(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記化粧料容器にあっては、容器本体に対して蓋体が装着される保管時に、塗布体に化粧料が付着し過ぎると共に塗布体が圧縮されて潰れてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、特別な操作を必要とすることなく、容器本体に対する蓋体の取り外し操作に連動して塗布体に適量の化粧料を付着できると共に、容器本体に対する蓋体の装着操作に連動して塗布体の潰れを防止できる化粧料容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による液状化粧料容器は、一端が閉じられた筒状に構成されて筒壁に第1の螺合部が設けられ、化粧料又は塗布体の何れか一方を備えた容器本体と、一端が閉じられた筒状に構成されて筒壁に第1の螺合部に螺合可能な第2の螺合部が設けられ、化粧料又は塗布体の他方を備えた蓋体と、を具備し、第1、第2の螺合部同士が螺合することにより容器本体に蓋体が着脱可能に装着される化粧料容器であって、蓋体は、第2の螺合部が設けられた継ぎ具と、容器本体側に向かって突出し第3の螺合部が設けられた突出部を有し継ぎ具に対して軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転可能に係合し使用者により回転操作される把持部と、化粧料又は塗布体の他方と一体となり、第3の螺合部に螺合する第4の螺合部が設けられると共に継ぎ具に対して軸線方向に移動可能且つ軸線周りに回転不能に係合する移動体と、を備え、容器本体に蓋体が装着されている際は、移動体、化粧料又は塗布体の他方が引き戻し限まで引き戻されて化粧料と塗布体とが離間し、容器本体に対して蓋体が取り外し方向に回転操作されると、
第1の螺合部に対して第2の螺合部が螺合限まで締め込まれ容器本体及び継ぎ具が一体となっており、第3、第4の螺合部の螺合作用が働き移動体、化粧料又は塗布体の他方が容器本体側へ移動して化粧料と塗布体とが接触し、第3、第4の螺合部の螺合作用が停止すると、把持部と継ぎ具が一体となり第1、第2の螺合部の螺合作用が働いて容器本体から蓋体が取り外され、容器本体に対して蓋体が装着方向に回転操作されると、第1、第2の螺合部の螺合作用が働いて容器本体に蓋体が装着され、
第1の螺合部に対して第2の螺合部が螺合限まで締め込まれて第1、第2の螺合部の螺合作用が停止すると
容器本体及び継ぎ具が一体となって、把持部と継ぎ具が回転可能となり第3、第4の螺合部の螺合作用が働き移動体、化粧料又は塗布体の他方が引き戻し限まで引き戻されて化粧料と塗布体とが離間することを特徴とする化粧料容器。
【0007】
このような化粧料容器によれば、容器本体に蓋体が装着されている際は、化粧料と塗布体とが離間し、容器本体に対して蓋体が取り外し方向に回転操作されると、先ず、第3、第4の螺合部の螺合作用が働き化粧料又は塗布体が移動して化粧料と塗布体とが接触し、次いで、第1、第2の螺合部の螺合作用が働き容器本体から蓋体が取り外される。従って、特別な操作を必要とすることなく、容器本体に対する蓋体の取り外し操作に連動して塗布体に適量の化粧料を付着できる。また、容器本体に対して蓋体が装着方向に回転操作されると、先ず、第1、第2の螺合部の螺合作用が働き容器本体に蓋体が装着され、次いで、第3、第4の螺合部の螺合作用が働き化粧料又は塗布体が上記とは反対方向へ移動して化粧料と塗布体とが離間する。従って、特別な操作を必要とすることなく、容器本体に対する蓋体の装着操作に連動して塗布体の潰れを防止できる。
【0008】
ここで、移動体は、化粧料又は塗布体の他方と一体となり継ぎ具に対して軸線方向に移動可能且つ軸線周りに回転不能に係合する台座部と、第4の螺合部が設けられ台座部に対して軸線方向に移動可能且つ軸線周りに回転不能に係合する昇降部と、を備え、蓋体は、台座部が昇降部に当接するように台座部を付勢する弾性体を有していると、弾性体の付勢力により、台座部が昇降部の移動に良好に追従することができる。
【0009】
また、弾性体は、台座部を容器本体側へ付勢することにより昇降部に当接させ、第3、第4の螺合部の螺合作用が停止する移動体の昇降部の前進限は、化粧料と塗布体とが接触したときの位置より容器本体側に設定され、化粧料と塗布体との接触により容器本体側へのそれ以上の移動が阻止されていた移動体の台座部、化粧料又は塗布体の他方は、容器本体から蓋体が取り外されると、弾性体の付勢力により、前進限に位置する昇降部に向かって押し出される構成としても良い。
【0010】
このような構成を採用した場合、化粧料と塗布体との接触後の取り外し方向への回転操作により、昇降部のみが容器本体側に移動して前進限に達し、これにより第3、第4の螺合部の螺合作用が停止し、これに続く取り外し方向へのさらなる回転操作により、把持部と継ぎ具が一体となり第1、第2の螺合部の螺合作用が働いて容器本体から蓋体が取り外され、化粧料と塗布体との接触により容器本体側へのそれ以上の移動が阻止されていた台座部、化粧料又は塗布体の他方が、弾性体の付勢力により、前進限に位置する昇降部に向かって押し出されるようになる。特に、化粧料又は塗布体の他方が塗布体であると、容器本体に対して蓋体が取り外されると、これに連動して、塗布体が、使用に最適な位置である押し出し限まで押し出されるため、素早く化粧を施すことができる。また、化粧料が使用により減った場合でも、容器本体に対して蓋体が取り外し方向に回転操作されたときに、弾性体により、化粧料又は塗布体の他方が容器本体側の化粧料又は塗布体の一方に接触するように付勢されて減り具合に追従するため、化粧料の減り具合に対応して常に塗布体に適量の化粧料を付着できる。
【0011】
また、上記作用を好適に奏する弾性体としては、具体的には、コイルバネが挙げられる。
【発明の効果】
【0012】
このように本発明によれば、特別な操作を必要とすることなく、容器本体に対する蓋体の取り外し操作に連動して塗布体に適量の化粧料を付着できると共に、容器本体に対する蓋体の装着操作に連動して塗布体の潰れを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1〜
図3は、本発明の第1実施形態を、
図4及び
図5は、本発明の第2実施形態を各々示すものであり、先ず、
図1〜
図3に示す第1実施形態を説明する。
【0016】
図1は、第1実施形態に係る化粧料容器を示す縦断面図、
図2は、蓋体を取り外した状態を示す縦断面図、
図3は、化粧料容器の分解斜視図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の化粧料容器100は、使用者が化粧料Mを例えば顔等に施すときに用いられるものであり、容器1,2内に化粧料M及び塗布体3を収容し、開蓋時に塗布体3に化粧料Mが付着し、閉蓋時に塗布体3と化粧料Mが非接触状態になるものである。以下、詳細に説明する。
【0018】
化粧料Mは、ここでは、特に好適であるとして、プレストパウダーとされているが、粉体化粧料を固めた化粧料やクリーム状の化粧料等であっても良く、本発明に適用可能であれば化粧料の状態を限定するものではない。
【0019】
化粧料容器100は、化粧料Mを収容する容器本体1と、この容器本体1を上方から覆い容器本体1に着脱可能に装着される蓋体2と、を備える。
【0020】
容器本体1は、一端が閉じられた円筒状(有底円筒状)に構成され、筒壁内の底部に化粧料Mを収容・保持する。この容器本体1の筒壁には、蓋体2を装着するための螺合部(第1の螺合部)1aが周方向に沿って設けられる。螺合部1aは、ここでは、内周面に形成された雌螺子である。
【0021】
蓋体2は、化粧料Mを塗布するための塗布具12を備えるものであり、
図1及び
図3に示すように、蓋として機能すると共に使用者に把持されて回転操作される把持部4と、把持部4に係合し容器本体1に着脱可能に係合する継ぎ具5と、把持部4の回転に応じて蓋体2の軸線方向に移動する昇降部7を有すると共に塗布具12が装着された台座部6を有する移動体13と、台座部6が昇降部7に当接するように台座部6を容器本体1側へ付勢する弾性体8と、昇降部7の移動時の前進限を設定し抜け止めとして機能する昇降部ストッパ11と、を備える。
【0022】
把持部4は、一端が閉じられた短尺な円筒状(有底円筒状)に構成され、容器本体1に向かい合うように配置される。この把持部4の筒壁の内周面には、継ぎ具5を装着するための凹部4bが円環状に設けられる。また、把持部4の底部の略中央には、容器本体1側に向かって突出する円筒状の突出部4xが形成され、この突出部4xの筒壁の外周面に、昇降部7を移動させるための螺合部(第3の螺合部)4aが周方向に沿って設けられる。螺合部4aは、ここでは、螺旋溝である。この螺旋溝4aの容器本体1側の端部は、容器本体1側に開放されている。
【0023】
なお、ここでは、特に好ましいとして、突出部4xを円筒状としているが、円柱状でも良く、さらには、円形形状の外周に対向する二平面部を備え当該二平面部を除く円弧面に螺合部4aを有する構成であっても良い。また、把持部4は使用者に把持されて回転操作されるため、その外周面に、滑り止めとして、周方向に沿って凹凸が並設されるローレット等を設けることが好ましい。
【0024】
台座部6は、上下方向に延びる内筒6a、中筒6b、外筒6cを連結部6d,6eで繋いだ形状を呈する。具体的には、内筒6aと中筒6bの容器本体1側の端部を、円環状の連結部6dで連結し、中筒6bの把持部4底部側の端部と外筒6cの容器本体1側の端部を、円環状の連結部6eで連結して成る。
【0025】
内筒6aは、把持部4の底部側の端部に、内側に円環状に張り出す張出部6gを有する。この内筒6aの内周面には、上下方向に延びる凹溝6iが、昇降部7を装着するためのものとして、周方向に沿って複数個が離間して並設される。凹溝6iは、内筒6aの容器本体1側から切り込まれ張出部6gまで延びるように設けられる。外筒6cの外周面には、上下方向に延びる突条6fが、継ぎ具5に装着するためのものとして、周方向に沿って複数個が離間して並設される。中筒6bの外周面には、後述のアプリケータ台座9を装着するための凸部6hが、周方向に離間して複数個が設けられている(
図1参照)。そして、台座部6の内筒6aと中筒6bと連結部6dとの間に、弾性体8を収容するための弾性体収容空間Sが円環状に画成されている。
【0026】
継ぎ具5は、円筒状に構成され、その筒壁の容器本体1側に、容器本体1の螺合部1aと螺合可能な螺合部(第2の螺合部)5aが周方向に沿って設けられる。螺合部5aは、ここでは、外周面に形成された雄螺子である。また、継ぎ具5の螺合部5aより把持部4側の外周面には、把持部4の凹部4bに軸線方向に係合するための凸部5bが円環状に設けられる。また、継ぎ具5の内周面には、把持部4の底部側から切り込まれ容器本体1側に向かって途中まで延びる凹溝5cが、台座部6の外筒6cの突条6fに周方向に係合するものとして、周方向に沿って複数個が離間して並設される。
【0027】
弾性体8は、ここでは、圧縮コイルバネとされ、台座部6の弾性体収容空間Sに収容される。
【0028】
この弾性体8を弾性体収容空間Sに収容した台座部6は、継ぎ具5の凹溝5cの開放側(図示上方)から内挿され、その外筒6cの突条6fが継ぎ具5の凹溝5cに進入して周方向に係合することで、継ぎ具5に対して軸線方向に移動可能且つ軸線周りに回転不能に装着される。
【0029】
そして、弾性体8及び台座部6が組み付けられた状態の継ぎ具5は、把持部4の筒壁に内挿され、その内筒6aの張出部6gが把持部4の突出部4xに接近した配置とされ、その凸部5bが把持部4の凹部4bに軸線方向に係合することで、把持部4に対して軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転可能に装着される。この状態で、弾性体8は、台座部6の連結部6dと把持部4の底部との間に位置する。
【0030】
昇降部7は、短尺の円筒状に構成され、その外周面に、上下方向に延びる突条7bが、台座部6の内筒6aの凹溝6iに周方向に係合するためのものとして、一対対向して設けられる。この昇降部7の内周面には、把持部4の突出部4xの螺合部4aと螺合可能な螺合部(第4の螺合部)7aが、一対対向して設けられる。螺合部7aは、ここでは、螺合突起である。
【0031】
そして、この昇降部7は、その螺合部7aが、螺旋溝4aの開放側から進入して後退限(引き戻し限)に位置すると共に、その突条7bが、台座部6の内筒6aの凹溝6iに周方向に係合することで、台座部6に対して軸線方向に移動可能且つ軸線周りに回転不能に装着され、当該昇降部7に張出部6gが当接する台座部6は、その外筒6cが把持部4の底部に当接する後退限(引き戻し限)に位置する。この状態で、弾性体8は、台座部6の連結部6dと把持部4の底部との間に挟まれ、付勢力を蓄えた状態とされる。そして、昇降部ストッパ11が把持部4の突出部4xの先端部に螺子込まれることで、昇降部7の移動時の前進限である抜け止めが構成される。
【0032】
塗布具12は、塗布体3と、この塗布体3を保持するためのアプリケータ台座9及びスリーブ10と、を備える。
【0033】
アプリケータ台座9は、中央に孔9aを有する円板部9bの図示上面に円筒部9cを立設し、この円筒部9cの外周面の軸線方向中程から鍔状にスリーブ保持部9dを突設した形状を呈する。円板部9bの外周面には、径方向外側に突出する突起部9gが、塗布体3を構成する後述のアプリケータ3aを装着するためのものとして、周方向に沿って複数が離間して設けられている。円筒部9cの内周面には、凹部9eが、台座部6の中筒6bの凸部6hに軸線方向且つ周方向に係合するためのものとして周方向に離間して複数個が設けられている(
図1参照)。また、スリーブ保持部9dの外周面には、スリーブ10を保持するための凹部9fが円環状に設けられている。
【0034】
スリーブ10は、円筒状に構成され、その上部の内周面に、アプリケータ台座9の凹部9fに嵌め込まれる凸部10aを円環状に備える。
【0035】
塗布体3は、アプリケータ3a及び芯材3bより構成される。芯材3bは、その外面が外側へ膨らみ略半球形状を成し、例えば、発泡ウレタン、NBR等の多孔質材の弾性体で構成される。この芯材3bの略中央には、上下方向に貫通する孔が設けられている。
【0036】
アプリケータ3aは、付着した化粧料Mを例えば顔等に塗布感良く塗布するためのものであり、その外面及び内面が外側へ膨らみ略ドーム状を成すように湾曲した形状となっている。このアプリケータ3aは、芯材3bと同様に、例えば、発泡ウレタン、NBR等の多孔質材の弾性体で構成され、この多孔質材の弾性体である例えばスポンジやパフ等の片面に植毛を施したものとされる。そして、アプリケータ3aは、芯材3bの外面に密着するように、その外周側が、スリーブ保持部9d側に引っ張られてアプリケータ台座9の突起部9gに掛止される。これにより、芯材3bは、アプリケータ台座9の円板部9bに当接し保持される。
【0037】
そして、アプリケータ台座9に掛止されたアプリケータ3aにスリーブ10が外挿され、スリーブ10の凸部10aがアプリケータ台座9の凹部9fに嵌め込まれることで、アプリケータ台座10に対してスリーブ10が装着され、この状態で、アプリケータ3aは、アプリケータ台座9の突起部9gとスリーブ10との間に挟み込まれる。これにより、塗布具12が組み立てられる。
【0038】
このようにして得られた塗布具12は、そのアプリケータ台座9の円筒部9cが台座部6の中筒6bに外挿され、その円筒部9cの凹部9eが中筒6bの凸部6hに係合することで、移動体13の台座部6に対して軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転不能に装着され一体とされる。これにより、蓋体2が組み立てられ、塗布体3は、把持部4及び継ぎ具5より容器本体1側に突出する構成とされる。
【0039】
次に、このような構成を有する化粧料容器100の作用について説明する。先ず、
図1に示すように、蓋体2が容器本体1に装着されている場合には、昇降部7、台座部6及び塗布体3が引き戻し限(後退限)まで引き戻された状態で化粧料Mと塗布体3とが離間し非接触の状態にある。
【0040】
この状態から使用する場合、使用者は蓋体2を取り外すべく容器本体1と蓋体2を持って蓋体2を取り外し方向(緩める方向;螺合解除方向)に回転操作する。すると、容器本体1の螺合部1aに対して蓋体2の継ぎ具5の螺合部5aが螺合限まで締め込まれているため、容器本体1及び継ぎ具5が一体となり、継ぎ具5に対して把持部4が回転し、把持部4の螺合部4aと昇降部7の螺合部7aの螺合作用が働き、継ぎ具5に対して台座部6を介して回り止めされている昇降部7が容器本体1側へ移動する。
【0041】
昇降部7が容器本体1側へ移動すると、弾性体8の付勢力により、台座部6及び塗布体3が昇降部7に当接するように追従して容器本体1側へ移動し、塗布体3のアプリケータ3aが化粧料Mに接触する。これに続く取り外し方向へのさらなる回転操作により、昇降部7は容器本体1側へ移動を続けるが、台座部6及び塗布体3は、塗布体3の化粧料Mとの接触(当接)によりそれ以上の移動が阻止される。
【0042】
そして、昇降部7が前進限に達すると、把持部4の螺合部4aと昇降部7の螺合部7aの螺合作用が停止し、把持部4と継ぎ具5が一体となり、これに続く取り外し方向へのさらなる回転操作により、容器本体1の螺合部1aと継ぎ具5の螺合部5aの螺合作用が働いて、容器本体1から蓋体2が取り外される。
【0043】
すると、化粧料Mと塗布体3との接触により容器本体1側へのそれ以上の移動が阻止されていた台座部6及び塗布体3が、弾性体8の付勢力により、前進限に位置している昇降部7に向かって押し出され、使用に最適な位置である押し出し限まで押し出される(
図2参照)。
【0044】
そして、使用にあたっては、使用者は蓋体2を持って塗布体3のアプリケータ3aを使用者の例えば顔等に軽く叩くように押し当てると、アプリケータ3aに適量が付着した化粧料Mが塗布に供される。
【0045】
使用が終わると、使用者は蓋体2を装着すべく容器本体1と蓋体2を持って蓋体2を装着方向(締める方向;螺合方向)に回転操作する。すると、容器本体1の螺合部1aに対して蓋体2の継ぎ具5の螺合部5aが螺合していき螺合限まで締め込まれることで、容器本体1の螺合部1aと継ぎ具5の螺合部5aの螺合作用が停止し、容器本体1に対して蓋体2が装着されると共に、容器本体1及び継ぎ具5が一体となり、これに続く装着方向へのさらなる回転操作により、継ぎ具5に対して把持部4が回転し、把持部4の螺合部4aと昇降部7の螺合部7aの螺合作用が働き、継ぎ具5に対して台座部6を介して回り止めされている昇降部7が上記とは反対方向に移動し、引き戻し限まで引き戻される。この昇降部7の移動により、台座部6及び塗布体3が弾性体8の付勢力に抗して引き戻し限まで引き戻され、化粧料Mと塗布体3とが離間する状態となる(
図1参照)。
【0046】
このように、本実施形態においては、容器本体1に蓋体2が装着されている際は、化粧料Mと塗布体3とが離間し、容器本体1に対して蓋体2が取り外し方向に回転操作されると、先ず、把持部4及び移動体13の昇降部7の螺合部4a,7aの螺合作用が働き塗布体3が移動して化粧料Mと塗布体3とが接触し、次いで、容器本体1及び継ぎ具5の螺合部1a,5aの螺合作用が働き容器本体1から蓋体2が取り外されるため、特別な操作を必要とすることなく、容器本体1に対する蓋体2の取り外し操作に連動して塗布体3に適量の化粧料Mを付着できる。また、容器本体1に対して蓋体2が装着方向に回転操作されると、先ず、容器本体1及び継ぎ具5の螺合部1a,5aの螺合作用が働き容器本体1に蓋体2が装着され、次いで、把持部4及び移動体13の昇降部7の螺合部4a,7aの螺合作用が働き塗布体3が上記とは反対方向へ移動して化粧料Mと塗布体3とが離間するため、特別な操作を必要とすることなく、容器本体1に対する蓋体2の装着操作に連動して塗布体3の潰れを防止できる。
【0047】
また、台座部6が昇降部7に当接するように台座部6を付勢する弾性体8を備えているため、当該弾性体8の付勢力により、台座部6が昇降部7の移動に良好に追従できる。
【0048】
また、化粧料Mと塗布体3との接触後の取り外し方向への回転操作により、昇降部7のみが容器本体1側に移動して前進限に達し、これにより容器本体1及び継ぎ具5の螺合部1a,5aの螺合作用が停止し、これに続く取り外し方向へのさらなる回転操作により、把持部4と継ぎ具5が一体となり容器本体1及び継ぎ具5の螺合部1a,5aの螺合作用が働いて容器本体1から蓋体2が取り外され、化粧料Mと塗布体3との接触により容器本体1側へのそれ以上の移動が阻止されていた台座部6、塗布体3が、弾性体8の付勢力により、前進限に位置する昇降部7に向かって押し出され、このように、容器本体1に対する蓋体2の取り外し操作に連動して、塗布体3が、使用に最適な位置である押し出し限まで押し出されるため、素早く化粧を施すことができる。また、化粧料Mが使用により減った場合でも、容器本体1に対して蓋体2が取り外し方向に回転操作されたときに、弾性体8により、塗布体3が化粧料Mに接触するように付勢されて減り具合に追従するため、化粧料Mの減り具合に対応して常に塗布体3に適量の化粧料を付着できる。
【0049】
図4は、本発明の第2実施形態に係る化粧料容器を示す縦断面図、
図5は、
図4の状態から蓋体を取り外した状態を示す縦断面図である。なお、第1実施形態と同一又は同一機能を果たす要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0050】
この第2実施形態の化粧料容器200が第1実施形態の化粧料容器100と違う点は、上記第1実施形態とは、逆に、容器本体1に塗布具12を設けると共に、蓋体2に化粧料Mを設けた点である。
【0051】
ここで、容器本体1には、底部の中央に円筒状の突出部1bが立設され、当該突出部1bに塗布具12のアプリケータ台座9が保持される。そして、容器本体1から塗布体3が突出するように、容器本体1の筒壁は、第1実施形態に比して短尺にされる。
【0052】
また、蓋体2の台座部6には、その容器本体1側の端部に凹状の収容部6jが設けられ、この収容部6j内に、化粧料Mが収容・保持される。そして、化粧料Mが蓋体2内に収まるように、継ぎ具5及び把持部4の筒壁は、第1実施形態に比して長尺にされる。
【0053】
また、ここでは、容器本体1の螺合部1aは筒壁外周面の雄螺子とされ、蓋体2の継ぎ具5の螺合部5aは筒壁内周面の雌螺子とされている。
【0054】
このように構成された第2実施形態にあっては、第1実施形態の塗布具12と化粧料Mを置き換えた動作となり、化粧料Mが移動して塗布体3に接触/離間することになる。なお、使用にあたっては、使用者は容器本体1を持って塗布を行うことになる。
【0055】
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、特別な操作を必要とすることなく、容器本体1に対する蓋体2の取り外し操作に連動して塗布体3に適量の化粧料Mを付着できると共に、容器本体1に対する蓋体2の装着操作に連動して塗布体3の潰れを防止できる。
【0056】
また、台座部6が昇降部7に当接するように台座部6を付勢する弾性体8を備えているため、当該弾性体8の付勢力により、台座部6が昇降部7の移動に良好に追従できる。
【0057】
また、化粧料Mが使用により減った場合でも、容器本体1に対して蓋体2が取り外し方向に回転操作されたときに、弾性体8により、化粧料Mが塗布体3に接触するように付勢されて減り具合に追従するため、化粧料Mの減り具合に対応して常に塗布体3に適量の化粧料を付着できる。
【0058】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好ましいとして、弾性体8をコイルバネとしているが、複数枚の板バネを積層したものでも良く、また、樹脂バネ等であっても良い。
【0059】
また、螺合部を構成する雄螺子と雌螺子の組み合わせは、上記実施形態の逆でも勿論良い。