特許第6102404号(P6102404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6102404シリカゾルグラウトの製造方法及び製造設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6102404
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】シリカゾルグラウトの製造方法及び製造設備
(51)【国際特許分類】
   C09K 17/12 20060101AFI20170316BHJP
   C09K 17/02 20060101ALN20170316BHJP
   C09K 103/00 20060101ALN20170316BHJP
【FI】
   C09K17/12 P
   !C09K17/02 P
   C09K103:00
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-65911(P2013-65911)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-189622(P2014-189622A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2016年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115463
【氏名又は名称】ライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】大西 高明
(72)【発明者】
【氏名】永岡 藤彦
【審査官】 柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−027023(JP,A)
【文献】 特開2009−255042(JP,A)
【文献】 特開2012−219248(JP,A)
【文献】 特開昭63−307105(JP,A)
【文献】 特開昭61−227915(JP,A)
【文献】 特開昭55−112288(JP,A)
【文献】 特開平4−093392(JP,A)
【文献】 特開平7−313860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 17/00−17/52
E02D 3/12
C01B 33/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ガラス及び酸を混合してシリカ濃度が12〜20(質量/容量)%のシリカゾルグラウトを製造する方法であって、
液体貯留槽及びラインミキサーを有し、前記ラインミキサーの一端部に繋がる送液及び他端部に繋がる返液が備わる液体循環機構を用いて、前記液体貯留槽内の酸を、前記送液路を通して前記ラインミキサーに送り、このラインミキサーを通した後、前記返液路を通して前記液体貯留槽に戻すことで循環させ、
前記ラインミキサーの一端部に繋がる水ガラス供給路を通して水ガラスを前記ラインミキサーに送ることで、循環する酸に前記ラインミキサーにおいて水ガラスを混入する、
ことを特徴とするシリカゾルグラウトの製造方法。
【請求項2】
前記ラインミキサーにおいて混入する水ガラスの流量を、前記送液を通して当該ラインミキサーに送る液体の流量の1/0.5〜1/10とする、
請求項1記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【請求項3】
前記液体貯留槽内のシリカ濃度が所定値まで高まった段階で、前記酸を循環させたまま前記液体貯留槽内の液体を抜き始め、この抜き出す液体の容量に応じて前記液体貯留槽内に酸を追加する、
請求項1又は請求項2記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【請求項4】
前記酸の追加を前記送液に対して行う、
請求項3記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【請求項5】
前記液体の抜き出しを、前記返液から行う、
請求項3又は請求項4記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【請求項6】
水ガラス及び酸を混合してシリカ濃度が12〜20(質量/容量)%のシリカゾルグラウトを製造する設備であって、
液体貯留槽及びラインミキサーを有し、前記ラインミキサーの一端部に繋がる送液及び他端部に繋がる返液が備わり、前記液体貯留槽内の酸を、前記送液路を通して前記ラインミキサーに送り、このラインミキサーを通した後、前記返液路を通して前記液体貯留槽に戻すことで循環させる液体循環機構と、
前記液体貯留槽に酸を供給する酸供給手段と、前記ラインミキサーの一端部に繋がり、かつ当該ラインミキサーに水ガラスを供給する水ガラス供給と、が備えられており、前記水ガラス供給路を通して水ガラスを前記ラインミキサーに送ると、循環する酸に前記ラインミキサーにおいて水ガラスが混入される構成とされている、
ことを特徴とするシリカゾルグラウトの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良等に使用可能なシリカゾルグラウトの製造方法及び製造設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬液注入工法に使用する注入材(薬液)としては、酸等の反応剤を添加してゲル化させる水ガラス系のグラウトが存在する。しかしながら、この水ガラス系のグラウトを使用すると、水ガラスが高アルカリ性であるが故に、注入地盤がpH10〜12程度のアルカリ性になり、注入地盤の地下水がアルカリ性になるおそれがある。また、水ガラス系のグラウトを使用すると、ゲル化しなかった水ガラスが地盤から溶出するため、注入地盤の耐久性が不十分になるおそれもある。
【0003】
そこで、現在では、水ガラス及び中和剤たる酸を混合して非アルカリ性又は酸性のシリカゾルグラウトを得、このシリカゾルグラウトを注入材として使用する方法(工法)も存在する。この方法は、水ガラスを原料とするものの、シリカ粒子をゾル状に加工したうえで地盤に注入するものであるため、上記水ガラス系のグラウトを使用した場合におけるような問題が生じない。
【0004】
また、このシリカゾルグラウトは更なる改良が進められており、例えば、非アルカリ性又は酸性のシリカゾルにポリ塩化アルミニウム(PAC)を添加した注入材が提案されるに至っている(例えば、特許文献1、2等参照。)。この注入材は、ゲルタイムを自由に調節することができ、大変有用であるとされている。しかしながら、この注入材は、ゲルタイムを自由に調節することができるものの、その製造工程(作液工程)には、改良前のシリカゾルグラウトの場合と同様に、次に示すような問題が存在する。
【0005】
すなわち、シリカゾルグラウトの製造方法としては、例えば、図3の(1)に示すように、希釈酸Xを撹拌手段101で撹拌しつつ、当該希釈酸Xに希釈水ガラスYを添加する方法がある。しかしながら、この製造方法には、希釈酸Xに対する水ガラスYの混合割合を増やすと、撹拌手段101による撹拌が困難になるとの問題がある。また、この製造方法によると、希釈酸Xに水ガラスYを混入した際にpHが不安定になり(pHショック)、部分ゲルが生じるおそれがある。
【0006】
一方、シリカゾルグラウトの製造方法としては、例えば、図3の(2)に示すように、希釈酸X及び希釈水ガラスYを、ラインミキサー102を使用して混合する方法もある。しかしながら、この製造方法による場合は、希釈酸Xに対する希釈水ガラスYの混合割合を増やした場合にゲル化が生じる。したがって、希釈水ガラスYの混合割合を多くすることができず、得られるシリカゾルグラウトのシリカ濃度を十分に高くすることができない。この点、近年では、注入地盤の強度向上の要求が強く、シリカ濃度の向上も強く望まれている。したがって、シリカ濃度を十分に高くすることができない製造方法は大きな弱点を有することになる。また、この製造方法においても、希釈酸X及び希釈水ガラスYがラインミキサー102において接触した際にpHが不安定になるため、部分ゲルが生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭59−196388号公報
【特許文献2】特開2012−241368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする主たる課題は、シリカ濃度を高くすることができるシリカゾルグラウトの製造方法及び製造設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するための本発明は、次の通りである。
〔請求項1記載の発明〕
水ガラス及び酸を混合してシリカ濃度が12〜20(質量/容量)%のシリカゾルグラウトを製造する方法であって、
液体貯留槽及びラインミキサーを有し、前記ラインミキサーの一端部に繋がる送液及び他端部に繋がる返液が備わる液体循環機構を用いて、前記液体貯留槽内の酸を、前記送液路を通して前記ラインミキサーに送り、このラインミキサーを通した後、前記返液路を通して前記液体貯留槽に戻すことで循環させ、
前記ラインミキサーの一端部に繋がる水ガラス供給路を通して水ガラスを前記ラインミキサーに送ることで、循環する酸に前記ラインミキサーにおいて水ガラスを混入する、
ことを特徴とするシリカゾルグラウトの製造方法。
【0010】
〔請求項2記載の発明〕
前記ラインミキサーにおいて混入する水ガラスの流量を、前記送液を通して当該ラインミキサーに送る液体の流量の1/0.5〜1/10とする、
請求項1記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
前記液体貯留槽内のシリカ濃度が所定値まで高まった段階で、前記酸を循環させたまま前記液体貯留槽内の液体を抜き始め、この抜き出す液体の容量に応じて前記液体貯留槽内に酸を追加する、
請求項1又は請求項2記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【0012】
〔請求項4記載の発明〕
前記酸の追加を前記送液に対して行う、
請求項3記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【0013】
〔請求項5記載の発明〕
前記液体の抜き出しを、前記返液から行う、
請求項3又は請求項4記載のシリカゾルグラウトの製造方法。
【0014】
〔請求項6記載の発明〕
水ガラス及び酸を混合してシリカ濃度が12〜20(質量/容量)%のシリカゾルグラウトを製造する設備であって、
液体貯留槽及びラインミキサーを有し、前記ラインミキサーの一端部に繋がる送液及び他端部に繋がる返液が備わり、前記液体貯留槽内の酸を、前記送液路を通して前記ラインミキサーに送り、このラインミキサーを通した後、前記返液路を通して前記液体貯留槽に戻すことで循環させる液体循環機構と、
前記液体貯留槽に酸を供給する酸供給手段と、前記ラインミキサーの一端部に繋がり、かつ当該ラインミキサーに水ガラスを供給する水ガラス供給と、が備えられており、前記水ガラス供給路を通して水ガラスを前記ラインミキサーに送ると、循環する酸に前記ラインミキサーにおいて水ガラスが混入される構成とされている、
ことを特徴とするシリカゾルグラウトの製造設備。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、シリカ濃度を高くすることができるシリカゾルグラウトの製造方法及び製造設備となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本形態に係るシリカゾルグラウトの製造設備フロー図である。
図2】本形態に係るシリカゾルグラウトの製造設備フロー図の変形例である。
図3】従来のシリカゾルグラウトの製造設備フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本形態のシリカゾルグラウトの製造設備は、水ガラス及び酸を混合して非アルカリ性又は酸性のシリカゾルグラウトを製造する設備であり、酸(液体)やこの酸に水ガラスが混入されてなる液体を循環する液体循環機構が備わる。
【0018】
この液体循環機構は、図1に示すように、液体貯留槽11及び液体混合手段、図示例ではラインミキサー2を有し、液体貯留槽11内の液体をラインミキサー2に送る送液手段、図示例では送液路21、及びラインミキサー2からの液体を液体貯留槽11内に戻す返液手段、図示例では返液路1が備わる。
【0019】
また、本製造設備には、ラインミキサー2に水ガラスYを供給する水ガラス供給手段が備わる。この水ガラス供給手段は、水ガラス貯留槽12及び水ガラス供給路22を有し、水ガラス貯留槽12内の水ガラスYが水ガラス供給路22を通してラインミキサー2に送られる構成とされている。
【0020】
本製造設備を使用してシリカゾルグラウトを製造するにあたっては、必要により、図示しない酸供給手段等を使用して液体貯留槽11に酸Xを供給し、この液体貯留槽11内に酸Xを貯留しておく。この酸Xは、送液路21を通してラインミキサー2に送り、このラインミキサー2を通した後、返液路1を通して液体貯留槽11に戻すことで循環させる。この循環は、図示しない循環ポンプ等を使用して行うことができる。
【0021】
循環する酸Xには、ラインミキサー2において水ガラスYを混入する。この水ガラスYの混入は、水ガラス供給路22を通して行う。このような酸Xと水ガラスYとの混合方法によると、循環する酸Xに対して、徐々に水ガラスYが混入されることになるため、pHショックが少ない。したがって、水ガラスYの最終的な混合割合を多くすることができ、得られるシリカゾルグラウトのシリカ濃度を十分に高くすることができる。
【0022】
ラインミキサー2において混入する水ガラスYの流量は、送液路21を通してラインミキサー2に送られてくる液体の流量の1/0.5〜1/10とするのが好ましく、1/1〜1/10とするのがより好ましく、1/3〜1/10とするのが特に好ましい。水ガラスYの混入割合が1/0.5を上回ると、部分ゲルが生じるおそれがあり、この部分ゲルが原因となって、特に返液路1が詰まるおそれがある。他方、水ガラスYの混入割合が低過ぎると、部分ゲルが生じるおそれはないが作業効率が悪くなる。また、酸濃度が高い溶液中のシリカゾルは不安定なため、ゲル化時間が短くなり、部分ゲルが生じるおそれはないが、溶液全体がゲル化するおそれがある。
【0023】
なお、送液路21を通してラインミキサー2に送られてくる液体は、当初は酸Xであるが、本工程における水ガラスYの混入によって循環する液体が酸X及び水ガラスYの混合液(反応液)に変わり、したがって途中から混合液となる。
【0024】
以上の製造設備には、様々な改良を加えることができる。しかるに、例えば、図2に示すように、液体貯留槽11内の液体のシリカ濃度が所定値まで高まった段階で当該液体貯留槽11内の液体(上記混合液)を、排液路23を通して抜き始めると好適である。この抜き出した液体は、シリカ濃度が所定値まで高まっており、そのままの状態で、あるいは適宜必要な処理を施したうえで、注入材たるシリカゾルグラウトとして使用することができる。
【0025】
ここでシリカ濃度の「所定値」とは、得られるシリカゾルグラウトの所望とされるシリカ濃度であり、例えば、12〜20(質量/容量)%とすることができる。なお、所定値(シリカ濃度)が20%を上回ると、上記返液路1において部分ゲルが生じるおそれがある。他方、所定値が12%を下回ると、従来の方法に対する本方法の優位性が不十分なものとなる。
【0026】
一方、以上のように液体貯留槽11内の液体を抜き出す場合においては、この抜き出す液体の容量に応じて、つまり抜き出す液体の容量と同量のシリカゾルグラウトを作液するのに必要な酸Xを液体貯留槽11内に追加する。この酸Xの追加を行うことで、シリカグラウトの製造を連続的に行うことができる。
【0027】
酸Xの追加は、例えば、酸貯留槽13及び酸供給路24を有する酸供給手段を使用して行うことができる。この酸供給手段を使用する場合は、酸貯留槽13内に貯留された酸Xが酸供給路24を通して液体貯留槽11内に供給される。ただし、酸貯留槽13内の酸Xは、液体貯留槽11ではなく送液路21に送る(供給する)こともできる。この方法によると、供給した酸Xが、水ガラスYと混合される前に液体貯留槽11内から抜き出されてしまうのを防止することができる。なお、酸Xは、例えば連絡路25通して送液路21に送ることができる。
【0028】
一方、酸Xが水ガラスYと混合される前に液体貯留槽11内から抜き出されてしまうのを防止するためには、返液路1から第2の排液路26を通して液体(混合液)を抜き出す方法も考えることができる。
【0029】
〔水ガラス〕
水ガラスとしては、例えば、JIS1408に規定の珪酸ソーダ(XNa2O・YSiO2)相当品、すなわち、JIS1号、2号、3号水ガラスや、珪素を溶解してモル比4以上の高モル比とした水ガラス、脱アルカリして高モル比とした水ガラス等の中から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
【0030】
また、本形態においては、ナトリウム以外のアルカリ金属、例えば、カリウムやリチウム等を成分とする水ガラスも使用することができる。なお、JIS3号水ガラスは、SiO2(28〜30質量%)、Na2O(9〜10質量%)及び水(残部)からなる水ガラスであり、モル比が2.8〜3.33である。なお、シリカゾルグラウト(注入材)のゲルタイムを短くする場合は、モル比4.5以上の水ガラスを使用するのが好ましい。
【0031】
水ガラスは、中和剤たる酸と混合するに先立って水で希釈するのが好ましい。水ガラスを水で希釈しておくと、酸と混合した際における水ガラスのゲル化をより確実に防止することができる。水での希釈は、シリカ濃度が25(質量/容量)%以下となるように行うのが好ましく、15〜20(質量/容量)%となるように行うのがより好ましい。
【0032】
〔中和剤たる酸〕
水珪酸(H2SiO2(OH)2)の酸解離定数は、pKa1=9.86、pKa2=13.1であるため、水ガラスと混合する酸としては、その酸解離定数が、9.86以下の酸を使用するのが好ましい。酸解離定数が9.86以下の酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、クエン酸等を例示することができる。ただし、コストの観点からは硫酸を混合するのが好ましく、安定性の観点からは塩酸を混合するのが好ましい。
【0033】
中和剤たる酸は、水ガラスと混合するに先立って水で希釈するのが好ましい。酸を水で希釈しておくと、水ガラスと混合した際における酸の水和熱が減少し、水ガラスのゲル化をより確実に防止することができる。水での希釈は、酸濃度が20〜70(質量)%となるように行うのが好ましく、30〜60(質量)%となるように行うのがより好ましい。
【実施例】
【0034】
次に、本発明の実施例を説明する。
図1に示したシリカゾルグラウトの製造設備を使用して、酸及び水ガラスを混合する試験を行った。液体貯留槽11に貯留する酸Xとしては、75%硫酸と水とを混合した希釈硫酸を使用した。また、水ガラス貯留槽12に貯留し、ラインミキサー2に供給する水ガラスYとしては、5号水ガラス(SiO2(26質量%)、Na2O(7.2質量%))と水とを混合した希釈水ガラスを使用した。試験結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
この試験結果から、ラインミキサー2において混入する水ガラスYの流量を、当該ラインミキサー2に送る液体(X,X+Y)の流量の1/0.5〜1/10とすると、たとえシリカ濃度が高かったとしても、あるいは酸Xや水ガラスYを流す速度(線速)が遅かったとしても、部分ゲルが生じるのをより確実に防止できることを知見した。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、地盤改良等に使用可能なシリカゾルグラウトの製造方法及び製造設備として適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…返液路、2…ラインミキサー、11…液体貯留槽、12…水ガラス貯留槽、13…酸貯留槽、21…送液路、X…酸、Y…水ガラス。
図1
図2
図3