特許第6102162号(P6102162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イトーキの特許一覧

<>
  • 特許6102162-机と収納キャビネットの組合せ家具 図000002
  • 特許6102162-机と収納キャビネットの組合せ家具 図000003
  • 特許6102162-机と収納キャビネットの組合せ家具 図000004
  • 特許6102162-机と収納キャビネットの組合せ家具 図000005
  • 特許6102162-机と収納キャビネットの組合せ家具 図000006
  • 特許6102162-机と収納キャビネットの組合せ家具 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6102162
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】机と収納キャビネットの組合せ家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 83/04 20060101AFI20170316BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20170316BHJP
   A47B 13/08 20060101ALI20170316BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   A47B83/04
   A47B13/00 B
   A47B13/08 A
   A47B17/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-222782(P2012-222782)
(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公開番号】特開2014-73283(P2014-73283A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(72)【発明者】
【氏名】田中 壽士
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 太一
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−135160(JP,A)
【文献】 特開2006−068415(JP,A)
【文献】 米国特許第08205950(US,B1)
【文献】 特開平10−133775(JP,A)
【文献】 特開2002−219027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 83/04
A47B 13/00、13/08
A47B 17/00、21/00
A47B 97/00
H02G 3/22−3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の一端部を脚部で支持するとともに、天板の他端部を収納キャビネットの上面板の一部に重なるように配置して該上面板で支持し、平面視において前記天板の他端部における少なくとも前後一側と側方に前記上面板が露出し、前記天板の側方に段落ち状態で露出した前記収納キャビネットの上面板を、モニターを載置可能なモニター載置部とし、前記上面板と重なる天板の端部に開口部を設けるとともに、該開口部にダクトカバーを設けてなることを特徴とする机と収納キャビネットの組合せ家具。
【請求項2】
前記開口部の内部に接続端子を備えてなる請求項1記載の机と収納キャビネットの組合せ家具。
【請求項3】
前記天板の両端部に開口部を設けるとともに、該開口部に開閉可能なダクトカバーを設け、更に開口部の内部に接続端子を備えてなる請求項1記載の机と収納キャビネットの組合せ家具。
【請求項4】
前記収納キャビネットは、上面板の下方に間隔を置いて棚板を設け、該棚板の下方に引出しを設け、前記上面板と棚板間に縦ダクトを設けてモニターの荷重を該縦ダクトで支持してなる請求項1〜3何れか1項に記載の机と収納キャビネットの組合せ家具。
【請求項5】
前記脚部がキャビネットである請求項1〜4何れか1項に記載の机と収納キャビネットの組合せ家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机と収納キャビネットの組合せ家具に係わり、更に詳しくは対面状態で着座してミーティングを行うことが可能な机と収納キャビネットの組合せ家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から天板の前後両側に対面状態で着座してミーティングを行うことが可能な机は各種提供されている。通常、一般の執務机は、オーナーが着座する側は決まっており、反対面は幕板で覆われている。例えば、上司に部下が報告や説明等の行う場合、上司の机の反対側に部下が座ることができるように、幕板を前側に寄せたタイプの机も提供されている。勿論、足入れ空間が自由なミーティングテーブルでは、何の不自由もなく対面して着座することができる。
【0003】
通常、報告や説明等を行う場合、ノート型パーソナルコンピュータ(ノートパソコン)やタブレット型携帯端末を使用することが多い。あるいは、最近ではパソコン機能を有するスマートフォンで撮影した写真等を用いて説明することも増えてきた。その場合、パソコン等の電子機器に電源を供給するための電源タップも必要になるとともに、大きなモニターに映し出して説明をすることが効果的な場合も多い。従来、机の天板の片隅にテレビモニターを置いて、そのモニターにパソコンを接続した表示させるということも行われているが、そのようなシーンで便利に使用できる机やテーブルは提供されてなかった。
【0004】
ここで、特許文献1に記載されるようなテーブルの一端部をキャビネットで支持した構造の机と収納キャビネットの組合せ家具は、従来から提供されている。また、特許文献2に記載されるように、キャビネットの天板に配線孔を設け、天板下方の内部に設けたコンセントにパソコンの電源コードを接続できるようにした配線機能付きのキャビネットも提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平3−7744号公報
【特許文献2】特開2002−219027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、通常の執務机のように使用できるとともに、対面状態で着座してモニターを見ながらミーティングを行うことが可能な机と収納キャビネットの組合せ家具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、天板の一端部を脚部で支持するとともに、天板の他端部を収納キャビネットの上面板の一部に重なるように配置して該上面板で支持し、平面視において前記天板の他端部における少なくとも前後一側と側方に前記上面板が露出し、前記天板の側方に段落ち状態で露出した前記収納キャビネットの上面板を、モニターを載置可能なモニター載置部とし、前記上面板と重なる天板の端部に開口部を設けるとともに、該開口部にダクトカバーを設けてなることを特徴とする机と収納キャビネットの組合せ家具を構成した(請求項1)。
【0008】
ここで、前記開口部の内部に接続端子を備えてなることが好ましい(請求項2)。
【0009】
更に、前記天板の両端部に開口部を設けるとともに、該開口部に開閉可能なダクトカバーを設け、更に開口部の内部に接続端子を備えてなることも好ましい(請求項3)。
【0010】
更に、前記収納キャビネットは、上面板の下方に間隔を置いて棚板を設け、該棚板の下方に引出しを設け、前記上面板と棚板間に縦ダクトを設けてモニターの荷重を該縦ダクトで支持してなることがより好ましい(請求項4)。
【0011】
また、前記脚部がキャビネットであることも好ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
以上にしてなる請求項1に係る発明の机と収納キャビネットの組合せ家具は、天板の一端部を脚部で支持するとともに、天板の他端部を収納キャビネットの上面板の一部に重なるように配置して該上面板で支持し、平面視において前記天板の他端部における少なくとも前後一側と側方に前記上面板が露出し、前記天板の側方に段落ち状態で露出した前記収納キャビネットの上面板を、モニターを載置可能なモニター載置部とし、前記上面板と重なる天板の端部に開口部を設けるとともに、該開口部にダクトカバーを設けてなるので、通常の執務机のように使用できるとともに、天板の前後に対面状態で着座して天板側方のモニター載置部に載置したモニターを見ながらミーティングを行うことができる。更に、前記天板の側方に設けたモニター載置部は、天板に対して段落ちしているので、モニターの支持脚が目立ち難くなったり、リモコン等をモニターの支持脚の近くに置いても目立ち難い。更に、天板の前後一側に張り出した収納キャビネットの上面板をサイドテーブルとして利用することができる。更に、天板の端部に設けた開口部を利用して、天板上に載置したノートパソコン等の電子機器の電源コードやモニターに接続する信号ケーブルを配線することができ、開口部を使用しないときにはダクトカバーを閉じれば通常の天板として広く使用できる。
【0013】
請求項2によれば、前記開口部の内部に接続端子を備えてなるので、天板上に載置したノートパソコン等の電子機器の電源コードを接続端子に接続し、またモニターに接続する信号ケーブルを接続端子に接続して、ノートパソコン等からモニターに映像を送って大きく映し出すことができる。
【0014】
請求項3によれば、前記天板の両端部に開口部を設けるとともに、該開口部に開閉可能なダクトカバーを設け、更に開口部の内部に接続端子を備えてなるので、複数の電子機器を接続することもでき、使用勝手の良い方のダクトカバーを開いて開口部を開放し、配線コードを開口部内に配線することができる。
【0015】
請求項4によれば、前記収納キャビネットは、上面板の下方に間隔を置いて棚板を設け、該棚板の下方に引出しを設け、前記上面板と棚板間に縦ダクトを設けてモニターの荷重を該縦ダクトで支持してなるので、上面板の下方の棚板をオープン棚として使用でき、光ディスク型あるいはハードディスク型のレコーダ等の映像機器を収納することができ、また重量の重い大型のモニターを上面板のモニター載置部に載置した場合にも、上面板の撓みを抑制することができる。
【0016】
請求項5によれば、前記脚部がキャビネットであると、該キャビネットも収納に使用でき、両袖机のように使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る机と収納キャビネットの組合せ家具の使用例を示す斜視図である。
図2】同じく机と収納キャビネットの組合せ家具の斜視図である。
図3】同じく平面図である。
図4】同じく部分断面で示した正面図である。
図5】同じく縦断側面図である。
図6】同じく部分縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1図3は、本発明に係る机と収納キャビネットの組合せ家具を示し、図4図6は内部構造を示し、図中符号1は天板、2は脚部、3は収納キャビネット、4はモニター、5はノートパソコンを示している。
【0019】
本発明に係る机と収納キャビネットの組合せ家具は、天板1の一端部を脚部2で支持するとともに、天板1の他端部を収納キャビネット3の上面板6の一部に重なるように配置して該上面板6で支持し、平面視において前記天板1の少なくとも前後一側と側方に前記上面板6が露出し、前記天板1の側方に段落ち状態で露出した前記収納キャビネット3の上面板6を、モニターを載置可能なモニター載置部6Aとした。ここで、前記脚部2がキャビネットであっても良い。本実施形態では、前記脚部2の内側にキャビネットワゴン7を配置している例を示している。
【0020】
ここで、前記天板1は横長の長方形であり、前記収納キャビネット3は縦長の長方形であり、前記天板1の端部が収納キャビネット3の上面板6の奥行幅の半分より若干狭い部分に重なり、この重なった部分で天板1の奥行き方向の両側部を支持台8,8で上面板6に連結している。本実施形態では、図3に示すように、平面視において前記天板1の前後一側と側方に前記上面板6がL字状に露出しているが、前記収納キャビネット3の縦長寸法を大きくして、前記天板1の前後両側と側方に前記上面板6がコ字形に露出するように配置することも好ましい。また、図4及び図5に示すように、前記天板1と収納キャビネット3の上面板6との間に段差があり、この段差の存在により、前記モニター載置部6Aの高さが低く抑えられ、該モニター載置部6Aに載置したモニターの支持脚を目立たなくすることができるとともに、大型のモニターでも画面の位置を座った状態で見やすい適度な高さに設定することが可能である。
【0021】
そして、前記上面板6と重なる天板1に開口部9を設けるとともに、該開口部9に開閉可能なダクトカバー10を設け、更に開口部9の内部に接続端子11を設けている。実際には、前記ダクトカバー10を側縁部で回動開閉するように設け、該ダクトカバー10の裏面回動部に近い位置に前記接続端子11を設けている。前記接続端子11には、ノートパソコン5の電源コードDとモニター4に映像信号を送る信号ケーブルC等のコネクターが設けられている。前記開口部9は、前記天板1の前後中央部に設けてあり、該開口部9の側方に前記モニター載置部6Aが位置しているので、該モニター載置部6Aに載置したモニター4からの配線距離が短くなり、電源コードDや信号ケーブルCが天板1下に隠れるので露出が少なくなる。尚、前記天板1から露出した収納キャビネット3の上面板6のどこにモニター4を置いても良いが、特に天板1の側方のモニター載置部6Aにモニター4を載置すると、前記天板1の前後に着座した両者から見やすい場所にモニター4が位置する。
【0022】
更に、前記収納キャビネット3は、上面板6の下方に間隔を置いて棚板12を設け、該棚板12の下方に引出し13,13を設け、前記上面板6と棚板12間に縦ダクト14を設けてモニター4の荷重を該縦ダクト14で支持し、前記上面板6が撓まないようにしている。
【0023】
本実施形態では、前記天板1の一端部に開口部9とダクトカバー10を設けたが、天板1の両端部に前記開口部9を設けるとともに、該開口部9に開閉可能なダクトカバー10を設けてもよい。
【0024】
次に、前記収納キャビネット3の内部の配線構造を説明する。図2図4図6に示すように、前記収納キャビネット3は、両側板15,15の上端に前記上面板6を渡設するとともに、両側板15,15の下端部の前後端に下連結杆16,16を渡設し、前記上面板6の下方に間隔をおいて前記棚板12を渡設し、前記縦ダクト14に対応する前記棚板12と下連結杆16,16との間に間隔を置いて2枚の仕切板17,17を立設し、両仕切板17,17の間を配線空間18としている。前記側板15と仕切板17の間にはそれぞれ前記引出し13を設けている。
【0025】
図5及び図6に示すように、前記縦ダクト14に対応する前記上面板6には挿通口19を前記開口部と対向させて形成している。また、前記棚板12に前記縦ダクト14に連通する挿通孔20を形成し、更に少なくとも一方の前記仕切板17の奥部で前記引出し13と干渉しない位置に、側方へ連通する側孔21を形成している。更に、前記側孔21を形成した仕切板17と側板15の奥部の上下中間位置には、背面板22と間隔を隔てて保持板23を渡設している。そして、床面から引き出した配線コード類Hを前記収納キャビネット3の底面部に引き込み、前記保持板23の背後を迂回させて前記仕切板17の側孔21に通し、更に前記配線空間18から棚板12の挿通孔20を通して縦ダクト14へ導き、それから上面板6に形成した挿通口19を通して前記接続端子11に接続する。また、前記モニター4に接続する電源コードDと信号ケーブルCは、前記接続端子11に接続するが、その余剰コードは前記挿通口19から縦ダクト14内、あるいは配線空間18に収納して、上面板6の上の配線をすっきりさせる。
【符号の説明】
【0026】
1 天板、
2 脚部、
3 収納キャビネット、
4 モニター、
5 ノートパソコン、
6 上面板、
6A モニター載置部、
7 キャビネットワゴン、
8 支持台、
9 開口部、
10 ダクトカバー、
11 接続端子、
12 棚板、
13 引出し、
14 縦ダクト、
15 側板、
16 下連結杆、
17 仕切板、
18 配線空間、
19 挿通口、
20 挿通孔、
21 側孔、
22 背面板、
23 保持板、
24 幕板、
C 信号ケーブル、
D 電源コード、
H 配線コード類。
図1
図2
図3
図4
図5
図6