(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。本発明のカラーフィルタを構成する透明膜形成用感光性樹脂組成物は(a)バインダーポリマー、(b)光重合化合物、(c)光重合開始剤、(d)界面活性剤、および(e)溶剤を有する化合物を含有する。
【0015】
本発明で用いるバインダーポリマー(a)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(A)を必要に応じて、1分子中に不飽和2重結合とカルボキシル基を1つずつ有する化合物(C)、飽和カルボン酸(C)、多塩基酸無水物(D)を反応させて得られる樹脂である。
【0016】
1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(A)の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製、エピコート828、エピコート1001、エピコート1002、エピコート1004等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例、日本化薬社製、NER‐1302、エポキシ当量323、軟化点76℃)、ビスフェノールF型樹脂(例、油化シェルエポキシ社製、エピコート807、EP‐4001、EP‐4002、EP‐4004等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例、日本化薬社製、NER‐7406、エポキシ当量350、軟化点66℃)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例、油化シェルエポキシ社製、YX‐4000)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例、日本化薬社製、EPPN‐201、油化シェルエポキシ社製、EP‐152、EP‐154、ダウケミカル社製、DEN‐438)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例、日本化薬社、EOCN‐102S、EOCN‐1020、EOCN‐104S)、トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学社製、TEPIC)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、EPPN‐501、EPN‐502,EPPN‐503)、フルオレンエポキシ樹脂(例、新日鐵化学社製、カルドエポキシ樹脂、ESF‐300)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、セロキサイド2021P、セロキサイドEHPE)等が挙げられる。
【0017】
(A)の他の例としては共重合型エポキシ樹脂が挙げられる。共重合型のエポキシ樹脂としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルメチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイドなどと、これら以外の1官能エチレン性不飽和基含有化合物(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、α‐メチルスチレン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等を反応させた共重合樹脂であり、具体例としては、日本油脂社製、ブレンマーCP‐50M等が挙げられる。
【0018】
上記共重合型エポキシ樹脂の分子量は約1000〜200000が好ましい。グリシジル(メタ)アクリレートの使用量は、共重合型エポキシ樹脂に使用する不飽和単量体全量に対して10〜70重量%が好ましく、特に好ましくは20〜50重量%である。
【0019】
水で現像が可能なタイプの共重合型エポキシ樹脂を得る場合、グリセリンモノ(メタ)アクリレート化合物は、重合体に使用する不飽和単量体全量に対して30重量%以上、特に好ましくは50重量%以上を配合するのが望ましい。
【0020】
前記共重合型エポキシ樹脂は、公知の重合方法、例えば、溶液重合やエマルジョン重合等によって得られる。溶液重合を用いる場合について説明すれば、エチレン性不飽和単量体混合物を、適用な有機溶剤中で重合開始剤を添加して窒素気流下に好ましくは50〜100℃で加熱攪拌する方法によって重合させる。
【0021】
前記有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2‐ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリピロピレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート等の酢酸エステル類、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類、ジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独又は混合して用いることかできる。
【0022】
1分子中に不飽和2重結合とカルボキシル基を1つずつ有する化合物(B)としては、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4‐ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)と、多カルボン酸化合物の酸無水物(例えば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)の反応物であるハーフエステルが挙げられる。
【0023】
飽和モノカルボン酸(C)の具体例としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸等を挙げることができる。
【0024】
上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1当量に対して化合物(B)と任意成分としての飽和モノカルボン酸(C)は0.5〜1.1当量を反応させるのが好ましい。又、必要に応じて反応溶剤を用いてもよく、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2‐ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリピロピレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート等の酢酸エステル類、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類、ジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独又は混合して用いることかできる。
【0025】
反応を促進させるために反応触媒としてトリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、等の塩基性化合物を反応液中に0.1〜1%添加するのが好ましい。
【0026】
反応中、重合を防止するために重合禁止剤(例えば、メトキシフェノール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、フェノチアジン等)を反応液中、0.05〜0.5%添加するのが好ましい。反応温度は、90〜150℃、反応時間は、5〜40時間が好ましい。
【0027】
必要に応じて、このようにして得られたエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基1当量に対して多カルボン酸化合物の酸無水物(D)(例えば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)を好ましくは無水物基0.2〜1.0当量反応させることができる。反応温度は、90〜150℃、反応時間は、3〜30時間が好ましい。
【0028】
本発明において用いられる(b)光重合性化合物は、光を照射されることによって光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物であって、例えば、重合性の炭素‐炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
【0029】
前記光重合性化合物は、3官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。3官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
【0030】
前記光重合性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その含有量は感光性樹脂組成物の質量分率で通常5質量%以上90質量%以下、好ましくは10質量%以上80質量%以下、とりわけ好ましくは20質量%以上70質量%以下の範囲で用いられる。前記した、光重合性化合物の含有量が、5質量%以上90質量%以下であると、硬化が十分におこり残膜率が向上し、パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があり、好ましい。
【0031】
本発明において用いられる(c)光重合開始剤は、アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2‐メチル‐2‐モルホリノ‐1‐(4‐メチルチ
オフェニル)プロパン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、ベンジルジメチルケタール、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐〔4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐〔4‐(1‐メチルビニル)フェニル〕プロパン‐1‐オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2‐メチル‐2‐モルホリノ‐1‐(4‐メチルチオフェニル)プロパン‐1‐オンなどが挙げられる。また、複数のアセトフェノン系およびその他の光重合開始剤を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤などが挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
【0033】
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0034】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、4‐フェニルベンゾフェノン、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’‐テトラ(t‐ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6‐トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0035】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2‐イソプロピルチオキサントン、4‐イソプロピルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、2,4‐ジクロロチオキサントン、1‐クロロ‐4‐プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0036】
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐(4‐メトキシフェニル)‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐(4‐メトキシナフチル)‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐(4‐メトキシスチリル)‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(5‐メチルフラン‐2‐イル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(フラン‐2‐イル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(4‐ジエチルアミノ‐2‐メチルフェニル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(3,4‐ジメトキシフェニル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジンなどが挙げられる。
【0037】
活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’‐ビス(o‐クロロフェニル)‐4,4’,5,5’‐テトラフェニル‐1,2’‐ビイミダゾール、10‐ブチル‐2‐クロロアクリドン、2‐エチルアントラキノン、ベンジル、9,10‐フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
【0038】
酸発生剤としては、例えば、4‐ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp‐トルエンスルホナート、4‐ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4‐アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp‐トルエンスルホナート、4‐アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp‐トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp‐トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシ
レート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。
【0039】
また、活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
【0040】
(c)光重合開始剤の含有量は、(a)バインダーポリマーおよび(b)光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常0.1質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上15質量部以下である。光重合開始剤の含有量が0.1質量部以上20質量部以下であると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上し、一方高感度過ぎて解像度が不良にならない傾向があり、好ましい。
【0041】
本発明において用いられる(c)光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、少なくとも1種のアミン系を含む。
【0042】
アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4‐ジメチルアミノ安息香酸メチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸エチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2‐ジメチルアミノエチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸2‐エチルヘキシル、N,N‐ジメチルパラトルイジン、4,4’‐ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’‐ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
【0043】
また、複数のアミン系やその他の光重合開始助剤を組み合わせて使用してもよい。その他の光重合開始助剤としては、例えば、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
【0044】
アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10‐ジメトキシアントラセン、2‐エチル‐9,10‐ジメトキシアントラセン、9,10‐ジエトキシアントラセン、2‐エチル‐9,10‐ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
【0045】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2‐イソプロピルチオキサントン、4‐イソプロピルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、2,4‐ジクロロチオキサントン、1‐クロロ‐4‐プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0046】
光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB‐F」(保土谷化学工業社製)などが挙げられる。
【0047】
これらの光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。
【0048】
本発明の感光性樹脂組成物における光重合開始剤及び光重合開始助剤の組合せとしては、ジエトキシアセトフェノン/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2‐メチル‐2‐モルホリノ‐1‐(4‐メチルチオフェニル)プロパン‐1‐オン/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐〔4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン‐1‐オン/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐〔4‐(1‐メチルビニル)フェニル〕プロパン‐1‐オンのオリゴマー/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルホリノフェニル)ブタン‐1‐オン/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせなどが挙げられ、好ましくは2‐メチル‐2‐モルホリノ‐1‐(4‐メチルチオフェニル)プロパン‐1‐オン/4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組合せが挙げられる。
【0049】
本発明で用いられる(e)溶剤としては、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類などが挙げられる。
【0050】
エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4‐ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
【0051】
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
【0052】
ケトン類としては、例えば、アセトン、2‐ブタノン、2‐ヘプタノン、3‐ヘプタノン、4‐ヘプタノン、4‐メチル‐2‐ペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0053】
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
【0054】
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸‐n‐ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3‐オキシプロピオン酸メチル、3‐オキシプロピオン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐メトキシプロピオン酸エチル、3‐エトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチル、2‐オキシプロピオン酸メチル、2‐オキシプロピオン酸エチル、2‐オキシプロピオン酸プロピル、2‐メトキシプロピオン酸メチル、2‐メトキシプロピオン酸エチル、2‐メトキシプロピオン酸プロピル、2‐エトキシプロピオン酸メチル、2‐エトキシプロピオン酸エチル、2‐オキシ‐2‐メチルプロピオン酸メチル、2‐オキシ‐2‐メチルプロピオン酸エチル、2‐メトキシ‐2‐メチルプロピオン酸メチル、2‐エトキシ‐2‐メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2‐オキソブタン酸メチル、2‐オキ
ソブタン酸エチル、3‐メトキシブチルアセテート、3‐メチル‐3‐メトキシブチルアセテート、γ‐ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0055】
アミド類としては、例えば、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
【0056】
その他の溶剤としては、例えば、N‐メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
【0057】
上記した溶剤の中でも、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2‐ヘプタノンなどが好ましく用いられる。
【0058】
前記溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、感光性樹脂組成物中の前記溶剤の含有量は質量分率で、通常50質量%以上90質量%以下、好ましくは60質量%以上85質量%以下である。溶剤の含有量が50質量%以上90質量%以下とすると、平坦性が良好となり、カラーフィルタ化したきに十分な色濃度が得られ好ましい。
【0059】
本発明の感光性樹脂組成物には、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミノ化合物、硬化剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0060】
以下に、本発明のカラーフィルタ実施例1〜4および比較例1、2を得るための方法を記述する。
【0061】
<樹脂ブラックマトリクス層の形成>
<感光性黒色組成物の作製>
黒色着色組成物は、以下の組成の混合物を混合攪拌して作製した(固形分中の顔料濃度:30.7%)。
カーボンブラック分散液:御国色素社製(TPBK‐2016) 28.5重量部樹脂:V259‐ME(新日鐵化学社製)(固形分56.1重量%) 10.3重量部モノマー:DPHA(日本化薬社製) 2.58重量部開始剤:OXE‐02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.86重量部溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
エチル‐3‐エトキシプロピオネート 92.0重量部レベリング剤 1.3重量部である。
【0062】
<樹脂ブラックマトリクス層の形成>
最も大きい面の2辺が1100mmかつ1300mmである透明基板上に黒色着色組成物を、スリットコーターを用いて膜厚1.5μmとなるように塗布した。100℃で3分乾燥の後、露光機にて格子状のパターン露光を200mJ照射して、アルカリ現像液にて60秒間現像、230℃で60分加熱処理を行って、格子状のブラックマトリクス層を透明基板上に形成した。なお、アルカリ現像液は以下の組成からなる。以下、実施例及び比較例ではこのアルカリ現像液を用いて現像を行う。
炭酸ナトリウム 1.5重量%炭酸水素ナトリウム 0.5重量%
陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」) 8.0重量%水 90.0重量%である。
【0063】
<赤色、緑色、青色の各着色層の形成>
・赤色着色組成物
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
赤色顔料:C.I.PigmentRed254 18部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッドB‐CF」)赤色顔料:C.I.PigmentRed177 2部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)分散剤(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」) 2部アクリルワニス(固形分20%) 50部その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色組成物を得た。
上記分散体 72部カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8部
(日本化薬社製「カヤラッドDPCA‐30」)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10部
(日本化薬社製「カヤラッドDPHA」)
メチル化メラミン樹脂(三和ケミカル社製「MW30」) 10部開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」) 3部増感剤(保土ヶ谷化学工業社製「EAB‐F」) 1部シクロヘキサノン 253部である。
【0064】
<緑色着色組成物>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して緑色顔料の分散体を作製した。
緑色顔料:C.I.PigmentGreen36 16部
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン 6YK」)
黄色顔料:C.I.PigmentYellow150 8部
(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y‐5688」)
分散剤(ビックケミー社製「Disperbyk‐163」) 2部アクリルワニス(固形分20%) 102部その後、上記分散体を128部用い、さらに下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して緑色着色組成物を得た。
トリメチロールプロパントリアクリレート 14部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」) 4部増感剤(保土ヶ谷化学工業社製「EAB‐F」) 2部シクロヘキサノン 257部である。
【0065】
<青色着色組成物>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して青色顔料の分散体を作製した。
青色顔料:C.I.PigmentBlue15 30部
(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)
紫色顔料:C.I.PigmentViolet23 2部
(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 6部アクリルワニス(固形分20%) 200部その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して青色着色組成物を得た。
上記分散体 238部トリメチロールプロパントリアクリレート 19部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」) 4部増感剤(保土ヶ谷化学工業社製「EAB‐F」) 2部シクロヘキサノン 214部である。
【0066】
<着色層の形成>
得られた赤色着色組成物、緑色着色組成物、青色着色組成物を用いて下記の要領で画素となる着色層を形成した。前述の樹脂ブラックマトリクス層を形成した透明基板上に、赤色着色組成物をスリットコーターを用いて膜厚2μmとなるように塗布した。乾燥の後、露光機にてストライプ状のパターン露光をし、アルカリ現像液にて90秒間現像、230℃で20分加熱して定着、ストライプ状の赤色着色層を透明基板上に形成した。
【0067】
次に、緑色着色組成物も同様にスリットコーターにて膜厚が2μmとなるように塗布。乾燥後、露光機にてストライプ状の着色層を前述の赤色着色層とはずらした場所に露光し現像することで、前述赤色着色層と隣接した緑色着色層を形成した。
【0068】
さらに、赤色、緑色と全く同様にして、青色着色組成物についても膜厚2μmで赤色着色層、緑色着色層と隣接した青色着色層を形成した。
【0069】
<透明膜層の形成>
<透明膜形成用感光性樹脂組成物の作製>
透明膜層に用いる感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物1)を以下のように作製した。
【0070】
<バインダーポリマーA1の作製>
撹拌装置及び冷却管のついた丸底フラスコに、
(A)トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂 200部
(日本化薬製、EPPN‐503、エポキシ当量200、軟化点83℃)
(C)アクリル酸 72部重合禁止剤:メチルハイドロキノン 0.2部溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 169.1部を仕込み、90℃に昇温、溶解した。ついで、60℃まで冷却し
反応触媒:トリフェニルホスフィン 1.2部を仕込み、95℃で32時間反応させた後、
(D)テトラヒドロ無水フタル酸 112.6部を仕込み、95℃で15時間反応させバインダーポリマーA1を得た。
【0071】
<バインダーポリマーA2の作製>
撹拌装置及び冷却管のついた丸底フラスコに、
(A)共重合型エポキシ樹脂 310部
(日本油脂製、ブレンマーCP‐50M、エポキシ当量310、平均分子量6000)(C)アクリル酸 72部
重合禁止剤:メチルハイドロキノン 0.3部溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 244.5部を仕込み、60℃に昇温、溶解した。ついで、60℃まで冷却し、
反応触媒:トリフェニルホスフィン 1.8部を仕込み、95℃で32時間反応させた後、
(D)無水コハク酸 70部を仕込み、95℃で15時間反応させ、バインダーポリマーA2を得た。
【0072】
<バインダーポリマーA3の作製>
内容量が2リットルの5つ口反応容器内に、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)溶剤 800gベンジルメタクリレート(BzMA) 30gブチルメタクリレート(BMA) 78gメタクリル酸(MAA) 44gヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 48gアゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 4gを加え窒素を吹き込みながら80℃で6時間加熱し、バインダーポリマーA3を得た。
【0073】
下記物質を混合して、感光性樹脂組成物1を得た。
(a)バインダーポリマーA1: 20.8質量部(b)光重合性化合物: 10.9質量部
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製KAYARD DPHA)(c)光重合開始剤: 3.2質量部
OXE‐02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
(d)界面活性剤: 0.3質量部
BYK‐170(固型分30質量%)(BYKChemie社製)
(e)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 64.8質量部である。
【0074】
以下同様にして、感光性樹脂組成物2〜6を得た。
【0075】
<感光性樹脂組成物2の製造>
(a)バインダーポリマーA1: 16.5質量部(b)光重合性化合物: 13.2質量部(c)光重合開始剤: 2.5質量部(d)界面活性剤: 0.2質量部(e)溶剤: 67.6質量部である。
【0076】
<感光性樹脂組成物3の製造>
(a)バインダーポリマーA2: 13.5質量部(b)光重合性化合物: 8.3質量部(c)光重合開始剤: 2.1質量部(d)界面活性剤: 0.4質量部(e)溶剤: 75.7質量部である。
【0077】
<感光性樹脂組成物4の製造>
(a)バインダーポリマーA2: 9.8質量部(b)光重合性化合物: 8.3質量部
(c)光重合開始剤: 3.1質量部(d)界面活性剤: 0.2質量部(e)溶剤: 78.6質量部である。
【0078】
<感光性樹脂組成物5の製造>
(a)バインダーポリマーA2: 8.1質量部(b)光重合性化合物: 7.9質量部(c)光重合開始剤: 3.4質量部(d)界面活性剤: 0.2質量部(e)溶剤: 80.4質量部である。
【0079】
<感光性樹脂組成物6の製造>
(a)バインダーポリマーA3: 20.3質量部(b)光重合性化合物: 10.2質量部(c)光重合開始剤: 2.1質量部(d)界面活性剤: 0.1質量部(e)溶剤: 32.7質量部である。
【0080】
<透明膜層の形成>
前記得られた感光性樹脂組成物1を上述の着色層付きカラーフィルタ上に仕上がり膜厚2μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥した。透明膜層形成用のフォトマスクを介して高圧水銀灯の光を100mJ/cm
2照射した。なお、フォトマスクとガラス基板との間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。その後、上記した着色層の作製と同様の現像液を用いて現像をした。水洗を施したのち、230℃30分焼成して透明膜層を形成した。上記のように本発明における実施例1であるカラーフィルタを作成した。
【0081】
実施例1と同様に、感光性樹脂組成物2〜6を用いて、実施例2〜4および比較例1および2を作成した。
【0082】
<評価項目>
<得られた感光性樹脂組成物の反応温度>
上記実施例及び比較例で得られた透明膜形成用感光性樹脂組成物1〜6をスピンコート法によりガラス基板板上に塗布し、90℃で5分間乾燥した。乾燥した塗膜を清浄なカッターで削り、各々アルミセル中に1mg秤量し、セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度を毎分10℃、窒素気流下で測定を行った。
【0083】
図1に透明膜形成用感光性樹脂組成物からなる乾燥塗膜の示差熱分析結果の一例を示す。発熱ピーク温度は示差走査熱量の最大ピーク温度(α点)2及びα点マイナス40℃の温度(β点)3、α点+40℃の温度(γ点)4を示差走査熱量曲線上にプロットし、β点3を起点とする接線とベースライン6との交点をピークの開始温度1、γ点4を起点とする接線とベースライン6との交点をピーク終了温度5とした。また、ピーク開始温度1とピーク終了温度5の差分の50%をピークの半値幅とした。
【0084】
半値幅が85℃以下で、かつピーク終了温度5が230℃
以下の場合を○とした。測定結果を表1に示す。
【0085】
<得られた感光性樹脂組成物のガスバリア性>
上記実施例及び比較例で得られた透明膜形成用感光性樹脂組成物1〜6をスピンコート法によりガラス基板板上に塗布し、90℃で5分間乾燥した。乾燥した塗膜を清浄なカッターで削り、各々アルミセル中に1mg秤量し、セイコーインスツルメンツ社製EXSTAR TG/DTA7000を用いて、120℃で1時間加熱した際の重量減少率を測定した。熱重量減少率が1%以内の場合を○とした。評価結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
<得られたカラーフィルタの評価>
<平坦化能率>
上記実施例及び比較例で得られたカラーフィルタを、小坂研究所製二次元微細形状測定器ET4000Tを用いて測定し、透明膜の平坦化能率FAを評価した。平坦化能率FAは透明膜層の平坦性を評価する指標であり、式(1)から式(4)で表される。平坦化能率FAが0.9以上の場合を○とした。評価結果を表1に示す。
FA=(FR+FG+FB)/3 ・・・式(1)FR=(HR(2)−LR(2))/(HR(1)−LR(1)) ・・・式(2)FG=(HG(2)−LG(2))/(HG(1)−LG(1)) ・・・式(3)FB=(HB(2)−LB(2))/(HB(1)−LB(1)) ・・・式(4)HR(1):透明膜層を形成
した後のRed画素高さの最大値
LR(1):透明膜層を形成
した後のRed画素高さの最小値
HG(1):透明膜層を形成
した後のGreen画素高さの最大値
LG(1):透明膜層を形成
した後のGreen画素高さの最小値
HB(1):透明膜層を形成
した後のBlue画素高さの最大値
LB(1):透明膜層を形成
した後のBlue画素高さの最小値
HR(2):透明膜層を形成する前のRed画素高さの最大値
LR(2):透明膜層を形成する前のRed画素高さの最小値
HG(2):透明膜層を形成する前のGreen画素高さの最大値
LG(2):透明膜層を形成する前のGreen画素高さの最小値
HB(2):透明膜層を形成する前のBlue画素高さの最大値
LB(2):透明膜層を形成する前のBlue画素高さの最小値
表1に示す結果から、以下のことが明らかである。即ち、透明膜層を形成する感光性樹脂組成物が昇温速度10℃/分での示差走査熱量測定(DSC測定)において単ピークを示し、かつ該ピークの半値幅が85℃以下であり、ピークの終了温度が230℃以下である場合、優れた平坦化能率を有するカラーフィルタを実現できることがわかる。
【0087】
本発明のDSC測定において観測される単ピークは、感光性樹脂組成物の発熱であり、感光性樹脂組成物の硬化反応を示すと考えられる。硬化反応速度が速いと、半値幅が小さく、反応終了温度が低いと、ピーク終了温度が低い。本発明の感光性樹脂組成物1から5の結果から、反応速度が速く、反応終了温度が低いと、平坦化能率が高いことがわかる。
【0088】
一方、感光性樹脂組成物5は半値幅が84℃と小さいが、ピーク終了温度5が240℃と高く、平坦化能率が0.85と低く、ピーク終了温度5が高いことが要因と推測される。
【0089】
さらに、表1の結果から、透明膜層を形成する感光性樹脂組成物が、(a)バインダーポリマー、(b)光重合化合物、(c)光重合開始剤、(d)界面活性剤、および(e)溶剤を有する化合物を含有し、(a)バインダーポリマーが、分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)と1分子中に不飽和2重結合とカルボキシル基を1つずつ有する化合物(B)と任意成分として飽和モノカルボン酸(C)との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレートと必要に応じて多塩基酸無水物(D)を反応させた不飽和基含有樹脂(E)が含まれると、ガスバリア性に優れた透明膜層を形成できることがわ
かる。
【0090】
エポキシ当量は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定義される。実施例1、2では、バインダーポリマーA1が使われ、実施例3、4では、バインダーポリマーA2を使用している。バインダーポリマーA1に用いた日本化薬製、EPPN‐503のエポキシ当量200であり、バインダーポリマーA2に用いた日本油脂製、ブレンマーCP‐50Mのエポキシ当量310であり、実施例1、2の半値幅が72、75.5、終了温度187℃、193℃であり、実施例3、4の半値幅が82.5、83、終了温度210℃、223℃であることから、エポキシ基を増やすと、早く反応が終了するので半値幅が小さくなり、ピーク終了温度も小さくなることが分る。