(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
地面係合用具(1、6)のベース縁部(18)用の歯アセンブリ(10)の地面係合先端具(14、150、180、190、210)であって、歯アセンブリ(10)は、地面係合用具(1、6)のベース縁部(18)に取り付くように構成され、前方に延びるアダプタノーズ(26)を有するアダプタ(12、170)を含む、地面係合先端具(14、150、180、190、210)において、
後縁部(70)と、
上部外側面(72)と、
底部外側面(74)であって、上部外側面(72)と共に、地面係合先端具(14、150、180、190、210)の後縁部(70)から前方に延びて前縁部(76)で集束する底部外側面(74)と、
底部外側面(74)から上部外側面(72)まで上方に延びる、両側に配置された横外側面(90、92)と、
内側面(122、124、126、128)であって、地面係合先端具(14、150、180、190、210)の後縁部(70)から地面係合先端具(14、150、180、190、210)の内側に延び、アダプタノーズ(26)を受け入れるために、アダプタ(12、170)のアダプタノーズ(26)に対して相補的な形状を有する地面係合先端具(14、150、180、190、210)の内部にノーズ空洞(120)を画定する内側面(122、124、126、128)と、
を含み、内側面(122、124、126、128)は、
地面係合先端具(14、150、180、190、210)の後縁部(70)から内側に延び、地面係合先端具(14、150、180、190、210)の後縁部(70)にほぼ垂直に向けられた底部内側面(122)と、
前部内側面(130)と、
前部内側面(130)に近接し、後縁を有する第1の支持部分(132)と、地面係合先端具(14、150、180、190、210)の後縁部(70)に近接し、前縁を有する第2の支持部分(136)と、第2の支持部分(136)の前縁から第1の支持部分(132)の後縁まで延びる中間部分(134)とを有する上部内側面(124)と、
を含み、第1の支持部分(132)と底部内側面(122)との間の距離は、第2の支持部分(136)と底部内側面(122)との間の距離未満であり、上部内側面(124)の第2の支持部分(136)は、底部内側面(122)にほぼ平行であり、両側に配置された側部内側面(126、128)が、底部内側面(122)から上部内側面(124)まで上方に延び、
前記横外側面(90、92)のそれぞれが、外方に延びる突起部分を含み、
前記突起部分は、前記アダプタ(12、170)を保持する、地面係合先端具(14、150、180、190、210)。
上部内側面(124)の中間部分(134)は、底部内側面(122)に対して約30°の角度をなす向きに向けられる、請求項1に記載の地面係合先端具(14、150、180、190、210)。
前部内側面(130)は概ね平面状であり、底部内側面(122)に垂直な線に対して約15°の角度をなす向きに向けられる、請求項1または2に記載の地面係合先端具(14、150、180、190、210)。
第1の支持部分(132)は、底部内側面(122)にほぼ平行に向けられ、上部内側面(124)の中間部分(134)は、上部内側面(124)の第1の支持部分(132)および第2の支持部分(136)に対して約30°の角度をなす向きに向けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の地面係合先端具(14、150、180、190、210)。
ノーズ空洞(120)の上部内側面(124)および底部内側面(122)は、地面係合先端具(14、150、180、190、210)の上部外側面(72)および底部外側面(74)にほぼ平行であり、そのため、上部内側面(124)と上部外側面(72)との間の距離、および底部内側面(122)と底部外側面(74)との間の距離は、各面が横方向に広がりながら地面係合先端具(14、150、180、190、210)にわたって一定のままである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の地面係合先端具(14、150、180、190、210)。
前面(50)は概ね平面状であり、底面(42)に垂直な線に対して約15°の角度をなす向きに向けられる、請求項6〜9のいずれか一項に記載のアダプタ(12、170)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下のテキストは、本発明の複数の異なる実施形態を詳細に説明しているが、当然のことながら、本発明の法律上の範囲は、特許請求の範囲の文言によって規定される。詳細な説明は、単なる例示として解釈すべきであり、本発明のすべての可能な実施形態について説明していない。現在の技術か、または本特許の出願日以後に開発された技術かのいずれかを使用して、多数の代替実施形態を実施することができ、これらの代替実施形態は、それでも、本発明を規定する請求項の範囲内に入る。
【0016】
当然のことながら、「本明細書において、「___」という用語は、・・・を意味すると定義される」という文、または同様の文を使用して、用語が本特許で明確に定義されない限り、その用語の明白な、または通常の意味を越えて、明確に、または暗示的にその用語の意味を限定する意図は全くなく、そのような用語は、(特許請求の範囲の言い回し以外の)本特許の任意の項でなされる任意の表現に基づいて範囲を限定されると解釈すべきでない。本特許の終わりに特許請求の範囲に列挙された任意の用語が、本特許において、単一の意味に則った態様で示される限りにおいて、これは、読者を混乱させないように、単に明瞭にするためになされ、そのような請求項用語が、暗示的に、または別の形で、その単一の意味に限定されることを意図するものではない。最後に、請求項要素が、任意の構造についての説明なしに「手段」という文言および機能を列挙することで定義されない限り、任意の請求項要素の範囲が米国特許法第112条第6項の適用に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0017】
図1を参照すると、ローダ機械などの底部摩耗用途用の用具が、本開示の特徴を内包したローダバケットアセンブリ1の形態で示されている。ローダバケットアセンブリ1は、
図1に部分的に示されたバケット2を含む。バケット2は、材料を公知の態様で掘削するローダ機械で使用される。バケットアセンブリ10は、一対の両側に配置された支持アーム3を含むことができ、対応するコーナーガード4は、支持アーム3に取り付けることができる。バケットアセンブリ1は、本開示による歯アセンブリ1の間に挟まれた複数の縁部プロテクタアセンブリ5をさらに含むことができ、縁部プロテクタアセンブリ5および歯アセンブリは、バケット2のベース縁部18に沿って固定されている。
図2は、掘削機などの上部摩耗用途用の用具を掘削機バケットアセンブリ6の形態で示している。掘削機バケットアセンブリ6は、両側に連結されたコーナーガード4を有するバケット7と、バケット7のベース縁部18全体にわたって取り付けられた複数の歯アセンブリ10とを含む。底部摩耗および上部摩耗用途で実装することができる歯アセンブリの様々な実施形態が本明細書で説明される。特定の底部摩耗または上部摩耗用途に関連して、特定の歯アセンブリまたは構成要素の実施形態が説明され得る場合でも、歯アセンブリは、特定のタイプの用途に限定されず、様々な用途の用具間で交換可能であり、本開示による歯アセンブリに関するそのような互換性は、本発明者によって企図されていると当業者には分かるであろう。
【0018】
図3および
図4は、土木用具に対して有益であり、特に、上部摩耗用途で使用することができる、本開示による歯アセンブリ10の実施形態を示している。歯アセンブリ10は、ベース縁部18を有する様々なタイプの地面係合用具で使用することができる。歯アセンブリ10は、用具1、6(それぞれ
図1および
図2)のベース縁部18に取り付くように構成されたアダプタ12と、アダプタ12に取り付くように構成された先端具14とを含む。歯アセンブリ10は、先端具14をアダプタ12に固定する保持機構(図示せず)をさらに含む。保持機構は、先端具14の側面を貫通する保持開孔16などの、アダプタ12および先端具14の諸態様を利用できるが、多数の代替保持機構を本開示による歯アセンブリ10に実装することができ、歯アセンブリ10は、特定の保持機構(1つまたは複数)に限定されないと当業者には分かるであろう。
図4に示すように、先端具14は、アダプタ12に取り付けられた後、土木材料(図示せず)と最初に係合するように、用具1、6のベース縁部18から外側に延びることができる。
【0019】
上部摩耗用途用のアダプタ(
図5〜9)
アダプタ12の実施形態が、
図5〜9にさらに詳細に示されている。
図5を参照すると、アダプタ12は、括弧で示した、上部ストラップ20および底部ストラップ22を有する後部部分19と、中間部分24と、アダプタ12の前部または前方位置に配置されたノーズ26とを含むことができる。上部ストラップ20および底部ストラップ22は、
図6に示すように、それらの間にある、用具1、6のベース縁部18を受け入れるためのギャップ28を画定することができる。上部ストラップ20は、ベース縁部18の上面32に対向し、近接して配置することができる底面30を有し、底部ストラップ22は、ベース縁部18の底面36に対向して係合することができる上面34を有することができる。
【0020】
アダプタ12は、当業者に公知の任意の連結方法または連結機構を使用して、上部ストラップ20および底部ストラップ22をベース縁部18に取り付けることで、用具1、6のベース縁部18の所定の位置に固定することができる。一実施形態では、ストラップ20、22およびベース縁部18は、アダプタ12を所定の位置に保持するためにボルトまたはリベットなどの留め具(図示せず)を挿入することができる、対応する開孔(図示せず)を有することができる。あるいは、上部ストラップ20および底部ストラップ22は、アダプタ12およびベース縁部18が、使用時に互いに対して移動しないように、ベース縁部18の対応する上面32、および底面36に溶接することができる。ベース縁部18の金属強度に及ぼす上面および底面の溶接の影響を軽減するために、ストラップ20、22は、ベース縁部18の上面32および底面36に形成される溶接部の重なりを最小限にするように、様々な形状で構成することができる。
図7および
図8に示すように、上部ストラップ20の外縁部38は、ストラップ20が、概して底部ストラップ22よりも短く、かつ広くなることができるように、底部ストラップ22の外縁部40とは異なる形状を有することができる。強度維持の利点に加えて、底部ストラップ22を延長することで、用具1、6のベース縁部18の底面36にさらなる摩耗材料を付与することもできる。さらに、上部ストラップ20は、上部摩耗用途において、より多量の摩耗が生じ得るアダプタ12の上部に、より多くの摩耗材料を付与するために、底部ストラップ22よりも厚くすることができる。
【0021】
代替案として、図示および上記した上部ストラップ20および底部ストラップ22にアダプタ12用の他の連結構成を形成することができると当業者には分かるであろう。例えば、アダプタ12の後部部分に単一の上部ストラップを設け、底部ストラップを設けないことも可能であり、上部ストラップ20は、ベース縁部18の上面32に取り付けられる。反対に、単一の底部ストラップ22を設け、上部ストラップ20を設けないことも可能であり、底部ストラップ22は、ベース縁部18の底面36に取り付けられる。さらなる代替案として、単一の中央ストラップをアダプタ12の後部部分に設けることができ、中央ストラップは、用具1、6のベース縁部18のギャップに挿入される。さらに別のアダプタ取り付け構成が当業者には明らかであり、本開示による歯アセンブリで使用されることが本発明者によって企図されている。
【0022】
図5に戻ると、アダプタ12の中間部分24は、ストラップ20、22とアダプタ12の前端部から外側に延びるノーズ26との間の移行部を形成している。ノーズ26は、下記にさらに完全に説明するように、先端具14の対応するノーズ空洞120(
図16)によって受け入れられるように構成されている。
図5および
図6に示すように、ノーズ26は、底面42、上面44、両側の側面46、48、および前面50を有することができる。底面42は概ね平面状であり、底部ストラップ22の上面34、相応して、ベース縁部18の底面36に対して上方に傾斜することができる。底面42の傾斜角δは、示すように、底部ストラップ22の上面34などの、アダプタ12のストラップ20、22の主要なベース縁部係合面によって規定されるほぼ長手方向の軸「A」に対して約5°とすることができる。実施によっては、底面42の角度δは、アダプタ12が製造される成形型または金型からのアダプタ12の取り出し、および先端具14のノーズ空洞120(
図16)内へのノーズ26の嵌め込みを容易にするために、さらに1°〜3°だけ大きくすることができる。
【0023】
ノーズ26の上面44は、用具1、6の使用時に先端具14を支持し、かつ土木材料からなる積載物の重みがかかる場合に、ノーズ26上での先端具14の保持を容易にするように構成することができる。上面44は、前面50に近接して配置された第1の支持面52と、第1の支持面52から中間部分24に向かって後方に延びる中間傾斜面54と、中間面54とアダプタ12の中間部分24との交差部との間に配置された第2の支持面56とを含むことができる。各面52、54、56は、概ね平面状の構成を有することができるが、互いに対して角度をなす向きに向けることもできる。図示した実施形態では、第1の支持面52は、底面42とほぼ平行とすることができ、成形型または金型からの取り出しを容易にするために、底面42に対して抜き勾配を有することができる。第2の支持面56も底面42および第1の支持面52にほぼ平行に向けることができる。さらに、第2の支持面56は、長手軸「A」に対して、第1の支持面52よりも高い位置でアダプタ12に配置することができる。中間面54は、第1の支持面52の後縁52aと第2の支持面56の前縁56aとの間に延び、中間面54と底面42との間の距離は、中間面54が第2の支持面56に近づくにつれて長くなる。一実施形態では、中間面54は、ノーズ26の底面42、第1の支持面52、および第2の支持面56に対して約30°の角度αをなす向きに向けることができる。中間面54が傾斜することで、ノーズ26を先端具14のノーズ空洞120(
図16)に挿入するのが容易になり、一方、中間面54の幅により、先端具14をノーズ26に取り付けた後、先端具14のねじれが限定される。第1の支持面52および第2の支持面56はまた、下記にさらに完全に説明するように、アダプタ12上で先端具14の向きを維持する助けとなる。
【0024】
ノーズ26の側面46、48は概ね平面状であり、底面42と上面44との間で上方に延びることができる。各側面46、48に1つの1対の突起58(
図6には1つだけ示している)は、軸「B」に沿ってほぼ同軸上に向きを合わされている。軸「B」は、長手軸「A」に対してほぼ垂直である。突起58は、先端具14をノーズ26に保持するための保持機構(図示せず)の一部として機能する。突起58は、先端具14の対応する開孔16(
図3)と一列に整列するように配置することができる。側面46、48はほぼ平行であるか、または
図7および
図8に示すように、ノーズ26が先細りになるように、側面46、48が中間部分24から前面50ノーズ26に向かって延びるときに、軸「A」に対して約3°の長手方向テーパ角「LTA」(明確にするために、
図7では軸「A」に平行な線に対して示している)で内側に傾斜することができる。
図9の断面図に最もよく示すように、側面46、48は、上面44から底面42に向かって下方に延びるときに、側面46、48間の距離が、軸「A」および軸「B」に垂直に向けられた平行垂直線「VL」に対して約6°の垂直テーパ角「VTA」をなして、ほぼ対称に短くなるように傾斜することができる。このように構成された場合、および
図9に断面で示すように、ノーズ26は、底面42、上面44、および側面44、46によって画定されるほぼ楔形状の外形62を有することができ、ノーズ26は、底面42の近くよりも上面44の近くに多量の材料を有する。外形62は、先端具14の外形93、131(
図17)に対して相補的とすることができ、これは、上部摩耗用途において、より多量の摩耗が生じる歯アセンブリ10の上部の摩耗材料を増量することができ、また、下記にさらに説明するように、先端具14が土木材料から引き出されるときの抵抗を低減することができる。
【0025】
ノーズ26の前面50は、
図6に示すように平面であってよいし、またはある程度湾曲してもよい。図示した実施形態に示すように、前面50は、概ね平面状とすることができ、底面42から上方に延びるにつれて、中間部分24から離れる方向に傾斜することができる。一実施形態では、前面50は、底面42に垂直な線50aに対して約15°の角度γをなして前方に延びることができる。示すように前面50が傾斜している場合、前面50にほぼ垂直な方向で内側に延び、突起58を実質的に二等分する基準線60は、底面42と基準線60との間、さらに上面44の中間面54と基準線60との間にそれぞれが約15°になる角度β
1、β
2を形成する。基準線60はまた、それぞれ底面42および中間面54の延長である線60b、60cの交点60a付近を通ることができる。基底基準として底面42を使用すると、基準線60は、底面42に対して角度β
1をなす向きに向けられて突起58を二等分し、中間面54は、基準線60に対して角度β
2をなす向きに向けられ、前面50は、基準線60にほぼ垂直である。代替の実施形態では、角度β
1は、製造時に成形型または金型からの取り出しを容易にするために、約1°の抜き勾配を付与して約16°とすることができる。同様に、角度αは、約1°の抜き勾配を付与して約29°とすることができる。
【0026】
上部摩耗用途用の一般荷重用先端具(
図10〜17)
歯アセンブリ10の先端具14が、
図10〜17にさらに詳細に示されている。
図10および
図11を参照すると、先端具14は概ね楔形状とすることができ、後縁部70を含むことができ、上部外側面72が後縁部70の上縁70aから前方に延び、底部外側面74が後縁部70の底縁70bから前方に延びている。上部外側面72は、下方に傾斜することができ、底部外側面74は、上部外側面72および底部外側面74が、先端具14の前部の前縁部76で集束するように、後縁部70にほぼ垂直に延びることができる。上部外側面72は、先端具14の概ね平面状の面を示すことができるが、互いに対して若干角度をなすことができる別個の部分を有することもできる。その結果として、上部上側面72は、後縁部70によって規定される平面「P」に垂直な線に対して約29°の第1の下向き角「FDA」で後縁部70から第1の上部移行領域80まで延びる後部部分78と、平面「P」に垂直な線に対して約25°の第2の下向き角「SDA」で移行領域80から前方に延びる前部部分82と、平面「P」に垂直な線に対して約27°の第3の下向き角「TDA」で前部部分82との間の第2の先端移行領域82aから延びる先端部分84とを含むことができる。上部外側部分72の概ね平面状の構成により、前縁部76が土木材料の山に食い込んだときに、歯アセンブリが、より多くの湾曲部を含む、または土木材料の流れの方向を変える1つまたは複数の凹部を含む上部外側面を有する場合に生じ得るよりも、用具1、6の前方移動に対する抵抗が小さい状態で、土木材料が用具1、6のベース縁部18に向かって上部外側面72を滑り上がるのが可能になる。
【0027】
底部外側面74も概ね平面状とすることができるが、底部外側面74の底部移行領域80aにおいて中間で向きが変化する。したがって、底部外側面74の後部部分86は、底部外側面74が下側前部部分88で下向きの角度に変わるまで、後縁部70によって規定される平面「P」に対してほぼ垂直な関係で、後縁部70から移行領域80aに向かって延びることができる。前部部分88は、歯アセンブリ10の寸法設定に応じて、後部部分86に対して約3°〜約5°の角度θをなす向きに向けることができ、距離d
1だけ後部部分86より低い高さで前縁部76まで延びることができる。底部外側面74の前部部分88を低くすることで、用具1、6のベース縁部18が、前縁部76を前方に土木材料の中を移動させるときに、先端具14のほぼ楔形状の外形によって付与される、下記に説明する流れおよび抵抗軽減の利点の一部を具現化することができる。
【0028】
先端具14はまた、先端具14の両側で上部外側面72と底部外側面74との間に延びる横外側面90、92を含む。各横外側面90、92は、後部部分78、86間の位置で横外側面を貫通する保持開孔16の対応する1つを有することができる。
図13の底面図、
図14の正面図、および
図15の断面図に最もよく示すように、横外側面90、92は、上部外側面72から底部外側面74に向かって下方に延びるにつれて、横外側面90、92間の距離が短くなるように傾斜することができる。このように構成された場合、先端具14は、ノーズ26に対して上記に説明したほぼ楔形状の外形62にほぼ対応するほぼ楔形状の外形93を有することができる。
【0029】
先端具14には、上部摩耗用途において、生じ得る摩耗量がより多い上部外側面72に近接してより多くの摩耗材料が付与され、生じ得る摩耗がより少ない底部外側面74に近接してより少量の摩耗材料が付与される。この構成では、歯アセンブリ10の有効寿命を縮めることなく、摩耗材料の量と、相応して、先端具14の重量およびコストとを低減するか、または少なくともより効率的に配分することができる。横外側面90、92を上部から底部まで先細りにして、先端具14のほぼ楔形状の外形93を形成することで、先端具14が土木材料から引き抜かれるときに先端具14が受ける抵抗の大きさを小さくすることができる。上部外側面74が土木材料から引き抜かれるときに、土木材料は、横外側面90、92が平行であり、横外側面90,92が上部外側面74から下方に延びながら一定の幅を維持する場合よりも、横外側面90,92との接触が少ない形で、
図15に矢印「FL」で示すように、上部外側面74を外側に流れ、さらに、先端具14のまわりを流れる。
【0030】
図12〜15は、横外側面90、92が後縁部70から前縁部76に向かって延びるとともに先細りになるように先端具14を構成することができ、横外側面90、92の勾配が中間部で変化していることをさらに示している。横外側面90、92は、後縁部70から前縁部76に向かって前方に延びる後部部分94、96を有することができ、後部部分94、96が側部移行領域97に近づくにつれて、後部部分94、96間の距離が、平面「P」に垂直な線に対して約3°の側部テーパ角「STA」で短くなるような向きに向けられている。なお、側部テーパ角「STA」は、アダプタ12のノーズ26の長手方向テーパ角「LTA」とほぼ等しい。移行領域80を越えると、横外側面90、92は前部領域98、100に移行し、前部部分98、100は、ほぼ平行であるか、または前部部分98、100が前縁部76に向かって前方に移るにつれて、先端具14によって規定される主長手軸「D」に対して、より浅い角度で集束することができる。前縁部76の後ろの横外側面90、92の前部部分98、100の勾配を小さくすることで、先端具14が受ける摩耗量が、先端具14の後縁部70に近接した領域よりも大きい先端具14の前縁部76前部の近くに摩耗材料を残しておくことができる。
【0031】
図13に示すように、底部外側面74の前部部分88は逃げ部102を含むことができる。逃げ部102は、底部外側面74から上方に延びて先端具14の本体に入り込み、先端具14内にポケット「P」を画定する。
図16の断面図は、逃げ部102の一実施形態の幾何学的構成を示している。逃げ部102は、前縁部76の近くで上方に延びて先端具14の本体に入り込む、上向きに湾曲した部分104を含むことができる。逃げ部102が前縁部76の近くから後縁部70に向かって延びるとして、逃げ部102を参照した場合、逃げ部102の湾曲部分104が上方に延びると、逃げ部102は、勾配の付いた部分106に移行する。勾配の付いた部分106は、後縁部70に向かって後方に延びるとともに下方に延び、最終的に、底部外側面74の移行領域80および後部部分86で終端することができる。逃げ部102の図示した構成により、先端具14の重量が減り、土木材料を通る先端具14の移動抵抗が小さくなり、下記にさらに完全に説明するように、先端具14に自己鋭利化機能が付与される。しかし、先端具14に利点をもたらす逃げ部102の代替構成が当業者には明らかであり、その代替構成は、本開示による歯アセンブリ10の範囲内であるとして発明者によって企図されている。
【0032】
先端具14は、アダプタ12のノーズ26で受けられるように構成することができる。
図17における先端具14の後面図では、ノーズ空洞120を先端具14内に画定することができる。ノーズ空洞120は、アダプタ12のノーズ26に対して相補的な構成を有することができ、底部内側面122、上部内側面124、両側にある1対の内側面126、128、および前部内側面130を含むことができる。後ろから見て、ノーズ空洞120は、先端具14の外側の外形93およびアダプタ12のノーズ26の外形62に対して相補的な態様でほぼ楔形状の外形131を有することができる。上部外側面72と上部内側面124との間、および底部外側面74と底部内側面122との間の距離は、先端具14全体にわたって横方向に一定とすることができる。側部内側面126、128は、上部内側面124から底部内側面122に向かって下方に延びるにつれて、側部内側面126、128間の距離が短くなるように内側に傾斜することができる。このように向けられた場合、側部内側面126、128は横外側面90、92を反映し、ノーズ空洞120の側部内側面126と先端具14の外側の横外側面90との間、およびノーズ空洞120の側部内側面128と先端具14の外側の横外側面92との間で、一定の厚さが維持される。
図17は、ノーズ空洞120が側部内側面126、128に凹部140を含むことができ、ノーズ26がノーズ空洞120に挿入された場合に、凹部140は、アダプタ12のノーズ26の突起58を受け入れるように構成することができることをさらに示している。受け入れると、歯アセンブリ10の保持機構(図示せず)は突起58と係合して、先端具14をアダプタ12に固定することができる。
【0033】
図16の断面図は、先端具14のノーズ空洞120と
図6に示すアダプタ12のノーズ26との間の対応関係を示している。底部内側面122は概ね平面状であり、後縁部70に対してほぼ垂直とすることができる。底部内側面122はまた、底部外側面74の後部部分86とほぼ平行とすることができる。アダプタ12の底面42が上向きの抜き勾配を有する場合、先端具14の底部内側面122は、抜き勾配と合致する、対応する上向き勾配を有することができる。
【0034】
上部内側面124は、ノーズ26の上面44と合致するように成形することができ、第1の支持部分132、傾斜した中間部分134、および第2の支持部分136を含むことができる。第1の支持部132および第2の支持部136は概ね平面状であり、底部内側面122とほぼ平行とすることができるが、成形型または金型からの取り出しを容易にするために、ノーズ26の上面44の第1の支持面52および第2の支持面56に設定できる向きと一致する、若干下向きの傾斜を有することができる。上部内側面124の中間部分134は、第1の支持部分132の後縁132aと第2の支持部分136の前縁136aとの間に延びることができ、中間部分134と底部内側面122との間の距離は、アダプタ12のノーズ26の中間面54と底面42との間と同様な態様で長くなっている。アダプタ12のノーズ26の底面42と中間面54との間の関係と同じく、先端具12のノーズ空洞120の中間部分134は、底部内側部分122、第1の支持部分132、および第2の支持部分136に対して約30°の角度αをなす向きに向けることができる。
【0035】
ノーズ空洞120の前部内側面130は、ノーズ26の前面50に対応する形状を有し、示すように平面状であるか、または前面50の形状に対して相補的であるのに必要な形状を有することができる。
図16に示すように、前部内側面130は、底部内側面122に垂直な線130aに対して約15°の角度γで前縁部76の方に傾斜することができる。基準線138は、前部内側面130にほぼ垂直で内側に延び、保持開孔16をほぼ二等分することができる。ノーズ26の形状に合わせて、基準線138は、ノーズ空洞120の底部内側面122に対して約15°の角度β
1をなし、上部内側面124の中間部分134に対して約15°の角度β
2をなす向きに向けることができる。ノーズ26およびノーズ空洞120の形状は、本開示による歯アセンブリ10の一実施形態を例示したものである。ノーズ26およびノーズ空洞120の様々な面間の相対角および距離における変形型は、それでもなお相補的な形状を有するノーズおよびノーズ空洞を形成する限り、図示した実施形態と異なってよいと当業者には分かるであろうし、そのような変形型は、本開示による歯アセンブリ10で使用するとして、発明者によって企図されている。
【0036】
上部摩耗用途用の貫入先端具(
図18〜22)
土木材料に貫入するためのより高い能力が必要とされることがある岩の多い環境で歯アセンブリ10を使用する場合、歯アセンブリは、土木材料を粉砕するためのより鋭利な貫入端部を有する先端具を用意することで、掘削を容易にすることができる。
図18〜22を参照すると、貫入先端具150が示されており、先端具14の要素と同様である、または同じである先端具150の面および他の要素は同じ参照数字で示され、後縁部70、上部外側面72、および底部外側面74を含むことができ、上部外側面72および底部外側面74は、後縁部70から前方に延び、前縁部76に向かって集束している。横外側面90、92は、上記の保持開孔16を含むことができる。上部外側面74は、後部部分78および前部部分82を有することができ、底部外側面76は、後部部分86および前部部分88を有する。先端具14と同様に、底部外側面74の後部部分86は、後縁部70にほぼ垂直で、ノーズ空洞120の底部内側面122にほぼ平行とすることができる(
図21および
図22)。前部部分88は、歯アセンブリ10の寸法設定に応じて、後部部分86に対して8°〜10°の範囲であり、約9°とすることができる角度θをなす向きに向けることができ、距離d
2だけ後部部分86より低い高さで前縁部76まで延びることができる。先端具アセンブリ10の寸法設定により、先端具外側面72が、外側面72から延び、取り付け時に、先端具150を持ち上げて配置するために使用できるフック152を含むかどうかを決めることもできる。
【0037】
後部部分78、86は、後縁部70から前方に延びることができ、横外側面90、92の後部部分94、96は、横外側面90、92が、約3°の側部テーパ角「STA」で後縁部70から延びるとともに先細りになり、集束する。後部部分78、86が前縁部76に近づくと、上部外側面72および底部外側面74は、前部部分82、88に移行することができる。横外側面90、92は前部部分98、100に移行することができ、前部部分98、100は、最初はほぼ平行であり、次いで、前縁部76に近づくと、平面「P」に垂直な線に対して約20°の貫入テーパ角「PTA」でより大きい勾配を有するようにさらに移行して、後部部分94、96内での集束よりも大きい割合で集束する。その結果として、前縁部76は、
図19に最もよく示す貫入先端具150の通常幅に関して、
図2に示す先端具14の実施形態よりも細くすることができる。先端具150の前縁部76を細くすることで、岩の多い土木材料と係合する表面積は小さくなるが、用具1、6のベース縁部18に取り付けられた一連の歯アセンブリ10によって岩の多い土木材料に加えられる単位接触面積当たりの力が大きくなって、岩の多い土木材料を粉砕することができる。
【0038】
先端具150の前縁部76の幅を細くするのに加えて、摩耗材料が時間とともに先端具150から擦り減るにつれて、先端具150の垂直方向の厚さ全体が薄くなって、先端具150の岩の多い土木材料に貫入する能力をさらに高めることができる。図示した実施形態では、逃げ部154、156を上部外側面72の前部部分82の両側に設けることができ、逃げ部158、160を底部外側面74の前部部分88の両側に設けることができる。逃げ部154、156、158、160は、前縁部76および先端部分84から後方に延びることができる。摩耗材料が、時間とともに先端具150の前縁部76から先端具14の後縁部70に向かって擦り減るときに、先端具150の残りの土木材料係合面の厚さTは、最初に、先端部分84の材料が擦り減るとともに厚くなることができる。摩耗材料が擦り減り、土木材料係合面が逃げ部154に達すると、摩耗材料が後部部分78、86の方向に擦り減り続けるにつれて、厚さTが漸進的に厚くなる逃げ部154、156、158、160間の前部部分82、88の領域を除いて、厚さTは比較的一定のままであり得る。
【0039】
底部摩耗用途用のアダプタ(
図23〜25)
上記のように、底部摩耗用途は、上部摩耗用途とは異なる動作状態を含むことがあり、その結果として、土木材料のより効率的な掘削および積載をもたらすことができる、歯アセンブリのアダプタおよび先端具に対する異なる設計要求を示すことがある。例えば、底部摩耗先端具の底面を地面と平行に、かつ用具1の底面と平行に整列させて、土木材料を収集するための地面に沿った移動を容易にすることが望ましいことがあり、それに対して、上記の上部摩耗先端具の場合、用具6の形状をより近い方に拡大して、用具6のバケット7への土木材料のすくい取りを容易にするのが望ましいことがある。設計要求が異なるために、歯アセンブリのアダプタおよび先端具の両方に設計上の相違が生じ得る。
【0040】
図23〜25は、底部摩耗用途用の用具1と、さらには、ベース縁部18を有する他のタイプの地面係合用具1、6とで特に使用できる、本開示による歯アセンブリ10のアダプタ170の実施形態を示している。上記のアダプタ12の要素と同様である、または同じであるアダプタ170の面および他の要素は、同じ参照数字で示されている。
図23および
図25を参照すると、アダプタ170は、上部ストラップ20、底部ストラップ22、中間部分24、およびノーズ26を含むことができ、上部ストラップ20および底部ストラップ22は、それらの間に用具1、6のベース縁部18を受け入れるためのギャップ28を画定する。上部ストラップ20は、ベース縁部18の上面32に対向し、近接して配置することができる底面30を有し、底部ストラップ22は、ベース縁部18の底面36に対向して係合することができる上面34を有することができる。用途の規模、相応して、歯アセンブリ10の大きさに応じて、アダプタ170は、取り付け時にアダプタ170を持ち上げ、ベース縁部18に配置するために使用できる持ち上げ装置(図示せず)を取り付けるための、上部ストラップから上方に延びるフック172を含むことができる。上記のアダプタ12も同様に、より大規模な用途で必要な場合にフック172を設けることができる。
【0041】
アダプタ170のストラップ20、22は、ベース縁部18の上面32および底面36に形成される溶接部の重なりを最小限にするように、アダプタ12と同様に、様々な形状で構成することができる。ただし、底部摩耗用途では、上部ストラップ20を底部ストラップ22よりも長くし、底部ストラップ22を上部ストラップ20よりも厚くして、アダプタが底部摩耗用途で地面をこすりながら進むときにさらなる摩耗が生じ得るアダプタ170の底部に摩耗材料を追加することが望ましいことがある。
【0042】
ノーズ26もアダプタ12のノーズ26と同じ一般的な構成を有することができ、下記にさらに完全に説明する、先端具の対応するノーズ空洞120によって受け入れられるように構成することができる。ノーズ26は、底面42、上面44、両側の側面46、48、および前面50を有することができ、上面44は、第1の支持面52、第2の支持面56、およびそれらの間に延びる中間面54を有する。ノーズ26の側面46、48は概ね平面状であり、
図25に最もよく示すように、底面42と上面44との間で垂直方向に延び、ほぼ平行であるか、またはノーズ26が後部から前部まで先細りになるように、中間部分24から延びるとともに内側に傾斜することができる。側面46、48は、上記のものと同様なほぼ楔形状の外形174を画定する垂直テーパ角「VTA」により、側面46、48が上面44から底面42に向かって下方に延びるにつれて、側面46、48間の距離が短くなるように傾斜することができる。アダプタ170のほぼ楔形状の外形174は、下記に説明する先端具の外形に対して相補的とすることができる。
【0043】
上部摩耗用途用のアダプタ12のノーズ26に関連して、アダプタ170のノーズ26は、約0°の角度δ(
図4に示す上部摩耗版)をなすように、ストラップ20、22に対して下方に向けることができる。この向きにおいて、底面42は概ね平面状であり、底部ストラップ22の上面34、相応して、用具1、6の底面36にほぼ平行とすることができる。さらに、ほぼ長手方向の軸「A」に関連して、底面42は、アダプタ12上で底部ストラップ22の上面34よりも低い位置に配置することができる。アダプタ12の面のその他の相対位置は同じままとすることができる。したがって、基底基準として底面42を使用すると、基準線60は、底面42に対して角度β
1をなす向きに向けられて突起58を二等分し、中間面は、基準線60に対して角度β
2をなす向きに向けられ、前面50は、基準線60にほぼ垂直である。角度β
1、β
2は、それぞれ約15°とすることができ、中間面54は、ノーズ26の底面42、底部ストラップ22の上面34、第1の支持面52、および第2の支持面56に対して約30°の角度αをなす向きに向けることができ、前面50は、底面42または底部ストラップ22の上面34に垂直な線50aに対して約15°の角度γで前方に延びることができる。ストラップ20に対するアダプタ12のノーズ26のこの向きは、下記に説明する先端具の構成と相まって、先端具の底部外側面を用具1、6の底面および地面にほぼ平行な向きに合わせて、歯アセンブリ10の底部全体が、用具1、6に積載するために地面の表面に沿ってスライドして土木材料に入り込むのを可能にする。
【0044】
底部摩耗用途用の一般荷重用先端具(
図26〜30)
アダプタ170に加えて、底部摩耗用途での性能が改良されるように歯アセンブリ10の先端具を構成することができる。アダプタ170と併用する一般荷重用先端具180の一例が、
図26〜30にきわめて詳細に示されており、
図26〜30において、先端具14に関連して前述したのと同様の面および構成要素は、同じ参照数字で示されている。
図26および
図27を参照すると、先端具180は概ね楔形状であり、上部外側面72および底部外側面74は、それぞれ後縁部70の上縁70aおよび底縁70bから前方に延びて、前縁部76で集束している。上部外側面72は、先端具14と同様に下向きに傾斜することができ、後部部分78は、約29°の第1の下向き角「FDA」を有することができ、前部部分82は、約25°の第2の下向き角「SDA」を有することができ、先端部分84は、約27°の第3の下向き角「TDA」を有することができる。上部外側面72の概ね平面状の構成により、前縁部76が土木材料の山に食い込んだときに、土木材料が上部外側面72を滑り上がって機械(図示せず)のバケット(図示せず)に入り込むのが可能になる。
図28に最もよく示すように、横外側面90、92は、上部外側面72から底部外側面74に向かって下方に延びるにつれて、横外側面90、92間の距離が短くなるように、アダプタ170のノーズに関して上記に説明した外形174に対して相補的な概ね楔形状の外形188を画定する約3°の垂直テーパ角「VTA」で傾斜することができる。
【0045】
底部外側面74もほぼ平面状とすることができるが、移行領域80aにおいて中間で高さが変化する。底部外側面74の後部部分86は、底部外側面74が下側前部部分88に移行する移行領域80まで、後縁部70にほぼ垂直な方向で前方に延びることができる。前部部分88も後縁部70に対してほぼ垂直に向けることができ、後部部分86よりも距離d
3だけ低い高さで前縁部76まで延びることができる。用具1、6の歯アセンブリ10が土木材料に食い込むと、先端具180と土木材料との間の摩耗の大部分は、前縁部76、上部外側面の先端部分84、および先端具14の底部外側面74の前部部分88で生じる。底部外側面74の前部部分88を下げることで、摩耗が激しい領域に摩耗材料が付加されて、歯アセンブリ10の有効寿命が延びる。
【0046】
先端具180の上部外側面72は、前部部分82にわたって延び、後部部分78および先端部分84の一部に隣接する逃げ部182を含むことができる。
図28〜30に示すように、逃げ部182は、上部外側面72から下方に先端具180の本体に延びて、先端具180のポケットを画定することができる。
図30の断面図は、逃げ部182の一実施形態の幾何学的構成を示している。逃げ部182は、先端部分84および前縁部76の近くで下方に延びて先端具180の本体に入り込む、下方に湾曲した部分184を含むことができる。湾曲部分184が下方に延びると、逃げ部182は、後縁部70に向かって後方に向きを変え、後方の勾配の付いた部分186に移行する。勾配の付いた部分186は、後縁部70に向かって後方に延びるとともに上方に延び、最終的に、上部外側面72の移行領域80および後部部分78と合流することができる。逃げ部182の図示した構成により、先端具180の重量が減り、土木材料を通る先端具180の移動抵抗が小さくなり、下記にさらに完全に説明するように、先端具180に自己鋭利化機能が付与される。しかし、先端具180に利点をもたらす逃げ部182の代替構成が当業者には明らかであり、その代替構成は、本開示による歯アセンブリ10で使用するとして発明者によって企図されている。
【0047】
先端具180は、先端具14のノーズ空洞120と同様に、アダプタ170の外側の外形に対して相補的な楔形状の外形を含む、アダプタ170のノーズ26に対して相補的な構成をノーズ空洞120に付与することで、アダプタ170のノーズ26で受けられるように構成することができる。
図30の断面図は、先端具180のノーズ空洞120とアダプタ170のノーズ26との間の対応関係を示している。底部内側面122は概ね平面状であり、後縁部70に対してほぼ垂直とすることができ、さらに、底部外側面74の後部部分86および前部部分88に対してほぼ平行であって、先端具180がアダプタ170に組み付けられたときに、底部外側面74を用具1、6のベース縁部18に対してほぼ平行に向けることができる。その他の点では、上部内側面124、側部内側面126、128、および前部内側面130は、先端具180がアダプタ170に組み付けられたときに、各面が対向して係合するように、ノーズ26の対応する面に対して相補的な形状を有することができる。
【0048】
底部摩耗用途用の摩耗先端具(
図31〜36)
図26〜30に関連して上記に例証および説明した歯アセンブリ10の先端具180は、必要な場合に、歯アセンブリ10が使用される特定の土木環境に応じて修正することができる。例えば、機械が、高い摩耗作用があり、先端具をより急速に摩耗させ得る土木材料に対して作業を行う場合、先端具の前部および底部に、より多くの摩耗材料を付与することが望ましいことがある。
図31〜36は、摩耗作用のある土木材料を積載するのに使用する先端具190の一実施形態を示している。先端具190は、先端具180に関して上記に説明したのと同じ概ね楔形状の構成を有することができ、
図31および
図32に示すように、上部外側面72および底部外側面74が後縁部70から前方に延び、前縁部76に向かって集束している。摩耗の少ない領域の重量を低減し、自己鋭利化を行う手段を付与するために、先端具外側面72の前部部分82には、両側に逃げ部192、194(
図33および
図34)を設けることができる。逃げ部192、194は、先端部分84に近接して後方に延びることができる。摩耗材料は、時間とともに先端具190の前部から擦り減るが、上部外側面72の前部部分82の外縁部に近接した先端具150の材料係合面の高さは、比較的一定のままであり得る。先端具190の重量をさらに低減するために、さらなる逃げ部196を底部外側面74に設けることができる。逃げ部196は、上方に延びて先端具190の本体に入り込むことができ、前縁部76に近接した摩耗の多い領域から摩耗材料を取り過ぎないように、上部逃げ部192、194よりもさらに後方に配置することができる。
【0049】
先端具190が受ける大きな摩耗を補償するために、底部外側面74の幅を広げて摩耗材料を付加することができる。
図33および
図35に最もよく示すように、先端具190の上側部分は、アダプタノーズ26の外形に対して相補的である、上記の先端具と同様の楔形状の外形を有する。横外側面90、92と底部外側面74との交差部に近接して、側部フランジ198、200が、それぞれ横外側面90、92から横に広がって、底部外側面74を幅広にしている。側部フランジ198、200は、後縁部70から前縁部76まで先端具190の全長を伸ばすことができる。上部フランジ面202、204は、先端具190の後縁部70にほぼ垂直な方向で前方に延びることができ、底部外側面74は底部フランジ面でもあり、1°〜3°の範囲をとり、約2°とすることができる角度θで上部フランジ面202、204に対して下方に傾斜することができる。より具体的には、角度θは、
図32および
図35に示すように、底部外側面74と、後縁部70にほぼ垂直で上部フランジ面202、204にほぼ平行な線との間に存在する。この構成の場合、底部外側面74と上部フランジ面202、204との間の距離は、上部フランジ面202、204が上部外側面72の先端部分84と合流するまで、側部フランジ198、200が後縁部70から前縁部76に向かって前方に延びるにつれて長くなることができ、次に、上部外側面72の先端部分84は、前縁部76に向かって底部外側面74とともに集束する。この構成の場合、側部フランジ198、200は、最大摩耗が生じ得る先端具190の前部および底部に摩耗材料を付加する。さらに
図36を参照すると、示したノーズ空洞120は、上記に説明したノーズ空洞120と同様の構成であって、アダプタ170のノーズ26に対して相補的であり、底部内側面122は、後縁部70に対してほぼ垂直である。
【0050】
底部摩耗用途用の貫入先端具(
図37〜41)
土木材料に貫入するためのより高い能力が必要とされることがある岩の多い環境で歯アセンブリ10を使用する場合、歯アセンブリには、土木材料を粉砕するためのより鋭利な貫入端部を有する先端具を設けることが必要なことがある。
図37〜41を参照すると、貫入先端具210が示されており、上部外側面72および底部外側面74が後縁部70から前方に延び、前縁部76に向かって集束している。上部外側面72は、上記の逃げ部192、194と同様な逃げ部212、214を前部部分82の両側に含むことができる。上部外側面72の後部部分78は、後縁部70から前方に延びることができ、横外側面90、92はほぼ平行であるか、またはアダプタ170のノーズ26の勾配と合致する約3°の側部テーパ角「STA」で若干先細りになり、横外側面90、92が後縁部70から延びるにつれて集束している。後部部分78が前縁部76に近づくと、上部外側面72は、前部部分82に移行することができる。横外側面90、92が、最初はほぼ平行とすることができる前部部分98、100に移行することができるように、より大きい勾配を有する横外側面90、92は、約8°の中間テーパ角「ITA」を有し、次いで、前部部分98、100が前縁部76に近づくと、平面「P」に垂直な線に対して約10°の貫入テーパ角「PTA」をなす、より大きい勾配を有するようにさらに移行して、後部部分78内での集束よりも大きい割合で集束する。その結果として、前縁部76は、貫入先端具210の通常幅に関して、先端具180、190の他の実施形態よりも細くすることができる。前縁部76を細くすることで、岩の多い土木材料と係合する表面積は小さくなるが、用具1、6のベース縁部18に取り付けられた一連の歯アセンブリ10によって岩の多い土木材料に加えられる単位接触面積当たりの力が大きくなって、岩の多い土木材料を粉砕することができる。
【0051】
前縁部76を細くすることで、貫入先端具210から摩耗材料を除去することができる一方で、
図40および
図41に示すように、底部外側面74が後縁部70から延びるのに伴って底部外側面74を下方に傾斜させることで、それでもなお、摩耗材料を底部外側面に付加することができる。ノーズ空洞120は上記の構成を有し、底部内側面122は、先端具210の後縁部70にほぼ垂直に延びている。底部外側面74は、底部内側面122にほぼ平行であり、後縁部70にほぼ垂直な線に対して、6°〜8°の範囲をとり、約7°とすることができる角度θで下方に傾斜することができる。
【0052】
上部摩耗用途用の一体歯(
図42〜45)
上記の歯アセンブリはそれぞれ、アダプタとアダプタに取り付けられた先端具とで構成されている。一部の用途では、例えば、先端具をアダプタノーズに取り付ける保持機構の破損の危険をなくすために、一体構成要素を用具1、6に取り付けるのが望ましいことがある。そのような実装に対処するために、上記のアダプタおよび先端具の様々な組み合わせは、本明細書で説明した実用上の利点をもたらす一体構成要素として構成することができる。一例として、
図42〜45は、アダプタ12および先端具14の特徴を有する、上部摩耗用途用の一体に形成された一体型一般荷重歯270を示している。歯270は、中間部分278によって連結された後部の上部ストラップ272および底部ストラップ274と、前部先端具部分276とを含むことができる。先端具部分276は、中間部分278から前方に延び、前縁部284で集束する上部外側面280および底部外側面282を含むことができる。上部外側面280および底部外側面282は、それぞれ先端具14の上部外側面72および底部外側面74とほぼ同じ幾何形状を有することができ、底部外側面282は逃げ部(図示せず)を含むことができる。先端具部分276は、上部外側面280と底部外側面282との間に延びる、両側に配置された横外側面286、288をさらに含むことができる。
【0053】
図43に最もよく示すように、横外側面286、288は、底部外側面282から上部外側面280に向かって垂直に延びるにつれて、横外側面286、288間の距離が長くなるように傾斜することができる。このように構成された場合、先端具部分276は、底面282の近くよりも、上部摩耗用途でより多量の摩滅および摩耗が生じる上面280の近くに多量の摩耗材料を付与するために、先端具14と同様の楔形状の外形を有することができる。幾何学的相似性により、先端具部分276では、
図63〜70に示し、添付のテキストで説明するように、先端具14と同様の態様で、摩耗材料を時間とともに擦り減らすことができる。
【0054】
歯270を交換可能にするために、歯270は、面に溶接される代わりに、用具1、6のベース縁部18にボルト留めするか、または同様に取り外し可能な形で留めることができる。ストラップ272、274は、
図42、
図44、および
図45に示すように、ストラップ272、274をそれぞれ貫通する開孔290、292を設けることで、ベース縁部18にそのように取り付くように構成することができる。組立時、開孔290、292は、ベース縁部18の対応する開孔と一列に整列することができ、適切な連結金具を挿入して、歯270を用具1、6のベース縁部18に保持することができる。先端具部分276が交換を必要とする部分まで摩耗した後、連結金具の連結を解除することができ、残った歯270を取り外して新たな歯270と交換することができる。
【0055】
底部摩耗用途用の一体歯(
図46〜49)
ローダバケットなどの底部摩擦用具においても、一体構成要素を用具1、6のベース縁部18に取り付けるのが望ましいことがある。
図46〜49は、アダプタ170および一般荷重先端具180の特徴を有する、底部摩耗用途用の一体に形成された一体型一般荷重歯300を示している。歯300は、中間部分308によって連結された後部の上部ストラップ302および底部ストラップ304と前部先端具部分306とを含むことができる。先端具部分306は、中間部分308から前方に延び、前縁部314で集束する上部外側面310および底部外側面312を含むことができる。上部外側面310および底部外側面312は、それぞれ先端具180の上部外側面72および底部外側面74とほぼ同じ幾何形状を有することができ、上部外側面312は逃げ部316を含むことができる。先端具部分306は、上部外側面310と底部外側面312との間に延びる、両側に配置された横外側面318、320をさらに含むことができる。
図47に最もよく示すように、横外側面318、320は、底部外側面312から上部外側面310に向かって垂直に延びるにつれて、横外側面318、320間の距離が長くなるように傾斜することができる。幾何学的相似性により、先端具部分306では、
図70〜75に示し、添付のテキストで説明するように、先端具180と同様の態様で、摩耗材料を時間とともに擦り減らすことができる。
【0056】
歯300を交換可能にするために、歯300は、面に溶接される代わりに、用具1、6のベース縁部18にボルト留めするか、または同様に取り外し可能な形で留めることができる。ストラップ302、304は、
図46、
図48、および
図49に示すように、ストラップ302、304をそれぞれ貫通する開孔322、324を設けることで、ベース縁部18にそのように取り付くように構成することができる。組立時、開孔322、324は、ベース縁部18の対応する開孔と一列に整列することができ、適切な連結金具を挿入して、歯300を用具1、6のベース縁部18に保持することができる。先端具部分306が交換を必要とする部分まで摩耗した後、連結金具の連結を解除することができ、残った歯300を取り外して新たな歯300と交換することができる。
【0057】
産業上の利用性
本開示による歯アセンブリ10は、歯アセンブリ10の有効寿命を延ばし、土木材料に貫入する際の歯アセンブリ10の効率を改善することができる特徴部を組み入れている。上記のように、先端具14の概ね楔形状の外形93により、上部摩耗用途において、より多量の摩耗が発生する先端具14の上部の方に、より多量の摩耗材料が配置される。同時に、摩耗材料は、摩耗の発生が少ない先端具14の下側部分から除去され、それにより、先端具14の重量およびコストを削減するが、一部の実施において、十分な強度を付与し、荷重力による破損を防止する助けとするために、上部ストラップ20が、摩耗によって決まる厚さよりも厚くなければならないことがある。底部摩耗用途では、先端具180、190、210が地面をこすりながら進むときに、多量の摩耗が発生する先端具180、190、210の底部に近接して、摩耗材料を先端具180、190、210に付加することができる。
【0058】
本開示による歯アセンブリ10の構造により、先端具14、150、180、190、210をアダプタ12、170に連結する突起58および保持機構に加わる応力を低減することもできる。
図51および
図52で図解するためにアダプタ12および先端具14を使用すると、保持開孔16、突起58、および保持機構(図示せず)の対応する構成要素で必要とされる機械加工公差に基づいて、先端具14は、機械使用時に、アダプタ12、特にノーズ26に対して移動することができる。アダプタ12および先端具14が反対方向に移動すると、相対移動により、保持機構の構成要素に剪断応力が発生することがある。アダプタのノーズが三角形形状の断面を有するか、またはノーズ26の概ね楔形状の外形62よりも丸みの付いた形状を有することがある従来の歯アセンブリでは、アダプタのノーズおよび先端具のノーズ空洞の対向面が離れて、先端具がアダプタに対して歯アセンブリの長手軸のまわりに回転するのを可能にする。先端具のねじれにより、保持機構の構成要素にさらなる剪断応力が発生することがある。
【0059】
対照的に、本開示による歯アセンブリ10では、アダプタノーズ26の支持面52、56は、ノーズ空洞120を画定する、対応する支持部分132、136と係合することができる。
図50の断面図に示すように、先端具14がアダプタノーズ26に取り付けられ、最大係合位置に配置されると、ノーズ26の平面は、先端具14のノーズ空洞120を画定する面の対応する平面部分と係合する。その結果として、アダプタ12の底面42は、先端具14の底部内側面122と対向および係合することができ、アダプタ12の上面44の支持面52、54、56は、先端具14の上部内側面124の対応する部分132、134、136と対向および係合することができ、アダプタ12の前面50は、先端具14の前部内側面130と対向および係合することができる。図示しないが、アダプタ12のノーズ26の側面46、48は、それぞれ先端具14のノーズ空洞120の側部内側面126、128と対向および係合することができる。面が係合すると、先端具14は、アダプタ12のノーズ26に対して相対的に静止したままであり得る。
【0060】
保持機構内の寸法公差のために、先端具14は、
図51に示すアダプタ12のノーズ26上を前方にスライドすることができる。先端具14が前方にスライドすると、アダプタ12のノーズ26および先端具14のノーズ空洞120の対向面の一部が離れて係合が外れることがある。例えば、先端具14の上部内側面124の中間部分134は、アダプタ12のノーズ26の中間面54から係合が外れることがあり、先端具14の前部内側面130は、アダプタ12の前面50から係合が外れることがある。アダプタ12のノーズ26の側面46、48間の距離は、
図7および
図8に示すように、ノーズ26がアダプタ12の中間部分24から外側に延びるにつれて短くなることがあるので、先端具14の内側面126、128は、それぞれ側面46、48から離れることがある。一部の面が分離するにもかかわらず、アダプタ12のノーズ26と先端具14のノーズ空洞120との間の係合を、保持機構内の寸法公差によって引き起こされる先端具14の移動の範囲にわたって維持することができる。前述のように、アダプタ12のノーズ26の底面42および支持面52、56と、先端具14の底部内側面122および支持部分132、136とはほぼ平行とすることができる。その結果として、先端具14は、移動の方向を、例えば、アダプタ12のノーズ26の底面42とほぼ平行にすることができ、底面42は、先端具14のノーズ空洞120の底部内側面122との接触を維持し、先端具14の上部内側面124の支持部分132、136は、それぞれアダプタ12の支持面52、56との接触を維持する。平面が接触したままの場合、そうでなければ保持機構の構成要素に作用するさらなる剪断応力を発生させ得る、ノーズ26に対する先端具14の実質的な回転を阻止することができる。底面42、底部内側面122、支持面52、56、および支持部分132、136に抜き勾配を設けることができ、対向面間に若干の分離が生じ得る場合でさえ、先端具14の回転を保持機構の構成要素に剪断応力を加えることができる回転量未満に制限することができる。保持機構に加わる剪断応力を小さくすることで、保持機構の障害率を低くし、相応して、先端具14の有効寿命が切れる前に先端具14が破断する事例を少なくすることができると予想される。
【0061】
本開示による歯アセンブリ10の構成は、上記とは別に、先端具14、150、180、190、210、220(
図57および
図58)をスライドさせてアダプタ12、170のノーズ26から外そうとする力が加わる場合に、保持機構に作用する剪断応力を小さくする助けとなることができる。当技術分野で公知のアダプタノーズは、通常、略三角形の構成を有し、ノーズがストラップから離れる方向に前方に延びるにつれて横方向に先細りになるので、使用時に加えられた力は、通常、スライドしてアダプタノーズの前部から外れるように先端具に影響を及ぼすことができる。そのような移動は保持機構によって阻止され、それにより剪断応力が発生する。本開示によるアダプタ12、170のノーズ26は、先端具14、150、180、190、210、220をスライドさせてアダプタノーズ26から外そうとする力を少なくとも部分的に相殺することができる。
【0062】
図52(a)〜(f)は、掘削機バケットアセンブリ6などの上部摩耗用途の用具が土木材料に食い込み、積載物をすくい取るときの、アダプタ12および先端具14によって形成された歯アセンブリ10の向きを示している。アダプタ12および先端具14が、図解するために
図52〜56で使用されているが、アダプタ12、170、および先端具14、150、180、190、210、220の様々な組み合わせが、以下に説明するのと同様な態様で相互作用すると当業者には分かるであろう。歯アセンブリ10の前縁部76は、
図52(a)に示すように、最初に、垂直方向を若干越えた向きで下方に土木材料に貫入する。最初に貫入した後、用具6および歯アセンブリ10は、機械のブームによって後方に回転し、土木機械に向かって引き寄せられ、それにより、
図52(b)〜(d)に示す向きで回転することができる。土木材料を通るこの動作時に、先端具14の上部外側面72は、土木材料との主係合面を形成し、先端具14は、土木材料を通り抜けるときに最大力を受けることができる。先端具14はまた、上部外側面72で最大に摩耗する。先端具14を概ね楔形状の外形93にすることで、上部外側面72に摩耗材料が付加されて、先端具14の有効寿命が延びる。さらに、概ね楔形状の外形93により、土木材料が、勾配の付いた横外側面90、92とあまり接触しないで、上部外側面72の縁部のまわりを流れるので、土木材料を通る先端具14の動作が容易になる。
【0063】
用具6は、結局、
図52(e)に示す水平の向きに歯アセンブリ10を回転させる。この時点で、用具6は機械に向かってさらに後方に引き寄せられ、前縁部76は、土木材料を通る歯アセンブリ10を先導する。最後に、
図52(f)に示す位置まで用具6がさらに回転した後、歯アセンブリ10は上向きに向けることができ、用具6は、掘削した積載物とともに土木材料から引き上げることができる。
【0064】
図53は、用具6が矢印「M」で示す方向で下方に土木材料の山または表面に打ち込まれるときに起こり得る、
図52(a)のほぼ垂直方向を向いた歯アセンブリ10を示している。土木材料は、歯アセンブリ10の貫入に抗することができ、結果として、前縁部76に垂直力F
Vがかかる。力F
Vは、先端具14をアダプタ12の方に押して、保持機構に作用する剪断応力を大きくすることなく、アダプタ12のノーズ26とより堅固に係合させることができる。
【0065】
図54では、歯アセンブリ10が
図52(c)の位置で示されており、土木材料からなる積載物をさらに粉砕して収集するために、矢印「M」で示すように、機械が用具6を後方上側に引き寄せるときに、用具6を上方に途中まで曲げることができる。用具6が土木材料を通って引き寄せられるときに、力Fが先端具14の上部外側面72にかかり得る。力Fは、土木材料の重量と、押し退けられることで生じた土木材料の抵抗との組み合わせであり得る、先端具14の前部部分82および/または先端部分84に作用する合力とすることができる。力Fは、先端具14からアダプタノーズ26および先端具14のノーズ空洞120の支持用上部内側面124に伝達することができ、それにより、アダプタ12の前部支持面52に作用する第1の合力F
R1が発生する。垂直力F
Vの作用線は、前縁部76に近接して位置するので、垂直力F
Vは、示すように、先端具14をアダプタ12のノーズ26のまわりで反時計方向に回転させようとし、アダプタ12の第1の支持面52は回転支点として機能する。垂直力F
Vによって生じたモーメントにより、アダプタ12の中間部分24に近接してアダプタ12の底面42に作用する第2の合力F
R2が生じる。
【0066】
ノーズの上面が連続的に傾斜する、すでに公知の先端具アセンブリでは、第1の合力F
R1は、先端具をスライドさせてノーズの前部から外そうとし、それにより、保持機構にさらなる歪みが生じることになる。対照的に、アダプタ12の中間面54に対するアダプタ12の前部支持面52の向きにより、先端具14はスライドしてノーズ26と係合する。
図55は、アダプタノーズ26および先端具14の一部を拡大して示しており、合力が、アダプタノーズ26に対して先端具14を移動させようとしているのを示している。アダプタ12の前部支持面52および先端具14の第1の支持部分132に作用する第1の合力F
R1は、前部支持面52に垂直に作用する第1の垂直成分F
Nと、前部支持面52および第1の支持部分132に平行に作用する第2の成分F
Pとを有する。アダプタ12の前部支持面52および先端具14の第1の支持部分132の、アダプタ12の中間面54および先端具14の中間部分134に対する向きにより、平行成分F
Pまたは第1の合力F
R1は、先端具14を後方にスライドさせて、アダプタ12のノーズ26と係合させようとする。先端具14をノーズ26上にスライドさせようとする平行成分F
Pにより、保持機構の構成要素に加わる剪断応力が小さくなり、相応して、保持機構の障害発生率が低くなる。
【0067】
図56は、用具6が機械に向かって矢印「M」のほぼ水平方向で後方に引き寄せられるときに起こり得る、
図52(e)に示すほぼ水平方向の向きの歯アセンブリ10を示している。土木材料は、歯アセンブリ10の動作に抗することができ、結果として、前縁部76に水平力F
Hがかかる。
図53の垂直力F
Vと同様に、水平力F
Hは、先端具14をアダプタ12の方に押して、保持機構に作用する剪断応力を大きくすることなく、ノーズ26とより堅固に係合させることができる。
【0068】
上記に説明したように、先端具14の概ね楔形状の外形93により、
図52(b)〜(d)に示すように、上部外側面72が先導しながら、先端具14が土木材料を通って移動するときに、土の流れの抵抗を軽減することができる。ただし、概ね楔形状の外形93のこの利点は、
図3の歯アセンブリ10が、
図52(a)、
図52(e)、および
図52(f)と同様に向けられ、前縁76が先導しながら土木材料を通って移動するときに最小になり得る。
図57および
図58は、前縁部76が、土木材料を通る先端具220を先導するときに、土の流れで生じる抵抗を軽減するように構成された先端具220の代替実施形態を示している。この実施形態では、同様の要素は、先端具14の説明で使用したのと同じ参照数字で示されている。先端具220は、長手方向に概ね砂時計形状の外形で構成することができる。横外側面90、92の後部部分94、96は、側部移行領域97に近づくにつれて、後部部分94、96間の距離が短くなるように、後縁部70から前方に延びるとともに内側に先細りになることができる。移行領域97を越えると、前部部分98、100は、前方に移るにつれて発散して、前縁部76の近くで最大幅になることができる。前縁部76の後ろの横外側面90、92の前部部分98、100を先細りにすることで、先端具220が土木材料を通るときに受ける抵抗の大きさを小さくすることができる。前縁部76が土木材料に食い込んだときに、側部の土木材料は、前部部分98、100が平行であり、前縁部76から後縁部70に向かって延びながら一定の幅を維持される場合よりも、横外側面90、92の接触が少ない状態で、
図57に矢印「FL」で示すように、外側に先端具220のまわりに流れる。
【0069】
上記の
図52〜56に関する説明は、上部摩耗用途において、用具6の一連の動作時における、本開示による歯アセンブリ10の構成要素の働きについて述べている。本開示によるアダプタノーズ26は、底部摩耗用途において、
図59〜61に示す一連の積載動作時などに、先端具14、150、180、190、210、220をスライドさせてアダプタ12、170のアダプタノーズ26から外そうとする力を同様に相殺することができる。
図59は、アダプタ170および先端具180によって形成された歯アセンブリ10を、矢印「M」で示すように、機械が前方に送られて土木材料の山に入り込むときに起こり得るほぼ水平の向きで示している。土木材料は、歯アセンブリ10のその山への貫入に抗することができ、結果として、前縁部76に水平力F
Hがかかる。力F
Hは、先端具14をアダプタ12の方に押して、保持機構に作用する剪断力を大きくすることなく、ノーズ26とより堅固に係合させることができる。
【0070】
図60では、歯アセンブリ10は、機械が矢印「M」で示す方向に土木材料からなる積載物を山から持ち上げるのを開始したときに、用具1を上方に途中まで曲げた位置で示されている。用具1が土木材料から持ち上げられるときに、垂直力F
Vが先端具180の上部外側面72にかかり得る。垂直力F
Vは、土木材料の重量と、山から押し退けられることで生じた土木材料の抵抗との組み合わせであり得る、前部部分82および/または先端部分84に作用する合力とすることができる。垂直力F
Vは、先端具180から支持用のアダプタノーズ26に伝達することができ、それにより、ノーズ26の前部支持面52に作用する第1の合力F
R1が発生する。垂直力F
Vの作用線は、前縁部76に近接して位置するので、垂直力F
Vは、示すように、先端具180をアダプタ170のノーズ26のまわりで反時計方向に回転させようとし、ノーズ26の第1の支持面52は回転支点として機能する。垂直力F
Vによって生じたモーメントにより、アダプタ170の中間部分24に近接して底面42に作用する第2の合力F
R2が生じる。ノーズの上面が連続的に傾斜する、すでに公知の先端具アセンブリでは、第1の合力F
R1は、先端具をスライドさせてノーズの前部から外そうとし、それにより、保持機構にさらなる歪みが生じることになる。
【0071】
対照的に、中間面54に対する前部支持面52の向きにより、先端具180はスライドしてノーズ26と係合する。
図61は、アダプタ170のノーズ26および先端具180の一部を拡大して示しており、合力が、アダプタノーズ26に対して先端具180を移動させようとしているのを示している。アダプタ170の前部支持面52および先端具180の第1の支持部分132に作用する第1の合力F
R1は、前部支持面52に垂直に作用する第1の垂直成分F
Nと、前部支持面52および第1の支持部分132に平行に作用する第2の成分F
Pとを有する。前部支持面52および第1の支持部分132の、アダプタ170の中間面54および先端具180の中間部分134に対する向きにより、第1の合力F
R1の平行成分FPは、先端具180を後方にスライドさせて、アダプタ170のノーズ26と係合させようとする。先端具180をノーズ26上にスライドさせようとする平行成分F
Pにより、保持機構の構成要素に加わる剪断応力が小さくなり、相応して、保持機構の障害発生率が低くなる。
【0072】
上記に説明した、アダプタ12、170のノーズ26および先端具14、150、180、190、210、220のノーズ空洞120の構成の保持の利点に加えて、歯アセンブリ10は、上部摩耗および底部摩耗用途での使用時に利点をもたらすことができる。本開示による歯アセンブリ10の先端具14、150、190の幾何学的構成は、上部摩耗用途で土木材料に貫入する際の効率を、当技術分野ですでに公知の先端具と比較して、先端具14、150、190の有効寿命にわたって向上させることができる。摩耗材料が先端具14、150、180、190、210の前部から擦り減ると、すでに公知の先端具は鈍くなり、刃具よりむしろ握り拳のような形状になることがあるが、逃げ部102、158、160、196は、先端具14、150、190に自己鋭利化機能を付与して貫入を改善することができる。自己鋭利化機能を示すための例として先端具14を使用すると、
図14の先端具14の正面図は、最初に土木材料に侵入する先導掘削面を形成する前縁部76を示している。
図62は、アダプタ12および先端具14によって形成された歯アセンブリ10を示す
図4を再現したものであり、
図63〜68に示す断面図は、摩耗材料が先端具14の前部から擦り減ったときの掘削面の幾何形状変化を示している。
図63は、
図62の歯アセンブリ10の断面図を示し、断面は、前縁部76と逃げ部102との間で切り取られている。摩耗により、この地点まで先端具14が擦り減った後、先端具14の掘削面330は、機械が用具1を土木材料に食い込ませたときに、この時点で土木材料と係合する、前縁部76よりも鋭利さに劣る断面領域を見せる。土木材料との係合で生じた摩耗により、掘削面330の外縁部が丸くなり、上部外側面72の部分78、82、84が、クロスハッチング領域330aで示すように擦り減り、それにより、掘削面330の厚さが薄くなると当業者には分かるであろう。
【0073】
先端具14の摩耗材料は、引き続き逃げ部102に向かって後方に擦り減る。
図64は、先端具14の前部が、先端具14の逃げ部102を形成する部分まで擦り減って、掘削面332を形成できる位置での歯アセンブリ10の断面を示している。この時点で、先端具14は、逃げ部102の湾曲部分104を通って摩耗しているので、掘削面332は、厚さが薄くなった中間領域を含むことができる。厚さが薄くなった領域により、掘削面332は、若干逆U字状の形状をとることができる。逃げ部102により掘削面332から摩耗材料を除去することで、先端具14の先導掘削面332の断面領域が縮小して、先端具14を「鋭利」にし、相応して、用具1の先端具14が土木材料に侵入するときに受ける抵抗が小さくなる。摩耗材料は、クロスハッチング領域332aで示すように、引き続き部分78、82、84から擦り減って、先端具14の厚さをさらに薄くする。同時に、摩耗材料は、横外側面90、92のそれぞれ前部部分98、100から擦り減って、先端具14の前部の幅を縮める。逃げ部102の勾配の付いた部分106は、逃げ部102の後部部分が平坦であるか、または丸みが付いていて、土木材料の方をより直接的に向いている場合よりも小さい抵抗で、土木材料が逃げ面102を流れるのを可能にする。勾配の付いた部分106の勾配は、作業材料の流れと先端具14の土木材料への貫入とを妨げることができる面に垂直に作用する力を低減する。
【0074】
図75および
図76は、摩耗材料が、先端具14の前端部と、クロスハッチング領域334a、336aで示すように、上部外側面72の部分78、82および横外側面90、92の前部部分98、100とから引き続き擦り減るときに、さらに繰り返して出現するそれぞれの掘削面334、336を示している。逃げ部102の形状のために、掘削面334、336の逃げ部102によって切り取られた部分は、最初に、先端具の前縁が掘削面334に向かって後方に移るにつれて拡大し、最後には、引き続き摩耗が掘削面336に向かって進むにつれて縮小する。最終的に、摩耗材料は、逃げ部102の後部限界点に向かって先端具14の前部から擦り減る。
【0075】
図67に示すように、掘削面338は、逃げ部102の後端部に近い先端具14の断面領域に近接し、それにより、土木材料に貫入しようとするには比較的広い表面領域を形成する。広い表面領域は、クロスハッチング領域338aで示す摩耗によって部分的に縮小することができる。先端具14は、有効寿命の終わりに近づくと、土木材料への食い込みにおいて低い効率で機能し始める。逃げ部102の端部に向かう先端具14の摩耗は、先端具14の交換を表す、目に見える目安になることができる。先端具14の連続使用により、先端具14の前部で摩耗材料のさらなる侵食が起こり、最終的に、
図68に示すように、掘削面340でのノーズ空洞120の破損につながることがある。歯アセンブリ10を連続使用した場合、クロスハッチング領域340aで示す、外側面72、74、90、92から内側への摩耗の進行により、最終的に、ノーズ空洞120のさらなる破損が起こり得る。この時点で、アダプタ12のノーズ26は、土木材料にさらされることがあり、摩耗し始め、場合によっては、アダプタ12も用具1のベース縁部18から取り外され、交換されなければならない地点まで摩耗することがある。
【0076】
先端具150、180、190、210の幾何学的構成はまた、先端具150、180、190、210の有効寿命にわたって、土木材料に貫入する際の効率を向上させることができる。上部外側面72の逃げ部154、156、182、192、194、212、214は、先端具150、180、190、210に自己鋭利化機能を付与して、摩耗材料が先端具の前部から擦り減ったときに貫入を改善することができる。例として、
図69は、アダプタ170および一般荷重用先端具180によって形成できる歯アセンブリ10を示し、
図70〜75に示す断面図は、摩耗材料が先端具180の前部から擦り減ったときの掘削面の幾何形状の変化を示している。
図71は、
図69の歯アセンブリ10の断面図を示し、断面は、前縁部76と逃げ部182との間で切り取られている。摩耗により、この地点まで先端具180が擦り減った後、先端具180の掘削面350は、この時点で機械が前方に送ったときに土木材料と係合する、前縁部76よりも鋭利さに劣る断面領域を見せる。土木材料との係合で生じた摩耗により、掘削面350の外縁部が丸くなり、底部外側面74の前部部分88が、クロスハッチング領域350aで示すように擦り減り、それにより、掘削面350の厚さが薄くなると当業者には分かるであろう。
【0077】
先端具180の摩耗材料は、引き続き逃げ部182に向かって後方に擦り減る。
図71は、先端具180の前部が、先端具180の逃げ部182を形成する部分まで擦り減って、掘削面352を形成できる位置での歯アセンブリ10の断面を示している。この時点で、先端具180は、逃げ部182の湾曲部分184を通って摩耗しているので、掘削面352は、厚さが薄くなった中間領域を含むことができる。厚さが薄くなった領域により、掘削面352は、若干U字状の形状をとることができる。逃げ部182により掘削面352から摩耗材料を除去することで、先端具180の先導掘削面352の断面領域が縮小して、先端具180を「鋭利」にし、相応して、用具1の先端具180が土木材料に侵入するときに受ける抵抗が小さくなる。摩耗材料は、引き続き底部外側面76の前部部分88から擦り減って、掘削面352の厚さを薄くし、さらに、摩耗材料は、クロスハッチング領域352aで示すように、横外側面90、92のそれぞれ前部98、100から擦り減って、先端具180の前部の幅を縮める。逃げ部182の勾配の付いた部分186は、逃げ部182の後部部分が平坦であるか、または丸みが付いていて、土木材料の方をより直接的に向いている場合よりも小さい抵抗で、土木材料が逃げ面182を流れるのを可能にする。勾配の付いた部分186の勾配は、作業材料の流れと先端具180の土木材料への貫入とを妨げることができる面に垂直に作用する力を低減する。
【0078】
図72および
図73は、摩耗材料が、先端具180の前縁部76と、クロスハッチング領域354a、356aで示すように、先端具180の底部外側面74の前部部分88および先端具180の横外側面90、92の前部部分98、100とから引き続き擦り減るときに、さらに繰り返して出現するそれぞれの掘削面354、356を示している。逃げ部182の形状のために、掘削面354、356の逃げ部182によって切り取られた部分は、最初に、先端具180の前縁が掘削面354に向かって後方に移るにつれて拡大し、最後には、引き続き摩耗が掘削面356に向かって進むにつれて縮小する。最終的に、摩耗材料は、逃げ部182の後部限界点まで擦り減る。
【0079】
図7に示すように、掘削面358は、逃げ部182の後ろの先端具180の断面領域に近接し、それにより、土木材料に貫入しようとするには比較的広い表面領域を形成している。広い表面領域は、クロスハッチング領域358aで示す摩耗によって部分的に縮小することができる。先端具180は、有効寿命の終わりに近づくと、土木材料への食い込みにおいて低い効率で機能し始める。逃げ部182の後ろでの先端具180の摩耗は、先端具180の交換を表す、目に見える目安になることができる。先端具180の連続使用により、先端具180の前部で摩耗材料のさらなる侵食が起こり、最終的に、
図75に示すように、掘削面360でのノーズ空洞120の破損につながることがある。歯アセンブリ10を連続使用した場合、クロスハッチング領域360aで示す、外側面72、74、90、92から内側への摩耗の進行により、最終的に、ノーズ空洞120のさらなる破損が起こり得る。この時点で、アダプタ170のノーズ26は、土木材料にさらされることがあり、摩耗し始め、場合によっては、アダプタ170も用具1のベース縁部18から取り外され、交換されなければならない地点まで摩耗することがある。
【0080】
前述のテキストは、本発明の複数の異なる実施形態を詳細に説明しているが、当然のことながら、本発明の法律上の範囲は、本特許の最後に記載された特許請求の範囲の文言によって規定される。詳細な説明は、単なる例示として解釈すべきであり、すべての可能な実施形態について説明することは、不可能ではないが非現実的であることから、本発明のすべての可能な実施形態について説明していない。現在の技術か、または本特許の出願日以後に開発された技術かのいずれかを使用して、多数の代替実施形態を実施することができ、これらの代替実施形態は、それでもなお本発明を規定する請求項の範囲内に入る。