【文献】
佐藤公則,歯並び画像解析に基づいた個人識別システムに関する研究,[online],2016年12月 1日,URL,http://www.nikko-pb.co.jp/nk_comm/mok08/html/images/1410g22.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
認証登録者が口を開き少なくとも前歯が見える状態で当該口領域を撮影することにより得られた第1の口領域画像から、当該認証登録者の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の登録画像と、当該認証登録者の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の登録画像と、当該認証登録者の口における左右の口端に基づいて歯領域全体画像である第3の登録画像とを抽出する登録画像抽出手段と、
認証対象者が口を開き少なくとも前歯が見える状態で当該口領域を撮影することにより得られた第2の口領域画像から、当該認証対象者の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の認証対象画像と、当該認証対象者の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の認証対象画像と、当該認証対象者の口における左右の口端に基づいて歯領域全体画像である第3の認証対象画像とを抽出する認証対象画像抽出手段と、
前記第1の認証対象画像を前記第1の登録画像と照合する第1の照合処理と、前記第2の認証対象画像を前記第2の登録画像と照合する第2の照合処理と、前記第3の認証対象画像を前記第3の登録画像と照合する第3の照合処理とを行う照合処理手段と、
前記第1の照合処理における照合処理結果と、前記第2の照合処理における照合処理結果と、前記第3の照合処理における照合処理結果とに基づいて、前記認証対象者の認証処理を行う認証処理手段と、
を有することを特徴とする認証処理装置。
前記認証処理手段は、前記テンプレートマッチングスコアと前記SIFTスコアとを乗算した乗算結果と閾値とを比較し、前記乗算結果が前記閾値以上である場合に、前記認証対象者の認証を許可することを特徴とする請求項3に記載の認証処理装置。
認証登録者が口を開き少なくとも前歯が見える状態で当該口領域を撮影することにより得られた第1の口領域画像から、当該認証登録者の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の登録画像と、当該認証登録者の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の登録画像と、当該認証登録者の口における左右の口端に基づいて歯領域全体画像である第3の登録画像とを抽出する登録画像抽出ステップと、
認証対象者が口を開き少なくとも前歯が見える状態で当該口領域を撮影することにより得られた第2の口領域画像から、当該認証対象者の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の認証対象画像と、当該認証対象者の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の認証対象画像と、当該認証対象者の口における左右の口端に基づいて歯領域全体画像である第3の認証対象画像とを抽出する認証対象画像抽出ステップと、
前記第1の認証対象画像を前記第1の登録画像と照合する第1の照合処理と、前記第2の認証対象画像を前記第2の登録画像と照合する第2の照合処理と、前記第3の認証対象画像を前記第3の登録画像と照合する第3の照合処理とを行う照合処理ステップと、
前記第1の照合処理における照合処理結果と、前記第2の照合処理における照合処理結果と、前記第3の照合処理における照合処理結果とに基づいて、前記認証対象者の認証処理を行う認証処理ステップと、
を有することを特徴とする認証処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る認証処理装置の外観の一例を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る認証処理装置100は、撮影装置110と、操作入力装置120と、情報処理装置130と、表示装置140と、電気錠装置150を有して構成されている。
【0012】
撮影装置110は、情報処理装置130による制御に基づいて、認証登録者や認証対象者(200)が口を開き少なくとも前歯(211)が見える状態で口領域210を撮影する装置である。本実施形態においては、例えば、撮影装置110として、デジタルビデオカメラを用いるものとするが、他の撮影装置を用いることも可能である。
【0013】
操作入力装置120は、例えばセキュリティ管理者等の操作者が情報処理装置130に対して情報の入力を行う際に操作されるものである。この操作入力装置120は、例えば、キーボード120aや、ポインティング・デバイスであるマウス120bを具備して構成されている。
【0014】
情報処理装置130は、認証処理装置100における動作を統括的に制御するものである。
【0015】
表示装置140は、情報処理装置130による制御に基づいて、撮影装置110で撮影された画像を表示したり、各種の情報を表示したりする。
【0016】
電気錠装置150は、情報処理装置130による制御に基づいて、例えば、ドア等の施錠/解錠を行うものである。
【0017】
図2は、本発明の実施形態に係る認証処理装置の機能構成の一例を示す模式図である。ここで、
図2において、
図1と同様の構成については、同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0018】
情報処理装置130は、モード設定部131、画像受信部132、登録部133、及び、認証部134の各機能構成を有している。
本実施形態においては、例えば、情報処理装置130のCPU及びROM内に記録されているプログラムから、モード設定部131が構成される。また、例えば、情報処理装置130のCPU及びROM内に記録されているプログラム並びに通信インタフェースから、画像受信部132が構成される。また、例えば、情報処理装置130のCPU及びROM内に記録されているプログラム並びに外部メモリから、登録部133、認証部134が構成される。
【0019】
モード設定部131は、例えば、操作入力装置120からの操作入力に基づいて、認証処理装置100における動作モードを設定する処理を行う。ここで、本実施形態では、「登録モード」と「認証モード」の2つの動作モードが設定可能であるものとする。
【0020】
画像受信部132は、撮影装置110により撮影された、認証登録者や認証対象者(200)の口領域210に係る口領域画像を受信する処理を行う。
ここで、画像受信部132は、モード設定部131で設定された動作モードが「登録モード」である場合には、撮影装置110において認証登録者(200)の口領域210が撮影されたと判断し、撮影装置110の撮影により得られた口領域画像を「第1の口領域画像」として受信し、これを登録部133に送る。また、画像受信部132は、モード設定部131で設定された動作モードが「認証モード」である場合には、撮影装置110において認証対象者(200)の口領域210が撮影されたと判断し、撮影装置110の撮影により得られた口領域画像を「第2の口領域画像」として受信し、これを認証部134に送る。
【0021】
登録部133は、モード設定部131により「登録モード」が設定された際に、認証登録者(200)の登録処理を行う。
具体的に、登録部133は、第1の口端検出部1331、登録画像抽出部1332、及び、登録画像記憶部1333の各機能構成を有している。また、登録画像記憶部1333は、記憶メモリ1333aを含んでいる。
【0022】
登録部133の第1の口端検出部1331は、画像受信部132で受信した第1の口領域画像から、認証登録者(200)の口における左右の口端を検出する処理を行う。
【0023】
登録部133の登録画像抽出部1332は、画像受信部132で受信した第1の口領域画像から、当該認証登録者(200)の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の登録画像と、当該認証登録者(200)の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の登録画像と、当該認証登録者(200)の歯領域画像である第3の登録画像を抽出する処理を行う。
ここで、登録画像抽出部1332は、第1の口端検出部1331で検出された左右の口端に基づいて第3の登録画像を抽出する処理を行う。
【0024】
登録部133の登録画像記憶部1333は、認証登録者(200)ごとに、登録画像抽出部1332で抽出した第1の登録画像、第2の登録画像及び第3の登録画像を関連付けて記憶メモリ1333aに記憶して登録する処理を行う。
【0025】
認証部134は、モード設定部131により「認証モード」が設定された際に、認証対象者(200)の認証処理を行う。
具体的に、認証部134は、第2の口端検出部1341、認証対象画像抽出部1342、照合処理部1343、及び、認証処理部1344の各機能構成を有している。
【0026】
認証部134の第2の口端検出部1341は、画像受信部132で受信した第2の口領域画像から、認証対象者(200)の口における左右の口端を検出する処理を行う。
【0027】
認証部134の認証対象画像抽出部1342は、画像受信部132で受信した第2の口領域画像から、当該認証対象者(200)の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の認証対象画像と、当該認証対象者(200)の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の認証対象画像と、当該認証対象者(200)の歯領域画像である第3の認証対象画像を抽出する処理を行う。
ここで、認証対象画像抽出部1342は、第2の口端検出部1341で検出された左右の口端に基づいて第3の認証対象画像を抽出する処理を行う。
また、具体的に、本実施形態においては、以下のようにして、第1の認証対象画像及び第2の認証対象画像を抽出する。即ち、本実施形態においては、第2の口領域画像において認証対象者(200)からみて口の右側半分の画像を第1の認証対象画像として抽出し、第2の口領域画像において認証対象者(200)からみて口の左側半分の画像を第2の認証対象画像として抽出する。
【0028】
認証部134の照合処理部1343は、認証対象画像抽出部1342で抽出した第1の認証対象画像を記憶メモリ1333aに記憶されている第1の登録画像と照合する第1の照合処理と、認証対象画像抽出部1342で抽出した第2の認証対象画像を記憶メモリ1333aに記憶されている第2の登録画像と照合する第2の照合処理と、認証対象画像抽出部1342で抽出した第3の認証対象画像を記憶メモリ1333aに記憶されている第3の登録画像と照合する第3の照合処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、照合処理部1343は、例えば、第1の照合処理及び第2の照合処理をテンプレートマッチングを用いて行い、第3の照合処理をSIFT(Scale Invariant Feature Transform)を用いて行う。
【0029】
認証部134の認証処理部1344は、第1の照合処理における照合処理結果と、第2の照合処理における照合処理結果と、第3の照合処理における照合処理結果とに基づいて、認証対象者(200)の認証処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、認証処理部1344は、例えば、第1の照合処理における照合処理結果としてテンプレートマッチングによる第1の相関値を取得し、第2の照合処理における照合処理結果としてテンプレートマッチングによる第2の相関値を取得し、第3の照合処理における照合処理結果としてSIFTによる対応点の個数を取得し、第1の相関値と第2の相関値とを乗算してテンプレートマッチングスコアを算出するとともに、SIFTによる対応点の個数に基づくSIFTスコアを求め、テンプレートマッチングスコアとSIFTスコアとを用いて認証対象者(200)の認証処理を行う。より詳細に、認証処理部1344は、テンプレートマッチングスコアとSIFTスコアとを乗算した乗算結果を総合スコアとして閾値と比較し、総合スコアが閾値以上である場合には認証対象者(200)の認証を許可する処理を行い、総合スコアが閾値未満である場合には認証対象者(200)の認証を不許可とする処理を行う。例えば、認証処理部1344は、認証対象者(200)の認証を許可する処理として、電気錠装置150の解錠を行う処理を行い、認証対象者(200)の認証を不許可とする処理として、電気錠装置150の施錠を行う処理を行う。さらに、認証処理部1344は、必要に応じて、認証処理の結果を、表示装置140に表示する処理を行う。
【0030】
次に、認証処理装置100による認証処理方法の処理手順の一例について説明を行う。
【0031】
図3−1は、本発明の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0032】
図3−1の処理が開始されると、まず、ステップS101において、モード設定部131は、設定されている動作モードが「登録モード」であるか否かを判断する。
【0033】
ステップS101の判断の結果、設定されている動作モードが「登録モード」でない(本実施形態の場合には「認証モード」である)場合には、
図3−2に示すフローチャートに遷移する。
【0034】
一方、ステップS101の判断の結果、設定されている動作モードが「登録モード」である場合には、ステップS102に進む。
ステップS102に進むと、撮影装置110は、情報処理装置130による制御に基づいて、認証登録者(200)が口を開き少なくとも前歯(211)が見える状態で口領域210を撮影する処理を行う。このステップS102の処理により、撮影装置110において、口領域画像(本実施形態においては、「第1の口領域画像」)が生成される。
【0035】
続いて、ステップS103において、画像受信部132は、ステップS102の撮影により得られた口領域画像を第1の口領域画像として受信する処理を行う。ここで、ステップS103の具体例について、
図4を用いて説明する。
【0036】
図4は、本発明の実施形態を示し、
図3−1のステップS103で受信した第1の口領域画像の一例を示す図である。
図4に示す第1の口領域画像400は、認証登録者(200)が口を開き少なくとも前歯が見える状態で当該口領域を撮影することにより得られた画像である。
【0037】
ここで、再び、
図3−1の説明に戻る。
図3−1のステップS103の処理が終了すると、ステップS104に進む。
ステップS104に進むと、登録部133の第1の口端検出部1331は、ステップS103で受信した第1の口領域画像から、認証登録者(200)の口における左右の口端を検出する処理を行う。ここで、ステップS104の具体例について、
図5を用いて説明する。
【0038】
図5は、本発明の実施形態を示し、
図3−1のステップS104における口端検出処理の一例を説明するための図である。
図5には、
図4に示す第1の口領域画像400が示されている。第1の口端検出部1331は、例えば、第1の口領域画像400から、一番暗い点(黒い点)であって最も左右の端に位置する点を左右の口端401,402として検出する処理を行う。
【0039】
ここで、再び、
図3−1の説明に戻る。
図3−1のステップS104の処理が終了すると、ステップS105に進む。
ステップS105に進むと、登録部133の登録画像抽出部1332は、ステップS103で受信した第1の口領域画像から、当該認証登録者(200)の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の登録画像を抽出する処理を行う。ここで、ステップS105の具体例について、
図6−1を用いて説明する。
【0040】
図6−1は、本発明の実施形態を示し、
図3−1のステップS105における第1の登録画像抽出処理、及び、
図3−1のステップS106における第2の登録画像抽出処理の一例を説明するための図である。
図6−1(a)には、
図4及び
図5に示す第1の口領域画像400が示されている。登録画像抽出部1332は、まず、第1の口領域画像400から、当該認証登録者(200)の口の横方向における中心位置403を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む、
図6−1(b)に示す第1の登録画像410を抽出する処理を行う。この際、登録画像抽出部1332は、ステップS104で検出した、
図5に示す左右の口端401,402の位置との関係で、第1の登録画像410を抽出するようにしてもよい。
【0041】
ここで、再び、
図3−1の説明に戻る。
図3−1のステップS105の処理が終了すると、ステップS106に進む。
ステップS106に進むと、登録部133の登録画像抽出部1332は、ステップS103で受信した第1の口領域画像から、当該認証登録者(200)の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の登録画像を抽出する処理を行う。ここで、ステップS106の具体例について、
図6−1を用いて説明する。
【0042】
登録画像抽出部1332は、次いで、
図6−1(a)に示す第1の口領域画像400から、当該認証登録者(200)の口の横方向における中心位置403を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む、
図6−1(c)に示す第2の登録画像420を抽出する処理を行う。この際、登録画像抽出部1332は、ステップS104で検出した、
図5に示す左右の口端401,402の位置との関係で、第2の登録画像420を抽出するようにしてもよい。
【0043】
ここで、再び、
図3−1の説明に戻る。
図3−1のステップS106の処理が終了すると、ステップS107に進む。
ステップS107に進むと、登録部133の登録画像抽出部1332は、ステップS103で受信した第1の口領域画像から、ステップS104で検出された左右の口端に基づいて当該認証登録者(200)の歯領域画像である第3の登録画像を抽出する処理を行う。ここで、ステップS107の具体例について、
図6−2を用いて説明する。
【0044】
図6−2は、本発明の実施形態を示し、
図3−1のステップS107における第3の登録画像抽出処理の一例を説明するための図である。
登録画像抽出部1332は、次いで、
図4、
図5及び
図6−1(a)に示す第1の口領域画像400から、
図6−2に示す第3の登録画像430を抽出する処理を行う。この際、登録画像抽出部1332は、例えば、第3の登録画像430の横幅を
図5に示す口端401から口端402までとし、第3の登録画像430の縦幅として
図5に示す口端401と口端402とを結ぶ直線を基準として上下方向にそれぞれ所定の距離だけとることにより、
図4、
図5及び
図6−1(a)に示す第1の口領域画像400から、
図6−2に示す第3の登録画像430を抽出する。
【0045】
ここで、再び、
図3−1の説明に戻る。
図3−1のステップS107の処理が終了すると、ステップS108に進む。
ステップS108に進むと、登録部133の登録画像記憶部1333は、認証登録者(200)ごとに、ステップS105〜S107で抽出された第1〜第3の登録画像を関連付けて記憶メモリ1333aに記憶して登録する処理を行う。
【0046】
ステップS108の処理が終了すると、
図3−1に示すフローチャートの処理を終了する。なお、認証登録者が複数存在する場合には、各認証登録者ごとに
図3−1に示すフローチャートの処理が行われて、各認証登録者ごとに、第1〜第3の登録画像が関連付けられて記憶メモリ1333aに記憶されて登録されることになる。
【0047】
上述したように、
図3−1のステップS101の判断の結果、設定されている動作モードが「登録モード」でない(本実施形態の場合には「認証モード」である)場合には、
図3−2に示すフローチャートに遷移する。
ここで、
図3−2は、
図3−1に引き続き、本発明の実施形態に係る認証処理装置による認証処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図3−2に示す認証モードに遷移すると、まず、ステップS201において、撮影装置110は、情報処理装置130による制御に基づいて、認証対象者(200)が口を開き少なくとも前歯(211)が見える状態で口領域210を撮影する処理を行う。このステップS201の処理により、撮影装置110において、口領域画像(本実施形態においては、「第2の口領域画像」)が生成される。
【0049】
続いて、ステップS202において、画像受信部132は、ステップS201の撮影により得られた口領域画像を第2の口領域画像として受信する処理を行う。ここで、ステップS202の具体例について、
図7を用いて説明する。
【0050】
図7は、本発明の実施形態を示し、
図3−2のステップS202で受信した第2の口領域画像の一例を示す図である。
図7に示す第2の口領域画像700は、認証対象者(200)が口を開き少なくとも前歯が見える状態で当該口領域を撮影することにより得られた画像である。
【0051】
ここで、再び、
図3−2の説明に戻る。
図3−2のステップS202の処理が終了すると、ステップS203に進む。
ステップS203に進むと、認証部134の第2の口端検出部1341は、ステップS202で受信した第2の口領域画像から、認証対象者(200)の口における左右の口端を検出する処理を行う。ここで、ステップS203の具体例について、
図8を用いて説明する。
【0052】
図8は、本発明の実施形態を示し、
図3−2のステップS203における口端検出処理の一例を説明するための図である。
図8には、
図7に示す第2の口領域画像700が示されている。第2の口端検出部1341は、例えば、第2の口領域画像700から、一番暗い点(黒い点)であって最も左右の端に位置する点を左右の口端701,702として検出する処理を行う。
【0053】
ここで、再び、
図3−2の説明に戻る。
図3−2のステップS203の処理が終了すると、ステップS204に進む。
ステップS204に進むと、認証部134の認証対象画像抽出部1342は、ステップS202で受信した第2の口領域画像から、当該認証対象者(200)の口の横方向における中心位置を基準として右側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の認証対象画像を抽出する処理を行う。ここで、ステップS204の具体例について、
図9−1を用いて説明する。
【0054】
図9−1は、本発明の実施形態を示し、
図3−2のステップS204における第1の認証対象画像抽出処理、及び、
図3−2のステップS205における第2の認証対象画像抽出処理の一例を説明するための図である。
具体的に、本実施形態においては、認証対象画像抽出部1342は、まず、
図7及び
図8に示す第2の口領域画像700において認証対象者(200)からみて口の右側半分の画像を、
図9−1(a)に示す第1の認証対象画像710として抽出する処理を行う。この際、認証対象画像抽出部1342は、ステップS203で検出した、
図8に示す左右の口端701,702の位置との関係で(例えば、
図8に示す口端701と口端702とを結ぶ直線の中点の位置を基準として)、第1の認証対象画像710を抽出するようにしてもよい。
【0055】
ここで、再び、
図3−2の説明に戻る。
図3−2のステップS204の処理が終了すると、ステップS205に進む。
ステップS205に進むと、認証部134の認証対象画像抽出部1342は、ステップS202で受信した第2の口領域画像から、当該認証対象者(200)の口の横方向における中心位置を基準として左側に位置する複数の歯であって上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の認証対象画像を抽出する処理を行う。ここで、ステップS205の具体例について、
図9−1を用いて説明する。
【0056】
具体的に、本実施形態においては、認証対象画像抽出部1342は、次いで、
図7及び
図8に示す第2の口領域画像700において認証対象者(200)からみて口の左側半分の画像を、
図9−1(b)に示す第2の認証対象画像720として抽出する処理を行う。この際、認証対象画像抽出部1342は、ステップS203で検出した、
図8に示す左右の口端701,702の位置との関係で(例えば、
図8に示す口端701と口端702とを結ぶ直線の中点の位置を基準として)、第2の認証対象画像720を抽出するようにしてもよい。
【0057】
ここで、再び、
図3−2の説明に戻る。
図3−2のステップS205の処理が終了すると、ステップS206に進む。
ステップS206に進むと、認証部134の認証対象画像抽出部1342は、ステップS202で受信した第2の口領域画像から、ステップS203で検出された左右の口端に基づいて当該認証対象者(200)の歯領域画像である第3の認証対象画像を抽出する処理を行う。ここで、ステップS206の具体例について、
図9−2を用いて説明する。
【0058】
図9−2は、本発明の実施形態を示し、
図3−2のステップS206における第3の認証対象画像抽出処理の一例を説明するための図である。
認証対象画像抽出部1342は、次いで、
図7及び
図8に示す第2の口領域画像700から、
図9−2に示す第3の認証対象画像730を抽出する処理を行う。この際、認証対象画像抽出部1342は、例えば、第3の認証対象画像730の横幅を
図8に示す口端701から口端702までとし、第3の認証対象画像730の縦幅として
図8に示す口端701と口端702とを結ぶ直線を基準として上下方向にそれぞれ所定の距離だけとることにより、
図7及び
図8に示す第2の口領域画像700から、
図9−2に示す第3の認証対象画像730を抽出する。
【0059】
ここで、再び、
図3−2の説明に戻る。
図3−2のステップS206の処理が終了すると、ステップS207に進む。
ステップS207に進むと、認証部134の照合処理部1343は、ステップS204で抽出した第1の認証対象画像(
図9−1(a)に示す第1の認証対象画像710)を記憶メモリ1333aに記憶されている第1の登録画像(
図6−1(b)に示す第1の登録画像410)と照合する第1の照合処理と、ステップS205で抽出した第2の認証対象画像(
図9−1(b)に示す第2の認証対象画像720)を記憶メモリ1333aに記憶されている第2の登録画像(
図6−1(c)に示す第2の登録画像420)と照合する第2の照合処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、照合処理部1343は、例えば、第1の照合処理及び第2の照合処理をテンプレートマッチングを用いて行う。この場合、照合処理部1343は、第1の認証対象画像を第1の登録画像とテンプレートマッチングを用いて第1の照合処理をして第1の相関値を求めるとともに、第2の認証対象画像を第2の登録画像とテンプレートマッチングを用いて第2の照合処理をして第2の相関値を求める。
【0060】
続いて、ステップS208において、認証部134の照合処理部1343は、ステップS206で抽出した第3の認証対象画像(
図9−2に示す第3の認証対象画像730)を記憶メモリ1333aに記憶されている第3の登録画像(
図6−2に示す第3の登録画像430)と照合する第3の照合処理を行う。
具体的に、本実施形態においては、照合処理部1343は、例えば、第3の照合処理をSIFTを用いて行う。この場合、照合処理部1343は、第3の認証対象画像を第3の登録画像とSIFTを用いて第3の照合処理をしてSIFTによる対応点の個数を求める。
【0061】
続いて、ステップS209において、認証部134の認証処理部1344は、まず、照合処理部1343から、第1の照合処理における照合処理結果としてテンプレートマッチングによる第1の相関値を取得し、第2の照合処理における照合処理結果としてテンプレートマッチングによる第2の相関値を取得し、第3の照合処理における照合処理結果としてSIFTによる対応点の個数を取得する。次いで、認証処理部1344は、第1の相関値と第2の相関値とを乗算してテンプレートマッチングスコアを算出するとともに、SIFTによる対応点の個数に基づくSIFTスコアを求める。ここで、ステップS209におけるSIFTスコアの求め方の具体例について、
図10を用いて説明する。
【0062】
図10は、本発明の実施形態を示し、
図3−2のステップS209においてSIFTスコアを求める際に用いるテーブルの一例を示す図である。この
図10に示すテーブルは、例えば、認証部134の認証処理部1344の内部に格納されている。
ステップS209では、
図10に示すテーブルを参照して、照合処理部1343から取得したSIFTによる対応点の個数に応じて、SIFTスコアを求める。この
図10に示すテーブルを用いると、照合処理部1343から取得したSIFTによる対応点の個数が0個の場合にはSIFTスコアが0.0として求まり、照合処理部1343から取得したSIFTによる対応点の個数が1個の場合にはSIFTスコアが0.1として求まり、照合処理部1343から取得したSIFTによる対応点の個数が2個の場合にはSIFTスコアが0.4として求まり、照合処理部1343から取得したSIFTによる対応点の個数が3個の場合にはSIFTスコアが0.6として求まり、照合処理部1343から取得したSIFTによる対応点の個数が4個の場合にはSIFTスコアが0.9として求まり、照合処理部1343から取得したSIFTによる対応点の個数が5個以上の場合にはSIFTスコアが1.0として求まる。
【0063】
続いて、ステップS210において、認証部134の認証処理部1344は、ステップS209で求めたテンプレートマッチングスコアとSIFTスコアとを乗算して、当該乗算結果を総合スコアとする。
【0064】
なお、記憶メモリ1333aに、複数の認証登録者における登録画像が記憶されている場合には、認証登録者ごとにステップS207〜S210の処理が行われ、認証登録者ごとに総合スコアが算出される。
【0065】
続いて、ステップS211において、認証部134の認証処理部1344は、ステップS210で算出した総合スコアが予め定められている閾値以上であるか否かを判断する。
ここで、記憶メモリ1333aに、複数の認証登録者における登録画像が記憶されている場合には、例えば、ステップS210で算出される認証登録者ごとの総合スコアのうち、最も値の大きい総合スコアが閾値以上であるか否かを判断する。
【0066】
ステップS211の判断の結果、ステップS210で算出した総合スコアが閾値以上である場合には、ステップS212に進む。
ステップS212に進むと、認証部134の認証処理部1344は、認証対象者の認証を許可する処理を行う。例えば、認証処理部1344は、認証対象者の認証を許可する処理として、電気錠装置150の解錠を行う処理を行って、認証対象者がドア等を開けて入室できるようにする。さらに、認証処理部1344は、必要に応じて、認証処理の結果(認証OKである旨)を、表示装置140に表示する処理を行う。
その後、
図3−2のフローチャートの処理を終了する。
【0067】
一方、ステップS211の判断の結果、ステップS210で算出した総合スコアが閾値以上でない(即ち、ステップS210で算出した総合スコアが閾値未満である)場合には、ステップS213に進む。
ステップS213に進むと、認証部134の認証処理部1344は、認証対象者の認証を不許可とする処理を行う。例えば、認証処理部1344は、認証対象者の認証を不許可とする処理として、電気錠装置150の施錠を行う(施錠を維持する)処理を行って、認証対象者がドア等を開けることができずに入室できないようにする。さらに、認証処理部1344は、必要に応じて、認証処理の結果(認証NGである旨)を、表示装置140に表示する処理を行う。
その後、
図3−2のフローチャートの処理を終了する。
【0068】
次に、本実施形態における最適な閾値の設定について説明する。
図11は、本発明の実施形態を示し、最適な閾値の設定を説明するための図である。
図11は、本実施形態に係る認証処理装置100を用いて、認証対象者を認証登録者と同一人物(本人)とした場合に算出された総合スコア(◇)と、認証対象者を認証登録者と異なる人物(他人)とした場合に算出された総合スコア(●)を、実際に実験をして求めた例を示すものである。ここで、
図11の特性図では、縦軸が総合スコアを示し、横軸がサンプルデータを示す。
図11に示す結果から、総合スコアに関して0.35〜0.65の範囲内で閾値を設定すれば、本人と他人を識別できることが分かる。
【0069】
ここでは、例えば、閾値を0.5に設定する。
例えば、
図3−2のステップS207において、第1の相関値が0.90と求められ、第2の相関値が0.94と求められ、更に、
図3−2のステップS208において、SIFTによる対応点の個数が13個と求められたとする。この場合、テンプレートマッチングスコアは0.90×0.94=0.85と算出され、また、SIFTスコアは
図10より1.0と求められる。よって、総合スコアは0.85×1.0=0.85となる。この場合、SIFTスコアは、閾値である0.5以上の0.85であるため、
図3−2のステップS211において本人であると判断されて(S211/YES)、認証許可処理(S212)が行われることになる。
また、例えば、
図3−2のステップS207において、第1の相関値が0.52と求められ、第2の相関値が0.56と求められ、更に、
図3−2のステップS208において、SIFTによる対応点の個数が0個と求められたとする。この場合、テンプレートマッチングスコアは0.52×0.56=0.29と算出され、また、SIFTスコアは
図10より0.0と求められる。よって、総合スコアは0.29×0.0=0.00となる。この場合、SIFTスコアは、閾値である0.5未満の0.00であるため、
図3−2のステップS211において他人であると判断されて(S211/NO)、認証不許可処理(S213)が行われることになる。
【0070】
本実施形態に係る認証処理装置100では、第2の口領域画像において認証対象者からみて口の右側半分の画像である第1の認証対象画像を、第1の口領域画像から抽出された画像であって認証登録者の口の右側に位置する上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の登録画像とテンプレートマッチングを用いて照合して第1の相関値を求め、第2の口領域画像において認証対象者からみて口の左側半分の画像である第2の認証対象画像を、第1の口領域画像から抽出された画像であって認証登録者の口の左側に位置する上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の登録画像とテンプレートマッチングを用いて照合して第2の相関値を求め、第1の相関値と第2の相関値とを乗算してテンプレートマッチングスコアを算出している(
図3−2のS207,S209)。また、本実施形態に係る認証処理装置100では、認証対象者の歯領域画像である第3の認証対象画像を、認証登録者の歯領域画像である第3の登録画像とSIFTを用いて照合してSIFTによる対応点の個数を求め、当該SIFTによる対応点の個数に基づくSIFTスコアを求めている(
図3−2のS208,S209)。そして、本実施形態に係る認証処理装置100では、テンプレートマッチングスコアとSIFTスコアとを乗算した乗算結果(総合スコア)と閾値とを比較し、総合スコアが閾値以上である場合に認証対象者の認証を許可するようにしている(
図3−2のS210〜S212)。
かかる構成によれば、認証対象者は発声をすることなく自身の歯並びや噛み合わせ等により認証処理を行うため、個人認証精度の向上を実現することができる。特に、本実施形態に係る認証処理装置100では、認証登録者の口の右側に位置する上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第1の登録画像、及び、認証登録者の口の左側に位置する上下左右に隣接する歯を少なくとも含む第2の登録画像を用いて認証処理を行うため、上下左右に隣接する歯の隙間や噛み合わせの観点で、特に個人認証精度を向上させることができる。さらに、本実施形態に係る認証処理装置100によれば、テンプレートマッチングスコアとSIFTスコアとを乗算した乗算結果(総合スコア)に基づいて認証処理を行うため、単に、テンプレートマッチングスコアのみで認証処理を行う場合やSIFTスコアのみで認証処理を行う場合と比べて、より個人認証精度を向上させることができる。また、認証対象者は、非接触で認証処理を行うことができる。
【0071】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した本発明の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。
【0072】
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。