(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乾燥室と、その乾燥室に設けられる冷却器及び再熱器と、前記乾燥室の空気を循環させる送風ファンと、前記乾燥室の外部に設けられた圧縮機及び凝縮器とを備え、前記圧縮機に前記再熱器と前記凝縮器とが冷媒の切り換え手段を介して並列に接続され、前記凝縮器が膨張弁を介して前記冷却器に接続され、前記再熱器が前記膨張弁を介して前記冷却器に接続された冷風乾燥機であって、
前記乾燥室内に設けたオゾン発生器と、前記乾燥室内に形成され、その乾燥室の前後側で連通する通路と、前記乾燥室内の空気を前記通路内に通過させる除湿ファンとを備え、前記冷却器及び再熱器が前記通路内に設けられ、前記除湿ファンにより前記乾燥室内の空気が前記通路内の前記冷却器から前記再熱器へ通過するようにし、
前記冷却器及び再熱器は、厚み方向に間隔をおいて複数並べられた板状のフィンを有し、前記冷却器及び再熱器の各フィンは、厚み方向が前記通路内に左右方向となるように並べられ、その間に前記空気が通過可能とされた冷風乾燥機。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷却器と再熱器とを乾燥室内に配置した冷風乾燥機が、水産物、農畜産物等の食品の乾燥によく用いられている。
【0003】
このような冷風乾燥機としては、乾燥室内に設置された冷却器と再熱器とを一列に設け、送風機により送風することによって、冷却器で乾燥室内の空気を冷却して、再熱器で再熱して除湿するものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1に記載された冷風乾燥機は、冷却運転時、乾燥室内から流れる空気に含まれる水分が、冷却器により冷却されてそのフィンに霜として付着する。そして、冷却運転から再熱運転に切り替わったときに、フィンに付着した霜が融けて水になって流れ落ちて、ドレインから排出される。
【0005】
冷却運転と再熱運転との切り替えにより、乾燥室内の空気に含まれる水分を排出して、湿度を低下させることにより、食品を乾燥することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された冷風乾燥機では、冷却器のフィンに空気中に含まれる水分の不純物が付着し、再熱運転に切り替わったときに、フィンに付着した霜が融けて水になって流れ落ちた際、不純物を除去しきれず、汚れやにおいが発生することがあった。
【0008】
特に、干物などを乾燥させた後では、この汚れやにおいの発生が顕著になり、野菜や肉類などの農畜産物を連続して乾燥させると、その農畜産物ににおい移りが生じていた。このため、干物や野菜などの乾燥させる食品ごとに冷風乾燥機を用意したり、冷却器のフィンを洗浄した後に、異なる種類の食品を乾燥したりする必要があり、乾燥効率が悪いものであった。
【0009】
そこで、この発明の課題は、異なる種類の食品を連続して乾燥させることができる冷風乾燥機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、この発明に係る冷風乾燥機は、乾燥室と、その乾燥室に設けられる冷却器及び再熱器と、前記乾燥室の空気を循環させる送風ファンと、前記乾燥室の外部に設けられた圧縮機及び凝縮器とを備え、前記圧縮機に前記再熱器と前記凝縮器とが冷媒の切り換え手段を介して並列に接続され、前記凝縮器が膨張弁を介して前記冷却器に接続され、前記再熱器が前記膨張弁を介して前記冷却器に接続された冷風乾燥機であって、前記乾燥室内に設けたオゾン発生器と、前記乾燥室内に形成され、その乾燥室の前後側で連通する通路と、前記乾燥室内の空気を前記通路内に通過させる除湿ファンとを備え、前記冷却器及び再熱器が前記通路内に設けられ、前記除湿ファンにより前記乾燥室内の空気が前記通路内の前記冷却器から前記再熱器へ通過するようにした構成を採用することができる。
【0011】
また、上記構成において、前記冷却器及び再熱器は、厚み方向に間隔をおいて複数並べられた板状のフィンを有し、前記冷却器及び再熱器の各フィンは、厚み方向が前記通路内に左右方向となるように並べられ、その間に前記空気が通過可能とされた構成とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の冷風乾燥機は、乾燥室内に備えたオゾン発生器により、乾燥室内の空気に含まれる水分にオゾンが溶解し、乾燥室内の空気中にオゾン水が含まれる。そして、送風ファンにより乾燥室内を循環するオゾン水の酸化作用により、乾燥室の内部、冷却器及び再熱器を除菌、消臭することができる。
【0013】
また、この発明の冷風乾燥機は、冷却器のフィンに凝結、着霜させる除湿過程と、冷却器のフィンに着霜した霜を融かして排水する除霜過程との切り替えが行われる。その除霜過程の際、霜が融けることにより冷却器のフィンに付いた水は、乾燥室内に備えたオゾン発生器から生じるオゾンが溶解してオゾン水となり、その酸化作用により、冷却器のフィンをさらに除菌、消臭することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態に係る冷風乾燥機を
図1〜
図5に基づいて説明する。
この冷風乾燥機10は、
図1、2に示すように、乾燥室11と、乾燥室11の上方に設けられた機械室12とからなり、乾燥室11は、断熱材により前面が開口する箱状に形成されており、その前面に扉13が開閉可能に取り付けられている。扉13は、一部にガラス窓13aを備え、ガラス窓13aから乾燥室11内を目視することができる。
【0016】
乾燥室11の内部の中央に乾燥対象となる物品を載せる棚板14が上下方向に複数段固定され、複数段の棚板14の後側に乾燥室11内の空気を循環させる送風ファン15、15が上下二箇所に取り付けられている(
図2参照)。送風ファン15は、複数段の棚板14の後方から前方へ向かって送風可能となっている。
【0017】
また、乾燥室11の内部において、複数段の棚板14、14の上方にオゾン発生器16が取り付けられている。オゾン発生器16は、紫外線を照射可能な紫外線源16aを有し、乾燥室11の内壁上面に下方に向かって紫外線が照射される状態(下方に向かって紫外線源16aが露出する状態)で取り付けられる。
【0018】
紫外線源16aとしては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、冷陰極管、発光ダイオード(LED)等の空気中の酸素からオゾンを発生可能な波長の紫外線を照射するものを適用可能である。
【0019】
なお、オゾン発生器16は、上述のように紫外線ランプ方式に限られず、オゾンが発生されるものであれば、例えば、無声放電方式(平行電極間に誘電体を設け、この間に酸素ガス、乾燥空気等を供給し、両極間に交流高電圧を印加する放電方式)、電気分解方式等を採用することができる。
【0020】
また、乾燥室11内の複数段の棚板14、14の下方に、前側部から後側部へ至る通路17が形成されている。通路17は仕切板17aにより乾燥室11を上下に仕切ることで形成されている。
【0021】
仕切板17aは前側部及び後側部に上方に開放する前側開口部17b及び後側開口部17cを有している。前側開口部17b及び後側開口部17cにより、乾燥室11の仕切板17aよりも上方の空間と通路17とが連通している。
【0022】
通路17内において、前側開口部17bよりも後方に、冷却器18、再熱器19、ヒータ20及び除湿ファン21が前方から後方に向かってこの順序で配置されている。除湿ファン21の後方には後側開口部17cが位置している。除湿ファン21は、その運転により、通路17の前側開口部17bから仕切板17aよりも上方の乾燥室11内の空気を冷却器18、再熱器19を経てヒータ20へ引き込むようになっている。
【0023】
乾燥室11の底板11aにドレン孔11bが形成されている。後述する除霜過程の際、冷却器18に生じる水が底板11a上に落ち、ドレン孔11bを通って、乾燥室11の下方に設けられたドレンパン26に溜り、ドレンパン26からドレンチューブ(図示省略)を通して冷風乾燥機10から排出される。
【0024】
乾燥室11の上方に設けられた機械室12内に圧縮機22、凝縮器23、レシーバタンク24、膨張弁25が設けられている。凝縮器23は、
図3に示すように、冷媒の切り替え手段となる凝縮器用ソレノイドバルブ27と逆止弁28を介して圧縮機22に接続されている。また、圧縮機22に接続される凝縮器23は、レシーバタンク24に接続され、ドライコア29及び膨張弁25を介して、冷却器18と接続されている。
【0025】
冷却器18は、
図4、5に示すように、厚み方向に間隔をおいて並べられたアルミニウム薄板等から成る複数枚の伝熱フィン18aと、複数枚の伝熱フィン18aを蛇行状に貫通する冷媒配管18bとからなる熱交換器であり、圧縮機22に接続されている。
【0026】
また、冷却器18は、通路17内において、複数枚の伝熱フィン18aの厚み方向が通路17の左右方向(扉13に向かって左右方向)となる状態で配置されている。また、複数枚の伝熱フィン18aは、その間に形成される隙間に、厚み方向及び上下方向に対して直角方向、すなわち前後方向に空気が通過可能となっている。
【0027】
このため、除湿ファン21により通路17の前側開口部17bから通路17内に引き込まれる空気を複数枚の伝熱フィン18aの隙間に通過させることができる。
【0028】
一方、再熱器19は、冷却器18と同様に、厚み方向に間隔をおいて並べられたアルミニウム薄板等から成る複数枚の伝熱フィン19aと、複数枚の伝熱フィン19aを蛇行状に貫通する冷媒配管19bとからなる熱交換器である。
【0029】
また、再熱器19は、冷媒の切り替え手段となる再熱器用ソレノイドバルブ30を介して圧縮機22と接続されている。圧縮機22に接続される再熱器19は、逆止弁31を介してレシーバタンク24に接続され、ドライコア29及び膨張弁25を介して、冷却器18と接続されている。
【0030】
さらに、再熱器19は、通路17内において、複数枚の伝熱フィン19aの厚み方向が通路17の左右方向となる状態で冷却器18の後方に配置されている。また、複数枚の伝熱フィン19aは、その間に形成される隙間に、厚み方向及び上下方向に対して直角方向、すなわち前後方向に空気が通過可能となっている。
【0031】
このため、除湿ファン21により、冷却器18を通過した空気を複数枚の伝熱フィン19aの間に形成される隙間に通過させることができる。
【0032】
冷却器18及び再熱器19は、複数枚の伝熱フィン18a及び19aの上方を覆うカバー18cを備えている。なお、冷却器18及び再熱器19は、複数枚の伝熱フィン18a、19aを必ずしも有している必要はないが、伝熱フィン18a、19aを有していることで、表面積を大きくすることが可能となり、除湿性能が向上する。
【0033】
また、
図5に示すように、冷却器18及び再熱器19は、その複数枚の伝熱フィン18a及び伝熱フィン19aが、同じ間隔で並んでいる。ここで、通路17の前側開口部17bから通路17内に引き込まれる空気(
図5中の左側矢印参照)は、冷却器18の伝熱フィン18a及び再熱器19の伝熱フィン19aの隙間を通過する際、流速が大きくなる。流速が大きくなることで、ベンチュリ効果により、複数枚の冷却器18の伝熱フィン18a及び再熱器19の伝熱フィン19aの間に負圧が発生する。この負圧により、通路17内に引き込まれる空気を確実に冷却器18の伝熱フィン18a及び再熱器19の伝熱フィン19aの間に導くことができる。
【0034】
図3に示すように、圧縮機22に並列に接続された再熱器19と凝縮器23は、ドライコア29及び膨張弁25を介して冷却器18と接続されている。また、乾燥室11には温度コントローラ32が設けられ、温度コントローラ32により乾燥室11内の温度を検出可能となっている。
【0035】
温度コントローラ32は、A接点とB接点を有し、凝縮器用ソレノイドバルブ27と再熱器用ソレノイドバルブ30に接続されており、これらのソレノイドバルブ27、30を後述のように制御可能となっている。
【0036】
この発明の実施形態に係る冷風乾燥機10は上記のように構成され、以下、その制御を説明する。
【0037】
まず、乾燥室11内の温度が設定温度よりも低い場合、温度コントローラ32は、凝縮器用ソレノイドバルブ27をオフとし、再熱器用ソレノイドバルブ30をオンとして除湿過程を行う。
【0038】
すなわち、圧縮機22によって圧縮吐出された高温高圧の冷媒ガスは、再熱器19に供給され、冷却器18の冷風によって冷却される。また、冷却された冷媒は、レシーバタンク24で液化され、膨張弁25で減圧されて冷却器18に供給される。
【0039】
このとき、再熱器19は、冷却器18により冷却された低い温度(例えば約5℃)の冷風により冷却されるため、再熱器19における凝縮圧力が低下する(例えば1.0MPa〜1.1MPa)。凝縮圧力が低下すると、膨張弁25の入口側(高圧側)と出口側(低圧側)の圧力差が減少して、出口側から噴出する冷媒が減少する。
【0040】
膨張弁25の出口側から噴出する冷媒の減少によって、相対的に圧縮機22による吸引圧力が高くなり、冷却器18の圧力が低くなって、冷却器18の蒸発温度を、−5〜−10℃となる、より低い温度まで低下させることができる。
【0041】
このとき、除湿ファン21により、通路17内に引き込まれた空気は、その中に含まれる水分が冷却器18の伝熱フィン18aに凝結し、着霜する。そして、冷却器18を通過した空気は、続いて再熱器19及びヒータ20によって加熱され、通路17の後側開口部17cから複数段の棚板14、14の後方に送られる。その後、送風ファン15により乾燥室11内に循環され、乾燥室11内の空気が除湿される。
【0042】
一方、再熱器19及びヒータ20によって、乾燥室11の内部の温度が設定温度以上に上昇すると、温度コントローラ32は、凝縮器用ソレノイドバルブ27をオンとし、再熱器用ソレノイドバルブ30をオフとする除霜過程を行う。
【0043】
すなわち、圧縮機22によって圧縮吐出された高温高圧の冷媒ガスは、凝縮器23で冷却され、レシーバタンク24と膨張弁25を介して、冷却器18に供給される。このとき、冷媒は冷却器18による冷風よりも温度の高い庫外の凝縮器23により冷却されるため、凝縮圧力は上述の再熱器19の場合よりも高い圧力(例えば、1.5〜1.7MPa)となる。
【0044】
凝縮圧力が高圧となると、膨張弁25の入口側(高圧側)と出口側(低圧側)の圧力差が増加し、出口側から噴出する冷媒も増加する。膨張弁25の出口側から噴出する冷媒の増加によって、相対的に圧縮機22による吸引圧力は低くなり、冷却器18の圧力が高くなって蒸発温度が上がり、冷却器18の温度が上述した除湿時と比較して上昇し(0℃〜5℃)、伝熱フィン18aに着霜した霜を融かす(除霜する)ことができる。
【0045】
このような除湿、除霜過程を乾燥室11内の温度に基づいて繰り返すことで、乾燥室11内の空気は除湿され、乾燥室11内の棚板14上の物品が乾燥される。さらに、乾燥室11内の温度に基づいて行われる除湿、除霜過程に加えて、所定間隔、例えば10分間隔で除湿、除霜過程を行うようにしてもよい。
【0046】
この実施形態に係る冷風乾燥機10は、乾燥室11内にオゾン発生器16が取り付けられているため、乾燥室11内の空気に含まれる水分にオゾンが溶解し、乾燥室11内の空気中にオゾン水が含まれることとなる。
【0047】
オゾン水を含む空気は送風ファン15、15の運転によって乾燥室11内を循環し、そのオゾン水の酸化作用により、乾燥室11の内壁面のみならず、棚板14、送風ファン15など乾燥室11内の各部品の除菌、消臭することができる。
【0048】
また、乾燥室11内のオゾン水を含む空気は、除湿ファン21の運転によって、仕切板17aの前側開口部17bから通路17内に取り込まれる。ここで、上述の除湿過程では、通路17内の空気に含まれる水分が冷却器18の伝熱フィン18aに凝結し、着霜する。
【0049】
この状態で、上述の除霜過程が行われると、伝熱フィン18aに着霜した霜が融けて水となり、伝熱フィン18aに付着する水に乾燥室内に備えたオゾン発生器から生じるオゾンが溶解してオゾン水となる。このオゾン水の酸化作用により、伝熱フィン18aの表面に酸化被膜が形成され、伝熱フィン18aに不純物や汚れが付着しにくくなり、また付着しても剥がれ易くなる。これにより、冷却器18の伝熱フィン18aを除菌、消臭することができる。
【0050】
さらに、通路17内の再熱器19は、ベンチュリ効果により、冷却器18の伝熱フィン18aの間を通過するオゾン水を含んだ空気を、確実に再熱器19の伝熱フィン19aの間に導くことができる。このため、オゾン水の酸化作用により、再熱器19の伝熱フィン19aも除菌、消臭することができる。
【0051】
また、オゾン発生器16から発生する気体のオゾンが、送風ファン15、除湿ファン21により、乾燥室11及び通路17内を循環する。このオゾンの酸化作用によっても、乾燥室11及び通路17内の各部材が除菌、消臭される。
【0052】
このように、オゾン発生器16から発生するオゾンと、そのオゾンが溶解したオゾン水により、冷却器18、再熱器19および、乾燥室11内の各部材が除菌、消臭されるため、異なる種類の食品を連続して乾燥させることが可能となる。