(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付された図面を参照して本発明に係る好ましい実施形態を詳細に説明する。明細書全体にわたって同じ参照符号は実質的に同じ構成要素を意味する。
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る具体的な実施形態を添付された図面を参照して説明する。
【0015】
本発明に係るタッチセンサを有する表示装置は、テレビ、ナビゲーション、映像プレーヤ、ブルーレイプレーヤ、個人用コンピュータ(PC)、ホームシアター及びモバイルフォン(スマートフォン)などで実現される。
【0016】
本発明に係るタッチセンサを有する表示装置は、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、電気泳動表示パネル、プラズマ表示パネルなどの表示パネルが選択され得るが、これに限定されない。ただし、以下の説明では、説明の便宜のために、液晶表示パネルを例として説明する。
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を概略的に示すブロック図であり、
図2は、タッチスクリーンのタッチセンサを概略的に示す例示図であり、
図3は、共通電極からなるタッチスクリーンを示す例示図であり、
図4は、インセルタッチ方式の時分割駆動技術を説明するための波形例示図である。
【0018】
図1に示されたように、本発明の第1実施形態に係る表示装置には、タイミングコントローラ20、データ駆動回路12、スキャン駆動回路14、液晶表示パネルDIS、タッチスクリーンTSP、タッチスクリーン駆動回路30及びマイクロコントローラ40が備えられる。
【0019】
タイミングコントローラ20は、データ駆動回路12とスキャン駆動回路14を制御する。タイミングコントローラ20は、ホストシステム(図示せず)から垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、データイネーブル信号(Data Enable、DE)、メインクロックMCLKなどのタイミング信号とともにデジタルビデオデータRGBの供給を受ける。
【0020】
タイミングコントローラ20は、ゲートスタートパルス(Gate Start Pulse、GSP)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock)及びゲート出力イネーブル信号(Gate Output Enable、GOE)などのスキャンタイミング制御信号に基づいてスキャン駆動回路14を制御する。タイミングコントローラ20は、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock、SSC)、極性制御信号(Polarity、POL)及びソース出力イネーブル信号(Source Output Enable、SOE)などのデータタイミング制御信号に基づいてデータ駆動回路12を制御する。
【0021】
データ駆動回路12は、タイミングコントローラ20から入力されるデジタルビデオデータRGBをアナログ正極性/負極性ガンマ補償電圧に変換してデータ電圧を生成する。データ駆動回路12は、データラインD1〜Dmを介してデータ電圧を供給する。
【0022】
スキャン駆動回路14は、データ電圧に同期するゲートパルス(またはスキャンパルス)を順次生成する。スキャン駆動回路14は、ゲートラインG1〜Gnを介してゲートパルスを供給する。
【0023】
液晶表示パネルDISは、スキャン駆動回路14から供給されたゲートパルスとデータ駆動回路12から供給されたデータ電圧とに基づいて映像を表示する。液晶表示パネルDISは、2枚の基板間に形成された液晶層を備える。液晶表示パネルDISは、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードなど、公知となったいかなる液晶モードでも実現することができる。
【0024】
液晶表示パネルDISのサブピクセルは、データラインD1〜Dm(mは2以上の整数)とゲートラインG1〜Gn(nは2以上の整数)とにより画定される。1つのサブピクセルは、データラインとゲートラインの交差部に形成されたTFT(Thin Film Transistor)、データ電圧を充電する画素電極、画素電極に接続されて液晶セルの電圧を維持させるためのストレージキャパシタ(Storage Capacitor、Cst)などを含む。
【0025】
液晶表示パネルDISの上部基板には、ブラックマトリックス、カラーフィルタなどが形成される。液晶表示パネルDISの下部基板には、薄膜トランジスタ、画素電極及び共通電極などが形成される。液晶表示パネルDISは、COT(Color filter On TFT)構造で実現されることができる。この場合、ブラックマトリックスとカラーフィルタは、液晶表示パネルDISの下部基板に形成することができる。
【0026】
共通電圧が供給される共通電極は、液晶表示パネルDISの上部基板や下部基板に形成することができる。液晶表示パネルDISの上部基板と下部基板には、各々偏光板が付着され、液晶と接する内面に液晶のプレチルト角を設定するための配向膜が形成される。
【0027】
液晶表示パネルDISの上部基板と下部基板との間には、液晶セルのセルギャップ(Cell gap)を維持するためのカラムスペーサが形成される。液晶表示パネルDISの下部偏光板の背面下にはバックライトユニットが配置される。バックライトユニットは、エッジ型(edge type)または直下型(Direct type)などで実現されて液晶表示パネルDISに光を提供する。
【0028】
タッチスクリーン駆動回路30は、タッチスクリーンTSPを用いてタッチの有無及び位置をセンシングする。タッチスクリーン駆動回路30には、タッチセンサを駆動するための駆動電圧を生成する駆動回路と、タッチセンサをセンシングし、タッチの有無及び座標情報などを検出するためのデータを生成するセンシング回路が含まれる。タッチスクリーン駆動回路30の駆動回路とセンシング回路は、1つの集積回路IC形態で形成されるか、機能別に区分して分離することができる。
【0029】
タッチスクリーン駆動回路30は、液晶表示パネルDISと接続される外部基板上に形成される。タッチスクリーン駆動回路30は、センシングラインL1〜Li(iは正の整数)を介してタッチスクリーンTSPに連結される。タッチスクリーン駆動回路30は、タッチスクリーンTSPに形成されたタッチセンサ間の静電容量偏差に基づいてタッチの有無及び位置をセンシングする。
【0030】
ユーザの指が接触した接触位置と非接触位置との間には静電容量の偏差が発生するが、タッチスクリーン駆動回路30は、この静電容量を感知する方式でタッチの有無及び位置をセンシングする。タッチスクリーン駆動回路30は、タッチの有無及び位置に対するタッチデータを生成し、これをマイクロコントローラ40に伝達する。
【0031】
マイクロコントローラ40は、タッチスクリーン駆動回路30を制御する。マイクロコントローラ40は、タイミングコルトローラ20から第1のタッチ同期信号ITsyncの供給を受ける。マイクロコントローラ40は、第1のタッチ同期信号ITsyncに基づいてタッチスクリーン駆動回路30を制御する第2のタッチ同期信号Tsyncを生成する。
【0032】
マイクロコントローラ40は、タッチスクリーン駆動回路30との間に定義されたインターフェースIFに基づいてタッチデータやその他、信号などをやり取りする。マイクロコントローラ40は、ホストシステム(図示せず)にタッチデータを伝達する。一方、上記の説明では、マイクロコントローラ40とタッチスクリーン駆動回路30を別のブロックで図示したが、これは1つの集積回路IC形態からなるタッチスクリーン制御部30、40で形成することができる。
【0033】
図2に示されたように、タッチスクリーンTSPは、液晶表示パネルDISの表示領域AAにインセルセルフタッチ(in−cell self touch)(以下、セルフタッチと略記する)方式で内蔵されるようにして具現することができる。セルフタッチセンシング方式のタッチスクリーンTSPは、液晶表示パネルDISの内部に形成された電極などによってブロック(またはポイント)形態で構成された電極をタッチセンサとして用いる。
【0034】
液晶表示パネルDISの表示領域AAに形成された「C1、C2、C3、C4」は、タッチセンサ(またはタッチセンサブロック)を意味し、「L1、L2、L3、L4〜Li」は、タッチセンサに連結されたセンシングラインを意味する。以下では、共通電極でタッチセンサを構成する例を基準として説明する。
【0035】
図3に示されたように、セルフタッチセンシング方式のタッチスクリーンTSPは、液晶表示パネルDISの内部に形成された第M個(Mは4以上の整数)のサブピクセル(例えば、横32個のサブピクセル×縦32個のサブピクセル)に含まれた共通電極COMが1つのタッチセンサをなすようになる。すなわち、タッチセンサC1、C2、C3、C4は、液晶表示パネルDIS上で分離形成された共通電極COMにより定義される。
【0036】
図1〜
図4に示されたように、セルフタッチセンシング方式のタッチスクリーンを有する表示装置は、液晶表示パネルDISに映像を表示するディスプレイ駆動期間TdとタッチスクリーンTSPをセンシングするタッチスクリーン駆動期間Ttとが時間上に分割される。すなわち、ディスプレイ駆動期間Tdとタッチスクリーン駆動期間Ttとは時分割駆動される。
【0037】
タッチスクリーン駆動回路30は、セルフタッチセンシング方式のタッチスクリーンTSPに連結されたセンシングラインL1〜Liを介してタッチ駆動信号Tdrvを供給する。
【0038】
上記のように、タッチスクリーン駆動期間Ttの間、センシングラインL1〜Liにはタッチ駆動信号Tdrvが供給される。それに対し、ディスプレイ駆動期間Tdの間、センシングラインL1〜Liには共通電圧Vcomが供給される。タッチ駆動信号Tdrvは、交流信号形態で生成される。ディスプレイ駆動期間Tdとタッチスクリーン駆動期間Ttとの時分割駆動は、タッチ同期信号Tsyncによりなされる。
【0039】
図5は、セルフタッチセンシング方式のライン別のセンシング概念を説明するために、タッチスクリーンを示す例示図であり、
図6は、
図5に示された統合駆動回路のブロックを説明するための例示図であり、
図7は、セルフタッチセンシング方式の駆動体系を説明するための図であり、
図8は、
図6に示された統合駆動回路の動作について説明するための例示図である。
【0040】
図5に示されたように、タッチスクリーンTSPの一側(下端)には、タッチスクリーンTSPを駆動する駆動回路12a〜12c、30a〜30cが配置される。タッチスクリーンTSPのタッチセンシング領域は、例えば、垂直方向yを基準として3個の領域に区分することができる。このように、垂直方向yでタッチセンシング領域に対して区分して図示した理由は、駆動回路が駆動できる物理的範囲によって設計の変更が起こり得ることを示すためである。
【0041】
第1の駆動回路12a、30aは、第1のタッチチャネルTCH1をセンシングするように左側領域に配置され、第2の駆動回路12b、30bは、第2のタッチチャネルTCH2をセンシングするように中央領域に配置され、第3の駆動回路12c、30cは、第3のタッチチャネルTCH3をセンシングするように右側領域に配置される。
【0042】
第1〜第3の駆動回路12a〜12c、30a〜30cは、データ駆動回路12a〜12cとタッチスクリーン駆動回路30a〜30cとを各々備える。すなわち、データ駆動回路12a〜12cとタッチスクリーン駆動回路30a〜30cとは、それぞれ1つずつ結合されて統合駆動回路形態の集積回路ICで実現される。
【0043】
第1〜第3の駆動回路12a〜12c、30a〜30cは、内部または外部に含まれたMUX部によりタッチスクリーンTSPを1ラインずつ時分割センシングすることができる。例えば、タッチスクリーンTSPのセンシング領域は、水平方向Xを基準として16個の領域に区分することができる。このように、水平方向Xでタッチセンシング領域に対して区分して図示した理由は、1つの駆動回路が駆動できる物理的範囲によって設計の変更が起こり得ることを示すためである。
【0044】
第1〜第3の駆動回路12a〜12c、30a〜30cは、内部または外部に含まれたMUX部によりタッチスクリーンTSPの第1のMUXラインMUX1から第16のMUXラインMUX16(または第1のMUXライン(Iは2以上の整数))まで順次的にセンシングすることができる。タッチスクリーンTSPのセンシングは、上部から始めて下部で完了するようにy2方向に進むことができる。
【0045】
図6に示されたように、統合駆動回路50は、中央にデータ駆動回路12a(Source ICまたはSourceという)が配置され、その左右側にタッチスクリーン駆動回路30aL、30aR(Read Out ICまたはROICという)が配置されるように構成することができる。データ駆動回路12aのデータパッドSPADは、液晶表示パネルのデータラインに連結され、タッチスクリーン駆動回路30aL、30aRのタッチパッドTPADL、TPADRは、タッチスクリーンのセンシングラインに連結される。
【0046】
図7に示されたように、データ駆動回路12a〜12cとタッチスクリーン駆動回路30a〜30cとが統合駆動回路50の形態で実現された場合、これは、次のような駆動体系を有する。
【0047】
タイミングコントローラ20は、第1のタッチ同期信号ITsyncを生成する。タイミングコントローラ20は、第1のタッチ同期信号ITsyncに基づいてマイクロコントローラ40を制御する。
【0048】
マイクロコントローラ40は、タイミングコントローラ20から供給された第1のタッチ同期信号ITsyncに基づいて第2のタッチ同期信号Tsync、クロック信号CLK、パルス幅変調信号PWM_TXを生成する。マイクロコントローラ40は、第2のタッチ同期信号Tsync、クロック信号CLK、パルス幅変調信号PWM_TXに基づいて統合駆動回路50を制御する。
【0049】
統合駆動回路50は、第2のタッチ同期信号Tsync、クロック信号CLK、パルス幅変調信号PWM_TXに基づいてタッチスクリーンを駆動する。統合駆動回路50は、マイクロコントローラ40とともに画定されたインターフェースIFを介してタッチスクリーンからセンシングされたタッチデータなどをやり取りする。
【0050】
前述されたセルフタッチセンシング方式は、タッチスクリーンTSPのタッチセンサを電極単位に分割し、全てのポイントをセンシングすることができる(All Point Sensing)構造で実現が可能である。そして、タッチ駆動信号と電圧または位相の同じ信号(データ信号、ゲート信号及び共通電圧)を供給して液晶表示パネルのロードを最小化(寄生容量値を最小化)するためのロードフリー駆動(LFD:Load Free Driving)をすることができる。
【0051】
図7及び
図8に示されたように、統合駆動回路50は、電荷を伝達する方法(Charge Transferring)として、スイッチド−キャパシタ回路(Switched−Capacitor Circuits)を用いてタッチセンシングをすることができる。この回路は、プリアンプ(Pre AMP)などを有する第1のステージ(1st stage)と積分器(Integrator)/サンプルホールドアンプ(Sample and Hold Amp)などを有する第2のステージ(2nd stage)で構成することができる。
【0052】
第1のステージ(1st stage)は、非反転プリアンプ(non−inverting Pre AMP)などを用いて第1の利得電圧V
OUT1を取得する。第1のステージ(1st stage)から出力される第1の利得電圧V
OUT1は、次の式(1)のように表現される。
【0054】
式(1)において、C
P_RXは、初期キャパシタンス(Initial Capacitance)を意味し、C
Fingerは、タッチ(Touch)による指のキャパシタンスを意味し、V
modは、駆動パルス信号を形成するモジュレーション電圧(駆動電圧)を意味し、C
CRは、初期キャパシタンスを除去するための電荷除去(Charge Removing)用キャパシタンスを意味し、C
FBは、電荷量を電圧に変えるためのフィードバックキャパシタンス(Feedback Capacitance)を意味し、V
CRは、電荷除去用基準電圧を意味する。
【0055】
第2のステージ(2nd stage)は、積分器(Integrator)/サンプルホールドアンプ(Sample and Hold Amp)などを用いて第2の利得電圧V
OUT2を取得する。第2のステージ(2nd stage)から出力される第2の利得電圧V
OUT2は、次の式(2)のように表現される。
【0057】
式(2)において、C
Fは、電荷量を電圧に変えるためのフィードバックキャパシタンスを意味し、C
Sは、ストレージキャパシタンス(Storage Capacitance)を意味する。
【0058】
統合駆動回路50は、タッチスクリーンTSPのセンシングラインL1〜Liに連結されているプリアンプ(Pre AMP)に駆動パルス信号V
MODを印加すれば、指が接触された場合と、そうでない場合とによってプリアンプ(Pre AMP)端の出力電圧が変わる。
【0059】
駆動パルス信号V
MODは、マイクロコントローラ40から出力されるパルス幅変調信号PWM_TXと位相が同期化されており、電圧レベル(Level)は、異なる信号である。統合駆動回路50は、初期静電容量を引くために電荷除去(Charge Removing)をすることができる。プリアンプ(Pre AMP)の出力値は、駆動パルス信号V
MODの個数によって累積器(Integrator)を介して累積される。
【0060】
一方、インセルタッチセンサ技術が適用された表示装置のうちの一部は、基本的にVESA規格を満たさなければならない。インセルタッチセンサ方式では、その構造的な特性上、データ駆動回路にタッチスクリーン駆動回路(ROIC:Read Out IC)が内蔵された統合駆動回路形態が適用される。
【0061】
この場合、タッチスクリーン駆動回路が適用された統合駆動回路が共通電圧を液晶表示パネルに供給しなければならない。ところが、VESA規格による大きさの制限のため、軟性回路基板FPCから統合駆動回路の入力端までの距離に相当制約を受けている。したがって、従来には統合駆動回路の入力要求抵抗を合わせるために、一部の電源を統合駆動回路の片側にのみ供給せざるをえなかった。
【0062】
このような原因のため、従来提案された方式は、液晶表示パネルに一部のパターン(Pattern)を表現する場合、共通電圧の偏差によるブロックディム(Block Dim;ブロック形態に画面が暗くなる)が誘発されるなど、表示品質が低下するという問題がある。
【0063】
以下、従来提案された方式の問題点とともに、これを解決するための本発明の一実施形態についてより詳しく説明する。
【0064】
[従来構造]
図9は、表示装置に適用された従来の統合駆動回路を示す図であり、
図10は、従来に提案された方式で表れる共通電圧の偏差の問題を説明するための図であり、
図11は、従来に提案された統合駆動回路の抵抗差による共通電圧のレベル偏差を説明するための図であり、
図12は、従来に提案された方式の問題点を説明するための図である。
【0065】
図9〜
図12に示されたように、従来に提案された第1及び第2の統合駆動回路50a、50bは、タッチスクリーンTSPを有する液晶表示パネルDISに電気的に連結される。従来に提案された構造の電源供給形態は、VESA規格を満たすために、軟性回路基板FPCから第1及び第2の統合駆動回路50a、50bまでの入力距離に制限がある。
【0066】
このため、共通電圧ラインVcomLを介して伝達される共通電圧を含む要求抵抗の低い電源は、第1及び第2の統合駆動回路50a、50bの側面にのみ供給することができる。例えば、第1の統合駆動回路50aは、自身の右側に接続された共通電圧ラインVcomLを介して共通電圧の供給を受け、第2の統合駆動回路50bは、自身の左側に接続された共通電圧ラインVcomLを介して共通電圧の供給を受ける。
【0067】
これによれば、パネルに形成されたパッド部PPADを介して供給された共通電圧は、第1及び第2の統合駆動回路50a、50bの第1のノードN1(共通電圧の入力地点から近い方)に供給された後、内部回路に備えられた電源ラインに沿って第2のノードN2(共通電圧の入力地点から遠い方)に伝達される。その結果、第1及び第2の統合駆動回路50a、50bの側面に供給された共通電圧は、第1及び第2の統合駆動回路50a、50bのタッチスクリーン駆動回路が位置する両方に伝達される。
【0068】
ところが、従来提案された方式は、共通電圧を第1及び第2の統合駆動回路50a、50bの側面のみに供給するので、データ遷移(Data Transition)が激しいパターン(Pattern)が液晶表示パネルに表示される場合、共通電圧Vcomが入力される入力端の両端N1、N2間にRMS(二乗平均平方根;root mean square)偏差が発生するという問題が誘発される(
図10参照)。
【0069】
しかし、現在までのインセルタッチセンサ技術は、その駆動方式上、数多い共通電圧を一々反転補償することができない(特定ポイント補償の際、他の所の過補償が発生するので、実質的に反転補償をすることができない)。
【0070】
これとともに、、VESA規格を満たすためには、軟性回路基板FPCの個数と統合駆動回路の入力信号線が連結されるパネルリンク部(Line On Glass Line)の空間に制約を受ける。したがって、機構的干渉で2つの統合駆動回路当たり軟性回路基板FPCを1個ずつのみ配置可能である。
【0071】
そして、一部要求抵抗(Line On Glass抵抗)が低い電源入力端(共通電圧ライン)が統合駆動回路の一方にのみ連結されるので、内部配線抵抗差により左右側タッチスクリーン駆動回路30aL、20aRの両端N1、N2間に共通電圧Vcomのレベル偏差が発生する(
図9及び
図11参照)。
【0072】
このような原因のため、従来提案された方式は、液晶表示パネルに一部パターン(Pattern)を表現する場合、共通電圧Vcomの偏差により
図12のA1とA2のようにブロックディム(Block Dim;ブロック形態に画面が暗くなる)が誘発されるなど、表示品質が低下する。
【0073】
[実施形態の構造]
図13は、本発明の一実施形態に係る統合駆動回路を概略的に示す図であり、
図14及び
図15は、
図13に示された統合駆動回路の一部をより詳しく説明するための図であり、
図16は、本発明の一実施形態に係る改善点を説明するための図である。
【0074】
図13に示されたように、本発明の一実施形態に係る統合駆動回路50には一対の共通電圧補償回路35a1、35a2が含まれる。すなわち、統合駆動回路50の第1側タッチスクリーン駆動回路30a1には第1の共通電圧補償回路35a1が含まれ、統合駆動回路50の第2側タッチスクリーン駆動回路30a2には第2の共通電圧補償回路35a2が含まれる。一対の共通電圧補償回路35a1、35a2は、プログラマブル方式で共通電圧を補償する。
【0075】
第1及び第2の共通電圧補償回路35a1、35a2は、第2のタッチ同期信号Tsyncに対応して自身のチャネルに補償共通電圧を出力したり、ロードフリー駆動を行う(LFD Swing)ことができる。
【0076】
第1及び第2の共通電圧補償回路35a1、35a2は、第1及び第2の活性化信号EN1、EN2により選択的に活性化される。第1及び第2の活性化信号EN1、EN2は、タイミングコントローラまたはマイクロコントローラから出力される。第1及び第2の活性化信号EN1、EN2は、コントローラと共通電圧補償回路との間の入出力ピンの直接接続による信号制御方式またはこれらの間のデータ通信方式による制御方式で伝達される。
【0077】
一例として、第1の共通電圧補償回路35a1が共通電圧の入力端から遠い方に位置する場合、第1の活性化信号EN1により活性化される。このとき、第2の共通電圧補償回路35a2は不活性化される。他の例として、第2の共通電圧補償回路35a2が共通電圧の入力端から遠い方に位置する場合、第2の活性化信号EN2により活性化される。このとき、第1の共通電圧補償回路35a1は不活性化される。
【0078】
これらのうち、活性化された共通電圧補償回路は、共通電圧のIRドロップ(Drop)を補償するために、高電位電圧VDD(またはデータ信号を形成する電圧)を基準電圧としてドロップされた共通電圧を補償するための補償共通電圧を可変して出力する。
【0079】
このとき、共通電圧補償回路は、タイミングコントローラまたはマイクロコントローラから出力された共通電圧補償信号VCSに対応して補償共通電圧の補償比をプログラマブルに異なるようにする。補償共通電圧は、一対のタッチスクリーン駆動回路に伝達される共通電圧を同様に維持する値で設定される。このために、コントローラは、映像またはパターンの形態などに対応して統合駆動回路の内部で損失される電圧情報(ルックアップテーブル)を有して共通電圧補償信号VCSを生成するようになる。
【0080】
本発明の一実施形態のように、統合駆動回路50に一対の共通電圧補償回路35a1、35a2を内蔵し、これらを区分して活性化させる理由は、統合駆動回路50が実装される位置によって一方は共通電圧の入力端に近いことに対し、他方は遠ざかるためである。そして、このように距離差が生じることにより、共通電圧Vcomが入力される入力端の両端35a1、35a2間にRMS偏差が発生するためである。
【0081】
一方、統合駆動回路50に含まれた一対のタッチスクリーン駆動回路30a1、30a2が電源入力端から全て遠くにある場合、一対の共通電圧補償回路35a1、35a2が共に活性化され得る。
【0082】
図14に示されたように、共通電圧Vcomは、統合駆動回路50の右側を介して供給される。すなわち、統合駆動回路50の右側は、共通電圧などの電源が入力される入力端と近い領域である。
【0083】
このような場合、統合駆動回路50の第1のタッチスクリーン駆動回路30a1は、共通電圧などの電源入力端と遠く離れている遠い領域Vcom_Farに該当し、統合駆動回路50の第2のタッチスクリーン駆動回路30a2は、共通電圧などの電源入力端と近くにある近い領域Vcom_Nearに該当する。
【0084】
コントローラは、第1のタッチスクリーン駆動回路30a1の第1の共通電圧補償回路35a1を活性化する反面、第2のタッチスクリーン駆動回路30a2の第2の共通電圧補償回路35a2を不活性化する。これにより、第1のタッチスクリーン駆動回路35a1は、自身のチャネルCH1〜CH3を介して補償共通電圧を出力し、第2のタッチスクリーン駆動回路35a2は、自身のチャネルCH4〜CH6を介して共通電圧を出力する。
【0085】
活性化された第1の共通電圧補償回路35a1を通じて分かるように、共通電圧補償回路にはデコーダ部DEC、バッファ部IBUF及びMUX部MUXが各々備えられる。
【0086】
デコーダ部DECは、共通電圧補償信号VCSに対応して補償共通電圧を設け、これを出力する。デコーダ部DECは、高電位電圧VDD(またはデータ信号を形成する電圧)を基準電圧としてドロップされた共通電圧を補償するための補償共通電圧を可変して出力する。デコーダ部DECは、抵抗ストリングRdを介して自身から出力される電圧を調整し、共通電圧を補償する補償共通電圧を出力することができる。
【0087】
バッファ部IBUFは、デコーダ部DECから出力された補償共通電圧をバッファリングした後、MUX部MUXに伝達する。バッファ部IBUFは、デコーダ部DECから出力された補償共通電圧を所定時間保持した後、出力の際、出力のドロップを防止するためのものであって、これは、回路の構成によって省略することもできる。
【0088】
MUX部MUXは、2入力1出力(2×1)MUXで構成される。MUX部MUXは、第2のタッチ同期信号Tsyncに対応して補償共通電圧を出力するか、ロードフリー駆動を行う(LFD Swing)ことができる電圧を出力する。
【0089】
例えば、MUX部MUXは、第2のタッチ同期信号Tsyncに対応してディスプレイ駆動期間の間、補償共通電圧を出力し、タッチスクリーン駆動期間の間、ロードフリー駆動をするための信号を出力する。
【0090】
図14において、未説明のRpは、第1のタッチスクリーン駆動回路30a1と第2のタッチスクリーン駆動回路30a2との間に存在する寄生抵抗を意味し、VBUFは、高電位電圧が入力される第1の入力端のバッファを意味し、CBUFは、共通電圧とロードフリー駆動のための電圧が入力される第2の入力端のバッファを意味する。
【0091】
一方、第2のタッチスクリーン駆動回路30a2の場合、第2の共通電圧補償回路が不活性化の状態であるから、第2のタッチ同期信号Tsyncに対応してディスプレイ駆動期間の間、共通電圧を出力し、タッチスクリーン駆動期間の間、ロードフリー駆動をするための信号を出力するようになる。
【0092】
図15に示されたように、共通電圧Vcomは、統合駆動回路50の左側を介して供給される。すなわち、統合駆動回路50の左側は、共通電圧等の電源が入力される入力端と近い領域である。
【0093】
このような場合、統合駆動回路50の第2のタッチスクリーン駆動回路30a2は、共通電圧等の電源入力端と遠く離れている遠い領域Vcom_Farに該当し、統合駆動回路50の第1のタッチスクリーン駆動回路30a1は、共通電圧等の電源入力端と近くにある近い領域Vcom_Nearに該当する。
【0094】
コントローラは、第1のタッチスクリーン駆動回路30a1の第1の共通電圧補償回路35a1を不活性化する反面、第2のタッチスクリーン駆動回路30a2の第2の共通電圧補償回路35a2を活性化する。これにより、第1のタッチスクリーン駆動回路35a1は、自身のチャネルCH1〜CH3を介して共通電圧を出力し、第2のタッチスクリーン駆動回路35a2は、自身のチャネルCH4〜CH6を介して補償共通電圧を出力する。
【0095】
活性化された第2の共通電圧補償回路35a2を通じて分かるように、共通電圧補償回路にはデコーダ部DEC、バッファ部IBUF及びMUX部MUXが各々備えられる。
デコーダ部DECは、共通電圧補償信号VCSに対応して補償共通電圧を設け、これを出力する。デコーダ部DECは、高電位電圧VDD(またはデータ信号を形成する電圧)を基準電圧としてドロップされた共通電圧を補償する補償共通電圧を出力する。デコーダ部DECは、抵抗ストリングRdを介して自身から出力される電圧を調整し、共通電圧を補償する補償共通電圧を出力することができる。
【0096】
バッファ部IBUFは、デコーダ部DECから出力された補償共通電圧をバッファリングした後、MUX部MUXに伝達する。バッファ部IBUFは、デコーダ部DECから出力された補償共通電圧を所定時間保持した後、出力の際、出力のドロップを防止するためのものであって、これは、回路の構成によって省略することもできる。
【0097】
MUX部MUXは、2入力1出力(2×1)MUXで構成される。MUX部MUXは、第2のタッチ同期信号Tsyncに対応して補償共通電圧を出力するか、ロードフリー駆動を行う(LFD Swing)ことができる電圧を出力する。
【0098】
例えば、MUX部MUXは、第2のタッチ同期信号Tsyncに対応してディスプレイ駆動期間の間、補償共通電圧を出力し、タッチスクリーン駆動期間の間、ロードフリー駆動をするための信号を出力する。
【0099】
図15において、未説明のRpは、第1のタッチスクリーン駆動回路30a1と第2のタッチスクリーン駆動回路30a2との間に存在する寄生抵抗を意味し、VBUFは、高電位電圧が入力される第1の入力端のバッファを意味し、CBUFは、共通電圧とロードフリー駆動のための電圧が入力される第2の入力端のバッファを意味する。
【0100】
一方、第1のタッチスクリーン駆動回路30a1の場合、第1の共通電圧補償回路が不活性化の状態であるから、第2のタッチ同期信号Tsyncに対応してディスプレイ駆動期間の間、共通電圧を出力し、タッチスクリーン駆動期間の間、ロードフリー駆動をするための信号を出力するようになる。
【0101】
本発明の一実施形態は、統合駆動回路が実装される位置、そして、電源入力端の位置と関係なく、共通電圧を補償して出力できる回路を選択的に活性化することができる。また、本発明の一実施形態は、データ遷移(Data Transition)が激しいスミアパターン(Smear Pattern)の発生の際、アルゴリズム的に共通電圧補償回路を駆動(活性化)することができる。また、統合駆動回路内に内蔵された共通電圧補償回路を個別的に駆動(活性化)できるので、スミアパターンの位置による制御が可能である。
【0102】
その結果、本発明の一実施形態は、
図16に示されたように、共通電圧の偏差によるブロックディム(Block Dim;ブロック形態に画面が暗くなる)が誘発されるなど、表示品質が低下するという問題無しで画面上で均等または均一な表示品質を維持することができる。
【0103】
また、本発明の一実施形態は、共通電圧を片側で供給してもこれを補償することができる。その結果、データ遷移(Data Transition)が激しいパターン(Pattern)が液晶表示パネルに表示されても、共通電圧Vcomが入力される入力端の両端間にRMS(二乗平均平方根;root mean square)偏差が発生するという問題を解消することができる。
【0104】
さらに、現在までのインセルタッチセンサ技術は、その駆動方式上、数多い共通電圧を一々反転補償することができない(特定ポイント補償の際、他の所の過補償が発生するので、実質的に反転補償をすることができない)という点を考慮して、反転補償無しでも偏差の問題を解消することができる。
【0105】
以上で説明した内容を通じて、当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲により決められるべきであろう。