(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御用電源部は、前記交流電圧の絶対値の増加にともなって前記入力端子に流れる電流を小さくし、前記交流電圧の絶対値の減少にともなって前記入力端子に流れる電流を大きくする定電力回路を有する請求項1または2に記載の電源回路。
前記電流調整部は、トライアックを含む調光器から前記交流電圧が供給される場合に、前記第1状態において前記トライアックの保持電流以上の電流を前記入力端子に流す請求項4記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
図1は、実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明装置10は、照明負荷12(負荷)と、電源回路14と、を備える。照明負荷12は、例えば、発光ダイオード(Light-emitting diode:LED)などの照明光源16を有する。照明光源16は、例えば、有機発光ダイオード(Organic light-emitting diode:OLED)などでもよい。照明光源16には、例えば、順方向降下電圧を有する発光素子が用いられる。照明負荷12は、電源回路14からの出力電圧の印加及び出力電流の供給により、照明光源16を点灯させる。出力電圧及び出力電流の値は、照明光源16に応じて規定される。
【0010】
電源回路14は、交流電源2及び調光器3と接続されている。なお、本願明細書において、「接続」とは、電気的な接続を意味し、物理的に接続されていない場合や他の要素を介して接続されている場合も含むものとする。
【0011】
交流電源2は、例えば、商用電源である。調光器3は、交流電源2の交流の電源電圧VINから導通角制御した交流電圧VCTを生成する。電源回路14は、調光器3から供給される交流電圧VCTを直流電圧に変換して照明負荷12に出力することにより、照明光源16を点灯させる。また、電源回路14は、導通角制御された交流電圧VCTに同期して、照明光源16の調光を行う。なお、調光器3は、必要に応じて設けられ、省略可能である。調光器3が設けられていない場合には、交流電源2の電源電圧VINが、電源回路14に供給される。
【0012】
調光器3の導通角制御には、例えば、交流電圧のゼロクロスから交流電圧の絶対値が最大値となる期間において導通する位相を制御する位相制御(leading edge)の方式と、交流電圧の絶対値が最大値となってから交流電圧がゼロクロスする期間において遮断する位相を制御する逆位相制御(trailing edge)の方式とがある。
【0013】
位相制御する調光器3は、回路構成が簡単であり、比較的大きな電力負荷を扱うことができる。しかし、トライアックが使用されている場合は、軽負荷動作が困難で、電源電圧が一時的に低下するいわゆる電源ディップが発生すると不安定動作に陥りやすい。また、容量性負荷を接続した場合は、突入電流が発生するため容量性負荷との相性が悪いなどの特徴がある。
【0014】
一方、逆位相制御する調光器3は、軽負荷でも動作可能であり、容量性負荷を接続しても突入電流が発生せず、また電源ディップが発生しても動作が安定である。しかし、回路構成が複雑であり、温度が上昇し易いため、重負荷に向かない。また、誘導性負荷を接続した場合は、サージが発生するなどの特徴がある。
【0015】
本実施形態では、調光器3として、電源電圧VINを供給する一対の電源ラインの一方の端子4、6間に直列に挿入された構成を例示しているが、他の構成でもよい。
【0016】
電源回路14は、電力変換部21と、制御部22と、集積回路23と、過電流保護部24と、を有する。
【0017】
電力変換部21は、第1電源供給経路26aを介して供給される導通角制御された交流電圧VCTを変換して照明負荷12に供給する。電力変換部21は、AC−DCコンバータ21aと、DC−DCコンバータ21bと、を有する。AC−DCコンバータ21aは、第1電源供給経路26aを介して供給される交流電圧VCTを第1直流電圧VDC1に変換する。
【0018】
DC−DCコンバータ21bは、第2電源供給経路26bを介してAC−DCコンバータ21aと接続される。DC−DCコンバータ21bは、第2電源供給経路26bから供給される第1直流電圧VDC1を照明負荷12に応じた所定の電圧値の第2直流電圧VDC2に変換して照明負荷12に供給する。第2直流電圧VDC2の絶対値は、第1直流電圧VDC1の絶対値と異なる。第2直流電圧VDC2の絶対値は、例えば、第1直流電圧VDC1の絶対値よりも低い。この例において、DC−DCコンバータ21bは、降圧型のコンバータである。第2直流電圧VDC2の供給により、照明負荷12の照明光源16が点灯する。
【0019】
制御部22は、交流電圧VCTの導通角を検出し、検出した導通角に応じて電力変換部21による電圧の変換を制御する。制御部22は、例えば、DC−DCコンバータ21bによる第1直流電圧VDC1から第2直流電圧VDC2への変換を制御する。この例において、制御部22は、過電流保護部24を介してDC−DCコンバータ21bの動作を制御する。制御部22は、例えば、検出した導通角に対応する調光信号DMSを生成し、その調光信号DMSを過電流保護部24に入力する。このように、制御部22は、検出した導通角に応じて過電流保護部24を制御する。これにより、制御部22は、調光器3の導通角制御に同期して、照明光源16を調光する。制御部22には、例えば、マイクロプロセッサが用いられる。
【0020】
過電流保護部24は、電源回路14の低電位側の出力端子8に接続される。すなわち、過電流保護部24は、照明負荷12の低電位側の端部に接続される。過電流保護部24は、照明負荷12(照明光源16)に流れる電流を検出する。過電流保護部24は、制御部22から入力された調光信号DMSと検出した電流とを基に、DC−DCコンバータ21bをフィードバック制御する。例えば、照明光源16に過電流が流れている場合に、電流を小さくするようにDC−DCコンバータ21bをフィードバック制御する。これにより、過電流保護部24は、照明光源16に過電流が流れることを抑制する。
【0021】
集積回路23は、1チップ化された1つの部品である。集積回路23には、例えば、入力端子40と、第1基準電位端子41と、電流調整部42と、制御端子43と、制御用電源部44と、出力端子45と、第2基準電位端子46と、接続端子47と、保護回路48と、が設けられている。
【0022】
入力端子40は、第1電源供給経路26aに電気的に接続され、交流電圧VCTに応じた電圧が入力される。第1基準電位端子41は、第1電源供給経路26aに電気的に接続される。第1基準電位端子41は、入力端子40に流れる電流を第1電源供給経路26aに戻す。第1基準電位端子41は、例えば、AC−DCコンバータ21aのグラウンドに接続される。第1基準電位端子41は、例えば、AC−DCコンバータ21aのグラウンドと実質的に同じ電位に設定される。
【0023】
電流調整部42は、入力端子40に接続され、入力端子40に流れる電流を調整する。電流調整部42は、第1電源供給経路26aを流れる電流の一部を入力端子40に流す第1状態と、入力端子40に流れる電流が第1状態よりも小さい第2状態と、を切り替える。これにより、電流調整部42は、例えば、第1電源供給経路26aに流れる電流を調整する。第1状態において入力端子40に流れる電流の最大値は、例えば、調光器3に用いられたトライアックの保持電流以上である。第2状態は、例えば、入力端子40に実質的に電流が流れない状態である。例えば、第1状態は、導通状態であり、第2状態は、非導通状態である。第2状態には、動作に影響のない微小な電流が入力端子40に流れる場合も含む。
【0024】
制御端子43は、電流調整部42に接続されている。また、制御端子43は、制御部22に接続される。制御部22は、検出した導通角に応じて制御信号CGSを生成し、その制御信号CGSを制御端子43を介して電流調整部42に入力する。これにより、制御部22は、電流調整部42の第1状態と第2状態との間の切り替えを制御する。
【0025】
制御用電源部44は、電流調整部42に接続される。制御用電源部44は、電流調整部42を介して入力される電圧を制御部22に応じた直流の駆動電圧VDDに変換する。出力端子45は、制御用電源部44及び制御部22に接続され、駆動電圧VDDを制御部22に出力する。第2基準電位端子46は、例えば、制御部22のグラウンドに接続される。第2基準電位端子46は、例えば、制御部22のグラウンドと実質的に同じ電位に設定される。
【0026】
接続端子47は、駆動電圧VDDの生成に用いられるバックアップコンデンサ50(コンデンサ)を接続するための端子である。保護回路48は、バックアップコンデンサ50のインピーダンスの低下を検知する。すなわち、保護回路48は、バックアップコンデンサ50の短絡を検知する。保護回路48は、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが所定値以下となった場合に、入力端子40に流れる電流を低減または遮断する。
【0027】
AC−DCコンバータ21aは、整流回路30と、平滑コンデンサ32と、インダクタ34と、フィルタコンデンサ36と、整流素子37、38と、を有する。
【0028】
整流回路30は、例えば、ダイオードブリッジである。整流回路30の入力端子30a、30bは、一対の入力端子4、5に接続されている。整流回路30の入力端子30a、30bには、調光器3を介して位相制御または逆位相制御された交流電圧VCTが入力される。整流回路30は、例えば、交流電圧VCTを全波整流し、全波整流後の脈流電圧を高電位端子30cと低電位端子30dとの間に生じさせる。
【0029】
平滑コンデンサ32は、整流回路30の高電位端子30cと低電位端子30dとの間に接続されている。平滑コンデンサ32は、整流回路30によって整流された脈流電圧を平滑化する。これにより、平滑コンデンサ32の両端には、第1直流電圧VDC1が現れる。
【0030】
インダクタ34は、入力端子4に直列に接続されている。インダクタ34は、例えば、第1電源供給経路26aに対して直列に接続される。フィルタコンデンサ36は、入力端子4、5の間に接続されている。フィルタコンデンサ36は、例えば、第1電源供給経路26aに対して並列に接続される。インダクタ34及びフィルタコンデンサ36は、例えば、交流電圧VCTに含まれるノイズを除去する。
【0031】
整流素子37、38は、例えば、ダイオードである。整流素子37のアノードは、整流回路30の入力端子30aに接続されている。整流素子38のアノードは、整流回路30の入力端子30bに接続されている。
【0032】
DC−DCコンバータ21bは、平滑コンデンサ32の両端に接続される。これにより、第1直流電圧VDC1が、DC−DCコンバータ21bに入力される。DC−DCコンバータ21bは、第1直流電圧VDC1を絶対値の異なる第2直流電圧VDC2に変換し、その第2直流電圧VDC2を電源回路14の出力端子7、8に出力する。照明負荷12は、出力端子7、8に接続されている。照明負荷12は、電源回路14から供給された第2直流電圧VDC2により、照明光源16を点灯させる。
【0033】
電流調整部42は、例えば、スイッチング素子60、61と、抵抗62、63と、ツェナーダイオード64と、切替スイッチ65と、を有している。
【0034】
スイッチング素子60には、例えば、FETやGaN−HEMTなどが用いられる。以下では、スイッチング素子60をFETとして説明を行う。また、この例では、スイッチング素子60が、ノーマリオフ形である。スイッチング素子60は、ノーマリオン形でもよい。
【0035】
スイッチング素子60のドレインは、入力端子40に接続されている。入力端子40は、整流素子37のカソード及び整流素子38のカソードに接続されている。スイッチング素子60のドレインは、入力端子40を介して整流素子37のカソード及び整流素子38のカソードに接続される。すなわち、スイッチング素子60のドレインは、入力端子40及び各整流素子37、38を介して第1電源供給経路26aに接続される。
【0036】
交流電圧VCTの印加にともなう一方の極性の電流は、整流素子37を介してスイッチング素子60のドレインに流れる。交流電圧VCTの印加にともなう他方の極性の電流は、整流素子38を介してスイッチング素子60のドレインに流れる。これにより、スイッチング素子60のドレインには、交流電圧VCTを全波整流した脈流の電圧が印加される。
【0037】
スイッチング素子60のゲートは、抵抗62の一端、及び、ツェナーダイオード64のカソードに接続されている。抵抗62の他端は、整流素子37のカソード及び整流素子38のカソードに接続されている。ツェナーダイオード64のアノードは、第2基準電位端子46に接続されている。
【0038】
ツェナーダイオード64のカソードには、抵抗62及び各整流素子37、38を介して、脈流の電圧が印加される。これにより、スイッチング素子60のゲートには、ツェナーダイオード64の降伏電圧に応じた実質的に一定の電圧が印加される。これにともない、スイッチング素子60のドレイン−ソース間に、実質的に一定の電流が流れる。このように、スイッチング素子60は、定電流素子として機能する。スイッチング素子60は、例えば、入力端子40に流れる電流を調整する。
【0039】
この例において、スイッチング素子61は、npnトランジスタである。スイッチング素子61は、ノーマリオフ形である。スイッチング素子61は、例えば、FETやGaN−HEMTなどでもよい。スイッチング素子61は、ノーマリオン形でもよい。
【0040】
スイッチング素子61のコレクタは、切替スイッチ65の一端に接続されている。切替スイッチ65の他端は、スイッチング素子60のゲートに接続されている。すなわち、スイッチング素子61のコレクタは、切替スイッチ65を介してスイッチング素子60のゲートに接続される。
【0041】
切替スイッチ65は、ノーマリオフ形のスイッチである。切替スイッチ65には、例えば、バイポーラトランジスタやFETなどが用いられる。
【0042】
スイッチング素子61のエミッタは、第2基準電位端子46に接続されている。スイッチング素子61のベースは、抵抗63の一端に接続されている。抵抗63の他端は、制御端子43に接続されている。すなわち、スイッチング素子61のベースは、抵抗63及び制御端子43を介して制御部22に接続される。
【0043】
制御部22は、スイッチング素子61のベースに制御信号CGSを入力する。例えば、制御部22から入力される制御信号CGSをLoからHiに切り替えることで、スイッチング素子61が、オフ状態からオン状態に変化する。
【0044】
切替スイッチ65をオン状態にした後、スイッチング素子61をオン状態にすると、スイッチング素子60のゲートが、制御部22のグラウンドの電位に設定される。これにより、スイッチング素子60が、オフ状態になる。すなわち、スイッチング素子61をオン状態にすることによって、電流調整部42が第2状態となり、スイッチング素子61をオフ状態にすることによって、電流調整部42が第1状態となる。
【0045】
また、電流調整部42には、経路切替部66が設けられている。経路切替部66には、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、第3抵抗R3と、切替スイッチSW1、SW2と、npnトランジスタ67と、抵抗68と、が設けられている。
【0046】
第1抵抗R1の一端、第2抵抗R2の一端、及び、第3抵抗R3の一端のそれぞれは、スイッチング素子60のソースに接続されている。第2抵抗R2の他端は、切替スイッチSW1の一端に接続されている。切替スイッチSW1の他端は、第1抵抗R1の他端に接続されている。第3抵抗R3の他端は、切替スイッチSW2の一端に接続されている。切替スイッチSW2の他端は、第1抵抗R1の他端に接続されている。すなわち、第1抵抗R1、第2抵抗R2及び第3抵抗R3は、それぞれ並列に接続されている。切替スイッチSW1は、ノーマリオフ形である。切替スイッチSW2は、ノーマリオン形である。切替スイッチSW1、SW2には、例えば、バイポーラトランジスタやFETなどが用いられる。
【0047】
npnトランジスタ67のコレクタは、スイッチング素子60のゲートに接続されている。npnトランジスタ67のエミッタは、抵抗68の一端に接続されている。npnトランジスタ67のベースは、スイッチング素子60のソースに接続されている。抵抗68の他端は、第1抵抗R1の他端に接続されている。
【0048】
経路切替部66は、各切替スイッチSW1、SW2のオン・オフによって、入力端子40に流れる電流の異なる複数の経路を形成する。経路切替部66は、例えば、各切替スイッチSW1、SW2のそれぞれをオン状態とし、並列に接続された各抵抗R1〜R3のそれぞれをスイッチング素子60のソースに接続する第1経路を形成する。経路切替部66は、例えば、各切替スイッチSW1、SW2のそれぞれをオフ状態とし、第1抵抗R1のみをスイッチング素子60のソースに接続する第2経路を形成する。経路切替部66は、例えば、切替スイッチSW1をオフ状態とし、切替スイッチSW2をオン状態とし、並列に接続された第1抵抗R1及び第3抵抗R3をスイッチング素子60のソースに接続する第3経路を形成する。
【0049】
各抵抗R1〜R3の合成抵抗の抵抗値は、第1抵抗R1の抵抗値よりも小さい。従って、第1経路において入力端子40に流れる電流の最大値は、第2経路において入力端子40に流れる電流の最大値よりも大きい。
【0050】
第1抵抗R1と第3抵抗R3との合成抵抗の抵抗値は、第1抵抗R1の抵抗値よりも小さい。また、第1抵抗R1と第3抵抗R3との合成抵抗の抵抗値は、各抵抗R1〜R3の合成抵抗の抵抗値よりも大きい。従って、第3経路において入力端子40に流れる電流の最大値は、第2経路において入力端子40に流れる電流の最大値よりも大きく、第1経路において入力端子40に流れる電流の最大値よりも小さい。
【0051】
第1経路において入力端子40に流れる電流の最大値は、例えば、300mA程度である。第2経路において入力端子40に流れる電流の最大値は、例えば、0.5mA程度である。第3経路において入力端子40に流れる電流の最大値は、例えば、2mA程度である。第1経路において入力端子40に流れる電流の最大値は、例えば、調光器3に用いられたトライアックの保持電流以上である。第3経路において入力端子40に流れる電流の最大値は、例えば、調光器3に用いられたトライアックの保持電流未満である。
【0052】
制御用電源部44は、例えば、整流素子71と、抵抗72と、切替スイッチ73と、レギュレータ74と、を有している。
【0053】
整流素子71のアノードは、第1抵抗R1の他端に接続されている。すなわち、整流素子71のアノードは、経路切替部66を介してスイッチング素子60のソースに接続される。整流素子71のカソードは、抵抗72の一端に接続されている。抵抗72の他端は、切替スイッチ73の一端に接続されている。切替スイッチ73の他端は、レギュレータ74の入力端子に接続されている。切替スイッチ73は、ノーマリオン形である。切替スイッチ73には、例えば、バイポーラトランジスタやFETなどが用いられる。
【0054】
また、抵抗72の他端は、接続端子47を介してバックアップコンデンサ50の一端にも接続されている。バックアップコンデンサ50の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。レギュレータ74の出力端子は、集積回路23の出力端子45を介して制御部22に接続されている。
【0055】
電流調整部42が第1状態にある場合には、第1電源供給経路26aからの脈流の電圧が、スイッチング素子60、経路切替部66、整流素子72、抵抗72及び切替スイッチ73を介してバックアップコンデンサ50に入力され、バックアップコンデンサ50が充電される。同時に、第1電源供給経路26aからの脈流の電圧をバックアップコンデンサ50で平滑化した実質的に直流の電圧が、レギュレータ74に入力される。レギュレータ74は、入力された直流電圧から実質的に一定の直流の駆動電圧VDDを生成し、制御部22に出力する。これにより、駆動電圧VDDが制御部22に供給される。
【0056】
このように、バックアップコンデンサ50は、駆動電圧VDDの生成に用いられる。バックアップコンデンサ50は、例えば、制御部22に駆動電圧VDDを出力する出力経路に対して並列に接続され、駆動電圧VDDを平滑化する。
【0057】
また、電流調整部42が第1状態から第2状態に変化した場合には、バックアップコンデンサ50に蓄積された電荷が、レギュレータ74に供給される。これにより、電流調整部42が第2状態にある場合においても、バックアップコンデンサ50に蓄積された電荷によって、一時的に制御部22を駆動することができる。バックアップコンデンサ50の容量は、例えば、10μF〜20μF程度である。
【0058】
また、制御用電源部44には、定電力回路80が設けられている。定電力回路80は、例えば、半導体素子81と、抵抗82、83と、シャントレギュレータ84と、切替スイッチ85と、を有する。この例において、半導体素子81は、npnトランジスタである。半導体素子81は、ノーマリオフ形である。半導体素子81は、例えば、FETやGaN−HEMTなどでもよい。半導体素子81は、ノーマリオン形でもよい。
【0059】
半導体素子81のコレクタは、第1抵抗R1の他端に接続されている。半導体素子81のベースは、抵抗82の一端、抵抗83の一端、及び、シャントレギュレータ84のカソードに接続されている。半導体素子81のエミッタは、切替スイッチ85の一端に接続されている。切替スイッチ85の他端は、第1基準電位端子41に接続されている。切替スイッチ85は、ノーマリオフ形である。切替スイッチ85には、例えば、バイポーラトランジスタやFETなどが用いられる。
【0060】
第1基準電位端子41は、集積回路23の外部に設けられた抵抗51の一端に接続されている。抵抗51の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。これにより、第1基準電位端子41が、抵抗51を介して第1電源供給経路26aに接続される。
【0061】
抵抗82の他端は、半導体素子81のコレクタに接続されている。抵抗82の他端は、シャントレギュレータ84のリファレンス端子に接続されている。
【0062】
シャントレギュレータ84のリファレンス端子は、接続端子86に接続されている。接続端子86は、抵抗52の一端及び抵抗53の一端に接続されている。抵抗52の他端は、整流素子37、38のそれぞれのカソードに接続されている。抵抗53の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。また、抵抗53には、コンデンサ54が並列に接続されている。
【0063】
これにより、シャントレギュレータ84のリファレンス端子には、第1電源供給経路26aからの脈流電圧を抵抗52、53で分圧した電圧が、リファレンス電圧として入力される。
【0064】
シャントレギュレータ84のアノードは、接続端子87に接続されている。接続端子87は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。
【0065】
制御用電源部44では、半導体素子81のベース電位が、シャントレギュレータ84のリファレンス端子に入力される脈流電圧に応じて変化する。すなわち、交流電圧VCTの実効値に応じて、半導体素子81のベース電位が変化する。例えば、交流電圧VCTの絶対値が最大のときに、半導体素子81のベース電位が最大になる。
【0066】
半導体素子81のベース電位を高くすると、半導体素子81のコレクタ電流が大きくなり、スイッチング素子60のソース電位が上昇する。すなわち、制御用電源部44は、交流電圧VCTの絶対値に応じて、スイッチング素子60のソース電位を変化させる。スイッチング素子60のゲート電位は、実質的に一定であるから、ソース電位を変化させることにより、スイッチング素子60のドレイン電流を変化させることができる。具体的には、ソース電位を上昇させることによって、ドレイン電流が低下し、ソース電位を減少させることによって、ドレイン電流が増大する。
【0067】
従って、交流電圧VCTの絶対値が高い状態においては、スイッチング素子60のドレイン電流が低下し、交流電圧VCTの絶対値が低い状態においては、スイッチング素子60のドレイン電流が増大する。
【0068】
このように、定電力回路80は、交流電圧VCTの絶対値の増加にともなって入力端子40に流れる電流を小さくし、交流電圧VCTの絶対値の減少にともなって入力端子40に流れる電流を大きくする。これにより、例えば、制御用電源部44で消費される電力を実質的に一定にすることができる。なお、電力が実質的に一定とは、例えば、制御用電源部44で消費される電力が、所定の誤差範囲内にある状態である。
【0069】
保護回路48の1つの入力端子は、抵抗72と切替スイッチ73との間に接続されている。これにより、保護回路48には、第1電源供給経路26aからの脈流の電圧が入力される。また、保護回路48の別の入力端子は、レギュレータ74の出力端子に接続されている。これにより、保護回路48には、駆動電圧VDDが入力される。
【0070】
保護回路48は、電源投入時(電源電圧VINの供給開始時)に、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが所定値以下か否かの検出を行う。すなわち、保護回路48は、電源投入時にバックアップコンデンサ50が短絡しているか否かを検出する。
【0071】
保護回路48には、例えば、バンドギャップ型の基準電圧回路とコンパレータとが設けられている。保護回路48は、第1電源供給経路26aからの脈流電圧を基に、基準電圧回路でバンドギャップリファレンスを生成する。そして、そのバンドギャップリファレンスと駆動電圧VDDとをコンパレータで比較することにより、駆動電圧VDDが所定値以下であるか否かを検出する。
【0072】
バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下しているときは、脈流電圧の平滑化の度合いが低下するため、駆動電圧VDDが低下する。従って、保護回路48は、駆動電圧VDDが所定値以下のときに、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下していると検出する。保護回路48は、例えば、駆動電圧VDDが0.5V以下のときに、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下していると検出する。なお、検出の閾値は、例えば、上昇時は1V、下降時は0.5Vなどのように、ヒステリシスを持たせてもよい。
【0073】
また、保護回路48は、図示を省略した配線を介して、各切替スイッチ65、73、85、SW1及びSW2のそれぞれと接続されている。各切替スイッチ65、73、85、SW1及びSW2のそれぞれのオン・オフの切り替えは、保護回路48によって制御される。
【0074】
前述のように、切替スイッチ65、85及びSW1は、ノーマリオフである。従って、電源投入時において、切替スイッチ65、85及びSW1は、オフ状態にある。一方、切替スイッチ73及びSW2は、ノーマリオンである。従って、電源投入時において、切替スイッチ73及びSW2は、オン状態にある。すなわち、電源投入時において、経路切替部66は、第3経路に設定されている。
【0075】
保護回路48は、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下していないことを検出した場合、切替スイッチ65、85及びSW1をオン状態にする。これにより、スイッチング素子60のゲートとスイッチング素子61のコレクタとが接続され、半導体素子81のエミッタと第1基準電位端子41とが接続されるとともに、経路切替部66が第1経路に設定される。これにより、集積回路23が、定常の動作を実施可能な状態となる。
【0076】
一方、保護回路48は、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下していることを検出した場合、切替スイッチ73及びSW2をオフ状態にする。これにより、レギュレータ74への電圧の入力が遮断されるとともに、経路切替部66が第2経路に設定される。これにより、保護回路48は、入力端子40に流れる電流を低減する。また、保護回路48は、出力端子45からの駆動電圧VDDの出力を停止する。
【0077】
制御部22には、抵抗55、56とコンデンサ57とが、さらに接続されている。抵抗55の一端は、整流素子37、38のそれぞれのカソードに接続されている。抵抗55の他端は、抵抗56の一端に接続されている。抵抗56の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続されている。コンデンサ57は、抵抗56に対して並列に接続されている。そして、抵抗55、56の接続点が、制御部22に接続されている。これにより、抵抗55、56の分圧比に応じた電圧が、交流電圧VCTの絶対値を検出するための検出電圧として制御部22に入力される。
【0078】
制御部22は、例えば、検出電圧を基に、交流電圧VCTの導通角制御の有無や、導通角制御の種類(位相制御か逆位相制御か)の検出を行う。そして、制御部22は、導通角制御が行われている場合に、その導通角の検出を行う。制御部22は、この検出結果に基づいて、調光信号DMSを生成し、その調光信号DMSを過電流保護部24に入力する。制御部22は、例えば、検出した導通角に対応するPWM信号を調光信号DMSとして過電流保護部24に入力する。
【0079】
過電流保護部24は、差動増幅回路90と、半導体素子91と、を有する。この例において、半導体素子91は、npnトランジスタである。半導体素子91は、ノーマリオフ形の素子である。半導体素子91は、pnpトランジスタやFETなどでもよい。半導体素子91は、ノーマリオン形でもよい。
【0080】
差動増幅回路90は、例えば、オペアンプ92と、コンデンサ93と、を有する。コンデンサ93は、オペアンプ92の出力端子と、オペアンプ92の反転入力端子と、の間に接続されている。
【0081】
オペアンプ92の非反転入力端子は、出力端子8に接続されている。すなわち、オペアンプ92の非反転入力端子は、照明負荷12の低電位側の端部に接続される。これにより、照明光源16に流れる電流を検出することができる。照明光源16にLEDなどの発光素子が用いられている場合、照明光源16の電圧は、順方向降下電圧に応じて実質的に一定である。従って、照明光源16にLEDなどの発光素子が用いられている場合には、照明負荷12の低電位側の端部に接続することで、照明光源16に流れる電流を適切に検出することができる。
【0082】
オペアンプ92の反転入力端子は、抵抗94の一端に接続されている。抵抗94の他端は、抵抗95の一端、コンデンサ96の一端、及び、抵抗97の一端に接続されている。抵抗95の他端及びコンデンサ96の他端は、整流回路30の低電位端子30dに接続される。抵抗97の他端は、制御部22に接続されている。このように、オペアンプ92の反転入力端子は、抵抗94、97を介して制御部22に接続されている。オペアンプ92の反転入力端子には、制御部22からの調光信号DMSが入力される。
【0083】
例えば、PWM信号をコンデンサ96で平滑化した直流の電圧が、調光信号DMSとしてオペアンプ92の反転入力端子に入力される。オペアンプ92の反転入力端子には、例えば、調光器3の調光度に応じた直流の電圧が、調光信号DMSとして入力される。調光信号DMSに電圧レベルは、非反転入力端子に入力される検出電圧の電圧レベルに対応して設定される。より詳しくは、例えば、所望の調光度に対応する調光信号DMSの電圧レベルが、その調光度に対応する輝度で照明光源16が発光した場合の検出電圧の電圧レベルと実質的に同じとなるように設定される。
【0084】
このように、オペアンプ92の非反転入力端子には、照明光源16に流れる電流に対応する検出電圧が入力され、オペアンプ92の反転入力端子には、調光信号DMSが入力される。これにより、オペアンプ92の出力端子からは、検出電圧と調光信号DMSとの差分に対応した信号が出力される。検出電圧が調光信号DMSよりも大きくなるに従って、オペアンプ92の出力も大きくなる。すなわち、照明光源16に過電流が流れている場合に、オペアンプ92の出力が大きくなる。このように、この例においては、調光信号DMSが基準値として用いられる。なお、調光を行わない場合には、基準値となる実質的に一定の直流電圧を、オペアンプ92の反転入力端子に入力してもよい。
【0085】
半導体素子91のコレクタは、DC−DCコンバータ21bに接続されている。半導体素子91のエミッタは、整流回路30の低電位端子30dに接続される。半導体素子91のベースは、オペアンプ92の出力端子に接続されている。これにより、半導体素子91のコレクタ電流は、オペアンプ92からの出力によって制御される。
【0086】
前述のように、検出電圧が調光信号DMSよりも大きい場合に、オペアンプ92の出力が大きくなる。従って、半導体素子91は、例えば、検出電圧が調光信号DMSよりも大きい場合に、オン状態となり、検出電圧が調光信号DMS以下の場合に、オフ状態となる。例えば、検出電圧が調光信号DMSよりも大きくなるに従って、半導体素子91のコレクタ電流が大きくなる。
【0087】
DC−DCコンバータ21bは、半導体素子91がオン状態になった場合に、照明負荷12への電力の供給を停止する。これにより、照明光源16に過電流が流れることを抑制することができる。
【0088】
図2(a)及び
図2(b)は、実施形態に係る制御部の動作を表すグラフ図である。
以下は、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下していないことを保護回路48が検出し、集積回路23が、定常の動作を実施可能な状態となった場合の動作例である。
制御部22は、例えば、制御用電源部44からの駆動電圧VDDの供給に応じて起動した後、検出電圧を基に、調光器3の制御方式の判定を行う。
図2(a)及び
図2(b)の横軸は、時間tであり、縦軸は、検出電圧Vdetである。
図2(a)は、位相制御方式の調光器3から交流電圧VCTが供給された場合の検出電圧Vdetの波形の一例を表す。
図2(b)は、逆位相制御方式の調光器3から交流電圧VCTが供給された場合の検出電圧Vdetの波形の一例を表す。
【0089】
図2(a)及び
図2(b)に表したように、制御部22は、検出電圧Vdetに対して、第1閾値電圧Vth1と、第2閾値電圧Vth2と、を設定する。第2閾値電圧Vth2の絶対値は、第1閾値電圧Vth1の絶対値よりも大きい。第1閾値電圧Vth1は、例えば、1V程度である。第2閾値電圧Vth2は、例えば、3V程度である。
【0090】
制御部22は、検出電圧Vdetが第1閾値電圧Vth1に達した時点から、検出電圧Vdetが第2閾値電圧Vth2に達するまでの時間dtを計時する。そして、制御部22は、第1閾値電圧Vth1と第2閾値電圧Vth2との差dVと時間dtとから、傾きdV/dtを求める。制御部22は、この傾きdV/dtが所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上である場合に、位相制御方式であると判定し、所定値未満である場合に、逆位相制御方式であると判定する。なお、時間dtの計時は、例えば、内部クロックを用いて行ってもよいし、外部にタイマなどを設けて行ってもよい。
【0091】
制御部22は、例えば、電源電圧VINまたは交流電圧VCTの入力が停止されるまで、判定を定期的に実施する。なお、判定は、例えば、電源電圧VINまたは交流電圧VCTの半波毎に毎回行ってもよいし、所定数の半波毎に行ってもよい。
【0092】
図3(a)〜
図3(c)は、実施形態に係る制御部の動作を模式的に表すグラフ図である。
図3(a)〜
図3(c)は、位相制御方式と判定した場合の制御部22の動作の一例を表す。
図3(a)〜
図3(c)の横軸は、時間tである。
図3(a)の縦軸は、検出電圧Vdetである。
図3(b)の縦軸は、制御信号CGSの電圧値である。
図3(c)の縦軸は、制御用電源部44に入力される電圧である。
【0093】
図3(a)〜
図3(c)に表したように、制御部22は、位相制御方式と判定した場合、その判定結果を基に、交流電圧VCTの導通角の検出を行う。制御部22は、例えば、検出電圧Vdetが第1閾値電圧Vth1以上の区間を、調光器3の導通角制御の導通区間Tonと判断する。そして、制御部22は、検出電圧Vdetが第1閾値電圧Vth1未満の区間を、調光器3の導通角制御の遮断区間Toffと判断する。これにより、制御部22は、導通区間Tonと遮断区間Toffとの比率から、交流電圧VCTの導通角を検出する。導通角の検出は、第2閾値電圧Vth2に基づいて行ってもよい。導通角の検出は、第1閾値電圧Vth1及び第2閾値電圧Vth2とは異なる閾値に基づいて行ってもよい。
【0094】
制御部22は、交流電圧VCTの導通角を検出した後、その導通角に応じたデューティ比の調光信号DMSを生成し、生成した調光信号DMSを過電流保護部24に入力する。これにより、位相制御方式で導通角を制御された交流電圧VCTに応じて、照明光源16が調光される。
【0095】
また、制御部22は、検出電圧Vdetの電圧値が、第1閾値電圧Vth1未満である場合に、制御信号CGSをLoに設定する。すなわち、スイッチング素子61をオフ状態にして、電流調整部42を第1状態にする。そして、制御部22は、検出用電圧Vdetの電圧値が、第1閾値電圧Vth1以上である場合に、制御信号CGSをHiに設定する。すなわち、スイッチング素子61をオン状態にして、電流調整部42を第2状態にする。換言すれば、制御部22は、交流電圧VCTが所定値未満のときに電流調整部42を第1状態とし、交流電圧VCTが所定値以上のときに電流調整部42を第2状態とする。
【0096】
また、制御部22は、位相制御方式と判定した場合、電流調整部42を第1状態から第2状態に切り替えるタイミングを、検出電圧Vdetの電圧値が、第1閾値電圧Vth1未満の状態から第1閾値電圧Vth1以上の状態に切り替わるタイミングよりも、第1微小時間MT1だけ遅くする。
【0097】
例えば、位相制御方式で導通角制御を行う調光器3にトライアックが用いられ、照明光源16にLEDが用いられているとする。LEDの消費電流は、白熱電球などの消費電流に比べて低い。このため、上記のような動作を行わない場合には、交流電圧VCTが所定値以下の状態において、トライアックをオンするために必要な保持電流を流すことができず、調光器3の動作が不安定になることがある。
【0098】
これに対して、本実施形態に係る電源回路14では、上記のように電流調整部42の動作を制御することにより、所定値以下の交流電圧VCTにおいて、トライアックをオンするために必要な保持電流を電流調整部42(集積回路23の入力端子40)に流すことができる。これにより、調光器3の動作を安定させることができる。また、電流調整部42の切り替えのタイミングを第1微小時間MT1だけ遅くすることで、調光器3の動作をより安定させることができる。
【0099】
電流調整部42を第2状態とした場合、制御用電源部44には電力が供給されない。従って、位相制御方式と判定された場合には、導通区間Tonを第1微小時間MT1だけ短くした区間において、制御用電源部44に電力が供給されない。このように、制御部22は、位相制御方式と判定した場合、導通区間Tonの少なくとも一部において、電流調整部42を第2状態とし、制御用電源部44への電力供給を低減する。例えば、制御用電源部44への電力供給を遮断する。
【0100】
位相制御方式と判定された場合には、遮断区間Toff及び第1微小時間MT1の区間において、レギュレータ74及びバックアップコンデンサ50に電圧が入力され、入力された電圧によってレギュレータ74が動作する。一方、残りの区間(導通区間Tonから第1微小時間MT1を差し引いた区間)では、バックアップコンデンサ50に蓄積された電荷によってレギュレータ74が動作する。
【0101】
図4(a)〜
図4(c)は、実施形態に係る制御部の動作を模式的に表すグラフ図である。
図4(a)〜
図4(c)は、逆位相制御方式と判定した場合の制御部22の動作の一例を表す。
図4(a)〜
図4(c)のそれぞれの横軸及び縦軸は、
図3(a)〜
図3(c)のそれぞれの横軸及び縦軸と同じである。
【0102】
図4(a)〜
図4(c)に表したように、制御部22は、逆位相制御方式と判定した場合にも、まず交流電圧VCTの導通角の検出を行う。制御部22は、例えば、検出電圧Vdetが第1閾値電圧Vth1以上の区間を、調光器3の導通角制御の導通区間Tonと判断する。そして、制御部22は、検出電圧Vdetが第1閾値電圧Vth1未満の区間を、調光器3の導通角制御の遮断区間Toffと判断する。これにより、制御部22は、導通区間Tonと遮断区間Toffとの比率から、交流電圧VCTの導通角を検出する。
【0103】
制御部22は、交流電圧VCTの導通角を検出した後、その導通角に応じたデューティ比の調光信号DMSを生成し、生成した調光信号DMSを過電流保護部24に入力する。これにより、逆位相制御方式においても、導通角を制御された交流電圧VCTに応じて、照明光源16を調光することができる。
【0104】
制御部22は、検出電圧Vdetの電圧値が、第1閾値電圧Vth1未満である場合に、制御信号CGSをLoに設定し、電流調整部42を第1状態にする。制御部22は、検出電圧Vdetの電圧値が、第1閾値電圧Vth1以上である場合に、制御信号CGSをHiに設定し、電流調整部42を第2状態にする。
【0105】
また、制御部22は、逆位相制御方式と判定した場合、電流調整部42を第2状態から第1状態に切り替えるタイミングを、検出電圧Vdetの電圧値が、第1閾値電圧Vth1以上の状態から第1閾値電圧Vth1未満の状態に切り替わるタイミングよりも、第2微小時間MT2だけ早くする。
【0106】
制御部22は、例えば、1つ前に検出した半波の導通区間Tonの時間を記憶しておき、その時間よりも第2微小時間MT2だけ早いタイミングで、電流調整部42を第2状態から第1状態に切り替える。
【0107】
逆位相制御方式では、フィルタコンデンサ36などに蓄積された電荷の影響により、調光器3の実際の導通区間よりも、導通区間Tonが、長くなってしまう場合がある。導通区間Tonが、実際の導通区間よりも長くなると、例えば、調光信号DMSのデューティ比が変化し、照明光源16の調光の度合いが変化してしまう。
【0108】
電流調整部42を第1状態にして、第1電源供給経路26aを流れる電流の一部を集積回路23の入力端子40に流すことにより、フィルタコンデンサ36などに蓄積された電荷を、電流調整部42に引き抜くことができる。これにより、電源回路14では、逆位相制御された交流電圧VCTの導通角をより確実に検出することができる。より高精度に照明光源16の調光を行うことができる。また、上記のように、電流調整部42を切り替えるタイミングを第2微小時間MT2だけ早くすることで、フィルタコンデンサ36などに蓄積された電荷をより適切に引き抜くことができる。導通角の検出精度をより高めることができる。
【0109】
逆位相制御方式と判定された場合には、導通区間Tonを第2微小時間MT2だけ短くした区間において、制御用電源部44に電力が供給されない。このように、制御部22は、逆位相制御方式と判定した場合においても、導通区間Tonの少なくとも一部において、電流調整部42を第2状態とし、制御用電源部44への電力供給を低減する。例えば、制御用電源部44への電力供給を遮断する。
【0110】
逆位相制御方式と判定された場合には、遮断区間Toff及び第2微小時間MT2の区間において、レギュレータ74及びバックアップコンデンサ50に電圧が入力され、入力された電圧によってレギュレータ74が動作する。一方、残りの区間(導通区間Tonから第2微小時間MT2を差し引いた区間)では、バックアップコンデンサ50に蓄積された電荷によってレギュレータ74が動作する。
【0111】
本実施形態に係る電源回路14では、電流調整部42及び制御用電源部44を集積回路23に集積化している。これにより、例えば、回路を小型化することができる。例えば、電球型の筐体などへの実装を容易にすることができる。
【0112】
また、本実施形態に係る電源回路14では、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下したときに、集積回路23の入力端子40に流れる電流を低減している。これにより、例えば、バックアップコンデンサ50が短絡した場合にも、集積回路23に大きな電流が流れることを抑制することができる。例えば、大きな電流による集積回路23の発熱を抑制することができる。従って、回路の一部を集積化した場合にも、信頼性の低下を抑えることができる。
【0113】
また、電源回路14では、電源投入時に集積回路23の経路切替部66を第3経路で起動させている。そして、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下しているときに、経路切替部66を第2経路に切り替えるようにしている。第3経路において流れる電流の最大値は、第2経路において流れる電流の最大値よりも大きい。これにより、バックアップコンデンサ50の充電を促進し、バックアップコンデンサ50のインピーダンスの検出を早めることができる。
【0114】
なお、第3経路を設けることなく、第2経路で経路切替部66を起動させてもよい。但し、この場合には、バックアップコンデンサ50の充電に時間がかかり、検出までに時間がかかってしまう。第3経路を設けない場合、すなわち、第3抵抗R3を設けない場合には、例えば、第1抵抗R1と第2抵抗R2とを並列に接続した状態を第1経路とし、第1抵抗R1のみを接続した状態を第2経路とすればよい。また、第3経路を設ける場合には、上記のように、第3経路において流れる電流の最大値を、第1経路において流れる電流の最大値よりも小さくする。これにより、例えば、保護回路48が故障した場合などに、集積回路23に大きな電流が流れることを抑制することができる。
【0115】
上記実施形態では、バックアップコンデンサ50のインピーダンスが低下しているときに、経路切替部66を第2経路に切り替え、集積回路23の入力端子40に流れる電流を低減しているが、これに限ることなく、例えば、入力端子40に接続される経路を開放することにより、入力端子40に流れる電流を実質的に遮断してもよい。
【0116】
例えば、交流電圧の全位相において制御用電源部に電力を供給する電源回路がある。このような電源回路では、例えば、調光に不要な位相角区間中にも制御用電源部に電流が流れ、電源回路の電力損失が大きくなってしまう。
【0117】
これに対して、本実施形態に係る電源回路14では、交流電圧VCTの導通角を検知し、検知した導通角の導通区間Tonの少なくとも一部において、制御用電源部44への電力供給を低減する。そして、少なくとも交流電圧VCTが導通区間Tonから遮断区間Toffに切り替わるタイミングにおいては、制御用電源部44に電力供給する。これにより、電源回路14では、電力損失を抑制することができる。また、電力損失を抑制することにより、電源回路14の発熱を抑えることもできる。また、発熱を抑えることにより、電流調整部42及び制御用電源部44を集積化し易くすることもできる。
【0118】
また、電源回路14では、位相制御方式の場合に、調光器3のトライアックに保持電流を流すための電流を利用してバックアップコンデンサ50を充電し、逆位相制御方式の場合に、フィルタコンデンサ36などから電荷を引き抜くための電流を利用してバックアップコンデンサ50を充電する。これにより、電力損失をより適切に抑制することができる。
【0119】
また、電源回路14では、定電力回路80を制御用電源部44に設け、制御用電源部44で消費される電力が、実質的に一定になるようにしている。これにより、例えば、入力電圧の高い時(交流電圧VCTの絶対値の大きい時)の電力損失の増大を抑えることができる。電源回路14の電力損失をより適切に抑制できる。なお、定電力回路80は、上記の回路に限ることなく、制御用電源部44で消費される電力を実質的に一定できる任意の回路でよい。
【0120】
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明したが、それらに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0121】
なお、照明光源16はLEDに限らず、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)やOLED(Organic light-emitting diode)などでもよい。照明負荷12には、複数の照明光源16が直列又は並列に接続されていてもよい。
【0122】
上記実施形態では、負荷として、照明負荷12を示しているが、これに限ることなく、例えば、ヒータなどの他の負荷でもよい。上記実施形態では、電源回路として、照明装置10に用いられる電源回路14を示しているが、これに限ることなく、負荷に対応する任意の電源回路でよい。また、負荷に供給する電圧は、直流に限ることなく、交流や脈流などでもよい。
【0123】
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。