特許第6104015号(P6104015)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6104015汚泥掻き寄せ機及びそれに装備されるシュー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104015
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】汚泥掻き寄せ機及びそれに装備されるシュー
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/18 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   B01D21/18 G
   B01D21/18 A
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-73360(P2013-73360)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-195786(P2014-195786A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2015年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 桂史
【審査官】 金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−168198(JP,A)
【文献】 実開昭63−077604(JP,U)
【文献】 特開平11−005005(JP,A)
【文献】 特開2003−117310(JP,A)
【文献】 実開昭53−053868(JP,U)
【文献】 実開昭60−009506(JP,U)
【文献】 特開昭58−207909(JP,A)
【文献】 特開昭58−210806(JP,A)
【文献】 実開昭62−183502(JP,U)
【文献】 実開昭58−190405(JP,U)
【文献】 米国特許第5511649(US,A)
【文献】 米国特許第6305555(US,B1)
【文献】 米国特許第4663042(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00−21/34
B65G 19/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥処理水域の底面側と水面側とに亘る循環移動経路に沿って駆動される複数の無端回動体に、汚泥処理水域の底面に沿って汚泥を所定箇所に掻き寄せる複数のフライトが横架され、
前記各フライトには、前記循環移動経路に沿って配設された移動案内レールに摺接するシューが設けられている汚泥掻き寄せ機であって、
前記シューと前記フライトのシュー取付け部との相対向する部位には、前記循環移動経路に対する交差方向からスライド嵌合自在な嵌合手段が設けられ、この嵌合手段で所定嵌合位置に嵌合操作されている前記シューと前記フライトのシュー取付け部との嵌合離脱移動を阻止するロック手段が設けられており、
前記シューを前記所定嵌合位置に仮止め状態で係合保持する仮止め係合手段が設けられており、
前記仮止め係合手段によって前記シューを前記所定嵌合位置に仮止めした後、前記ロック手段によって前記シューを固定するように構成されている汚泥掻き寄せ機。
【請求項2】
前記嵌合手段のスライド嵌合方向が、前記フライトの長手方向に設定されている請求項1記載の汚泥掻き寄せ機。
【請求項3】
前記嵌合手段が、前記シューに形成された嵌合部と前記フライトのシュー取付け部に形成された被嵌合部から構成されているとともに、前記ロック手段には、前記嵌合部と前記被嵌合部とのスライド嵌合方向に対して交差する方向から係合装着することにより、所定嵌合位置にある前記嵌合部と前記被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止するロック部材が備えられている請求項1又は2記載の汚泥掻き寄せ機。
【請求項4】
汚泥処理水域の底面側と水面側とに亘る循環移動経路に沿って駆動される複数の無端回動体に、汚泥処理水域の底面に沿って汚泥を所定箇所に掻き寄せる複数のフライトが横架され、
前記各フライトには、前記循環移動経路に沿って配設された移動案内レールに摺接するシューが設けられている汚泥掻き寄せ機であって、
前記シューと前記フライトのシュー取付け部との相対向する部位には、前記循環移動経路に対する交差方向からスライド嵌合自在な嵌合手段が設けられ、この嵌合手段で所定嵌合位置に嵌合操作されている前記シューと前記フライトのシュー取付け部との嵌合離脱移動を阻止するロック手段が設けられており、
前記嵌合手段が、前記シューに形成された嵌合部と前記フライトのシュー取付け部に形成された被嵌合部から構成されているとともに、前記ロック手段には、前記嵌合部と前記被嵌合部とのスライド嵌合方向に対して交差する方向から係合装着することにより、所定嵌合位置にある前記嵌合部と前記被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止するロック部材が備えられており、
前記シューと前記ロック部材とを互いに異なる色彩に構成するとともに、前記シューには、前記ロック部材が臨む部位に摺接面の摩耗状態を確認するためのゲージ凹部又はゲージ孔が形成されている汚泥掻き寄せ機。
【請求項5】
汚泥処理水域の底面側と水面側とに亘る循環移動経路に沿って駆動される複数の無端回動体に、汚泥処理水域の底面に沿って汚泥を所定箇所に掻き寄せる複数のフライトが横架され、
前記各フライトには、前記循環移動経路に沿って配設された移動案内レールに摺接するシューが設けられている汚泥掻き寄せ機に装備される前記シューであって、
前記フライトのシュー取付け部に形成された被嵌合部に対して前記循環移動経路の交差方向からスライド嵌合する嵌合部と、当該嵌合部が所定嵌合位置にあるとき、前記シュー取付け部の被係合部と係合して前記嵌合部と前記被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止する係合部とが形成されており、前記係合部が、前記嵌合部を前記所定嵌合位置に仮止め状態で係合保持する仮止め係合手段を構成し、仮止め状態にある前記嵌合部を前記所定嵌合位置に固定するためのロック部材を装着可能に構成されている汚泥掻き寄せ機用のシュー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥処理水域の底面側と水面側とに亘る循環移動経路に沿って駆動される複数の無端回動体に、汚泥処理水域の底面に沿って汚泥を所定箇所に掻き寄せる複数のフライトが横架され、前記各フライトには、前記循環移動経路に沿って配設された移動案内レールに摺接するシューが設けられている汚泥掻き寄せ機及びそれに装備されるシューに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の汚泥掻き寄せ機では、一般に、下水処理場の沈澱池等の汚泥処理水域の底面側及び水面側に移動案内レールを配設して、無端回動体の駆動回動に伴って移動するフライトのシューの摺接面を移動案内レールに沿って摺接案内させることにより、汚泥処理水域の底面側の往行移動経路部においては、沈降・堆積している汚泥を底面に沿って所定箇所に形成されている排出溝等に確実に掻き寄せることができ、汚泥処理水域の水面側の復行移動経路部においては、浮上したスカムを所定箇所の排出部に確実に掻き寄せることができる。
【0003】
そして、従来では、シューを、循環移動方向となる前後方向長がフライトの厚みと同一で、且つ、循環移動方向に対して直交する左右方向の幅が移動案内レールの幅よりも大に構成された摺接板部と、これの前端からフライトの前側面に沿ってL字状に屈曲する取付け板部とから構成するとともに、取付け板部の左右方向に箇所には、シューをフライトにボルトで締め付け固定するためのボルト挿通孔が貫通形成されている。
【0004】
また、フライトのシュー取付け箇所には、シューのボルト挿通孔に挿通したボルトが螺合されるネジ穴を形成し、シューをフライトの前側面とそれに連続する摺接側端面とに当て付けた状態でボルトにてフライトに締め付け固定している(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−32603号公報
【特許文献2】特開平11−5005号公報
【特許文献3】特開2003−117310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の汚泥掻き寄せ機では、フライトとシューとを複数本のボルトで強固に締結しているため、一定量摩耗したシューを交換する際の取付け、取外し作業に手間がかかる。
【0007】
特に、シューがナイロンなどの吸水性の高い材料から製作されている場合には、汚泥処理水域中で長時間の稼働に伴ってシューの含水率が高くなり、この吸水によってシューの寸法変化が生じるとともに柔らかくなる。そのため、フライトとシューとの取付けが不安定になり、運転時の荷重に耐えることができなくなる可能性がある。
【0008】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、シュー交換時の取付け、取外し作業の容易化を図りながらシューのガタツキ発生を抑制することのできる汚泥掻き寄せ機及びそれに装備されるシューを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による第1の特徴構成は、汚泥処理水域の底面側と水面側とに亘る循環移動経路に沿って駆動される複数の無端回動体に、汚泥処理水域の底面に沿って汚泥を所定箇所に掻き寄せる複数のフライトが横架され、
前記各フライトには、前記循環移動経路に沿って配設された移動案内レールに摺接するシューが設けられている汚泥掻き寄せ機であって、
前記シューと前記フライトのシュー取付け部との相対向する部位には、前記循環移動経路に対する交差方向からスライド嵌合自在な嵌合手段が設けられ、この嵌合手段で所定嵌合位置に嵌合操作されている前記シューと前記フライトのシュー取付け部との嵌合離脱移動を阻止するロック手段が設けられており、
前記シューを前記所定嵌合位置に仮止め状態で係合保持する仮止め係合手段が設けられており、前記仮止め係合手段によって前記シューを前記所定嵌合位置に仮止めした後、前記ロック手段によって前記シューを固定するように構成されている点にある。
【0010】
上記構成によれば、シューが移動案内レールに摺接した状態での無端回動体の駆動回動に伴って繰り返し作用する各種の大きな力を、嵌合手段によって循環移動経路に対する交差方向からスライド嵌合されているシューとフライトのシュー取付け部との広いスライド嵌合面で分散して受け止めることができるので、シューとフライトのシュー取付け部とのスライド嵌合面の磨滅等を抑制することができる。
【0011】
しかも、スライド嵌合されたシューとフライトのシュー取付け部とは、ロック手段によって所定嵌合位置に保持されているので、シューとフライトのシュー取付け部との相対離脱移動に起因するフライトの掻き寄せ性能への悪影響を回避することができるとともに、ロック手段をロック解除操作するだけで、フライトのシュー取付け部からシューを抜き出すことができる。
【0012】
したがって、フライトのシュー取付け部に対するシューのスライド嵌合操作とロック手段のロック操作又はロック解除操作とを行うだけでよいので、シュー交換時の取付け、取外し作業の容易化を図りながらシューのガタツキ発生を抑制することができる。
【0013】
本発明による第2の特徴構成は、前記嵌合手段のスライド嵌合方向が、前記フライトの長手方向に設定されている点にある。
【0014】
上記構成によれば、シューが移動案内レールに摺接した状態での無端回動体の駆動回動に伴って、フライトのシュー取付け部とシューとのスライド嵌合部位に各種方向の力が作用するが、その主体は無端回動体の回動方向及び上下方向である。
そのため、上述の如く、嵌合手段のスライド嵌合方向をフライト長手方向に設定することにより、シューとフライトのシュー取付け部との相対離脱移動を簡単なロック手段で阻止することができるばかりでなく、フライトのシュー取付け部とシューとのスライド嵌合部に形成されるフライト長手方向に沿う長い嵌合面において、無端回動体の回動方向及び上下方向の力を効果的に分散して受け止めることができる。
【0015】
本発明による第3の特徴構成は、前記嵌合手段が、前記シューに形成された嵌合部と前記フライトのシュー取付け部に形成された被嵌合部から構成されているとともに、前記ロック手段には、前記嵌合部と前記被嵌合部とのスライド嵌合方向に対して交差する方向から係合装着することにより、所定嵌合位置にある前記嵌合部と前記被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止するロック部材が備えられている点にある。
【0016】
上記構成によれば、フライトのシュー取付け部にシューを取付ける場合、フライトのシュー取付け部側の被嵌合部に対してシュー側の嵌合部を循環移動経路に対する交差方向からスライド嵌合操作したのち、ロック部材をスライド嵌合方向と交差する方向から係合装着操作するだけで、所定嵌合位置にあるシューの嵌合部とフライトのシュー取付け部の被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止することができる。
【0017】
しかも、このロック部材が係合装着されたロック時には、シュー側の嵌合部とシュー取付け部側の被嵌合部との相対移動が抑えられ、ロック手段によるロックの確実化を図ることができる。
【0018】
フライトのシュー取付け部からシューを取り外す場合も、ロック部材を係合解除操作したのち、フライトのシュー取付け部側の被嵌合部に対してシュー側の嵌合部を循環移動経路に対する交差方向に引き抜き操作するだけで済む。
【0019】
したがって、シュー交換時の取付け、取外し作業の効率化、容易化を促進することができる。
【0020】
本発明による第4の特徴構成は、汚泥処理水域の底面側と水面側とに亘る循環移動経路に沿って駆動される複数の無端回動体に、汚泥処理水域の底面に沿って汚泥を所定箇所に掻き寄せる複数のフライトが横架され、
前記各フライトには、前記循環移動経路に沿って配設された移動案内レールに摺接するシューが設けられている汚泥掻き寄せ機であって、
前記シューと前記フライトのシュー取付け部との相対向する部位には、前記循環移動経路に対する交差方向からスライド嵌合自在な嵌合手段が設けられ、この嵌合手段で所定嵌合位置に嵌合操作されている前記シューと前記フライトのシュー取付け部との嵌合離脱移動を阻止するロック手段が設けられており、
前記嵌合手段が、前記シューに形成された嵌合部と前記フライトのシュー取付け部に形成された被嵌合部から構成されているとともに、前記ロック手段には、前記嵌合部と前記被嵌合部とのスライド嵌合方向に対して交差する方向から係合装着することにより、所定嵌合位置にある前記嵌合部と前記被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止するロック部材が備えられており、
前記シューと前記ロック部材とを互いに異なる色彩に構成するとともに、前記シューには、前記ロック部材が臨む部位に摺接面の摩耗状態を確認するためのゲージ凹部又はゲージ孔が形成されている点にある。
【0021】
上記構成によれば、シューにゲージ凹部が形成されている場合では、シューの摺接面の摩耗に伴ってゲージ凹部の摺接面側が開口すると、その開口を通してシューとは色彩の異なるロック部材を明確に視認することが可能となり、シューの交換時期を容易に目視確認することができる。
【0022】
また、シューにゲージ孔が形成されている場合も、シューの摺接面の摩耗に伴ってゲージ孔の摺接面側の開口がロック部材側に近接し、それによってゲージ孔の開口を通してシューとは色彩の異なるロック部材を明確に視認することが可能となり、シューの交換時期を容易に目視確認することができる。
【0023】
したがって、ロック部材の色彩をシューとは異ならせ、このロック部材に対応するシュー側にゲージ凹部又はゲージ孔を形成するだけの簡単な改良をもって、シューの交換時期を確実、容易に知ることがでる。
【0024】
本発明による第5の特徴構成は、汚泥処理水域の底面側と水面側とに亘る循環移動経路に沿って駆動される複数の無端回動体に、汚泥処理水域の底面に沿って汚泥を所定箇所に掻き寄せる複数のフライトが横架され、
前記各フライトには、前記循環移動経路に沿って配設された移動案内レールに摺接するシューが設けられている汚泥掻き寄せ機に装備される前記シューであって、
前記フライトのシュー取付け部に形成された被嵌合部に対して前記循環移動経路の交差方向からスライド嵌合する嵌合部と、当該嵌合部が所定嵌合位置にあるとき、前記シュー取付け部の被係合部と係合して前記嵌合部と前記被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止する係合部とが形成されており、前記係合部が、前記嵌合部を前記所定嵌合位置に仮止め状態で係合保持する仮止め係合手段を構成し、仮止め状態にある前記嵌合部を前記所定嵌合位置に固定するためのロック部材を装着可能に構成されている点にある。
【0025】
上記構成によれば、フライトのシュー取付け部にシューを取付ける場合、フライトのシュー取付け部側の被嵌合部に対してシュー側の嵌合部を循環移動経路に対する交差方向からスライド嵌合操作するだけで、この嵌合部が所定嵌合位置に到達したとき、シュー側の係合部がシュー取付け部側の被係合部と係合して、シュー側の嵌合部とシュー取付け部側の被嵌合部との嵌合離脱移動を阻止することができる。
【0026】
したがって、シュー交換時の取付け、取外し作業の効率化、容易化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願発明の第1実施形態の汚泥掻き寄せ機を設置した沈殿池の全体縦断面図
図2図1におけるII-II線断面図
図3図1におけるIII-III線断面図
図4】フライトのシュー取付け箇所全体の分解斜視図
図5】内周側シュー取付け部と内周側シューとの分解斜視図
図6】内周側シューを取付けた状態での内周側シュー取付け部の表面側の斜視図
図7】一方のロック部材を装着したときの内周側シュー取付け部の表面図
図8図7におけるVIII-VIII線断面図
図9図7におけるIX-IX線断面図
図10図7におけるX-X線断面図
図11】外周側シュー取付け部と外周側シューとの分解斜視図
図12図13におけるXII- XII線断面図
図13】一方のロック部材を装着したときの外周側シュー取付け部の裏面図
図14図13におけるXIV-XIV線断面図
図15】本願発明の第2実施形態を示す要部の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
図1は、汚泥掻き寄せ機の一例を示す。この汚泥掻き寄せ機Bは例えば、水処理設備における沈澱池Aの汚泥処理水域に配置される。
【0029】
この汚泥掻き寄せ機Bにおいて、汚泥掻き寄せ具としてのフライト1を回動方向に所定間隔を隔てて取り付けてある左右一対の無端チェーン(無端回動体の一例)2の夫々が、駆動回転体としての駆動スプロケット3と、従動回転体4としての第1〜第3従動スプロケット4a,4b,4cとに亘って回動自在に巻き掛けられ、駆動スプロケット3を駆動回転させる駆動装置5を設けてある。
【0030】
駆動スプロケット3は、沈澱池Aの長手方向の汚泥掻き寄せ側端部における水面WL近くに軸支され、第1従動スプロケット4aは、沈澱池Aの長手方向の略中央位置における水面WL近くに軸支され、第2,第3従動スプロケット4b,4cは、沈澱池Aの長手方向両端側における底面6近くに軸支されている。
【0031】
駆動装置5による駆動スプロケット3の駆動回転で、左右一対の無端チェーン2を駆動回動させて、各フライト1を、駆動スプロケット3,第1従動スプロケット4a,第2従動スプロケット4b,第3従動スプロケット4cの順に経由する循環移動経路Rに沿って循環移動させる。
【0032】
この循環移動経路Rのうち、第2従動スプロケット4bと第3従動スプロケット4cとの間において、汚泥処理水域の底面6側に沿って各フライト1が略水平に移動するチェーン張り側を往行移動経路部R1とし、さらに、駆動スプロケット3と第2従動スプロケット4bとの間において、汚泥処理水域の水面WL側に沿って各フライト1が略水平に移動したのち底面6側に向かって斜めに移動するチェーン緩み側を復行移動経路部R2とする。
【0033】
第2従動スプロケット4b側から第3従動スプロケット4c側に向かう往行移動経路部R1でのフライト1の水平移動により、沈澱池Aの底面6側に沈降・堆積している汚泥を沈澱池Aの底部の所定汚泥排出箇所に設けてある汚泥ピット7に掻き寄せる。
【0034】
また、駆動スプロケット3側から第1従動スプロケット4a側に向かう復行移動経路部R2でのフライト1の水平移動により、沈澱池Aの汚泥処理水域の水面WL近くに浮いているスカムをスカムスキマ(図示せず)に掻き寄せる。
【0035】
図1図2に示すように、駆動スプロケット3の上方には、駆動スプロケット3の外周に沿って無端チェーン2を案内するチェーンガイド8が設けられ、無端チェーン2が駆動スプロケット3とチェーンガイド8との間に入り込むことにより、無端チェーン2が案内される。
【0036】
フライト1は、沈降・堆積している汚泥及び浮上したスカムの掻き寄せ機能を備えた長手方向中間側のフライト本体9と、当該フライト本体9の長手方向両端部に脱着可能にボルト等で固定連結される合成樹脂製の取付け基材10とから構成されている。
【0037】
フライト1の両取付け基材10における循環移動経路Rの外周側部位には、復行移動経路部R2での移動時にチェーンガイド8が入り込む左右一対の凹部11が切欠き形成されている。
【0038】
図1に示すように、沈澱池Aの底面6には、フライト1の長手方向(左右方向)の全長よりも少し短い間隔で当該フライト1を往行移動経路部R1に沿って摺接状態で水平方向に移動案内する一対の移動案内レール(以下、底面側移動案内レールと記載する)12が設けられているとともに、フライト1の両取付け基材10における循環移動経路Rの外周側部位で、且つ、両凹部11のフライト本体9側(フライト1の長手方向中央側)に連なる外周側シュー取付け部10Aには、底面側移動案内レール12の上面に摺接する合成樹脂製(例えば、ナイロン6製)のシュー(以下、外周側シューと記載する)13が脱着可能に取付けられている。
【0039】
底面側移動案内レール12は、特に構造面及び材質面で限定はされないが、例えば、沈澱池Aの底面6に固定されたレール基材の上面に樹脂製の帯板部材を固定することにより構成されている。
【0040】
また、図1及び図3に示すように、復行移動経路部R2に沿って移動するフライト1の両取付け基材10の下方側には、フライト1の長手方向の全長に略相当する間隔で当該フライト1を復行移動経路部R2に沿って摺接状態で水平方向に移動案内する一対の移動案内レール(以下、水面側移動案内レールと記載する)14が設けられている。
【0041】
さらに、フライト1の両取付け基材10における循環移動経路Rの内周側部位で、且つ、両凹部11よりもフライト1の長手方向端部側に位置する内周側シュー取付け部10Bには、水面側移動案内レール14の上面に摺接する合成樹脂製(例えば、ナイロン6製)のシュー(以下、内周側シューと記載する)15が脱着可能に取付けられている。
【0042】
外周側シュー13及び内周側シュー15は、両取付け基材10の外周側シュー取付け部10A及び内周側シュー取付け部10Bに対するスライド嵌合操作時の向き姿勢が逆転するものの、同一形状のものが用いられている。
【0043】
また、図3に示すように、水面側移動案内レール14は、特に構造面及び材質面で限定はされないが、例えば、左右一対の樹脂製の帯板部材を沈澱池Aの側壁16に所定間隔毎に設けたブラケット17上に固定することにより構成されている。
【0044】
次に、フライト1の両取付け基材10と外周側シュー13及び内周側シュー15との取付け構造について説明する。
【0045】
図4図14に示すように、取付け基材10の外周側シュー取付け部10Aと外周側シュー13との相対向する部位、及び、取付け基材10の内周側シュー取付け部10Bと内周側シュー15との相対向する部位には、循環移動経路Rに対する交差方向の一例であるフライト1の長手方向の外方側からスライド嵌合自在な嵌合手段Cが設けられ、この嵌合手段Cで所定嵌合位置に嵌合操作されている外周側シュー13及び内周側シュー15が取付け基材10の外周側シュー取付け部10A及び内周側シュー取付け部10Bに対して嵌合離脱移動することを阻止するロック手段Dが設けられている。
【0046】
取付け基材10の外周側シュー取付け部10Aは、図4図11に示すように、取付け基材10の外周側部位における凹部11のフライト本体9側に連なる部位に、循環移動方向の前後に位置する一対の外側板部21と、この両外側板部21間のフライト長手方向中央側を閉塞する横側板部22と、両外側板部21の内面との対向間にそれぞれ凹部11側及び循環移動経路Rの外周側に開口する嵌合操作溝23を区画形成する一対の仕切り板部24とを一体形成して構成されている。
【0047】
そして、両外側板部21と横側板部22及び両仕切り板部24との連続する各端面をもって、外周側シュー13の被取付け面13aに対する水平なシュー取付け面10aが形成されている。
【0048】
取付け基材10の内周側シュー取付け部10Bは、図4図7図10に示すように、取付け基材10の内周側部位におけるフライト1の長手方向端部側の部位に、循環移動方向の前後に位置する一対の外側板部25と、この両外側板部25の内面に対面する状態でフライト長手方向に沿って平行に配置される二つの第1内側板部26と、この両第1内側板部26に対面する状態でフライト長手方向に沿って平行に配置される二つの第2内側板部27と、これら六つの側板部25、26、27を横断面視において角波形状に繋ぐ五つの繋ぎ板部28とを一体形成し、両外側板部25とこれに隣接する第1内側板部26との対向面間の各々に、フライト1の長手方向外方側及び循環移動経路Rの内周側に開口する嵌合操作溝29を形成して構成されている。
【0049】
繋ぎ板部28は、外側板部25と第1内側板部26との外周側端部同士を繋ぐ第1繋ぎ板部28Aと、第1内側板部26と第2内側板部27との内周側端部同士を繋ぐ第2繋ぎ板部28Bと、両第2内側板部27の外周側端部同士を繋ぐ第3繋ぎ板部28Cとから構成されている。
【0050】
そして、両外側板部25の内周側端面及び両第2繋ぎ板部28Bの内周側外面をもって、内周側シュー15の被取付け面15aに対する水平なシュー取付け面10bが形成されている。
【0051】
図4図11に示すように、取付け基材10の外周側シュー取付け部10Aと外周側シュー13との対向面間に形成される前記嵌合手段Cを構成するに、外周側シュー13の被取付け面13aの四か所、つまり、被取付け面13aにおける幅方向両側部(循環移動方向の両側部)で、且つ、長手方向両側部(フライト長手方向の両側部)の四か所には、外周側シュー取付け部10Aの両嵌合操作溝23に対してフライト長手方向から係入可能なスライド突起31が一体形成され、各スライド突起31における外周側シュー取付け部10Aの外側板部21の内面と対面する側面には、嵌合部の一例である横断面略台形溝状のアリ溝32が形成されている。
【0052】
さらに、外周側シュー取付け部10Aの両外側板部21の内面には、外周側シュー13のアリ溝32がフライト長手方向からスライド自在(摺動自在)に嵌合する被嵌合部の一例である横断面略台形状のアリ突起33が形成されている。
【0053】
そして、外周側シュー取付け部10Aのアリ突起33と外周側シュー13のアリ溝32とのスライド嵌合により、外周側シュー取付け部10Aに対して外周側シュー13をガタツキの無い状態でスライド操作することができる。
【0054】
図4図7図10に示すように、取付け基材10の内周側シュー取付け部10Bと内周側シュー15との対向面間に形成される前記嵌合手段Cを構成するに、内周側シュー15の被取付け面15aの四か所、つまり、被取付け面15aにおける幅方向両側部(循環移動方向の両側部)で、且つ、長手方向両側部(フライト長手方向の両側部)の四か所には、内周側シュー取付け部10Bの両嵌合操作溝29に対してフライト長手方向から係入可能なスライド突起35が一体形成され、各スライド突起35における内周側シュー取付け部10Bの外側板部25の内面と対面する側面には、嵌合部の一例である横断面略台形溝状のアリ溝36が形成されている。
【0055】
さらに、内周側シュー取付け部10Bの両外側板部25の内面には、内周側シュー15のアリ溝36がフライト長手方向からスライド自在(摺動自在)に嵌合する被嵌合部の一例である横断面略台形状のアリ突起37が形成されている。
【0056】
次に、図4図7図9に示すように、嵌合手段Cで所定嵌合位置に嵌合操作されている内周側シュー15が取付け基材10の内周側シュー取付け部10Bに対して嵌合離脱移動することを阻止する前記ロック手段Dには、アリ溝36とアリ突起37とのスライド嵌合方向に対して直交方向(交差方向の一例)から係合装着することにより、内周側シュー取付け部10Bのアリ突起37に対して所定嵌合位置に嵌合操作された内周側シュー15のアリ溝36の嵌合離脱移動を阻止する合成樹脂製のロック部材40が備えられている。
【0057】
このロック部材40には、内周側シュー取付け部10Bの第1内側板部26と第2内側板部27との対向面間に形成されているロック操作溝41に対して外周側から係入可能な略T字状のロック板部40Aと、内周側シュー取付け部10Bの第1繋ぎ板部28Aに形成された窪み部42に入り込む状態で外周側から当接するロック頭部40Bとが備えられ、ロック板部40Aの基端側にロック頭部40Bが一体形成されている。
【0058】
ロック板部40Aには、ロック操作溝41に設けられた一対のロックガイド壁43に沿って挿入可能で、且つ、ロックガイド壁43から離間する側に撓み変形可能な一対の略L字状の抜止め片40Cが一体形成され、各抜止め片40Cの先端部には、ロック部材40がロック操作位置に差し込まれたとき、ロックガイド壁43の先端43aに係止してロック部材40の抜け出しを阻止する係止爪40Dが一体形成されている。
【0059】
両係止爪40Dの係止間隔は、両ロックガイド壁43の対向面間の間隔よりも両係止爪40Dの係止代だけ広く構成されているとともに、各係止爪40Dの先端には、ロック操作溝41への差し込み時に、両ロックガイド壁43の入口周縁との当接に連れて両係止爪40Dを通過可能な間隔にまで撓み変形させるための傾斜ガイド面40aが形成されている。
【0060】
ロック部材40の係止爪40Dがロックガイド壁43の先端43aに係止している状態では、図9に示すように、ロック板部40Aの先端40bが内周側シュー取付け部10Bのシュー取付け面10bより内方側(内周側シュー15の被取付け面15aから離れる側)に配置されている。
【0061】
このロック板部40Aの先端40bの配置構成により、ロック板部40Aの先端40bが摩耗することを回避することができるとともに、内周側シュー15の後述の摩耗状態確認用のゲージ凹部58が摩耗によって開口した場合でも、ロック部材40がロック解除されることを抑制することができる。
【0062】
ロックガイド壁43の先端43aに係止しているロック部材40の係止爪40Dを弾性復元力に抗して係止解除操作する場合、内周側シュー取付け部10Bの第1繋ぎ板部28Aに形成された窪み部42の内周側外面とロック部材40のロック頭部40Bとの間に存在する若干のガタによる隙間にドライバー等の図外の係止解除操作具を差し入れて強制的に係止解除する。
【0063】
尚、ロックガイド壁43の先端43aに係止しているロック部材40の係止爪40Dを直接係止解除するように構成してもよい。
【0064】
ロック部材40のロック頭部40Bには、第1繋ぎ板部28Aの窪み部42に貫通形成された挿通孔46を通して内周側シュー15の被取付け面15aの二か所に一体形成されたロック突起47の先端側の係合凹部48に係合するロック片40Eが一体形成されている。
【0065】
次に、図4図11図14に示すように、嵌合手段Cで所定嵌合位置に嵌合操作されている外周側シュー13が取付け基材10の外周側シュー取付け部10Aに対して嵌合離脱移動することを阻止する前記ロック手段Dには、上述と同様に、アリ溝32とアリ突起33とのスライド嵌合方向に対して直交方向(交差方向の一例)から係合装着することにより、外周側シュー取付け部10Aのアリ突起33に対して所定嵌合位置に嵌合操作された外周側シュー13のアリ溝32の嵌合離脱移動を阻止する同一形状の合成樹脂製のロック部材40が備えられている。
【0066】
このロック部材40には、外周側シュー取付け部10Aのロック操作溝49に対して内周側から係入可能な略T字状のロック板部40Aと、外周側シュー取付け部10Aの内周側に形成された窪み部42に入り込む状態で内周側から当接するロック頭部40Bとが備えられ、ロック板部40Aの基端側にロック頭部40Bが一体形成されている。
【0067】
ロック板部40Aには、ロック操作溝49に設けられた一対のロックガイド壁43に沿って挿入可能で、且つ、ロックガイド壁43から離間する側に撓み変形可能な一対の略L字状の抜止め片40Cが一体形成され、各抜止め片40Cの先端部には、ロック部材40がロック操作位置に差し込まれたとき、ロックガイド壁43の先端43aに係止してロック部材40の抜け出しを阻止する係止爪40Dが一体形成されている。
【0068】
両係止爪40Dの係止間隔は、両ロックガイド壁43の対向面間の間隔よりも両係止爪40Dの係止代だけ広く構成されているとともに、各係止爪40Dの先端には、ロック操作溝49への差し込み時に、両ロックガイド壁43の入口周縁との当接に連れて両係止爪40Dを通過可能な間隔にまで撓み変形させるための傾斜ガイド面40aが形成されている。
【0069】
ロック部材40の係止爪40Dがロックガイド壁43の先端43aに係止している状態では、図14に示すように、ロック板部40Aの先端40bが外周側シュー取付け部10Aのシュー取付け面10aより内方側(外周側シュー13の被取付け面13aから離れる側)に配置されている。
【0070】
このロック板部40Aの先端40bの配置構成により、ロック板部40Aの先端40bが摩耗することを回避することができるとともに、外周側シュー13の後述の摩耗状態確認用のゲージ凹部58が摩耗によって開口した場合でも、ロック部材40がロック解除されることを抑制することができる。
【0071】
ロックガイド壁43の先端43aに係止しているロック部材40の係止爪40Dを弾性復元力に抗して係止解除操作する場合、内周側シュー取付け部10Bの第1繋ぎ板部28Aに形成された窪み部42の外周側外面とロック部材40のロック頭部40Bとの間に存在する若干のガタによる隙間にドライバー等の図外の係止解除操作具を差し入れて強制的に係止解除する。
【0072】
尚、ロックガイド壁43の先端43aに係止しているロック部材40の係止爪40Dを直接係止解除するように構成してもよい。
【0073】
ロック部材40のロック頭部40Bには、外周側シュー取付け部10Aの内周側の窪み部42に貫通形成された挿通孔46を通して外周側シュー13の被取付け面13aの二か所に一体形成されたロック突起47の先端側の係合凹部48に係合するロック片40Eが一体形成されている。
【0074】
さらに、図5図8図11図12に示すように、取付け基材10の外周側シュー取付け部10Aと外周側シュー13との相対向する部位、及び、取付け基材10の内周側シュー取付け部10Bと内周側シュー15との相対向する部位には、所定装着位置にスライド嵌合操作された外周側シュー13及び内周側シュー15を仮止め状態で係合保持する仮止め係合手段Eが設けられている。
【0075】
外周側の仮止め係合手段Eは、図11図12に示すように、外周側シュー13の被取付け面13aに、当該外周側シュー13が所定装着位置にスライド嵌合操作されたとき、外周側シュー取付け部10Aの横側板部22の内面に当接する突起状のストッパー50と、外周側シュー取付け部10Aの両仕切り板部24に連設された被係合部の一例である係合板部51の先端に係合して、外周側シュー取付け部10Aに対する外周側シュー13の嵌合離脱移動を阻止する係合爪(係合部の一例)52とを一体形成して構成されている。
【0076】
内周側の仮止め係合手段Eは、図5図8に示すように、内周側シュー取付け部10Bの第2繋ぎ板部28Bの外面に、内周側シュー15が所定装着位置にスライド嵌合操作されたとき、当該内周側シュー15の先端に当接する突起状のストッパー54が一体形成されているとともに、内周側シュー15の被取付け面15aには、内周側シュー取付け部10Bの両第2内側板部27に形成された被係合部の一例である係合板部55の先端に係合して、内周側シュー取付け部10Bに対する内周側シュー15の嵌合離脱移動を阻止する係合爪(係合部の一例)56を一体形成して構成されている。
【0077】
また、外周側シュー13の被取付け面13a及び内周側シュー15の被取付け面15aの各々には、ロック位置に装着されたロック部材40のロック板部40Aの先端40bが対面する状態で臨み、且つ、外周側シュー13の摺接面13b及び内周側シュー15の摺接面15bがシュー交換の設定摩耗量に相当する一定量摩耗したとき開口する深さの摩耗状態確認用のゲージ凹部58が形成されている。
【0078】
さらに、外周側シュー13及び内周側シュー15とロック部材40とを互いに異なる色彩に構成してある。当該実施形態では、外周側シュー13及び内周側シュー15をそれぞれ黒色に設定し、ロック部材40を白色に設定してある。
【0079】
そのため、外周側シュー13の摺接面13b及び内周側シュー15の摺接面15bの摩耗に伴ってゲージ凹部58の摺接面側が開口すると、その開口を通して外周側シュー13及び内周側シュー15の黒色とは異なる白色に構成されているロック部材40を明確に視認することが可能となり、外周側シュー13及び内周側シュー15の交換時期を容易に目視確認することができる。
【0080】
尚、外周側シュー13の被取付け面13a及び内周側シュー15の被取付け面15aの各々に形成されている一対の摩耗状態確認用のゲージ凹部58は同一の深さに設定してもよいが、一対の摩耗状態確認用のゲージ凹部58のうち、一方のゲージ凹部58の深さを、シュー交換時期の設定摩耗量で開口する他方のゲージ凹部58よりも深く構成してもよい。
【0081】
この場合、外周側シュー13及び内周側シュー15の摩耗状態が設定摩耗量に至る前に、一方の深い方のゲージ凹部58が開口するから、あとどの位の期間で交換すべきなのかを予測することができる便利さがある。
【0082】
〔第2実施形態〕
図15は、内周側シュー取付け部10B側に構成されるロック手段Dのロック構造の別実施形態を示し、内周側シュー取付け部10Bの第2繋ぎ板部28Bの内面に、ロック操作溝41に設けられた一対のロックガイド壁43に重合する状態で一対の補強璧44を一体的に形成してある。
【0083】
この一対の補強璧44により一対のロックガイド壁43を補強することができ、ロック構造を頑丈に構成することができる。
【0084】
また、図示はしないが、外周側シュー取付け部10A側に構成されるロック手段Dのロック構造も、上述の内周側シュー取付け部10B側のロック構造と同様に構成してある。
【0085】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0086】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、嵌合手段Cを構成する嵌合部をアリ溝32,36に、被嵌合部をアリ突起33,37に構成したが、これとは逆に、嵌合部をアリ突起に、被嵌合部をアリ溝に構成してもよい。
【0087】
(2)上述の実施形態では、外周側シュー13及び内周側シュー15を、両取付け基材10の外周側シュー取付け部10A及び内周側シュー取付け部10Bに対するスライド嵌合操作時の向き姿勢が逆転するものの、同一形状に構成してシューの兼用化を図ったが、この外周側シュー13及び内周側シュー15を、取付け基材10の外周側シュー取付け部10A及び内周側シュー取付け部10Bにそれぞれ対応した異なる形状に構成してもよい。
【0088】
(3)上述の実施形態では、一対の無端チェーン2に複数本のフライト1を横架したが、並設された三つ以上の無端チェーン2にわたって複数本のフライト1を横架してもよい。
【0089】
(4)上述の実施形態では、外周側シュー13及び内周側シュー15を、取付け基材10の外周側シュー取付け部10A及び内周側シュー取付け部10Bに対してフライト1の長手方向からスライド嵌合自在に構成したが、循環移動経路Rに対して交差する上下方向からスライド嵌合自在に構成してもよい。
【0090】
(5)上述の実施形態では、ロック手段Dのロック部材40を、スライド嵌合されている外周側シュー取付け部10Aと外周側シュー13又は内周側シュー取付け部10Bと内周側シュー15とに亘る状態でスライド嵌合方向に対する交差方向から係合装着することにより、所定嵌合位置にある外周側シュー取付け部10Aと外周側シュー13又は内周側シュー取付け部10Bと内周側シュー15との嵌合離脱移動を阻止するように構成したが、
ピンやボルト類等でスライド嵌合されている外周側シュー取付け部10Aと外周側シュー13又は内周側シュー取付け部10Bと内周側シュー15とを固定連結してもよい。
【0091】
(6)上述の実施形態では、外周側シュー13の被取付け面13a及び内周側シュー15の被取付け面15aの各々に、ロック部材40が臨む部位において摩耗状態を確認するためのゲージ凹部58を形成したが、外周側シュー13の被取付け面13a及び内周側シュー15の被取付け面15aの各々に、ロック部材40が臨む部位において摺接面13b、15b側に開口する形態で摩耗状態を確認するためのゲージ孔を形成してもよい。
【0092】
(7)上述の実施形態では、無端回動体として無端チェーン2を用いたが、無端ベルト等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0093】
B 汚泥掻き寄せ機
C 嵌合手段
D ロック手段
R 循環移動経路
WL 水面
1 フライト
6 底面
12 移動案内レール(底面側移動案内レール)
13 シュー(外周側シュー)
13b 摺接面
14 移動案内レール(水面側移動案内レール)
15 シュー(内周側シュー)
15b 摺接面
32 嵌合部(アリ溝)
33 被嵌合部(アリ突起)
36 嵌合部(アリ溝)
37 被嵌合部(アリ突起)
40 ロック部材
51 被係合部(係合板部)
52 係合部(係合爪)
55 被係合部(係合板部)
56 係合部(係合爪)
58 ゲージ凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15