(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のマスクでは、空気の通り道が狭くなっているとはいえ、鼻や口のすぐ近くに、空気の通り道が設けられている。そのため、喘息の患者は、埃や冷気をそのまま吸い込んでしまい、喘息の発生を抑えることが難しい。従って、喘息の発生をより効果的に抑えることの可能なマスクを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の実施の形態に係るマスクは、マスク本体と、通気遮断シートとを備えている。マスク本体は、鼻および口を覆うためのものであり、複数枚の通気性シートを積層して構成されている。通気遮断シートは、マスク本体の内部または外側の面に設けられており、通気遮断シートには、通気性がない。そのため、通気遮断シートは、マスク本体の全体、または、マスク本体のうち端縁を除く部分の通気を遮断する。
【0006】
本発明の第2の実施の形態に係るマスクは、マスク本体を備えている。マスク本体は、鼻および口を覆うためのものであり、通気性の無い通気遮断シートで構成されている。
【0007】
本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクは、可撓性補強片と、弾性通気体とを備えていることが好ましい。可撓性補強片は、マスク本体の上端縁の、顔表面への密着を維持するためのものであり、マスク本体の上端縁または通気遮断シートの上端縁に設けられている。弾性通気体は、マスク本体のうち、上端縁を除く端縁全体に設けられており、マスク本体とともに所定の空隙を形成する。
【0008】
通気遮断シートは、穴のない可撓性の樹脂シートによって構成されていることが好ましい。マスク本体の内部に通気遮断シートが設けられている場合には、マスク本体は、通気遮断シートの出し入れを可能にする開口部を有していてもよい。弾性通気体は、マスク本体のうち、上端縁を除く端縁全体が顔表面に密着したときに、呼吸に応じてマスク本体が顔表面に密着するのを妨げる厚さと、呼吸に応じて外気と空隙との通気が得られる通気性とを有していることが好ましい。弾性通気体は、例えば、上記厚さおよび上記通気性を有するスポンジによって構成されている。本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクは、マスク本体の左右端縁に設けられた、長さ調節機構を有する一対の掛け紐をさらに備えていることが好ましい。
【0009】
本発明の第1の実施の形態に係るマスクでは、マスク本体の全体、または、マスク本体のうち端縁を除く部分の通気を遮断する通気性のない通気遮断シートが設けられている。これにより、マスク本体のうち、鼻や口のすぐ近くには、埃や冷気の通り道が存在しない。
【0010】
本発明の第2の実施の形態に係るマスクでは、マスク本体が通気性のない通気遮断シートで構成されている。これにより、鼻や口のすぐ近くには、埃や冷気の通り道が存在しない。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクによれば、マスク本体のうち、鼻や口のすぐ近くには、埃や冷気の通り道が存在しないようにしたので、喘息の患者が埃や冷気をそのまま吸い込んでしまうおそれがない。その結果、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0012】
本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクにおいて、マスク本体のうち、上端縁を除く端縁全体に、弾性通気体が設けられるとともに、マスク本体の上端縁または通気遮断シートの上端縁に、可撓性補強片が設けられている場合には、マスク本体と顔表面との間に、密閉された空隙が形成されるとともに、密閉された空隙と、外気との通気が、鼻や口から離れた位置に設けられた弾性通気体によって得られる。これにより、鼻や口から離れた位置に、密閉された空隙と、外気との通気経路が存在するので、喘息の患者が埃や冷気をそのまま吸い込んでしまうおそれがない。その結果、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0013】
本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクにおいて、通気遮断シートが、可撓性の樹脂シートによって構成されている場合には、樹脂シートの剛性によって、呼吸に応じてマスク本体が顔表面に密着するのを抑制することができる。
【0014】
本発明の第1の実施の形態に係るマスクにおいて、マスク本体が通気遮断シートの出し入れを可能にする開口部を有している場合には、マスク本体から通気遮断シートを取り出した上で、マスク本体を洗うことができるので、マスク本体に付着した埃や汚れによる喘息の発生を抑制することができる。なお、通気遮断シートが、マスク本体内に通気遮断シートを入れたままで、マスク本体を洗うことができるような素材で構成されている場合には、マスク本体に上記の開口部が設けられていなくてもよい。
【0015】
本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクにおいて、弾性通気体が、マスク本体のうち、上端縁を除く端縁全体が顔表面に密着したときに、呼吸に応じてマスク本体が顔表面に密着するのを妨げる厚さと、呼吸に応じて外気と空隙との通気が得られる通気性とを有している場合には、喘息の発生をより効果的に抑えることができるだけでなく、楽に呼吸をすることができる。
【0016】
本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクにおいて、弾性通気体が上述した厚さおよび通気性を有するスポンジによって構成されている場合には、安価な材料で通気を確保することができる。
【0017】
本発明の第1および第2の実施の形態に係るマスクが、マスク本体の左右端縁に設けられた、長さ調節機構を有する一対の掛け紐をさらに備えている場合には、マスクの密着性を容易に調整することができる。その結果、弾性通気体以外の箇所からの意図しない通気を防ぐことができるので、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。
【0020】
<第1の実施の形態>
[構成]
本発明の第1の実施の形態に係るマスク1の構成について説明する。
図1は、マスク1の斜視構成例を表したものである。マスク1は、マスク本体10と、通気遮断シート20と、可撓性補強片30と、弾性通気体40と、一対の掛け紐50とを備えている。
【0021】
マスク本体10は、鼻および口を覆うためのものであり、複数枚の通気性シートを積層して構成されている。マスク本体10に用いられる通気性シートとしては、例えば、ガーゼ、または、不織布が挙げられる。マスク本体10は、例えば、方形状となっており、マスク本体10の端縁は、上端縁、下端縁、右端縁および左端縁によって構成されている。
【0022】
図2は、通気遮断シート20の斜視構成例を表したものである。通気遮断シート20は、マスク本体10の内部に設けられている。通気遮断シート20には、通気性がない。そのため、通気遮断シート20は、マスク本体10の全体、または、マスク本体10のうち端縁を除く部分の通気を遮断する。通気遮断シート20がマスク本体10と同程度の大きさとなっている場合には、通気遮断シート20は、マスク本体10の全体の通気を遮断する。通気遮断シート20がマスク本体10よりも一回り小さな大きさとなっている場合には、通気遮断シート20は、マスク本体10のうち端縁を除く部分の通気を遮断する。通気遮断シート20は、通気遮断シート20の端縁のうち、左右端縁および下端縁が弾性通気体40と対向するように配置されていることが好ましい。通気遮断シート20は、マスク本体10のうち、弾性通気体40と非対向の領域の通気を遮断するように構成されていてもよい。通気遮断シート20は、マスク本体10のうち、弾性通気体40と非対向の領域であって、かつマスク本体10の上端縁を除く領域の通気を遮断するように構成されていてもよい。通気遮断シート20は、穴のない可撓性の樹脂シートによって構成されていることが好ましい。
【0023】
可撓性補強片30は、マスク本体10の上端縁の、顔表面への密着を維持するためのものであり、マスク本体10の上端縁に設けられている。可撓性補強片30は、例えば、マスク本体10の内部に設けられている。可撓性補強片30は、例えば、針金や、可撓性の棒状の樹脂などによって構成されている。なお、可撓性補強片30は、通気遮断シート20の上端縁に貼り合わされていてもよい。
【0024】
弾性通気体40は、マスク本体のうち、上端縁を除く端縁全体に設けられており、マスク本体10とともに所定の空隙を形成する。弾性通気体40は、マスク本体10のうち、上端縁を除く端縁全体が顔表面に密着したときに、呼吸に応じてマスク本体10が顔表面に密着するのを妨げる厚さと、呼吸に応じて外気と空隙との通気が得られる通気性とを有していることが好ましい。弾性通気体40は、例えば、そのような厚さおよび通気性を有するスポンジによって構成されている。弾性通気体40は、右端縁から下端縁を経由して左端縁まで延在する帯状の部材によって構成されていてもよいし、右端縁、下端縁および左端縁ごとに別体で設けられた複数の帯状の部材を連結することによって構成されていてもよい。弾性通気体40は、均一な厚さとなっていてもよいし、右端縁および左端縁と、下端縁とで異なる厚さとなっていてもよい。
【0025】
一対の掛け紐50は、マスク本体10の左右端縁に設けられている。一対の掛け紐50は、長さ調節機構51を有していることが好ましい。長さ調節機構51は、例えば、樹脂製の筒によって構成されている。樹脂製の筒には、切断された掛け紐の両端が、互いに異なる方向から挿通されている。樹脂製の筒には掛け紐の一端が接着固定されており、掛け紐の他端が樹脂製の筒の内面の摩擦によって固定される。
【0026】
[効果]
次に、本実施の形態に係るマスク1の効果について説明する。
【0027】
喘息の原因となる埃や冷気を防止するために、通常、衛生マスクが用いられる。衛生マスクの本体には、主にガーゼが用いられる。ガーゼは、綿製の目が粗い編布である。そのため、ガーゼは、そのまま埃や冷気を通してしまうので、喘息の患者は、衛生マスクをそのまま使用すると、埃や冷気をそのまま吸い込み、喘息の発生を抑えることができない。そこで、例えば、特許文献1で提案されているように、多数の穴の開いたアルミニウムシートをガーゼの間に挟み込むなどの工夫をすることが考えられる。特許文献1に記載のマスクでは、喘息の患者がマスクを介して冷気を吸気したとき、冷気の通り道がアルミニウムシートに設けられた多数の穴に制限されるので、マスクの中の空気の温度を呼気の温度と略同じにすることができるとしている。
【0028】
しかし、特許文献1に記載のマスクでは、空気の通り道が狭くなっているとはいえ、鼻や口のすぐ近くに、空気の通り道が設けられている。そのため、喘息の患者は、埃や冷気をそのまま吸い込んでしまい、喘息の発生を抑えることが難しい。
【0029】
一方、本実施の形態では、マスク本体10の全体、または、マスク本体10のうち端縁を除く部分の通気を遮断する通気性のない通気遮断シート20が設けられている。これにより、マスク本体10のうち、鼻や口のすぐ近くには、空気の通り道が存在しない。さらに、本実施の形態では、マスク本体10のうち、上端縁を除く端縁全体には、弾性通気体40が設けられており、マスク本体10の上端縁には、可撓性補強片30が設けられている。これにより、マスク本体10と顔表面との間に、密閉された空隙が形成されるとともに、密閉された空隙と、外気との通気が、鼻や口から離れた位置に設けられた弾性通気体40によって得られる。
【0030】
このように、本実施の形態によれば、鼻や口から離れた位置に、密閉された空隙と、外気との通気経路(弾性通気体40)を設けるようにしたので、喘息の患者が冷気をそのまま吸い込んでしまうおそれがない。従って、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0031】
本実施の形態において、通気遮断シート20が、穴のない可撓性の樹脂シートによって構成されている場合には、樹脂シートの剛性によって、呼吸に応じてマスク本体10が顔表面に密着するのを抑制することができる。
【0032】
本実施の形態において、マスク本体10が通気遮断シート20の出し入れを可能にする開口部11を有している場合には、マスク本体10から通気遮断シート20を取り出した上で、マスク本体10を洗うことができるので、マスク本体10に付着した埃や汚れによる喘息の発生を抑制することができる。なお、通気遮断シート20が、マスク本体10内に通気遮断シート20を入れたままで、マスク本体10を洗うことができるような素材で構成されている場合には、マスク本体10に開口部11が設けられていなくてもよい。
【0033】
本実施の形態において、弾性通気体40が、マスク本体10のうち、上端縁を除く端縁全体が顔表面に密着したときに、呼吸に応じてマスク本体10が顔表面に密着するのを妨げる厚さと、呼吸に応じて外気と空隙との通気が得られる通気性とを有している場合には、喘息の発生をより効果的に抑えることができるだけでなく、楽に呼吸をすることができる。
【0034】
本実施の形態において、弾性通気体40が、上述した厚さおよび通気性を有するスポンジによって構成されている場合には、安価な材料で通気を確保することができる。
【0035】
本実施の形態では、長さ調節機構51を有する一対の掛け紐50が設けられているので、マスク1の密着性を容易に調整することができる。その結果、弾性通気体40以外の箇所からの意図しない通気を防ぐことができるので、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0036】
本実施の形態において、可撓性補強片30が通気遮断シート20の上端縁に貼り合わされている場合には、可撓性補強片30をマスク本体10に固定する必要がない。可撓性補強片30をマスク本体10に固定する際には、マスク本体10のうち、可撓性補強片30と接する箇所に、接着剤を塗布する必要がある。マスク本体10に付着した接着剤は経年劣化により、黄色く変色し易い。接着剤の変色は、マスク本体10の汚れのように見え、マスク1の清潔感を損なってしまう。しかし、本実施の形態において、可撓性補強片30が通気遮断シート20の上端縁に貼り合わされている場合には、接着剤の変色は、マスク本体10に影響しないので、マスク1の清潔感を損なうおそれがない。また、可撓性補強片30が通気遮断シート20の上端縁に貼り合わされている場合には、通気遮断シート20の位置決めをするだけで、可撓性補強片30の位置決めも同時に行うことができる。そのため、可撓性補強片30をマスク本体10に直接、固定する場合と比べて、マスク1の製造工程を簡素化することができる。
【0037】
<第2の実施の形態>
[構成]
本発明の第2の実施の形態に係るマスク2の構成について説明する。
図4は、マスク2の斜視構成例を表したものである。マスク2は、上記実施の形態に係るマスク1において、マスク10の代わりにマスク本体60を備えたものである。
【0038】
マスク本体60は、鼻および口を覆うためのものであり、通気性の無い通気遮断シートで構成されている。マスク本体60に用いられる通気遮断シートとしては、例えば、穴のない可撓性の樹脂シートが挙げられる。マスク本体60(通気遮断シート)は、例えば、方形状となっており、マスク本体60(通気遮断シート)の端縁は、上端縁、下端縁、右端縁および左端縁によって構成されている。マスク本体60(通気遮断シート)は、通気性がない。そのため、マスク本体60(通気遮断シート)は、マスク本体60(通気遮断シート)の全体の通気を遮断する。可撓性補強片30は、マスク本体60の上端縁に貼り合わされている。
【0039】
[効果]
本実施の形態では、マスク本体60が通気性のない通気遮断シートによって構成されている。これにより、鼻や口のすぐ近くには、冷気の通り道が存在しない。さらに、本実施の形態では、マスク本体60のうち、上端縁を除く端縁全体には、弾性通気体40が設けられており、マスク本体60の上端縁には、可撓性補強片30が設けられている。これにより、マスク本体60と顔表面との間に、密閉された空隙が形成されるとともに、密閉された空隙と、外気との通気が、鼻や口から離れた位置に設けられた弾性通気体40によって得られる。
【0040】
このように、本実施の形態によれば、鼻や口から離れた位置に、密閉された空隙と、外気との通気経路(弾性通気体40)を設けるようにしたので、喘息の患者が冷気をそのまま吸い込んでしまうおそれがない。従って、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0041】
本実施の形態において、マスク本体60(通気遮断シート)が、穴のない可撓性の樹脂シートによって構成されている場合には、樹脂シートの剛性によって、呼吸に応じてマスク本体60が顔表面に密着するのを抑制することができる。
【0042】
本実施の形態において、弾性通気体40が、マスク本体60のうち、上端縁を除く端縁全体が顔表面に密着したときに、呼吸に応じてマスク本体60が顔表面に密着するのを妨げる厚さと、呼吸に応じて外気と空隙との通気が得られる通気性とを有している場合には、喘息の発生をより効果的に抑えることができるだけでなく、楽に呼吸をすることができる。
【0043】
本実施の形態において、弾性通気体40が、上述した厚さおよび通気性を有するスポンジによって構成されている場合には、安価な材料で通気を確保することができる。
【0044】
本実施の形態では、長さ調節機構51を有する一対の掛け紐50が設けられているので、マスク2の密着性を容易に調整することができる。その結果、弾性通気体40以外の箇所からの意図しない通気を防ぐことができるので、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0045】
<第3の実施の形態>
[構成]
本発明の第3の実施の形態に係るマスク3の構成について説明する。
図5は、マスク3の斜視構成例を表したものである。マスク3は、上記実施の形態に係るマスク1において、マスク10の代わりにマスク本体70および通気遮断シート80を備えたものである。
【0046】
マスク本体70は、鼻および口を覆うためのものであり、複数枚の通気性シートを積層して構成されている。マスク本体70に用いられる通気性シートとしては、例えば、ガーゼ、または、不織布が挙げられる。マスク本体70は、例えば、方形状となっており、マスク本体70の端縁は、上端縁、下端縁、右端縁および左端縁によって構成されている。
【0047】
通気遮断シート80は、マスク本体70の外側の面に設けられたものである。通気遮断シート80は、例えば、マスク本体70の外側の面に貼り合わされている。通気遮断シート80は、マスク本体70の全体、または、マスク本体70のうち端縁を除く部分の通気を遮断する。通気遮断シート80がマスク本体70と同程度の大きさとなっている場合には、通気遮断シート80は、マスク本体70の全体の通気を遮断する。通気遮断シート80がマスク本体70よりも一回り小さな大きさとなっている場合には、通気遮断シート80は、マスク本体70のうち端縁を除く部分の通気を遮断する。通気遮断シート80は、通気遮断シート80の端縁のうち、左右端縁および下端縁が弾性通気体40と対向するように配置されていることが好ましい。通気遮断シート80は、マスク本体70のうち、弾性通気体40と非対向の領域の通気を遮断するように構成されていてもよい。通気遮断シート80は、マスク本体70のうち、弾性通気体40と非対向の領域であって、かつマスク本体70の上端縁を除く領域の通気を遮断するように構成されていてもよい。通気遮断シート80は、穴のない可撓性の樹脂シートによって構成されていることが好ましい。可撓性補強片30は、マスク本体70の上端縁、または、通気遮断シート80の上端縁に貼り合わされている。
【0048】
[効果]
本実施の形態では、マスク本体70の全体、または、マスク本体70のうち端縁を除く部分の通気を遮断する通気性のない通気遮断シート80が設けられている。これにより、マスク本体70のうち、鼻や口のすぐ近くには、空気の通り道が存在しない。さらに、本実施の形態では、マスク本体70のうち、上端縁を除く端縁全体には、弾性通気体40が設けられており、マスク本体70の上端縁、または、通気遮断シート80の上端縁には、可撓性補強片30が設けられている。これにより、マスク本体70と顔表面との間に、密閉された空隙が形成されるとともに、密閉された空隙と、外気との通気が、鼻や口から離れた位置に設けられた弾性通気体40によって得られる。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、鼻や口から離れた位置に、密閉された空隙と、外気との通気経路(弾性通気体40)を設けるようにしたので、喘息の患者が冷気をそのまま吸い込んでしまうおそれがない。従って、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0050】
本実施の形態において、通気遮断シート80が、穴のない可撓性の樹脂シートによって構成されている場合には、樹脂シートの剛性によって、呼吸に応じてマスク本体70が顔表面に密着するのを抑制することができる。
【0051】
本実施の形態において、弾性通気体40が、マスク本体70のうち、上端縁を除く端縁全体が顔表面に密着したときに、呼吸に応じてマスク本体70が顔表面に密着するのを妨げる厚さと、呼吸に応じて外気と空隙との通気が得られる通気性とを有している場合には、喘息の発生をより効果的に抑えることができるだけでなく、楽に呼吸をすることができる。
【0052】
本実施の形態において、弾性通気体40が、上述した厚さおよび通気性を有するスポンジによって構成されている場合には、安価な材料で通気を確保することができる。
【0053】
本実施の形態では、長さ調節機構51を有する一対の掛け紐50が設けられているので、マスク3の密着性を容易に調整することができる。その結果、弾性通気体40以外の箇所からの意図しない通気を防ぐことができるので、喘息の発生をより効果的に抑えることができる。
【0054】
<変形例>
上記第1、第2および第3の実施の形態において、可撓性補強片30および弾性通気体40のうち、少なくとも一方が省略されていてもよい。例えば、
図6、
図7、
図8に示したように、可撓性補強片30および弾性通気体40の双方が省略されていてもよい。このようにした場合であっても、マスク本体10,60,70のうち、鼻や口のすぐ近くには、埃や冷気の通り道が存在しないので、喘息の患者が埃や冷気をそのまま吸い込んでしまうおそれがない。その結果、喘息の発生を効果的に抑えることができる。
【解決手段】マスクは、マスク本体と、通気遮断シートとを備えている。マスク本体は、鼻および口を覆うためのものであり、複数枚のガーゼを積層して構成されている。通気遮断シートは、マスク本体の内部または外側の面に設けられており、通気遮断シートには、通気性がない。通気遮断シートは、マスク本体の全体、または、マスク本体のうち端縁を除く部分の通気を遮断する。