(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
磁気ヘッドを搭載するスライダに対して、厚み方向に投影したときに、前記スライダと重複する重複部分と、前記スライダから突出する突出部分とが形成されるように搭載される電子素子を備えるスライダユニットを搭載するための回路付サスペンション基板であって、
前記回路付サスペンション基板には、前記厚み方向を貫通し、前記重複部分を収容する第1開口部と、
前記第1開口部に連通し、前記突出部分を収容する第2開口部と
が形成され、
金属支持基板と、
前記金属支持基板の上に形成されるベース絶縁層と、
前記ベース絶縁層の上に形成され、前記磁気ヘッドおよび前記電子素子と電気的に接続される導体パターンと
をさらに備え、
前記金属支持基板には、前記厚み方向に貫通する支持開口部が形成され、
前記第1開口部は、前記ベース絶縁層の前記厚み方向を貫通し、かつ、前記厚み方向に投影したときに、前記支持開口部と重複するように区画され、
前記第2開口部は、前記ベース絶縁層において前記第1開口部に臨む端部の下側部分が切り欠かれることにより、形成され、かつ、前記厚み方向に投影したときに、前記支持開口部と重複するように区画され、
前記ベース絶縁層には、前記ベース絶縁層の前記厚み方向を貫通するベース貫通孔が形成され、
前記導体パターンは、前記電子素子と電気的に接続するための素子側端子を備え、
前記ベース貫通孔には、前記素子側端子の一部が充填され、
前記ベース貫通孔に充填された前記素子側端子の下面は、前記ベース貫通孔から下側に露出しており、かつ、前記電子素子における前記突出部分と前記素子側端子とを電気的に接続可能なように、配置されている
ことを特徴とする、回路付サスペンション基板。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の回路付サスペンション基板の一実施形態の平面図、
図2は、
図1に示す回路付サスペンション基板の実装部の拡大平面図、
図3は、
図1に示す回路付サスペンション基板の実装部の拡大底面図、
図4は、
図2に示す実装部を上側から見た斜視図、
図5は、
図3に示す実装部を下側から見た斜視図、
図6は、
図2のA−A線に沿う回路付サスペンション基板の断面図、
図7は、
図2のB−B線に沿う回路付サスペンション基板の断面図、
図8は、
図2のC−C線に沿う回路付サスペンション基板の断面図、
図9は、
図2のD−D線に沿う回路付サスペンション基板の断面図、
図10は、
図8に示す回路付サスペンション基板の製造方法を説明する工程図、
図11は、スライダユニットを搭載した実装部を上側から見た斜視図、
図12は、スライダユニットを搭載した実装部を下側から見た斜視図を示す。
【0018】
なお、
図1および
図2において、後述するカバー絶縁層9は、後述する金属支持基板6、ベース絶縁層7および導体パターン8の相対配置を明確に示すために省略している
図1および
図9において、この回路付サスペンション基板1は、磁気ヘッド2を搭載するスライダ3および電子素子としての発光素子4を搭載するスライダユニット5を搭載して、光アシスト法を採用するハードディスクドライブに用いられる。
【0019】
この回路付サスペンション基板1では、
図1に示すように、金属支持基板6に、導体パターン8が支持されている。
【0020】
金属支持基板6は、長手方向に延びる平帯状に形成されており、長手方向他方側(以下、後側という。)に配置される配線部11と、配線部11の長手方向一方側(以下、先側という。)に配置される実装部12とを一体的に備えている。
【0021】
配線部11は、先後方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。この配線部11は、下面がロードビーム(図示せず)に搭載されて支持される領域として形成されている。
【0022】
実装部12は、配線部11がロードビームに実装されたときに、ロードビームに搭載されることなく、下面がロードビームから露出する領域として形成されている。具体的には、実装部12は、回路付サスペンション基板1における、スライダユニット5(
図2の仮想線参照)が実装される領域として形成されている。実装部12は、具体的には、配線部11の先端から連続して形成されており、配線部11に対して幅方向(先後方向に直交する方向)両外側に膨出する平面視略矩形状に形成されている。
【0023】
実装部12は、先後方向に投影したときに、配線部11から幅方向両外側に膨出するアウトリガー部13と、アウトリガー部13の内側に形成される搭載領域14と、アウトリガー部13および搭載領域14の先側に形成される配線折返部25とに区画されている。
【0024】
アウトリガー部13は、実装部12において導体パターン8の信号配線15および電源配線26(後述)が設けられ、先後方向に延びる平面視略矩形状の領域である。
【0025】
搭載領域14は、実装部12の幅方向中央および先後方向中央に配置され、平面視略矩形状に形成されている。また、搭載領域14の先後方向中央には、支持開口部16が形成されている。
【0026】
支持開口部16は、金属支持基板6の厚み方向を貫通するように、平面視略矩形状に形成されている。
【0027】
また、搭載領域14には、支持開口部16の先端部に端子形成領域17が区画されている。
【0028】
端子形成領域17は、幅方向に沿って延びる平面視略矩形状であって、ヘッド側端子18および素子側端子24(後述)が形成される領域とされている。
【0029】
導体パターン8は、第1導体パターン20および第2導体パターン21を備えている。
【0030】
第1導体パターン20は、ヘッド側端子18と、外部側端子19と、これらヘッド側端子18および外部側端子19を接続するための信号配線15とを一体的に備えている。
【0031】
信号配線15は、配線部11において、先後方向に沿って複数(6本)設けられ、幅方向において互いに間隔を隔てて並列配置されている。
【0032】
実装部12において、各信号配線15は、アウトリガー部13の先端から配線折返部25の幅方向両外側部に至った後、配線折返部25において、幅方向内側に向かって延び、その後、さらに後側に折り返され、配線折返部25の幅方向中央部から後側に向かって延び、端子形成領域17のヘッド側端子18の先端部に至るように配置されている。
【0033】
外部側端子19は、配線部11の後端部に配置され、各信号配線15の後端部がそれぞれ接続されるように、複数(6つ)設けられている。また、この外部側端子19は、幅方向に互いに間隔を隔てて配置されている。外部側端子19には、図示しないリード・ライト基板などの外部回路基板(図示せず)が接続される。
【0034】
ヘッド側端子18は、実装部12の端子形成領域17に配置されている。ヘッド側端子18は、各信号配線15の先端部がそれぞれ接続されるように、複数(6つ)設けられている。より具体的には、各ヘッド側端子18は、幅方向において互いに間隔を隔てて配置されている。
【0035】
ヘッド側端子18の上面には、
図9が参照されるように、磁気ヘッド2がはんだボール22を介して電気的に接続される。
【0036】
第1導体パターン20では、
図1および
図9に示すように、外部回路基板(図示せず)から伝達されるライト信号を、外部側端子19、信号配線15およびヘッド側端子18を介して、磁気ヘッド2に入力するとともに、磁気ヘッド2で読み取ったリード信号を、ヘッド側端子18、信号配線15および外部側端子19を介して、外部回路基板(図示せず)に入力する。
【0037】
第2導体パターン21は、供給側端子23と、素子側端子24と、これら供給側端子23および素子側端子24を接続するための電源配線26とを備えている。
【0038】
電源配線26は、配線部11において、幅方向に信号配線15と間隔を隔てて配置され、先後方向に延びるように形成されている。具体的には、電源配線26は、幅方向最他方側の信号配線15と幅方向他方側に間隔を隔てて配置されている。
【0039】
電源配線26は、実装部12において、幅方向最他方側の信号配線15の幅方向他方側に間隔を隔てて配置されている。また、電源配線26は、アウトリガー部13において、幅方向最他方側の信号配線15の幅方向他方側に間隔を隔てて配置されている。また、電源配線26は、配線折返部25において、幅方向内側(一方側)に内側に向かって延び、その後、さらに後側に折り返され、配線折返部25の幅方向中央部から後側に向かって延び、端子形成領域17の素子側端子24の先端部に至るように配置されている。
【0040】
供給側端子23は、外部側端子19と間隔を隔てて配置されている。具体的には、供給側端子23は、幅方向最他方側の外部側端子19と幅方向他方側に間隔を隔てて配置されている。
【0041】
素子側端子24は、端子形成領域17の幅方向中央に配置されており、ヘッド側端子18と幅方向に間隔を隔てて配置されている。より具体的には、素子側端子24は、幅方向内側の2つのヘッド側端子18の内側に間隔を隔てて配置されている。
【0042】
図2に示すように、素子側端子24は、幅方向に投影したときに、後端部が、ヘッド側端子18と重複するように形成されている。具体的には、素子側端子24の後端縁は、ヘッド側端子18の後端縁より先側に配置されるとともに、素子側端子24の先端縁は、ヘッド側端子18の先端縁より先側に配置されている。
【0043】
素子側端子24の下面には、
図8に示すように、発光素子4が、はんだボール22を介して電気的に接続される。
【0044】
第2導体パターン21では、
図1が参照されるように、電源(図示せず)から供給される電気エネルギーを、供給側端子23、電源配線26および素子側端子24を介して、発光素子4(
図8参照)に供給することにより、発光素子4から高エネルギーの光を出射させる。
【0045】
また、
図6および
図7に示すように、この回路付サスペンション基板1は、金属支持基板6と、金属支持基板6の上に形成される絶縁層としてのベース絶縁層7と、ベース絶縁層7の上に形成される導体パターン8と、ベース絶縁層7の上に、導体パターン8を被覆するように形成されるカバー絶縁層9とを備えている。
【0046】
金属支持基板6は、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属材料(導体材料)から形成されている。好ましくは、ステンレスから形成されている。金属支持基板6の厚みは、例えば、10〜50μm、好ましくは、15〜25μmである。
【0047】
ベース絶縁層7は、
図1に示すように、配線部11および実装部12にわたって配置され、導体パターン8が形成される部分に対応するように形成されている。具体的には、
図1および
図2に示すように、ベース絶縁層7は、金属支持基板6の周端縁と、実装部12における支持開口部16の後端縁および幅方向両端縁(先端縁を除く)を露出するパターンに形成されている。また、ベース絶縁層7は、搭載領域14における金属支持基板6を平面視略矩形状に露出するパターンに形成されている。
【0048】
ベース絶縁層7は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料から形成されている。好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0049】
ベース絶縁層7の厚みは、例えば、6〜17μm、好ましくは、8〜12μmである。
【0050】
導体パターン8は、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの導体材料などから形成されている。好ましくは、銅から形成されている。
【0051】
導体パターン8の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0052】
図1に示される各信号配線15および電源配線26の幅は、例えば、8〜300μm、好ましくは、10〜200μmである。また、各信号配線15間の間隔は、例えば、8〜2000μm、好ましくは、10〜1000μmである。また、電源配線26と幅方向最他方側の信号配線15との間隔は、例えば、8〜2000μm、好ましくは、10〜1000μmである。
【0053】
また、各ヘッド側端子18、各外部側端子19、供給側端子23および素子側端子24の幅は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。また、各ヘッド側端子18間の間隔と、各外部側端子19間の間隔と、供給側端子23および幅方向最他方側の外部側端子19間の間隔と、素子側端子24および幅方向内側の2つのヘッド側端子18間の間隔とは、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。
【0054】
カバー絶縁層9は、配線部11および実装部12にわたって配置され、
図6および
図7に示すように、導体パターン8が形成される部分に対応するように配置されている。具体的には、カバー絶縁層9は、信号配線15および電源配線26を被覆し、ヘッド側端子18、外部側端子19(
図1参照)、供給側端子23(
図1参照)および素子側端子24を露出するパターンに形成されている。
【0055】
カバー絶縁層9は、上記したベース絶縁層7の絶縁材料と同様の絶縁材料から形成されている。カバー絶縁層9の厚みは、例えば、1〜40μm、好ましくは、1〜10μmである。
【0056】
次に、端子形成領域17およびその周辺部について、詳述する。
【0057】
端子形成領域17は、
図3〜
図5に示すように、金属支持基板6の支持開口部16から露出するベース絶縁層7が設けられる領域である。
【0058】
図2および
図4に示すように、端子形成領域17におけるベース絶縁層7には、ヘッド側端子18および素子側端子24が形成されている。
【0059】
また、
図4および
図9に示すように、端子形成領域17およびその幅方向両外側におけるベース絶縁層7には、ベース絶縁層7の後端部の上側部分が幅方向にわたって切り欠かれた上切欠部31が形成されている。上切欠部31は、側断面視略矩形状をなし、ヘッド側端子18および素子側端子24の後側に間隔を隔てて形成されている。また、上切欠部31の幅は、支持開口部16の幅より大きく形成されており、具体的には、
図4に示すように、厚み方向に投影したときに、支持開口部16の幅方向両端面を横切るように形成されている。
【0060】
ベース絶縁層7を、先後方向に投影したときに、上切欠部31と重複する部分が、上側部分33とされ、上切欠部31と重複せず、上側部分33の下側に形成される部分が、下側部分34とされている。
【0061】
また、
図5および
図8に示すように、端子形成領域17におけるベース絶縁層7の幅方向中央部分には、下側部分34が先後方向に切り欠かれた下切欠部27が形成されている。すなわち、下切欠部27は、支持開口部16に臨むベース絶縁層7の後端部の下側部分34を底面視略矩形状に切り欠くように、形成されている。また、下切欠部27は、支持開口部16に連通するように形成されている。また、下切欠部27は、支持開口部16に臨むベース絶縁層7の先側端縁がわずかに残存するように、下側部分34を切り欠いている。また、
図7に示すように、下切欠部27は、正断面視略矩形状に形成されている。
【0062】
また、
図4に示すように、ベース絶縁層7の下切欠部27において、上側部分33に被覆される部分が先側部分55(破線)とされ、上側部分33から露出される部分が、後側部分56とされている。後側部分56は、先側部分55の後側に隣接し、かつ、連通しており、厚み方向を貫通する平面視略矩形状に形成されている。
【0063】
そして、
図3に示すように、下切欠部27、すなわち、先側部分55および後側部分56が、後で詳述する発光素子4を収容する第2開口部46を形成する。
【0064】
また、上側部分33には、
図5および
図7に示すように、端子形成領域17における先後方向中央であって、先側部分55と厚み方向に重複する部分において、ベース貫通孔28が形成されている。ベース貫通孔28は、上側部分33の厚み方向を貫通し、平面視略円形状に形成されている。
【0065】
また、ベース貫通孔28には、素子側端子24の一部が充填されている。すなわち、
図4および
図8に示すように、素子側端子24は、ベース貫通孔28内に充填される充填部29と、充填部29の周端部から上側および外側に膨出する膨出部30とを一体的に備えている。
【0066】
充填部29の下面は、ベース貫通孔28から下側に露出しており、充填部29の周囲の上側部分33の下面と面方向(先後方向および幅方向)において面一に形成されている。
【0067】
支持開口部16内において、
図3に示すように、下側部分34の後端面から後側の領域が、後述する発光素子4の本体部39を収容する第1開口部43を形成する。
【0068】
端子形成領域17およびその周辺部におけるベース絶縁層7の寸法は、適宜選択され、
図4に示すように、例えば、上側部分33の厚み(すなわち、上切欠部31の厚み)T1は、例えば、1〜14μm、好ましくは、2〜10μmであり、下側部分34の厚み(すなわち、下切欠部27の厚み)T2は、ベース絶縁層7の厚みから上側部分33の厚みT1を差し引いた値であって、具体的には、1〜16μm、好ましくは、2〜10μmである。
【0069】
また、
図5に示すように、下切欠部27の先後方向長さL1は、例えば、30〜300μm、好ましくは、40〜200μmであり、幅L3は、例えば、50〜500μm、好ましくは、100〜300μmである。
【0070】
また、この回路付サスペンション基板1は、
図2に示すように、台座35をさらに備えている。
【0071】
台座35は、搭載領域14の後側部分に設けられ、より具体的には、支持開口部16の後側に間隔を隔てて配置されており、幅方向に互いに間隔を隔てて複数(2つ)設けられている。
【0072】
各台座35は、幅方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0073】
台座35は、ベース絶縁層7と同様の絶縁材料から形成されている。
【0074】
台座35の厚みT4は、
図9に示すように、ベース絶縁層7の厚み(T1+T2)より薄く形成されており、具体的には、下側部分34の厚みT2と同一である。
【0075】
次に、回路付サスペンション基板1の製造方法について
図10を参照して説明する。
【0076】
この方法では、
図10(a)に示すように、まず、平板状の金属支持基板6を用意する。
【0077】
次いで、この方法では、
図10(b)に示すように、ベース絶縁層7を、上切欠部31(
図4および
図9参照)が形成される上記したパターンで、金属支持基板6の上面に形成する。
【0078】
具体的には、金属支持基板6の上面全面に、感光性の絶縁材料のワニスを塗布して乾燥させた後、露光(具体的には、階調露光)および現像して、加熱硬化することによりベース絶縁層7を、上記したパターンで形成する。
【0079】
また、充填部29(後述する
図10(c)参照)に対応する部分には、周囲よりも厚みが薄い凹部50が形成されている。
【0080】
なお、ベース絶縁層7には、下切欠部27(後述する
図10(f)参照)がまだ形成されていない。
【0081】
また、ベース絶縁層7の形成と同時に、台座35を上記したパターンで金属支持基板6の上面に形成する。
【0082】
次いで、この方法では、
図10(c)に示すように、導体パターン8をアディティブ法またはサブトラクティブ法などにより、凹部50を含むベース絶縁層7の上に形成する。
【0083】
次いで、
図10(d)に示すように、カバー絶縁層9を、ベース絶縁層7の上に上記したパターンで形成する。
【0084】
具体的には、導体パターン8を含むベース絶縁層7の上面全面に、感光性の絶縁材料のワニスを塗布して乾燥させた後、露光および現像して、加熱硬化することによりカバー絶縁層9を上記したパターンで形成する。
【0085】
次いで、
図10(e)に示すように、支持開口部16を金属支持基板6に形成する。
【0086】
支持開口部16は、例えば、ドライエッチングやウェットエッチングなどのエッチング法、例えば、ドリル穿孔、レーザ加工などにより、形成する。好ましくは、ウェットエッチングにより形成する。
【0087】
これにより、端子形成領域17のベース絶縁層7の下面を露出させる。
【0088】
次いで、
図10(f)に示すように、下切欠部27をベース絶縁層7に形成する。
【0089】
具体的には、端子形成領域17のベース絶縁層7の中央部の下側部分34を、ドライエッチングやウェットエッチングなどのエッチング法、例えば、ドリル穿孔、レーザ加工などにより、除去する。
【0090】
これにより、凹部50の周囲の下側部分34が除去されることによって、充填部29が充填されるベース貫通孔28が形成され、それによって、ベース貫通孔28から充填部29の下面が露出する。
【0091】
これによって、素子側端子24が形成される。
【0092】
これにより、回路付サスペンション基板1を得る。
【0093】
そして、この回路付サスペンション基板1には、
図2、
図3および
図8の仮想線で示すように、スライダユニット5が搭載される。
【0094】
スライダユニット5は、スライダ3と、発光素子4とを備える。
【0095】
また、スライダ3は、
図8の仮想線で示すように、ハードディスクドライブにおける磁気ディスク38に対して、相対的に走行しながら、微小間隔を隔てて浮上するように、搭載領域14における金属支持基板6に設けられている。スライダ3は、側断面視略矩形状をなし、
図2および
図9に示すように、厚み方向を投影したときに、支持開口部16、その後側の搭載領域14、および、下側部分34の後端部を被覆する平面視略矩形状に形成されている。また、
図9および
図11に示すように、スライダ3の先端部は、上切欠部31に嵌合するように、下側部分34の上面に当接(接触)している。
【0096】
また、スライダ3の後端部は、台座35の上面に支持されている。つまり、スライダ3の後端部は、金属支持基板6の上に、それらの間に台座35が介在するように、設置されている。
【0097】
また、スライダ3は、
図8および
図9に示すように、磁気ヘッド2、光導波路36および近接場光発生部材37を搭載している。
【0098】
磁気ヘッド2は、スライダ3の先端部の上側部分に形成されており、
図9の仮想線で示す磁気ディスク38に対向し、磁気ディスク38に対して、読み取りおよび書き込みできるように設けられている。
【0099】
光導波路36は、
図8に示すように、次に説明する発光素子4の上側に設けられ、厚み方向に沿って延びるように形成されている。
【0100】
また、光導波路36の上端には、近接場光発生部材37が設けられている。光導波路36は、発光素子4から出射される光を近接場光発生部材37に入射させる。
【0101】
近接場光発生部材37は、光導波路36の上側に設けられている。なお、近接場光発生部材37は、金属散乱体や開口などからなり、例えば、特開2007−280572号公報、特開2007−052918号公報、特開2007−207349号公報、特開2008−130106号公報などに記載される、公知の近接場光発生装置が採用される。
【0102】
近接場光発生部材37は、光導波路36から入射される光から近接場光を発生させ、この近接場光を磁気ディスク38に照射して、磁気ディスク38の微小な領域を加熱する。
【0103】
発光素子4は、光導波路36に光を入射させるための光源であって、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換して、高エネルギーの光を出射口から出射する光源である。
【0104】
発光素子4は、スライダ3の下面に設けられている。詳しくは、
図2および
図3の破線で示すように、発光素子4は、底面視略T字状をなし、幅方向に延びる底面視略矩形状の本体部39と、本体部39の幅方向中央から先側に向かって突出する突出部40とを一体的に備えている。
【0105】
本体部39は、厚み方向に投影したときにスライダ3に含まれるように配置されており、具体的には、
図8および
図9に示すように、スライダ3の先側部分の下面に設置されている。
【0106】
図2および
図3に示すように、突出部40の後側部分41は、厚み方向に投影したときにスライダ3に含まれるように、スライダ3の下面に設置されている。一方、突出部40の先側部分42は、スライダ3から露出するように、スライダ3の先端面から先側に突出して形成されている。つまり、先側部分42は、スライダ3から突出する突出部分47とされている。
【0107】
本体部39および突出部40の後側部分41は、厚み方向に投影したときに、スライダと重複する重複部分45とされている。
【0108】
一方、突出部40の先側部分42は、
図3および
図12に示すように、ベース絶縁層7の下切欠部27内に収容されるように配置されている。
【0109】
先側部分42は、
図3に示すように、ベース絶縁層7における下切欠部27を幅方向で挟む下側部分34の間に、下側部分34と間隔を隔てて配置されている。また、先側部分42の上端面は、
図8に示すように、上側部分33の下面に当接(面接触)している。
【0110】
図12に示すように、突出部40の幅L4は、下切欠部27の幅L3(
図5参照)に対して小さく形成され、例えば、90%以下、好ましくは、80%以下であり、また、50%以上でもあり、具体的には、50〜400μm、好ましくは、100〜300μmである。
【0111】
そして、この回路付サスペンション基板1では、
図8が参照されるように、第1開口部43が、重複部分45を収容しながら、第2開口部46が突出部分47を収容している。
【0112】
そのため、突出部分47の干渉に起因する損傷を防止することができる。
【0113】
その結果、回路付サスペンション基板1は、信頼性に優れている。
【0114】
なお、
図1の実施形態では、信号配線15、ヘッド側端子18および外部側端子19の数をそれぞれ6つで説明しているが、その数は、特に限定されず、例えば、12〜14に設定することもできる。
【0115】
また、
図2の実施形態では、素子側端子24を、端子形成領域17の幅方向中央に形成しているが、その配置は、特に限定されず、例えば、端子形成領域17の幅方向端部に形成することもできる。
【0116】
また、
図7の実施形態では、カバー絶縁層9を、素子側端子24を露出するパターンで形成しているが、例えば、図示しないが、素子側端子24を被覆するパターンで形成することもできる。
【0117】
また、
図5の実施形態では、ベース貫通孔28を、平面視略円形状に形成しているが、その平面視形状は特に限定されず、例えば、図示しないが、平面視略円形状、平面視略多角形状(具体的には、平面視略矩形状)に形成することもできる。
【0118】
さらに、
図2の実施形態では、台座35を幅方向に互いに間隔を隔てて2つ設け、それぞれを平面視略矩形状に形成しているが、台座35の数、配置および形状については、それらに特に限定されない。
【0119】
図13は、本発明の回路付サスペンション基板の他の実施形態であり、ベース絶縁層の上側部分の後端部がスライダの先側部分の先端面より後側に位置する態様であって、
図8に対応する断面図を示す。
【0120】
上記した各部に対応する部材については、以降の各図面において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0121】
図8の仮想線で示す実施形態では、スライダ3を側断面視略矩形状に形成しているが、例えば、
図13に示すように、先端部の下端部に第3開口部としてのスライダ切欠部48を形成することもできる。
【0122】
図13において、スライダ切欠部48は、スライダ3の先端面の下端部から後方に向かって側断面視略矩形状に切り欠かれており、スライダ3の幅方向全体にわたって形成されている。スライダ切欠部48は、ベース絶縁層7の上側部分33の後端部を収容できる寸法に設定されている。具体的には、スライダ切欠部48の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜35μmであり、先後方向長さは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜35μmである。
【0123】
図13の実施形態では、
図8の実施形態と同様の作用効果を奏することができ、さらに、ベース絶縁層7の上側部分33の後端部が、厚み方向に投影したときに、スライダ3の先端面より後側に位置する場合でも、それらの接触を防止して、それに起因する損傷を防止することができる。
【0124】
図14は、本発明の回路付サスペンション基板の他の実施形態の実装部の平面図、
図15は、
図14に示す実装部の底面図、
図16は、
図14に示す実装部の側断面図、
図17は、
図16に示す回路付サスペンション基板の製造方法を説明する工程図を示す。
【0125】
図8の実施形態では、素子側端子24を導体パターン8に形成しているが、例えば、
図16に示すように、支持端子52を金属支持基板6と同一層で形成することもできる。
【0126】
図14において、第2導体パターン21は、電源配線26と電気的に接続される第1導通部53を備えている。第1導通部53は、
図8の素子側端子24と同一形状に形成されている。第1導通部53の上面は、
図16に示すように、カバー絶縁層9に被覆されている。第1導通部53の下端には、支持端子52が設けられている。
【0127】
支持端子52は、ベース貫通孔28から露出する第1導通部53の下面、および、第1導通部53の周囲のベース絶縁層7の下面に形成されている。支持端子52は、
図15に示すように、先後方向に長い底面視略矩形状をなし、周囲の金属支持基板6と間隔を隔てて配置されている。
【0128】
支持端子52は、金属支持基板6を形成する金属材料と同様の金属材料(導体材料)から形成されており、
図16に示すように、その厚みは、金属支持基板6の厚みと同一である。
【0129】
支持端子52は、第1導通部53を介して、電源配線26と電気的に接続されている。一方、支持端子52は、周囲の金属支持基板6と絶縁されている。
【0130】
なお、
図16において図示しないが、支持端子52の表面(下面および側面)に、例えば、金、ニッケルなどの金属からなる金属薄層を適宜の厚みで形成することもできる。
【0131】
図15に示すように、支持開口部16は、先端面の幅方向中央が先側に向かって底面視略矩形状に突出する突出部54が形成される底面視略凸字形状に形成されている。突出部54の幅方向内側には、支持端子52が形成されている。また、
図15および
図16に示すように、支持端子52の後端面は、厚み方向において、下切欠部27の先端面と面一に形成されている。
【0132】
次に、
図16に示す回路付サスペンション基板1を製造する方法について、
図17を参照して説明する。
【0133】
この方法では、
図17(a)に示すように、まず、平板状の金属支持基板6を用意する。
【0134】
次いで、この方法では、
図17(b)に示すように、ベース絶縁層7を、上切欠部31(
図9参照)およびベース貫通孔28が形成される上記したパターンで、金属支持基板6の上面に形成する。
【0135】
次いで、この方法では、
図17(c)に示すように、第1導通部53を含む導体パターン8をベース絶縁層7の上面およびベース貫通孔28の内側面に形成する。
【0136】
次いで、
図17(d)に示すように、カバー絶縁層9を、少なくとも第1導通部53を被覆するように形成する。
【0137】
次いで、
図17(e)に示すように、支持開口部16を金属支持基板6に形成する。
【0138】
これによって、支持端子52を形成する。
【0139】
次いで、
図17(f)に示すように、下切欠部27をベース絶縁層7に形成する。
【0140】
これにより、回路付サスペンション基板1を得る。
【0141】
そして、
図16の仮想線で示すように、発光素子4が、はんだボール22を介して支持端子52と電気的に接続されるように、スライダユニット5を回路付サスペンション基板1に搭載する。
【0142】
図14〜
図17の実施形態は、
図1〜
図12の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0143】
なお、
図16の実施形態では、カバー絶縁層9を、第1導通部53を被覆するように形成しているが、例えば、図示しないが、第1導通部53を露出するように形成することもできる。
【0144】
図18は、本発明の回路付サスペンション基板の他の実施形態の実装部の平面図、
図19は、
図18に示す実装部の底面図、
図20は、本発明の回路付サスペンション基板の他の実施形態の実装部の平面図、
図21は、
図20に示す実装部の底面図を示す。
図22は、本発明の回路付サスペンション基板の他の実施形態(上切欠部が形成されない態様)の実装部を上側から見た斜視図を示し、
図4に対応する図である。
図23は、
図22に示す回路付サスペンション基板にスライダユニットが搭載された状態の断面図を示し、
図9に対応する図である。
【0145】
図14および
図15の実施形態では、第1導通部53および支持端子52のそれぞれを、1つずつ設けているが、それらの数は、特に限定されず、例えば、複数設けることができ、具体的には、
図18および
図19に示すように、3つずつ設けることもできる。
【0146】
図18において、3つの第1導通部53は、配線折返部25に設けられており、具体的には、幅方向および長手方向おいて間隔を隔てて設けられている。
【0147】
図19に示すように、支持端子52は、3つの第1導通部53(
図18参照)に対応して3つ設けられており、3つの支持端子52は、幅方向に互いに間隔を隔てて配置されている。3つの支持端子52のそれぞれでは、先端部が、3つの第1導通部53のそれぞれと厚み方向に対向するとともに、後端面が、幅方向に投影したときに、互いに同一位置となるように配置されている。
【0148】
図18および
図19の実施形態は、
図14〜
図16の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0149】
また、
図20および
図21に示すように、支持端子52および素子側端子24を併用して、それらを設けることもできる。
【0150】
図20において、第1導通部53および素子側端子24は、先後方向および幅方向に互いに間隔を隔てて整列配置されている。第1導通部53は、2つ設けられており、先後方向に投影したときに、素子側端子24を幅方向に挟むように配置されている。また、2つの第1導通部53は、幅方向に投影したときに、支持端子52の先側に間隔を隔てて配置されている。
【0151】
図21に示すように、支持端子52は、2つの第1導通部53に対応して2つ設けられており、2つの支持端子52は、幅方向に互いに間隔を隔てて配置されている。また、支持端子52は、第1導通部53を幅方向に挟むように配置されている。
【0152】
支持端子52は、ベース絶縁層7の下側部分34に設けられている。また、下切欠部27は、下側部分34の幅方向中央部を先後方向にわたって切り欠いている。
【0153】
図20および
図21の実施形態は、
図1〜
図12、
図18および
図19の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0154】
また、
図4および
図9の実施形態では、ベース絶縁層7に上切欠部31を形成しているが、例えば、
図22および
図23に示すように、ベース絶縁層7に上切欠部31を形成することなく、端子形成領域17におけるベース絶縁層7の後端部を、支持開口部16に臨む側断面視略矩形状に形成することもできる。
【0155】
図22および
図23に示すように、端子形成領域17におけるベース絶縁層7の後端面および上端面のそれぞれは、平坦状に形成されている。
【0156】
図22および
図23の実施形態では、ベース絶縁層7を幅方向に投影したときに、下切欠部27(
図23において図示せず)と重なる部分が、下側部分34とされ、下切欠部27と重ならず、下切欠部27および下側部分34の上側に形成される部分が、上側部分33とされている。
【0157】
上側部分33は、下切欠部27を被覆するとともに、下側部分34と連続して形成されている。
【0158】
下側部分34は、下切欠部27の幅方向両側において、下切欠部27を幅方向に挟むように形成されている。
【0159】
また、上側部分33と下側部分34とは、厚み方向において面一に形成されている。
【0160】
また、
図23の仮想線で示すように、回路付サスペンション基板1にスライダユニット5が搭載されると、スライダ3の先端部は、端子形成領域17におけるベース絶縁層7の後端面と先後方向に微小な間隔を隔てるように位置する。
【0161】
図22および
図23の実施形態によっても、
図4および
図9の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0162】
図24は、本発明の回路付サスペンション基板の他の実施形態の実装部の平面図、
図25は、
図24のE−E線に沿う回路付サスペンション基板の断面図、
図26は、
図24のF−F線に沿う回路付サスペンション基板の断面図、
図27は、
図24のG−G線に沿う回路付サスペンション基板の断面図、
図28は、
図24のH−H線に沿う回路付サスペンション基板の断面図を示す。
【0163】
図25に示すように、ベース絶縁層7を、第1ベース絶縁層71および第2ベース絶縁層72の2層から形成することもできる。
【0164】
図25に示すように、ベース絶縁層7は、金属支持基板6の上に形成される第1ベース絶縁層71と、第1ベース絶縁層71の上に形成される第2ベース絶縁層72とを備える。
【0165】
図27に示すように、第1ベース絶縁層71には、下切欠部27が形成されている。
【0166】
図26に示すように、第2ベース絶縁層72は、電源配線26の下側部32(後述)の下面を被覆するように形成されている。また、第2ベース絶縁層72の上には、カバー絶縁層9が形成されている。
【0167】
図28に示すように、ヘッド側端子18および信号配線15を含む第1導体パターン20は、第2ベース絶縁層72の上面全面に形成されている。
【0168】
図26に示すように、第2導体パターン21における電源配線26は、第2ベース絶縁層72の上面に形成される上側部49と、第1ベース絶縁層71の上面に形成される下側部32と一体的に備えている。
【0169】
下側部32は、第1ベース絶縁層71およびカバー絶縁層9の間に挟まれるように形成されている。上側部49は、第2ベース絶縁層72およびカバー絶縁層9の間に挟まれるように形成されている。
図24および
図26に示すように、上側部49および下側部32は、配線折返部25の幅方向他方側端部と中央部との間に配置される平面視略円形状の第2導通部57を介して、厚み方向に電気的に接続されている。つまり、下側部32は、第2導通部57から左側に連続して延びるように形成され、上側部49は、第2導通部57から右側に連続して延びるように形成されている。
【0170】
図27に示すように、素子側端子24は、先端部が、第1ベース絶縁層71の上面に形成される一方、後端部が、第1ベース絶縁層71から露出するように形成されている。具体的には、素子側端子24は、断面視において、その先後方向途中が、第1ベース絶縁層71の後端面に沿って形成され、その後、素子側端子24の後端部が、第1ベース絶縁層71の後端面から後側に突出するように、形成されている。また、素子側端子24の後端部の下面は、第1ベース絶縁層71における下切欠部27の上面と面一に形成されている。
【0171】
図24〜
図28の実施形態によっても、
図1〜
図12の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、
図24〜
図28の実施形態によれば、素子側端子24(
図27参照)とヘッド側端子18(
図28参照)とがそれぞれ別のベース絶縁層7に形成されており、具体的には、
図27に示すように、素子側端子24(の先端部)が、第1ベース絶縁層71の上に形成される一方、
図28に示すように、ヘッド側端子18が、第2ベース絶縁層72の上に形成されている。そのため、素子側端子24とヘッド側端子18との設計の自由度を向上させ、ひいては、それらに接続される磁気ヘッド2を搭載するスライダ3と発光素子4との配置の自由度を向上させることができる。
【0172】
図29は、本発明の回路付サスペンション基板の他の実施形態の実装部の平面図、
図30は、
図29のI−I線に沿う回路付サスペンション基板の断面図を示す。
【0173】
図24〜
図28の実施形態実施形態では、
図24および
図25が参照されるように、素子側端子24とヘッド側端子18とを、厚み方向に投影したときに、それらが互いに重ならないように配置しているが、例えば、
図29に示すように、それらが互いに重なるように配置することもできる。
【0174】
図29の破線で示すように、素子側端子24は、幅方向他方側部分(右側部分)のうち、最も幅方向中央側(左側)に配置されるヘッド側端子18aと、厚み方向に投影したときに、部分的に重なるように、配置されている。具体的には、厚み方向に投影したときに、素子側端子24の幅方向他端部(右端部)が、ヘッド側端子18aの幅方向一端部(左端部)と、重なり、また、
図29および
図30に示すように、厚み方向に投影したときに、素子側端子24の後端部が、ヘッド側端子18の先端部とが重なっている。
【0175】
また、第2ベース絶縁層72には、下切欠部27が形成されている。
【0176】
図29および
図30の実施形態によれば、素子側端子24とヘッド側端子18とを厚み方向に投影したときに重ならせているので、素子側端子24とヘッド側端子18とのそれぞれの高密度化、ひいては、第1導体パターン20および第2導体パターン21のそれぞれの高密度化を図ることができる。