(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に、利用者が手軽にラジオ放送や音楽等を聞くためには、スマートフォン等の小型の携帯音響再生装置が使用される場合が多い。この場合、利用者は、通常は小型のヘッドフォンやイヤホンによってラジオ放送や音楽等を聞く。一方、例えば屋外の建築工事現場等でこうしたラジオ放送や音楽等を複数の作業者が同時に聞く場合もあり、こうした場合には、大きなスピーカから音声信号を出力させる必要がある。しかしながら、携帯音響再生装置に搭載される小型のバッテリは低容量であるため、このバッテリを用いて大きなスピーカから出力をさせることは困難である。このため、こうした状況で使用をする場合には、大きなスピーカと大容量の電源を具備し携帯音響再生装置とは別体とされた音響装置に、小型の携帯音響再生装置を装着し、携帯音響再生装置の出力信号を増幅してスピーカから出力させる構成が有効である。
【0003】
こうした音響機器の構成は、例えば特許文献1に記載されている。この音響機器(オーディオプレーヤ)においては、この音響機器が設置された際の前方に設けられたモジュラードッキングユニットに携帯音響再生装置(MP3プレーヤ)が装着される。携帯音響再生装置の形状は、一般的には小型の薄板状であり、表示部はその一方の主面に設けられる。この音響機器においては、その前面において、携帯音響再生装置の表示部が正面を向くように、携帯音響再生装置が正立した状態でモジュラードッキングユニットに装着される。この構成により、装着された携帯音響再生装置の出力を、この音響機器が具備する大きなスピーカを用いて出力させることができる。
【0004】
また、この音響機器の前面には、この音響機器の動作状況を表示する表示灯が設けられる。更に、この音響装置側から電力を供給して、取り付けられた携帯音響再生装置の充電を行うこともできる。
【0005】
この構成により、携帯音響再生装置を利用し、大きな音声出力を得ることのできる音響機器を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、上記の音響機器は、屋外の建築作業現場において地面に置かれて使用される。この場合、例えば雨天時や粉塵の多い環境下で使用される場合もある。こうした劣悪な環境下で使用される場合において、特許文献1に記載の音響機器においては、取り付けられた携帯音響再生装置(MP3プレーヤ)に水滴や粉塵が付着することがある。また、作業環境下においては、取り付けられた携帯音響再生装置に物が当たりやすく損傷しやすいことも明らかである。
【0008】
すなわち、携帯音響再生装置が装着されて動作する音響機器において、高い信頼性を得ることは困難であった。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の音響機器は、音声出力装置を具備する本体に携帯音響再生装置が設置され、当該携帯音響再生装置の出力信号を前記音声出力装置から出力する音響機器であって、前記本体において、前記携帯音響再生装置を内部に収納する収納部が、上下方向に回動可能な状態で設けられたことを特徴とする。
本発明の音響機器は、前記音響機器を持ち運ぶ際に利用者に把持されるハンドルが、前記音響機器が設置された際の前記本体の上面において上下方向に回動可能な状態で設けられ、前記収納部は、前記ハンドルと一体化されたことを特徴とする。
本発明の音響機器において、前記収納部は、前記携帯音響再生装置が収納された内部を覆う開閉可能なカバーを具備することを特徴とする
。
本発明の音響機器は、音声出力装置を具備する本体に携帯音響再生装置が設置され、当該携帯音響再生装置の出力信号を前記音声出力装置から出力する音響機器であって、前記本体は、前記音響機器が設置された際の下側に設けられた裏蓋回動軸を中心として、
前後方向に移動するように回動する裏蓋を具備し、前記裏蓋は、裏蓋上面が後方に移動した場合に開き、前方に移動した場合に閉じる開閉動作を行い、前記裏蓋上面には、前記携帯音響再生装置を内部に収納する収納部が取り付けられたことを特徴とする。
本発明の音響機器において、前記本体の上面には、前記裏蓋が閉じた状態において前記
裏蓋上面を固定する裏蓋ラッチ部が設けられ、前記裏蓋が閉じた状態において、前記収納部は、前記
裏蓋上面において、前記裏蓋ラッチ部よりも後方に配置されたことを特徴とする。
本発明の音響機器において、前記収納部は、前記携帯音響再生装置が収納された内部を覆う開閉可能なカバーを具備することを特徴とする
。
【発明の効果】
【0011】
本発明は以上のように構成されているので、携帯音響再生装置が装着されて動作する音響機器において、高い信頼性を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態となる音響機器の構成について説明する。この音響機器においては、携帯音響再生装置が装着され、その音声出力が増幅されて出力される。その電源としては、脱着が容易なバッテリパックが用いられる。この音響機器における本体の上部には、折り畳み式のハンドルが設けられる。
【0014】
一般に、商用AC100Vの電源の供給が困難である屋外等で使用される電気機器の電源としては、バッテリパック(バッテリパック:蓄電池)を使用することが好ましい。実際に、屋外の建築工事現場等で使用される電気機器においても、バッテリパックを電源とするものが多く使用されている。また、一般に、電動工具の電源として使用されるバッテリパックは容量が大きいため、これを電源として用いた場合には電気機器の連続使用可能時間を長くとることができるため、好ましい。また、特に作業に使用する電動工具用のバッテリパックと、作業環境において使用される機器のバッテリパックとを兼用することができれば、非常に効率的である。このため、この音響機器においても、電動工具用のバッテリパックが特に好ましく用いられる。
【0015】
こうしたバッテリパックは、この音響機器とは別体の充電器で充電された後に、音響機器に装着されて使用される。このため、この音響機器においては、バッテリパックの脱着が特に容易となるような構成とされる。例えば、バッテリパックの装着は、音響機器の本体に設けられたバッテリパック設置面に沿ってバッテリパックをスライドさせ、固定用の凹部や凸部を係合させてバッテリパックをバッテリパック設置面に固定することによって行われる。この構成は、バッテリパックが用いられる電動工具と同様である。
【0016】
図1は、この音響機器1の斜視図であり、
図1(a)は本体10の上部において折り畳み式のハンドル20が開いた状態、
図1(b)はハンドル20が閉じた状態をそれぞれ示す。ハンドル20が開いた状態(
図1(a))における上部側には、グリップ21がハンドル20に設けられる。利用者は、
図1(a)の状態においてグリップ21を把持してこの音響機器1を持ち運ぶことができる。本体10の上部において、ハンドル20はハンドル回動軸22を中心として上下方向に回動自在とされることにより、この開閉動作が行われる。
図2は、ハンドル20が開いた状態(
図1(a))における側面図である。
図3は、ハンドル20が閉じた状態における上面図(a)、正面図(b)、側面図(c)、背面図(d)である。これらの図に示されるように、ハンドル20が90°回動することによってその開閉動作が行われる。この音響機器1は、ハンドル20を閉じた状態(
図1(b))においては、表面から大きく突出した構成要素がない略矩形体形状とされる。一方、ハンドル20が開いた状態(
図1(a))においては、ハンドル20が上側に突出した形態とされる。
【0017】
本体10の前面においては、下部に大きなスピーカ(音声出力装置)11が、上部に操作パネル12がそれぞれ設けられる。スピーカ11は、この音響機器1に取り付けられた携帯音響再生装置の出力となる音声信号を増幅して出力する。操作パネル12には、小型のディスプレイやスイッチ類が設けられ、利用者は、このスイッチを操作してこの音響装置1の制御(例えばスピーカ11で出力される音量の制御等)を行い、かつこの音響機器1の動作状態をディスプレイによって確認することができる。
【0018】
本体10の後側においては、前後方向に開閉動作をする裏蓋13が設けられている。裏蓋13で覆われた本体10の後側には、前記のバッテリ設置面が設けられる。裏蓋13は、左右両側の裏蓋側面131と、上側の裏蓋上面132とを具備する。本体10の後側下部において設けられた裏蓋回動軸14を中心として裏蓋13が回動することによって、裏蓋13の開閉動作が行われる。この際、裏蓋上面132が後方に移動するように裏蓋13が回動した場合には、裏蓋13が開いた状態となる。バッテリパックは、裏蓋13が開いた状態において、後方側から本体10の内部に装着される。裏蓋上面132の前端部には、裏蓋係止部(図示せず)が設けられており、裏蓋13が閉じた状態においては、本体10の上面側に設けられた裏蓋ラッチ部15に裏蓋係止部が係止した状態で固定される。これにより、裏蓋13は閉じた状態で本体10に固定される。
【0019】
なお、後方側からバッテリパックの脱着作業をしやすくするには、裏蓋13を開けた状態の本体10の後方側においては、バッテリパックの脱着作業が容易となるように、バッテリパック設置面の周囲に構造物が存在しないことが好ましい。このため、裏蓋側面131の前後方向(
図2における左右方向)における幅は、下側で小さく、上側で大きくなるように構成される。この構成により、裏蓋13を開けた場合には、本体10内部の空間は広く開放される。これにより、バッテリパックの脱着作業が容易となる。このため、上面側においては、裏蓋上面132の閉める面積は大きくなる。ハンドル回動軸22は、
図1における裏蓋上面132よりも前方の本体10の上面に設置されている。
【0020】
ここで、ハンドル20には、小型の薄板状の携帯音響再生装置(スマートフォン等)を内部に収納可能な略矩形体形状の収納部30が一体化されて固定される。このため、収納部30も、ハンドル回動軸22を中心として回動自在となる。収納部30においては、箱状の収納部本体31に対して開閉式の収納部カバー(カバー)32が取り付けられ、利用者は、収納部カバー32を開けた状態で、収納部本体31の内部に携帯音響再生装置を設置することができる。収納部カバー32の開閉動作は、ハンドル回動軸22に近い側において収納部本体31に設けられた収納部カバー回動軸33を中心として収納部カバー32を上下方向に回動することによって行われる。
図4は、この収納部カバー32が開いた状態における前方上側から見た斜視図(a)、前方左側から見た斜視図(b)をそれぞれ示す。
図4(a)は、
図1(a)の状態から収納部カバー32を開けた状態に対応する。なお、グリップ21と収納部30(収納部本体31)との間には空隙が設けられているために、利用者がグリップ21を把持する際に、収納部30が障害になることはない。
【0021】
図5は、収納部カバー31を開けた状態における収納部30(ハンドル20)の形態を示す斜視図である。ここでは、本体10側の記載は省略されており、
図4(b)において収納部30を時計回りに約90°回転させた際の形態を示している。また、
図6(a)は、ハンドル20を閉じ、収納部カバー32を開けた状態における収納部30の上面図であり、
図6(b)はそのA−A方向の部分断面図、
図6(c)はそのB−B方向の部分断面図である。
図6(a)は、収納部本体31の底面(収納部底面35)に対して垂直方向から見た図となっている。
【0022】
収納部本体31の中には、収納部本体31の底面(収納部底面35)と平行とされ、切り欠き部341が設けられた仕切り板34が設けられる。仕切り板34は、
図5の状態においては収納部底面35よりも高い位置に設けられ、上側から見て切り欠き部341においては収納部底面35が露出する。このため、収納部30の内部の空間は、
図5の状態においては仕切り板34を境界として下側と上側に区分けされ、これらの空間は切り欠き部341によって連結する。
【0023】
仕切り板341の上側の空間は、携帯音響再生装置100が設置される空間となる。このため、携帯音響再生装置100は、
図5における破線で示される形態で仕切り板34上に設置される。ここで、携帯音響再生装置100の表示部(ディスプレイ)は、薄板状の携帯音響再生装置100の一方の主面に設けられており、この面が
図5中の上側になるように設置される。一方、この携帯音響再生装置100と接続されるケーブル類(図示せず)は、仕切り板34の下側の空間に設けられる。これらのケーブル類としては、例えばUSBケーブル、音声信号ケーブル(AUXケーブル)等がある。ケーブル類の一端は、切り欠き部341を通り仕切り板34の上側に設置された携帯音響再生装置100に接続される。ケーブル類の他端は、ハンドル20の内部を通り本体10の内部に設けられた信号処理部(図示せず)に接続される。この構成により、携帯音響再生装置100から得られた出力信号は、ケーブル類を介して信号処理部に伝達され、増幅されてスピーカ11から出力される。なお、切り欠き部341の平面形状は、仕切り板34に携帯音響再生装置100を載置することができ、かつケーブル類を通過させることが可能な限りにおいて任意である。上記の例では、切り欠き部341は、仕切り板34が端部から部分的に除去された形態とされているが、例えば円形等の開口部を仕切り板34に形成し、ケーブル類をこの開口部に通す構成とすることもできる。なお、
図6(b)において、底面35を単純な平面とはせずに、底面35の中央付近にケーブル類を収容するための凹部を設けている。この際、この凹部は、裏蓋13の開閉、収納部30の設置角度によらずに、裏蓋ラッチ部15と干渉することがないように設けられる。
【0024】
仕切り板34の収納部底面35からの高さは、携帯音響再生装置100を仕切り板34に載置した状態で収納部カバー32を閉めることができるように設定される。このため、利用者は、ケーブル類を携帯音響再生装置100と接続してからこの携帯音響再生装置100を仕切り板34に載置した状態で、収納部カバー32を閉じることができる。この際、収納部本体31には、収納部カバー回動軸33と反対側に収納部カバーラッチ部36が設けられ、収納部カバー32に設けられた収納部カバー係止部37が収納部カバーラッチ部36に係止された状態でこれらが固定される。これにより、収納部カバー32は、閉じた状態で収納部本体31に固定される。
【0025】
収納部カバー32には、内部に設けられた携帯音響再生装置100の表示画面を目視できるように、透明な窓38が形成されている。これにより、利用者は、この携帯音響再生装置100の動作状況、例えばこの携帯音響再生装置100が現在出力している楽曲の名前等を確認することができる。
【0026】
また、収納部本体31の収納部底面35におけるハンドル回動軸22に近い側には、収納部30の外部に向かって小さな水抜き穴(図示せず)が形成されている。収納部底面35におけるハンドル回動軸22に近い側は、ハンドル20(収納部30)の開閉に関わらず、収納部30における下部となるので、仮に収納部30の内部に水が侵入しても、この水はこの水抜き穴から外部に抜ける。逆に、この水抜き穴から収納部30内部に粉塵や水分は侵入しにくい。
【0027】
上記の音響機器1においては、携帯音響再生装置100は収納部30内に設置されるため、雨天時や粉塵が多い環境下においても、水滴や粉塵が携帯音響再生装置100に付着することが抑制される。すなわち、劣悪な環境下でこの音響機器1が使用される場合において、搭載される携帯音響再生装置100が保護される。また、収納部30には上記の構成で仕切り板34が設けられているために、その内部において携帯音響再生装置100を容易に設置することができる。
【0028】
この際、収納部カバー32には、透明な窓38が設けられているため、利用者が携帯音響再生装置100の動作状況を容易に確認することができる。この際、この収納部30は本体10の上面でハンドル回動軸22を中心として上下方向に回動するため、収納部30の設置角度を利用者が窓38(携帯音響再生装置100)を目視しやすい角度とすることができる。
【0029】
これに対して、特許文献1に記載の技術においては、携帯音響再生装置が常に本体の前面(モジュラードッキングユニット)で露出している。このため、携帯音響再生装置の保護は不充分であり、水滴や粉塵等が付着しやすい。また、携帯音響再生装置の設置角度は固定されるために、利用者の位置によっては、携帯音響再生装置の表示画面を目視しにくい。また、特許文献1に記載の技術において、モジュラードッキングユニットを上面に設けることも可能であるが、この場合には、携帯音響再生装置の表面に粉塵や水滴等がより付着しやすくなることは明らかである。上記の音響機器1においては、上記の収納部30を用いることによって、こうした問題点が解消される。
【0030】
更に、上記の音響機器1においては、収納部30が折り畳み式のハンドル20と一体化されているために、ハンドル20を開いた状態においては収納部30を本体10の上で直立させ、ハンドル20を閉じた状態においては収納部30を本体10の上面に沿った形態とすることができる。すなわち、収納部30を折り畳み式のハンドル20と一体化することによって、収納部30の設置角度を任意に設定することができる。この際、収納部30が一体化された状態においても、利用者がこのハンドル20を用いてこの音響機器1を持ち運ぶことができる。
【0031】
ただし、上記の構成において、ハンドル20を上面に設けずに、収納部30のみを上記と同様に回動可能な形態で設けてもよいことは明らかである。また、本体10における操作パネル12のみを用いて携帯音響再生装置100の操作が行える場合には、収納部カバー32における透明な窓38は不要である。また、収納部カバー32の形態も、携帯音響再生装置100を収納部本体31内部に収納した状態でこれを覆う形状であれば、任意である。
【0032】
あるいは、収納部30を回動自在とはせずに、その取付角度を一定としても、携帯音響再生装置100が充分保護されることは明らかである。この場合には、表示部を具備する携帯音響再生装置100の主面が上側を向く状態で収納部30の内部に設置されるような取付角度とすることが好ましい。
【0033】
また、収納部30の内部においてケーブル類を設け、同時に携帯音響再生装置を設置できる限りにおいて、収納部30において仕切り板34を用いる必要はない。
【0034】
また、上記の構成においては、収納部本体31に携帯音響再生装置100が収納された状態でこれを覆う開閉式の収納部カバー32が用いられたが、携帯音響再生装置100が保護される限りにおいて、収納部カバーが開閉式である必要はない。例えば、設置された携帯音響再生装置の上面側を覆う収納部カバーと収納部本体とが一体化された構成の収納部を用いることもできる。
【0035】
また、上記の音響機器1においては、収納部30をハンドル20に固定することによって、本体10の上面においてハンドル回動軸22を中心として収納部30が回動可能となる構成とした。しかしながら、収納部を本体の上面側においてハンドルと共に設けた他の構成も可能である。
【0036】
前記の通り、バッテリパックの脱着作業を容易とするために、裏蓋13の前後方向における幅は、上面側で広くされている。このため、裏蓋13の上面(裏蓋上面132)の面積は広くされる。この場合、裏蓋上面132に上記の収納部30を取り付けることもできる。
図7は、収納部30を裏蓋上面132に設置した構成の音響機器(本発明の実施の形態の変形例)の側面図である。この図は、上記の音響機器1における
図2に対応し、後蓋13を閉じた状態(この音響機器が使用される状態)を示している。
【0037】
この構成においては、収納部30は、裏蓋13を閉じた状態において裏蓋ラッチ部15と干渉しないように、裏蓋ラッチ部15の後方側の裏蓋上面132に設置される。一方、ハンドル20は折り畳み式ではなく、上方を向いて本体10上面の前方側に設置される。スピーカ11、操作パネル12は、前記の音響機器1と同様に前面に設けられる。収納部30の内部構造、及び収納部30内における携帯音響再生装置の設置方法も前記の音響機器1と同様である。このため、
図7において収納部カバー32は表示部本体31の上側に設けられ、携帯音響再生装置は、その表示部が
図7において上側を向くように設置される。このため、利用者は、窓38を通してこの表示部を目視することができる。
【0038】
この音響機器においては、携帯音響再生装置100の表示部は常に上向きとなるものの、携帯音響再生装置100が収納部30内で保護される点については上記の音響機器1と同様である。この際、ハンドル20とは別個に収納部30が上面に設けられるが、面積の小さなハンドル20のみを本体10に固定し、面積の広い収納部30を面積の広い裏蓋上面132に固定することで、ハンドル20と収納部30を共に上面側に設置している。
【0039】
このように、携帯音響再生装置を保護する収納部は、本体へ様々な形態で取り付けることができる。この際、携帯音響再生装置の状態を操作パネルで確認することができ、その操作を操作パネルのみで行うことができる限りにおいて、収納部カバーにおける透明な窓は不要である。収納部の内部構造(仕切り板の有無等)も、携帯音響再生装置を収容できる限りにおいて、任意である。また、利用者がこの音響機器を持ち運べる限りにおいて、ハンドルも不要である。
【0040】
また、上記の音響機器に設置される携帯音響再生装置としては、例えばスマートフォンが用いられる。しかしながら、これ以外にも、収納部に収容でき、本体側に設けられたスピーカ(音声出力装置)からその出力を行うことができる限りにおいて、様々な種類のものを用いることができる。例えば、通話のみを行うための携帯電話や、アナログラジオ、インターネットラジオ等を同様に用い、その出力信号を音声出力装置から出力させることが可能である。