(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記帯状底面は、上記第3の方向と垂直な中央帯状底面と、上記第2の方向において上記中央帯状底面と上記帯状平面との間に挟まれた第1の斜面と、上記第2の方向において上記中央帯状底面と上記帯状壁部との間に挟まれた第2の斜面と、を備えており、
上記第1の斜面と上記第2の斜面は、上記第3の方向において上記中央帯状底面から遠ざかるにつれて互いに遠ざかるように傾斜している、請求項3または4に記載の画像読取装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より効率的に組み立てを行うことができる画像読取装置およびそのような画像読取装置の製造方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される画像読取装置は、第1の方向に沿って長く延びる光学部品と、上記光学部品を収容する収容部を有するケースと、上記ケースに収容された受光手段と、を備えた画像読取装置であって、上記光学部品は、第1の接着剤と、上記第1の接着剤よりも長時間かけて硬化する第2の接着剤とによって上記収容部に固定されていることを特徴とする。
【0008】
好ましい実施の形態においては、上記光学部品は上記受光手段に光を収束させるレンズアレイを含んでおり、上記収容部は上記レンズアレイを収容するレンズ収容部を含んでいる。
【0009】
好ましくは、上記ケースは、上記第1の方向と直交する第2の方向において上記レンズ収容部と隣接し、上記第2の方向において上記レンズアレイから遠ざかるように凹む複数の凹部を有しており、上記複数の凹部は、上記第1の接着剤が塗布された第1の接着剤設置凹部を含んでおり、上記第1の接着剤設置凹部には、上記第1の接着剤を覆うように上記第2の接着剤が塗布されている。
【0010】
より好ましくは、上記複数の凹部は、上記第1の方向において同じ位置にあり、上記第2の方向において上記レンズアレイを挟むように配置された1対の凹部を含んでおり、上記1対の凹部には上記第2の接着剤が塗布されており、上記1対の凹部の少なくとも一方は上記第1の接着剤設置凹部である。
【0011】
より好ましくは、上記複数の凹部は上記第1の方向に沿って配列されており、上記第1の方向における両端に位置する上記凹部は、上記第1の接着剤設置凹部である。
【0012】
より好ましい実施の形態においては、上記光学部品は上記第1の方向に沿って長く延びる線状光源を含んでおり、上記収容部は上記線状光源を収容する光源収容部を含んでいる。
【0013】
好ましくは、上記光源収容部は、上記第1の方向および上記第2の方向と直交する第3の方向視において上記線状光源と重なる帯状底面と、上記第2の方向において上記帯状底面と隣接し、かつ、上記第3の方向視において上記線状光源と重ならない帯状平面と、を備えており、上記帯状平面には、上記第1の接着剤が塗布されており、上記帯状底面には、上記第2の接着剤が塗布されている。
【0014】
より好ましくは、上記帯状平面は、上記第1の方向に沿って配列された複数の第1の接着剤設置領域を備えており、上記帯状底面は、上記第1の方向に沿って配列された複数の第2の接着剤設置領域を備えている。
【0015】
より好ましくは、上記ケースは、上記レンズ収容部と上記光源収容部とを仕切る帯状壁部を有しており、上記帯状底面は、上記第2の方向において、上記帯状壁部と上記帯状平面とに挟まれるように位置している。
【0016】
より好ましくは、上記帯状壁部は、上記第2の方向において上記レンズアレイから遠ざかるように凹み、かつ、上記第1の接着剤が塗布される第1の接着剤設置凹部が設けられており、上記第1の接着剤設置凹部には、上記第1の接着剤を覆うように上記第2の接着剤が塗布されている。
【0017】
より好ましくは、上記帯状底面は、上記第3の方向と垂直な中央帯状底面と、上記第2の方向において上記中央帯状底面と上記帯状平面との間に挟まれた第1の斜面と、上記第2の方向において上記中央帯状底面と上記帯状壁部との間に挟まれた第2の斜面と、を備えており、上記第1の斜面と上記第2の斜面は、上記第3の方向において上記中央帯状底面から遠ざかるにつれて互いに遠ざかるように傾斜している。
【0018】
より好ましくは、上記第2の接着剤は、上記中央帯状底面、上記第1の斜面、および、上記第2の斜面に塗布されている。
【0019】
より好ましくは、上記帯状平面は、上記第3の方向と垂直な面である。
【0020】
好ましくは、上記第1の接着剤は紫外線硬化樹脂または瞬間接着剤であり、上記第2の接着剤は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂である。
【0021】
本発明の第2の側面によって提供される画像読取装置の製造方法は、第1の方向に沿って長く延びる光学部品と、上記光学部品を収容する収容部を有するケースと、上記ケースに収容された受光手段と、を備えた画像読取装置の製造方法であって、第1の接着剤を用いて上記光学部品を上記収容部に固定する第1の接着工程と、上記第1の接着剤よりも長時間かけて硬化する第2の接着剤を用いて上記光学部品を上記収容部に固定する第2の接着工程と、を有していることを特徴とする。
【0022】
好ましい実施の形態においては、上記光学部品は上記受光手段に光を収束させるレンズアレイを含み、上記収容部は上記レンズアレイを収容するレンズ収容部を含んでおり、第1の接着工程は、上記第1の接着剤を塗布する工程と、上記第1の接着剤を硬化させる工程とを含んでおり、上記第2の接着工程は、上記第2の接着剤を塗布する工程を含んでおり、上記ケースに設けられたレンズ収容部に上記レンズアレイを嵌め込む工程は上記第1の接着剤を硬化させる工程よりも先に行われ、上記第1の接着剤を硬化させる工程を行った後に上記第2の接着剤を塗布する工程を行う。
【0023】
好ましくは、上記第1の方向と直交する第2の方向において上記レンズ収容部と隣接し、上記第2の方向おいて上記レンズアレイから遠ざかるように凹む複数の凹部を有しており、上記第1の接着剤を塗布する工程では、上記複数の凹部のいずれかに上記第1の接着剤を塗布し、上記第2の接着剤を塗布する工程では、上記各凹部に上記第2の接着剤を塗布する。
【0024】
より好ましくは、上記第1の接着剤は紫外線硬化樹脂であり、かつ、上記第2の接着剤は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂であり、上記第1の接着剤を硬化させる工程は、紫外線を照射する工程を含んでいる。
【0025】
別の好ましい例では、上記第1の接着剤は瞬間接着剤であり、かつ、上記第2の接着剤は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂である。
【0026】
より好ましい実施の形態においては、上記光学部品は上記第1の方向に沿って長く延びる線状光源を含み、上記収容部は上記線状光源を収容する光源収容部を含んでおり、上記第1の接着工程は、上記光源収容部に上記第1の接着剤を塗布する工程と、上記光源収容部に塗布された第1の接着剤を硬化させる工程と、を含んでおり、上記第2の接着工程は、上記光源収容部に上記第2の接着剤を塗布する工程を含んでおり、上記線状光源を上記光源収容部に嵌め込む工程は、上記光源収容部に塗布された第1の接着剤を硬化させる工程の前に、かつ、上記光源収容部に上記第2の接着剤を塗布する工程の後に行われる。
【0027】
好ましくは、上記光源収容部に上記第1の接着剤を塗布する工程は、上記線状光源を上記光源収容部に嵌め込む工程よりも後に行われる。
【0028】
好ましくは、上記第1の接着剤は紫外線硬化樹脂であり、かつ、上記第2の接着剤は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂であり、上記光源収容部に塗布された上記第1の接着剤を硬化させる工程は、上記光源収容部に向けて紫外線を照射する工程を含んでいる。
【0029】
別の好ましい例では、上記第1の接着剤は瞬間接着剤であり、かつ、上記第2の接着剤は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂である。
【0030】
より好ましくは、上記光源収容部は、上記第1の方向および上記第2の方向と直交する第3の方向視において上記線状光源と重なる帯状底面と、上記第2の方向において上記帯状底面と隣接し、かつ、上記第3の方向視において上記線状光源と重ならない帯状平面と、を備えており、上記光源収容部に上記第1の接着剤を塗布する工程では、上記帯状平面に上記第1の接着剤を塗布し、上記光源収容部に上記第2の接着剤を塗布する工程では、上記帯状底面に上記第2の接着剤を塗布する。
【0031】
このような製造方法によれば、比較的短時間で硬化する上記第1の接着剤によって、上記第2の接着剤が硬化するより先に上記光学部品が上記収容部に固定される。このため、画像読取装置を製造する際に、上記第2の接着剤が完全に硬化するまで待つ必要がなくなっている。従って、本発明による画像読取装置の製造方法によれば、作業を停止させなければならない時間が減少し、画像読取装置をより効率的に製造することができる。
【0032】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0035】
図1〜
図3は、本発明の第1実施形態に基づく画像読取装置を示している。
図1および
図2に示すように、画像読取装置A1は、ケース1と、線状光源2と、レンズアレイ3と、基板4と、受光手段5とを備えている。この画像読取装置A1は、たとえば複写機に組み込まれて用いられるものである。画像読取装置A1は、
図3に示すようにガラスカバー6に搭載された原稿Gを読み取るように構成されている。ガラスカバー6は画像読取装置A1が組み込まれる複写機の筐体に設けられているものである。なお、画像読取装置A1の主走査方向をx方向とし、副走査方向をy方向とする。z方向はx,y方向と直交する方向である。
【0036】
ケース1は、たとえば黒色樹脂製であり、x方向に長く延びる直方体状に形成されている。一例として、ケース1のx方向寸法は230mmであり、y方向寸法は14mmであり、z方向寸法は14mmである。ケース1は、y方向における一方側の内壁面111と、他方側の内壁面121との間に線状光源2およびレンズアレイ3を収容している。内壁面111と内壁面121との間には、帯状壁部13が設けられている。ケース1のx方向における一方の端部付近においては、内壁面111よりもy方向において一方側に位置する内壁面111aが設けられている。この内壁面111aと内壁面121との間には帯状壁部13は設けられていない。
【0037】
ケース1の線状光源2を収容する部分を光源収容部11とする。光源収容部11は、主に帯状壁部13のy方向における一方側の側面131と内壁面111とに挟まれた部分である。なお、内壁面111aと内壁面121との間には、後述する台部22aおよび光源ユニット23が収容される。内壁面111aと内壁面121との間も光源収容部11である。
【0038】
ケース1のレンズアレイ3を収容する部分をレンズ収容部12とする。レンズ収容部12は、帯状壁部13のy方向における他方側の側面132と内壁面121とに挟まれた部分である。
【0039】
さらに
図3に示すように、ケース1はz方向図中下方に開口する開口部分14を備えている。この開口部分14には基板4が嵌め込まれている。基板4には受光手段5が設けられている。受光手段5は、x方向に沿って一列に配列された複数の光電変換素子により構成されている。
【0040】
図1に示すように、線状光源2は、x方向に長く延びる導光体21と、導光体21を収容する白色ケース22と、導光体21に光を供給する光源ユニット23とを備えている。
図3に示すように、線状光源2は導光体21の光出射部21aから主に光出射方向Lに向けて、x方向に長く延びる帯状の光を出射するように構成されている。線状光源2は、光出射方向Lがy方向と角度αを成すように傾斜した状態でケース1の光源収容部11に固定される。一例として、角度αは40°である。線状光源2の光源収容部11への固定は、第1の接着剤171と、第2の接着剤172とによって行われている。
【0041】
導光体21は、たとえばアクリル樹脂によりx方向に延びる細長の棒状に形成されている。導光体21の光出射方向Lにおける光出射部21aの反対側の面には凹凸が形成されている。これらの凹凸により、導光体21の内部をx方向に沿って進行する光の一部が散乱され、光出射部21aから導光体21の外部へ出射される。一例として、導光体21のx方向寸法は、たとえば224.5mmである。
【0042】
白色ケース22は、
図3に示すように、x方向の両端部を除く略全長に渡って光出射方向Lにおける一方が開口するように形成されている。白色ケース22は、光出射方向Lにおける他方側の底面221と、底面221と直交する側面222,223とを備えている。さらに、白色ケース22は、底面221と側面222とを繋ぐ連結側面224と、底面221と側面223とを繋ぐ連結側面225とを備えている。
図3に示す例では、連結側面224はy方向に垂直な面となっており、連結側面225はz方向に垂直な面となっている。
【0043】
さらに、白色ケース22は、x方向の一方の端に台部22aを備えている。台部22aには光源ユニット23が固定されている。台部22aには、x方向に貫通する図示しない窓部を備えている。光源ユニット23は、x方向視において前述の窓部と重なる位置に配置される3個のLEDチップを内蔵している。これらのLEDチップからの光は、窓部を通して導光体21に入射する。なお、LEDチップの個数は一例であり、仕様に応じて適宜変更可能である。たとえば、赤色青色緑色の光を出射するLEDチップに加え、赤外線を出射するLEDチップを設置してもよい。また、白色光を出射するLEDチップと赤外線を出射するLEDチップとの組み合わせでもよい。
【0044】
このような線状光源2を好ましく収容するために、光源収容部11は、内壁面111に沿って設けられた帯状平面112と、y方向において帯状平面112と帯状壁部13との間に挟まれた帯状底面113とを備えている。
図3に示す例では、内壁面111はy方向に垂直な面であり、白色ケース22の連結側面224と対向している。帯状平面112は、y方向において内壁面111と連結側面224との間に位置しており、z方向に垂直な面となっている。帯状底面113には、白色ケース22の台部22aを除く部分が設置される。帯状底面113は、z方向に垂直な中央帯状底面113aと、y方向において中央帯状底面113aの一方側に配置された第1の斜面113bと、他方側に配置された第2の斜面113cとを備えている。第1の斜面113bは、y方向において
図3中一方側ほどz方向において中央帯状底面113aから遠ざかるように傾斜している。第2の斜面113cは、y方向において
図3中他方側ほどz方向において中央帯状底面113aから遠ざかるように傾斜している。中央帯状底面113aは、白色ケース22の連結側面225を支持している。第1の斜面113bは、白色ケース22の底面221を支持している。第2の斜面113cは白色ケース22の側面223を支持している。
【0045】
図2に示すように、帯状平面112には、x方向に沿って配列された3つの第1の接着剤設置領域112A,112B,112Cが設けられている。各第1の接着剤設置領域112A,112B,112Cはz方向視においてx方向寸法が10mm、y方向寸法が2mmとなるように形成されている。第1の接着剤設置領域112Aは帯状平面112のx方向における一方の端部寄りの位置にある。具体的には、第1の接着剤設置領域112Aのx方向における一方の端部とケース1のx方向における一方の端部との距離a1は15mmである。第1の接着剤設置領域112Bは帯状平面112のx方向における中央に位置している。第1の接着剤設置領域112Cは帯状平面112のx方向における他方の端部寄りの位置にある。第1の接着剤設置領域112Cのx方向における他方の端部とケース1のx方向における他方の端部との距離a2は距離a1と同じ長さである。なお、上記の寸法は好ましい一例であり、適宜変更可能である。また、距離a1と距離a2とを別の長さにしても構わない。
【0046】
これらの第1の接着剤設置領域112A,112B,112Cには、第1の接着剤171が塗布されている。
図3に示すように第1の接着剤171は、内壁面111と、帯状平面112と、連結側面224とが作る凹部を充填するように塗布されている。第1の接着剤171の一部は、側面222に付着している。第1の接着剤171は、紫外線硬化樹脂である。
【0047】
さらに、帯状底面113には、x方向に沿って配列された3つの第2の接着剤設置領域113A,113B,113Cが設けられている。各第2の接着剤設置領域113A,113B,113Cはz方向視においてx方向寸法が12mm、y方向寸法が4mmとなるように形成されている。
図3に示すように、第2の接着剤設置領域113Bは、中央帯状底面113aのy方向全幅に加え、第1,2の斜面113b,113cの一部に及んでいる。図示していないが、第2の接着剤設置領域113A,113Cにおいても同様となっている。
【0048】
また、第2の接着剤設置領域113Aは、y方向において第1の接着剤設置領域112Aと同じ位置にある。第2の接着剤設置領域113Bは、y方向において第1の接着剤設置領域112Bと同じ位置にある。第2の接着剤設置領域113Cは、y方向において第1の接着剤設置領域112Cと同じ位置にある。
【0049】
これらの第2の接着剤設置領域113A,113B,113Cには、第2の接着剤172が塗布されている。第2の接着剤172は、中央帯状底面113aと連結側面225とを、第1の斜面113bと底面221とを、第2の斜面113cと側面223とを接着している。第2の接着剤172は、シリコーン樹脂である。
【0050】
レンズアレイ3は、レンズ部材31と、レンズ部材31を保持するレンズホルダ32とを備えており、原稿Gからの光を受光手段5に収束させる。レンズ部材31は、x方向に沿って配列された複数の円柱状のレンズによって構成されている。レンズホルダ32は、たとえば樹脂製であり、x方向に長く延びる直方体状に形成されている。レンズホルダ32のy方向における一方側の側面は帯状壁部13の他方側の側面132と接している。レンズホルダ32のy方向における他方側の側面は内壁面121と接している。
【0051】
レンズアレイ3は、第1の接着剤181および第2の接着剤182によってレンズ収容部12に固定されている。第1の接着剤181は、紫外線硬化樹脂である。第2の接着剤182は、シリコーン樹脂である。
【0052】
ケース1は、第1の接着剤181および第2の接着剤182が塗布される3対の接着剤設置凹部15,16を備えている。接着剤設置凹部15は、内壁面121に沿うように形成されている。接着剤設置凹部16は、側面132に沿うように帯状壁部13に形成されている。
図2に示すように、3対の接着剤設置凹部15,16のうち一対は、ケース1のx方向における中央に設置されている。残りの2対は、それぞれケース1のx方向における両端付近に設置されている。具体的には、中央に位置する1対の接着剤設置凹部15,16と他の2対の接着剤設置凹部15,16との間隔は90mmである。なお、
図2においては説明のために第1の接着剤181を点線で示している。
【0053】
図3に示すように、接着剤設置凹部15,16は、y方向においてレンズアレイ3から遠ざかるように凹んでいる。第1の接着剤181は、接着剤設置凹部15,16のz方向における
図3中下方に塗布されている。第2の接着剤182は、第1の接着剤181を覆うように接着剤設置凹部15,16とレンズホルダ32との間に充填されている。
【0054】
なお、本実施形態では、3対の接着剤設置凹部15,16に第1の接着剤181が塗布されているが、3対の接着剤設置凹部15,16のうち3箇所にのみ第1の接着剤181が塗布される構成としても構わない。たとえば、接着剤設置凹部15にのみ、あるいは接着剤設置凹部16にのみ第1の接着剤181を塗布してもよい。また、両端の接着剤設置凹部15と接着剤設置凹部16に第1の接着剤181を塗布し、中央の接着剤設置凹部15,16には第2の接着剤182のみを塗布するようにしてもよい。逆に、両端の接着剤設置凹部16と中央の接着剤設置凹部15に第1の接着剤181を塗布し、その他の接着剤設置凹部15,16には第2の接着剤182のみを塗布するようにしてもよい。
【0055】
次に、上述した画像読取装置A1を好ましく製造する方法の一例について
図4〜
図12を参照にしつつ説明を行う。
【0056】
ケース1は、たとえば、金型を用いて樹脂を成型することで製作することができる。ケース1に予め製作された線状光源2およびレンズアレイ3を組み込むことにより、画像読取装置A1は製造される。
【0057】
まず、
図4に示すように、レンズアレイ3をレンズ収容部12に嵌め込む工程を行う。この工程は、z方向における
図4中上方からレンズアレイ3を内壁面121と側面132との間に挿入することで行われる。さらに、この工程では、レンズアレイ3のx方向における位置の調整を行う。具体的には、レンズアレイ3のx方向における他方の端部が、レンズ収容部12のx方向における他方の端部と接するようにする。
【0058】
次に、
図5に示すように、3対の接着剤設置凹部15,16に第1の接着剤181を塗布する工程を行う。
図5では、説明のために1対の接着剤設置凹部15,16を拡大して示している。
図5の拡大部分に示すように、第1の接着剤181は、x方向における各接着剤設置凹部15,16の中央に設置される。上述したように、3対の接着剤設置凹部15,16のうち3箇所にのみ第1の接着剤181を塗布するようにしてもよい。この工程において、第1の接着剤181は硬化していない状態である。
【0059】
次に、第1の接着剤181を硬化させる工程を行う。この工程は、
図6に示すように、z方向における図中上方から紫外線を照射することにより行われる。紫外線の照射時間は、たとえば20秒である。第1の接着剤181は紫外線硬化樹脂であるため、この工程により硬化し、レンズアレイ3は先の工程で定められた位置に固定される。
【0060】
次に、
図7に示すように、3対の接着剤設置凹部15,16に第2の接着剤182を塗布する工程を行う。第2の接着剤182はシリコーン樹脂であり、常温で完全に硬化するのにたとえば24時間かかる。本実施形態では、先の工程でレンズアレイ3を第1の接着剤181によって固定しているため、第2の接着剤182の硬化を待つ必要はない。
【0061】
次に、
図8および
図9に示すように、第2の接着剤設置領域113A,113B,113Cに第2の接着剤172を塗布する工程を行う。
図8では第2の接着剤設置領域113A,113B,113Cを斜線で示している。
【0062】
次に、線状光源2を光源収容部11に嵌め込む工程を行う。
図10には光源収容部11に線状光源2を嵌め込んだ後の平面図を示している。この工程では、線状光源2のx方向における位置の調整を行う。具体的には、線状光源2のx方向における他方の端部が光源収容部11のx方向における他方の端部に接するように線状光源2の位置を決定する。第2の接着剤172はシリコーン樹脂であり、常温で完全に硬化するのにたとえば24時間かかる。
【0063】
次に、
図11に示すように、第1の接着剤設置領域112A,112B,112Cに第1の接着剤171を塗布する工程を行う。
図11では第1の接着剤設置領域112A,112B,112Cを斜線で示している。
【0064】
次に、第1の接着剤171を硬化させる工程を行う。この工程は、
図12に示すように、z方向における図中上方から帯状平面112に紫外線を照射することにより行われる。紫外線の照射時間は、たとえば20秒である。第1の接着剤171は紫外線硬化樹脂であるため、この工程により硬化する。従って、線状光源2は、第2の接着剤172が完全に硬化するのを待つことなく先の工程で定められた位置に固定される。
【0065】
以上の工程により、
図1〜
図3に示す画像読取装置A1を製造することができる。製造された画像読取装置A1に対して、さらに複写機などに組み込む作業が行われる。上述したように、画像読取装置A1は、製造過程において線状光源2およびレンズアレイ3が第1の接着剤171,181によって固定されている。このため、第2の接着剤172,182の硬化を待つことなく、複写機などの製品に組み込む作業を行うことが可能である。
【0066】
次に、画像読取装置A1の作用について説明する。
【0067】
先述したように、画像読取装置A1の線状光源2は、製造過程において、紫外線照射により短時間で硬化する第1の接着剤171によって光源収容部11に固定されている。レンズアレイ3は、製造過程において、紫外線照射により短時間で硬化する第1の接着剤181によってレンズ収容部12に固定されている。このため、画像読取装置A1はその製造工程において作業を停止させなければならない時間を減少させることが可能である。従って、画像読取装置A1はその製造工程を効率的に行うことが可能である。
【0068】
一方で、線状光源2は、第2の接着剤172によっても光源収容部11に固定されており、レンズアレイ3は、第2の接着剤182によってもレンズ収容部12に固定されている。第1の接着剤171,181は短時間で硬化する反面、高温多湿の環境において接着力が低下しやすい問題を抱えている。しかしながら、画像読取装置A1では、より信頼性の高い第2の接着剤172,182が設けられているため、上記のような悪環境においても線状光源2およびレンズアレイ3の固定が緩むことがない。
【0069】
画像読取装置A1の変形例について以下に説明する。上記の例では第1の接着剤171,172として紫外線硬化樹脂を用いているが、第1の接着剤171,172として市販されている瞬間接着剤を用いてもよい。なお、本明細書における瞬間接着剤は、1〜2分程度で接着を行うことが可能な接着剤のことである。このような瞬間接着剤としてはたとえばシアノアクリレート系接着剤が広く用いられている。第1の接着剤171,172として瞬間接着剤を用いた場合には、画像読取装置A1を製造する過程で紫外線を照射する必要がなく、第1の接着剤171,172が硬化するのを待つのみでよい。
【0070】
また、上記の例では第2の接着剤172,182としてシリコーン樹脂を用いているが、エポキシ樹脂を用いても構わない。
【0071】
図13〜
図17には、本発明の別の実施形態に基づく画像読取装置を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0072】
図13には、本発明の第2実施形態に基づく画像読取装置を示している。
図13に示す画像読取装置A2は、3対の接着剤設置凹部15,16における第1の接着剤181および第2の接着剤182の位置が画像読取装置A1と異なっており、その他の構成は画像読取装置A1と同様となっている。
図13では、説明のために、1対の接着剤設置凹部15,16を拡大して示している。
【0073】
本実施形態では、
図13の拡大部分に示すように、第1の接着剤181は、接着剤設置凹部15,16のx方向における両端部に塗布されている。第2の接着剤182は、接着剤設置凹部15,16を充填するように塗布されている。
【0074】
このような画像読取装置A2においても、画像読取装置A1の場合と同様に、製造過程において、レンズアレイ3を紫外線照射により短時間で硬化する第1の接着剤181によってレンズ収容部12に固定することが可能である。このため、画像読取装置A2はその製造工程において作業を停止させなければならない時間を減少させることが可能である。従って、画像読取装置A2はその製造工程を効率的に行うことが可能である。
【0075】
図14および
図15には、本発明の第3実施形態に基づく画像読取装置を示している。
図14および
図15に示す画像読取装置A3は、ケース1にガラスカバー6が組み込まれた構成となっている。ケース1は、z方向における
図15中上端部に開口部10を備えており、この開口部10にガラスカバー6を収容している。さらに、画像読取装置A3は、原稿Gを移動させるための回転ローラ71と組み合わされて使用される。このため、
図14に示すように、ケース1は、y方向における一方側に原稿Gを誘導するための複数のガイド部材101を備え、y方向における他方側には回転ローラ71と嵌合する複数の凹部19を備えている。回転ローラ71は、回転軸72によって支持されている。
図15に示すように、ケース1は、回転軸72を収容する溝部191を備えている。溝部191はz方向における
図14中下方に開口し、回転軸72を挿通させることが可能となっている。
【0076】
図14に示すように、画像読取装置A3におけるケース1は、5対の接着剤設置凹部15,16を備えている。このうち、x方向における中央と両端に配置された3対の接着剤設置凹部15,16に、第1の接着剤181が塗布されている。残りの2対の接着剤設置凹部15,16には第2の接着剤182のみが塗布されている。
【0077】
画像読取装置A3では、接着剤設置凹部15,16を増設し、それぞれに第2の接着剤182を塗布することにより、レンズアレイ3をより強固に固定することができる。なお、第1の接着剤181は、第2の接着剤182が硬化する前の段階においてレンズアレイ3の位置を固定するのに用いられるものである。追加の接着剤設置凹部15,16に第1の接着剤181を塗布する必要性は小さい。
【0078】
図16には、本発明の第4実施形態に基づく画像読取装置を示している。
図16に示す画像読取装置A4は、ケース1の形状が画像読取装置A1と異なっており、その他の構成は画像読取装置A1と同様となっている。本実施形態におけるケース1では、光源収容部11、レンズ収容部12、および、帯状壁部13のx方向における長さが同一となっている。このため、内壁面111と側面131はx方向における全長に渡って対向している。さらに、
図16に示すように、本実施形態のケース1は、4対の接着剤設置凹部15,16、第1の接着剤設置領域112A,112B,112C,112D、および第2の接着剤設置領域113A,113B,113C,113Dを備えている。
【0079】
4対の接着剤設置凹部15,16には、それぞれに第1の接着剤181および第2の接着剤182が塗布されている。なお、x方向における両端の接着剤設置凹部15,16にのみ第1の接着剤181を塗布し、中間の2対の接着剤設置凹部15,16には第1の接着剤181を塗布しない構成としても構わない。
【0080】
図4に示すように、第1の接着剤設置領域112A,112B,112C,112Dおよび第2の接着剤設置領域113A,113B,113C,113Dはx方向に沿って順に配列されている。このような構成は、画像読取装置A1における線状光源2よりもx方向により長い線状光源2をケース1に固定する場合に有効である。
【0081】
図17には、本発明の第5実施形態に基づく画像読取装置を示している。
図17に示す画像読取装置A5は、接着剤設置凹部15の形状が画像読取装置A1と異なっており、その他の構成は画像読取装置A1と同様となっている。
【0082】
図17に示すように、本実施形態における接着剤設置凹部15のz方向における下端は、レンズアレイ3のz方向における下端よりも図中上方に位置している。
【0083】
本発明に係る画像読取装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る画像読取装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、上述した実施形態では、線状光源2を内蔵する構成となっているが、線状光源2が設けられておらず、レンズアレイ3のみを内蔵する画像読取装置においても本発明は有用である。また、レンズアレイ3のx方向における長さが比較的短い場合には、1対の接着剤設置凹部15,16のみを有する構成にすることも可能である。
【0084】
また、上述した画像読取装置A1〜A5の各部の構成を組み合わせても構わない。たとえば、画像読取装置A2〜A4における接着剤設置凹部15を画像読取装置A5における接着剤設置凹部15と同じ形状としても構わない。
【0085】
また、上記実施形態では、接着剤設置凹部15,16の全てに少なくとも第2の接着剤182が塗布されているが、第1,2の接着剤181,182のいずれもが設置されていない凹部が設けられていても構わない。また、第1の接着剤181のみが設置される接着剤設置凹部が存在しても構わない。
【0086】
また、上記実施形態では、接着剤設置凹部15,16がx方向における同一位置に対を成すように配置されているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。たとえば、レンズアレイ3の片側にのみ接着剤設置凹部が設けられていてもよく、両側の接着剤設置凹部のx方向における位置が異なっていても構わない。
【0087】
また、上記実施形態では、光源ユニット23は白色ケース22のx方向における一方側にのみ設けられているが、本発明はこのような構成に限定されずに利用可能である。たとえば、光源ユニットが導光体の長手方向の双方に配置されている場合にも、本発明は効果的である。
【0088】
また、上記実施形態では、導光体21に設けられた凹凸により、光を光出射部21aから出射させる構成となっているが、本発明はこのような構成に限定されずに利用可能である。たとえば、印刷により反射用パターンが設けられた導光体を用いる場合でも、本発明は効果的である。