特許第6101847号(P6101847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6101847
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】配送業者選択装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20170313BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   G06Q10/08 308
   B65G61/00 550
【請求項の数】1
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-92697(P2016-92697)
(22)【出願日】2016年5月2日
【審査請求日】2016年5月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516132080
【氏名又は名称】株式会社コネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】帰山二郎
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−324117(JP,A)
【文献】 特開2004−001974(JP,A)
【文献】 特開2003−256511(JP,A)
【文献】 特開2002−087554(JP,A)
【文献】 特開2001−240219(JP,A)
【文献】 特開2002−274651(JP,A)
【文献】 特開2003−146436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して少なくとも1つの荷物所有者端末と少なくとも1つの配送業者端末とに接続された配送業者選択装置であって、
該少なくとも1つの荷物所有者端末から、配送先の地理的識別子と配送希望時期と荷物属性と付帯サービスの内容とを含む荷物の配送要求を受信する受信部と、
該少なくとも1つの配送業者が配送可能な少なくとも1つの配送先の地理的識別子と、該配送業者に属する車両ごとの配送可能なスケジュール情報と、該少なくとも1つの配送業者が配送可能な少なくとも1つの荷物属性と、該少なくとも1つの配送業者が該荷物の配送時に実行可能な少なくとも1つの付帯サービスの内容とを含む配送業者情報を記憶したデータベースから該配送業者情報を取得する取得部と、
該少なくとも1つの荷物所有者端末から受信した該配送要求における配送先の地理的識別子と配送希望時期と該配送要求における荷物属性と付帯サービスの内容とを、それぞれ該データベースから取得した該配送業者情報に含まれる該地理的識別子と該スケジュール情報と該配送業者情報に含まれる荷物属性と付帯サービスと比較する比較部と、
該比較の結果に基づいて、該配送先に荷物を配送する少なくとも1つの配送業者を選択する選択部とを含み、
該配送業者情報に含まれる該少なくとも1つの配送業者が該荷物の配送時に実行可能な少なくとも1つの付帯サービスは、起重機対応能力の有無、工事対応能力の有無、及びネットワーク設定対応能力の有無に関する情報を含む、配送業者選択装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送業者選択装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活においては、配送業者による多種多様な配送が絶え間なく行われている。例えば、宅配便や出前等のデリバリーサービス、毎日決められた時間に行われる郵便配達、幾度となく発注を繰り返す小売店等である。我が国の国内貨物輸送は、その大部分をトラック輸送に頼っており、経済社会にとっては不可欠の構成要素である。運搬の効率化は、企業や物流に直接携わる関係者、一般消費者にとって重要な課題であり、配送計画問題における費用削減の期待はきわめて大きい。
【0003】
また、近年の経済の発展に伴い人間の生活行動が多様になっていることから、人々の多様な生活を支える物流活動も多様化せざるを得なくなっている。例えば、ITの普及に伴うe−コマースの浸透やJust−in−Time輸送をはじめとする高度な物流サービスの要求等、物流システムの変革が求められている。また、配送業務を行う企業は、これらの要望に応えるため多頻度、小口配送を増加させており、しばしば非効率な配送業務が行われている。
【0004】
ここで、荷物所有者の側からは、配送業者に配送を依頼する際に、時間、荷物種、取り扱い、及び輸送手段等の荷物所有者の希望する配送条件に合致する運送業者を配送のたびに探すことは、荷物所有者に過度な負担となり、現実的な解決方法ではない。特に、スポット便やチャーター便といった定型の配送経路によらない直送便の利用を要する配送依頼に関しては、希望配送条件を充たす運送業者を瞬時に安定的に確保することは困難である。
【0005】
一方、配送業者の側からは、特に、スポット便等の直送便業務に携わる貨物車両運送事業者においては、配送業務のない空き時間が生ずるため、その待受時間を短縮できる効率的な集客方法が望まれる。
【0006】
そこで、複数の配送業者の配送可能時期、配送可能地域、配送可能重量、配送可能容積、実行可能な付帯サービス等の配送業者の条件を、荷物所有者の配送希望時期ごとに集計し、配送業者の条件と荷物所有者の配送希望条件との間の整合をとるシステムが望まれる。
【0007】
例えば、特許文献1は、パートナー選定方法を実行する情報処理システムを教示している。
【0008】
特許文献1の情報処理システムにおいては、印刷物の印刷業務の発注先である複数のプリントパートナーと、プリントパートナーの印刷物の生産能力を量る情報とを対応付けて記憶した記憶手段と、プリントパートナーの前記生産能力を量る情報に基づき、所定納期内に印刷物を印刷可能な一のプリントパートナーを選定するプリントパートナー選定手段と、ネットワークを介し、選定された前記プリントパートナーに対し印刷物の印刷業務を発注する発注手段とを有し、プリントパートナー選定手段は、発注の後、前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記生産能力を量る情報に基づき、所定納期内に印刷物を印刷可能な一の代替プリントパートナーを再選定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013‐196669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の情報処理システムは、複数の配送業者の配送可能時期、配送可能地域、配送可能重量、配送可能容積、実行可能な付帯サービス等の配送業者の条件を、荷物所有者の配送希望時期ごとに集計し、配送業者の条件と荷物所有者の配送希望条件との間の整合をとることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、通信ネットワークを介して少なくとも1つの荷物所有者端末と少なくとも1つの配送業者端末とに接続された配送業者選択装置であって、
該少なくとも1つの荷物所有者端末から、配送先の地理的識別子と配送希望時期と荷物属性と付帯サービスの内容とを含む荷物の配送要求を受信する受信部と、
該少なくとも1つの配送業者が配送可能な少なくとも1つの配送先の地理的識別子と、該配送業者に属する車両ごとの配送可能なスケジュール情報と、該少なくとも1つの配送業者が配送可能な少なくとも1つの荷物属性と、該少なくとも1つの配送業者が該荷物の配送時に実行可能な少なくとも1つの付帯サービスの内容とを含む配送業者情報を記憶したデータベースから該配送業者情報を取得する取得部と、
該少なくとも1つの荷物所有者端末から受信した該配送要求における配送先の地理的識別子と配送希望時期と該配送要求における荷物属性と付帯サービスの内容とを、それぞれ該データベースから取得した該配送業者情報に含まれる該地理的識別子該スケジュール情報と該配送業者情報に含まれる荷物属性と付帯サービスと比較する比較部と、
該比較の結果に基づいて、該配送先に荷物を配送する少なくとも1つの配送業者を選択する選択部とを含み、
該配送業者情報に含まれる該少なくとも1つの配送業者が該荷物の配送時に実行可能な少なくとも1つの付帯サービスは、起重機対応能力の有無、工事対応能力の有無、及びネットワーク設定対応能力の有無に関する情報を含む、配送業者選択装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の配送業者の配送可能時期、配送可能地域、配送可能重量、配送可能容積、実行可能な付帯サービス等の配送業者の条件を、荷物所有者の配送希望時期ごとに集計し、配送業者の条件と荷物所有者の配送希望条件との間の整合をとることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に従った配送計画最適化システムのネットワーク構成を示す図である。
図2】配送計画サーバ112のハードウェア構成を示す図である。
図3】データベースサーバ114のハードウェア構成を示す図である。
図4】Webサーバ110、116、及び124のハードウェア構成を示す図である。
図5】配送業者端末120及び荷物所有者端末128のハードウェア構成を示す図である。
図6】配送業者属性データベース302に格納されている配送業者情報を示す図である。
図7】配送業者スケジュールテーブル304に格納されている配送業者104−iのスケジュール情報を示す図である。
図8】配送業者104−iの各車両の時間帯ごとのスケジュール情報を示す図である。
図9】荷物属性データベース316に格納されている荷物属性を示す図である。
図10】配送要求データ・データベース312に格納されている配送要求データを示す図である。
図11】配送業者情報において示される配送業者104−iが実行可能な付帯サービスの内訳を示す図である。
図12】本実施形態に従った配送計画最適化方法の処理の概要を示す図である。
図13】本実施形態に従った配送計画最適化処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は様々な変更形態及び代替形態が可能であるが、本発明の一例としての実施形態が実施例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし、一例としての実施形態の本明細書における説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、本発明は、特許請求の範囲によって規定された本発明の趣旨及び範囲に入る全ての変更形態、同等形態、及び代替形態を含む。
【0017】
(1) ネットワークの全体構成
図1は、本実施形態に従った配送計画最適化システムのネットワーク構成を示す図である。
【0018】
配送計画最適化システム100は、配送計画センタ102と、配送業者104‐i(i=1,…,Ndis)と、荷物所有者106−j(j=1,…,Npro)と、通信ネットワーク108とを含む。配送計画センタ102は、Webサーバ110と、配送計画サーバ112と、データベースサーバ114とを含む。各配送業者104−iは、Webサーバ116と、データベースサーバ118と、配送業者端末120と、配送業者端末120に接続された入出力(I/O)インターフェイス122とを含む。各荷物所有者106‐jは、Webサーバ124と、データベースサーバ126と、荷物所有者端末128と、荷物所有者端末128に接続された入出力(I/O)インターフェイス130とを含む。荷物所有者端末128は、荷物所有者106‐jが配送計画センタ102に荷物の配送要求を送るのに使用され、配送業者端末120は、配送業者104‐iが配送計画センタ102のデータベースサーバ114に自身の配送業者情報を登録するのに使用される。配送業者のインデックスi及び荷物所有者のインデックスjは、それぞれ、配送業者id及び荷物所有者idに対応している。
【0019】
通信ネットワーク108は、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)等の回線交換ネットワーク又はインターネット等のパケット・ベース・ネットワークであっても良い。配送業者端末120及び荷物所有者端末128は、スマートフォン、タブレット端末、セルラ電話、携帯情報端末、テキスト・メッセージング装置、ページャ、ネットワーク・インターフェース・カード、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、及びパーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)であっても良い。配送業者端末120及び荷物所有者端末128は、トラフィック・チャネル、シグナリング・チャネル、ページング・チャネル等、いくつかのチャネルを含むエア・インターフェース(又は無線通信リンク)を介して情報を交換することによって通信することができる。
【0020】
エア・インターフェースのチャネルは、通信ネットワーク108によって使用される1つ又は複数の無線通信プロトコルに従って定義される。例えば、符号分割多元接続(CDMA)に従って動作するエア・インターフェースのチャネルは、情報を、エア・インターフェースを介して送信するために使用される無線信号を変調する直交符号によって定義される。エア・インターフェースのチャネルは、また、エア・インターフェースを介して情報を送信するために使用される搬送波の周波数によって決定されてもよい。例えば、直交周波数分割多重接続(OFDMA)では、1つ又は複数の顧客端末106−iが複数の直交周波数、又はトーンを共用しても良い。
【0021】
配送計画センタ102は、例えば、物流会社や行政機関のサーバ室であっても良い。Webサーバ110は、配送業者端末120及び荷物所有者端末128のWebブラウザからHTTPリクエストを受信しその応答を返却する。配送計画サーバ112は、Webサーバ110からの処理要求に対して、ビジネスロジックを実行し、必要であればデータベースサーバ114に対してデータの参照や更新要求を行う。データベースサーバ114は、主にデータの管理を行い、Webサーバ110からのデータの参照や更新処理の要求を実行し結果を返却する。配送計画サーバ112は、パーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータによって実装することができ、荷物所有者106‐jから受信した配送要求に対してその配送を取り扱う配送業者104‐iを選択し、配送業者104−iごとに配送ルートを最適化する。
【0022】
配送業者104−iは、例えば、複数のトラックやトレーラー等の車両を有する配送センタ(デポ)であっても良い。Webサーバ116は、配送計画センタ102の端末や荷物所有者端末128のWebブラウザからHTTPリクエストを受信し、その応答を返却する。データベースサーバ118は、データの管理を行い、Webサーバ116からのデータの参照や更新処理の要求を実行し結果を返却する。データベースサーバ118は、荷物所有者106−jからの配送要求、荷物所有者106−jごとの配送要求履歴、各配送要求ごとの配送状況、荷物所有者106−jに属する車両のスケジュール情報等を格納している。
【0023】
荷物所有者106−jは、例えば、販売店等の複数の配送先に商品等を供給する工場等の生産拠点であっても良い。Webサーバ124は、配送計画センタ102の端末や配送業者104‐iの配送業者端末120のWebブラウザからHTTPリクエストを受信し、その応答を返却する。データベースサーバ126は、データの管理を行い、Webサーバ124からのデータの参照や更新処理の要求を実行し結果を返却する。データベースサーバ126は、荷物ごとの配送先及び配送時期、荷物ごとの配送状況等を格納している。
【0024】
I/Oインターフェイス122、130は、バーコードスキャナ、レシートプリンタ、ジャーナルプリンタ、キャッシュドロワ、カスタマーディスプレイ、タッチパネル等であっても良い。
【0025】
配送業者104‐iの配送業者端末120又は荷物所有者106−jの荷物所有者端末128のブラウザから最初に要求を受けたとき、配送計画サーバ112は、そのブラウザを一意に識別するための識別子を生成し、Webサーバ110上のWebアプリケーションにその識別子を渡す。その後、Webサーバ110は、その識別子をキーとして、そのWebブラウザに関する情報を、配送計画サーバ112との間で共有可能で永続性のある外部リソースに保持する。Webサーバ110は、配送計画サーバ112から受け取った識別子を、配送業者端末120又は荷物所有者端末128のブラウザに渡す。例えば、cookieを利用する場合、Webサーバ110と配送計画サーバ112との呼び出しにおいて、cookieを引数として渡すことにより配送計画サーバ112でcookieに識別子を設定できる。再度、配送業者端末120又は荷物所有者端末128のブラウザから要求を行った場合には、配送計画サーバ112で設定された識別子を元に外部リソースを参照し情報を取得することができる。
【0026】
(2) 配送計画サーバ
図2は、配送計画サーバ112のハードウェア構成を示す図である。
【0027】
配送計画サーバ112は、CPU202と、メモリ204と、記憶装置206と、入力部208と、出力部210と、送受信インターフェイス(I/F)212と、配送業者情報取得部214と、比較部216と、配送業者選択部218と、配送業者ルート最適化部220と、地理的識別子生成部222と、地図データ生成部224とを含む。記憶装置206は、各種のデータやプログラムを記憶する、ハードディスク・ドライブやソリッドステート・ドライブ、フラッシュメモリ等であっても良い。CPU202は、記憶装置206に記憶されているプログラムをメモリ204に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。送受信インターフェイス212は、通信ネットワーク108に接続するためのインターフェイスであり、イーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム等である。入力部208は、データの入力を受け付ける、キーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォン等であっても良い。出力部210は、データを出力する、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどであっても良い。
【0028】
送受信I/F212は、配送業者端末120から配送業者104‐iの属性を示す配送業者情報を受信し、その配送業者情報をデータベースサーバ114に送り、データベースサーバ114は、その配送業者情報を登録する。また、送受信I/F212は、荷物所有者端末128から、荷物を配送することを要求する配送要求を受信する。送受信I/F212は、受信した配送要求を、データベースサーバ114及び比較部216に送る。配送要求は、少なくとも、配送先の地理的識別子及び配送先住所と配送希望時期とを含む。配送要求は、上記のほかに、配送要求id、荷物所有者id、荷物属性、及び付帯サービスの内容等を含んでも良い。
【0029】
配送業者情報取得部214は、データベースサーバ114の配送業者属性データベース302を参照して、少なくとも、配送業者104‐iが配送可能な1つ又は複数の配送先の地理的識別子と、配送可能なスケジュール情報とを含む配送業者情報を取得する。配送業者情報取得部214は、配送業者属性データベース302から取得した配送業者情報を比較部216に送る。配送業者情報は、上記のほかに、配送業者の住所(地理的識別子)従業員数、車両数、合計重量キャパシティ、合計容積キャパシティ、配送可能な荷物属性、実行可能な付帯サービス等を含んでも良い。
【0030】
比較部216は、荷物所有者106−jから受信した配送要求における配送先の地理的識別子及び配送希望時期と配送業者属性データベース302から取得した配送業者情報に含まれる配送先の地理的識別子及び配送業者104‐iの車両のスケジュール情報とをそれぞれ比較する。より具体的には、比較部216は、配送要求に含まれる配送先の地理的識別子が配送業者情報に含まれる当該配送業者が配送可能な1つ又は複数の配送先の地理的識別子の中に含まれているか否かを判定する。さらに、比較部216は、配送要求に含まれる荷物所有者106−jの配送希望時期が配送業者104‐iの配送業者情報に含まれる配送可能なスケジュール情報の配送可能時期に含まれているか否かを判定しても良い。また、比較部216は、配送要求に含まれる荷物属性が、配送業者104‐iの配送業者情報に含まれる当該配送業者が配送可能な1つ又は複数の荷物属性に含まれているか否かを判定しても良い。さらに、また、比較部216は、配送要求に含まれる荷物所有者106−jが希望する付帯サービスの内容が、配送業者104‐iの配送業者情報に含まれる当該配送業者が荷物の配送時に実行可能な1つ又は複数の付帯サービスに含まれているか否かを判定しても良い。比較部216は、比較の結果を配送業者選択部218に送る。
【0031】
配送業者選択部218は、比較部216からの比較の結果に基づいて、配送先に荷物を配送する1つ又は複数の配送業者を候補として選択する。配送業者選択部218は、個々の配送要求に対応する配送業者を選択する際に、配送業者104‐iごとの配送要求シーケンスを作成する。配送業者選択部218は、作成した配送業者104‐iごとの配送要求シーケンスを地理的識別子生成部222及び配送業者ルート最適化部220に送る。
【0032】
地理的識別子生成部222は、配送業者選択部218によって選択された配送業者104‐iの地理的識別子、及び配送業者104‐iが対応する配送要求に含まれる配送先の地理的識別子のシーケンスを生成する。地理的識別子は、例えば、郵便番号を使用することができる。本実施形態のシステムは、さらに、郵便番号に加えて、GPS(Global Positioning System)から取得した緯度、経度情報を使用しても良い。地理的識別子生成部222は、配送業者選択部218が作成した配送業者104‐iごとの配送要求シーケンスから配送業者104‐iが対応する配送要求の“配送要求id”k(k=1,…,Nor)のシーケンスを特定する。地理的識別子生成部222は、配送業者属性データベース302から取得した配送業者情報の住所に基づいて、GPSから緯度、経度情報を取得し、この緯度、経度情報と、配送業者情報の郵便番号とから、配送業者104‐iの地理的識別子を生成する。また、地理的識別子生成部222は、特定した“配送要求id”kに従って配送要求データ・データベース312から取得した配送要求の配送先の住所に基づいて、GPSから緯度、経度情報を取得し、この緯度、経度情報と、配送要求の郵便番号とから、配送業者104‐iごとの配送先の地理的識別子を生成する。地理的識別子生成部222は、生成した配送業者104‐iの地理的識別子及び配送業者104‐iごとの配送先の地理的識別子を地図データ生成部224及び配送業者ルート最適化部220に送る。
【0033】
地図データ生成部224は、地理的識別子生成部222から受信した配送業者104‐iの地理的識別子及び配送業者104‐iごとの配送先の地理的識別子に基づいて、配送業者104‐i及び配送業者104‐iごとの配送先の周辺地図データを生成する。地図データ生成部224は、生成した配送業者104‐i及び配送業者104‐iごとの配送先の周辺地図データを配送業者ルート最適化部220に送る。
【0034】
配送業者ルート最適化部220は、配送業者選択部218から受信した配送業者104‐iごとの配送要求シーケンスから、配送業者104‐iごとの配送先を特定する。配送業者ルート最適化部220は、地理的識別子生成部222から受信した配送業者104‐iの地理的識別子及び配送業者104‐iごとの配送先の地理的識別子と地図データ生成部224から受信した配送業者104‐iの周辺地図データ及び配送業者104‐iごとの配送先の周辺地図データとに基づいて、少なくとも、配送先sから配送先tへの移動距離d(s,t)、配送先sから配送先tへの移動時間T(s,t)を算出する。配送業者ルート最適化部220は、少なくとも移動距離d(s,t)と移動時間T(s,t)とに基づいて、複数の車両が配送先を巡回する際の時間窓付き配送計画問題(Vehicle Routing Problem with Time Window)を解く。配送業者ルート最適化部220は、配送業者選択部218が選択した配送業者において荷物の配送に使用される各車両について、配送ルートを最適化する。
【0035】
(3) データベースサーバ114
図3は、データベースサーバ114のハードウェア構成を示す図である。
【0036】
データベースサーバ114は、配送業者属性データベース302と、配送業者スケジュールテーブル304と、配送業者車両スケジュールテーブル306と、最適化経路データ・データベース308と、荷物所有者属性データベース310と、配送要求データ・データベース312と、荷物所有者配送要求履歴データ・データベース314と、荷物属性データベース316と、地図データ・データベース318とを含む。配送業者属性データベース302と配送業者スケジュールテーブル304と配送業者車両スケジュールテーブル306と経路最適化データ・データベース308は、“配送業者id”iによって索引付される配送業者情報エリアを形成し、荷物所有者属性データベース310と配送要求データ・データベース312と荷物所有者配送要求履歴データ・データベース314は、“荷物所有者id”jによって索引付される荷物所有者情報エリアを形成し、荷物属性データベース316と地図データ・データベース318は、荷物属性及びその他情報エリアを形成する。
【0037】
配送業者属性データベース302は、配送業者端末120から受信した配送業者情報を“配送業者id”iと関連付けて格納している。配送業者情報は、配送業者の住所及び地理的識別子、配送可能地理的識別子、従業員数、車両数、合計重量キャパシティ、合計容積キャパシティ、配送可能な荷物属性、実行可能な付帯サービス等を含む。
【0038】
図6は、配送業者属性データベース302に格納されている配送業者情報を示す図である。配送業者情報は、図6に示されているような形態でタッチパネル付きの表示装置等に表示される。図6に示されているように、配送業者104‐iごとに上記の各項目が格納されている。例えば、配送業者104‐1は、住所が、「東京都千代田区霞が関○−○−○」で、地理的識別子が“100‐××××”となっている。また、配送可能な地理的識別子として、100‐×××1、100‐×××2等が格納されている。従業員数は1000名で、車両数は100両である。合計重量キャパシティは200[t]であり、合計容積キャパシティは2000「m」である。配送可能な荷物属性は、“荷物id”o=1から10000で特定される荷物である。配送業者104‐1は、荷物配送の際に付帯サービスを実行可能である。
【0039】
ここで、図6に示されている配送業者104‐1の地理的識別子“100‐××××”をタッチすると、配送業者104−1の周辺の地図が表示され、配送可能な地理的識別子“100‐×××1、100‐×××2等”をタッチすると、配送業者104‐1が配送可能なエリアの地図が表示される。従業員数“1000”をタッチすると、各従業員の名簿が表示され、車両数“100”をタッチすると、車両の内訳が表示される。
【0040】
実行可能な付帯サービスの記号“○”をタッチすると、図11に示されているような実行可能な付帯サービスの内訳が表示される。例えば、配送業者104‐1は、1“起重機対応”、2“工事対応”、及び3“ネットワーク設定対応”のいずれも実行可能であることが示され、配送業者104‐2は、2“工事対応”のみを実行可能であることが示され、配送業者104‐3は、1“起重機対応”のみを実行可能であることが示され、配送業者104‐Ndisは、1“起重機対応”、2“工事対応”、及び3“ネットワーク設定対応”のいずれも実行可能であることが示されている。1“起重機対応”は、例えば、横幅の大きなグランドピアノ等を配送する際に、幅の狭いエントランスから高階にある配送先に搬入できない等のときに、起重機を使用してベランダから搬入する場合や、送電塔の高所に送電機器を取り付ける等のときに起重機を使用する場合等の付帯サービスである。2“工事対応”は、例えば、エアコンを配送する際に、エアコン及び室外機を取り付ける場合等の付帯サービスである。3“ネットワーク設定対応”は、例えば、サーバと複数のパソコンを配送する際に、社内LANを設定する場合等の付帯サービスである。
【0041】
配送業者スケジュールテーブル304は、配送業者104−iの日ごとのスケジュールを“配送業者id”iと関連付けて格納しており、配送業者車両スケジュールテーブル306は、配送業者104‐iの車両のスケジュールを時間帯ごとに“配送業者id”iと関連付けて格納している。図7は、配送業者スケジュールテーブル304に格納されている配送業者104−iのスケジュール情報を示す図である。配送業者104−iのスケジュール情報は、図7に示されているような形態でタッチパネル付きの表示装置等に表示される。図7では、配送業者104−iのスケジュールに空きがある(配送可能である)日は、記号“○”で示され、配送業者104−iのスケジュールに空きがない(配送不可能である)日は、記号“×”で示される。図7のスケジュール情報の記号“○”のいずれかをタッチすると、その日の配送業者104−iの各車両の時間帯ごとのスケジュール情報が示される。図8は、配送業者104−iの各車両の時間帯ごとのスケジュール情報を示す図である。図8のスケジュール情報で、各行は、それぞれ、車両を示しており、各列は、それぞれ、“最大積載量”、時間帯“6:00〜9:00”、時間帯“9:00〜12:00”、時間帯“12:00〜15:00”、及び時間帯“15:00〜18:00”を示している。例えば、車両1は、最大積載量が4[t]で、時間帯“6:00〜9:00”、時間帯“9:00〜12:00”、時間帯“12:00〜15:00”、及び時間帯“15:00〜18:00”の全ての時間帯で配送可能であることが示されており、車両2は、最大積載量が4[t]で、時間帯“6:00〜9:00”及び時間帯“15:00〜18:00”で配送可能であることが示されており、車両3は、最大積載量が10[t]で、時間帯“12:00〜15:00”及び時間帯“15:00〜18:00”で配送可能であることが示されており、車両Nvehは、最大積載量が20[t]で、時間帯“6:00〜9:00”、時間帯“9:00〜12:00”、時間帯“12:00〜15:00”、及び時間帯“15:00〜18:00”の全ての時間帯で配送可能であることが示されている。
【0042】
最適化経路データ・データベース316は、配送業者104−iの荷物の配送に使用される各車両について配送車ルート最適化部220が算出した最適な配送ルートを“配送業者id”iと関連付けて格納している。
【0043】
荷物所有者属性データベース310は、荷物所有者106−jの住所及び地理的識別子、従業員数、配送要求において数多く指定される荷物属性、配送要求履歴、荷物ごとの配送先及び配送時期、荷物ごとの配送状況等を“荷物所有者id”jと関連付けて格納している。
【0044】
配送要求データ・データベース312は、“配送要求id”k(k=1,…,Nor)、“荷物所有者id”j(k)(1≦j(k)≦Npro)、配送先の地理的識別子、配送先の住所、配送希望時期、荷物属性(“荷物id”)o(k)(1≦o(k)≦Nfre)、及び付帯サービスの内容等を“荷物所有者id”jと関連付けて格納している。図10は、配送要求データ・データベース312に格納されている配送要求データを示す図である。配送要求データは、図10に示されているような形態でタッチパネル付きの表示装置等に表示される。例えば、配送要求1は、“荷物所有者id”がj(1)(“配送要求id”k=1)であり、配送先の地理的識別子が105‐××××であり、配送先の住所が「東京都港区新橋○−○−○」であり、配送希望時期が2016年2月8日の9:00〜12:00であり、荷物属性がo(1)(“配送要求id”k=1)であり、要求される付帯サービスが2“工事対応”であることが示されている。“荷物所有者id”j(k)及び荷物属性(“荷物id”)o(k)は、それぞれ、配送要求1と配送要求kとで同じものが指定されることもあるが、異なるものが指定されることもある。配送希望時期は、日のみの指定でも良く、日及び時間まで指定しても良い。
【0045】
荷物所有者配送要求履歴データ・データベース314は、荷物所有者端末128から配送計画センタ102に送った配送要求の履歴データを荷物所有者106−jごとに“荷物所有者id”jと関連付けて格納している。
【0046】
荷物属性データベース316は、共通する性質をもつ荷物群の複数のグループからなる荷物属性を“荷物id”o(o=1,…,Nfre)と関連付けて格納している。図9は、荷物属性データベース316に格納されている荷物属性を示す図である。荷物属性は、図9に示されているような形態でタッチパネル付きの表示装置等に表示される。例えば、荷物1は、重量が2.0[t]であり、サイズ(寸法)が1.5[m]×2.0[m]×1.0[m]であり、冷凍及び冷蔵は不要であり、壊れやすい割れ物であり、要求される付帯サービスが2“工事対応”であることが示されている。荷物1は、例えば、自動販売機であっても良い。荷物2は、重量が0.05[t]であり、サイズが0.8[m]×0.3[m]×0.2[m]であり、冷凍及び冷蔵は不要であり、壊れやすい割れ物であり、要求される付帯サービスが3“ネットワーク設定対応”であることが示されている。荷物2は、例えば、クライアント端末又はサーバであっても良い。荷物Nfreは、重量が10.0[t]であり、サイズが4.0[m]×2.0[m]×2.0[m]であり、冷凍及び冷蔵は不要であり、壊れやすい割れ物であり、要求される付帯サービスが1“起重機対応”及び2“工事対応”であることが示されている。
【0047】
地図データ・データベース318は、各地点の地理的識別子と関連付けてその地点の周辺の3次元地図データを格納している。
【0048】
(4) Webサーバ、配送業者端末、及び荷物所有者端末
図4は、Webサーバ110、116、及び124のハードウェア構成を示す図である。
【0049】
Webサーバ110、116、及び124は、それぞれ、CPU402と、メモリ404と、記憶装置406と、入力部408と、送受信インターフェイス410と、出力部412とを含む。記憶装置406は、各種のデータやプログラムを記憶する、ハードディスク・ドライブやソリッドステート・ドライブ、フラッシュメモリ等であってもよい。CPU402は、記憶装置406に記憶されているプログラムをメモリ404に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。送受信インターフェイス410は、通信ネットワーク108に接続するためのインターフェイスであり、イーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム等である。入力部408は、データの入力を受け付ける、キーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォン等であってもよい。出力部412は、データを出力する、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどであってもよい。
【0050】
図5は、配送業者端末120及び荷物所有者端末128のハードウェア構成を示す図である。
【0051】
配送業者端末120及び荷物所有者端末128は、それぞれ、CPU502と、メモリ504と、記憶装置506と、入力部508と、送受信インターフェイス(I/F)510と、出力部512とを含む。CPU502は、記憶装置506に記憶されているプログラムをメモリ504に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。メモリ504は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)及び/又は読取り専用メモリ(ROM:read only memory)を含む。記憶装置506は、テープ・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ドライブ、ハードディスク・ドライブ又はコンパクト・ディスク・ドライブを含む。入力部508は、データの入力を受け付ける、例えば、キーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォン等を含む。出力部512は、データを出力する、例えば、ディスプレイやスピーカ等を含む。配送業者端末120及び荷物所有者端末128は、それぞれ、送受信インターフェイス510を外部のプリンタ等に接続することにより、配送計画サーバ112から受け取った配送業者情報、配送業者のスケジュール、荷物属性、送信した配送要求データ、実行可能な付帯サービス等をプリントアウトすることができる。
【0052】
送受信インターフェイス510は、通信ネットワーク108を介してWebサーバ110にアクセスし、Webサーバ110にHTTPリクエストを送信する。また、送受信インターフェイス510は、Webサーバ110からのHTTPリクエストに対する応答に対して、出力部510上に表示されたWebブラウザ上で入力された“配送業者id”、“荷物所有者id”、パスワード等の情報をWebサーバ110に送信する。これにより、配送業者又は荷物所有者による配送計画サーバ112へのログインが完了する。
【0053】
(5) 処理の概要
図12は、本実施形態に従った配送計画最適化方法の処理の概要を示す図である。
【0054】
配送業者104−iは、自身の住所及び地理的識別子、配送可能地理的識別子、従業員数、車両数、合計重量キャパシティ、合計容積キャパシティ、配送可能な荷物属性、実行可能な付帯サービス等を含む配送業者情報を配送業者属性データベース302に登録する。
【0055】
配送計画センタ102は、1つ又は複数の荷物所有者106−jから、配送先の地理的識別子及び配送先住所と配送希望時期とを含む荷物の配送要求を受信する。配送要求は、配送先の地理的識別子及び配送先住所と配送希望時期の他に、荷物属性(荷物id)及び付帯サービスの内容等を含んでいても良い。配送計画センタ102は、配送業者104−iが配送可能な少なくとも1つの配送先の地理的識別子と、配送可能なスケジュール情報とを含む配送業者情報を配送業者属性データベース302から取得する。
【0056】
配送計画センタ102は、1つ又は複数の荷物所有者106−jから受信した配送要求における配送先の地理的識別子及び配送希望時期と配送業者属性データベース302から取得した配送業者情報に含まれる地理的識別子及びスケジュール情報とをそれぞれ比較し、比較の結果に基づいて、配送先に荷物を配送する1つ又は複数の配送業者の候補を選択する(処理1)。配送計画センタ102は、上記で選択された1つ又は複数の配送業者において荷物の配送に使用される車両ごとに配送ルートを最適化する(処理2)。
【0057】
(5) 配送計画最適化処理
図13は、本実施形態に従った配送計画最適化処理を示すフローチャートである。
【0058】
各配送業者104−iは、配送業者端末120から通信ネットワーク108を介して配送計画センタ102に配送業者情報を送信する。配送業者情報は、配送業者104−iの住所及び地理的識別子、配送業者104−iが配送可能な1つ又は複数の地理的識別子、従業員数、車両数、合計重量キャパシティ、合計容積キャパシティ、配送可能な荷物属性、実行可能な付帯サービス等を含んでいる。配送計画センタ102の配送計画サーバ112は、受信した配送業者情報をデータベースサーバ114の配送業者属性データベース302に登録する(ステップS1304)。ここで、合計重量キャパシティ及び合計容積キャパシティは、配送業者104−iが新たに配送することとなる荷物の重量及びサイズによって変動し、また、配送可能な荷物属性及び実行可能な付帯サービスは、配送業者104−iが有する車両のうちで対象となる日及び時間帯にどのような車両が何両存在するかによって変動する。配送計画サーバ112は、配送業者104に割り当てられた配送要求の荷物属性及び付帯サービスの内容を参照して、配送業者情報の合計重量キャパシティ及び合計容積キャパシティと配送可能な荷物属性及び実行可能な付帯サービスとをリアルタイムで更新し、その更新を配送業者属性データベース302に登録しても良い。
【0059】
配送計画サーバ112の送受信インターフェイス212は、荷物所有者106−jの荷物所有者端末128から、少なくとも配送先の地理的識別子及び配送先住所と配送希望時期とを含む荷物の配送要求を受信する(ステップS1306)。配送要求は、荷物属性及び付帯サービスの内容等をさらに含んでいても良い。配送計画サーバ112は、“配送要求id”をk=1に設定する(ステップS1308)。配送計画サーバ112は、配送業者別のカウンタ[m(1),…,m(i),…,m(Ndis)]を、[0,…,0,…,0]に設定する。配送業者別のカウンタは、配送業者104−iごとの配送要求のインデックスm(i)と配送業者104−iごとの配送要求の総数Nor(i)を特定するのに使用される。配送計画サーバ112は、“配送業者id”をi=1に設定する(ステップS1312)。
【0060】
配送計画サーバ112の配送業者情報取得部214は、データベースサーバ114の配送業者属性データベース302から配送業者104−iの配送業者情報を取得する。配送業者情報取得部214は、取得した配送業者情報を比較部216に送る。比較部216は、配送要求に含まれる地理的識別子が、取得した配送業者情報の配送業者104−iが配送可能な1つ又は複数の地理的識別子に含まれているか否かを判定する(第1の判定)(ステップS1314)。配送要求の地理的識別子が配送可能な1つ又は複数の地理的識別子に含まれていない場合には、処理は、ステップS1326に進み、配送計画サーバ112は、“配送業者id”iがNdisより小さいか否かを判定する(ステップS1326)。配送要求の地理的識別子が配送可能な1つ又は複数の地理的識別子に含まれている場合には、処理は、ステップS1316に進む。
【0061】
配送計画サーバ112の配送業者情報取得部214は、データベースサーバ114の配送業者スケジュールテーブル304及び配送業者車両スケジュールテーブル306から配送業者104−iの車両のスケジュールを取得する。配送業者情報取得部214は、取得した車両のスケジュールを比較部216に送る。比較部216は、配送要求に含まれる配送希望時期が、取得した配送業者104−iの車両のスケジュール(すなわち、配送可能なスケジュール)に含まれるか否かを判定する(第2の判定)(ステップS1316)。配送要求に含まれる配送希望時期が配送可能なスケジュールに含まれていない場合には、処理は、ステップS1326に進み、配送計画サーバ112は、“配送業者id”iがNdisより小さいか否かを判定する(ステップS1326)。配送要求に含まれる配送希望時期が配送可能なスケジュールに含まれている場合には、処理は、ステップS1318に進む。
【0062】
配送計画サーバ112の比較部216は、配送要求に含まれる荷物属性が配送業者情報に含まれる配送業者104‐iが配送可能な荷物属性に含まれているか否かを判定する(第3の判定)(ステップS1318)。配送要求に含まれる荷物属性が配送可能な荷物属性に含まれていない場合には、処理は、ステップS1326に進み、配送計画サーバ112は、“配送業者id”iがNdisより小さいか否かを判定する(ステップS1326)。配送要求に含まれる荷物属性が配送可能な荷物属性に含まれている場合には、処理は、ステップS1320に進む。
【0063】
配送計画サーバ112の比較部216は、配送要求に含まれる付帯サービスが配送業者情報の配送業者104−iが実行可能な付帯サービスに含まれているか否かを判定する(第4の判定)(ステップS1320)。配送要求に含まれる付帯サービスが実行可能な付帯サービスに含まれていない場合には、処理は、ステップS1326に進み、配送計画サーバ112は、“配送業者id”iがNdisより小さいか否かを判定する(ステップS1326)。配送要求に含まれる付帯サービスが実行可能な付帯サービスに含まれている場合には、処理は、ステップS1322に進む。
【0064】
配送計画サーバ112の配送業者選択部218は、第1の判定乃至第4の判定のそれぞれが肯定的である(配送要求の条件が配送業者情報の要件と整合している)配送業者104‐iを、荷物を配送する候補として選択し、配送業者別のカウンタm(i)の値に{m(i)+1}の値を代入(m(i)←m(i)+1)し、配送業者別の配送要求の総数Nor(i)にm(i)の値を代入する(ステップS1322)。代替的に、配送業者選択部218は、少なくとも第1の判定及び第2の判定の結果がそれぞれ肯定的である(配送要求の地理的識別子及び配送希望時期が配送業者情報の要件と整合している)場合に、その配送業者104−iを、荷物を配送する候補として選択しても良い。
【0065】
配送業者選択部218は、選択した配送業者104−iごとにその配送業者104−iが配送する配送要求R(or)(i,m(i))を格納する(ステップS1324)。配送計画サーバ112は、“配送業者id”iがNdisより小さいか否かを判定する(ステップS1326)。“配送業者id”iがNdisより小さい場合には、配送計画サーバ112は、i←i+1の処理(iにi+1の値を代入する処理を意味する。以下同じ。)を行い(ステップS1328)、処理は、ステップS1316に戻る。“配送業者id”iがNdis以上である場合には、処理は、ステップS1330に進む。配送計画サーバ112は、“配送要求id”kがNorよりも小さいか否かを判定する(ステップS1330)。“配送要求id”kがNorよりも小さい場合には、配送計画サーバ112は、k←k+1の処理を行い(ステップS1332)、処理は、ステップS1310に戻る。“配送要求id”kがNor以上である場合には、処理は、ステップS1334に進む。配送業者選択部218は、選択した配送業者104−iごとの配送要求R(or)(i,m(i))を地理的識別子生成部222に送る。
【0066】
本実施形態では、地理的識別子は、郵便番号を使用することができる。地理的識別子生成部222は、配送業者104−i別の配送要求シーケンス
を生成し、配送業者104−i別の地理的識別子ベクトルシーケンス
生成し、データベースサーバ114に格納する(ステップS1334)。ここで、r(geo)(i,m(i))は、配送業者104−iが配送するm(i)番目の配送要求の配送先の地理的識別子であり、x(geo)(i,m(i))は、配送業者104−iが配送するm(i)番目の配送要求の配送先の経度情報であり、y(geo)(i,m(i))は、配送業者104−iが配送するm(i)番目の配送要求の配送先の緯度情報であり、D(geo)(i,m(i))は、配送業者104−iが配送するm(i)番目の配送要求の配送先の郵便番号である。
【0067】
すなわち、地理的識別子生成部222は、配送業者選択部218が作成した配送業者104‐iごとの配送要求R(or)(i,m(i))から配送業者104‐iが配送する配送要求の“配送要求id”k(k=1,…,Nor)のシーケンスを特定する。地理的識別子生成部222は、配送業者属性データベース302から取得した配送業者情報の住所に基づいて、GPSから経度、緯度情報を取得し、この経度、緯度情報と、配送業者情報の郵便番号とから、配送業者104‐iの地理的識別子ベクトルを生成する。また、地理的識別子生成部222は、特定した“配送要求id”kに従って配送要求データ・データベース312から取得した配送要求の配送先の住所に基づいて、GPSから経度、緯度情報を取得し、この経度、緯度情報と、配送要求の郵便番号とから、配送業者104‐iごとの配送先の地理的識別子ベクトルシーケンスを生成する。地理的識別子生成部222は、生成した配送業者104‐iの地理的識別子ベクトル及び配送業者104‐iごとの配送先の地理的識別子ベクトルシーケンスを地図データ生成部224及び配送業者ルート最適化部220に送る。
【0068】
配送業者ルート最適化部220は、地理的識別子生成部222から受信した配送業者104‐iの地理的識別子ベクトル及び配送業者104‐iごとの配送先の地理的識別子ベクトルシーケンスと地図データ生成部224から受信した配送業者104‐iの周辺地図データ及び配送業者104‐iごとの配送先の周辺地図データとに基づいて、配送先s(s=1,…,Ncu)から配送先t(t=1,…,Ncu)への移動距離d(s,t)、配送先sから配送先tへの移動時間T(s,t)等を算出する。ここで、Ncuは、配送業者104−iの配送エリア内でのノード(配送業者104−i自体及び配送先)の総数であり、1が配送業者104−iとなる。配送業者ルート最適化部220は、少なくとも移動距離d(s,t)と移動時間T(s,t)とに基づいて、複数の車両が配送先を巡回する際の時間窓付き配送計画問題を解く。
【0069】
最適化処理のための変数を以下のように与える。すなわち、“配送業者id”をi(i=1,…,Ndis)、“荷物所有者id”をj(j=1,…,Npro)、“配送要求id”をk(k=1,…,Nor)、“車両id”をn(n=1,…,Nveh)、“荷物id”をo(o=1,…,Nfre)とし、配送業者をC(i,1)、配送先をC(i,u)(u=1,…,Ncu)としてノードを定義する。また、配送先sへの訪問可能時間帯の開始時刻をb(s)、配送先sへの訪問可能時間帯の終了時刻をe(s)、配送先sでのサービス時間をv(s)、配送先sへの荷物の重量をM(s)、配送車両nの最大積載量をL(n)、配送車両nの最大稼働時間をp(n)、配送車両nの稼働時間をz(n)、配送先sへの到着時間をa(s)、配送先sでの待ち時間をw(s)とする。ここで、δ(s,t,n)を、
と定義する。上記の変数のうち、到着時間a(s)及びδ(s,t,n)は、経路の最適化の過程で決定される変数である。
【0070】
配送業者ルート最適化部220は、目的関数として、配送業者104−iの車両の総移動距離と各車両間の移動時間の差を選択し、2つの目的関数を最小化する車両スケジューリングを実行する。従って、総移動距離を表す目的関数f(i,s,t,n)及び各車両間の移動時間のばらつきを表す目的関数g(i,n)は、
となる。(4)は、ある特定の車両nに対して車両qの全ての可能な組み合わせを考えた場合に、車両nと車両qの稼働時間の差が最大となるものを、すべての車両nについて加算したものである。
【0071】
配送業者ルート最適化部220が実行する最適化の基準は、
となる。
【0072】
配送業者ルート最適化部220が行う最適化処理のための制約条件は、
となる。
【0073】
上記で、(7)は、車両の数の上限がNvehであるため、その数を超えないように配送ルートを割り当てるための制約であり、(8)は、配送先に荷物を配送した車両がその配送先にとどまることはないことを満たすための制約条件であり、(9)は、車両nの最大積載量に関する制約条件であり、(10)は、車両nの最大稼働時間に関する制約条件である。
【0074】
本発明に従った上記の方法の各ステップは、CPUとメモリとを備えた、図示しないオペレータの端末によって行われてもよい。本発明の実施形態においては、上記の方法を実行するのに用いられるソフトウェアプログラムが、デジタル・データ・ストレージ媒体等のプログラム・ストレージ・デバイスに格納されていてもよく、これらのプログラム・ストレージ・デバイスは、機械読取り可能、又はコンピュータ読取り可能であり、また、これらのコンピュータ又は機械は、プログラム命令を機械実行可能プログラム、又はコンピュータ実行可能プログラムとしてエンコードし、エンコードされたプログラム命令は、本発明の方法のステップのうちの一部又は全部を実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスク及び磁気テープ等の磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、又は光学的読取り可能デジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。
【0075】
本発明は、ソフトウェア、及び/又はソフトウェアとハードウェアの組合せで、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)と、汎用コンピュータ、又は他の任意のハードウェア等価物を使用して実装されてもよい。
【0076】
上記の説明は、単に、本発明の特定の実施形態の開示を提供しているにすぎず、本発明を上記の実施形態のみに限定するように意図されてはいない。従って、本発明は、上記で説明された実施形態だけに限定されるものではなく、むしろ、当業者が本発明の範囲内に含まれる代替の実施形態を考案し得ることが認識される。
【符号の説明】
【0077】
100: 配送計画最適化システム
102: 配送計画センタ
104: 配送業者
106: 荷物所有者
108: 通信ネットワーク
110: Webサーバ
112: 配送計画サーバ
114: データベースサーバ

【要約】
【課題】 本発明は、配送業者選択装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に従った配送業者選択装置は、通信ネットワークを介して少なくとも1つの荷物所有者端末と少なくとも1つの配送業者端末とに接続され、少なくとも1つの荷物所有者端末から、配送先の地理的識別子及び配送先住所と配送希望時期とを含む荷物の配送要求を受信する受信部と、少なくとも1つの配送業者が配送可能な少なくとも1つの配送先の地理的識別子と、配送可能なスケジュール情報とを含む配送業者情報を記憶したデータベースから配送業者情報を取得する取得部と、少なくとも1つの荷物所有者端末から受信した配送要求における配送先の地理的識別子及び配送希望時期とデータベースから取得した配送業者情報に含まれる地理的識別子及びスケジュール情報とをそれぞれ比較する比較部と、比較の結果に基づいて、配送先に荷物を配送する少なくとも1つの配送業者を選択する選択部とを含む。
【選択図】 図13
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図7