特許第6101802号(P6101802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベーの特許一覧

特許6101802衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション
<>
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000002
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000003
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000004
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000005
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000006
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000007
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000008
  • 特許6101802-衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6101802
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】衛生用品の使用を監視するための相互共有データベースを用いた方法およびモバイル・アプリケーション
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20170313BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20170313BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20170313BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   A61F13/15
   A61F5/44 S
   A61G12/00 E
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-529750(P2015-529750)
(86)(22)【出願日】2012年8月28日
(65)【公表番号】特表2015-534153(P2015-534153A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】SE2012050910
(87)【国際公開番号】WO2014035302
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2015年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・カーニー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・カーレン
【審査官】 阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−105839(JP,A)
【文献】 特開2006−303898(JP,A)
【文献】 特開2004−212060(JP,A)
【文献】 特開2008−217724(JP,A)
【文献】 特開2011−130924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
A61F 5/44
A61F 13/15
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者(17)が着用する衛生用品(12)の使用を監視するための1組のモバイル・アプリケーションの実行により実施される方法であって、
1組のモバイル・アプリケーションは第1のモバイル・アプリケーションと少なくとも第2のモバイル・アプリケーションから形成され、
前記方法は、
製品着用者の排泄行動に基づいて前記衛生用品に関連する情報を提供するステップと、
前記少なくとも第2のモバイル・アプリケーションにより、着用者(17)の前記排泄行動に関連する情報を取得するステップと、
取得した前記情報をデータベース(8)に送信するステップとを含み、
前記方法はさらに、モバイル装置(1)内の前記第1のモバイル・アプリケーションの実行により実施される、
複数の異なるモバイル・アプリケーション(A1乃至A4)により共有される前記データベース(8)から、前記第1のモバイル・アプリケーションとは異なる少なくとも前記第2のモバイル・アプリケーションにより取得された前記着用者の前記排泄行動に関連する格納情報を取り出すステップと、
前記第1のモバイル・アプリケーションにより、前記製品着用者の実際の排泄行動に関する排泄関連情報を取得するステップと、
前記排泄関連情報を前記データベース(8)から取り出した前記情報と比較するステップと、
前記製品着用者(17)の将来の排泄行動を前記比較に基づいて予測するステップと、
製品関連情報を前記予測された将来の排泄行動に基づいて提供するステップと、
を含み、
前記第1のモバイル・アプリケーションと第2のモバイル・アプリケーションは、前記複数の異なるモバイル・アプリケーション(A1乃至A4)から選択される異なるモバイル・アプリケーションであり、前記複数の異なるモバイル・アプリケーション(A1乃至A4)は、
利用者の前記排泄行動に関連する情報を、前記モバイル装置(1)の動き検知装置(2)により登録された前記利用者の動きを分析することにより取得するためのモバイル・アプリケーションと、
少なくとも前記利用者による流動食および/または固形食の摂取に関連する情報、および前記利用者による尿および/または便の排泄に関連する情報をモバイル装置(1)で手動で入力することによって、利用者の前記排泄行動に関連する情報を取得するためのモバイル・アプリケーションと、
モバイル装置(1)の画像捕捉装置(3)により捕捉された、使用済みの吸収製品の画像を分析することにより利用者の前記排泄行動に関連する情報を取得するためのモバイル・アプリケーションと、
尿および/または便の存在を示す化学物質を検出できる匂いセンサ装置(11)から受信した信号を分析することにより利用者の前記排泄行動に関連する情報を取得するためのモバイル・アプリケーションと、
含む、方法。
【請求項2】
前記排泄関連情報は、前記製品着用者(17)による情報の手動入力、および/または、前記製品着用者による実際の排泄に関する情報を取得するための1つまたは複数のセンサ装置(2、3、11)により、前記第1のモバイル・アプリケーションにより取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データベース(8)から取り出した前記情報は、
前記製品着用者の年齢および/または性別に関するデータと、
前記製品着用者の健康および/または薬の服用に関するデータと、
前記製品着用者による流動食および/または固形食の摂取に関するデータと、
前記製品着用者の運動習慣に関するデータと、および/または
前記製品着用者の睡眠習慣に関するデータと、
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記データベース(8)から取り出した前記情報は、前記少なくとも第2のモバイル・アプリケーションにより取得された前記製品着用者(17)の前記実際の排泄行動に関するデータを含み、前記方法は、
前記データを前記第1のモバイル・アプリケーションにより取得された前記排泄関連情報と比較するステップと、
前記製品着用者の前記将来の排泄行動の予測において前記比較の結果を使用するステップと、
をさらに含む、請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記衛生用品(12)の容量に関連する容量情報を取得するステップと、
前記製品関連情報を前記容量情報に基づいて提供するステップと、
をさらに含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1または2に従属するとしたとき、前記製品関連情報は、前記製品着用者(17)の前記予測された将来の排泄行動と容量情報の比較に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記衛生用品(12)が保持できる尿および/または便の最大量を前記容量情報に基づいて決定するステップと、
将来の時点より前に前記製品着用者(17)により排泄される可能性がある尿および/または便の量を、前記製品着用者の前記予測された将来の排泄行動に基づいて決定するステップと、
前記製品関連情報を、前記将来の時点より前に排泄される可能性がある前記量と前記最大量との比較に基づいて提供するステップと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
排泄される可能性がある前記量と前記最大量の両方は尿および/または便の恥辱の離散回数として決定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記製品関連情報は、前記製品着用者(17)の前記モバイル装置(1)で、および/または、前記モバイル装置が通信可能に接続できる通信装置、例えば前記製品着用者の介護者のモバイル装置で、可視信号、可聴信号および/または振動信号の形で提供される、請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記製品関連情報は、製品の交換は必要でないという指示と、排尿および/または排便が行われ前記製品を交換するのが望ましいであろうという指示と、前記製品を交換するという推奨と、一定の時刻より前に前記製品を交換するという推奨と、現在着用している製品より容量が大きいかまたは少ない別の衛生用品に前記製品を交換するという推奨との何れか1つまたは何れかの組合せを含む、請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記衛生用品(12)は、男性または女性用の失禁防止用品、生理用ナプキン、粘着テープ付きおむつ、パンツ型おむつまたはベルト式おむつのような吸収性の個人用衛生用品である、請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
着用者(17)が着用する衛生用品(12)の使用を監視するためのモバイル・アプリケーション(A1乃至A4)の形の1組のコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・プログラムは、1つまたは複数のモバイル装置(1、1a、1b)のプロセッサ(4)により実行されたとき、前記1つまたは複数のモバイル装置に請求項1乃至11何れか1項に記載の方法を実施させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項13】
第1のモバイル・アプリケーション、少なくとも第2のモバイル・アプリケーション、およびデータベース(8)を備えたソフトウェア・コンポ―ネント(A1乃至A4、8)のシステムであって、ソフトウェア・コンポ―ネント(A1乃至A4、8)の前記システムは請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法を実施するように構成された、システム。
【請求項14】
着用者(17)が着用する衛生用品(12)の使用を監視するためのモバイル装置(1)であって、プロセッサ(4)と、前記プロセッサにより実行可能なコンピュータ・プログラムを格納するための記憶媒体(5)とを備え、前記記憶媒体(5)は請求項12に記載の1組のコンピュータ・プログラムを格納する、モバイル装置(1)。
【請求項15】
前記記憶媒体(5)は請求項13に記載のソフトウェア・コンポ―ネント(A1乃至A4、8)のシステム全体を格納する、請求項14に記載のモバイル装置(1)。
【請求項16】
前記モバイル装置(1)が前記着用者により携帯されているかまたはベッドで前記着用者の隣に置かれているときに、前記着用者の動きを登録するための動き検知装置(2)と、
使用済みの吸収製品の画像を捕捉するための画像捕捉装置(3)と、および/または
匂いセンサ装置(11)と通信するための通信ユニット(6)と、
をさらに備える、請求項14または15に記載のモバイル装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用品の使用を監視するための方法、コンピュータ・プログラムおよびモバイル装置に関する。当該衛生用品の使用に関する情報は、製品着用者の排泄行動に関する情報に基づいて製品着用者または製品着用者の介護者に提供される。
【背景技術】
【0002】
今日、子供と成人の両方がおむつ、尿漏れパッド、生理用ナプキン等のような様々な種類の衛生用品を使用するのが一般的である。
【0003】
失禁用製品の利用者は、失禁用製品の市場で正しい種類の製品を選択する、即ち、当該利用者の個別のニーズに最も適した製品を選択する際に困難に直面することがある。これは、失禁用製品の利用者がしばしば年配者または障害者であるという事実により強調される。
【0004】
吸収製品の監視と交換が不適切であると、当該製品からの尿漏れや便漏れの原因となりうる。非常に多くの人々が失禁に苦しんでいるので、これは恥や屈辱の感情を引き起こす非常に大きな問題である。
【0005】
この理由のため、上記利用者が彼らの衛生用品の使用を監視し、彼らのニーズに適合する適切な衛生用品を見つけるのを支援するための方法や装置が必要である。吸収製品の使用の監視を改善するための幾つかの解決策が先行技術で知られている。
【0006】
特許文献1は、患者が着用する吸収センサパッドを開示している。尿排泄パラメータを測定する1つまたは複数のセンサがパッド内に統合的に形成されている。当該センサは、患者が排泄した尿の湿気、体積、温度、pH、および内容物や患者の姿勢や行動を測定する、インピーダンスセンサ、歪計、温度センサ、加速度計、pHセンサ、および化学センサを含むことができる。当該センサが検知した排泄データを、当該センサに接続された外部装置へ送信できる排泄ログに記録することができる。
【0007】
特許文献2は、例えばおむつ向けの湿気監視システムに関する。当該システムは、離散的な恥辱の回数を数えることができる湿気センサと、限界数の恥辱の後、または、製品を最後に交換してから一定期間が経過したときにトリガされるアラームとを備える。
【0008】
特許文献3は、吸収製品内の湿気を測定するための失禁管理システムを開示している。当該システムは、吸収製品内の湿気の存在を示すセンサ信号を受信するための入力と、当該システムの利用者と通信するためのユーザ・インタフェースとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0252713号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0062758号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0263952号明細書
【特許文献4】国際特許出願第PCT/SE2011/051565号明細書
【特許文献5】国際特許出願第PCT/SE2011/051566号明細書
【特許文献6】国際特許出願第PCT/SE2011/051551号明細書
【特許文献7】国際特許出願第PCT/SE2011/051558号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、吸収製品の使用を監視するための公知の解決策はしばしば、公衆が容易に入手できない複雑で高価な製品および/または監視システムを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の問題のうち1つまたは複数を解決または少なくとも軽減することが本発明の目的である。特に、衛生用品の使用を監視するためのコスト効率的で容易に入手可能な方法を提供することが本発明の目的である。本発明の他の目的は、吸収製品の遅すぎる交換を防止するのを支援できる方法を提供することである。
【0012】
これらおよび他の目的は、同時継続の特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7でも述べられている。これらは、本願の出願人により2011年12月に出願され、本願の出願日においては公衆に利用可能となってはいない。
【0013】
これらの同時継続出願は、尿漏れパッドのような、吸収製品の使用を監視するための異なるモバイル・アプリケーション(所謂「アプリ」)に関する発明を説明している。当該モバイル・アプリケーションが全て、かかる製品の着用者の排泄行動に関連する情報を収集して、当該収集された情報に基づいて、当該吸収製品の使用に関して製品関連情報を製品着用者に提供する。当該収集された情報が実際の尿および/または便の恥辱を示す情報であってもよく、または、当該情報が、製品着用者の排泄行動に影響を及ぼすかまたは影響を及ぼし得る他の情報であってもよい。
【0014】
これらのモバイル・アプリケーションのうち一部の幾つかの基本バージョンにおいて、当該収集された情報が、排泄が行われたという指示を含んでもよく、それにより、当該製品関連情報は、製品着用者のモバイル装置に表示された、当該吸収製品を交換する必要がありうるという通知を含んでもよい。
【0015】
これらのモバイル・アプリケーションの一部のより改良されたバージョンでは、これらのアプリケーションは、着用者が着用している吸収製品の容量に関する「容量情報」を取得し、当該収集された情報から決定される着用者の排泄行動と当該吸収製品の容量との比較に基づいて、当該吸収製品の使用に関する推奨を提供するように適合されている。例えば、当該収集された情報が、当該吸収製品の容量を十分に下回る一定回数の尿および/または便の恥辱を製品着用者が経験したことを示す場合には、製品着用者に提供される製品関連情報が、当該吸収製品の交換がこの時点では必要でないことを示す情報を含んでもよい。しかし、当該吸収製品の最大容量に近い回数の尿および/または便の恥辱を製品着用者が経験したことを当該収集された情報が示す場合には、当該製品関連情報が製品を交換するという推奨を含んでもよい。当該吸収製品の容量が製品着用者の排泄行動にとって多すぎるかまたは少なすぎることが分かった場合には、当該製品関連情報が、製品着用者のモバイル装置に表示された、当該製品を吸収容量がより多いかまたは少ない別の製品と交換するという推奨を含んでもよい。
【0016】
本発明は、衛生用品の使用を監視するためのこれらのおよび他の任意のモバイル・アプリケーションが、他のモバイル・アプリケーションにより取得されたが依然として製品着用者の排泄行動に関連する情報にも基づいて当該製品関連情報を提供できるようにする解決策を提供することによって、上記これらのおよび他の任意のモバイル・アプリケーションを改良する方法に関する。他のモバイル・アプリケーションを使用することで取得された製品着用者の排泄行動に関連する情報を格納するデータベースから情報を抽出する機能を、衛生用品の使用を監視するためのモバイル・アプリケーションに組み込むことによって、当該衛生用品の使用に影響を及ぼすより多くの情報を当該モバイル・アプリケーションにより取得することができ、その結果、より関連する製品関連情報を製品着用者に提供することができる。当該データベースから抽出された情報を使用して、例えば、抽出した情報に基づいて製品着用者による将来の排泄を予測するように当該モバイル・アプリケーションが使用するアルゴリズムを適合させることによって、衛生用品の使用を監視するモバイル・アプリケーションのインテリジェンスを高めてもよい。
【0017】
本発明はしたがって、着用者が着用する衛生用品の使用を監視するための第1のモバイル・アプリケーションの実行を通じて携帯電話のようなモバイル装置で実施される方法を提供する。当該方法は、着用者の排泄行動に関連する情報を、当該第1のモバイル・アプリケーションとは異なる少なくとも第2のモバイル・アプリケーションにより取得された情報を記憶するデータベースから抽出するステップと、抽出した情報に基づいて製品関連情報を製品着用者または製品着用者の介護者に提供するステップとを含む。
【0018】
そこで、本発明では「相互共有データベース」の使用を提案する。相互共有データベースから、モバイル・アプリケーションにより取得された利用者の排泄行動に関連する情報を、当該利用者が着用している衛生用品の使用を監視するための別のモバイル・アプリケーションにより抽出することができる。
【0019】
製品着用者の排泄行動に関連する情報が、製品着用者の実際の排泄行動に関するデータ、例えば、1つまたは複数の尿および/または便の恥辱の時刻、種類、および量、ならびに/または、製品着用者自身に関するデータもしくは製品着用者の排泄行動に影響を及ぼすかまたは及ぼしうる製品着用者の他の行動もしくは習慣を含んでもよい。製品着用者の排泄行動に影響を及ぼすかまたは及ぼすおそれがあり、相互共有データベースに格納でき相互共有データベースから抽出できる排泄関連情報の非包括的な例は、
−製品着用者の年齢および性別に関するデータ(利用者データ)と、
−製品着用者の健康および薬の服用に関するデータ(健康データ)と、
−製品着用者による流動食および/または固形食の摂取に関するデータ(摂取データ)と、
−製品着用者の運動習慣(運動データ)に関するデータと、
−製品着用者の睡眠習慣(睡眠データ)に関するデータと、
である。
【0020】
当該第1のモバイル・アプリケーションをさらに、製品着用者の実際の排泄行動に関する排泄関連情報を収集し、当該製品関連情報を、当該排泄関連情報と相互共有データベースから抽出した情報の比較に基づいて提供するように構成してもよい。当該排泄関連情報を、製品着用者による情報の手動入力を通じて、および/または、製品着用者による尿および/または便の実際の排泄を示す情報を取得できる1つまたは複数のセンサ装置を用いて、当該第1のモバイル・アプリケーションにより収集してもよい。
【0021】
製品着用者の将来の排泄行動を相互共有データベースから抽出した情報に基づいて予測し、製品関連情報を当該予測された将来の排泄行動に基づいて提供するように当該第1のモバイル・アプリケーションが構成されることが好ましい。当該予測が、当該第1のモバイル・アプリケーション自体により取得された排泄関連情報と相互共有データベースから抽出した情報の間の比較に基づいてもよい。
【0022】
上述のように、相互共有データベースから抽出した情報が、製品着用者の排泄行動に影響を及ぼす製品着用者の行動または習慣に関する情報、例えば、製品着用者の摂取行動、運動および/または睡眠に関する情報であってもよい。当該情報と当該第1のモバイル・アプリケーション自体により取得された排泄関連情報とを比較することによって、当該第1のモバイル・アプリケーションは、どのように製品着用者の他の行動と習慣が製品着用者の排泄行動に影響を及ぼすかを学習することができる。次いで、当該知識を製品着用者による将来の排泄の予測において当該第1のモバイル・アプリケーションにより使用してもよく、その結果、当該第1のモバイル・アプリケーションは製品関連情報を衛生用品の使用に関する有用な推奨の形で製品着用者または製品着用者の介護者に提供することができる。少々別の言い方をすれば、当該第1のモバイル・アプリケーションは製品着用者の排泄行動と製品着用者の他の行動と習慣の間の相関関係を決定すると言うことができる。当該相関関係を使用して、製品着用者の将来の排泄行動を予測する。
【0023】
当該第1のモバイル・アプリケーションと当該少なくとも第2のモバイル・アプリケーションは1組のモバイル・アプリケーションを形成する。当該1組のモバイル・アプリケーションは、どのように製品着用者の異なる行動と習慣が彼/彼女の排泄行動に影響を及ぼすかを一体となって分析し、当該衛生用品の使用に関して出来る限り有用な推奨を提供する役割を果たす。
【0024】
当該第1のモバイル・アプリケーションと当該少なくとも第2のモバイル・アプリケーションが、着用者が着用している衛生用品の使用を監視するように全てが構成された1群のモバイル・アプリケーションのメンバであることが好ましい。これらのモバイル・アプリケーションを全て、製品着用者に関する排泄関連情報を取得し、取得した当該情報を相互共有データベースに送信するように構成してもよい。当該モバイル・アプリケーションの一部または全部をさらに、他のモバイル・アプリケーションにより取得された排泄関連情報を相互共有データベースから抽出し、当該情報を用いて衛生用品の使用に関する製品関連情報を製品着用者に提供するように構成してもよい。
【0025】
当該第1のモバイル・アプリケーションと当該少なくとも第2のモバイル・アプリケーションが、例えば以下から成るグループの中の異なるアプリケーションであってもよい。
1)以降、「Sleep Security」と称するモバイル・アプリケーション。特許文献4で開示されているモバイル・アプリケーションと同様に、利用者の排泄行動に関連する情報が、モバイル装置の動き検知装置により登録された当該利用者の動きを分析することにより得られる。
2)以降「Daily Log」と称するモバイル・アプリケーション。特許文献5で開示されているモバイル・アプリケーションと同様に、利用者の排泄行動に関連する情報が、少なくとも当該利用者による流動食および/または固形食の摂取に関連する情報、ならびに、当該利用者による尿および/または便の排泄に関連する情報の手動入力により得られる。
3)以降「Pad Scanner」と称するモバイル・アプリケーション。特許文献6で開示されているモバイル・アプリケーションと同様に、利用者の排泄行動に関連する情報が、モバイル装置の画像捕捉装置により捕捉された使用済みの吸収製品の画像を分析することにより得られる。
4)以降「Reassure」と称するモバイル・アプリケーション。特許文献7で開示されているモバイル・アプリケーションと同様に、利用者の排泄行動に関連する情報が、尿および/または便の存在を示す化学物質を検出できる匂いセンサ装置から受信した信号を分析することにより得られる。
【0026】
1実施形態では、相互共有データベースは特に、Sleep SecurityとDaily Logアプリケーションの間で排泄関連情報を交換することを目的としている。例えば、Sleep Securityアプリケーションを、当該利用者の登録された動きに関連する排泄関連情報を相互共有データベースに提供するように構成してもよく、それにより、Daily Logアプリケーションを、当該情報を当該利用者によりDaily Logアプリケーションへ手動で入力された情報とともに使用して、製品着用者による尿および/または便による将来の恥辱をより正確に予測するように構成してもよい。
【0027】
相互共有データベースがシングルユーザデータベースであってもよい。当該シングルユーザデータベースから、当該第1のモバイル・アプリケーションの利用者は、当該利用者自身と当該利用者の行動に関する排泄関連情報のみを抽出することができる。他の実施形態では、相互共有データベースはマルチユーザデータベースである。これは、当該第1のモバイル・アプリケーションが、当該少なくとも1つの第2のモバイル・アプリケーションの他の利用者に関する排泄関連情報を抽出できることを意味する。それにより、どのように他の利用者の個人データ、行動および習慣が彼らの排泄行動に影響するかに関する情報を、当該第1のモバイル・アプリケーションにより当該データベースから抽出でき、製品着用者の将来の排泄行動を予測するために使用することができる。
【0028】
当該モバイル・アプリケーションの利用者が着用する衛生用品の容量に関連する容量情報を取得して、(当該第1のモバイル・アプリケーション自体により取得されるかまたは相互共有データベースから抽出された)排泄関連情報と当該容量情報の両方に基づいて、製品関連情報を提供するように当該第1のモバイル・アプリケーションがさらに構成されることが好ましい。これにより、当該製品関連情報が製品着用者の排泄行動と衛生用品の容量の比較に基づくことができるので、当該第1のモバイル・アプリケーションは、製品関連情報を当該衛生用品の使用に関する十分な根拠に基づく推奨の形で提供することができる。
【0029】
当該容量情報が、吸収製品の種類、吸収製品の吸収レベル、および衛生用品の大きさのうち何れか1つまたは任意の組合せを含んでもよい。当該容量情報を、ユーザ入力および/または製品データベースからの情報の受信から得てもよい。当該製品データベースが相互共有データベースの一部を形成してもしなくてもよい。
【0030】
上述のように、当該第1のモバイル・アプリケーションを、相互共有データベースから抽出した排泄関連情報を使用して、製品着用者による尿および/または便による将来の恥辱を予測するように構成してもよい。また、当該第1のモバイル・アプリケーションを、将来排泄される可能性がある尿および/または便の量を抽出した情報と、さらに、当該第1のモバイル・アプリケーション自体により取得された排泄関連情報とに基づいて予測し、将来排出されると予測される尿および/または便の量に基づいて当該製品関連情報を提供するように構成してもよい。
【0031】
上述のように、当該第1のモバイル・アプリケーションを、衛生用品の容量に関連する容量情報を取得するように構成してもよい。この場合、製品関連情報を、当該衛生用品の容量と将来排出されると予測される尿および/または便の量の比較に基づいて提供することができる。
【0032】
例えば、当該第1のモバイル・アプリケーションを、当該容量情報に基づいて衛生用品により保持できる尿および/または便の最大量を決定し、将来の時点に対し、その時点で製品着用者により排出される可能性がある尿および/または便の量を製品着用者の当該予測された将来の排泄行動に基づいて決定するように構成してもよい。当該推奨は、当該最大量と将来の時点で排泄される可能性がある尿および/または便の量との比較に基づくことができる。当該衛生用品により保持できる尿および/または便の最大量ならびに将来の時点に排泄さされる可能性のある尿および/または便の量を、尿および/または便の恥辱の離散的回数として当該第1のモバイル・アプリケーションにより決定するのが好ましい。将来の時点で排泄される量が衛生用品により保持できる最大量を超えるかまたはそれに近い場合には、当該第1のモバイル・アプリケーションに提供される製品関連情報が、その将来の時点より前に衛生用品を交換するという推奨であってもよい。
【0033】
上のシナリオでは、当該第1のモバイル・アプリケーションが提供する製品関連情報は、当該製品が保持できる量を排泄量が超える前に当該製品を交換するという推奨を含む。しかし、一般に、当該製品関連情報が衛生用品の使用に関する任意の情報であってもよい。例えば、当該製品関連情報が、製品の交換は必要でないという指示と、排尿および/または排便が行われ当該製品を交換するのが望ましいであろうという指示と、当該製品を交換するという推奨と、一定の時刻より前に当該製品を交換するという推奨と、現在着用している製品より容量が大きいかまたは少ない別の衛生用品に当該製品を交換するという推奨とのうち何れか1つまたは任意の組合せを含んでもよい。
【0034】
本発明の例示的な実施形態では、当該第1のモバイル・アプリケーションは、日時ログへの情報の手動入力を通じて製品着用者の排泄および摂取行動に関する情報を取得するDaily Logアプリケーションであり、当該少なくとも第2のモバイル・アプリケーションは、製品着用者の睡眠の動きを分析することにより製品着用者の夜間の排泄行動に関する排泄関連情報を取得するSleep Securityアプリケーションである。Daily Logアプリケーションは、Sleep Securityアプリケーションが取得した排泄関連情報を相互共有データベースから抽出し、当該利用者による日中の摂取と排泄と当該利用者の夜間の排泄行動の関係を分析する。当該分析に基づいて、Daily Logアプリケーションは、一定の摂取/排泄パターンを有する、昼間に続く夜間の製品着用者の排泄行動を予測するように学習することができる。Daily Logアプリケーションは次いで、当該予測に基づいて製品関連情報を製品着用者に提供してもよい。例えば、Daily Logが、当該製品からの尿漏れを回避するために、夜になる前の間の一定の時点より前に衛生用品を交換しなければならない可能性があるという通知を、夕方に製品着用者に対して表示してもよい。
【0035】
当該第1のモバイル・アプリケーションを、当該モバイル装置、および/または、当該モバイル装置が通信可能に接続できる通信装置、例えば製品着用者の介護者のモバイル装置での可視信号、可聴信号および/または振動信号により、製品関連情報を製品着用者に提供するように構成することができる。当該製品関連情報の中身と製品着用者および/または介護者へ当該製品関連情報を提供するやり方との両方を、相互共有データベースから抽出した排泄関連情報に少なくとも部分的に基づいて決定することが好ましい。
【0036】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う方法は、コンピュータ・プログラム(即ち、当該第1のモバイル・アプリケーション)の実行を通じてモバイル装置により実施されるコンピュータ実行型の方法である。したがって、本発明の別の態様によれば、着用者が着用する衛生用品の使用を監視するためのコンピュータ・プログラムが提供される。当該コンピュータ・プログラムは、当該モバイル装置のプロセッサにより実行されたときにモバイル装置に当該方法を実施させるように構成される。
【0037】
本発明はまた、コンピュータ可読命令を格納するための不揮発性メモリを備えたコンピュータ・プログラム製品も提供する。上述のコンピュータ・プログラムは当該不揮発性メモリで符号化される。
【0038】
さらに、本発明は、着用者が着用する衛生用品の使用を監視するためのモバイル装置を提供する。当該モバイル装置は、プロセッサと、当該プロセッサにより実行可能なコンピュータ・プログラムを格納するための記憶媒体とを備える。当該記憶媒体は上述のコンピュータ・プログラムを格納する。当該モバイル装置はさらに、相互共有データベースに接続し相互共有データベースから排泄関連情報を抽出するための通信ユニットを備える。
【0039】
当該モバイル装置がさらに、
当該モバイル装置が製品着用者により携帯されているかまたはベッドで製品着用者の隣に置かれているときに、製品着用者の動きを登録するための、加速度計のような動き検知装置と、
当該利用者の摂取行動や排泄行動に関する情報を利用者が手動で入力できるようにする入力手段と、
使用済みの吸収製品、例えば尿漏れパッドの画像を捕捉するための、統合型カメラのような画像検知装置と、
衛生用品における尿および/または便の存在を示す少なくとも1つの化学物質を検出するように構成された匂いセンサ装置と通信するための通信ユニットと、
を備えることが好ましい。
【0040】
本発明のさらに別の態様によれば、第1のモバイル・アプリケーション、少なくとも第2のモバイル・アプリケーション、およびデータベースを備えるソフトウェア・コンポ―ネントのシステムを提供する。当該第1のモバイル・アプリケーションは、着用者が着用する衛生用品の使用を監視し、当該衛生用品の使用に関する製品関連情報を、例えば、当該製品を交換すべきときに関する推奨の形で、着用者に提供するように構成されたモバイル・アプリケーションである。当該少なくとも第2のモバイル・アプリケーションは、当該利用者の排泄行動に関連する情報、例えば、当該利用者の実際の排泄行動、当該利用者自身、および/または当該排泄行動に影響を及ぼす当該利用者の他の行動に関する情報を収集するためのモバイル・アプリケーションである。当該第2のモバイル・アプリケーションは、収集された情報を当該データベースに送信するように構成され、当該データベースは、当該情報を格納するように構成される。当該第1のモバイル・アプリケーションは、格納された情報を当該データベースから抽出し、抽出した情報に基づいて製品関連情報を製品着用者に提供するように構成される。当該データベースはしたがって、異なるモバイル・アプリケーションがそこに格納された情報を共有できるようにするという意味で、相互共有データベースである。
【0041】
本発明は、下記で提供する詳細な説明と、例としてのみ与えた添付図面とからより十分に理解される。異なる図面において同じ符号は同じ要素に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】衛生用品の使用を監視するための複数のモバイル・アプリケーションを格納するモバイル装置の図である。
図2A】本発明の例示的な実施形態に従う衛生用品の使用を監視するためのシステムの図である。
図2B】本発明の別の例示的な実施形態に従う衛生用品の使用を監視するためのシステムの図である。
図3】当該衛生用品の使用に関する製品関連情報を当該衛生用品の着用者に提供し、かつ/または、後に他のモバイル・アプリケーションが抽出し使用するために当該利用者の排泄行動に関連する情報を相互共有データベースに送信するために、モバイル装置の動き検知装置により取得しモバイル・アプリケーションにより分析できる、「覚醒曲線」を示す図である。
図4】衛生用品の使用に関する製品関連情報を当該衛生用品の着用者に提供し、かつ/または、後に他のモバイル・アプリケーションが抽出し使用するために製品着用者の排泄行動に関連する情報を相互共有データベースに送信するためにモバイル・アプリケーションが実施する方法のステップを示す図である。
図5】衛生用品の使用に関する製品関連情報を当該衛生用品の着用者に提供し、かつ/または、後に他のモバイル・アプリケーションが抽出し使用するために製品着用者の排泄行動に関連する情報を相互共有データベースに送信するためにモバイル・アプリケーションにより分析できる、使用済み衛生用品の画像を捕捉するプロセスを示す図である。
図6A】衛生用品の着用者の排泄行動に関連する排泄関連情報をモバイル・アプリケーションに送信するために使用できる匂いセンサ装置を使用するシステムを示す図であって、当該モバイル・アプリケーションは、受信した情報を分析して当該衛生用品の使用に関する製品関連情報を当該衛生用品の着用者に提供し、かつ/または、後に他のモバイル・アプリケーションが抽出し使用するために製品着用者の排泄行動に関連する情報を相互共有データベースに送信できる、図である。
図6B】衛生用品の着用者の排泄行動に関連する排泄関連情報をモバイル・アプリケーションに送信するために使用できる匂いセンサ装置を使用するシステムを示す図であって、当該モバイル・アプリケーションは、受信した情報を分析して当該衛生用品の使用に関する製品関連情報を当該衛生用品の着用者に提供し、かつ/または、後に他のモバイル・アプリケーションが抽出し使用するために製品着用者の排泄行動に関連する情報を相互共有データベースに送信できる、図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明に従う方法を実施するためのモバイル装置1を示す。図1のモバイル装置1は、しばしばスマートフォンと呼ばれるものの形態のモバイル電話であるが、本発明に従うモバイル装置が、上述のように考案され構成された、携帯情報端末(PDA)またはタブレット・コンピュータのような任意の種類のハンドヘルドコンピューティング装置であってもよいことは理解される。
【0044】
モバイル装置1は、当該モバイル装置の動きを示す動きデータを登録するための統合型加速度計の形の動き検知装置2を備える。かかる加速度計は、当業界で公知であり、今日の多くのモバイル装置で使用されている。加速度計2は、当該モバイル装置を保持する人の動きを登録するように動作可能であり、モバイル装置1がベッドで寝ている人の隣に置かれているときに寝ている人の動きを登録するようにも動作可能であるのが好ましい。本発明の好適な実施形態における動き検知装置2はモバイル装置1の統合型の加速度計の形で実現されているが、他の種類の動き検知装置を加速度計の代わりにまたは加速度計に加えて使用してもよい。例えば、当該動き検知装置がモバイル装置1のジャイロスコープを備えてもよい。
【0045】
さらに、モバイル装置1は、後にモバイル装置1に格納される画像とビデオ録画を捕捉するための統合型の画像捕捉装置3を備える。かかる画像捕捉装置3は一般に知られており、例えば写真画像を捕捉するためのモバイル電話で使用される画像センサとレンズ(図示せず)を一般に備える。
【0046】
モバイル装置1は、データを処理するためのプロセッサ4をさらに備える。当該データを、モバイル装置1がネットワークを介して接続可能な通信装置から受信するか、または、モバイル装置のデジタル記憶媒体5に格納してもよい。当該記憶媒体はプロセッサ4によりアクセス可能である。モバイル装置1はさらに、モバイル装置1が接続可能である他のモバイル装置または通信ネットワークのノードのような外部装置と通信するための通信ユニット6をさらに具備する。
【0047】
モバイル装置1はさらに、情報を利用者に表示し、タッチ・ディスプレイの形で実現する場合には、利用者からユーザ入力の形で情報を受信するためのディスプレイ7を備える。モバイル装置1はまた、ボタン、マイクロフォン、ラウドスピーカ等のような、信号や情報を入力し出力するための他の公知の手段を備えてもよい。
【0048】
モバイル装置1は、本発明の全ての方法ステップを実施するように動作可能である。当該方法のステップを、記憶媒体5に格納されたコンピュータ・プログラムの実行を通じて、以下でより詳細に説明する。
【0049】
モバイル装置1に格納した当該コンピュータ・プログラムは、モバイル・アプリケーションの形で実現され、これは場合によってはアプリとも呼ばれ、スマートフォンやタブレット・コンピュータのようなモバイル装置で実行されるように特に設計されたソフトウェア・アプリケーションである。当該モバイル・アプリケーションが、モバイル装置1が接続可能なダウンロード・サーバから記憶媒体5にダウンロード可能であることが好ましい。当該モバイル・アプリケーションをさらに、Apple iOS、Google AndroidまたはBlackberry OSのような特定のモバイル・オペレーティング・システムに適合させてもよく、既知のアプリケーション分散プラットフォームを通じて分散させてもよい。
【0050】
以降の「モバイル・アプリケーション」や「アプリ」という用語は、モバイル装置1の記憶媒体5に格納されたモバイル・アプリケーションの形のコンピュータ・プログラムを指すことは分かる。
【0051】
図1に示すように、モバイル装置1は複数の異なるモバイル・アプリケーションA1乃至A4を格納し、それぞれ、当該アプリケーションを実行するために利用者によりタッチできるアイコンを示すボックスで表されている。モバイル・アプリケーションA1乃至A4のうち少なくとも1つは、失禁に苦しむ人が自分の日々の衛生用品の使用を監視するのを支援するために使用されることを意図している。
【0052】
本明細書の衛生用品は、製品の着用者が排泄した尿および/または便を保持するための任意の製品であってもよい。特に、衛生用品が、男性または女性用の失禁防止用品、生理用ナプキン、パンティ・ライナ、またはおむつ、例えば粘着テープ付きおむつ、パンツ型おむつまたはベルト式おむつのような吸収性の個人用衛生用品であってもよい。当該衛生用品の着用者は、モバイル・アプリケーションA1乃至A4の意図した利用者であり、以降、「製品着用者」または「利用者」の何れかと称することもある。
【0053】
モバイル・アプリケーションA1乃至A4は全て、当該利用者の排泄行動に関連する情報を収集するように構成される。当該情報を本明細書では「排泄関連情報」と称する。本明細書で「排泄関連情報」と称するものと対照的に、排泄関連情報が当該利用者の実際の排泄行動と関連する必要はないが、当該排泄行動に影響を及ぼすものに関連してもよい。以下でより詳細に説明するように、排泄関連情報の中身とそれを収集するやり方が、異なるアプリケーションA1乃至A4の間で異なってもよい。モバイル・アプリケーションA1乃至A4をさらに、夫々のモバイル・アプリケーションにより取得された排泄関連情報に基づいて、衛生用品の使用に関する製品関連情報を当該利用者に提供するように構成してもよい。当該製品関連情報は一般に、衛生用品を交換するときに関する推奨を含む。
【0054】
次に図2Aを参照すると、モバイル・アプリケーションA1乃至A4はさらに、排泄関連情報を相互共有データベース8に送信するように構成される。当該排泄関連情報は相互共有データベース8に記憶される。相互共有データベース8が、1つまたは複数のモバイル・アプリケーションA1乃至A4を実行している幾つかのモバイル装置1a、1bが接続可能な、インターネット上のアプリケーション・サーバのような、サーバ9に存在してもよい。当該実施形態では、相互共有データベース8は、モバイル・アプリケーションA1乃至A4の複数の利用者に関する排泄関連情報を格納するマルチユーザデータベースである。
【0055】
別の実施形態では、図2Bに示すように、相互共有データベース8は、モバイル装置1自体に存在するシングルユーザデータベースである。当該実施形態では、相互共有データベース8と排泄関連情報を収集する異なるモバイル・アプリケーションA1乃至A4を全て当該モバイル装置の記憶媒体5に格納してもよい。
【0056】
モバイル・アプリケーションA1乃至A4により取得され相互共有データベース8に格納された排泄関連情報が、当該利用者の排泄行動に関連する任意の情報であってもよい。当該排泄関連情報が、センサの使用および/または情報の手動入力を介して異なるモバイル・アプリケーションA1乃至A4により取得された、当該利用者による実際の尿および/または便の恥辱に関する情報(即ち、排泄関連情報)を含んでもよい。当該排泄関連情報がさらに、当該利用者の排泄行動に影響を及ぼすかまたは及ぼす可能性があり、モバイル装置1の様々なセンサによりおよび/または異なるモバイル・アプリケーションへの情報の手動入力を介して取得可能な、当該利用者および/または利用者行動に関する情報を含んでもよい。
【0057】
図2Aに示すように、マルチユーザ相互共有データベース8が、排泄関連情報が格納される複数のテーブルT1乃至T6を備えてもよい。当該例示的な実施形態では、以下のテーブルが当該データベースに含まれる。
【0058】
−ユーザT1:モバイル・アプリケーションA1乃至A4の利用者に関するユーザ・データを記憶し、例えば、利用者の年齢、利用者の性別等に関する情報を含んでもよい。
−排泄T2:利用者による実際のおよび/または予測された尿および/または便の恥辱に関する排泄関連情報を記憶し、例えば、各恥辱の時点、恥辱の種類(即ち、尿または便の恥辱)、各恥辱の量等に関する情報を含んでもよい。
−摂取T3:利用者による流動食および/または固形食の摂取に関する摂取データを記憶し、例えば、各摂取の時点、当該摂取の種類(即ち、流体または固体)、各摂取の量等に関する情報を含んでもよい。
−健康T4:利用者の健康に関する健康データを格納し、例えば、当該利用者が罹患している病気、当該利用者による薬の服用等に関する情報を含んでもよい。
−運動T5:利用者の運動習慣に関する運動データを格納し、例えば、利用者がいつどれだけ長く運動するか、どのような種類の活動が実施されるか等に関する情報を含んでもよい。
−睡眠T6:利用者の睡眠習慣に関する睡眠データを格納し、例えば、利用者がいつどれだけ長く寝るかに関する情報を含んでもよい。
【0059】
図2Bのシングルユーザ相互共有データベース8が、それがシングルユーザに関する情報のみを含むという差異のみを有する対応するテーブルT1乃至T6を備えてもよい。
【0060】
当業者により理解されるように、排泄関連情報を取得するモバイル・アプリケーションA1乃至A4が、任意の種類のモバイル・アプリケーションであってもよく、衛生用品の使用の監視を特に意図したモバイル・アプリケーションには限定されない。例えば、摂取情報を、利用者の食生活を監視するためのアプリにより取得してもよく、健康情報を、当該利用者が苦しむ1つまたは複数の病気に対する薬の摂取を監視するためのアプリにより取得してもよく、運動情報を、当該利用者の運動習慣を追跡し続ける運動アプリより取得してもよく、睡眠情報を、当該利用者の睡眠行動を追跡するためのアプリにより取得してもよく、全ては該衛生用品の使用を監視するためのモバイル・アプリケーションが後に使用するために、取得した情報を相互共有データベース8に送信するように構成される。
【0061】
しかし、排泄関連情報を取得するモバイル・アプリケーションA1乃至A4も衛生用品の使用を監視するように構成されることが好ましい。この場合、モバイル・アプリケーションA1乃至A4は、当該衛生用品の使用を監視し、利用者に当該使用に関する推奨を提供することを特に意図した1組のモバイル・アプリケーションを形成する。当該異なるアプリケーションにより取得された情報を共有することによって、夫々のアプリケーションのインテリジェンスを高めることができ、当該衛生用品の使用に関するさらに十分な根拠に基づく推奨を当該利用者に提供することができる。
【0062】
相互共有データベースから抽出した排泄関連情報に基づいて製品関連情報を製品着用者に提供するモバイル・アプリケーションと、最初に排泄関連情報を取得しそれを相互共有データベースに提供したモバイル・アプリケーションとの両方が、4つのモバイル・アプリケーションから成るグループの一部を形成することが好ましい。当該4つのモバイル・アプリケーションを、以降、「Sleep Security」、「Daily Log」、「Pad Scanner」および「Reassure」と称する。これらのモバイル・アプリケーションは、本願の出願日において公衆に利用可能となっていない同時継続特許出願である特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7で説明されているモバイル・アプリケーションのさらなる発展形である。
【0063】
Sleep Security
Sleep Securityは、利用者、即ち、衛生用品の着用者の動きに基づいて衛生用品の使用を監視するためのモバイル・アプリケーションである。特に、その名前が暗示するように、Sleep Securityは、利用者が眠っている間の当該製品の使用を監視するものである。当該アプリケーションは、失禁に苦しむ人が浅い睡眠段階で尿や便を排泄したがらないという知見を利用する。当該アプリケーションはまた、寝る動きが増すのは軽い睡眠を示すものであるという事実を利用する。当該吸収製品を着用する人の寝る動きを登録することによって、当該製品の使用を容易にする製品関連情報を導出し、当該製品の着用者または着用者の介護者に提供することができる。
【0064】
この目的のため、Sleep Securityは、モバイル装置1の動き検知装置2により製品着用者の動きを登録し、登録された動きが製品着用者による排尿および/または排便を示すかどうかを評価し、衛生用品の使用に関する製品関連情報を当該評価に基づいて提供する。
【0065】
図3は信号fの例を示す。信号fは、以降覚醒信号と称され、モバイル装置1の動き検知装置2を用いてSleep Securityアプリケーションにより得られる。覚醒信号fをSleep Securityにより使用して、製品着用者が尿および/または便を排泄した可能性があるかどうかを判定し、当該判定に基づいて、製品着用者または製品着用者の介護者に当該吸収製品の使用に関する推奨、例えば当該製品を交換するという推奨を提供する。
【0066】
例示的な実施形態では、Sleep Securityは、覚醒信号fが一定の閾値Trを超えて上昇したときに排泄が行われたと想定し、当該覚醒信号が当該閾値を超えた回数を数えることによって、想定された尿および/または便の恥辱の回数を追跡し続けるように構成される。想定された尿および/または便の恥辱の回数が最大値を超えると、Sleep Securityはアラームをトリガして、衛生用品を交換する時間であることを製品着用者またはその介護者に示す。
【0067】
さらに、本発明の原理に従って、Sleep Securityは、製品着用者の排泄行動に関連する任意の情報を相互共有データベース8に送信するように構成される。当該情報は、利用者の登録された動きから決定される、少なくとも、想定された尿および/または便の恥辱に関する情報、例えば恥辱が生じたと想定される時点を含む。
【0068】
Sleep Securityをさらに、製品着用者による将来の排泄、即ち、尿および/または便による将来の恥辱を、1つまたは複数の過去に登録した利用者の動きに基づいて予測し、当該予測に基づいて製品関連情報を製品着用者または着用者の介護者に提供するように構成してもよい。当該予測を改善するために、Sleep Securityは、他のモバイル・アプリケーションにより得られた排泄関連情報を相互共有データベース8から抽出してもよく、将来の排泄の予測において当該情報を製品着用者の登録された動きとともに使用してもよい。
【0069】
例えば、Sleep Securityを、以下でさらに説明するようにDaily Logアプリケーションにより収集された摂取および排泄情報を抽出し、当該情報を将来の排泄の予測において使用するように構成してもよい。この目的のため、Sleep Securityを、相互相関関係データベース8から抽出され最初にDaily Logアプリケーションにより取得された情報により示される、当該利用者による日中の摂取と排泄と、製品着用者の登録された動きにより示される、当該利用者の夜間の排泄行動との間の関係を分析するように構成してもよい。当該関係を分析することにより、好ましくは数回の日中と夜間の期間中に、Sleep Securityアプリケーションが、例えば、一定の摂取/排泄パターンを有する日に続く夜の間に発生する可能性がある尿の恥辱がどれだけあるかを学習することができる。当該知識を、製品着用者による尿および/または便の将来の排泄の予測においてSleep Securityにより使用することができる。
【0070】
さらに、Sleep Securityアプリケーションは、他のモバイル・アプリケーションにより得られた排泄関連情報を相互共有データベース8から取り出し、当該情報を製品着用者の登録された動きと比較して、排尿および/または排便が行われたと想定されるときを決定するためのSleep Securityにより使用されるアルゴリズムを適合させることができる。例えば、Sleep Securityが、以下でより詳細に説明するReassureアプリケーションにより取得される、尿または便が製品着用者により排泄された厳密な時点に関する情報を抽出し、登録された覚醒曲線fと当該情報を比較してもよい。このように、Sleep Securityアプリケーションは、例えば、どの覚醒曲線パターンが排尿および/または排便を示し、どれが示さないかを学習することができる。それにより、排泄が行われたときを決定するために使用されるアルゴリズムをそれに応じて、例えば、一定の覚醒曲線パターンを排除するように当該アルゴリズムを適合させることによって、または、単純に閾値Trを調節することによって、適合させることができる。
【0071】
Daily Log
Daily Logは、利用者、即ち、吸収製品の着用者の摂取および排泄に関する情報に基づいて吸収製品の使用を監視するためのモバイル・アプリケーションである。
【0072】
Daily Logアプリケーションの基本原理を図4に示す。図4は、当該モバイル・アプリケーションの実行時に実施される方法のステップを示す。
【0073】
第1のステップS1では、製品着用者による流動食および/または固形食の摂取を示す摂取情報を得る。第2のステップS2では、製品着用者による排尿および/または排便を示す排泄情報を得る。当該摂取情報と排泄関連情報は一般に、当該モバイル・アプリケーションへの情報の手動入力によって、好適には、製品着用者に、当該利用者の摂取および排泄行動を追跡し続ける日時ログに情報を入力させることによって、得られる。当該摂取情報は少なくとも各摂取時点の指示を含み、当該排泄情報は少なくとも尿および/または便の各恥辱の時点の指示を含む。さらに、当該摂取情報と排泄情報は、各摂取の種類および/または量ならびに各恥辱の種類および/または量の指示を含んでもよい。第3のステップS3では、製品着用者による将来の排泄、即ち、尿および/または便による将来の恥辱を、ステップS1とS2で得た摂取情報と排泄情報に基づいて予測する。第4のステップS4では、当該予測に基づいて、吸収製品の利用に関する製品関連情報を製品着用者に提供する。
【0074】
さらに、本発明の原理に従って、Daily Logアプリケーションは、製品着用者の排泄行動に関連する情報を相互共有データベース8に送信するように構成される。当該送信された情報は、製品着用者により当該ログに登録された恥辱の時点に関する情報を少なくとも含み、好ましくは、上述の摂取および排泄情報の全てを含む。
【0075】
Daily Logアプリケーションはまた、他のモバイル・アプリケーションにより得られた排泄関連情報を相互共有データベース8から抽出し、当該情報を日時ログ内の排泄情報と摂取情報とともに使用して、将来の恥辱の予測を改善するように構成される。
【0076】
例えば、Daily Logアプリケーションが、Sleep SecurityアプリケーションまたはReassureアプリケーション(後述)の何れかまたは両方により取得された製品着用者の夜間の排泄行動を示す排泄関連情報を抽出してもよい。Daily Logアプリケーションは次に、製品着用者の日中の摂取および排泄行動を製品着用者の夜間の排泄行動と比較してもよい。当該比較を複数の昼と夜に対して行うことにより、Daily Logアプリケーションはどのように日中の異なる摂取/排泄パターンが製品着用者の夜間の排泄行動に影響を及ぼすかを学習することができる。それにより、Sleep Securityアプリケーションが取得した排泄関連情報をDaily Logアプリケーションにより使用して将来の恥辱の予測を改善することができる。
【0077】
Pad Scanner
Pad Scannerは、使用済みの吸収製品の画像の分析に基づいて吸収製品の使用を監視するためのモバイル・アプリケーションである。Pad Scannerは、当該吸収製品による流体の吸収測定値を使用済み吸収製品の1つまたは複数の画像における情報に基づいて決定し、当該吸収製品の使用に関する情報を当該アプリケーションが実行されているモバイル装置に表示するように構成される。
【0078】
図5は、吸収した流体の領域13を含む失禁プロテクタの形の使用済み衛生用品12を示す。モバイル装置1は、モバイル装置1の画像捕捉装置3により、好ましくはモバイル装置1の光源10、例えば統合型カメラのフラッシュによる製品12の照射中に、製品12の画像を捕捉する。捕捉した画像の画素の色および/または光強度情報を分析することにより、吸収製品の利用度を決定することができる。
【0079】
さらに、Pad Scannerアプリケーションを、分析された吸収製品の容量に関する情報を取得し、当該吸収製品が吸収した流体の量(例えば、体積)を当該製品の画像と既知の容量の分析に基づいて決定するように構成してもよい。このように、製品着用者により排泄された尿および/または便の量に関する情報を取得することができる。製品着用者が製品を交換したときを追跡し続けることによって、例えば、製品着用者による製品の交換を示す情報の手動入力を介して、Pad Scannerアプリケーションは製品着用者が尿および/または便を排泄したときに関する情報、および、排泄された尿および/または便の量を取得することができる。
【0080】
本発明の原理に従って、当該情報を、衛生用品の使用を監視するために他のアプリケーションにより使用するために、Pad Scannerアプリケーションにより相互共有データベース8にアップロードしてもよい。
【0081】
例えば、当該情報をDaily Logアプリケーションにより使用して、異なる時点の間の排泄された尿および/または便の量の測定値を取得してもよい。当該情報を流動食および/または固形食の過去の摂取に関する情報と比較して利用者の摂取行動と排泄行動の関係に関する知識を取得することができる。当該知識を、Daily Logアプリケーションにより使用して、製品着用者による日時ログへの摂取情報入力に基づいて製品着用者による将来の排泄をより正確に予測するように、その予測アルゴリズムを調整することができる。
【0082】
Pad Scannerアプリケーションにより相互共有データベース8に送信された情報をSleep Securityアプリケーションにより使用してもよい。例えば、製品着用者が、寝る前に新たな吸収製品に交換し、次の朝に使用済み吸収製品の画像を捕捉することができる。次いでPad Scannerアプリケーションは、製品着用者が夜間に排泄した量に関する情報をアップロードすることができる。当該情報をSleep Securityアプリケーションにより抽出し、同じ夜間に登録した覚醒曲線fと比較することができる。このように、Sleep Securityアプリケーションは、どの覚醒曲線パターンが製品着用者による排泄に対応するかを学習することができ、覚醒曲線パターンと排泄量の相関関係をも確立することができる。上述のように、かかる知識をSleep Securityアプリケーションにより使用して、排泄が行われたときを決定するためのアルゴリズムを、例えば、一定の覚醒曲線パターンを除外するように適合することにより、または、閾値Trを調節することにより、適合させることができる。実際、当該知識をSleep Securityアプリケーションにより使用して、当該覚醒曲線のみの分析により、製品着用者が排泄した尿および/または便の実際の体積を推定してもよい。
【0083】
Reassure
Reassureは、衛生用品における尿および/または便の存在を示す1つまたは複数の化学物質を検出できる匂いセンサ装置により取得されたセンサ信号に基づいて衛生用品の使用を監視するためのモバイル・アプリケーションである。
【0084】
図6Aは、Reassureアプリケーションを実行するモバイル装置1と匂いセンサ装置11とを備えるモバイル監視システムを示す。図6Bに示すように、匂いセンサ装置11が、衛生用品12の着用者17の衣服のポケットで運搬される大きさであることが好ましい。
【0085】
匂いセンサ装置11は匂いセンサ14を備える。匂いセンサ14は点線で示されており、1つまたは複数のガス注入口15を備える。ガス注入口15を通じて、分析される気体が当該匂いセンサに入ることができる。匂いセンサ14を例えば、全てが尿の存在を示す、アンモニア、アミン、硫化物、およびケトン体といった化学物質の何れかまたは全て、および、全てが便の存在を示す、二酸化水素、インドール、スカトール、チオール(硫黄)および硫化水素を検出するように構成してもよい。
【0086】
さらに、匂いセンサ装置11は、モバイル装置1で実行されているReassureアプリケーションと、好適にはブルートゥース・インタフェースのような無線通信インタフェースで通信するための通信ユニット16を備える。匂いセンサ14が尿および/または便の存在を示す化学物質を検出したとき、匂いセンサ14は、通信ユニット16によりモバイル装置1に送信される信号を生成する。検出された化学物質の濃度に依存する信号を生成し、したがって、検出された化学物質の濃度を示す信号をモバイル装置1に送信するように匂いセンサ14が構成されることが好ましい。
【0087】
匂いセンサ装置11から受信した信号をReassureアプリケーションにより使用して、排尿および/または排便が行われた時点を決定し、さらに、検出された化学物質の濃度に基づいて、排泄された尿および/または便の量を決定する。
【0088】
本発明の原理に従って、当該情報を、衛生用品の使用を監視するための他のアプリケーションにより使用するために、Reassureアプリケーションによって相互共有データベース8にアップロードしてもよい。例えば、排尿および/または排便が行われたときに関する情報、および、製品着用者が排泄した尿および/または便の量の情報を、上述のように、Daily LogアプリケーションとSleep Securityアプリケーションにより使用することができる。
【0089】
様々なモバイル・アプリケーションに関する以上の説明から分かるように、モバイル・アプリケーションが他のモバイル・アプリケーションにより得られた排泄関連情報を利用して衛生用品の使用に関する推奨を提供できる多種多様な方法がある。したがって、本発明は上述の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲において変形できることは分かる。
【符号の説明】
【0090】
T1 ユーザ
T2 排泄
T3 摂取
T4 健康
T5 運動
T6 睡眠
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6a
図6b