(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104073
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】減圧弁
(51)【国際特許分類】
G05D 16/00 20060101AFI20170316BHJP
F16K 17/30 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
G05D16/00 J
F16K17/30 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-134084(P2013-134084)
(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公開番号】特開2015-11390(P2015-11390A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】391060029
【氏名又は名称】株式会社ダンレイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】若林 弘宣
【審査官】
加藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−186106(JP,A)
【文献】
特開平11−303700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/00
F16K 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側通路と、二次側通路と、一次側通路と二次側通路との間の連通穴である弁穴と、二次側通路に連通する感圧室と、二次側通路内に配設され感圧室内圧による付勢力を受けて往復動し弁穴を開閉する弁体を備え、一次側通路が樹脂で形成され、更に感圧室内に配設されて一次側通路と感圧室とを連通させる第2弁機構を備え、第2弁機構は、前記弁体が弁穴を閉じている時に、樹脂製の一次側通路の耐圧値よりも低い一次圧で開弁し、第2弁機構は、第2弁機構の弁体の周側面が感圧室内に分散配置された複数の支持部材に当接することにより、前記複数の支持部材によって支持されていることを特徴とする減圧弁。
【請求項2】
感圧室囲壁の一部が一次側通路周壁の一部を形成し、感圧室囲壁の一次側通路周壁を形成する部位が一次側通路周壁の他の部位に比べて一次側通路の径方向内方へ突出していることを特徴とする請求項1に記載の減圧弁。
【請求項3】
樹脂で形成されたボディと、ボディの一部が形成するシリンダと、シリンダ内で往復摺動するピストンヘッドと、ピスンヘッドの一方の端面から延びてシリンダの一端からシリンダ外へ突出する第1ピストンロッドと、シリンダの前記一端が形成する弁穴と、第1ピストンロッドのシリンダ外へ突出した一端に固定されて弁穴と対峙する弁体と、シリンダ周壁の第1ピストンロッドに対峙する部位に形成された開口と、ピストンヘッドの他方の端面から延びてシリンダの他端からシリンダ外へ突出する第2ピストンロッドと、第2ピストンロッドのシリンダ他端から突出した一端に中心部が固定されたダイヤフラムと、シリンダの前記開口よりも他端側の部位と当該部位を取り巻くボディ周壁の部位と前記両部位のダイアフラムから離隔した端部同士を連結する環状壁とピストンヘッドとダイアフラムとが協働して形成する感圧室と、ダイヤフラムを感圧室側へ押圧するバネと、バネを収容すると共に前記ボディ周壁の部位と協働してダイヤフラムの周縁部を挟持するバネケースと、ピストンヘッドの周溝に収容されてピストンヘッドとシリンダ内周面との摺接部をシールするシール部材とを備え、ボディは、シリンダ周壁の前記開口に連通する弁流入口と、弁穴と弁体との間の隙間に連通する弁流出口とを有し、弁流入口と弁穴との間の流路が一次側通路を形成し、弁穴と弁流出口との間の流路が二次側通路を形成し、感圧室は二次側通路に連通し、感圧室の環状壁の一部が一次側通路周壁を形成し、第2弁機構は、感圧室環状壁の一次側通路周壁を形成する部位に形成された貫通穴を開閉する第2弁体と、第2弁体を閉弁方向へ付勢する第2バネと、第2バネを第2弁体に組み付けるバネ押さえとを備え、バネ押さえは感圧室内に分散配置された複数の部材によって支持され、バネ押さえと前記複数の部材とによって第2弁機構が支持され、一次側通路周壁を形成する感圧室の環状壁の一部が一次側通路周壁の他の部位に比べて一次側通路の径方向内方へ突出していることを特徴とする請求項2に記載の減圧弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶体を有する給湯器等に使用される減圧弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一次側通路と、二次側通路と、一次側通路と二次側通路との間の連通穴である弁穴と、二次側通路に連通する感圧室と、二次側通路内に配設され感圧室内圧による付勢力を受けて往復動し弁穴を開閉する弁体を備え、一次側通路が樹脂で形成され、更に感圧室内に配設されて一次側通路と感圧室とを連通させる第2弁機構を備え、第2弁機構は、前記弁体が弁穴を閉じている時に、樹脂製の一次側通路の耐圧値よりも低い一次圧で開弁することを特徴とする減圧弁が特許文献1に開示されている。
特許文献1の減圧弁においては、弁体が一次側通路と二次側通路との境界部を閉じている時に一次圧が適正範囲を超えて上昇すると、一次圧が樹脂製の一次側通路の耐圧値に達する前に、第2弁機構が開弁し感圧室を介して一次側通路と二次側通路とを連通させるので、一次圧は二次圧により希釈されて減圧する。この結果、一次側通路を樹脂で形成したために耐圧性能が従来に比べて低下した減圧弁が保護される。特許文献1の減圧弁においては、閉弁時に一次圧が適正範囲を超えて上昇した場合に、一次側通路から直接減圧弁外へ排水することなく前記一次圧を減圧できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4290200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の減圧弁には、感圧室内に配設された筒状の支持部材が第2弁機構を取り囲んで支持しており、第2弁機構内の水と感圧室内の水との間で対流が起き難いので、減圧弁の閉弁時に一次側通路が接続する水道配管内の水が低温環境下で凍結し、一次側通路も低温化し且つ内圧が上昇した時に、一次側通路に近接する第2弁機構内の水が凍結して第2弁機構が作動不能になり、一次側通路の内圧上昇を阻止できなくなり、一次側通路が破損する可能性があるという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、一次側通路と、二次側通路と、一次側通路と二次側通路との間の連通穴である弁穴と、二次側通路に連通する感圧室と、二次側通路内に配設され感圧室内圧による付勢力を受けて往復動し弁穴を開閉する弁体を備え、一次側通路が樹脂で形成され、更に感圧室内に配設されて一次側通路と感圧室とを連通させる第2弁機構を備え、第2弁機構は、前記弁体が弁穴を閉じている時に、樹脂製の一次側通路の耐圧値よりも低い一次圧で開弁する減圧弁であって、減圧弁閉弁時に低温環境下で第2弁機構内の水の凍結が抑制された減圧弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、一次側通路と、二次側通路と、一次側通路と二次側通路との間の連通穴である弁穴と、二次側通路に連通する感圧室と、二次側通路内に配設され感圧室内圧による付勢力を受けて往復動し弁穴を開閉する弁体を備え、一次側通路が樹脂で形成され、更に感圧室内に配設されて一次側通路と感圧室とを連通させる第2弁機構を備え、第2弁機構は、前記弁体が弁穴を閉じている時に、樹脂製の一次側通路の耐圧値よりも低い一次圧で開弁し、第2弁機構は
、第2弁機構の弁体の周側面が感圧室内に分散配置された複数の支持部材に当接することにより、前記複数の支持部材によって支持されていることを特徴とする減圧弁を提供する。
本発明に係る減圧弁においては、弁体が一次側通路と二次側通路との境界部を閉じている時に一次圧が適正範囲を超えて上昇すると、一次圧が樹脂製の一次側通路の耐圧値に達する前に、第2弁機構が開弁し感圧室を介して一次側通路と二次側通路とを連通させるので、一次圧は二次圧により希釈されて減圧する。この結果、一次側通路を樹脂で形成したために耐圧性能が従来に比べて低下した減圧弁が保護される。本発明に係る減圧弁においては、閉弁時に一次圧が適正範囲を超えて上昇した場合に、一次側通路から直接減圧弁外へ排水することなく前記一次圧を減圧できる。
本発明に係る減圧弁においては、第2弁機構は感圧室内に分散配置された複数の支持部材によって支持されているので、第2弁機構内の水は、分散配置された支持部材間の隙間を介して感圧室内の水と容易に対流する。この結果、減圧弁閉弁時に低温環境下で第2弁機構内の水の凍結が抑制される。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、感圧室囲壁の一部が一次側通路周壁を形成し、感圧室囲壁の一次側通路周壁を形成する部位が一次側通路周壁の他の部位に比べて一次側通路の径方向内方へ突出している。
特許文献1の減圧弁においては、感圧室囲壁の一次側通路周壁を形成する部位が一次側通路周壁の他の部位と面一に延在している。従って、感圧室囲壁の一次側通路周壁を形成する部位を一次側通路周壁の他の部位に比べて一次側通路の径方向内方へ突出させることによって、感圧室の容積を従来に比べて大きくすることができる。感圧室の容積が従来に比べて大きくなることにより、感圧室内の水の対流が更に促進され、減圧弁閉弁時に低温環境下で第2弁機構内の水の凍結が更に抑制される。
本発明の好ましい態様においては、減圧弁は、樹脂で形成されたボディと、ボディの一部が形成するシリンダと、シリンダ内で往復摺動するピストンヘッドと、ピスンヘッドの一方の端面から延びてシリンダの一端からシリンダ外へ突出する第1ピストンロッドと、シリンダの前記一端が形成する弁穴と、第1ピストンロッドのシリンダ外へ突出した一端に固定されて弁穴と対峙する弁体と、シリンダ周壁の第1ピストンロッドに対峙する部位に形成された開口と、ピストンヘッドの他方の端面から延びてシリンダの他端からシリンダ外へ突出する第2ピストンロッドと、第2ピストンロッドのシリンダ他端から突出した一端に中心部が固定されたダイヤフラムと、シリンダの前記開口よりも他端側の部位と当該部位を取り巻くボディ周壁の部位と前記両部位のダイアフラムから離隔した端部同士を連結する環状壁とピストンヘッドとダイアフラムとが協働して形成する感圧室と、ダイヤフラムを感圧室側へ押圧するバネと、バネを収容すると共に前記ボディ周壁の部位と協働してダイヤフラムの周縁部を挟持するバネケースと、ピストンヘッドの周溝に収容されてピストンヘッドとシリンダ内周面との摺接部をシールするシール部材とを備え、ボディは、シリンダ周壁の前記開口に連通する弁流入口と、弁穴と弁体との間の隙間に連通する弁流出口とを有し、弁流入口と弁穴との間の流路が一次側通路を形成し、弁穴と弁流出口との間の流路が二次側通路を形成し、感圧室は二次側通路に連通し、感圧室の環状壁の一部が一次側通路周壁を形成し、第2弁機構は、感圧室環状壁の一次側通路周壁を形成する部位に形成された貫通穴を開閉する第2弁体と、第2弁体を閉弁方向へ付勢する第2バネと、第2バネを第2弁体に組み付けるバネ押さえとを備え、バネ押さえは感圧室内に分散配置された複数の部材によって支持され、バネ押さえと前記複数の部材とによって第2弁機構が支持され、一次側通路周壁を形成する感圧室の環状壁の一部が一次側通路周壁の他の部位に比べて一次側通路の径方向内方へ突出している。
上記構成によれば、減圧弁の閉弁時に一次圧が適正範囲を超えて上昇した場合に、一次側通路から直接減圧弁外へ排水することなく前記一次圧を減圧でき、且つ減圧弁閉弁時に低温環境下で第2弁機構内の水の凍結が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例に係る減圧弁の構造図である。(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のピストンヘッドを取り除いたb−b矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例に係る減圧弁を説明する。
図1に示すように、減圧弁1は、樹脂成型品であるボディ10を備えている。ボディ10の一部がシリンダ11を形成している。減圧弁1は、シリンダ11内で往復摺動するピストンヘッド12と、ピスンヘッド12の一方の端面から延びてシリンダ11の一端からシリンダ11外へ突出する第1ピストンロッド13と、シリンダ11の前記一端が形成する弁穴14と、第1ピストンロッド13のシリンダ11外へ突出した一端に固定されて弁穴14と対峙する弁体15と、シリンダ11周壁の第1ピストンロッド13に対峙する部位に形成された開口16と、ピストンヘッド12の他方の端面から延びてシリンダ11の他端からシリンダ11外へ突出する第2ピストンロッド17と、第2ピストンロッド17のシリンダ11他端から突出した一端に中心部が固定されたダイヤフラム18と、シリンダ11の開口16よりも他端側の部位と当該部位を取り巻くボディ周壁の部位19と前記両部位のダイアフラム18から離隔した端部同士を連結する環状壁20とピストンヘッド12とダイアフラム18とが協働して形成する感圧室21と、ダイヤフラム18を感圧室21側へ押圧するバネ22と、バネ22を収容すると共にボディ周壁の部位19と協働してダイヤフラム18の周縁部を挟持するバネケース23と、ピストンヘッド12の周溝に収容されてピストンヘッド12とシリンダ11内周面との摺接部をシールするOリング24とを備えている。
ピストンヘッド12の受圧面積は弁体15の受圧面積よりも大きな値に設定されている。
【0009】
ボディ10は、シリンダ11の周壁の開口16とシリンダ11の内部空間とを介して弁穴14に連通する弁流入口25と、弁体15と弁穴14との間の隙間に連通する弁流出口26とを有している。
弁流入口25と弁穴14との間の流路が一次側通路27を形成し、弁体15と弁穴14との間の隙間と弁流出口26との間の流路が二次側通路28を形成している。弁体15は二次側通路28内に配設されている。
二次側通路28の弁体近傍部であって弁体15と弁穴14との間で延在する部位の周壁に一端が開口し、シリンダ11に沿ってシリンダの他端方向へ延在し、感圧室21の環状壁20に他端が開口して、二次側通路28を感圧室21に連通させる連通路29が配設されている。
弁流入口25は図示しない逆止弁を介して図示しない水道配管に接続しており、弁流出口26は図示しない貯湯タンクを介して蛇口やシャワー等の図示しない吐水装置に接続している。
【0010】
減圧弁1は第2弁機構30を備えている。第2弁機構30は、感圧室環状壁20の一次側通路27周壁を形成する部位に形成された貫通穴27aを開閉する第2弁体31と、第2弁体31を閉弁方向へ付勢する第2バネ32と、第2バネ32を第2弁体31に組み付けるバネ押さえ33とを備えている。バネ押さえ33は、感圧室21内に分散配置され且つボディ周壁の部位19、環状壁20から延びる一対の柱状部材21a、21bの頭部にビス止めされて、柱状部材21a、21bによって支持されている。柱状部材21a、21bによって支持されたバネ押さえ33に第2バネ32が当接し、柱状部材21a、21bと、感圧室21内で柱状部材21a、21bに対して分散配置され且つボディ周壁の部位19、環状壁20から延びるリブ21cとに弁体31の周側面が当接することにより、第2弁機構30は、互いに分散配置された柱状部材21a、21bとリブ21cとによって支持されている。
感圧室環状壁20の一次側通路27周壁を形成する部位は、一次側通路27周壁の他の部位に比べて一次側通路27の径方向内方へ突出している。
【0011】
減圧弁1においては、図示しない吐水装置の使用時に、一次側通路27から二次側通路28へ流れる水道水が弁穴14と弁体15とで形成される弁部を通過する際に圧力損失が発生し、二次側通路の水圧すなわち二次側通路の内圧が減圧される。二次側通路28の内圧が上昇すると、連通路29を介して二次側通路28に連通する感圧室21の水圧すなわち感圧室の内圧が増加し、ダイアフラム18とバネ22とによって付勢された弁体15が閉弁方向へ移動し、弁部での圧損を増加させて二次側通路28の内圧を低下させる。二次側通路28の内圧が低下すると、連通路29を介して二次側通路28に連通する感圧室21の内圧が低下し、ダイアフラム18とバネ22とによって付勢された弁体15が開弁方向へ移動し、弁部での圧損を減少させて二次側通路28の内圧を増加させる。この結果、二次側通路28の内圧は所定値に維持される。
図示しない吐水装置の不使用時には、減圧弁1内の水道水の流れが止まり、一次側通路27の水圧すなわち一次側通路27の内圧と二次側通路28の内圧の差圧が零になり、ピストンヘッド12と弁体15とに印加される弁内圧による開弁方向の付勢力と閉弁方向の付勢力とがバランスする。この時、ダイアフラム18に印加される感圧室21の内圧による閉弁方向の付勢力がバネ22による開弁方向の付勢力よりも大きくなり、弁体15は弁穴14を閉鎖する。この結果、減圧弁1は閉弁する。
図示しない吐水装置の使用が開始されると、二次側通路28の内圧ひいては感圧室21の内圧が低下し、バネ22による開弁方向の付勢力がダイアフラム18に印加される感圧室内圧による閉弁方向の付勢力に打ち勝って、弁体15が開弁方向へ移動し、弁穴14が開き、減圧弁1による減圧動作が開始される。
【0012】
減圧弁1が閉弁している時に、ウォーターハンマーや、減圧弁1よりも上流側の水道配管の凍結等により、一次圧が適正範囲を超えて上昇すると、ピストンヘッド12と弁体15とに印加される水圧による付勢力の和は閉弁方向に働くので弁体15は開弁しないが、第2弁機構30の弁体31には開弁方向の付勢力が働き、一次圧が樹脂製の一次側通路27の耐圧値に達する前に、弁体31に働く開弁方向の付勢力が第2バネ32の閉弁方向の付勢に打ち勝って、第2弁機構30が開弁する。一次側通路27と感圧室21との間の連通路である貫通穴27aが開放され、ひいては一次側通路27が感圧室21を介して二次側通路28に連通するので、一次側通路内圧は二次側通路内圧により希釈されて減圧する。この結果、一次側通路27を樹脂で形成したために、一次側通路を金属で形成した減圧弁に比べて耐圧性能が低下した減圧弁1が保護される。
減圧弁1においては、閉弁時に一次側通路内圧が適正範囲を超えて上昇した場合に、一次側通路27から直接減圧弁1外へ排水することなく前記一次側通路内圧を減圧するので、排水ホースを配設する必要がない。
【0013】
第2弁機構30は感圧室21内に分散配置された複数の支持部材21a、21b、21cによって支持されているので、第2弁機構30内の水は、分散配置された支持部材21a、21b、21c間の隙間を介して感圧室21内の水と容易に対流する。この結果、減圧弁閉弁時に低温環境下で第2弁機構30内の水の凍結が抑制され、低温環境下での第2弁機構30の作動が確保され、低温環境下での樹脂製の一次側通路27の破損が防止される。
感圧室環状壁20の一次側通路27周壁を形成する部位を一次側通路27周壁の他の部位に比べて一次側通路27の径方向内方へ突出させることによって、感圧室21の容積を、感圧室環状壁の一次側通路周壁を形成する部位が一次側通路周壁の他の部位と面一に延在した特許文献1の減圧弁に比べて大きくすることができる。感圧室21の容積が特許文献1の減圧弁に比べて大きくなることにより、感圧室21内の水の対流が更に促進され、減圧弁閉弁時に低温環境下で第2弁機構30内の水の凍結が更に抑制される。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、減圧弁に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0015】
1 減圧弁
11 シリンダ
14 弁穴
15 弁体
18 ダイアフラム
21 感圧室
21a、21b、21c 支持部材
27 一次側通路
28 二次側通路
29 連通路
30 第2弁機構
31 弁体
32 第2バネ
33 バネ押さえ