【文献】
「CR華麗なる小林幸子の世界」,パチンコ必勝ガイド8/31号増刊,株式会社白夜書房,2008年 8月31日,pp.42-53
【文献】
「CR細川たかしの熱唱炎歌祭り」,パチンコ必勝ガイド2008年11月16日号,株式会社白夜書房,2008年11月16日,pp.60-63
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また
図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1及び
図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
【0071】
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
【0072】
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0073】
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(
図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0074】
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0075】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
【0076】
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0077】
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0078】
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
【0079】
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0080】
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射手段)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
【0081】
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
【0082】
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっている。
【0083】
また上記の可変入賞装置30(特別入賞事象発生手段)は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象(特別入賞事象)を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
【0084】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0085】
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
【0086】
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。
【0087】
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0088】
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。いずれにしても、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数(入賞球数)を表している。
【0089】
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。
【0090】
なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
【0091】
〔遊技盤のその他の構成:
図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
【0092】
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。
【0093】
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
【0094】
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0095】
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0096】
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160,161、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(
図4)に基づいてさらに後述する。
【0097】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
【0098】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0099】
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。
【0100】
また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力ドライバ(I/O)79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
【0101】
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0102】
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0103】
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0104】
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。
【0105】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる(特別入賞特典付与手段)。
【0106】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(ステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
【0107】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0108】
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0109】
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0110】
上記の受け皿ユニット6には受皿中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、受皿中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、受皿中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、受皿中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0111】
また、受け皿ユニット6にはCR基板122が内蔵されており、このCR基板122には上記の球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチや、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号がCR基板122から受皿中継端子板118、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120から受皿中継端子板118を経由してCR基板122に送信される。CR基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。
【0112】
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
【0113】
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
【0114】
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
【0115】
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
【0116】
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
【0117】
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライトに印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
【0118】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
【0119】
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
【0120】
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
【0121】
また、遊技盤8の裏側には盤用外部端子板160が設置されており、そしてプラ枠アセンブリ7の裏側には枠用外部端子板161が設置されている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、それぞれ盤用外部端子板160、枠用外部端子板161を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)を出力することができる。盤用外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータで集計される。
【0122】
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
【0123】
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
【0124】
図5及び
図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
【0125】
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
【0126】
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
【0127】
ステップS103:主制御CPU72は、マスクレジスタの初期設定を行う。
ステップS104:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS105を実行する。
【0128】
ステップS105:主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS106を実行する。
【0129】
ステップS106:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。チェック結果が正常であれば(Yes)、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)し、次に主制御CPU72はステップS107を実行する。
【0130】
ステップS107:主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンドを送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、演出図柄の表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させる。
【0131】
ステップS108:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元に、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。そして、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧し、そのプログラムアドレスから処理を続行する。
【0132】
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS104:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS105:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS106:No)、主制御CPU72はステップS109に移行する。
【0133】
ステップS109:主制御CPU72は、RAM76の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76にバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
【0134】
ステップS110:また主制御CPU72は、RAM76のバッファ領域に確保されているコマンド送信要求バッファをクリアする。
【0135】
ステップS111:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72がリセット後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
【0136】
ステップS112:主制御CPU72は、CTC初期化処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期化を行う。そして主制御CPU72は、
図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
【0137】
ステップS113,ステップS114:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される信号を参照し、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。なお、電源遮断が発生すると、主制御CPU72はレジスタを退避し、RAM76全体の内容をバックアップして処理を停止(NOP)する。電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS115を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
【0138】
ステップS115:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数以外に各種の乱数をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(
図7中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS115では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS113で割込を禁止した後にステップS115を実行しているのは、別の割込処理(
図7中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。
【0139】
ステップS116,ステップS117:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(
図7)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容についは後述する。
【0140】
ステップS118:次に主制御CPU72は、割込回数カウンタの値を参照し、ここまでに実行した割込処理が所定回数(例えば2回)を超えたか否かを判断する。割込回数カウンタの値が所定値を超えていなければ(No)、主制御CPU72はステップS113に戻る。一方、割込回数カウンタの値が所定値を超えていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS119を実行する。これにより、メインループの実行中に少なくとも2回のタイマ割込が発生して別の割込管理処理が実行されるとともに、さらに主制御CPU72は、タイマ割込が発生する残り時間で電源断発生チェック処理(ステップS114)及び初期値更新乱数更新処理(ステップS115)を実行する。
【0141】
ステップS119,ステップS120:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。また主制御CPU72は、RAM76のバッファ領域に確保されているポート出力要求バッファをクリアする。
【0142】
ステップS121:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、別の割込処理(
図7中のステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
【0143】
ステップS122,ステップS123:主制御CPU72は、メインループ中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。
【0144】
また普通図柄遊技処理では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は別の割込管理処理の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄大当り決定乱数)を記憶しておく。そして主制御CPU72は、この普通図柄遊技処理の中で乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0145】
ステップS124:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は盤用外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報を出力する。
【0146】
ステップS125:また主制御CPU72は、メインループにおいて試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中、エラー発生中)を表す試験信号を生成し、これを主制御装置70の外部に出力する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
【0147】
ステップS126:次に主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、RAM76のバッファ領域に確保されているポート出力要求バッファを参照し、各種ソレノイド(普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド90)の励磁状態(ON又はOFF)を出力ポートに出力する。
【0148】
なお本実施形態では、ステップS119〜ステップS126の処理をメインループ中に組み込んだ例を挙げているが、これら処理をCPUがタイマ割込処理として実行している公知のプログラミング例もある。
【0149】
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。
図7は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ミリ秒)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
【0150】
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
【0151】
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄大当り決定乱数等が含まれる。このうち大当り図柄乱数及び小大当り図柄乱数は、例えば0〜99の範囲で順番に更新される。
【0152】
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
【0153】
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力ドライバ(I/O)79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
【0154】
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。
【0155】
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0156】
ステップS205:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、各LEDに対して印加する駆動信号(バイトデータ)を生成し、出力ポートから出力する。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
【0157】
ステップS206:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込回数カウンタを更新する。このカウンタは、先に述べたメインループ中のステップS118で参照されるものである。
【0158】
ステップS207,ステップS208:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0159】
〔始動口入賞時処理〕
次に、上記のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)中でさらに実行される処理について説明する。
図8は、始動口入賞時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
【0160】
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12を実行する。
【0161】
ステップS12:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数のセットの記憶数が4個に達していなければ、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値は4未満であり(Yes)、この場合、主制御CPU72は次のステップS14に進む。
【0162】
ステップS14:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の計数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(
図7中のステップS205)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる(記憶数表示手段)。
【0163】
ステップS16:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0164】
ステップS17:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この場合の乱数値の取得は、RAM76のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを転送先のアドレスに第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数としてセーブする。
【0165】
ステップS18:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。
【0166】
ステップS20:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS16,S17でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである(先判定手段)。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
【0167】
ステップS22:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS20)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
【0168】
ステップS24:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS22で生成した特図先判定演出コマンドや、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
【0169】
以上の手順を終えるか、もしくは上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力がなかった場合(ステップS10:No)、あるいは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS12:No)、主制御CPU72は次にステップS26を実行する。
【0170】
ステップS26:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、ここで主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。一方、入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28を実行する。
【0171】
ステップS28:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4に達していれば(No)、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS30に進む。
【0172】
ステップS30:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS14と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(
図7中のステップS205)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
【0173】
ステップS32:そして主制御CPU72は、乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS16と同様である。
【0174】
ステップS34:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS17と同様である。
【0175】
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これらを領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS18と同様である。
【0176】
ステップS38:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32,S34でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである(先判定手段)。なお、具体的な処理の内容は後述する。
【0177】
ステップS40:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS38)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
【0178】
ステップS42:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
【0179】
〔取得時演出判定処理〕
図9は、上記の取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、上記の始動口入賞時処理の中(
図8中のステップS20,ステップS38)においてこの取得時演出判定処理を実行する。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
【0180】
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
【0181】
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の始動口入賞時処理(
図8のステップS18,ステップS36)でRAM76に記憶されているものである。
【0182】
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はここで始動口入賞時処理(
図8)に復帰する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
【0183】
ステップS56:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
【0184】
ステップS58:次に主制御CPU72は、特別図柄確率状態フラグをロードする。この状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
【0185】
ステップS60:そして主制御CPU72は、ロードした特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS62を実行する。
【0186】
ステップS62:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS58でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
【0187】
このように、内部状態が高確率の場合は比較値を書き換えた上で次のステップS64を実行することになる。これに対し、先のステップS60で状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS62をスキップして次のステップS64を実行する。
【0188】
ステップS64:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はここで始動口入賞時処理(
図8)に復帰する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS66に進む。
【0189】
ステップS66:主制御CPU72は、大当り種別判定処理を実行する。この処理は、さらに大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の始動口入賞時処理(
図8のステップS18,ステップS36)で記憶した大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「2ラウンド図柄」又は「15ラウンド図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄判定値として記憶し、次のステップS68に進む。
【0190】
ステップS68:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS66で記憶した特別図柄判定値をセットする。特別図柄判定値は、例えば「2ラウンド図柄」に該当する場合は「0AH」がセットされ、「15ラウンド図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。以上の手順を終えると、主制御CPU72は始動口入賞時処理に復帰する。
【0191】
〔特別図柄遊技処理〕
次に、メインループ中に実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。
図10は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
【0192】
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
【0193】
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0194】
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
【0195】
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
【0196】
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。当りの態様の中でも、第1特別図柄又は第2特別図柄が特別の態様(例えば15ラウンド大当りの態様)で停止すると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば30秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば15回)だけ励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。
【0197】
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
【0198】
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」になると確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高く(10倍程度に)なる(高確率状態移行手段)。また「時間短縮状態」になると時間短縮機能が作動し、非当選時の特別図柄の変動時間が通常の状態に比較して全体的に短縮される(時間短縮状態移行手段)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。このような「高確率状態」又は「時間短縮状態」への移行についてはさらに後述する。
【0199】
〔複数の当選種類〕
上記の15ラウンド大当り(特別当選種類)以外に、本実施形態では複数の当選種類として、2ラウンド大当り(特殊当選種類)が設けられている。先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄が2ラウンド大当りの態様で停止すると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。その代わり、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで(作動手段)、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される(高確率状態移行手段)。
【0200】
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当り(特例当選種類)が設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が小当りの態様で停止すると、通常状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が特例の回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。
【0201】
〔特別図柄変動前処理〕
図11は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0202】
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
【0203】
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
【0204】
これに対し、いずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
【0205】
ステップS2200:主制御CPU72は割込を禁止した上で、特別図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。シフトされた乱数は、RAM76の乱数記憶領域から消去(消費)される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合のみ、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して別の共通記憶領域に保存する。共通記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。
【0206】
ステップS2250:次に主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかに対応する方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。このとき減算対象となる作動記憶数カウンタは、先のステップS2200で記憶した乱数のシフトを行った方に対応するものである。これにより、上記の表示出力管理処理(
図7中のステップS205)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は割込を許可して次にステップS2300を実行する。
【0207】
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動状態)とで異なり、高確率状態では通常状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。なお、ここでは大当り判定処理のより詳細な手順として、例えば先の取得時演出判定処理に挙げた手順(
図9中のステップS52〜ステップS64)を適用してもよい。
【0208】
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動状態)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
【0209】
ここで、上記のように大当り決定乱数値は、第1特別図柄又は第2特別図柄で別々に読み出されるため、大当り判定処理(内部抽選)は図柄別に行われることになる。例えば、先のステップS2200で第1特別図柄に対応する方の乱数値を読み出していれば、大当り判定は第1特別図柄に対応して行われることになる。一方、第2特別図柄に対応する方の乱数値を読み出していれば、大当り判定は第2特別図柄に対応して行われることになる。
【0210】
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
【0211】
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
【0212】
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。具体的には、先の特別図柄記憶シフト処理で第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の記憶を優先してシフトしていた場合、ここで主制御CPU72は第2特別図柄表示装置36による停止図柄番号データをセットする。一方、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数の記憶をシフトしていれば、ここで主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34による停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
【0213】
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35にそれぞれ7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
【0214】
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄又は第2特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなければ、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて決定される。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
【0215】
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
【0216】
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、今回の内部抽選で当選が得られた第1特別図柄又は第2特別図柄について当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と各図柄別の当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において特別図柄判定テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて図柄別に当選図柄の種類を決定することができる。
【0217】
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では、大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて例えば3種類が用意されている。そのうち1種類は「15ラウンド確変図柄」であり、他の1種類は「15ラウンド非確変図柄」であり、そして残る1種類は「2ラウンド確変図柄」である。
【0218】
より詳細には、大きな分類として主に3種類の当選図柄があるが、同じ「15ラウンド確変図柄」であっても、例えば「15ラウンド確変図柄A」,「15ラウンド確変図柄B」,「15ラウンド確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されており、また同じ「15ラウンド非確変図柄」であっても、例えば「15ラウンド非確変図柄A」,「15ラウンド非確変図柄B」,「15ラウンド非確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。
【0219】
また「2ラウンド確変図柄」についても、例えば「2ラウンド確変図柄A」,「2ラウンド確変図柄B」,「2ラウンド確変図柄C」,・・・のように、さらに細かく複数の当選図柄が規定されている。
【0220】
このような細分類は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による当選図柄の停止表示を多様化させるためのものである。例えば、同じ「15ラウンド確変図柄」であっても、細分類として「15ラウンド確変図柄A」の場合は第1又は第2特別図柄表示装置34,35において7つのセグメントが全て点灯(例えば「日」字形の態様)し、「15ラウンド確変図柄B」の場合は5つのセグメントが点灯(例えば「己」字形の態様)するといった具合である。ただし、大分類として同じ「15ラウンド確変図柄」であれば、細分類の中でどの図柄が選択されたとしても、その後の遊技を進行させる上で結果(効果)は同じである。なお、これらラウンド数別に設けられている複数種類の当選図柄は、予め上記の特別図柄判定テーブルにより規定されている(当選種類規定手段)。
【0221】
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
【0222】
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。さらに、現在の遊技状態が既に確率変動状態(高確率時)である場合、合わせて主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする。このような処理の意義は、例えば以下の考え方に基づく。すなわち、先ず通常の状態から「2ラウンド確変図柄」に該当すると、時間短縮機能作動フラグの値(01H)はセットされずに確率変動機能作動フラグの値(01H)だけがセットされる。この場合、演出上でも「高確率状態」を明らかにしないことにより、いわゆる遊技者に認知されにくい「隠し確変状態」となる。ただし、本実施形態では既に「隠し確変状態」になっている状況で重ねて「2ラウンド確変図柄」に該当した場合、いつまでも「隠し確変状態」を続けるのではなく、時間短縮機能を作動させて遊技者に確率変動状態を明示することとしている。これにより、遊技者が内部的な情報を全く知らされないまま遊技が延々と続くことを防止し、過度に遊技者の不興を買うのを防止している。
【0223】
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0224】
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
【0225】
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
【0226】
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、また停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択せず、はずれ通常変動時と同等の変動時間が決定される。これは、小当り時にも通常変動を発生させることにより、その変動で小当りになったことを遊技者に気付かせにくくするためである。
【0227】
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0228】
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
【0229】
〔
図10:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
【0230】
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(
図11中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。なお、特別図柄停止表示中処理の手順についてはさらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0231】
〔大当り時変動パターン決定処理〕
次に、特別図柄変動前処理の中で行われる大当り時変動パターン決定処理(
図11中のステップS2412)の内容について説明する。大当り時変動パターン決定処理は、上記のように内部抽選の結果が当選(小当り以外の大当り)に該当した場合に実行される処理であるが、本実施形態においては、その前の大当り時停止図柄決定処理(
図11中のステップS2410)において、当選種類(当選図柄)として「15ラウンド図柄(確変及び非確変の両方)」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれが選択されたかによって特別図柄の変動パターンを決定する手法が異なっている。さらに「2ラウンド確変図柄」については、現在の状態が高確率状態中であるか否かによっても変動パターンを決定する手法が異なっている。
【0232】
図12は、大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0233】
〔15ラウンド図柄(確変又は非確変)時〕
大当り時の当選種類として「15ラウンド確変図柄」又は「15ラウンド非確変図柄」のいずれかが選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
【0234】
ステップS2600:主制御CPU72は、選択された当選種類が大分類の「15ラウンド図柄」であるか否かを判断する。この判断は、例えば上記の大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。主制御CPU72は、例えばRAM76のバッファ領域にアクセスし、該当するアドレスから大当り時停止図柄番号の値を読み出す。その結果、「15ラウンド確変図柄」又は「15ラウンド非確変図柄」のいずれかに対応する値であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2601を実行する。
【0235】
ステップS2601:次に主制御CPU72は、細分類で当選種類が「15ラウンド確変図柄」に該当するか否かを判断する。この判断もまた、大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。このとき「15ラウンド確変図柄」に対応する値であることを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2602に進む。
【0236】
ステップS2602:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(1)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(1)には、「15ラウンド確変当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
【0237】
これに対し、先のステップS2601で「15ラウンド非確変図柄」に対応する値であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2607に進む。
【0238】
ステップS2607:この場合、主制御CPU72は「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(2)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(2)には、「15ラウンド非確変当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
【0239】
〔当選図柄別・状態別選択テーブルの例〕
図13は、上記の「当選図柄別・状態別選択テーブル」、つまり、「大当り時時変動パターン選択テーブルアドレス状態別選択テーブル」の一例を示す図である。「当選図柄別・状態別選択テーブル」は、例えば5バイト分の記憶領域を有し、その中にテーブルアドレス(1)〜(5)を順番に格納した構造である。このうち、先頭の1バイト分の記憶領域には、テーブルアドレス(1)として「15ラウンド確変当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。2番目の記憶領域には、テーブルアドレス(2)として、「15ラウンド非確変当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。以下同様に、3番目の記憶領域にはテーブルアドレス(3)として「2ラウンド後確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されており、4番目の記憶領域にはテーブルアドレス(4)として「確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されており、そして最後の記憶領域には、テーブルアドレス(5)として「非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
【0240】
主制御CPU72は先のステップS2602を実行した場合、「当選図柄別・状態別選択テーブル」の記憶領域のうち、先頭のアドレスに記憶されているテーブルアドレス(1)を取得(指定)する。一方、主制御CPU72がステップS2607を実行した場合、「当選図柄別・状態別選択テーブル」の記憶領域のうち、2番目のアドレスに記憶されているテーブルアドレス(2)を取得(指定)する。
【0241】
〔
図12:大当り時変動パターン決定処理を参照〕
ステップS2604:主制御CPU72は、選択抽選を実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から変動パターン決定乱数(0〜255のいずれか)を取得すると、その値を「変動パターン選択テーブル」の比較値と比較し、該当する変動パターン番号を選択する。例えば、「15ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の「大当りリーチ変動パターン21〜20」が規定されており、その中からいずれかの番号が選択されることになる。
【0242】
ステップS2606:主制御CPU72は、選択した番号に基づいて今回の変動パターンを設定する。具体的には、主制御CPU72は第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間(大当りリーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、例えばMODE値−EVENT値の形式で記述された「97H01H」等の2バイトのコマンドである。なお変動パターンコマンドは、演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
【0243】
〔2ラウンド図柄時〕
一方、大当り時の当選種類として「2ラウンド図柄」が選択された場合、変動パターンの決定は以下の手順で行われる。
【0244】
先のステップS2600において、今回の当選図柄(大当り時停止図柄番号)が大分類で「15ラウンド図柄」に該当しないと判断した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2608を実行する。
【0245】
ステップS2608:主制御CPU72は、現在の内部状態が「高確率状態(「確率変動状態」ともいう)」であるか否かを判断する。本実施形態のパチンコ機1では、当選時に「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技(大役)の終了後に内部抽選の当選確率が通常時に比較して10倍程度まで高く変更された高確率状態に移行する。このとき現在の内部状態が高確率状態(図中に「確変中」と表記)でなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2610に進む。
【0246】
〔非確変中2ラウンド当選時〕
ステップS2610:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、
図13に示される「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(5)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(5)には、「非確変中2ラウンド当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
【0247】
〔非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図14は、非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。これら変動パターン番号「1」〜「8」は、いずれも非リーチ(通常)変動パターンに該当するものであり、ここにはリーチ変動パターンに該当するものが設けられていない。
【0248】
ここで、「非リーチ(通常)変動パターン」と「リーチ変動パターン」とでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」が基本的に短い変動時間(例えば6.0秒〜12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜120秒程度)に対応するものである。
【0249】
いずれにしても、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「157」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
【0250】
〔
図12:大当り時変動パターン決定処理を参照〕
主制御CPU72はステップS2604において、以上のような変動パターンの選択抽選を実行する。ただし、上記のように「非確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」には「非リーチ変動パターン」だけしか設けられていないため、「1」〜「8」のいずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において、非確変中の2ラウンド当選時における変動時間は比較的短く設定されることになる。ここでも同様に、主制御CPU72は第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間(非リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
【0251】
〔確変中2ラウンド当選時〕
これに対し、確変中に2ラウンド図柄で当選した場合は以下の手順が実行される。
【0252】
ステップS2608:主制御CPU72は、現在の内部状態が高確率状態(確変中)であることを確認すると(Yes)、次にステップS2611に進む。
【0253】
ステップS2611:次に主制御CPU72は、現在の内部状態が「2ラウンド当選後の高確率状態」に該当するか否かを確認する。この判断は、例えば上記の遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグ)の値に基づいて行うことができる。すなわち、確率変動機能作動フラグだけに値(01H)がセットされており、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていなければ、それは「2ラウンド当選後の高確率状態」を意味している(Yes)。この場合、主制御CPU72はステップS2612に進む。
【0254】
ステップS2612:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、
図13に示される「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(3)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(3)には、「2ラウンド後確変中2ラウンド当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
【0255】
〔2ラウンド後確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図15は、2ラウンド後確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。この選択テーブルは、比較値「101」〜「255(FFH)」に対して「変動パターン番号」の「13」,「14」,「15」,「16」,「17」,「18」,「19」,「20」を割り当てた構造である。これら変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ変動パターンに該当するものであり、ここには非リーチ(通常)変動パターンに該当するものは設けられていない。
【0256】
〔
図12:大当り時変動パターン決定処理を参照〕
そして主制御CPU72はステップS2604において、上記の「2ラウンド後中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」に基づいて変動パターンの選択抽選を実行する。この場合、変動パターン選択テーブルには「リーチ変動パターン」だけしか設けられていないため、「13」〜「20」のいずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において、2ラウンド後確変中の2ラウンド当選時における変動時間は比較的長く設定されることになる。
【0257】
ここでも同様に、主制御CPU72は第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間(リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
【0258】
一方、先のステップS2611で確率変動機能作動フラグの値(01H)及び時間短縮機能作動フラグの値(01H)がともにセットされていた場合、それは「2ラウンド当選後の高確率状態」ではなく、「高確率状態」を意味している(No)。この場合、主制御CPU72はステップS2614に進む。
【0259】
ステップS2614:主制御CPU72は、ROM74のテーブル格納領域にアクセスし、
図13に示される「当選図柄別・状態別選択テーブル」からテーブルアドレス(4)を取得する。ここで取得したテーブルアドレス(4)には、「確変中2ラウンド当選」の場合に使用される「変動パターン選択テーブル」のアドレスが記述されている。
【0260】
なお、特に図示していないが、確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブルもまた、比較値に対して「変動パターン番号」を割り当てた構造である。なお、ここで割り当てられる変動パターン番号は、リーチ変動パターンに該当するものだけであってもよいし、非リーチ変動パターンに該当するものが設けられていてもよい。
【0261】
そして同様に、主制御CPU72はステップS2604において、上記の「確変中2ラウンド当選時変動パターン選択テーブル」に基づいて変動パターンの選択抽選を実行する。変動パターン選択テーブルに「リーチ変動パターン」だけしか設けられていなければ、いずれの変動パターンが選択されたとしても、次のステップS2606において、確変中の2ラウンド当選時における変動時間は比較的長く設定されることになるし、非リーチ変動パターンに該当するものが設けられていれば、変動時間は比較的短く設定される。
【0262】
そして、主制御CPU72は第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間(リーチ変動用又は非リーチ変動用)を設定するとともに、演出制御装置124(演出制御CPU126)に送信するための変動パターンコマンドを生成する。変動パターンコマンドは、演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
【0263】
以上の手順を経て、ステップS2604、ステップS2606を実行すると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(
図11)に復帰し、上記のように大当り時その他設定処理及び特別図柄変動開始処理(
図11中のステップS2413,ステップS2414)を実行する。
【0264】
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に
図16は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0265】
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を参照(ロード)する。停止図柄表示タイマの値は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了すると、時間の経過に応じてデクリメントされる。
【0266】
ステップS4200:そして主制御CPU72は、ロードした停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、実行選択処理(
図10中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
【0267】
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
【0268】
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
【0269】
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
【0270】
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部ステータスを「大役開始(大当り遊技中)」にセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0271】
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(
図11中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が大分類で「15ラウンド図柄(確変又は非確変)」であれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0272】
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
【0273】
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
【0274】
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
【0275】
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
【0276】
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
【0277】
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極めて膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独で「時間短縮状態」である場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。
【0278】
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
【0279】
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
【0280】
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
【0281】
〔表示出力管理処理〕
次に
図17は、上記の割込管理処理に含まれる表示出力管理処理(
図7中のステップS205)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
【0282】
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
【0283】
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
【0284】
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
【0285】
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図18は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
【0286】
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
【0287】
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図19は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数やその開放時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
【0288】
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5210に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
【0289】
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、今回の大当り図柄(当選種類)が「2ラウンド図柄」であるか否かを確認する。このとき、先の大当り時停止図柄決定処理(
図11中のステップS2410)で「2ラウンド図柄」が選択されていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5206を実行する。
【0290】
ステップS5206:この場合、主制御CPU72は、短縮した2回の開放パターンを設定する。ここで設定される短縮2回開放パターンでは、ラウンド数を「2ラウンド」とし、その1ラウンドあたりの開放時間を入賞が困難な短時間(例えば300ms)とする。またラウンド間のインターバルは、例えば10ms程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は15ラウンド図柄と同じ(例えば9個)であるが、このような短時間の開放動作中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
【0291】
これに対し、「15ラウンド図柄」が選択されていれば(ステップS5204:No)、主制御CPU72はステップS5208を実行する。
【0292】
ステップS5208:この場合、主制御CPU72は15回(15ラウンド)の開放パターンを設定する。15回開放パターンは、例えば1ラウンド内の可変入賞装置30の開放時間を例えば30秒とし、その間の最大入賞回数(個数)を例えば9個として設定される。またラウンド間のインターバルは、例えば数秒程度に設定される。
【0293】
ステップS5212:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(
図11中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、5回なら「4」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
【0294】
ステップS5214:次に主制御CPU72は、先のステップS5206又はステップS5208で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。具体的には、15回開放パターンを設定していれば、主制御CPU72は大当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは30秒程度)を設定する。一方、短縮2回開放パターンを設定していれば、主制御CPU72は大当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)を設定する。
【0295】
ステップS5216:そして主制御CPU72は、先のステップS5206又はステップS5208で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
【0296】
ステップS5224:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0297】
〔小当り時の手順〕
ステップS5210:小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、先のステップS5206で挙げた「短縮2回開放パターン」と同じであるが、別の開放パターンを設定してもよい。
【0298】
ステップS5218:主制御CPU72は、先のステップS5210で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
【0299】
ステップS5220:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)が設定されている。
【0300】
ステップS5222:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値もまた「短縮2回開放パターン」の設定と同じである。
【0301】
ステップS5224:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
【0302】
〔大入賞口開閉動作処理〕
図20は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0303】
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
【0304】
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(
図19中のステップS5214又はステップS5220)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
【0305】
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
【0306】
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
【0307】
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(例えば9個程度)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
【0308】
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時や2ラウンドの大当り時は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
【0309】
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
【0310】
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(
図19中のステップS5216又はステップS5222)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
【0311】
ステップS5316:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0312】
〔大入賞口閉鎖処理〕
図21は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0313】
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
【0314】
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
【0315】
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
【0316】
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
【0317】
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
【0318】
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0319】
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(
図18中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
【0320】
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
【0321】
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
【0322】
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
【0323】
〔小当り時:特例作動実行手段〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
【0324】
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(
図19中のステップS5218)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
【0325】
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0326】
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(
図18中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
【0327】
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
【0328】
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
【0329】
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
【0330】
〔終了処理〕
図22は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0331】
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
【0332】
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部的に大役中の状態を終了する。
【0333】
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(
図11中のステップS2413)でセットされるものである。
【0334】
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で第1特別図柄又は第2特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば30分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
【0335】
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(
図11中のステップS2413)でセットされるものである。
【0336】
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
【0337】
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理(
図6中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
【0338】
ステップS5516:大当り時に以上の手順を経るか、もしくは小当り遊技の場合(ステップS5502:No)、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
【0339】
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(
図10中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0340】
〔パチンコ機の挙動〕
上記のように遊技中に主制御CPU72が各種の処理を実行することで、パチンコ機1は以下の挙動を示すことになる。
【0341】
(1)15ラウンド確変大当り又は15ラウンド非確変大当り時
内部抽選で非当選以外となり、「15ラウンド確変大当り」又は「15ラウンド非確変大当り」のいずれかに該当した場合、上記の可変入賞装置管理処理(
図18)において可変入賞装置30の開閉動作が15回の連続作動回数にわたって繰り返し実行される(特別遊技実行手段)。このとき1回ごとの開放時間(最大30秒)は大入賞口に遊技球が流入できる充分な長さに設定されているため、この間の挙動は「大当り遊技」として遊技者にも明確に認識される。また演出上も、通常時とは異なる大当り遊技中の演出が実行されるため、遊技者に明確な大当り遊技を実感させることができる。
【0342】
なお、「15ラウンド確変大当り」は、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、奇数図柄揃い等)によって「確変図柄」であることが教示(開示)される。あるいは、大当り中に昇格演出によって「確変大当り」であることが教示(開示)される。また「15ラウンド確変大当り」後は、例えば演出上で高確率状態に移行したことが教示(開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「高確率状態」であるということを確実に認識させることができる。
【0343】
また、「15ラウンド非確変大当り」は、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、偶数図柄揃い等)によって「非確変図柄」であることが教示(開示)される。また「15ラウンド非確変大当り」後は、例えば演出上で時間短縮状態に移行したことが教示(開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「時間短縮状態」であるということを確実に認識させることができる。
【0344】
(2)2ラウンド大当り時
一方、「2ラウンド大当り」に該当した場合、可変入賞装置管理処理(
図18)において可変入賞装置30の開閉動作がいずれも短縮2回開放パターンによって実行されるだけであり、さらに1回ごとの開放時間が短時間に設定されているため、この間の挙動は全体として短い期間内(例えば1.5秒程度)で終了する(短期開閉動作実行手段)。したがって、この間の挙動は特に「大当り遊技」として遊技者には明確に認識されにくい。また、可変入賞装置30が開閉動作しても、それによる賞球はほとんど(又は全く)得られないことから、遊技者に「大当りした」という実感を抱かせにくい。ただし、「2ラウンド」であっても「大当り」であり、可変入賞装置30の作動終了後は内部的に「高確率状態」に移行する特典が付与されるため、その後の内部抽選が遊技者にとって有利な条件で行われることになる。このため本実施形態では、「2ラウンド大当り」は、遊技者に大当りを意識させないまま内部状態だけを「高確率状態」に移行させるための契機となる。そこで、以下ではこれを適宜「隠し確変」と称するものとする。「隠し確変」は、高確率状態そのものを遊技者に対して積極的に開示(教示)しないので、何らの情報(例えば演出上での開示)もなければ、ほとんどの遊技者は自己にとって有利な特定状態であることを意識しないまま遊技を進行させる状態となる。
【0345】
(3)小当り時
「小当り」に該当した場合、可変入賞装置管理処理(
図18)において可変入賞装置30の開閉動作が2回にわたって実行される。また、1回あたりの開放時間が短時間に設定されているため、この間の挙動は全体として短い期間内(例えば1.5秒程度)で終了する。したがって、この間の挙動もまた特に遊技者には明確に認識されにくい。また可変入賞装置30が開閉動作しても、賞球がほとんど(又は全く)得られないことから、遊技者に「何らかの当選が得られた」という実感を抱かせることもない。加えて「小当り」は、内部的な状態を変化させる(確率変動機能を作動させる)契機とならないため、可変入賞装置30の作動終了後も内部状態は変化せず、たとえ小当り(可変入賞装置30の開閉動作)に遊技者が気付くことがあったとしても、それはいわゆるフェイク当選としての位置付けとなる。
【0346】
〔演出上の特徴〕
以上がパチンコ機1による当選を契機とした各種挙動の概要である。このうち上記(2)の2ラウンド大当り時及び(3)の小当り時については、いずれも可変入賞装置30の開閉動作を短期間内で終了させているため、実際の挙動によっても「当選(小当り)」を遊技者に意識させにくくなっているが、本実施形態では演出上でも「当選(小当り)」を遊技者に感得させにくくする処理がなされている。
【0347】
〔変動表示演出〕
2ラウンド当り又は小当りが得られた場合、そのとき対応する第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の変動パターンとして上記のように非リーチ変動パターンが選択される。そこで演出上でも、演出図柄を用いた変動表示演出においてリーチ状態を発生させず、通常(はずれ)変動による変動表示演出が行われる。これにより、遊技者に対して何らかの当選(小当り)が得られたことを意識させることなく、あたかも非当選の変動であるかのような印象を与えることができる。なお、実際の変動表示演出例についてはさらに後述する。
【0348】
〔結果表示演出〕
加えて演出図柄による結果表示演出においても、そのとき対応する第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様は確かに当選(小当り)の態様となっているが、液晶表示器42の画面上では当選以外の態様(はずれ目)で結果表示演出が行われる。これにより、遊技者に対して何らかの当選(小当り)が得られたことを意識させることなく、あたかも非当選の結果が演出上で表示されているかのような印象を与えることができる。なお、実際の結果表示演出例についてもさらに後述する。
【0349】
このとき第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35の停止表示態様は7セグメントLEDによる記号的な表示(例えば「巳」の字形、「己」字形、「L」字形、「F」字形等)であり、また小さく目立たない位置に設けられているため、意識して7セグメントLEDの表示態様を注目していない限り、遊技者が当りの停止表示態様に気付くことはほとんどない。したがって遊技者は、演出図柄による結果表示演出からでなければ、当選したかどうかも気付きにくい。これは逆に、遊技者は基本的に演出の内容から内部抽選の結果を判断する傾向にあることを意味し、それだけに遊技を進める上で演出が重要な役割を担っているといえる。
【0350】
〔2ラウンド当選時の演出例〕
以下、2ラウンド当選時を例に挙げて説明する。
図23及び
図24は、演出図柄と背景画像を用いた2ラウンド当選時に実行される演出例を示す連続図である。この演出例は、演出図柄を用いた変動表示演出と結果表示演出の一例を表している。このうち変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また結果表示演出は、特別図柄が停止表示したことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
【0351】
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともに、女性キャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動表示演出と結果表示演出の基本的な流れについて説明する。
【0352】
〔変動表示演出開始〕
図23中(A):特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が表示されている。
【0353】
〔第4図柄演出〕
また液晶表示器42の画面下部には、第4図柄(図中に参照符号Zを付す)が表示されている。この第4図柄は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。第4図柄は、例えば単純なマーク(ここでは「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、その表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。なお、ここでは第4図柄を1箇所だけに表示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに対応する別々の第4図柄を表示させてもよい。
【0354】
その他の演出として、液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカは、それぞれの表示個数が作動記憶数を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
【0355】
〔通常背景演出〕
図23中(A)に示される例は、「海辺の風景」を表した背景画像であり、本実施形態ではこれを例えば「通常モード画像」とする。なお特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
【0356】
〔左図柄停止〕
図23中(B):例えば、ある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「2」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
【0357】
〔右演出図柄停止〕
図23中(C):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。また、この変動中に上始動入賞口26に遊技球が入賞したことで第1特別図柄の作動記憶数が1個に増加したため、それに連動してマーカM1の表示個数がそれまでの0個から1個に増加されている。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が増加したことを演出上でも遊技者に教示することができる(記憶数表示手段)。
【0358】
なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「1」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「2」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「3」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「2」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンでもよい。
【0359】
〔結果表示演出〕
図23中(D):特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。通常、特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で結果表示演出が行われるが、ここでは2ラウンド当選図柄が停止表示されているにも関わらず、演出上、はずれと同様の(又は近似した)態様で結果表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。この場合、演出図柄の組み合わせは「2」−「8」−「5」のはずれ目であるため、今回の変動は目立って当選ではなく、通常の「はずれ」と特に変わりがないことが演出上では表現されている。
【0360】
ただし、第4図柄については「2ラウンド大当り」に対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。これは、結果表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。このため実際に内部抽選の結果がはずれであった場合、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で第4図柄が停止表示される。
【0361】
なお、ここでは「2ラウンド大当り」の場合を例に挙げているが、内部抽選の結果が上記の「15ラウンド確変大当り」であれば、リーチ演出を経て左・中・右の演出図柄が同種の組み合わせ(例えば「7」−「7」−「7」)で構成される大当りの態様で停止表示される。また、この場合に第4図柄は、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば緑表示色)で停止表示される。また内部抽選の結果が上記の「15ラウンド非確変大当り」であれば、リーチ演出を経て左・中・右の演出図柄が同種の組み合わせ(例えば「4」−「4」−「4」)で構成される大当りの態様で停止表示される。また、この場合に第4図柄は、「15ラウンド非確変大当り」に対応する態様(例えば青表示色)で停止表示される。
【0362】
〔2ラウンド大当り中の演出〕
上記のように、2ラウンド大当り遊技は短時間で終了するため、この間に特段の演出は実行されない。本実施形態では、2ラウンド大当り中に例えば
図23中(D)に示される結果表示演出がそのまま継続されているものとする。そしてこの後、主制御CPU72による制御上では内部的に高確率状態に移行するが、演出制御CPU126による制御上では「隠し確変モード」に移行することとなる。
【0363】
〔隠し確変モード中の演出例〕
次に
図24は、通常中からの2ラウンド大当り遊技(短期開閉動作)の後に移行する隠し確変モード中の演出例(一部)を示す連続図である。
【0364】
図24中(E):隠し確変モード中であっても、上記の通常モード画像(通常中と共通した態様の背景画像)のままで変動表示演出が実行される場合がある(共通背景演出実行手段)。「場合がある」というのは、隠し確変モード中は必ず通常モード画像が表示されるわけではなく、ある条件(演出抽選で当選)を満たさない間は通常モード画像のままで演出が行われるという意味である。なお、演出図柄の変動開始に伴い、第4図柄もまた変動表示が開始される。また、第1特別図柄の変動開始に伴い、作動記憶数が1個減少したため、演出上もマーカM1の表示個数が1個から0個に減少している。これにより、記憶されている抽選要素を消費して次の内部抽選が行われたということを演出的に表現することができる。
【0365】
図24中(F):隠し確変モード中に内部抽選の結果がはずれの場合、上記と同様にある程度の時間が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「4」を表す演出図柄が停止したことを表している。
【0366】
この後は特に図示していないが、例えば
図23中(C)に示されるように左演出図柄に続いて右演出図柄が変動を停止する。また、次に
図23中(D)に示されるように、中演出図柄が変動を停止して結果表示演出が行われる。
【0367】
〔隠し確変モード中の特性〕
たとえ演出上で明らかにされていないとしても、隠し確変モード中は上記のように主制御CPU72による制御上で内部的に高確率状態に移行している。このため実際は、毎回の内部抽選には遊技者にとって通常よりも有利な条件(通常の10倍程度の高確率)が適用されており、確率的にみて比較的早期に次の当選が得られることはほぼ約束されている。
【0368】
本実施形態ではこのような隠し確変モード中の特性を活かし、以後の図柄の変動において当選を表す態様で図柄が停止表示する可能性があることを予告する態様の「前兆演出」を実行することで、あたかも突然に「当選の前触れ」が発生したかのような驚きや興趣性を遊技者に提供することとしている。
【0369】
〔先判定結果による演出特性〕
その一方で本実施形態では、取得時演出判定処理(
図9)を経ることで、特別図柄変動前処理中の大当り判定処理(
図11中のステップS2300)に進む以前から内部抽選の結果が事前に判明しており、その先判定結果が特図先判定演出コマンドとして演出制御装置124(演出制御CPU126)に事前通知されていることも見逃せない。これはつまり、作動記憶数がある程度たまっている場合、記憶されている大当り決定乱数の先判定結果を根拠として、これを演出に反映することができることを意味する。
【0370】
そこで本実施形態では、先判定結果を演出に反映できるという特性を活かし、作動記憶数が1個以上ある場合は、以後の図柄の変動において当選を表す態様で図柄が停止表示する可能性があることを予告する態様の「前兆演出」を実行し、あたかも突然に「当選の前触れ」が発生したかのような驚きや興趣性を遊技者に提供することとしている。
【0371】
加えて本実施形態では、この場合の「前兆演出」を「隠し確変モード」を根拠とした「前兆演出」と共通の態様にすることにより、トータルで「前兆演出」の出現率を向上している。以下、より具体的に説明する。
【0372】
〔先判定結果による前兆演出契機発生〕
図25は、先判定結果を根拠として前兆演出の契機が発生する場合の流れを演出画像で示した連続図である。
【0373】
〔変動表示開始〕
図25中(i):ここでは先ず、内部状態として通常中を想定する。例えば、第1特別図柄の変動表示が開始されたことで、液晶表示器42においても演出図柄による変動表示演出が開始されている。なお、この段階で第1特別図柄の作動記憶数は3個であり、その記憶数がマーカM1(ハートマーク3つ)により演出的に表示されている。また背景画像として、上述した通常モード画像が表示されている。
【0374】
〔左演出図柄停止と作動記憶数の増加〕
図25中(ii):この例では、変動表示中に上始動入賞口26への入賞が新たに発生し、第1特別図柄の作動記憶数が3個から4個に増加している。このときの記憶数の増加は、マーカM1の表示数増加(ハートマーク4つ目の追加表示)により演出的に表示されている。なお、ここまでで例えば左演出図柄が停止している。
【0375】
〔前兆演出の契機発生〕
ただし、上始動入賞口26への入賞が発生したことで、ここでは新たに特図先判定演出コマンドが演出制御装置124(演出制御CPU126)には通知されている。そしてこの例では、今回の先判定結果が行われたことを根拠として、隠し確変モード中とは別に前兆演出の契機が演出制御上で内部的に発生している。なお、ここでは作動記憶数の4個目で前兆演出の契機を発生させているが、先判定結果を根拠とした前兆演出の契機は、常に作動記憶数の4個目に発生するとは限らず、1個目〜3個目で発生してもよい。
【0376】
〔右演出図柄停止〕
図25中(iii):作動記憶数は各図柄について4個が上限数となっており、重ねて上始動入賞口26への入賞が発生しても、大当り決定乱数は保留扱いとして記憶されず、作動記憶数は4個以上に増加しない(ただし賞球払い出しは行われる。)。また、ここまでで例えば右演出図柄が停止している。
【0377】
〔結果表示演出〕
図25中(iv):そして、右演出図柄に続いて中演出図柄が停止し、非当選時の態様による結果表示演出が行われる。この段階で第4図柄(参照符号Z)も非当選時の態様で表示されている。
【0378】
以上のように、本実施形態では隠し確変モードを根拠とする場合とは別に、先判定結果を根拠として前兆演出の契機を発生させることもできる。そして、いずれを根拠として前兆演出の契機が発生した場合についても、互いに共通した態様により前兆演出が実行されるものとなっている。以下、前兆演出の一例について説明する。
【0379】
〔前兆会話演出発生時(1ゲーム目)〕
図26及び
図27は、隠し確変モード中もしくは通常時の先判定結果のいずれかを根拠として実行される前兆演出例の流れを示す連続図である。本実施形態では、隠し確変モード中や通常時に作動記憶数がある程度たまった状況で以下の前兆演出を実行することにより、遊技者に対して次の当選が近く得られる可能性が高いこと(当りの前兆)を演出的に表現している。以下、前兆演出の流れについて説明する。
【0380】
〔変動表示演出開始〕
図26中(A):先ず、上記のように液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。なお、この例では背景画像として通常モード画像が表示されている。このとき、例えばそれまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ消費される演出が合わせて行われる。
【0381】
図26中(B):また、作動記憶数が1個消費されて3個に減ると、マーカM1において残った3個の記憶数表示が画面上で左側へ1コマ分だけずれていく演出が行われる。これにより、図柄の変動が記憶順に行われていることが演出的に表現されている。
【0382】
〔前兆会話演出の発生〕
図26中(C):変動表示演出の初期において、表示画面上にキャラクターが登場し、前兆会話演出として何らかの台詞を発する演出が行われる。この例では、表示画面の左上位置に出現したキャラクターC1が「何かしら?・・・この感じ」といった思わせぶりな内容の台詞P1を発する様子が演出的に表現されている。なお、表示画面上で台詞P1を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。
【0383】
〔左演出図柄停止時〕
図27中(D):この後、例えばキャラクターC1の画像が表示画面の左上にある程度縮小して表示されるとともに、そのとき発した台詞P1の画像も合わせて縮小表示されたままとなる。この状態で変動表示演出の進行に伴い、左演出図柄が停止する。
【0384】
〔右演出図柄停止時〕
図27中(E):次に右演出図柄が停止しても、キャラクターC1の画像や台詞P1の画像は引き続き表示されている。このように、キャラクターC1の画像や台詞P1の画像を表示し続けることで、遊技者に対して「これからまだ会話が続くのではないか」といった演出の連続性を想起させることができる。
【0385】
〔結果表示演出時〕
図27中(F):そして、第1特別図柄が停止表示され、結果表示演出(非当選)が行われてもなお、キャラクターC1の画像や台詞P1の画像が引き続き表示されたままとなる。これにより、遊技者に対して「次の変動に演出が引き継がれている(連続演出)」ということを想起させることができる。また、変動に跨った演出を想起させることで、「次の変動で何かが起きるのではないか」といった期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0386】
〔前兆会話演出継続時(2ゲーム目)〕
図28及び
図29は、2回目の変動に継続して実行される前兆演出例の流れを示す連続図である。
【0387】
〔変動表示演出開始(2回目)〕
図28中(G):次の変動表示演出が開始されてもなお、前回の変動で出現したキャラクターC1の画像や台詞P1の画像が継続して表示されている。これにより、いよいよ2回目の変動に跨って演出(前兆会話演出)が継続していることを遊技者に対して明確に訴求させることができる。そしてこの状態で、3本の図柄列が改めてスクロール変動し、前兆会話演出の発生時から数えて2回目の変動表示演出が開始される。また、ここではマーカM1において現段階で最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ消費される演出が合わせて行われる(記憶数3→2)。
【0388】
図28中(H):また同様に、作動記憶数が1個消費されて2個に減ると、マーカM1において残った2個の記憶数表示が画面上で左側へ1コマ分だけずれていく演出が行われる。この段階で、例えば前回の台詞P1の画像は消去されるが、依然としてキャラクターC1の画像は表示されている。これにより、遊技者に対して「他にも台詞があるのではないか?」といった想像を沸き立たせることができる。
【0389】
〔前兆会話演出の継続〕
図28中(I):そして、今回(2ゲーム目)の変動表示演出の初期において、表示画面に別のキャラクターC2が登場し、先の台詞P1に応答する内容で台詞P2を発する演出が行われる。この例では、前回のキャラクターC1は引き続き残って表示されており、そこに別のキャラクターC2が応答する格好で「えっ?どうしたの・・・!?」といった連続性のある内容の台詞P2を発する様子が演出的に表現されている。なお、ここでも表示画面上で台詞P2を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。
【0390】
〔左演出図柄停止時〕
図29中(J):この後、例えば別のキャラクターC2の画像は表示画面の右上にある程度縮小して表示されるとともに、そのとき発した台詞P2の画像も合わせて縮小表示されたままとなる。この状態で変動表示演出の進行に伴い、左演出図柄が停止する。なお、最初に登場したキャラクターC1の画像も、引き続き表示画面の左上に引き続き表示されている。これにより、遊技者に対して「2人の会話が2回の変動に跨って継続している」という明確な印象を与えることができる。
【0391】
〔右演出図柄停止時〕
図29中(K):次に右演出図柄が停止しても、2人のキャラクターC1,C2の画像や今回発せられた台詞P2の画像は引き続き表示されている。このように、キャラクターC1,C2の画像や台詞P2の画像を表示し続けることで、遊技者に対して「さらにまだ会話が続くのではないか」といった演出の連続性を想起させることができる。
【0392】
〔結果表示演出時〕
図29中(L):そして、第1特別図柄が停止表示され、結果表示演出(非当選)が行われてもなお、キャラクターC1,C2の画像や今回の台詞P2の画像が引き続き表示されたままとなる。これにより、遊技者に対して「まだ次の変動にも演出が引き継がれている(連続演出)」ということを明確に印象付けることができる。そして、「次の変動こそ何かが起きるのではないか」といった期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0393】
〔前兆会話演出継続時(3ゲーム目)〕
図30及び
図31は、さらに3回目の変動に継続して実行される前兆演出例の流れを示す連続図である。
【0394】
〔変動表示演出開始(3回目)〕
図30中(M):前兆会話演出の開始(発生時を1回目とする)から3回目の変動表示演出が開始されてもなお、前回までの変動で出現した2人のキャラクターC1,C2の画像や前回の台詞P2の画像が継続して表示されている。これにより、さらに3回目の変動に跨って演出(前兆会話演出)が継続していることを遊技者に対して明確に訴求させることができる。そしてこの状態で、3本の図柄列が改めてスクロール変動し、3回目の変動表示演出が開始される。また、ここではマーカM1において現段階で最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ消費される演出が合わせて行われる(記憶数2→1)。なお、ここでは特に、その後の作動記憶数が増えていない例を挙げているが、上始動入賞口26への入賞が発生したり、下始動入賞口28aへの入賞が発生したりすると、その分の作動記憶数が増加する演出が行われる。
【0395】
図30中(N):ここでも同様に、作動記憶数が消費されて1個に減ると、マーカM1において残った1個の記憶数表示が画面上で左側へ1コマ分だけずれていく演出が行われる。またこの段階で、例えば前回の台詞P2の画像は消去されるが、依然として2人のキャラクターC1,C2の画像は表示されている。これにより、遊技者に対して「まだ他にも台詞があるのではないか?」といった想像を沸き立たせることができる。
【0396】
〔前兆会話演出の継続〕
図30中(O):そして、今回(3ゲーム目)の変動表示演出の初期において、最初のキャラクターC1が再び拡大表示され、前回の台詞P2に応答する内容で次の台詞P3を発する演出が行われる。この例では、最初のキャラクターC1が会話を発展させる格好で「これって・・・まさか!」といった連続性のある内容の台詞P3を発する様子が演出的に表現されている。これにより、遊技者に対して「いったい何だろうか?」という強い興味を沸き立たせることができる。
【0397】
なお、この例では2人目のキャラクターC2の画像が非表示になっているが、引き続き表示されていてもよい。また、キャラクターC1の画像は別人に変化してもよい。また、ここでも表示画面上で台詞P2を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。
【0398】
〔左演出図柄停止時〕
図31中(P):続いて、2人目のキャラクターC2の画像も拡大表示され、1人目のキャラクターC1に応答する格好で次の台詞P4を発する演出が行われる。この例では、2人目のキャラクターC2が「期待していいのかも!?」といった暗示的な内容の台詞P4を発している。これにより、遊技者に対して「やはり何かに期待してよいのか?」といった期待感を抱かせることができる。なお、ここではキャラクターC1の画像に隠れているが、時間の経過に伴って左演出図柄は停止している。
【0399】
〔右演出図柄停止時〕
図31中(Q):この後、2人のキャラクターC1,C2の画像は表示画面の上部に縮小して表示されるとともに、後から発した台詞P4の画像も合わせて縮小表示されたままとなる。これにより、遊技者に対して「2人の会話が3回の変動に跨ってまだ継続している」という明確な印象を与えることができる。
【0400】
次に右演出図柄が停止しても、2人のキャラクターC1,C2の画像や後から発せられた台詞P4の画像は引き続き表示されている。このように、キャラクターC1,C2の画像や台詞P4の画像を表示し続けることで、遊技者に対して「さらにこの次も会話が続くのではないか」といった演出の連続性を一段と強く想起させることができる。
【0401】
〔結果表示演出時〕
図31中(R):そして、第1特別図柄が停止表示され、結果表示演出(非当選)が行われてもなお、キャラクターC1,C2の画像や今回の台詞P4の画像が引き続き表示されたままとなる。これにより、遊技者に対して「さらにまだ次の変動にも演出が引き継がれている(連続演出)」ということを一段と明確に印象付けることができる。そして、「いよいよ次の変動こそ何かが起きるのではないか」といった期待感を遊技者に抱かせることができる。特にこの例では、残存する作動記憶数もあと1個であることから、「もしかしたら次の変動で当りになるのかも知れない」といった遊技制御上でも理にかなった期待感を抱かせることができる。
【0402】
以上は、複数回の変動に跨った前兆演出(前兆会話演出)の演出例であるが、前兆演出(
図25〜
図31)の間にそこまで遊技者に期待感を抱かせた以上は、ある程度のところで何らかの結論(当選又は非当選)を表出することが必要である。そこで以下に、前兆演出を経た後(例えば4回目)の変動時に実行される変動表示演出の例について説明する。この場合、前兆会話演出は一旦打ち切られ、変動表示演出のみが行われる。
【0403】
〔大当り時リーチ変動演出〕
図32は、大当り時のリーチ変動演出の流れを示す連続図である。ここでは、3回まで連続した前兆会話演出を経て、次変動(4回目)で大当りになるパターンを例に挙げている。なお
図32では、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。
【0404】
図32中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでは図示を省略しているが、背景画像として例えば「通常ステージ画像」が選択されているものとする。
【0405】
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図32中(B):次に、変動表示演出の比較的初期(リーチ状態の発生前)において、キャラクターの絵柄画像を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このときキャラクターの絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
【0406】
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図32中(C):さらにリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われる。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。ここでは2段階目の絵柄画像が出現するまでの例を挙げているが、リーチ発生前予告演出の第2態様では、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。
【0407】
〔左演出図柄の停止〕
図32中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左中段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
【0408】
〔リーチ状態の発生〕
図32中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右中段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の横一線上に数字の「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。なお、このとき画面上に横一線上でリーチ状態となったラインを強調する画像が合わせて表示されてもよい。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われてもよい。特に、このまま大当りになれば確率変動大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変大当りか、はずれか」という緊張感を遊技者に抱かせることができる。
【0409】
リーチ状態の発生後、さらに何らかのリーチ演出パターンに発展すると、テンパイした数字(ここでは「7」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
【0410】
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図32中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「花柄」を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「花柄群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対して「この予告は大当りに期待できる」というより大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
【0411】
〔リーチ演出の進行〕
図32中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「確変大当り」であるが、数字の「7」も消去されて「8」以降(「9」は省略してもよい。)が画面手前に残ると「はずれ」であり、逆に数字の「6」が消去されずに残っても「はずれ」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、今度は「確変大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
【0412】
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図32中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入る(カットインする)ようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で、例えばリーチ演出の内容は「数字の「6」が消去されれば、次に「7」−「7」−「7」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「いよいよ大当りかもしれない」という大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
【0413】
〔結果表示演出〕
図32中(I):例えば、第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、内部抽選の結果が当選に該当していれば、第1特別図柄(ここでは第1特別図柄で説明しているが、第2特別図柄でもよい。)がそのときの当選種類に対応した態様で停止表示されるため、その当選種類(当選図柄)に応じた態様で演出図柄が停止表示される。図示の例では、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「確変大当り」であることを遊技者に教示する結果表示演出が行われている。この他に、「確変大当り」であってもリーチ状態の段階から偶数の演出図柄を停止表示させておき、再度の変動によって奇数の演出図柄を停止表示させて「確変」に昇格させたり、大当り遊技中の演出で「確変」に昇格させたりする演出が行われる場合もある。
【0414】
〔はずれリーチ変動演出〕
次に
図33は、非当選(はずれ)時のリーチ変動演出の流れを示す連続図である。上述した例は大当り時の変動演出であったが、ここでは3回まで連続した前兆会話演出を経て、その次の変動(4回目)で結果的に非当選(はずれ)になるパターンを例に挙げている。なお
図33においても、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。
【0415】
図33中(A):ここでも同様に、例えば第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでも図示を省略しているが、「ステージ演出」による背景画像として例えば「通常ステージ画像」が選択されているものとする。
【0416】
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図33中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出が行われる。ここでは絵柄画像中のキャラクターが異なるだけで、基本的には上述した大当り時リーチ変動演出の場合と同様である。
【0417】
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図33中(C):さらにリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われる。具体的には、画面の左端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像が右側に位置をずらすことで、2つの絵柄画像が画面上に並んで表示されるといった演出の態様である。
【0418】
〔左演出図柄の停止〕
図33中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この例では画面の左上段位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
【0419】
〔リーチ状態の発生〕
図33中(E):左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「8」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「7」−「変動中」−「7」と「8」−「変動中」−「8」の2種類のリーチ状態が発生している。このとき画面上に、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示されてもよい。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われてもよい。さらに、この例では中演出図柄について数字の「7」と「8」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、この場合は数字の「7」が揃えば確率変動大当りであり、数字の「8」が揃えば非確変大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変か、非確変か、はずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
【0420】
リーチ状態の発生後、さらに何らかのリーチ演出パターンに発展すると、テンパイした数字(ここでは「7」と「8」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
【0421】
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図33中(F):「リーチ状態」が発生して暫くすると、例えば画面上に「ハートマーク」を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56から「チャンス」等の音声を出力させる演出が行われてもよい。
【0422】
〔リーチ演出の進行〕
図33中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、大当り時のリーチ演出と同様に数字の「2」〜「9」を表す画像が画面上に立体的な列をなして表示され、「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。この演出では、数字の「7」又は「8」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりすることができる。また、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「確変大当り」であるが、数字の「7」も消去されて「8」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当り」であり、そして数字の「8」も消去されて「9」が最終的に残ると「はずれ」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、今度は「確変大当り」又は「通常(非確変)大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
【0423】
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図33中(H):リーチ演出が大詰めに近付いたところで、同様に画面上にキャラクターの画像が割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で、演出の内容は「数字の「6」が消去されれば「7」−「7」−「7」の大当り」という大詰めの展開である。したがって、このタイミングでキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「いよいよ大当りかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。本実施形態では、このときのキャラクター画像の大きさ(カットイン大,カットイン小)に応じて当りの期待度が異なるものとしており、この例ではカットインが大当り時の演出に比較して小さい(カットイン小)ため、それによって当りの期待度が異なることを示唆している。
【0424】
〔結果表示演出〕
図33中(I):そして、第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で結果表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。図示の例では、画面上に数字の「6」が消去されずに残ってしまったため、今回の変動では残念ながら「大当り」にならなかったことが演出的に表現されている。
【0425】
このように、複数回の変動に跨った前兆演出(前兆会話演出)を経てリーチ変動演出を行うことにより、前兆演出(前兆会話演出)に関して一通りの決着(当りの前兆又はガセの前兆)を表すまでの演出を行うことができる。ただし、前兆演出(
図25〜
図31)の間は依然として以後の変動で当選するか否かは明らかでなく、また、現在の内部状態が高確率状態であるか否かも明らかではない。
【0426】
したがって、例えば隠し確変モードを根拠として前兆演出を発生させた場合、何回も(例えば変動10回以上)続けて前兆演出だけを実行していると、やがて遊技者が前兆演出に慣れてしまい、前兆演出に対する期待感や信頼感を消失する結果になりかねない。もちろん、先判定結果に当選が含まれていることを根拠として前兆演出を発生させた場合であれば、最長で4回目の変動時には当選結果が表出されることになるが、それでも4回目の変動に到達するまでは、その後にどのような結果が生じるのかは明らかでない。
【0427】
そこで本実施形態では、隠し確変モードを根拠として前兆演出を発生させた場合か、もしくは先判定結果に当選が含まれることを根拠として前兆演出を発生させた場合、いずれについても演出抽選を行った上で、特定背景チェンジ演出を行うこととしている。すなわち、特定背景チェンジ演出は、それまでの「通常モード画像」から「特定モード画像」に背景画像を変化させることで、内部的に確率変動状態であるか、もしくは先判定結果に当選が含まれているかのいずれかの条件が満たされていることを明確に開示(教示)する内容の演出となっている。
【0428】
〔特定背景チェンジ演出〕
図34及び
図35は、隠し確変モード中もしくは通常中の先判定結果に当選が含まれている場合に実行される特定背景チェンジ演出の流れを示す連続図である。本実施形態では特定背景チェンジ演出を実行することで、遊技者に対して「以後の変動で当選する可能性が高い」ということを明確に教示(開示)するものとしている。なお特定背景チェンジ演出は、上記のように変動開始前の演出抽選で当選した場合に行われるものとする。以下、特定背景チェンジ演出を実行する場合の流れについて説明する。
【0429】
〔変動表示演出開始〕
図34中(A):先ず、上記のように液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。なお、この時点で特に背景画像に変化はなく、引き続き通常モード画像が表示されているものとする。
【0430】
〔扉閉演出〕
図34中(B):変動表示演出の初期において、表示画面の左右両側から扉(ここでは襖)が出現し、画面の中央でぴしりと閉じられる演出(扉閉演出)が行われる。このような扉閉演出の発生により、表示画面に対して遊技者を注目させることができる。
【0431】
〔扉開演出〕
図34中(C):上記の扉閉演出に続いて、表示画面の左右両側へ扉(襖)が開かれる演出(扉開演出)が行われる。このような扉開演出により、その先の背景画像の変化に遊技者の興味を惹き付けることができる。
【0432】
〔特定背景チェンジ演出〕
図35中(D):上記の扉開演出に続いて、演出図柄の変動表示中に特定背景画像に変化させる演出(特定背景チェンジ演出)が実行される。この例では、表示画面内に「お祭りモード確定」の文字が大きく表示されるとともに、周囲にお祭りに関係する品々や花火等の画像が表示される様子が演出的に表現されている。
【0433】
〔特定背景チェンジ後の変動演出〕
図35中(E):特定背景画像として、例えば表示画面に浴衣を着こなした女性キャラクターの画像が表示される。このような背景画像は、上記の「通常モード画像」とは異なるものであり、演出上で別のモードに変化したことを遊技者に対して視覚的に訴求させることができる。本実施形態では、この背景画像を「特定モード画像」とする。また表示画面の下部に例えば「お祭りモード中」の文字情報が横方向にスクロールする様子が表示され、現在のモードが「お祭りモード」=「特定のモード」であることが視覚的に訴求されている。
【0434】
〔特定モード画像の意義〕
ここで本実施形態では、上記の「特定モード画像」を用いた特定背景チェンジ演出(特定演出)を実行した場合、それによって以下の(1)又は(2)のいずれか一方の意義が明らかとなる。
【0435】
(1)現在の内部状態が確率変動状態であること(確変確定)。
(2)現時点で記憶されている大当り決定乱数(抽選要素)に当選結果が含まれていること(先判定当選確定)。
【0436】
上記(1)の意義は、今後早期に次の当選が得られることをほぼ約束するものであるから、遊技者にとっては心強い(安心できる)演出としての意味を持つ。一方、上記(2)の意義は、それこそ現在の作動記憶数の範囲内で次の当選が得られることを確約するものであるから、やはり遊技者にとっては心強い(安心できる)演出としての意味を持つ。そして本実施形態では、これら(1),(2)の意義を共通した態様の特定背景チェンジ演出によって表出することにより、前兆演出だけでなく特定背景チェンジ演出についても、その出現率を向上することができる。
【0437】
以上は、隠し確変モード又は先判定結果を根拠とした表示画面上での前兆演出及び特定背景チェンジ演出の流れについての説明であるが、本実施形態では以下に挙げる複数のパターンで前兆演出や特定背景チェンジ演出を発生させることにより、前兆演出及び特定背景チェンジ演出の出現率を具体的に向上させている。
【0438】
〔第1演出発生パターン〕
図36は、前兆演出の第1演出発生パターンとなる各種状態を示す図である。なお
図36中、縦軸には各種の状態や制御上の値を示し、また横軸には特別図柄の変動回数を示すものとする。また横軸の基点(図中「↑」)は、先判定結果による前兆演出の契機発生時とする。
【0439】
〔特図作動記憶〕
図36中(A):前兆演出の契機は、通常中の遊技において保留扱いの作動記憶数が1個以上ある場合に発生する。この例では、第1特別図柄について作動記憶が最大数(4個)まで蓄積された時点で前兆演出の契機が発生した場合を想定している。
【0440】
〔先判定結果〕
図36中(B):先判定結果は、その時点で記憶されている全ての大当り決定乱数について既に判明している。この例では、1個〜3個目までの作動記憶について先判定結果がはずれ(非当選)であるが、4個目の作動記憶について先判定結果は当選に該当している。したがってこの場合、前兆演出契機の発生とともに、特定背景チェンジ演出の抽選を開始する契機も合わせて発生していることとなる。
【0441】
〔変動パターン〕
図36中(C):作動記憶には、大当り判定乱数とセットで大当り図柄乱数も含まれている他、合わせて取得された変動パターン決定乱数も含まれている。したがって、その時点で記憶されている全ての変動パターン(変動時間)についても事前に判明している。この例では、1個〜3個目までの作動記憶について変動パターンは通常(非リーチはずれ)変動パターンであるが、4個目の作動記憶についての変動パターンは大当りリーチ変動パターンである。
【0442】
〔前兆会話演出〕
図36中(D):先判定結果に当選が含まれることを根拠として前兆演出契機が発生した場合、最長3回の変動に跨って前兆会話演出が実行される。「最長3回」であるのは、作動記憶の4個目(変動4回目)が当り変動となるため、そこでは前兆会話演出を行わず、大当りリーチ変動演出を行うためである。また前兆会話演出は、変動3回の間で特定背景チェンジ演出に当選した場合も終了する。この例では、最長の変動3回に跨って前兆会話演出が継続したことを示している。
【0443】
〔特定背景移行確率〕
図36中(E):特定背景チェンジ演出は、変動ごとに演出抽選を行い、これに当選すると実行される。この例では、契機発生時から変動1〜2回目までの演出抽選の確率(特定背景移行確率)が20%であり、変動3〜4回目の確率が40%となっている。
【0444】
以上のように、第1演出発生パターンでは、作動記憶について事前に判定が行われ、その先判定結果に当選が含まれていることを根拠としているため、前兆演出(前兆会話演出)だけでなく、特定背景チェンジ演出の契機も合わせて発生することとなる。
【0445】
〔第2演出発生パターン〕
次に
図37は、前兆演出の第2演出発生パターンとなる各種状態を示す図である。
図37においても、横軸の基点(図中「↑」)は、先判定結果による前兆演出の契機発生時とする。
【0446】
〔特図作動記憶〕
図37中(A):ここでも同様に、前兆演出の契機は、通常中の遊技において保留扱いの作動記憶数が1個以上ある場合に発生する。この例においても、第1特別図柄について作動記憶が最大数(4個)まで蓄積された時点で前兆演出の契機が発生した場合を想定している。
【0447】
〔先判定結果〕
図37中(B):先判定結果について、この例では1個〜4個目までの全ての作動記憶について先判定結果がはずれ(非当選)である。したがってこの場合、前兆演出契機のみが発生し、特定背景チェンジ演出の抽選を開始する契機は発生していない。
【0448】
〔変動パターン〕
図37中(C):この例では、1個〜3個目までの作動記憶について変動パターンは通常(非リーチはずれ)変動パターンであるが、4個目の作動記憶についての変動パターンは、はずれリーチ変動パターンである。
【0449】
〔前兆会話演出〕
図37中(D):先判定結果に当選は含まれていなくても、事前の判定が行われたことを根拠として前兆演出契機が発生した場合について、同じく最長3回の変動に跨って前兆会話演出が実行される。この例では、作動記憶の4個目(変動4回目)がはずれリーチ変動となるため、そこでは前兆会話演出を行わず、前兆会話演出に一通りの決着を付けることとしている。また本実施形態では、先判定結果に当選が含まれていなかった場合、前兆会話演出の継続回数を抽選で決定している。なお、最長の継続回数は、そのときの作動記憶数より1少ない回数である。この例では、変動3回に跨って前兆会話演出が継続したことを示している。
【0450】
〔特定背景移行確率〕
図37中(E):先判定結果に当選が含まれていない場合、前兆演出そのものがいわゆる「ガセ前兆演出」としての意味を持つ。その一方で「特定背景チェンジ演出」は、上記のように次の当選を保証する意義を有するため、第2演出発生パターンで「特定背景チェンジ演出」を行うことは適切でない。したがってこの例では、前兆会話演出中も含めて変動4回目までの間、常に特定背景移行確率は0%である。
【0451】
以上のように、第2演出発生パターンでは、作動記憶について事前に判定が行われたことを根拠としているが、その先判定結果に当選が含まれていないため、前兆演出(前兆会話演出)の契機だけが発生し、特定背景チェンジ演出の契機は発生しないことになる。
【0452】
〔第3演出発生パターン〕
次に
図38は、前兆演出の第3演出発生パターンとなる各種状態を示す図である。この第3演出発生パターンは、「隠し確変モード」を根拠として前兆演出の契機を発生させる場合の例である。したがって
図38中、横軸の基点(図中「↑」)は2ラウンド大当りの終了後(2ラウンドが終了した時点)となっている。
【0453】
〔特図作動記憶〕
図38中(A):「隠し確変モード」が演出発生契機となった場合、特に作動記憶の数に規定はない。ただし、前兆演出が実際に発生した時点で作動記憶数が0であった場合、観察力のある遊技者には先判定結果を根拠として前兆演出が発生したのではないことが看破されてしまうため、これを防止する場合は作動記憶数が1個以上(2〜4個以上でもよい)あることを条件としてもよい。なお作動記憶がある場合、その先判定結果は非当選(はずれ)とする。
【0454】
〔内部状態〕
図38中(B):2ラウンド大当り終了後、「隠し確変モード」中の内部状態は高確率状態である。
【0455】
〔前兆会話演出〕
図38中(C):「隠し確変モード」の移行を根拠として前兆演出契機が発生した場合、本実施形態では最長8回の変動に跨って前兆会話演出が実行される。「最長8回」であるのは、あまり長く前兆会話演出を継続させると、上記のように遊技者に不安感を抱かせる結果になりやすいため、適度なところで前兆会話演出を終了するためである。このため本実施形態では、前兆会話演出の開始から変動9回目で必ず「特定背景チェンジ演出」を行い、内部状態が「高確率状態」であることを遊技者に教示(開示)することとしている。また前兆会話演出は、変動8回までの間で特定背景チェンジ演出に当選した場合も終了する。なお、ここでは最長の変動回数として「8回」を例にあげているが、これに限るものではなく、最長の変動回数をどのように設定するかは適宜に選択することができる。
【0456】
〔特定背景移行確率〕
図38中(D):特定背景チェンジ演出は、変動ごとに演出抽選を行い、これに当選すると実行される。この例では、契機発生時から変動1〜2回目までの演出抽選の確率(特定背景移行確率)が20%であり、変動3〜4回目の確率が40%となっている。以後、変動2回ごとに20%ずつ確率が増加していき、変動9回目で確率が100%に達している。これにより、上記のように前兆会話演出を開始してから変動9回目で必ず「背景チェンジ演出」を実行することができるものとなっている。
【0457】
以上のように、第3演出発生パターンでは、「隠し確変モード」への移行を根拠としているため、前兆演出(前兆会話演出)及び特定背景チェンジ演出の契機が発生する。
【0458】
〔第4演出発生パターン〕
図39は、前兆演出の第4演出発生パターンとなる各種状態を示す図である。この第4演出発生パターンは、「小当り」を根拠として前兆演出の契機を発生させる場合の例である。したがって
図39中、横軸の基点(図中「↑」)は小当りの終了後(可変入賞装置30の2回開閉動作が終了した時点)となっている。
【0459】
〔特図作動記憶〕
図39中(A):「小当り」が演出発生契機となった場合についても、特に作動記憶の数に規定はない。ただし、ここでも同様に、前兆演出が実際に発生した時点で作動記憶数が0であった場合、観察力のある遊技者には先判定結果を根拠として前兆演出が発生したのではないことが看破されてしまうため、これを防止する場合は作動記憶数が1個以上(2〜4個以上でもよい)あることを条件としてもよい。なお作動記憶がある場合、その先判定結果は非当選(はずれ)とする。
【0460】
〔内部状態〕
図39中(B):「小当り」そのものは内部状態を変化させる契機とはならず、通常の遊技として行われるため、「小当り」後も内部状態は通常(低確率)状態である。
【0461】
〔前兆会話演出〕
図39中(C):「小当り」を根拠として前兆演出契機が発生した場合、本実施形態では最長8回の変動に跨って前兆会話演出が実行される。ここでも「最長8回」であるのは、あまり長く前兆会話演出を継続させると、上記のように遊技者に不安感を抱かせる結果になりやすいため、適度なところで前兆会話演出を終了するためである。また、ここでも最長の変動回数として「8回」を例にあげているが、これに限るものではなく、最長の変動回数をどのように設定するかは適宜に選択することができる。
【0462】
〔特定背景移行確率〕
図39中(D):「小当り」後に前兆会話演出を行う場合もまた、演出そのものがいわゆる「ガセ前兆演出」としての意味を持つ。このため「小当り」後においても、「特定背景チェンジ演出」を行うことは適切でない。したがってこの例では、前兆会話演出中も含めて変動8回目までの間、常に特定背景移行確率は0%である。
【0463】
以上のように、第4演出発生パターンでは、「小当り」を根拠としているため、前兆演出(前兆会話演出)の契機だけが発生し、特定背景チェンジ演出の契機は発生しないことになる。
【0464】
〔演出の出現率向上のまとめ〕
このように本実施形態では、上記の第1〜第4演出発生パターンを設けることにより、前兆演出や特定背景チェンジ演出の出現率を向上することができる。具体的には、各演出パターンはそれぞれ以下の出現率向上に寄与している。
【0465】
(1)第1演出発生パターン・・・前兆演出及び特定背景チェンジ演出の出現率向上
(2)第2演出発生パターン・・・前兆演出の出現率向上
(3)第3演出発生パターン・・・前兆演出及び特定背景チェンジ演出の出現率向上
(4)第4演出発生パターン・・・前兆演出の出現率向上
【0466】
特に前兆演出(前兆会話演出)については、第1〜第4演出発生パターンの全てがその出現率の向上に寄与している。このため、いずれか1つの演出発生パターンだけを演出発生契機としている場合に比較して、高頻度に前兆演出を出現させることができ、それによって遊技者の意欲を適度に維持しつつ、長期間にわたって遊技意欲の低下を抑え続けることができる。
【0467】
〔演出制御処理〕
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。
図40は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
【0468】
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
【0469】
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、特図別作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
【0470】
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。なお、演出図柄管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0471】
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、モード番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
【0472】
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
【0473】
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
【0474】
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選、前兆演出に関する抽選、特定背景移行抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。なお、前兆演出に関する抽選や特定背景移行抽選についてはさらに後述する。
【0475】
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば
図4中のパネル電飾基板138に接続することができる。
【0476】
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
【0477】
〔演出図柄管理処理〕
図41は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
【0478】
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(
図10中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
【0479】
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0480】
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
【0481】
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、少なくとも通常中からの2ラウンド当選時や小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行することは既に述べたとおりである。
【0482】
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。例えば15ラウンドの大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として15ラウンド大当り中に専用の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また演出制御CPU126は、15ラウンド大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて演出パターンを選択すると、これらを適宜、演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では15ラウンド大当り中に専用の演出画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
【0483】
あるいは、「2ラウンド大当り」に該当していた場合、演出制御CPU126は上記の通常変動演出(例えば
図23の演出例)を実行させる制御を行う。また「小当り」の場合、同じく演出制御CPU126は通常変動演出(例えば
図23の演出例)と同様の演出を実行させる制御を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0484】
〔演出図柄変動前処理〕
図42は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0485】
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
【0486】
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
【0487】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(
図40中のステップS404)、ランプ駆動処理(
図40中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
【0488】
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
【0489】
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる(ただし、2ラウンド大当り時の非リーチ変動パターンは除く。)。
【0490】
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動(2ラウンド大当り時の非リーチ変動パターンを含む)に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
【0491】
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
【0492】
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
【0493】
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
【0494】
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の通常はずれ目」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の通常はずれ目は、例えば「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)としてもよい。また、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
【0495】
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
【0496】
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
【0497】
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「8」等)を決定する。
【0498】
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
【0499】
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。なお、本実施形態では便宜上、ここで選択される予告演出は前兆演出(前兆会話演出)や背景チェンジ演出とは別のものとしている。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
【0500】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。
【0501】
〔可変入賞装置作動時処理〕
図43は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。上記のように可変入賞装置作動時処理は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(
図10中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択されるが、その場合でも当選種類が「小当り」又は「大当り」のいずれに該当するかによってさらに処理を分岐させるためのものである。
【0502】
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、現在の状態が大当り中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り中の状態指定コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS800を実行する。逆に、大当り中ではないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS900を実行する。なお大当り時演出選択処理(ステップS800)については、別のフローチャートを参照してさらに説明する。
【0503】
〔大当り時演出選択処理〕
図44は、上記の大当り時演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時演出選択処理は、2ラウンド又は15ラウンドの大当り種別に応じて可変入賞装置30の作動に伴う演出内容を選択するとともに、「2ラウンド大当り」については、通常中からの当選時に上記の前兆演出(前兆会話演出)や特定背景チェンジ演出を発生させるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
【0504】
ステップS801:先ず演出制御CPU126は、前兆演出又は演出抽選に関するフラグやカウンタを全て初期化(リセット)する。なお、フラグやカウンタについてはさらに後述する。
【0505】
ステップS802:次に演出制御CPU126は、今回の大当りが2ラウンド大当りであるか否かを確認する。この確認は、例えばRAM130のコマンドバッファ領域に保存されている停止図柄コマンドに基づいて行うことができる。すなわち、停止図柄コマンドが2ラウンド大当り図柄であった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
【0506】
ステップS804:演出制御CPU126は、今回の2ラウンド大当りが確変中の当選によるものであるか否かを確認する。この確認は、状態指定コマンドに基づいて行うことができる。その結果、今回の2ラウンド大当りが確変中の当選でない(通常中の当選である)ことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS806を実行する。
【0507】
〔疑似通常変動演出選択処理〕
ステップS806:演出制御CPU126は、疑似通常変動演出選択処理を実行する。この処理では、2ラウンド大当り中の演出内容として、はずれ時に選択される結果表示演出の態様と同じか又は近似した態様の演出(例えば
図23中(D))を選択する。
【0508】
〔隠し確変モード指定〕
ステップS808:次に演出制御CPU126は、演出上で「隠し確変モード」を指定する。具体的には、演出上のフラグとして(1)前兆フラグ、(2)特定背景フラグにそれぞれ値(01H)をセットする。また演出制御CPU126は、(3)背景チェンジカウント値として「9」をセットする。これら(1)前兆フラグ、(2)特定背景フラグ、(3)背景チェンジカウント値をセットすると、演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理に復帰する。これにより、以降の隠し確変モード中において上記の前兆演出(前兆会話演出)や特定背景チェンジ演出の選択が行われる。なお、ステップS808の処理は、上述した第3演出発生パターンに相当するものである。
【0509】
これに対し、ステップS804で今回の2ラウンド大当りが確変中の当選によるものであることを確認すると(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS810を実行する。
【0510】
〔大入賞口2回開放演出選択処理〕
ステップS810:演出制御CPU126は、大入賞口2回開放演出選択処理を実行する。この処理では、2ラウンド大当り中の演出内容として、例えば上記の「チャンス当選目」を選択する。
【0511】
〔確変モード指定〕
ステップS812:次に演出制御CPU126は、演出上で「確変モード」を指定する。具体的には、演出上のフラグとして上記(2)の特定背景フラグにのみ値(01H)をセットするとともに、上記(3)の背景チェンジカウント値として「1」をセットする。これら(2)特定背景フラグ及び(3)背景チェンジカウント値をそれぞれセットすると、演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理に復帰する。
【0512】
以上は2ラウンド大当りの場合の手順例であるが、15ラウンド大当り時には以下の手順が実行される。
【0513】
〔15ラウンド大当り時〕
ステップS814:先のステップS802で2ラウンド大当りでないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126は大入賞口15回開放演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は15ラウンド大当り中の演出内容を選択する。
【0514】
ステップS816:次に演出制御CPU126は、今回の当選種類が「15ラウンド確変大当り」であるか否かを確認する。この確認は、停止図柄コマンドに基づいて行うことができる。その結果、今回の大当り種別が確変(15ラウンド確変図柄)に該当することを確認すると(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS812に進み、上記のように演出上で「確変モード」を指定する。処理の内容は上記と同様である。
【0515】
以上の手順を経て「隠し確変モード」又は「確変モード」のいずれかを指定すると、演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理に復帰する。これに対し、今回の大当り種別が確変ではなく、非確変(15ラウンド非確変図柄)に該当することを確認した場合(ステップS816:No)、演出制御CPU126は特に演出上で「隠し確変モード」や「確変モード」をいずれも指定することなく、可変入賞装置作動時処理に復帰する。なお、特に図示していないが、この場合は演出上で「時短モード」を指定することとしてもよい。
【0516】
〔小当り時演出選択処理〕
次に
図45は、小当り時演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。上記のように「小当り」は、その後の内部状態を変化させる契機とはならないため、ここで「確変モード」又は「隠し確変モード」の指定が行われることはない。ただし、本実施形態では上記のように「小当り」を契機として前兆演出を発生させることにより、通常中であっても隠し確変モード中と同様の演出(前兆会話演出)を発生させることとしている。
【0517】
ステップS902:先ず演出制御CPU126は、既に上記(1)前兆フラグ、(2)特定背景フラグ、(3)背景チェンジカウンタのいずれかに値(0以外)がセットされているか否かを確認する。その結果、いずれの値もセットされていなければ(No)、演出制御CPU126は次にステップS904を実行する。
【0518】
ステップS904:演出制御CPU126は、疑似通常変動演出選択処理を実行する。ここでの処理の内容は、先に述べた大当り時演出選択処理の中(
図44中のステップS806)で行われるものと同じである。
【0519】
ステップS906:そして演出制御CPU126は、ここで上記(1)の前兆フラグに値(01H)をセットするとともに、上記(3)の背景チェンジカウント値に「9」をセットする。これにより、小当りの場合でも以後の演出において前兆演出を選択可能な状態となる。ただし、(2)の特定背景フラグには値がセットされないので、小当りを契機として特定背景チェンジ演出が選択されるとはない。なお、このようなステップS906の処理は、上述した第4演出発生パターンに相当するものである。
【0520】
以上の手順とは別に、最初のステップS902で既にフラグ又はカウンタに値がセットされていた場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS908に進む。
【0521】
ステップS908:この場合、演出制御CPU126は小当り時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り時の演出内容として、例えば上記の「チャンス当選目」を選択する。
【0522】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は可変入賞装置作動時処理(
図43)に復帰する。
【0523】
〔各種処理のまとめ〕
上記の大当り時演出選択処理(
図44)、小当り時演出選択処理(
図45)において、各種の条件別に演出制御CPU126は(1)前兆フラグ、(2)特定背景フラグ、(3)背景チェンジカウント値をそれぞれセットしているが、これらをまとめると、条件別に以下の内容が明らかとなる。
【0524】
〔非確変中の2ラウンド大当り後〕
非確変中(主に通常中)に2ラウンド大当りすると、「隠し確変モード」が指定される。この場合、各種値は以下の通りとなる。
【0525】
(1)前兆フラグ=1
(2)特定背景フラグ=1
(3)背景チェンジカウント値=9
【0526】
〔確変中の2ラウンド大当り後,15ラウンド確変大当り後〕
確変中に2ラウンド大当りした場合は「確変モード」が指定される。また15ラウンド確変大当り後は常に「確変モード」が指定される。これらの場合、各種値は以下の通りとなる。
【0527】
(1)前兆フラグ=0(リセットされた状態)
(2)特定背景フラグ=1
(3)背景チェンジカウント値=1
【0528】
〔15ラウンド非確変大当り後〕
15ラウンド非確変大当りした場合、特に改めてモードの指定は行われない。ただし、大当り時演出選択処理(
図44)の最初のステップS801でフラグやカウンタの初期化が行われるため、例えばそれまでに「隠し確変モード」や「確変モード」が指定されていた場合、それらのモード指定はリセット(初期化)されることになる。
【0529】
〔初期状態での小当り後〕
また、フラグ、カウンタのいずれにも値がセットされていない初期状態で小当りした場合も特にモードの指定は行われない。またこの場合、各種値は以下の通りとなる。
【0530】
(1)前兆フラグ=1
(2)特定背景フラグ=0(初期状態)
(3)背景チェンジカウント値=9
【0531】
いずれにしても、フラグ又はカウンタに値がセットされることで、それ以降の通常変動演出において前兆演出(
図26〜
図31)が選択されたり、特定背景チェンジ演出(
図34,
図35)が選択されたりする。
【0532】
ただし、ここまでは「2ラウンド大当り後」や「15ラウンド大当り後」、「小当り後」を演出発生契機としてフラグ又はカウンタに値をセットする場合(第3,第4演出発生パターン)についての処理である。本実施形態では別途、毎回の通常変動演出においても上記のように先判定(いわゆる先読み)を演出発生契機(第1,第2演出発生パターン)としてフラグやカウンタに値をセットする処理も行われている。そこで以下に、「隠し確変モード中」や「小当り後」の通常変動において前兆演出や特定背景チェンジ演出を選択する処理について説明しつつ、合わせて通常中の変動表示演出において、先判定により前兆演出や特定背景チェンジ演出を選択する条件を設定する場合の処理についても説明するものとする。
【0533】
〔はずれ時演出パターン選択処理〕
図46は、はずれ時演出パターン選択処理(
図42中のステップS612)の手順例を示すフローチャートである。はずれ時演出パターン選択処理は、基本的に内部抽選の結果が非当選の場合に実行されるものであるが、その際、現在の内部状態が高確率状態(確変中)であるか否かにより、また、小当り後の前兆フラグ(01H)がセットされているか否かによって、演出内容の選択手法に違いが生じてくる。以下、手順例に沿って説明する。
【0534】
ステップS250:演出制御CPU126は、現在の内部状態が高確率状態(確変中)であるか否かを確認する。この確認は、状態指定コマンドに基づいて行うことができる。また、「2ラウンド確変」又は「15ラウンド確変」後に高確率状態に移行している場合、先の大当り時演出選択処理(
図44)において「隠し確変モード」又は「確変モード」が既に指定されているため、ここでは特定背景フラグの値に基づいて確変中か否かを確認することもできる。その結果、現在の内部状態が確変中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS252に進む。
【0535】
〔確変中〕
ステップS252:確変中であれば、演出制御CPU126は確変時前兆演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は現在のフラグやカウンタの値から前兆演出(前兆会話演出)や特定背景チェンジ演出のパターンを選択する。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。
【0536】
ステップS254:そして演出制御CPU126は、今回のはずれ変動演出パターンを選択する。例えば、演出制御CPU126は図示しない変動演出パターン抽選テーブルを参照し、そのときの演出用乱数に基づいてはずれ変動演出パターン番号を選択する。
【0537】
〔通常時〕
次に、通常時の手順について説明する。
ステップS256:先のステップS250で確変中でない(No)ことを確認した場合、演出制御CPU126は、前兆フラグに値がセットされているか否かを確認する。上記のように通常時に小当りすると、前兆フラグ(=01H)がセットされているため(Yes)、演出制御CPU126はステップS258に進む。
【0538】
ステップS258:この場合、演出制御CPU126は小当り後前兆演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は現在のフラグやカウンタの値から前兆演出(前兆会話演出)のパターンを選択する。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。
【0539】
これに対し、通常中の小当り後(変動9回以内)でない場合、特に前兆フラグに値(01H)がセットされていないため(ステップS256:No)、演出制御CPU126はステップS260を実行する。
【0540】
ステップS259:この場合、演出制御CPU126は先判定時前兆演出実行管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は先判定演出コマンドや作動記憶数コマンドから前兆演出(前兆会話演出)や特定背景チェンジ演出に関する条件をさらに細かく設定する。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。
【0541】
ステップS254:通常時においても同様に、演出制御CPU126は、今回のはずれ変動演出パターンを選択する。以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(
図42)に復帰する。
【0542】
〔確変時前兆演出選択処理〕
図47は、確変時前兆演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。上記のようにこの処理では、演出制御CPU126は確変中における前兆演出や特定背景チェンジ演出のパターンを選択する。以下、手順例に沿って説明する。
【0543】
ステップS349:先ず演出制御CPU126は、既に特定背景演出を実行中であるか否か、つまり、特定背景チェンジ演出を実行した後であるか否かを確認する。この時点で未だ特定背景チェンジ演出を実行していなければ(No)、次に演出制御CPU126はステップS350を実行する。
【0544】
ステップS350:次に演出制御CPU126は、背景チェンジテーブル選択処理を実行する。この処理は、(3)の背景チェンジカウンタの値に基づき、今回の変動における演出抽選で使用するべき背景チェンジテーブルを選択するためのものである。特に図示しないが、ここでは例えば5つの背景チェンジテーブル1〜5が予め用意されており、そのときの背景チェンジカウンタの値に対応するいずれかのテーブル番号1〜5が選択される。
【0545】
(1)背景チェンジカウンタの値が「8」以上の場合
この場合、背景チェンジテーブル1が選択される。このテーブル1では、例えば特定背景チェンジ演出の移行確率(演出抽選の当選確率)が20%に設定されている。なお、この選択は、上述した第3演出発生パターンにおける変動1〜2回目に相当する(
図38参照)。
【0546】
(2)背景チェンジカウンタの値が「7」又は「6」の場合
この場合、背景チェンジテーブル2が選択される。このテーブル2では、例えば特定背景チェンジ演出の移行確率(演出抽選の当選確率)が40%に設定されている。この選択は、上述した第3演出発生パターンにおける変動3〜4回目に相当する(同
図38参照)。
【0547】
(3)背景チェンジカウンタの値が「5」又は「4」の場合
この場合、背景チェンジテーブル3が選択される。このテーブル3では、例えば特定背景チェンジ演出の移行確率(演出抽選の当選確率)が60%に設定されている。この選択は、上述した第3演出発生パターンにおける変動5〜6回目に相当する(同
図38参照)。
【0548】
(4)背景チェンジカウンタの値が「3」又は「2」の場合
この場合、背景チェンジテーブル4が選択される。このテーブル4では、例えば特定背景チェンジ演出の移行確率(演出抽選の当選確率)が80%に設定されている。この選択は、上述した第3演出発生パターンにおける変動7〜8回目に相当する(同
図38参照)。
【0549】
(5)背景チェンジカウンタの値が「1」以下の場合
この場合、背景チェンジテーブル5が選択される。このテーブル5では、例えば特定背景チェンジ演出の移行確率(演出抽選の当選確率)が100%に設定されている。この選択は、上述した第3演出発生パターンにおける変動9回目に相当する(同
図38参照)。
【0550】
ただし、以上の選択は「隠し確変モード中」のみに行われる。「確変モード中」は、最初から背景チェンジカウント値が「1」に設定されているので(
図44中のステップS812)、ステップS350で常に背景チェンジ演出の移行確率として100%が選択されることになる。これにより、「確変モード中」は最初から特定背景チェンジ演出を実行することにより、遊技者に対して明らかな高確率状態を教示することができる(第1特定演出実行手段としての処理)。またこの場合、変動開始時から「特定モード画像」(
図35中(E))が表示されるものとしてもよい。
【0551】
ステップS352:先の背景チェンジテーブル選択処理おいていずれかの背景チェンジテーブル番号(背景チェンジカウンタの値に応じた当選確率)を選択すると、次に演出制御CPU126は、選択した背景チェンジテーブルを参照し、そのときの演出用乱数から特定背景移行抽選を実行する。
【0552】
ステップS354:上記の移行抽選で当選していた場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS356に進む。
【0553】
ステップS356:この場合、演出制御CPU126は(1)前兆フラグ、(2)特定背景フラグ、(3)背景チェンジカウンタの値を全てリセットする。
【0554】
ステップS358:そして演出制御CPU126は、特定背景チェンジパターンを選択する。ここで選択される特定背景チェンジパターンは、上記の特定背景チェンジ演出(
図34,
図35)の内容を指定するためのものである(第2特定演出実行手段としての処理)。
【0555】
一方、上記の移行抽選で当選しなかった場合(ステップS354:No)、演出制御CPU126は次にステップS360に進む。
【0556】
ステップS360:この場合、演出制御CPU126は前兆演出抽選を実行する。例えば、演出制御CPU126は図示しない前兆会話演出テーブルを参照し、そのときの演出用乱数値に基づいて前兆演出抽選を実行する(例えば、確率256分の254程度の高確率)。
【0557】
ステップS362:ステップS360の前兆演出抽選で当選しなかった場合(No)、演出制御CPU126はステップS366に進む。
【0558】
ステップS366:この場合、演出制御CPU126は背景チェンジカウンタの値を1減算する。
【0559】
一方、ステップS360の前兆演出抽選で当選した場合(ステップS362:Yes)、演出制御CPU126はステップS364に進む。
【0560】
ステップS364:この場合、演出制御CPU126は、前兆演出パターンとして前兆会話演出パターン番号を選択する。例えば、演出制御CPU126は図示しない前兆会話演出パターン抽選テーブルを参照し、そのときの演出用乱数に基づいて前兆会話演出パターン番号を選択する。
【0561】
ステップS366:この場合も同様に、演出制御CPU126は背景チェンジカウンタの値を1減算する。
【0562】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理に復帰する。なお、これまでの手順で選択した各種のパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0563】
また、これまでの特定背景移行抽選の当選により、既に特定背景演出を実行している場合(ステップS349:Yes)、演出制御CPU126はステップS350以降の手順を実行することなく、はずれ時演出パターン選択処理に復帰する。これにより、特定背景チェンジ演出の実行後に繰り返し特定背景移行抽選が行われたり、前兆演出抽選が行われたりすることを防止し、演出処理の負荷を軽減している。
【0564】
〔小当り後前兆演出選択処理〕
次に
図48は、小当り後前兆演出選択処理の手順例を示したフローチャートである。この処理は、通常背景チェンジパターンを選択したり、前兆演出抽選を行って前兆演出パターンを選択したりするものである。ただし、この小当り後前兆演出選択処理において、特定背景チェンジ演出は一切選択されることがない。以下、手順例に沿って説明する。
【0565】
ステップS450:演出制御CPU126は、通常時背景チェンジ抽選を実行する。例えば、演出制御CPU126は図示しない通常時背景チェンジ抽選テーブルを参照し、そのときの演出用乱数値に基づいて通常時背景チェンジ抽選を実行する(例えば、確率100分の1程度)。
【0566】
ステップS452:特にステップS450の演出抽選で当選しなかった場合(No)、演出制御CPU126はそのままステップS456に進む。これに対し、ステップS450の演出抽選で当選した場合(ステップS452:Yes)、演出制御CPU126はステップS454に進む。
【0567】
ステップS454:この場合、演出制御CPU126は、通常時背景チェンジパターンを選択する。例えば、演出制御CPU126は図示しない通常時背景チェンジパターン抽選テーブルを参照し、そのときの演出用乱数に基づいて通常時背景チェンジパターン番号を選択する。特に図示していないが、通常時背景チェンジパターンは、上記の「特定モード画像」以外の「通常モード画像」の中から選択されるものとする(例えば、山の風景、湖の風景等)。
【0568】
ステップS456:次に演出制御CPU126は、前兆演出抽選を実行する。例えば、演出制御CPU126は図示しない前兆会話演出テーブルを参照し、そのときの演出用乱数値に基づいて前兆会話演出抽選を実行する(例えば、確率256分の254程度の高確率)。
【0569】
ステップS458:特にステップS456の前兆演出抽選で当選しなかった場合(No)、演出制御CPU126はステップS462に進む。
【0570】
ステップS462:この場合、演出制御CPU126は背景チェンジカウンタの値を1減算する。
【0571】
一方、ステップS456の演出抽選で当選した場合(ステップS458:Yes)、演出制御CPU126はステップS460に進む。
【0572】
ステップS460:この場合、演出制御CPU126は、前兆演出パターンとして前兆会話演出パターン番号を選択する。なお、処理の内容は既に述べたもの(
図47中のステップS364)と同様である。
【0573】
ステップS462:この場合も同様に、演出制御CPU126は背景チェンジカウンタの値を1減算する。
【0574】
ステップS464:減算の結果、演出制御CPU126は背景チェンジカウンタの値が0になったか否かを確認する。未だ背景チェンジカウント値が0でなければ(No)、演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理に復帰する。なお、これまでの手順で選択した各種のパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0575】
これに対し、背景チェンジカウンタの値が0になっていれば(Yes)、演出制御CPU126はステップS466に進む。
【0576】
ステップS466:ここで演出制御CPU126は初期化を行い、前兆フラグをリセットする(なお、既に0であっても、背景チェンジカウント値を合わせてリセットしてもよい。)。そして演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理に復帰する。同様に、これまでの手順で選択した各種のパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0577】
以上は確変中又は通常中の小当り後(変動9回以内)に実行される処理の内容であり、ここまでの処理を通じて、上記の第3,第4演出発生パターンに相当する演出契機を発生させることができる。
【0578】
そして本実施形態では、先判定時についても第1,第2演出発生パターンを設けているため、以下の処理を通じて通常時にも演出契機を発生させることができる。以下、先判定時の処理について説明する。
【0579】
〔先判定時前兆演出実行管理処理〕
図49は、先判定時前兆演出実行管理処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り後の変動9回以内を除く通常時に実行されるものである。以下、手順例に沿って説明する。
【0580】
ステップS260:演出制御CPU126は、先判定フラグ(=01H)がセットされているか否かを確認する。先判定フラグがセットされていなければ(No)、演出制御CPU126は次にステップS261に進む。
【0581】
ステップS261:演出制御CPU126は、上記の特定背景(「特定モード画像」)による演出を実行中か否かを確認する。未だ特定背景画像による演出(特定演出)を実行していなければ(No)、次に演出制御CPU126はステップS262に進む。
【0582】
ステップS262:ここで演出制御CPU126は、第1特別図柄と第2特別図柄それぞれについて作動記憶数を取得する。図柄別の作動記憶数は、上記の特図別作動記憶数コマンドに基づいて取得することができる。
【0583】
ステップS263:次に演出制御CPU126は、特図別の作動記憶数がN個(例えば3個)以上であるか否かを確認する。例えば、第1特別図柄について作動記憶数が3個又は4個までたまっている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS264に進む。
【0584】
ステップS264:この場合、演出制御CPU126は先判定時前兆演出抽選を実行する。例えば、演出制御CPU126は図示しない前兆会話演出テーブルを参照し、そのときの演出用乱数値に基づいて先判定時前兆会話演出抽選を実行する(例えば、確率10分の1〜6分の1程度でもよい。)。
【0585】
ステップS266:ステップS264の演出抽選で当選した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS268に進む。
【0586】
ステップS268:ここで演出制御CPU126は、先判定時の前兆演出に関するフラグやカウンタの値を初期化する。
【0587】
ステップS270:次に演出制御CPU126は、先判定時の前兆演出を行う対象となった作動記憶についての先判定結果が当選に該当するか否かを確認する。ここでいう「対象の作動記憶」とは、先のステップS262で取得した記憶数の中で、最新となる特図先判定演出コマンドが該当する。この時点で最新の特図先判定演出コマンドが当選を表すものであれば(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS272を実行する。
【0588】
ステップS272:ここで演出制御CPU126は、演出上で「先判定前兆モード」を指定する。具体的には、演出上のフラグとして(1)先判定フラグに値(01H)をセットする。また演出制御CPU126は、(2)前兆演出カウント最大値として、記憶数から1を減じた値をセットする。例えば、先のステップS262で取得した記憶数が4個であった場合、演出制御CPU126は(2)前兆演出カウント最大値を3(=4−1)にセットする。そして演出制御CPU126は、(3)背景チェンジカウント値として「9」をセットする。これにより、以降の先判定前兆モード中において上記の前兆演出(前兆会話演出)や特定背景チェンジ演出の選択が行われる。なお、ステップS272の処理は、上述した第1演出発生パターンに相当するものである。
【0589】
これに対し、先のステップS270で最新の特図先判定演出コマンドが当選を表すものでなければ(No)、演出制御CPU126はステップS276を実行する。
【0590】
ステップS276:この場合、先ず演出制御CPU126は演出回数の抽選を行う。例えば、演出制御CPU126は図示しない演出回数抽選テーブルを参照し、そのときの演出用乱数値に基づいて演出回数(1回〜3回)を選択する。なお、演出回数として選択できる最大回数は、ここでも最大の作動記憶数より1だけ少ない回数(=3回)とする。これにより、先判定時の前兆演出が3回を超えて実行されるのを防止することができる。
【0591】
ステップS278:そして演出制御CPU126は、演出上で「擬似先判定前兆モード」を指定する。具体的には、演出上のフラグとして(1)先判定フラグに値(01H)をセットする。また演出制御CPU126は、(2)前兆演出カウント最大値として、先のステップS278で選択した回数をセットする。ただし、ここでは背景チェンジカウント値は常にセットされない。これにより、以降の擬似先判定前兆モード中において上記の前兆演出(前兆会話演出)の選択が行われるが、特定背景チェンジ演出の選択は絶対に行われることがない。なお、ステップS278の処理は、上述した第2演出発生パターンに相当するものである。
【0592】
ステップS274:以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は先判定時前兆演出選択処理を実行する。この処理は、上記の(1)先判定フラグ、(2)前兆演出カウント最大値、(3)背景チェンジカウント値に基づいて、前兆会話演出のパターンや特定背景チェンジ演出を選択するためのものである。
【0593】
なお、既に(1)先判定フラグがセットされている場合(ステップS260:Yes)、演出制御CPU126はそのままステップS274を実行する。また、上記の(1)先判定フラグがリセットされていても(ステップS260:No)、既に特定背景による演出を実行中である場合(ステップS261:Yes)、演出制御CPU126はステップS274を実行する。
【0594】
その他、上記の(1)先判定フラグがセットされておらず(ステップS260:No)、かつ、特定背景チェンジ演出が実行されていない場合であっても(ステップS261:No)、作動記憶数がN個未満であるか(ステップS263:No)、あるいは、作動記憶数がN個以上であっても(ステップS263:Yes)、先判定時演出抽選で当選しなかった場合(ステップS266:No)、演出制御CPU126はステップS274の先判定時前兆演出選択処理を実行する。なお、具体的な処理の手順は、さらに別のフローチャートを用いて説明する。
【0595】
〔先判定時前兆演出選択処理〕
図50は、先判定時前兆演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、この手順例に沿って説明する。
【0596】
ステップS280:ここで先ず、演出制御CPU126は、上記の(1)先判定フラグがセットされているか否かを確認する。その結果、(1)先判定フラグに値(01H)がセットされていれば(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS281に進む。
【0597】
ステップS281:演出制御CPU126は、上記の(3)背景チェンジカウント値(>0)がセットされているか否かを確認する。
【0598】
〔先判定結果に当選が含まれる場合〕
先ず、先判定結果に当選が含まれている場合の手順について説明する。この場合、先判定時前兆演出実行管理処理(
図49中のステップS272)において、(1)先判定フラグ及び(3)背景チェンジカウント値がセットされている(ステップS280:Yes,ステップS281:Yes)。したがって、演出制御CPU126はステップS282を実行する。
【0599】
ステップS282:この場合、演出制御CPU126は背景チェンジテーブル選択処理を実行する。この処理の内容は、既に述べたもの(
図47中のステップS350)と同様である。
【0600】
ステップS284:そして演出制御CPU126は、特定背景移行抽選を実行する。この処理の内容も、既に述べたもの(
図47中のステップS352)と同様である。
【0601】
ステップS286:上記の移行抽選で当選していた場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS288に進む。
【0602】
ステップS288:この場合、演出制御CPU126は(1)先判定フラグ、(2)前兆演出カウント最大値、(3)背景チェンジカウンタの値を全てリセットする。
【0603】
ステップS290:そして演出制御CPU126は、特定背景チェンジパターンを選択する。ここで選択される特定背景チェンジパターンは、上記の特定背景チェンジ演出(
図34,
図35)の内容を指定するためのものであり、その内容は既に述べたもの(
図47中のステップS358)と同様である。
【0604】
一方、上記の移行抽選で当選しなかった場合(ステップS286:No)、演出制御CPU126は次にステップS292に進む。
【0605】
ステップS292:この場合、演出制御CPU126は先判定時前兆演出パターン選択処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0606】
ステップS294:そして演出制御CPU126は、背景チェンジカウント値を1減算する。
【0607】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理(先判定時前兆演出実行管理処理)に復帰する。なお、これまでの手順で選択したパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0608】
〔先判定結果に当選が含まれていない場合〕
次に、先判定結果に当選が含まれていない場合の手順について説明する。この場合、先判定時前兆演出実行管理処理(
図49中のステップS278)において、(1)先判定ラグはセットされているが、(3)背景チェンジカウント値はセットされていない(ステップS280:Yes,ステップS281:No)。したがって、演出制御CPU126はステップS282〜ステップS290を実行することなく、そのままステップS292及びステップS294を実行する。
【0609】
この場合も以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理(先判定時前兆演出実行管理処理)に復帰する。なお、これまでの手順で選択したパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0610】
〔演出契機の未発生時〕
なお、通常中に先判定による演出契機が発生していない場合、(1)先判定フラグはセットされていない(ステップS280:No)。したがって、演出制御CPU126はステップS296だけを実行する。
【0611】
ステップS296:この場合、演出制御CPU126は通常背景チェンジ選択処理を実行する。なお、具体的な処理の内容はさらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0612】
〔先判定時前兆演出パターン選択処理〕
図51は、先判定時前兆演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0613】
〔前兆演出発生時(1ゲーム目)〕
ステップS382:先ず演出制御CPU126は、現在の前兆演出カウント値が「0」であるか否かを確認する。その結果、カウント値が「0」であれば(Yes)、演出制御CPU126はステップS384に進む。なお、前兆演出カウント値は、例えばRAM130のバッファ領域に記憶されており、先判定時前兆演出実行管理処理の初期化(
図49中のステップS268)とともにリセットされている。
【0614】
ステップS384:この場合、演出制御CPU126は「前兆演出パターン1」を選択する。ここで選択される「前兆演出パターン1」は、例えば前兆会話演出の発生時(1ゲーム目)に実行される演出(
図26、
図27)に対応するものである。
【0615】
ステップS392:そして演出制御CPU126は、前兆演出カウント値を1加算(インクリメント)する。
【0616】
ステップS394:次に演出制御CPU126は、インクリメント後の前兆演出カウント値が上記の(2)前兆演出カウント最大値に達しているか否かを確認する。未だ前兆演出カウント値が(2)前兆演出カウント最大値に達していなければ(No)、演出制御CPU126は先判定時前兆演出選択処理に復帰する。これまでの手順で選択したパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0617】
〔前兆演出継続時(2ゲーム目)〕
変動2回目は、先のインクリメント後により前兆演出カウント値が「1」となっているため(ステップS382:No)、演出制御CPU126はステップS386に進む。
【0618】
ステップS386:次に演出制御CPU126は、前兆演出カウント値が「1」であるか否かを確認する。その結果、カウント値が「1」であれば(Yes)、演出制御CPU126はステップS388に進む。
【0619】
ステップS388:この場合、演出制御CPU126は「前兆演出パターン2」を選択する。ここで選択される「前兆演出パターン2」は、例えば前兆会話演出の継続時(2ゲーム目)に実行される演出(
図28、
図29)に対応するものである。
【0620】
この後、演出制御CPU126はステップS392で前兆演出カウント値を1加算すると、ステップS394で前兆演出カウント値が最大値に達したか否かを確認する。未だ最大値に達していなければ(No)、演出制御CPU126は先判定時前兆演出選択処理に復帰する。また同様に、これまでの手順で選択したパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0621】
〔前兆演出継続時(3ゲーム目)〕
この後の変動で前兆演出カウント値は「2」に増加する。この場合、前兆演出カウント値は「0」でもなく、かつ「1」でもないため(ステップS382:No,ステップS386:No)、演出制御CPU126はステップS390に進む。
【0622】
ステップS390:この場合、演出制御CPU126は「前兆演出パターン3」を選択する。ここで選択される「前兆演出パターン3」は、例えば前兆会話演出の継続時(3ゲーム目)に実行される演出(
図30、
図31)に対応するものである。
【0623】
この後も同様に、演出制御CPU126はステップS392で前兆演出カウント値を1加算すると、ステップS394で前兆演出カウント値が最大値に達したか否かを確認する。変動3回目まで進むと、前兆演出カウント値は「3」となり、この時点で最大値「3」に達するため(Yes)、演出制御CPU126はステップS396を実行する。なお、これまでの手順で選択したパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0624】
ステップS396:ここで演出制御CPU126は、上記の(1)先判定フラグ、(2)前兆演出カウント最大値、(3)背景チェンジカウント値とともに、前兆演出カウント値を初期化する。
【0625】
〔対象の変動時〕
そして、先判定による前兆演出契機の発生後、例えば4回目の変動(対象の変動時)においては、既に(1)先判定フラグがリセットされているため、先判定時前兆演出パターン選択処理は実行されない(
図50中のステップS280:No)。
【0626】
これにより、対象の変動時には前兆会話演出が選択されることがなく、大当りリーチ変動演出(
図32)、又は、はずれリーチ変動演出(
図33)が実行されることになる。これにより、先判定による前兆演出に一応の決着が見られることになる。
【0627】
なお、ここでは対象の変動を4回目(契機発生時の作動記憶数4個)としているが、対象の変動が3回目であれば、前兆演出カウント最大値が「2」となり、ステップS388を実行した後に前兆演出カウント値が「2」に増加して最大値に達するため(ステップS394:Yes)、先判定時前兆演出パターン選択処理においてステップS390が実行されることはない。同様に、対象の変動が2回目であれば、前兆演出カウント最大値が「1」となるため、ステップS388,ステップS390はともに実行されることはない。
【0628】
〔通常時の処理〕
なお、通常時において上記の(1)先判定フラグがセットされていない場合、通常背景チェンジ選択処理(
図50中のステップS296)が実行される。
【0629】
〔通常背景チェンジ選択処理〕
図52は、通常背景チェンジ選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0630】
ステップS303:ここでは先ず、演出制御CPU126は、既に特定背景演出を実行中であるか否か、つまり、特定背景チェンジ演出を実行した後であるか否かを確認する。この時点で未だ特定背景チェンジ演出を実行していなければ(No)、次に演出制御CPU126はステップS304を実行する。
【0631】
ステップS304:この場合、演出制御CPU126は通常時背景チェンジ抽選を実行する。例えば、演出制御CPU126は図示しない通常時背景抽選テーブルを参照し、そのときの演出用乱数値に基づいて通常時背景チェンジ抽選を実行する(例えば、確率100分の1程度)。
【0632】
ステップS306:特にステップS304の演出抽選で当選しなかった場合(No)、演出制御CPU126は先判定時前兆演出選択処理に復帰する。この後、演出制御CPU126は、はずれ時演出パターン選択処理に復帰して、はずれ変動演出パターンを選択する(
図46中のステップS254)。
【0633】
一方、ステップS304の演出抽選で当選した場合(ステップS306:Yes)、演出制御CPU126はステップS310に進む。
【0634】
ステップS310:この場合、演出制御CPU126は、通常背景チェンジパターンを選択する。例えば、演出制御CPU126は図示しない通常背景チェンジパターン抽選テーブルを参照し、そのときの演出用乱数に基づいて通常背景チェンジパターン番号を選択する。これまでの手順で選択した各種のパターン番号は、上記の表示出力処理(
図40中のステップS404)で演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示される。
【0635】
なお、通常中であっても既に特定背景演出を実行している場合(ステップS303:Yes)、演出制御CPU126は上記のステップS304,S306の手順を実行することなく先判定時前兆演出選択処理に復帰する。これは、例えば通常中に先判定による前兆演出契機が発生し、その後(変動1回〜3回)の特定背景移行抽選で当選すると、特定背景チェンジ演出が実行されるため、その場合はステップS04,S306の実行を回避するためである。これにより、先判定による前兆演出発生後、特定背景画面から通常背景画面に移行(転落)してしまうという不自然な事態(演出バグ)が防止されている。
【0636】
〔演出内容のまとめ〕
以上の演出に関する各種の処理を通じて、本実施形態では以下のようなゲーム性が実現される。
【0637】
〔通常時〕
通常時において、ある程度まで作動記憶数が増加すると、それによって先判定時前兆演出抽選が行われる(
図49中のステップS264)。そして、これに当選すると、演出上で「先判定前兆モード」が指定される(
図49中のステップS272,ステップS278)。これらは前兆会話演出を発生する契機となり、そこから最長で変動3回までの間に前兆会話演出が継続することにより、遊技者に対して突然に何かの前触れが発生したかのような興趣を提供することができる。
【0638】
〔当選結果が含まれる場合〕
このとき、先判定結果に当選が含まれていれば、さらに背景チェンジカウント値がセットされるため(
図49中のステップS272)、それによって特定背景移行抽選も行われることになる(
図50中のステップS284)。そして、これに当選すると、実際に特定背景チェンジ演出(
図34、
図35)が実行される。この場合、(1)先ずは前兆会話演出によって当選の前触れを遊技者に想起させておき、(2)続く特定背景チェンジ演出により、実際に「当選が待ち受けている」ということを明確に教示(開示)することができるので、上記(1)から(2)への演出の流れにより、最初は遊技者をどきどきはらはらさせつつ、最後には確実な安心感を与えることで、当選時の達成感につなげることができる。
【0639】
一方、特定背景移行抽選で当選しなかったとしても、前兆会話演出が最長で3回続いた後の変動4回目で「大当りリーチ変動演出」が発生する。この場合、(1)先ずは前兆会話演出によって当選の前触れを遊技者に想起させておき、(2)最終的に「当選した」ということをリーチ演出を経て明確に教示(開示)することができるので、上記(1)から(2)への演出の流れにより、最初は遊技者をどきどきはらはらさせつつ、最終的な当選時の達成感につなげることができる。
【0640】
〔当選結果が含まれない場合〕
先判定結果に当選が含まれていない場合、特定背景チェンジ演出が実行されることはないが、当選結果が含まれる場合と同様に、前兆会話演出を発生させることができため、遊技者に対して通常時であるにもかかわらず、意外性のある興趣を提供することができる。また、この場合は作動記憶数が1個以上あるだけで前兆会話演出の発生契機となるため、長期間の遊技を通してみると、それだけ前兆会話演出の出現率を向上させることができ、遊技者の飽きを適度に防止することができる。
【0641】
さらに、本実施形態のパチンコ機1においては、作動記憶数がある程度増えることで、前兆会話演出が発生しやすいということを遊技者が学習するため、それが上始動入賞口26や下始動入賞口28aに多く入賞させようとするインセンティブとして働き、遊技意欲の減退に歯止めをかけることとなる。
【0642】
〔隠し確変モード中〕
また、通常から「2ラウンド大当り」に当選すると、演出上では遊技者に当選が明示されず、また、大当り中の挙動も演出上では明確にアピールされることなく終了し、その後、演出上で「隠し確変モード」が指定される(
図44中のステップS808)。
【0643】
この場合、「隠し確変モード」の指定が前兆演出発生契機となり、前兆演出抽選が行われる(
図47中のステップS360)。そして、これには高い確率で当選することにより、そこから最長で変動8回までの間に前兆会話演出が継続するため、遊技者に対して突然に何かの前触れが発生したかのような興趣を提供することができる。
【0644】
さらに、「隠し確変モード」の指定によって背景チェンジカウント値がセットされるため(
図44中のステップS808)、それによって特定背景移行抽選も行われることになる(
図47中のステップS352)。そして、これに当選すると、実際に特定背景チェンジ演出(
図34、
図35)が実行される。この場合、(1)先ずは前兆会話演出によって当選の前触れを遊技者に想起させておき、(2)続く特定背景チェンジ演出により、実際に「当選が待ち受けている(この場合は「確変中確定」)」ということを明確に教示(開示)することができるので、上記(1)から(2)への演出の流れにより、最初は遊技者をどきどきはらはらさせつつ、最後には確実な安心感を与えることで、次回の当選時の達成感につなげることができる。
【0645】
一方、前兆会話演出が最長で8回も続いた場合、その次の変動9回目で特定背景移行確率が100%に到達するため、それによって確実に特定背景チェンジ演出を発生させることができる。この場合、(1)先ずは前兆会話演出によって当選の前触れを遊技者に想起させておき、(2)ある程度の変動回数を経たところで確実に特定背景チェンジ演出を実行することにより、実際に「当選が待ち受けている(この場合は「確変中確定」)」ということを明確に教示(開示)することができる。したがって、ここでも上記(1)から(2)への演出の流れにより、最初は遊技者をどきどきはらはらさせつつ、最後には確実な安心感を与えることで、次回の当選時の達成感につなげることができる。
【0646】
また、「隠し確変モード中」に特定背景チェンジ演出が実行される前に内部抽選で当選した場合であっても、それまでの前兆会話演出によって最初は遊技者をどきどきはらはらさせつつ、最終的な当選時の達成感につなげることができる。
【0647】
〔小当り後〕
通常中に小当りした場合、特定背景チェンジ演出が実行されることはないが、ここでも前兆会話演出を発生させることができため、やはり通常時であるにもかかわらず、意外性のある興趣を遊技者に提供することができる。また、この場合は「隠し確変モード中」と同様に、最長で変動8回まで前兆会話演出が継続することがあるため、それだけ長く遊技者にはらはらどきどきした緊張感を与えることができる。このため、長期間の遊技を通してみると、遊技者の飽きを防止して遊技意欲の減退に歯止めをかけることができる。
【0648】
〔共通の演出態様による効果〕
さらに本実施形態では、第1〜第4演出発生パターンのいずれについても、前兆会話演出を共通した態様により実行している。また、第1演出発生パターン(先判定結果に当選が含まれる場合)と第3演出発生パターン(隠し確変モードの指定)とで、特定背景チェンジ演出の態様を共通のものとしている。
【0649】
このため、例えば
図36と
図38とを対比してみると、それぞれの演出発生契機から変動3回目までの間は、どちらも共通した態様で前兆会話演出が実行されることになる。さらに変動1回目〜4回目までの間は、それぞれの特定背景移行確率が変動回数に応じて同様に変化していくため、特定背景チェンジ演出の発生頻度も同様となる。
【0650】
したがって、遊技中に前兆会話演出が発生した後、変動4回目あたりまでで当選した場合、その途中に特定背景チェンジ演出が行われたか否かに関わらず、それが先判定結果の当選に起因するものであったのか、それとも隠し確変モード中の当選によるものであったかの判別を難しくすることができる。これにより、遊技者に対して様々な推測材料を与えることができ、それによって遊技に対する好奇心を掻き立てたり、演出内容へのさらなる探求心を強めさせたりすることができる。
【0651】
また、前兆会話演出が発生した後、変動4回目以降まで前兆会話演出が継続した場合、その段階で「先判定結果の当選」という可能性はなくなるが、それでも未だ「隠し確変モード中」という可能性は残されている。このため、前兆会話演出がある程度長く継続した場合、今度は変動9回目までに「特定背景チェンジ演出」が発生するか否かの点に遊技者の興味を移らせることができ、それによってさらに興趣性を維持することができる。
【0652】
以上のように本実施形態では、内部抽選での「2ラウンド当選」だけに依存することなく、先判定(当選又は非当選)や小当りを利用して前兆演出を発生させることができるので、それだけ意外性や驚きのある演出を高い頻度で実行することができ、長らく遊技意欲の減退を抑えることができる。
【0653】
また、過去に前兆会話演出が発生した後で当選(大当り)した経験をもつ遊技者にとっては、演出上では一見して通常時に感じられる状態であっても、前兆会話演出が発生した場合、それによって経験的に大当りが近くなったかのような感覚を遊技者に与えることができる。
【0654】
さらに、前兆会話演出は複数回の変動を跨いで継続する態様であるため、途中で作動記憶が途切れた場合であっても、前兆会話演出継続中の変動は通常変動に比較して期待感の高い変動となる。したがって、遊技者に対して次の変動を早く開始させよう、次の演出を早く見極めようとするインセンティブを与え、遊技に対するモチベーションを高く維持することができる。
【0655】
これにより、前兆会話演出が発生した後でリーチ変動演出に発展した場合、それが「先判定結果の当選」によるものか、もしくは「隠し確変モード中の当選」によるものかもしれないという、ある程度に根拠ある期待感につなげることができるため、通常時に発生したリーチ変動演出に比較して、より価値の高いリーチ演出としての意義を遊技者に感じさせることができる。これにより、内容的にあまり信頼度の高くないリーチ演出(いわゆるノーマルリーチ)であっても、それが前兆会話演出に続いて発生したものであれば、それだけで通常時よりも期待感を見出すことができるため、ますます遊技意欲の減退を抑えることができる。
【0656】
このように本実施形態では、前兆会話演出の出現率(発生頻度)を向上することにより、変動ごとに途切れやすい期待感を変動に跨って持続させることができ、ひいては次々と変動を開始させようとするインセンティブを遊技者に与えることで、はずれ変動でさえも単なる消化変動で終わらせることなく、その先に待ち受ける当選への道のりとしての意義を見出させることができる。
【0657】
〔その他の実施形態〕
なお、一実施形態では、先判定結果に当選が含まれる場合や隠し確変モード中、背景チェンジカウント値が2ずつ変化(変動2回ごと)するのに応じて特定背景チェンジ演出の移行確率を20%ずつ上昇させているが、このような対応関係に限られることはない。例えば、背景チェンジカウント値が1ずつ変化していくと(変動1回ごと)、それに応じて移行確率を10%ずつ上昇させてもよいし、途中で低下させてもよい。また移行確率はランダムに変化させてもよい。
【0658】
さらに、一実施形態では背景チェンジテーブルの選択確率を100%にすることで必ず特定背景チェンジ演出が実行されるロジックを例に挙げているが、背景チェンジカウント値が例えば「1」になると、特に演出抽選を実行することなく、
図47の確変時前兆演出選択処理において強制的に特定背景チェンジ演出が選択されるロジックを採用してもよい。
【0659】
また、各種の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。