(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る情報提供装置、情報出力装置、および情報出力装置の制御プログラムについて説明する。本発明の情報提供装置は、情報出力装置が出力する通知メッセージを生成し、情報出力装置に送信する。また、本発明の情報出力装置は、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等の端末装置や、車両、飛行機、または船舶等の移動体に搭載された装置等、種々のものに適用可能であるが、以下の説明では、携帯電話に適用されたものとする。
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140について説明する、
【0015】
[携帯電話1の構成および機能]
図1は、第1実施形態に係る携帯電話1の外観構成例である。携帯電話1は、タッチパネル10と、各種操作キー12と、スピーカ14と、各種機能部を内蔵した筐体20とを備える。なお、本実施形態の携帯電話1は、他の態様、例えば折りたたみ式やスライド式の筐体を備える携帯電話であってもよい。
【0016】
図2は、携帯電話1の機能構成例である。また、
図3は、携帯電話1の通信環境を示す図である。
【0017】
図2に示すように、携帯電話1は、タッチパネル10、操作キー12、およびスピーカ14の他、外部電力によって充電され、携帯電話1全体に電力を供給するバッテリ16と、制御装置30とを備える。
【0018】
図4は、制御装置30のハードウェア構成例である。制御装置30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)30A、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置30B、ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置30C、その他の機器を備える。
【0019】
図2に示すように、制御装置30は、携帯電話1の各種機能を実現するための機能部として、GPS(Global Positioning System)演算部31と、セルラー送受信部32と、Wi−Fi送受信部33と、地図アプリ制御部34と、電波強度送信部35と、通知サービス制御部36とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、記憶装置30Cに格納されたプログラムをCPU30Aが実行することにより機能する。また、これらの機能部のうち一部は、A/D変換器やIC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェア機能部を含んでもよく、或いはハードウェア機能部のみで構成されてもよい。また、携帯電話1は、GPSアンテナ31Aと、セルラーアンテナ32Aと、Wi−Fiアンテナ33Aとを備える。携帯電話1は、上記各専用アンテナに代えて、専用アンテナの一部または全部を統合した共用アンテナを備えてもよい。
【0020】
CPU30Aが実行するプログラムは、例えば、セルラーアンテナ32AやWi−Fiアンテナ33Aを用いて、
図3に示す通信ネットワークにアクセスすることにより取得され、制御装置30の記憶装置30Cに格納される。また、CPU30Aが実行するプログラムは、携帯電話1の出荷時に、予め記憶装置30Cに格納されていてもよい。また、CPU30Aが実行するプログラムは、まず、当該プログラムを携帯電話1に配信する配信元のサーバ(例えば、サービスサーバ140である)に格納される。配信元のサーバは、例えば、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROM、HDD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フラッシュメモリ等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に格納されたプログラムを読み取り、内部のデータベース等に記憶させる。
【0021】
図3に示すように、GPS演算部31は、GPSアンテナ31Aにより受信された、複数のGPS衛星100から到来する電波に含まれる情報に基づき、携帯電話1の位置を算出する。GPS演算部31は、例えば、GPSアンテナ31Aが受信した信号から航法メッセージを取り出して各GPS衛星100の位置と擬似距離を算出し、これらに基づいて携帯電話1の位置を算出する。また、GPS演算部31は、A−GPS(Assisted GPS)と称される技術を採用してもよい。この場合、GPS演算部31は、GPS衛星100の位置に関する演算を行う代わりに、セルラー送受信部32およびセルラーアンテナ32Aを介して基地局110の内部コンピュータが保持するGPS衛星100の位置を取得し、これを用いて携帯電話1の位置演算を行う。
【0022】
セルラー送受信部32は、セルラーアンテナ32Aを用いて、複数の基地局110およびインターネット等のネットワーク130を介して、サービスサーバ140や位置情報サーバ150との間で通信を行う。複数の基地局110は、地域をセル状に分割してそれぞれのセルに配置されている。セルラー送受信部32は、セルラーアンテナ32Aが受信した信号に対してA/D変換やフーリエ変換などの処理を行って、所望の周波数帯域の信号を抽出し、復号などを行って受信データを取得し、他の機能部に提供する。また、セルラー送受信部32は、他の機能部が生成した送信データを適切なプロトコルに変換し、セルラーアンテナ32Aに送信させる。サービスサーバ140は、例えば複数のサーバを含むサーバ群であってよい。
【0023】
Wi−Fi送受信部33は、Wi−Fiアンテナ33Aを用いて、複数のWi−Fiアクセスポイント120およびネットワーク130を介してサービスサーバ140や位置情報サーバ150との間で通信を行う。Wi−Fiアクセスポイント120としては、公共の施設、或いは任意の場所に設置されたWi−Fiルータ等が挙げられる。
【0024】
地図アプリ制御部34は、携帯電話1においてユーザが利用する地図アプリを制御する。地図アプリ制御部34は、例えば、地図アプリの起動時、地図アプリの表示画面のリフレッシュ操作がなされたとき等に、GPS演算部31の演算結果等により得られる携帯電話1の位置を、セルラー送受信部32およびセルラーアンテナ32A、またはWi−Fi送受信部33およびWi−Fiアンテナ33Aを介して地図サーバ160に送信する。地図サーバ160は、携帯電話1の位置を中心とした地図の画像を生成し、携帯電話1に返信する。地図アプリ制御部34は、地図サーバ160から受信した地図の画像を、タッチパネル10に表示させる。
【0025】
ここで、携帯電話1の位置は、Wi−Fi通信の相手先であるWi−Fiアクセスポイント120、或いは周囲に電波を発信しているWi−Fiアクセスポイント120の識別情報(例えば、MACアドレスやIPアドレス)を位置情報サーバ150に送信することにより取得することもできる。この場合、位置情報サーバ150は、識別情報と位置の対応表を検索して取得したWi−Fiアクセスポイント120の位置を、携帯電話1に送信する。地図アプリ制御部34は、例えば、通信の相手先である複数のWi−Fiアクセスポイント120から受信される電波の強度を比較する事で携帯電話1と各アクセスポイントとの間の距離を推定し、三角測量の原理で携帯電話1の位置を導出する(係る演算は位置情報サーバ150等が行ってもよい)。また、地図アプリ制御部34は、単に電波強度が最も強いWi−Fiアクセスポイント120の位置を、携帯電話1の位置とみなしてもよい。また、携帯電話1の位置は、加速度センサやジャイロセンサなどの検出値に基づき、INS(Inertial Navigation System;慣性航法装置)の原理によって導出してもよい。INSとは、既知の位置に対して加速度ベクトルを二回、時間積分することによって逐次位置を演算する技術である。
【0026】
電波強度送信部35は、例えば、所定周期(例えば数分〜数時間程度おきに)で、Wi−Fi通信の相手先であるWi−Fiアクセスポイント120から受信した電波の強度(電波強度)と、当該Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報とをWi−Fi送受信部33から取得し、サービスサーバ140に送信する。電波の強度は、受信電力によって測定される。
【0027】
通知サービス制御部36は、サービスサーバ140から送られて来るメッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する。
【0028】
[サービスサーバ140の構成および機能]
図5は、サービスサーバ140のハードウェア構成および機能構成を例示した図である。サービスサーバ140は、例えば、CPU140A、メモリ装置140B、記憶装置140C、ドライブ装置140D、入力装置140E、出力装置140F、通信インターフェース140G等を備える。メモリ装置140Bは、例えば、RAMである。記憶装置140Cは、例えば、ROMやHDD、SSD等である。入力装置140Eは、例えば、マウス、キーボード、マイク、タッチパネル等であり、出力装置140Fは、例えば、表示装置やスピーカである。通信インターフェース140Gは、例えばネットワークカードであり、ネットワーク130、および基地局110またはWi−Fiアクセスポイント120を介して携帯電話1と通信する。
【0029】
サービスサーバ140は、記憶装置140C等に格納されたプログラムを実行することにより機能する機能部として、情報生成部141を備える。また、サービスサーバ140は、記憶装置140C等に、位置関係判定用テーブル142、ユーザ情報143、通知メッセージテーブル144を格納している。CPU140Aが実行するプログラムは、例えば、プログラムを格納した記憶媒体140Hがドライブ装置140Dに装着されることによって読み取られ、記憶装置140C等に格納される。記憶媒体140Hとしては、例えば、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、USBメモリ等が挙げられる。また、CPU140Aが実行するプログラムは、ネットワーク130および通信インターフェース140Gを介して他のコンピュータから取得されてもよいし、サービスサーバ140の稼働開始時に、予め記憶装置140Cに格納されていてもよい。
【0030】
情報生成部141は、携帯電話1から送られてくる電波強度とWi−Fiアクセスポイント120の識別情報に基づき、携帯電話1と複数の領域との位置関係、具体的には、携帯電話1が、電波強度についての閾値で決定される複数の領域のいずれかの内側に存在するか否かを判定する。
【0031】
そして、情報生成部141は、携帯電話1と複数の領域との位置関係に基づいて、携帯電話1が出力する情報を生成し、生成した情報を、通信インターフェース140Gを用いて携帯電話1に送信する。複数の領域は、例えば、デパート、店舗、イベント会場などの商業エリア(以下、対象エリアと称する)の内側や周辺などに設定され、最も狭い第1の領域と、第1の領域を取り囲む第2の領域と、第2の領域を取り囲む第3の領域と、‥というように、段階的に設定される。なお、「取り囲む」とは、必ずしも360度ぐるりと取り囲むものである必要はなく、例えば第1の領域の外縁部の一部が第2の領域に接しないことも許容される。
【0032】
図6は、Wi−Fiアクセスポイント120(1)を中心として設定される複数の領域と、それぞれの領域の境界線で携帯電話1が受信する電波の強度を例示した図である。
図6中、領域A1_Xは、対象エリアである。対象エリアの外縁部は、外壁、柵、塀などである。以下、Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報を、Wi−Fiアクセスポイント120の後に続く括弧内に示すことがある。
図6において、B1は、第1の領域A1_1の外縁部における電波の強度であり、B2は、第2の領域A1_2の外縁部における電波の強度であり、B3は、第1の領域A1_3の外縁部における電波の強度である。ここで、B1>B2>B3である。
図6に示すように、携帯電話1がWi−Fiアクセスポイント120から受信する電波の強度は、Wi−Fiアクセスポイント120に近い程強くなり、Wi−Fiアクセスポイント120から遠ざかる程弱くなる。
【0033】
第1の領域A1_1は、例えば、対象エリア(領域A1_X)の中に設置されたWi−Fiアクセスポイント120を中心とした半径数[m]〜十数[m]程度の領域である。Wi−Fiアクセスポイント120は、例えば、対象エリア内の特定箇所(レジコーナー、特売店舗など)に設置される。携帯電話1がレジコーナーに設置されたWi−Fiアクセスポイント120を中心とした第1の領域A1_1内に存在する場合、携帯電話1のユーザが支払いをしようとしていると推測される。
【0034】
第2の領域A1_2は、例えば、広がりが対象エリア(領域A1_X)と略一致する領域である。第2の領域A1_2は、
図6に示すように一部が領域A1_Xの外側にはみ出す領域であってもよいし、領域A1_Xに内側から接する領域であってもよい。携帯電話1が第2の領域A1_2内に存在する場合、携帯電話1のユーザが対象エリア内に居ると推測される。なお、実際には、対象エリアの壁面が電波を減衰させること等により、第2の領域A1_2の外縁部の形状は、
図6に示す形状よりも領域A1_Xに沿った形状となり得る。
【0035】
第3の領域A1_3は、例えば、第2の領域A1_2を囲繞する任意の広さの領域である。第3の領域A1_3は、領域内に存在する携帯電話1のユーザが、これから対象エリアに向かう可能性が高いと判断できる程度の広さ(例えば、(幅が数[m]〜百[m]程度の広さ))を有する。携帯電話1が第3の領域A1_3内に存在する場合、携帯電話1のユーザがこれから対象エリアに向かうところであるか、或いは対象エリアから退出した直後であると推測される。
【0036】
なお、第1の領域A1_1の半径が3[m]程度であり、第2の領域A1_2の半径が10[m]程度であり、第3の領域A1_3の半径が30[m]程度であれば、電波強度は、それぞれB1=−50[dBm]、B2=−70[dBm]、B3=−90[dBm]程度となり得る。
【0037】
図7は、位置関係判定用テーブル142として格納されるデータの一例である。情報生成部141は、位置関係判定用テーブル142からWi−Fiアクセスポイント120の識別情報に対応する複数の閾値を抽出し、携帯電話1が受信した電波の強度と閾値とを比較して、携帯電話1が領域内に存在するか否かを判定する。
図6および
図7の例では、情報生成部141は、Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報が「1」である場合、電波の強度が閾値B1以上であれば、「携帯電話1が領域A1_1内に存在する」と判定し、領域A1_1に対応する情報を携帯電話1に送信する。また、情報生成部141は、電波の強度が閾値B2以上B1未満であれば、「携帯電話1が領域A1_2内に存在する」と判定し、領域A1_2に対応する情報を携帯電話1に送信する。また、情報生成部141は、電波の強度が閾値B3以上B2未満であれば、「携帯電話1が領域A1_3内に存在する」と判定し、領域A1_3に対応する情報を携帯電話1に送信する。
なお、上記に限らず、電波の強度がB1以上であれば、「領域A1_1に対応する情報」、「領域A1_2に対応する情報」、「領域A1_3に対応する情報」の全てが送信され、電波の強度がB2以上であれば、「領域A1_1に対応する情報」、および「領域A1_2に対応する情報」が送信され、電波の強度がB3以上であれば、「領域A1_3に対応する情報」が送信されてもよい。このように、閾値と提供される情報の関係は、任意に決定することができる。
【0038】
ユーザ情報143は、携帯電話1の識別情報に対応付けられたユーザの性別、年齢、職業、住所、趣味等の属性情報である。これらの情報は、ユーザが携帯電話1等に入力した情報に基づいて、予め記憶装置140C等に格納されている。なお、このようなユーザの属性を考慮せず、各ユーザに同じメッセージを送信しても構わない。また、ユーザ情報143を省略しても構わない。
【0039】
図8は、携帯電話1およびサービスサーバ140(情報生成部141)により実行されるフローチャートの一例である。
図8のフローチャートに示す手順は、例えば、繰り返し実行される。
図8のフローチャートの手順は、位置関係判定用テーブル142に登録された対象エリアが複数存在する場合には、対象エリア毎に行われてよい。
【0040】
まず、携帯電話1の電波強度送信部35は、Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度を送信する送信タイミングが到来するまで待機し、送信タイミングが到来すると、これらの情報をサービスサーバ140に送信する(ステップS200、S202)。
【0041】
次に、情報生成部141は、携帯電話1の識別情報を用いてユーザ情報143を検索し、携帯電話1の識別情報に対応付けられた属性情報を取得する(ステップS204)。なお、携帯電話1の識別情報は、Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報や電波強度を送信する際のプロトコルに含まれているものを利用してよい。また、属性情報を考慮しない場合、本ステップの処理を省略してよい。
【0042】
次に、サービスサーバ140の情報生成部141は、携帯電話1から受信したWi−Fiアクセスポイント120の識別情報で位置関係判定用テーブル142を検索し、複数の閾値を取得する(ステップS206)。
【0043】
次に、情報生成部141は、受信した電波強度が閾値1以上であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0044】
受信した電波強度が閾値1以上である場合、情報生成部141は、ユーザが特定箇所に近接している場合の通知メッセージを、通知メッセージテーブル144から取得する(ステップS210)。そして、情報生成部141は、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信するように通信インターフェース140Gを制御する(ステップS212)。携帯電話1では、通知サービス制御部36が、受信した通知メッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する(ステップS214)。
【0045】
図9は、通知メッセージテーブル144として格納されるデータの一例である。
図9に示すように、通知メッセージテーブル144には、電波強度が閾値1以上である場合、すなわちユーザが特定箇所に近接している場合の通知メッセージ、電波強度が閾値2以上閾値1未満である場合、すなわちユーザが特定箇所に近接していないが対象エリア内にいる場合の通知メッセージ、電波強度が閾値3以上閾値2未満である場合、すなわちユーザが対象エリア外であるが対象エリアに近い場所にいる場合の通知メッセージなどが格納されている。ユーザが特定箇所に近接している場合の通知メッセージは、特定箇所の運営者などが、任意に設定することができる。例えば、コンビニエンスストアAでは「ご来店ありがとうございます」、コンビニエンスストアBでは「ようこそ」など、通知メッセージは任意に設定可能である。ユーザが特定箇所に近接している場合の通知メッセージとしては、例えば特定箇所がレジコーナーである場合、「ポイントカードはお持ちでしょうか?」など、支払いを円滑にするためのメッセージが設定される。なお、
図9では、通知メッセージテーブル144が、属性情報毎に、電波強度の閾値を3種類設定しているように示したが、これはあくまで一例であり、通知メッセージテーブル144は、電波強度と通知メッセージの関係を規定するものであれば、任意に設定することができる。
【0046】
図8に戻り、フローチャートの説明を続行する。受信した電波強度が閾値1未満である場合、情報生成部141は、受信した電波強度が閾値2以上であるか否かを判定する(ステップS216)。受信した電波強度が閾値2以上である場合、情報生成部141は、ユーザが特定箇所に近接していないが対象エリア内にいる場合の通知メッセージを、通知メッセージテーブル144から取得する(ステップS218)。そして、情報生成部141は、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信するように通信インターフェース140Gを制御する(ステップS212)。携帯電話1では、通知サービス制御部36が、受信した通知メッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する(ステップS214)。ユーザが特定箇所に近接していないが対象エリア内にいる場合の通知メッセージとしては、例えば「ご来店ありがとうございます」などのメッセージが出力される。
【0047】
受信した電波強度が閾値2未満である場合、情報生成部141は、受信した電波強度が閾値3以上であるか否かを判定する(ステップS220)。受信した電波強度が閾値3以上である場合、情報生成部141は、ユーザが対象エリア外であるが対象エリアの近くにいる場合の通知メッセージを、通知メッセージテーブル144から取得する(ステップS222)。そして、情報生成部141は、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信するように通信インターフェース140Gを制御する(ステップS212)。携帯電話1では、通知サービス制御部36が、受信した通知メッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する(ステップS214)。ユーザが対象エリア外であるが対象エリアの近くにいる場合の通知メッセージとしては、例えば「本日2倍キャンペーン実施中です」などのメッセージが出力される。
【0048】
受信した電波強度が閾値3未満である場合、情報生成部141は、何も処理を行わず、
図8のフローチャートの処理を終了してよい。
【0049】
なお、
図8のフローチャートに代えて、例えば所定周期で、サービスサーバ140からWi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度を送信するように携帯電話1に要求し、携帯電話1がWi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度を返信するという処理の流れが採用されてもよい。また、
図8のフローチャートの処理に代えて、事前に(例えば1時間に1回)、サービスサーバ140が保持する情報(例えば、電波強度に対する閾値や、エリアに応じた通知メッセージの内容)を携帯電話1に送信しておき、電波強度を閾値と比較する処理や通知メッセージを生成する処理を、携帯電話1側で行ってもよい。
【0050】
図10は、携帯電話1を保持するユーザが、対象エリア外から対象エリア内に進入する際のタッチパネル10の表示画面変化を例示した図である。
図10(A)は、対象エリア内に設置されたWi−Fiアクセスポイント120からの電波強度が閾値3未満である場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。また、
図10(B)は、電波強度が閾値3以上2閾値未満である場合の、
図10(C)は、電波強度が閾値2以上1閾値未満である場合の、
図10(D)は、電波強度が閾値1以上である場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。
【0051】
このように、携帯電話1のユーザは、目的とする店舗等に近づくに連れて、自分がいる場所に応じた適切な通知メッセージを受け取ることができる。従って、本実施形態の携帯電話1およびサービスサーバ140は、携帯電話1と、対象エリアの内部または周辺に設定された複数の領域との位置関係に応じた適切な通知メッセージを提供することができる。
【0052】
以上説明した本実施形態の携帯電話1およびサービスサーバ140によれば、携帯電話1と、対象エリアの内部または周辺に設定された複数の領域との位置関係に応じた適切な通知メッセージを提供することができる。
【0053】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140について説明する、携帯電話1の構成および機能については、第1実施形態と基本的には同じであるため、説明を省略する。
【0054】
図11は、第2実施形態に係るサービスサーバ140のハードウェア構成および機能構成を例示した図である。第2実施形態に係るサービスサーバ140は、第1実施形態が有する構成要素に加えて、判定結果履歴情報145を記憶装置140C等に格納している。
【0055】
判定結果履歴情報145は、携帯電話1毎に収集される情報であり、過去に行われた電波強度と閾値に関する判定結果を格納した情報である。
図12は、判定結果履歴情報145として格納されるデータの一例である。
【0056】
そして、第2実施形態に係る情報生成部141は、携帯電話1が複数の領域内に存在するか否かだけでなく、領域間の移動方向を加味して、通知メッセージを生成する。
【0057】
図13は、第2実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140(情報生成部141)により実行されるフローチャートの一例である。
図13のフローチャートに示す手順は、例えば、繰り返し実行される。
図13のフローチャートの手順は、位置関係判定用テーブル142に登録された対象エリアが複数存在する場合には、対象エリア毎に行われてよい。
【0058】
携帯電話1の電波強度送信部35が、Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度を送信する送信タイミングが到来するまで待機し、送信タイミングが到来すると、これらの情報をサービスサーバ140に送信する(ステップS300、S302)。
【0059】
次に、情報生成部141は、携帯電話1の識別情報を用いてユーザ情報143を検索し、携帯電話1の識別情報に対応付けられた属性情報を取得する(ステップS304)。なお、携帯電話1の識別情報は、Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報や電波強度を送信する際のプロトコルに含まれているものを利用してよい。また、属性情報を考慮しない場合、本ステップの処理を省略してよい。
【0060】
次に、サービスサーバ140の情報生成部141は、携帯電話1から受信したWi−Fiアクセスポイント120の識別情報で位置関係判定用テーブル142を検索し、複数の閾値を取得する(ステップS306)。
【0061】
次に、情報生成部141は、受信した電波強度が閾値1以上であるか否かを判定する(ステップS308)。
【0062】
受信した電波強度が閾値1以上である場合、情報生成部141は、ユーザが特定箇所に近接している場合の通知メッセージを、通知メッセージテーブル144から取得する(ステップS310)。そして、情報生成部141は、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信するように通信インターフェース140Gを制御する(ステップS312)。更に、情報生成部141は、電波強度に関する判定結果(閾値1以上)を、例えば時刻と共に判定結果履歴情報145に格納する(ステップS314)。携帯電話1では、通知サービス制御部36が、受信した通知メッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する(ステップS316)。ユーザが特定箇所に近接している場合の通知メッセージとしては、例えば特定箇所がレジコーナーである場合、「ポイントカードはお持ちでしょうか?」など、支払いを円滑にするためのメッセージが出力される。
【0063】
受信した電波強度が閾値1未満である場合、情報生成部141は、受信した電波強度が閾値2以上であるか否かを判定する(ステップS318)。受信した電波強度が閾値2以上である場合、情報生成部141は、ユーザが特定箇所に近接していないが対象エリア内にいる場合の通知メッセージを、通知メッセージテーブル144から取得する(ステップS320)。そして、情報生成部141は、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信するように通信インターフェース140Gを制御する(ステップS312)。更に、情報生成部141は、電波強度に関する判定結果(閾値2以上閾値1未満)を、例えば時刻と共に判定結果履歴情報145に格納する(ステップS314)。携帯電話1では、通知サービス制御部36が、受信した通知メッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する(ステップS316)。ユーザが特定箇所に近接していないが対象エリア内にいる場合の通知メッセージとしては、例えば「ご来店ありがとうございます」などのメッセージが出力される。
【0064】
受信した電波強度が閾値2未満である場合、情報生成部141は、受信した電波強度が閾値3以上であるか否かを判定する(ステップS322)。受信した電波強度が閾値3以上である場合、情報生成部141は、更に、判定結果履歴情報145を参照し、当該携帯電話1が、過去の所定時間以内に「閾値2以上閾値1未満」という判定結果を得ていたか否かを判定する(ステップS324)。
【0065】
当該携帯電話1が、過去の所定時間以内に「閾値2以上閾値1未満」という判定結果を得ていた場合、この携帯電話1は、対象エリア内から対象エリア外に退出したところであると推測される。従って、情報生成部141は、対象エリアからの退出時の通知メッセージを、通知メッセージテーブル144から取得する(ステップS326)。そして、情報生成部141は、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信するように通信インターフェース140Gを制御する(ステップS312)。更に、情報生成部141は、電波強度に関する判定結果(閾値3以上閾値2未満)を、例えば時刻と共に判定結果履歴情報145に格納する(ステップS314)。携帯電話1では、通知サービス制御部36が、受信した通知メッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する(ステップS316)。対象エリアからの退出時の通知メッセージとしては、例えば「またのご来店をお待ちしております。」などのメッセージが出力される。
【0066】
一方、過去の所定時間以内に「閾値2以上閾値1未満」という判定結果を得ていなかった場合、この携帯電話1は、対象エリアの近くにいるが、未だ対象エリア内に進入していないと推測される。従って、情報生成部141は、ユーザが対象エリア外であるが対象エリアの近くにいる場合の通知メッセージを、通知メッセージテーブル144から取得する(ステップS328)。そして、情報生成部141は、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信するように通信インターフェース140Gを制御する(ステップS312)。更に、情報生成部141は、電波強度に関する判定結果(閾値3以上閾値2未満)を、例えば時刻と共に判定結果履歴情報145に格納する(ステップS314)。携帯電話1では、通知サービス制御部36が、受信した通知メッセージを出力するように、タッチパネル10やスピーカ14などを制御する(ステップS316)。ユーザが対象エリア外であるが対象エリアの近くにいる場合の通知メッセージとしては、例えば「本日2倍キャンペーン実施中です」などのメッセージが出力される。
【0067】
受信した電波強度が閾値3未満である場合、情報生成部141は、何も処理を行わず、
図13のフローチャートの処理を終了してよい。
【0068】
なお、
図13のフローチャートに代えて、例えば所定周期で、サービスサーバ140からWi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度を送信するように携帯電話1に要求し、携帯電話1がWi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度を返信するという処理の流れが採用されてもよい。また、
図13のフローチャートにおいて、受信した電波強度が閾値2以上である場合に、過去の所定時間以内に「閾値1以上」という判定結果を得ていた場合と、得ていなかった場合とで異なる通知メッセージを携帯電話1に送信してもよい。
【0069】
図14は、携帯電話1を保持するユーザが、対象エリア外から対象エリア内に進入し、対象エリアから退出する際のタッチパネル10の表示画面変化を例示した図である。
図14(A)は、対象エリア内に設置されたWi−Fiアクセスポイント120からの電波強度が閾値3未満である場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。また、
図14(B)は、電波強度が閾値3以上2閾値未満であり且つ過去の所定時間以内に「閾値2以上閾値1未満」という判定結果を得ていなかった場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。また、
図14(C)は、電波強度が閾値2以上1閾値未満であり且つ過去の所定時間以内に「閾値1以上」という判定結果を得ていなかった場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。また、
図14(D)は、電波強度が閾値1以上である場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。また、
図14(E)は、電波強度が閾値2以上1閾値未満であり且つ過去の所定時間以内に「閾値1以上」という判定結果を得ていた場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。また、
図14(F)は、電波強度が閾値3以上2閾値未満であり且つ過去の所定時間以内に「閾値2以上閾値1未満」という判定結果を得ていた場合のタッチパネル10の表示画面の一例である。
【0070】
このように、携帯電話1のユーザは、目的とする店舗等に近づくに連れて、また店舗等から遠ざかるに連れて、自分がいる場所に応じた適切な通知メッセージを受け取ることができる。従って、本実施形態の携帯電話1およびサービスサーバ140は、携帯電話1と、対象エリアの内部または周辺に設定された複数の領域との位置関係に応じた、更に適切な通知メッセージを提供することができる。
【0071】
以上説明した本実施形態の携帯電話1およびサービスサーバ140によれば、携帯電話1と、対象エリアの内部または周辺に設定された複数の領域との位置関係に応じた、更に適切な通知メッセージを提供することができる。
【0072】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140について説明する。
【0073】
第3実施形態に係る携帯電話1の電波強度送信部35は、捕捉した複数のWi−Fiアクセスポイント120から受信した電波の強度(電波強度)と、当該Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報とをWi−Fi送受信部33から取得し、サービスサーバ140に送信する。
【0074】
第3実施形態に係るサービスサーバ140は、携帯電話1が複数のWi−Fiアクセスポイント120から受信した電波の強度に基づき、携帯電話1の位置判定を、より正確に行う。
【0075】
図15は、対象エリアA2に複数のWi−Fiアクセスポイント120(1〜3)が設置された様子を示す図である。
図15に示すように、対象エリアA2_Xの入口E1付近に、Wi−Fiアクセスポイント120(2)、(3)の例えば通信可能領域A2_2とA2_3の重複部分A2_2*3を設定しておけば、携帯電話1が対象エリアA2に進入したことを、より正確なタイミングで検知することができる。従って、第3実施形態に係るサービスサーバ140の情報生成部141は、携帯電話1からWi−Fiアクセスポイント120の識別情報(2、3)とそれぞれの電波強度が送られて来た場合には、入店時の通知メッセージ(「いらっしゃいませ」等)を生成して携帯電話1に送信する。
【0076】
また、第3実施形態に係るサービスサーバ140は、携帯電話1の地図アプリ制御部34について説明したように、複数のWi−Fiアクセスポイント120から携帯電話1が受信した電波の強度に基づき三角測量演算等を行うことにより、携帯電話1の位置判定を行ってもよい。
【0077】
第3実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140によれば、第1実施形態や第2実施形態が奏する効果に加えて、携帯電話1の位置判定を、より正確に行うことができる。
【0078】
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140について説明する。
【0079】
第4実施形態に係るサービスサーバ140は、対象エリアに関連する他のエリアに設置されたWi−Fiアクセスポイント120の識別情報が送られて来たときに、対象エリアへの経路等についての通知メッセージを生成して携帯電話1に送信する。対象エリアに関連する他のエリアとしては、例えば、対象エリアがデパートである場合、駐車場などのエリアが挙げられる。
【0080】
図16は、対象エリアA4と、対象エリアに関連する他のエリアA4_1との位置関係を示す図である。対象エリアA4と、他のエリアA4_1のそれぞれに、例えばWi−Fiアクセスポイント120(4)と、Wi−Fiアクセスポイント120(4_1)が設置される。この場合、サービスサーバ140は、Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報(4_1)が送られて来たときに、例えば「○○デパートは、右手に進み、最初の角を左です。」といった通知メッセージを生成して携帯電話1に送信する。携帯電話1では、通知メッセージがタッチパネル10やスピーカ14によって出力されるため、携帯電話1のユーザは、○○デパートまでの道のりを容易に知ることができる。
【0081】
また、
図16に示す場合、過去の所定時間以内にWi−Fiアクセスポイント120の識別情報(4_1)が送られて来ていれば(すなわち駐車場にいた場合には)、対象エリアA4からの退出時に、駐車場における出庫方法(駐車料金精算方法等)の案内を通知メッセージとして出力してよい。一方、過去の所定時間以内にWi−Fiアクセスポイント120の識別情報(4_1)が送られて来ていなければ、駐車場における出庫方法の案内を出力しない。
【0082】
第4実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140によれば、対象エリアだけでなく、対象エリアに関連する他のエリアからの経路についての情報を提供することができる。
【0083】
<第5実施形態>
以下、本発明の第5実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140について説明する。
【0084】
図17は、第5実施形態に係る携帯電話1の機能構成例である。第5実施形態に係る携帯電話1は、第1〜第4実施形態における電波強度送信部35に代えて、位置関係判定部40を備える。また、第5実施形態に係る携帯電話1は、記憶装置30C等に、位置関係判定用テーブル41を格納している。位置関係判定部40は、第1〜第4実施形態における情報生成部141と同様に、電波強度に関する判定を行う機能を有する。そして、携帯電話1からサービスサーバ140には、「Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度」ではなく、「Wi−Fiアクセスポイント120の識別情報と電波強度に関する判定結果(「閾値1以上閾値2未満」等)が送信される。これに応じてサービスサーバ140は、携帯電話1のユーザのユーザ情報143に基づく属性情報と、判定結果を用いて通知メッセージテーブル144を検索し、取得した通知メッセージを携帯電話1に送信する。
【0085】
第5実施形態に係る携帯電話1およびサービスサーバ140によれば、第1〜第4実施形態と同様、携帯電話1と、対象エリアの内部または周辺に設定された複数の領域との位置関係に応じた適切な通知メッセージを提供することができる。
【0086】
<その他>
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0087】
また、実施形態で説明したWi−Fi通信は、通信方式の一例であり、通信相手の位置を取得可能な通信方式であれば、Wi−Fi通信に代えて如何なる方式の通信方式を採用してもよい。