているかを判断し、判断の結果に基づいて、ウェブページにおける前記所定の基準位置を含む又はその付近の所定の表示領域に表示されるコンテンツの表示を制御することにより、ユーザからの視認性に基づく適切なタイミングでコンテンツの挙動を制御することが可能となり、広告効果が改善できる。
【0012】
本発明の他の態様(2)としては、上記いずれかの態様において、前記制御手段は、前記判断手段により前記所定の基準位置が前記可視領域内に位置していると判断された場合には、前記所定の表示領域において前記コンテンツの表示を開始させることを特徴とする。
【0014】
本発明の態様(4)としては、上記いずれかの態様において、前記判断手段は、前記ウェブページのスクロール方向に応じて、前記所定の基準位置が前記可視領域内に位置しているかを判断することを特徴とする。
【0015】
本発明の態様(5)としては、上記いずれかの態様において、前記判断手段は、ユーザの操作を受け付ける受付手段の操作履歴を参照し、前記ウェブページのスクロール方向を特定し、特定したスクロール方向に応じて、前記所定の基準位置が前記可視領域内に位置しているかを判断することを特徴とする。
【0016】
なお、上記の各態様とは異なるカテゴリ(方法に対しプログラム、装置に対し方法など)や、以下に説明するさらに具体的な各態様も、本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザからの視認性に基づく適切なタイミングで広告の挙動を制御することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について、図に沿って説明する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0020】
〔1.構成〕
本実施形態は、
図1(構成図)に示すように、ユーザ端末Tに通信ネットワークN(インターネットや携帯電話網など)経由で広告を配信する広告配信装置1(以下「本装置1」とも呼ぶ)に関するものである。
【0021】
この本装置1は、一般的なコンピュータの構成として少なくとも、CPUなどの演算制御部5と、外部記憶装置(HDD等)や主メモリ等の記憶装置6sと、通信ネットワークNとの通信手段7s(LANアダプタなど)と、を有する。また、ユーザ端末T(以下、単に「端末T」とも呼ぶ)は、ウェブブラウザBを備えたPC(パーソナルコンピュータ)や携帯電話端末装置などであり、本装置1に準じたコンピュータの構成(5〜7)に加え、操作ボタンなどの入力装置3と、液晶表示パネルなどの表示装置4と、を有する。これら本装置1と端末Tの間の通信(図中、破線矢印や太い矢印で示す)は、通信ネットワークNを通じて行う。
【0022】
また、本装置1では、記憶装置6sに予め記憶(インストール)した図示しない所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部5sを制御することで、
図1に示す各手段などの要素(10,20など)を実現する。端末Tにおいても、本装置1から配信される端末用プログラムであるスクリプトJがウェブブラウザBを介し演算制御部5を制御することで、
図1に示す各手段などの要素(50,60など)を実現する。これら各要素のうち、情報の記憶手段は、記憶装置6sや6において各種のデータベース(「DB」とも表す)やファイル、データ構造体、配列等の変数、システム設定値など任意の形式で実現できる。
【0023】
これら記憶手段のうち、本装置1の広告記憶手段15は、
図2に例示するように、広告ごとに、配信対象者の属性、広告表示のためのファイルなどの情報を記憶している手段である。また、プログラム記憶手段25は、HTMLファイルなどウェブページデータのひな形DTを記憶している手段で、このひな形DTをニュースなど更新される記事や選択された広告などの動的データと組み合わせて端末Tに配信する。なお、記憶手段以外の各手段は、以下に説明する情報処理の機能・作用を実現・実行する処理手段である。
【0024】
〔2.作用及び効果〕
上記のように構成した本実施形態では、本装置1において、配信手段30が、端末用プログラムを端末Tに配信する。具体的には、通信ネットワークNを介し、端末Tからのウェブページリクエストに応じ、そのウェブページのコンテンツや端末Tのユーザ属性に対応した広告を、広告記憶手段15に記憶されている広告から広告引当て手段10が選択(引当て)し、生成手段20が、選択された広告やその他の記事コンテンツ等のデータをひな形DTと組み合わせてウェブページデータDを生成し、それを配信手段30が配信する。
【0025】
このウェブページデータDは、端末T(特にウェブブラウザB)を制御する端末用プログラムとして、JavaScript(登録商標)に代表されるスクリプトJを含み、このように配信されるスクリプトJが端末Tを制御することで以下のような各手段を実現する。すなわち、本実施形態の概要としては、可視領域取得手段50が、ウェブページのうちウェブブラウザBに画面表示されている可視領域の座標を取得する一方、基準位置取得手段60がウェブページ上における基準位置の座標を取得し、取得した前記基準位置が前記可視領域内に位置しているかを判断手段70が判断し、前記基準位置が前記可視領域内に位置していると判断された場合に、制御手段80が、ウェブページ内における広告の表示に所定の挙動を生じさせる。
【0026】
このように、本実施形態では、ユーザ端末に配信するウェブページデータのスクリプトに代表される端末用プログラムにより、ウェブページ上の広告又はその付近に定める基準位置が、ブラウザ画面に表示中の可視領域に入るタイミングを検出して、広告の表示や特にアニメーションや動画などの動きを開始することにより、ユーザからの視認性に基づく適切なタイミングで広告の挙動を制御することが可能となり、ユーザが目にする前にブラウザ画面の枠外で広告の目ぼしい動きが終わってしまうなどの無駄が排除でき、広告効果が改善できる。
【0027】
続いて、上記のような概要を実現する具体的な処理手順と例について、
図3のフローチャートに沿って説明する。
図3の処理は、端末Tにおいて、ユーザがスクロールなどしながらウェブページを閲覧するのと並行して、インターバルタイマによる割り込み処理などを用いて所定周期(例えば1秒毎)に行うものである。
【0028】
ここで、
図4は、ウェブブラウザB上の可視領域G(「ブラウザ可視領域」や「ブラウザ可視領域G」とも呼ぶ)と、このウェブブラウザBで表示しているウェブページWとの関係を示す概念図であり、ウェブページWが特に小さい場合を除いて、この図に示すように、ウェブページWの一部分がウェブブラウザBの表示ウィンドウでユーザが見ることができる可視領域Gに表示される。なお、可視領域Gにおける座標系をスクリーン座標系と呼び、このスクリーン座標系における座標をG(640,480)のように表すこととする。また、ウェブページWにおける座標をウェブページ座標系と呼び、このウェブページ座標系における座標をW(640,480)のように表すこととする。
【0029】
〔2−1.可視領域の座標の取得〕
そして、
図3の手順では、最初に、可視領域取得手段50による可視領域Gの座標の取得を次のように行う(ステップS11〜S13)。まず、ウェブページWのうちブラウザ可視領域Gの左上原点にあたるXY座標(ウェブページ座標系)を取得する(ステップS11)。この左上原点の座標は、ウェブページWの読込時点ではW(0,0)であり、その後のスクロールにより変動する。この座標は、代表的なブラウザの基本的なメソッド等の機能によりスクロール状態とスクロール量を取得して計算できる。
【0030】
例えば、スクロール状態を取得するスクリプトの一例を
図5に示す。
図5のスクリプトの例は、スクロール量(例えばYの値)を取得するスクリプトの記述例である。
【0031】
続いて、ブラウザの画面領域すなわち可視領域Gのサイズ(例えば、X方向幅:640、Y方向高さ:480)を取得する(ステップS12)。このサイズは、ウィンドウのサイズが変更されると変動する。このサイズも、代表的なブラウザの基本的なメソッド等の機能により得られる情報であり、
図6は、スクロールバーを除いた可視領域Gのサイズを得るスクリプトの記述例である。
【0032】
さらに、ブラウザ可視領域Gの右下隅にあたるウェブページ上のXY座標(ウェブページ座標系)を算出する(ステップS13)。この計算は、左上のX座標にブラウザの横幅サイズを加算する一方、左上のY座標にはブラウザの縦幅サイズを加算すればよい。例えば、ページ読込直後の状態において(
図4)、ブラウザ可視領域Gの左上原点にあたるウェブページ座標系上の座標がW(0,0)で、可視領域GのサイズがX方向幅:640、Y方向高さ:480の場合、可視領域Gの右下隅にあたるウェブページ上のXY座標(ウェブページ座標系)はW(640,480)となる。
【0033】
〔2−2.基準位置の座標取得と判断〕
続いて、基準位置取得手段60が、ウェブページW上における所定の基準位置について、
図7に例示するスクリプト記述などにより、ウェブページ座標系上の座標を取得する(ステップS14)。例えば
図4の例において、黒丸で示す基準位置の座標はW(500,900)であるものとする。
【0034】
そのうえで、基準位置取得手段60は、ブラウザの可視領域G内に前記基準位置が含まれるか(位置しているか)を判断する(ステップS15)。この判断では、
図4に例示するように、左右スクロールは考慮不要で下スクロールをしてゆく状況では、最低限、ウェブページ座標系において基準位置のY座標がブラウザ可視領域Gの右下隅Y座標以下であることを判断すればよい。より一般的には、ウェブページ座標系において、基準位置のX座標がブラウザ可視領域Gの左上原点のX座標以上かつ右下隅X座標以下で、かつ、基準位置のY座標もブラウザ可視領域の左上原点のY座標以上かつ右下隅Y座標以下であることを判断する。
【0035】
例えば、
図4の状態で判断すれば、基準位置のX座標は500で、ブラウザ可視領域Gの左上原点のX座標が0以上かつ右下隅X座標が640以下であるが、基準位置のY座標は900で、ブラウザ可視領域Gの左上原点のY座標が0以上ではあるものの、右下隅Y座標が480以上である点で、基準位置が可視領域G内に含まれないと判断する。このように、可視領域Gに基準位置が達していない場合(ステップS15:「NO」)、一旦処理を終了し再び割込み処理により
図3の処理手順を実行する。
【0036】
一方、
図8の状態については
図4の場合と比べ、基準位置の座標W(500,900)は変わらないが、ブラウザ可視領域GがウェブページWの下部へ700画素スクロールして原点の座標がW(0,700)となった結果、ブラウザ可視領域Gの右下隅Y座標が(700+480=)1180に変わって基準位置のY座標(900)以下となり、基準位置が可視領域G内に含まれると判断する(ステップS15:「YES」)。
【0037】
〔2−3.挙動の制御など〕
上記のように判断した結果、可視領域Gに基準位置が達している場合は(ステップS15:「YES」)、ログ取得用のウェブビーコンをサーバである広告配信装置1に送信したうえ(ステップS16)、制御手段80が、ウェブページW内における広告ADの表示に所定の挙動を生じさせ(ステップS17)、割込み処理を終了するためインターバルタイマをストップする(ステップS18)。ここで、ウェブビーコンについては、1ピクセル角の透明なGIF画像を読み込ませるなど、従来一般に知られた公知の技術でよい。
【0038】
また、ウェブページW内における広告ADの表示に所定の挙動を生じさせる具体的な手法は自由に選択可能である。例えば、FlashやSilverlight(いずれも登録商標)に代表されるリッチインターネットコンテンツ用のインタラクティブ動画ファイルが広告のアニメーションや動画等の動きを実現する場合に、そのファイルに所定の開始命令や信号などを送信して動きを開始させてもよいし、また、例えば、上記ウェブビーコンを広告表示のトリガーとして本装置1又は他の適宜な配信サーバから、広告画像等のファイルを端末Tに対して送信することで、動きを開始させるなどでもよい。
【0039】
〔2−4.スクロール方向に応じた基準位置の選択〕
上記のように広告の表示に挙動を生じさせる判断基準とする基準位置については、
図4に例示したように広告の一辺上や広告の中心点など単一の箇所でもよいが、複数の候補又は任意の位置に基づき、スクロール方向に応じて選択する構成も可能である。この場合、スクリプトJは端末Tに方向検出手段40及び基準位置選択手段48を実現させ、このうち方向検出手段40がウェブページWのスクロール方向を検出し、基準位置選択手段48は、検出された前記スクロール方向に応じて、ステップS14などにおいて複数の候補から前記基準位置を選択する。
【0040】
ここで、スクロールの方向は、ステップS11にて取得するブラウザ可視領域Gのウェブページ座標系における座標値や、スクロールバーへのマウス操作や方向キー操作によるスクロール動作などの履歴を動作履歴記憶手段45に記憶し、それら履歴を参照して推移を判断するなどにより特定することが可能である。
【0041】
また、基準位置としては例えば、
図9に例示するように、矩形の広告ADに対し、基準位置の候補P0〜P12(それぞれ黒丸で示す)がある場合、広告ADの中心である候補P0を基準位置として選択すれば、スクロール方向が上下左右どの方向でも広告ADの半分まで見えたところで所定の挙動が開始する。
【0042】
また、ウェブページ下方へのスクロールにより可視領域の境界が相対的に上から広告ADに対し降りて来る場合、広告AD下辺の候補P1を基準位置として選択すれば、広告ADの全体がブラウザの可視領域に収まったタイミングで、広告ADにおいて表示やアニメーションの開始など所定の挙動が開始する。同様に、スクロール方向が上方なら広告AD上辺の候補P2、スクロールが右方向なら右辺のP3、左方向なら左辺のP4をそれぞれ選択すれば、広告ADの全体が見えたところで所定の挙動が開始する。
【0043】
また、広告の外縁からある程度の余地だけ離れた基準位置とすることが望ましい。例えば、
図9の例では、基準位置の候補P5,P6は、垂直方向の余地YM(例えば10ピクセルなど)だけ広告ADから離れた位置であり、同様にP7,P8は、水平方向の余地XMだけ広告ADから離れた位置であり、これらP5〜P8を用いれば、挙動の開始時に広告が可視領域の端に密着せず見易い表示が実現できる。なお、垂直と水平の余地YMとXMは互いに同じでも異なってもよく、一方のみを採用してもよい。
【0044】
このように、広告の表示が可視領域内かの判断に用いる基準位置をスクロール方向に応じて選択することにより、どのスクロール方向の場合も広告全体が表示範囲に収まって見える状態になってから目ぼしい動きを開始でき、確実な広告効果が得られる。
【0045】
〔2−5.指定した基準位置の配信〕
また、表示させる広告画像の絵的特徴やアニメーション的特徴などを考慮して、基準位置を予め選択しておき、どのような基準位置を選択しているかの情報を、本装置1から端末Tに伝達することが可能である。この場合、配信手段30は、広告に対応した基準位置の指定内容をスクリプトJとともにパラメータなどとして端末Tに配信し、基準位置選択手段48は、前記指定内容に応じた基準位置を選択する。
【0046】
例えば、可視領域Gが左方向にスクロールし、ブラウザ可視領域内の広告ADが相対的に右方向に移動する場合を想定したとき、
図10の例のように、広告AD内で商品のキャラクタCが左寄りに登場するなど、広告画像の特徴が中心から左側にある場合、広告の左側に設けた基準位置PLを選択すれば、広告ADのうち肝心な左寄り部分まで可視領域Gに収まった時点でキャラクタCが登場という挙動が開始できる。
【0047】
逆に、
図11の例のように、キャラクタCが右寄りに登場するなど広告画像の特徴が中心から右側にある場合、広告の中心などに設けた基準位置PRを選択すれば、広告ADのうち肝心な右寄り部分まで可視領域に収まれば、その時点でキャラクタCが登場という挙動が開始できる。このような基準位置の指定は、広告の入稿時に適宜な入稿用ウェブページなどで広告主に選択させる構成としてもよく、そのように選択された基準位置が
図2の例では広告の情報にパラメタとして含まれ(「基準位置:P0(中心)」)、本装置1が端末TへウェブページデータDに含めて配信する。
【0048】
このように、広告画像のどの部分が特徴的かに応じて基準位置の指定内容を端末用プログラムと一緒に端末に送信し判断に反映させることにより、広告領域のどのあたりまで見えたときに動かすかなど、広告画像に一層適した制御内容を実現することができる。
【0049】
〔2−6.スクロール方向に応じた挙動内容の変更〕
また、基準位置がブラウザ可視領域に入るときのスクロール方向に応じて、挙動内容を変更することも可能である。この場合、スクリプトJは端末Tの制御手段80に、方向検出手段40により検出されたスクロール方向に応じて、異なる内容の挙動を広告の表示に生じさせる。例えば、
図12の例では、可視領域Gが右方向、広告ADが相対的に左方向となるスクロールの際、広告ADの左半分すなわち基準位置PXあたりまでが可視領域に入ると、キャラクタCが左寄りに登場する。これとは左右逆の例を
図13に示す。
【0050】
上に例示したように、異なる内容の挙動を使い分ける具体的態様は自由であるが、例えば、複数種類のインタラクティブ動画ファイルのうち該当するものを選択的にダウンロードし再生してもよいし、挙動内容を指示するパラメータをインタラクティブ動画ファイルへ渡すなどしてもよい。このような挙動内容についても、広告の入稿時に入稿用ウェブページなどで広告主に指定させる構成が考えられ、そのように指定された挙動内容が
図2の例では広告の情報にパラメタとして含まれ(「右スクロール:挙動1、左スクロール:挙動2」)、本装置1が端末TへウェブページデータDに含めて配信する。
【0051】
このように、可視領域内に広告画像が現れるときのスクロール方向に応じ、広告画像の登場キャラクタの挙動方向など広告の動きを変えることにより、ユーザの興味を惹きつけて優れた広告効果を実現することができる。
【0052】
〔3.他の実施形態〕
なお、上記各実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、端末用プログラムについては、形式は自由でスクリプトには限定されないので、インタラクティブ動画ファイルに組み込んだプログラム内容、アプレット、その他の実行モジュールなどでもよい。また、上記実施形態で示した各手段など特に本装置の要素は、コンピュータの演算制御部に限らず、ワイヤードロジック等に基づく電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。また、各構成図、データの図、フローチャートの図などは例示に過ぎず、各要素の有無、その順序や具体的内容などは適宜変更可能である。例えば、端末Tにおいて少なくとも方向検出手段40、基準位置選択手段48を省略した構成も考えられる。
【0053】
また、本発明の装置(本装置1)は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。また、端末Tを含むシステム全体や、システム全体に対応する情報処理の方法やコンピュータ・プログラムなどとしても把握することができる。