【実施例1】
【0020】
(1)システム構成
図1は、本発明の実施例1に係る配車支援システム1の全体構成を表す図である。本発明の配車支援システム1は、複数台の作業車が、所定場所にある複数の巡回ポイントを所定巡路で巡回し、すべての巡回ポイントにおいて作業が完了するまで、各作業車の配車の支援を行うシステムである。本実施例に於いては、本発明に係る配車支援システムの適用例として、複数台のゴミ収集車(作業車)が、管轄区域内の各所に設置されたゴミステーション(巡回ポイント)を所定のコースで巡回してゴミ収集を行う際の各作業車の配車の支援を行う配車支援システム1について説明する。配車支援システム1は、通信回線4に接続された管理サーバ2と、各作業車に設置され、通信回線4に接続された車載端末装置3とを備えている。尚、
図1においては、車載端末装置3は、代表として1つのみ表示し、残りのものは省略している。尚、車載端末装置3は、作業車に備え付けの装置であってもよいし、配車支援システム1に専用のソフトウェアをインストールしたタブレット端末のようなモバイル型の装置であってもよい。
【0021】
(1.1)管理サーバ
管理サーバ2は、通信部200、巡路管理データベース201、ユーザ管理データベース202、配信要求受信部203、巡路情報送信部204、巡回済情報受信部205、巡回済情報配信部206、及び認証処理部207を備えている。通信部200を除くこれら各部は、専用のプログラムを、管理サーバ2を構成するコンピュータに読み込ませて実行させることにより、機能的に実現される。
【0022】
通信部200は、管理サーバ2において通信回線4との通信処理を行うインタフェースである。巡路管理データベース201は、各巡回ポイント(ゴミステーション)の位置及び識別情報、各巡回ポイントを巡回する巡路情報、並びに各巡回ポイントの作業済情報を格納する。ここで、識別情報としては、各巡回ポイント番号及びステーション名である。作業済情報としては、収集済みか否かのフラグ,収集時刻,ゴミ収集できなかった理由に関する情報(不正ゴミの存在や証拠写真等)を含む。各巡回ポイントを巡回する巡路情報は、各巡回ポイントのIDの配列により特定される巡路の情報である。巡路は、収集業者毎に予め登録されている。ユーザ管理データベース202は、配車支援システム1の登録ユーザに関する情報(ユーザ名,ユーザID,パスワード,所属業者等)を管理するデータベースである。
【0023】
配信要求受信部203は、各車載端末装置3から通信回線4を通じて送信される巡路情報配信要求を、通信部200を介して受信するモジュールである。巡路情報送信部204は、巡路情報配信要求を受信すると、各巡回ポイントを巡回する順序情報である巡路情報を巡路管理データベース201から検索・抽出し、当該巡路情報配信要求を送信した車載端末装置3に対して送信するモジュールである。
【0024】
巡回済情報受信部205は、各車載端末装置3から通信部200を介して送信される、各巡回ポイントの作業実施の完了/未完了の情報を含む作業済情報を受信し、巡路管理データベース201に格納するモジュールである。巡回済情報配信部206は、巡回済情報受信部205により巡路管理データベース201の作業済情報が更新されると、更新された作業済情報を、当該作業済情報を送信した作業車と同じ巡路を巡回する全ての作業車の車載端末装置3に対して配信するモジュールである。
【0025】
認証処理部207は、各車載端末装置3に対するログイン時のユーザ認証処理を行うモジュールである。
【0026】
(1.2)車載端末装置
車載端末装置3は、通信部300、表示装置と入力装置とを兼ね備えたタッチパネル・ディスプレイ301、GPS受信器303、地図データベース304、巡路管理データベース305、認証処理部306、地図表示部307、巡路情報受信部308、巡路表示部309、配信巡回情報受信部310、巡回ポイントリスト表示部311、及び巡回ポイントリスト選択設定部312を備えている。通信部300を除くこれら各部は、専用のプログラムを、車載端末装置3を構成するコンピュータに読み込ませて実行させることにより、機能的に実現される。尚、本実施例では車載端末装置3として、GPS受信機能及びカメラ付きのタブレット端末を想定している。
【0027】
通信部300は、車載端末装置3において通信回線4との通信処理を行うインタフェースである。タッチパネル・ディスプレイ301は、広く用いられているタッチパネルであり、液晶パネルのような表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作する表示・入力装置である。GPS受信器302は、GPS(Global Positioning System)により位置測位を行い位置座標(経度・緯度)を出力する装置である。撮像装置303は、CCD(Charge Coupled Device)等を用いたデジタルカメラである。
【0028】
地図データベース304は、地図情報(電子地図)を格納するデータベースである。巡路管理データベース305は、各巡回ポイントの位置及び識別情報、各巡回ポイントを巡回する巡路情報、並びに各巡回ポイントの作業済情報を格納するデータベースである。
【0029】
認証処理部306は、車載端末装置3においてユーザがログインする際のユーザ認証処理を、管理サーバ2との間で行うモジュールである。
【0030】
地図表示部307は、GPS受信器が出力する現在位置の周辺の地図情報を地図データベース304から読み出し、タッチパネル・ディスプレイ301に地図画像を表示するモジュールである。
【0031】
巡路情報受信部308は、管理サーバ2に対し巡路情報配信要求を送信し、当該巡路情報配信要求に対し管理サーバ2から送信される巡路情報を受信し、巡路管理データベース305に格納するモジュールである。巡路表示部309は、巡路管理データベース305から、各巡回ポイントの位置及び識別情報、並びに各巡回ポイントを巡回する巡路情報を読み出し、タッチパネル・ディスプレイ301に表示された地図画像に、各巡回ポイントの位置及び識別情報と各巡回ポイントを巡回する巡路とを表示するモジュールである。
【0032】
配信巡回情報受信部310は、管理サーバ2から各作業車に配信される作業済情報を受信し、巡路管理データベース305に格納するモジュールである。巡回ポイントリスト表示部311は、巡路管理データベース305から、各巡回ポイントの識別情報、各巡回ポイントを巡回する巡路情報、並びに各巡回ポイントの作業済情報を読み出し、各巡回ポイントの識別情報が各巡回ポイントを巡回する巡路の順に並べられた巡回ポイントリストを作成して、当該巡回ポイントリストを、タッチパネル・ディスプレイ301に、地図画像に並べて表示するとともに、当該巡回ポイントリストにおいて作業済情報が作業済みである巡回ポイントを識別可能に表示するモジュールである。巡回ポイントリスト選択設定部312は、タッチパネル・ディスプレイ301に表示された巡回ポイントリストの各巡回ポイントのうち、ユーザがタッチパネル・ディスプレイ301により選択する巡回ポイントの作業済情報を作業済みとして、巡路管理データベース305に格納するとともに、当該作業済情報を管理サーバ2に送信する処理を行うモジュールである。
【0033】
(2)システム動作
以上のように構成された本実施例1に係る配車支援システム1において、以下その動作を説明する。実施例1に係る配車支援システム1の動作は、大きく分けて、ログイン処理、初期画面処理、設定画面処理、リスト及び地図の表示・更新処理に分類される。以下、これら各処理について順次説明する。
【0034】
(2.1)ログイン処理
図2は、実施例1に係る配車支援システム1における(a)ログイン処理の流れを表すフローチャート及び(b)(c)タッチパネル・ディスプレイ301の表示画面を表す図である。
【0035】
まず、ステップS101において、作業車の車載端末装置3において、認証処理部306は、タッチパネル・ディスプレイ301に
図2(b)のようなログイン画面を表示する。作業車に搭乗しているユーザは、タッチパネル・ディスプレイ301により、ログイン画面に対してユーザID及びパスワードを入力する。
【0036】
ログイン画面に対してユーザID及びパスワードが入力され、且つ
図2(b)のログインボタン401がユーザ入力により選択(ここでいう「選択」とは、タッチパネル・ディスプレイ301からクリック又はタップ入力によりボタンが選択されたことをいう。以下同じ。)された場合(S102)、認証処理部306は、通信回線4を介して、ユーザID及びパスワードを管理サーバ2へ送信する(S103)。管理サーバ2においては、認証処理部207が、車載端末装置3からユーザID及びパスワードを受信すると、ユーザ管理データベース202を検索して、登録ユーザのユーザID及びパスワードと一致するか否かを検査し、一致した場合には当該登録ユーザをログイン状態としてログイン成功情報を、一致しない場合にはログイン失敗情報を、当該車載端末装置3へ送信する(S601)。車載端末装置3の認証処理部306は、ログイン失敗情報を受信した場合にはステップS101の処理へ戻り、ログイン成功情報を受信した場合には次のステップS105の処理へ進む(S104)。
【0037】
ステップS105において、認証処理部306は、タッチパネル・ディスプレイ301に
図2(c)のような初期メイン画面を表示した後、ログイン処理を終了し、次の初期画面処理へと移行する。
【0038】
一方、
図2(b)のログイン画面において、キャンセルボタン402がユーザ入力により選択された場合(S106)には、そのままログイン処理を終了する。
【0039】
(2.2)初期画面処理
図3は、実施例1に係る配車支援システム1における(a)初期画面処理の流れを表すフローチャート及び(b)タッチパネル・ディスプレイ301の表示画面を表す図である。
【0040】
ステップS201,S203において、車載端末装置3の認証処理部306,巡路情報受信部308は、タッチパネル・ディスプレイ301からのユーザ入力によるボタン選択を待つ。
【0041】
タッチパネル・ディスプレイ301からのユーザ入力により
図2(c)の設定ボタン403が選択された場合(S201)、巡路情報受信部308は、
図3(b)の設定画面を表示し(S202)、初期画面処理を終了して、次の初期設定処理へ移行する。
【0042】
一方、タッチパネル・ディスプレイ301からのユーザ入力により
図2(c)のログアウトボタン404が選択された場合(S203)、認証処理部306は、管理サーバ2に対してログアウト情報を送信し(S204)、処理を終了する。管理サーバ2の認証処理部207は、当該登録ユーザをログオフ状態に設定する(S701)。
【0043】
(2.3)設定画面処理
図4は、実施例1に係る配車支援システム1における(a)設定画面処理の流れを表すフローチャート及び(b)(c)(d)タッチパネル・ディスプレイ301の表示画面を表す図である。
【0044】
ステップS301において、車載端末装置3の巡路情報受信部308は、タッチパネル・ディスプレイ301からのユーザ入力によるボタン選択を待つ。タッチパネル・ディスプレイ301からのユーザ入力により
図3(b)のマスター取得ボタン410が選択された場合、巡路情報受信部308は、管理サーバ2に対して、巡路情報配信要求を送信する(S302)。管理サーバ2の巡路情報送信部204は、車載端末装置3から巡路情報配信要求を受信すると(S801)、巡路管理データベース201から、当該車載端末装置3のユーザに対する巡路情報を索出し、当該車載端末装置3へ送信する(S802)。また、索出した巡路情報に対して、作業済情報が既にある場合には、その作業済情報も送信する(S803)。車載端末装置3の巡路情報受信部308は、管理サーバ2から巡路情報(及び作業済情報)を受信すると、受信した巡路情報(及び作業済情報)を巡路管理データベース305に格納する(S303)。
【0045】
次に、ユーザにより、タッチパネル・ディスプレイ301から、
図3(b)の運転者ボックス417、収集者ボックス412、業者ボックス413、車両ボックス414、ごみ区分ボックス415、及び収集コースボックス416に、それぞれ、運転者、収集者、業者、車両、ごみ区分、及び収集コースの情報が入力され、設定ボタン411が選択されると(S304)、地図表示部307,巡路表示部309及び巡回ポイントリスト表示部311は、運転者、収集者、業者、車両、ごみ区分、及び収集コースの各情報が読み込まれた状態で、
図4(b)のメイン画面を表示して(S305)、設定画面処理を終了する。
【0046】
ここで、「運転者」は、作業車を運転する者である。「収集者」は、作業車に搭乗してゴミの収集作業を行う者である。「業者」は、ゴミの収集作業の業務を請け負う主体となる業者である。「車両」は、作業車のナンバープレートに表示される番号(例:「830せ 305」等)である。「ごみ区分」は、“燃えるゴミ”,“不燃ゴミ”,“カン・ビン”等の収集するゴミの区分である。「収集コース」は、作業車が巡回する巡路(ゴミ収集コース)である。巡路には、それぞれ固有の名称(例えば、「合志月木」等)が付されている。
【0047】
収集者ボックス412に収集者の情報を入力する場合、ユーザは、タッチパネル・ディスプレイ301の収集者ボックス412をタップする。然為れば、巡回ポイントリスト表示部311は、
図4(b)に示したような、ユーザID入力ダイアログをタッチパネル・ディスプレイ301に表示するので、ユーザは、タッチパネル・ディスプレイ301からユーザIDを入力し、
図4(c)のユーザ名取得ボタン420を選択する。これにより、そのユーザ名が
図3(b)の設定画面の収集者ボックス412に読み込まれる。運転者ボックス417への運転者情報の入力も同様にして行う。
【0048】
また、業者ボックス413、車両ボックス414、ごみ区分ボックス415、及び収集コースボックス416については、これらのボックスをユーザが順番にタップすると、
図4(d)のように、選択可能なリストがタッチパネル・ディスプレイ301に表示され、このリストの項目をユーザが選択(タップ)することによって、各ボックスに各情報が設定される。
【0049】
(2.4)リスト及び地図の表示・更新処理
リスト及び地図の表示・更新処理において、最初の状態では、
図4(b)に示したようなメイン画面がタッチパネル・ディスプレイ301に表示されている。メイン画面においては、中央に地図画像421が表示され、地図画像421の右側に、巡回ポイントリスト422が並べて表示されている。巡回ポイントリスト422には、現在設定されている巡路(ゴミ収集コース)の各巡回ポイント(ゴミステーション)の識別情報の一部(巡回ポイント番号,ステーション名,完了/未完了情報)が各巡回ポイントを巡回する巡路の順に並べて表示されている。また、現在選択されている巡回ポイント(ゴミステーション)が四角枠により表示され、当該巡回ポイントリスト422において作業済みである巡回ポイントが着色して表示されている(
図6(a)参照)。尚、実際に巡回ポイントリスト422に表示されている巡回ポイントは、全ての巡回ポイントのうちの一部であり、ユーザが巡回ポイントリスト422をスワイプすることで、表示する巡回ポイントの範囲を自由に変更することが可能である。
【0050】
巡回ポイントリスト422の上部には、収集状況情報428が表示されている。収集状況情報428は、全巡回ポイントのうち何個の巡回ポイントが作業済みであるかを表す情報である。
【0051】
地図画像421及び巡回ポイントリスト422の上部には、作業情報423(業者,車両番号,収集コース,ゴミ区分の情報)が表示されており、画面右上の隅には、設定ボタン403及びログアウトボタン404が表示されている。設定ボタン403及びログアウトボタン404の機能は、
図2(c)で説明した通りである。
【0052】
巡回ポイントリスト422の下部には、有無選択ボタン424及び送信ボタン425が表示されている。有無選択ボタン424は、選択された巡回ポイント(ゴミステーション)にゴミが有ったか無かったかの情報(ゴミ有無情報)を入力するトグルボタンである。ユーザが有無選択ボタン424の「有」又は「無」をタップすることで、ゴミ有無情報を切り替えることができる。送信ボタン425は、選択された巡回ポイント(ゴミステーション)について、作業済情報を管理サーバ2に送信する指示を入力するボタンである。
【0053】
地図画像421の右下隅には、センサ接続切換ボタン426が表示されている。センサ接続切換ボタン426は、作業車に設置されたセンサ機器(ごみ投入口開閉扉の開閉検知センサ等)との接続/未接続の状態を切り替えるボタンである。
【0054】
地図画像421の左下隅には、巡回ポイント情報427が表示されている。巡回ポイント情報427は、現在、地図画像421の中央に表示されている巡回ポイント(ゴミステーション)の識別情報の一部(巡回ポイント番号,ステーション名)である。
【0055】
地図画像421と作業情報423の間の隙間部分には、ステーション情報入力ボタン429及び地図表示ボタン430が表示されている。ステーション情報入力ボタン429は、タッチパネル・ディスプレイ301の表示を巡回ポイント(ゴミステーション)に対する追加情報を入力する画面(
図6(b)参照)に切り替えるボタンである。地図表示ボタン430は、タッチパネル・ディスプレイ301の表示を地図表示画面(
図4(b))に切り替えるボタンである。
【0056】
図5は、実施例1に係る配車支援システム1における(a)リスト及び地図の表示・更新処理の流れを表すフローチャートである。
図6,
図7は、
図5のリスト及び地図の表示・更新処理におけるタッチパネル・ディスプレイ301の表示画面を表す図である。
【0057】
ステップS401において、車載端末装置3の巡回ポイントリスト選択設定部312は、巡回ポイントリスト422で選択された巡回ポイント(以下「選択巡回ポイント」という。)が変更されたか否かを判定する。ここで、選択巡回ポイントの変更は、ユーザがタッチパネル・ディスプレイ301から、巡回ポイントリスト422内の巡回ポイントをタップすることによって行うことができる。選択巡回ポイントが変更された場合は、ステップS402に移行し、変更されていない場合にはステップS403へ移行する。
【0058】
選択巡回ポイントが変更された場合、ステップS402において、地図表示部307は、地図画像421の中心を選択巡回ポイントに変更して拡大表示し、地図画像421の左下隅に、選択巡回ポイントの巡回ポイント情報427を表示した後、ステップS409へ移行する。
【0059】
選択巡回ポイントが変更されていない場合、ステップS403において、巡回ポイントリスト選択設定部312は、ユーザにより送信ボタン425が選択されたか否かを判定する。送信ボタン425が選択された場合は、ステップS404に移行し、選択されていない場合にはステップS406へ移行する。
【0060】
送信ボタン425が選択された場合(
図7(a))、ステップS404において、巡回ポイントリスト選択設定部312は、現在の選択巡回ポイントについての作業済情報を作業済みとして、選択巡回ポイントの識別情報とともに、通信回線4を介して管理サーバ2へ送信する(S404)。そして、現在の選択巡回ポイントについての作業済情報を巡路管理データベース305に格納するとともに、巡回ポイントリスト422における次の巡回ポイントを選択巡回ポイントに設定する(S405)。このとき、巡回ポイントリスト表示部311は、巡路管理データベース305の作業済情報が更新されたので、更新された作業済情報により巡回ポイントリスト422を更新する(
図7(b))。ここで、「次の巡回ポイント」とは、巡回ポイントリスト422において現在の選択巡回ポイントより後にある巡回ポイントであって作業済状態ではない巡回ポイントのうち、現在の選択巡回ポイントに最も近い順番のものをいう。また、「作業済情報」とは、当該巡回ポイントについて作業が完了したか否かの情報(完了/未完了の情報)、作業完了時刻、ゴミ有無情報、その他のステーション追加情報(不正ゴミの存在や証拠写真等)からなる情報をいう。管理サーバ2では、巡回済情報受信部205が車載端末装置3から送信された作業済情報を受信すると(S901)、受信した作業済情報を巡路管理データベース201に格納するとともに、当該作業済情報を送信した車載端末装置3と同じ巡路(収集コース)に設定された車載端末装置3に対して、当該作業済情報を巡回ポイントの識別情報とともに配信する(S902)。これにより、各作業車の各巡回ポイントにおける作業済情報が、同じ収集コースを巡回する全ての作業車の車載端末装置3に配信され、情報が共有される。
【0061】
ステップS403において送信ボタン425が選択されなかった場合、ステップS406において、巡回ポイントリスト選択設定部312は、ユーザによりステーション情報入力ボタン429が選択されたか否かを判定する。ステーション情報入力ボタン429が選択された場合は、ステップS407に移行し、選択されていない場合にはステップS409へ移行する。
【0062】
ステップS407において、巡回ポイントリスト選択設定部312は、タッチパネル・ディスプレイ301の表示を、
図6(b)の巡回ポイント(ゴミステーション)に対する追加情報を入力する画面(以下「追加情報入力画面」という。)に切り替える。
【0063】
追加情報入力画面では、地図表示画面(
図4(b))における地図画像421の部分に、当該地図画像421に代えて、
図6(b)に示したように、複数の違反事由入力ボタン450、各違反事由入力ボタン450に対応して設けられた件数表示欄451、シャッターボタン452a,452b、写真廃棄ボタン453a,453b、ピクチャボックス454a,454b、備考ボックス455が表示される。違反事由入力ボタン450は、ゴミ収集が違反とされた事由(違反事由)を選択入力するボタンである。件数表示欄451は違反事由の件数が表示される欄である。ユーザが各違反事由入力ボタン450をタップすると、
図6(c)に示したような数量入力リストが表示され、この数量入力リストで数量を選択すると、件数表示欄451に数量が入力される。シャッターボタン452a,452bは、撮像装置303にて違反ゴミの証拠写真を撮影する際のシャッター機能を有するボタンである。これは、通常のデジタルカメラのシャッターと同様、シャッターボタン452a,452bをタップすると、
図6(c)のような撮像画像画面が表示され、撮像画像画面の右側のシャッターボタン456をタップすると画像が取り込まれ、ピクチャボックス454a,454bに表示される。写真廃棄ボタン453a,453bは、現在ピクチャボックス454a,454bに表示されている画像を廃棄する指示を入力するボタンである。備考ボックス455は、メモを入力するボックスである。
【0064】
ステップS408において、追加情報入力画面において、ユーザによりタッチパネル・ディスプレイ301から各情報を入力された後、ステップS409へ移行する。
【0065】
ステップS409において、配信巡回情報受信部310が管理サーバ2から配信される他の作業車の作業済情報(以下「配信作業済情報」という。)を受信すると、巡回ポイントリスト422における当該配信作業済情報に対応する巡回ポイントの作業済情報を、当該配信作業済情報に置換して、巡路管理データベース305に格納し(S410)、ステップS401に戻る。このとき、巡回ポイントリスト表示部311は、巡路管理データベース305の作業済情報が更新されたので、更新された作業済情報により巡回ポイントリスト422を更新する。これにより、他の各作業車から発信される各巡回ポイントにおける作業済情報が、車載端末装置3で受信され、巡回ポイントリスト422に反映される。
【0066】
(3)本実施例の配車支援システム1の効果
上述の通り、収集コースを巡回する全ての作業車の作業済情報は、管理サーバ2に送信され、管理サーバ2から直ちに全ての作業車の車載端末装置3へ配信され、各作業車の車載端末装置3では、配信された作業済情報を、タッチパネル・ディスプレイ301に表示されている巡回ポイントリスト422に直ちに反映する。これにより、タッチパネル・ディスプレイ301に表示される巡回ポイントリスト422上で各巡回ポイントの作業済状態が可視化され、現場で作業する作業車の運転者は、巡回ポイントリスト422を視て、収集コースの先の各巡回ポイントの作業完了状態をリアルタイムに把握することが容易にでき、現場の交通状況等を考慮しながら臨機応変に次に行く巡回ポイントを判断することが可能となる。従って、時事刻々と不規則に発生する外的要因に対しても柔軟に対応可能であり、リアルタイムに更新される巡回ポイントリスト422によって効率の良い各作業車の配車を支援することができる。また、管理サーバ2と車載端末装置3以外には特別な設備を必要とすることなく配車支援システム1を構築することができ、管理サーバ2と車載端末装置3は汎用のコンピュータやタブレットを利用して構築することが可能である。従って、低コストで配車支援システム1を提供することが可能である。