特許第6102664号(P6102664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000002
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000003
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000004
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000005
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000006
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000007
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000008
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000009
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000010
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000011
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000012
  • 特許6102664-操作レバー装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6102664
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】操作レバー装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   A63F5/04 512A
   A63F5/04 512D
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-205590(P2013-205590)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-66348(P2015-66348A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】杉山 浩朗
【審査官】 高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−142429(JP,A)
【文献】 特開2006−116119(JP,A)
【文献】 実開昭52−007770(JP,U)
【文献】 特開2002−102414(JP,A)
【文献】 特開2001−155590(JP,A)
【文献】 特開2010−051370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の正面側に搭載される操作レバー装置であって、
軸に対して双方向に回転可能に設けられ、操作者が把持する把持部が長手状に形成されているレバーと、
前記レバーにおける把持部に視認可能に配置された導光板と、
前記導光板の内部に光を供給する光源部と、を備え、
前記導光板の視認可能な面に、出射光によって画像を形成する光出射パターンが設けられていることを特徴とする操作レバー装置。
【請求項2】
前記把持部の下方側に配置された表示部をさらに備え、
前記表示部は、平面視において前記把持部が回転に伴って移動する領域に、画面が重畳するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の操作レバー装置。
【請求項3】
前記導光板は複数枚が積層して配置されており、
前記光源部は、各導光板の内部に独立して光を供給可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の操作レバー装置。
【請求項4】
前記レバーはL字形状を有し、L字の一片に相当する前記把持部の長手方向が水平方向と平行に設けられ、L字の他片に相当するステー部に前記軸が設けられ、該軸の軸方向が前記把持部の長手方向と平行であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の操作レバー装置。
【請求項5】
前記レバーに接触して前記レバーの回転を規制する一対の規制部材が設けられ、
前記規制部材にて前記レバーの回転が規制された状態で、前記把持部と該把持部の下方側にある面との間に所定の間隔が保持されていることを特徴とする請求項4に記載の操作レバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に備えられる操作レバー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるスロットマシンでは、複数種類のシンボルが表示された複数のリールが回転し、リールが停止したときに、窓に表示されているシンボルの揃い方およびその揃っているシンボルにより役が決定し、決定した役とベット数(賭け数)とに応じて賞が付与される。リールの回転を開始させる操作は、スロットマシンに備えられた回転開始用の押しボタンを押下するか、回転開始用のレバーを引き下げることにより行われている。
【0003】
ところで、カジノ等の遊技施設では、1つの遊技機メーカが製造したスロットマシンだけでなく、様々な遊技機メーカのスロットマシンが設置される。遊技者は、様々な遊技機メーカのスロットマシンの中から嗜好のあったマシンを選択して遊技を行う。そのため、遊技施設では、遊技者に人気のあるスロットマシンを設置して、競合する他の遊技施設に対する優位性の確保を図っている。したがって、遊技機メーカでは、遊技者にアピールできるスロットマシンの開発が続けられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、レバー先端に設けられた球形の操作子を光らせる照光式のスタートレバー(回転開始用のレバー)を、筐体の前面(正面)側部に設けたスロットマシンが記載されている。また、特許文献2には、レバーを回転させてスイッチをオン・オフする遊技操作レバー装置において、レバーの周囲を光で表示するための複数の光放出部を、レバーを支持する容器の前面に設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−131509号公報(2009年6月18日公開)
【特許文献2】特開2011−104175号公報(2011年6月02日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載された技術は、レバーの操作子やレバーの周囲を光らせる演出にて遊技者の興趣を高めようとするものである。しかしながら、これらによる演出を見慣れてしまった遊技者に対してアピールするには、さらに異なる手法を用いて多様な演出を行う必要がある。そのため、遊技施設の経営者などからは、多様な演出を行って遊技者の興趣をより一層高めることができる操作レバー装置の開発が切望されている。
【0007】
本発明の目的は、多様な演出を行って遊技者の興趣をより一層高めることができる操作レバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の操作レバー装置は、遊技機の正面側に搭載される操作レバー装置であって、軸に対して双方向に回転可能に設けられ、操作者が把持する把持部が長手状に形成されているレバーと、前記レバーにおける把持部に視認可能に配置された導光板と、前記導光板の内部に光を供給する光源部と、を備え、前記導光板の視認可能な面に、出射光によって画像を形成する光出射パターンが設けられていることを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、遊技機の正面に位置するレバーの把持部に、画像を表示できる。したがって、レバーの把持部に、遊技者の興趣を高め得るような文字や絵柄を表示して、従来の光るだけのレバーよりも多様な演出が可能となる。
【0010】
また、本発明の操作レバー装置は、前記把持部の下方側に配置された表示部をさらに備え、前記表示部は、平面視において前記把持部が回転に伴って移動する領域に、画面が重畳するように配置されている構成とすることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、把持部の下方側に配置された表示部にも画像(映像)を表示でき、遊技者は、把持部の導光板越しに表示部の画像を視認できる。したがって、把持部に画像が表示されるレバーと、把持部の下に配された表示部との組み合わせで、より一層多様な演出が可能になる。
【0012】
また、本発明の操作レバー装置は、前記導光板は複数枚が積層して配置されており、前記光源部は、各導光板の内部に独立して光を供給可能である構成とすることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、各導光板の画像を異ならせ、目的に応じて、点灯させる導光板を切り換えることが可能となり、より一層多様な演出が可能となる。
【0014】
また、本発明の操作レバー装置は、さらに、前記レバーはL字形状を有し、L字の一片に相当する前記把持部の長手方向が水平方向と平行に設けられ、L字の他片に相当するステー部に前記軸が設けられ、該軸の軸方向が前記把持部の長手方向と平行である構成としてもよい。
【0015】
上記構成によれば、把持部は、軸を中心とする円筒面に沿って移動するので、遊技機の正面よりレバーを操作する遊技者は、手首を前後に動かすことでレバーを操作でき、操作性がよい。しかも、把持部の長手方向が水平方向に維持されるので、把持部に表示される画像の向きが変化しない。文字などの向きのある画像を表示した場合でも、レバーの回転に伴って視認性が損なわれ難い。
【0016】
また、本発明の操作レバー装置は、さらに、前記レバーに接触して前記レバーの回転を規制する一対の規制部材が設けられ、前記規制部材にて前記レバーの回転が規制された状態で、前記把持部と該把持部の下方側にある面との間に所定の間隔が保持されている構成とすることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、把持部を把持した遊技者の指が、把持部の下方側にある面と強く接触することを回避できるので、安全性の向上が図れる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、多様な演出を行って遊技者の興趣をより一層高めることができる操作レバー装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態に係る操作レバー装置の概観斜視図である。
図2】前記操作レバー装置を備えたスロットマシンの概観斜視図である。
図3】前記操作レバー装置に備えられるレバーユニットの分解斜視図である。
図4】前記レバーユニットに備えられるハンドルモジュールの要部の分解斜視図である。
図5】前記ハンドルモジュールにおける要部の分解斜視図である。
図6】前記操作レバー装置におけるスタートレバーに設けられた導光板の表示例を示す説明図である。
図7】前記操作レバー装置におけるスタートレバーの取り得るポジションを示す説明図である。
図8】前記操作レバー装置におけるスタートレバーとエンコーダとの位置関係を示す説明図である。
図9】スロットマシンの制御系要部のブロック図である。
図10】前記操作レバー装置を用いてベット数を選択する際に実行される演出を示す説明図である。
図11】前記操作レバー装置におけるスタートレバーに設けられた導光板を複数枚積層させて配置する例を示す説明図である。
図12】前記実施の形態に係る操作レバー装置に、スタートレバーを自動回転させるアクチュエータを設けた構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態では、カジノ等の遊技ホールに設置される遊技機としてのスロットマシンに搭載された操作レバー装置を例示する。図2は、本実施の形態に係る操作レバー装置を搭載したスロットマシンの概観斜視図である。図2に示すように、スロットマシン1は、遊技者(操作者)と対峙する正面の中央部にリール部5が設けられている。
【0021】
リール部5には、複数種類のシンボルが表示された複数のリール(図示せず)が備えられている。複数のリールは、遊技者がスタートレバー(レバー)11を操作することで回転を開始し、機器の制御によって自動に停止する。リールが停止したときにリール部5の窓(図示せず)に表示されている、選択したラインにおけるシンボルの揃い方およびその揃っているシンボルにより役が決定する。遊技者には、決定した役とベット数(賭け数)とに応じた賞が付与される。
【0022】
なお、リール部5の構成としては、リールが実際に設けられている構成の他、リール部5が液晶画面等の表示画面より構成されていて、リールに相当する画像が表示されている構成などであってもよい。
【0023】
リール部5の上方には、遊技者に各種の情報を表示する表示画面4が設けられている。また、リール部5の下方には、スイッチ部9および操作レバー装置15が設けられている。これらスイッチ部9および操作レバー装置15は、スロットマシン1の筐体3が前方に迫出した部分3aに設けられている。
【0024】
スイッチ部9は、複数の押圧式のスイッチ7を備え、押圧するスイッチ7の選択によって、ベット数の指定などを受け付ける。また、本実施の形態においてスイッチ部9は、遊技者が操作レバー装置15を用いてラインの選択やベット数の指定を行った場合に、その確定指示を受け付ける。
【0025】
操作レバー装置15は、スタートレバー11およびミニ画面13を備えている。操作レバー装置15は、スタートレバー11の操作によってリールの回転開始の指示を受け付ける。また、本実施の形態において操作レバー装置15は、ラインの選択やベット数の指定、あるいはボーナスゲームやチャレンジゲームにおいて遊技者からの指示も受け付ける。なお、図2では、操作レバー装置15を、遊技者より見て右側に配置した構成を例示しているが、遊技者より見て左側に配置する構成であってもよい。
【0026】
本実施の形態のスロットマシン1は、上記操作レバー装置15の構成に特徴がある。以下、これについて詳細に説明する。
【0027】
図1は、操作レバー装置の外観斜視図である。図1に示すように、本実施の形態に係る操作レバー装置15は、スタートレバー11を備えるレバーユニット20と、ミニ画面13を備える平板状のLCDユニット50の2つのユニットを備える。なお、本発明において、LCDユニット50は必須の構成要素ではなく、レバーユニット20のみからなる操作レバー装置であってもよい。
【0028】
スタートレバー11は、L字形状を有し、L字の一片に相当する遊技者が把持する把持部11aの長手方向が水平方向と平行に設けられ、L字の他片に相当するステー部11bに軸26が設けられている。軸26の軸方向は、把持部11aの長手方向と平行であり、スタートレバー11は、軸26を中心に回転可能に設けられている。
【0029】
把持部11aは、矢印Xにて示すように、ミニ画面13上を、軸26を中心とする円筒面に沿って搖動する。このようなスタートレバー11は、小型で、かつ、スロットマシン1の正面に配置されているので、遊技者は少ない力で、かつ、少ない動作で操作することができる。
【0030】
LCDユニット50はレバーユニット20に、把持部11aとミニ画面13との間に間隔を保持した状態で固定されている。そして、詳細については後述するが、把持部11aには導光板31が視認可能に搭載されており、把持部11aに絵柄や文字を表示することができるようになっている。
【0031】
図3は、レバーユニットの分解斜視図である。図3に示すように、レバーユニット20は、スタートレバー11を含むハンドルモジュール21と、該ハンドルモジュール21を回転自在に支持する支持機構23と、レバーユニット20内外の電気信号を中継する中継基板モジュール24と、有底筒状の第1ケース部材25とを備えている。
【0032】
ハンドルモジュール21は、導光板31を担持するL字担持部材19や、金属などの丈夫な材質からなるL字フレーム22などのスタートレバー11の構成部材と、スタートレバー11に挿通された軸26とを中心としたモジュールである。L字担持部材19およびL字フレーム22は何れもL字形状を有し、L字担持部材19上にL字フレーム22が積層されている。L字担持部材19およびL字フレーム22におけるステー部11bに相当する部分には、軸26が挿通する挿通孔が形成されている。また、L字担持部材19におけるステー部11bに相当する部分は、挿通孔を中心とした円形の外形を有するケース支持体27に形成されている。
【0033】
このケース支持体27には、第1ケース部材25が嵌め合わされ、中継基板モジュール24は、この第1ケース部材25内に収容される。これら中継基板モジュール24および第1ケース部材25にも、軸26が挿通する挿通孔が形成されている。ケース支持体27に嵌め合わされることで、第1ケース部材25の周方向への移動が規制され、第1ケース部材25と中継基板モジュール24とは、スタートレバー11と一体に回転する。
【0034】
支持機構23は、ハンドルモジュール21における軸26を回転自在に支持するものであり、ハンドルモジュール21を挟むように設けられた、ベースフレーム部41とカバーフレーム部42とを備えている。ベースフレーム部41およびカバーフレーム部42はそれぞれ、十字形状を有する十字フレーム43を備えている。これら十字フレーム43の中央部に形成された挿通孔に、軸26の両端部が回転自在に支持される。
【0035】
ベースフレーム部41における十字フレーム43の内側、つまり、スタートレバー11のステー部11bと対向する側には、復帰バネ46を収容する有底筒状の第2ケース部材44が取り付けられている。第2ケース部材44は、十字フレーム43にその底部が固定される。
【0036】
復帰バネ46はコイル状を有し、軸26の外周面に挿通された状態で第2ケース部材44内部に収容されている。復帰バネ46は、後述する第1エンドポジションEP1,第2エンドポジションEP2へと変位したスタートレバー11を、付勢力にてホームポジションHPへと復帰させるものである(図7参照)。
【0037】
また、ベースフレーム部41における十字フレーム43の内側であって、十字フレーム43の4方向に延びるアームの先端部には、カバーフレーム部42側の十字フレーム43とネジ止めされる軸状の固定部45が立設されている。4つの固定部45のうち、上方に位置する2つの固定部45aは、スタートレバー11が当接してそれ以上の回転を規制するストッパー(規制部材)の役割を担っている。
【0038】
一方、カバーフレーム部42における十字フレーム43の内側、つまり、第1ケース部材25と対向する側には、蓋部材40が固定されている。蓋部材40は、第1ケース部材25の内側に嵌め合わされ、第1ケース部材25は、蓋部材40の外周を摺動する。蓋部材40には、中継基板モジュール24に接続されるハーネスを通す開口が設けられている。
【0039】
図4は、レバーユニットにおけるハンドルモジュールの要部の分解斜視図である。なお、図4においては、第1ケース部材25およびカバーフレーム部42の蓋部材40が嵌め合わされている状態を示している。また、図5は、ハンドルモジュールの要部の分解斜視図であり、L字担持部材に担持された導光板と、導光板の内部に光を供給する照光基板とを示している。
【0040】
スタートレバー11は、図4に示すように、導光板31と、L字担持部材19と、L字フレーム22と、把持部11aからステー部11bの上部(第1ケース部材25が取り付けられている部分よりも上)までを覆う上下のカバー部材28,29とを備えている。
【0041】
導光板31は、L字担持部材19における把持部11aに相当する部分に取り付けられている。L字担持部材19には、導光板31の表示領域に対応した開口(図示しない)が形成されている。L字フレーム22においても同様に、導光板31の表示領域に対応した開口22aが形成されている。また、上下のカバー部材28,29にも、少なくとも導光板31の表示領域に対応した部分が、透明材より構成されている。
【0042】
また、図5に示すように、L字担持部材19におけるステー部11bに相当する部分の上部には、導光板31の内部に光を供給する照光基板(光源部)30が設けられている。照光基板30にはLED等の光源が搭載されている。光源としては、導光板31をフルカラーで発色させ得るフルカラー光源が好ましいが、単色光源であってもよい。
【0043】
導光板31における表示領域(視認可能な面)には、導光板31外部に出射する光によって、文字や絵柄(画像)を形成する光出射パターンPが形成されている。図4図5の例では、リールの回転開始の指示内容を表す「SPIN」の文字が光出射パターンPとして形成されている。
【0044】
このような光出射パターンPが形成された操作レバー装置15において、導光板31内部に照光基板30から光が供給されると、図6に示すように、スタートレバー11における把持部11aに、「SPIN」の文字が表示される。図6は、操作レバー装置におけるスタートレバーに設けられた導光板の表示例を示す説明図である。
【0045】
図7は、操作レバー装置におけるスタートレバーの取り得るポジションを示す説明図である。図7は、操作レバー装置15を、図1における矢印aにて示す方向より見た図面であり、左側がスロットマシン1の正面側に、右側がスロットマシン1の背面側に対応している。
【0046】
図7に示すように、本実施の形態に係る操作レバー装置15においては、スタートレバー11は、ホームポジションHPと、第1エンドポジションEP1と、第2エンドポジションEP2との3つのポジションをとることができる。
【0047】
ホームポジションHPは、ミニ画面13と把持部11aとが平行に相対向する位置である。スタートレバー11は、復帰バネ46(図3参照)の作用によって、把持部11aに回転方向への力が加わっていない限り、ホームポジションHPに戻るように設けられている。第1エンドポジションEP1は、ホームポジションHPから把持部11aを正面側に引き下げたポジションである。第2エンドポジションEP2は、ホームポジションHPから把持部11aを背面側に押し上げたポジションである。
【0048】
本実施の形態に係る操作レバー装置15によれば、ホームポジションHPを中心に、上下両方向に移動させて指示入力できるので、ホームポジションHPから一方向への移動だけのスタートレバーに比べて、操作に多様性が生まれ、ひいては、スタートレバー11のポジションに応じて演出を変化させるなどの対応が図れ、多様な演出が可能となる。
【0049】
図8は、操作レバー装置におけるスタートレバーとエンコーダとの位置関係を示す説明図である。図8に示すように、操作レバー装置15には、スタートレバー11のポジション検知のためのエンコーダ47が搭載されている。エンコーダ47は、フォトマイクロセンサからなる検出部48a〜48cを備え、支持機構23のベースフレーム部41の第2ケース部材44の底部に取り付けられている(図3参照)。
【0050】
スタートレバー11の回転に伴って、スタートレバー11のステー部11bにおける底部と向き合う位置に設けられた検出片49が、3つの検出部48a〜48cの何れを遮光するかによって、スタートレバー11のポジションが検知される。スタートレバー11が操作されていない状態では、中央の検出部48bが遮光され、ホームポジションHPにあることが検知される。スタートレバー11が引き下げられ、左(手前)の検出部48cが遮光されると、第1エンドポジションEP1にあることが検知される。スタートレバー11が引き上げられ、右(奥)の検出部48cが遮光されると、第2エンドポジションEP2にあることが検知される。なお、エンコーダ47に換えて、第1、第2の各エンドポジションEP1,EP2にマイクロスイッチを配置して、スタートレバー11のポジションを検出させる構成としてもよい。
【0051】
また、図示してはいないが、操作レバー装置15には、スタートレバー11の回転をロックする機構が搭載されている。ロック機構は、スタートレバー11の双方向への回転を規制する全ロック、スタートレバー11の一方向への回転を規制する片側ロックの2種類が設けられている。このようなロック機構を搭載することで、スロットマシン1を利用した遊技に関係があるときにのみスタートレバー11を操作可能にできる。また、スタートレバー11を引き下げてリールの回転を指示する場合に、引き上げる方向に回転させるなどの誤操作を防止できる。
【0052】
図9は、スロットマシンの制御系要部のブロック図である。スロットマシン1には、CPU12および記憶部14を備えた主制御回路10が設けられている。主制御回路10は、リール部5や表示画面4、スイッチ部9、操作レバー装置15などのスロットマシン1の各部を制御するものである。記憶部14には、各種の演出内容が記憶されており、CPU12は、記憶部14から演出内容を読み出し、演出内容に従いスロットマシン1の各部を駆動して演出を実行する。
【0053】
主制御回路10には、操作レバー装置15におけるエンコーダ47より、スタートレバーのポジションに応じた信号が入力される。また、主制御回路10は、操作レバー装置15における照光基板30に制御信号を出力し、演出内容に応じて導光板31の点灯を実行させる。また、主制御回路10は、操作レバー装置15におけるLCDユニット50表示駆動部に映像信号を出力し、演出内容に応じた表示を行わせる。なお、操作レバー装置15に関連する制御のみを行う制御回路を、操作レバー装置15に搭載させる構成としてもよい。
【0054】
図10は、操作レバー装置を用いてベット数を選択する際に実行される演出を示す説明図である。図10に示すように、主制御回路10は、LCDユニット50のミニ画面13に、「1LIN×1BET」、「10LIN×10BET」、「MAX BET」の3つ条件を表示する。このとき、主制御回路10は、選択条件を、スタートレバー11の把持部11aの取り得るポジションに対応させて上下3列で表示する。さらに、主制御回路10は、スタートレバー11のポジションに応じて、3つの条件の表示形態を切り換える演出を行う。
【0055】
つまり、スタートレバー11がホームポジションHPにある場合は、ミニ画面13の中央部の「10LIN×10BET」の表示を、他の条件の表示よりも大きくして強調させる。スタートレバー11が引き下げられて第1エンドポジションEP1に移動すると、ミニ画面13の下部の「1LIN×1BET」の表示を、他の条件の表示よりも大きくして強調させる。同様に、スタートレバー11が押し上げられて第2エンドポジションEP2に移動すると、ミニ画面13の上部の「MAX BET」の表示を、他の条件の表示よりも大きくして強調させる。これにより、遊技者は、スタートレバー11のポジションに対応するベット数を、容易に確認することができる。
【0056】
遊技者は、導光板31を通して見える条件を視認しながら、スタートレバー11を回転させ、選択した条件の位置に停止させる。そして、その状態で、スロットマシン1に設けたスイッチ部9の所定のスイッチを押圧して、条件の選択を確定させる。これにより、主制御回路10は、エンコーダ47より入力されるスタートレバー11のポジションから、ミニ画面13に表示している3つの条件のうちの何れが選択されたかを判定し、選択された条件にて動作を実行する。
【0057】
また、図11に示すように、把持部11aに搭載する導光板31は複数枚が積層して配置された構成としてもよい。図11のように、3枚の導光板31a〜31cを積層させた構成では、照光基板30には、3枚の導光板31a〜31cそれぞれに光を供給するLEDなどの光源が3組備えられる。これら3組の光源は互いに独立して駆動される。3枚の導光板31a〜31cにそれぞれ、異なる文字や絵柄(画像)を形成する光出射パターンPを形成しておくことで、より一層多様な演出が可能になる。
【0058】
さらに、図12に示すように、軸26にアクチュエータ51を設けて、スタートレバー11を自動的に回転させて、演出を行わせる構成としてもよい。アクチュエータ51は、主制御回路10にて駆動される。
【0059】
また、本実施の形態に係る操作レバー装置15においては、L字形状を有するスタートレバー11が、ステー部11bに設けられ、軸方向が把持部11aの長手方向と平行な軸26を中心に回転可能に設けられている構成を例示したが、ステー部に軸方向がLCDユニット50におけるミニ画面13の法線方向と平行な軸を設けてスタートレバーを回転させる構成としてもよい。その場合、スタートレバーの把持部は、ミニ画面13上の一定の距離を隔てた面内を、時計針のように移動する。
【0060】
以上のように、本実施の形態に係る操作レバー装置15によれば、スタートレバー11の把持部11aに文字や絵柄を表示できるので、遊技者に多様な演出を提供できる。しかも、スタートレバー11の把持部11aの下方側にはミニ画面13が設けられており、その映像を、導光板31越に視認することができる。これにより、把持部11aの表示による演出と、ミニ画面13を用いて映像による演出とを組み合わせて、より一層、多様な演出を提供できる。
【0061】
また、ミニ画面13の映像と、スタートレバー11の操作とを組み合わせて、ラインの選択やベット数の指定を行うこともできる。また、ミニ画面13との組み合わせで、ボーナスゲームやチャレンジゲームのコントローラとしても使用できる。
【0062】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、スロットマシンのような軸に対して双方向に回転自在に設けられたレバーを備えた遊技機等に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 スロットマシン(遊技機)
3 筐体
4 表示画面
5 リール部
9 スイッチ部
10 主制御回路
11 スタートレバー(レバー)
11a 把持部
11b ステー部
13 ミニ画面
14 記憶部
15 操作レバー装置
20 レバーユニット
21 ハンドルモジュール
23 支持機構
24 中継基板モジュール
26 軸
30 照光基板(光源部)
31 導光板
43 十字フレーム
47 エンコーダ
50 LCDユニット(表示部)
51 アクチュエータ
P 光出射パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12