(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天井裏に配置されるケースと、天井表側に配置されるパネルを前記ケースに引き付ける伸縮弾性体とを備え、前記ケースには、前記伸縮弾性体の一端が挿通する第1貫通孔と、前記伸縮弾性体の他端が挿通する第2貫通孔とが設けられ、前記伸縮弾性体が前記ケースの背面側に掛け渡されかつ前記伸縮弾性体の一端が前記第1貫通孔を挿通して前記パネルに接続されるとともに前記伸縮弾性体の他端が前記第2貫通孔を挿通して前記パネルに接続されるパネル取付け装置において、
前記伸縮弾性体における中間部分には伸縮方向に対して垂直な方向に拡大した拡大部が設けられ、この拡大部の幅が前記第1貫通孔の孔径よりも大きく、かつ前記第2貫通孔の孔径よりも大きい寸法に設定され、
前記拡大部は、前記第1及び第2貫通孔の孔径よりも大きい胴幅を有する胴部と、この胴部の両側それぞれに配置される傾斜部とを有する
パネル取付け装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び
図2を参照して、本発明に係る実施形態の天井埋込スピーカについて説明する。なお、
図2は、
図1のA−A線に沿う面において、その一部の断面構造を示す図である。また、
図2では、コイルばね51についてはその側面を示し、ケース40については一部を破断した状態を示す。
【0019】
天井埋込スピーカ1は、天井裏に配置されるスピーカ20と、天井表側に配置されるパネル30と、スピーカ20にパネル30を取り付けるパネル取付け装置10とを備えている。
【0020】
パネル取付け装置10は、スピーカ20を収容するケース40と、パネル30をケース40側に引き付ける態様でこのパネル30を支持するパネル支持体50とを備えている。
パネル支持体50は、コイルばね51と、このコイルばね51の両端それぞれに設けられる2つのフック52とを備えている(
図2参照)。フック52は、パネル30を天井に配置する際にこのパネル30の掛部34(
図5参照)に掛けられる。
【0021】
スピーカ20とケース40とパネル支持体50とは天井埋込構造体60を構成する。天井埋込構造体60は、天井90に開けた穿孔91を通じて天井裏に配置されるものである。穿孔91はパネル30により塞がれる。
【0022】
なお、以降の説明では、天井埋込構造体60において室内側から見える部分を正面側とし、正面の反対側を背面側とする。同様に、パネル30において、室内側から見える部分を正面側として、正面の反対側を背面側とする。
【0023】
スピーカ20は、コイル、振動板及び磁石を含むスピーカ本体21と、外部配線を接続するコネクタ22と、適切なインピーダンスを選択可能とするマッチングトランス23とを備えている。
【0024】
ケース40は、スピーカ20の背面部を覆うカバー41と、スピーカ20を支持するフレーム43とを備えている。
カバー41はドーム状に形成されている。カバー41の背面部には、コイルばね51(伸縮弾性体)の案内溝42が形成されている。案内溝42は、カバー41の最外周に沿っている。ここで、最外周とは、カバー41の中心軸を含む断面図における外周を示す。
【0025】
フレーム43には、円形のスピーカ配置孔44(
図2参照)が形成されている。スピーカ本体21は、スピーカ配置孔44を通じて音声が出力されるようにフレーム43に配置される。また、フレーム43においてスピーカ配置孔44の外側には、2つの貫通孔(以下、これを「第1貫通孔45A」及び「第2貫通孔45B」という。)が形成されている。2つの貫通孔45A,45Bは、スピーカ配置孔44を間に挟んで相対するところに配置されている。
【0026】
図3(a)に、第2貫通孔45Bの断面構造を示す。なお、第1貫通孔45Aの構造は、第2貫通孔45Bと同様である。
第1及び第2貫通孔45A,45Bの孔径φは、コイルばね51の腕部54のコイル径D(
図6参照)よりも大きい。すなわち、コイルばね51は、第1及び第2貫通孔45A,45Bに挿通した状態で伸縮摺動可能である。
【0027】
また、第1及び第2貫通孔45A,45Bの孔径φは、コイルばね51の拡大部53(
図6参照)における幅Wよりも小さい。これにより、コイルばね51全体が、第1及び第2貫通孔45A,45Bを通り抜けることが抑制される。
【0028】
図3(b)に、第2貫通孔45Bの変形例の断面構造を示す。なお、この変形例は、第1貫通孔45Aにも適用される。
この変形例では、フレーム43の上壁43Aに、コイルばね51を案内するガイド壁46が設けられている。このガイド壁46は、上壁43Aに対して垂直方向に突出する。このガイド壁46は、パネル取付け装置10の製造においてコイルばね51の端部を第2貫通孔45Bに挿通する際、この作業を行い易くする効果もある。
【0029】
ガイド壁46がケース40に設けられている構成では、上壁43Aを貫通する孔43Hと、この孔43Hの内周面に連続する面を有する上記ガイド壁46とにより構成される孔が、第2貫通孔45Bとして作用する。この場合、第2貫通孔45Bの孔径φは、孔が最も大きくなる部分の径寸法または幅寸法を示す(
図3(b)参照)。
【0030】
図4に、パネル30の平面図を示す。
パネル30は、パネルフレーム31と、パネルフレーム31に張り付けられるネット32と、パネル30の背面側に設けられている接続部33とを備えている。パネルフレーム31及び接続部33はともに円環状に形成されている。接続部33は、その外周縁がパネルフレーム31から離れるようにして、パネルフレーム31に固定されている。接続部33には、フック52が掛けられる掛部34が2箇所に形成されている。
【0031】
掛部34は、フック52が挿通する2つのフック孔35により構成されている。2つのフック孔35の間の距離は、2つのフック孔35にフック52が掛かるように設定されている。
【0032】
図5を参照して、フック52と掛部34との係合構造について説明する。
各フック52は、コイルばね51の端部に取り付けられている。フック52は、その先端を掛部34の一方のフック孔35を通過させて、次いで他方のフック孔35に通過さえるようにして、この掛部34に係合される。
【0033】
なお、フック52の基部幅WXは、ケース40の第1及び第2貫通孔45A,45Bよりも大きい。すなわち、フック52が第1及び第2貫通孔45A,45Bを通過しない構造とされている。
【0034】
次に、コイルばね51について説明する。
コイルばね51は、ケース40の案内溝42に沿って配置される。すなわち、コイルばね51は、カバー41の背面部に沿って第1貫通孔45Aから第2貫通孔45Bまで掛け渡されている。コイルばね51の一端は、第1貫通孔45Aを挿通してフレーム43の正面側に出されている。コイルばね51の他端は、第2貫通孔45Bを挿通してフレーム43の正面側に出されている。
【0035】
図6及び
図7を参照して、コイルばね51の構造について説明する。
コイルばね51は、ばね部51Aと、ばね部51Aの両端それぞれに設けられる取付部51Bとを有する。取付部51Bは、フック52が取り付けられる部分である。コイルばね51は、金属線(例えば、ピアノ線またはステンレス線)をコイル状に巻くことにより形成される。
【0036】
コイルばね51の中間部分には、コイルばね51の伸縮方向DEに垂直な方向にその幅が拡大した拡大部53が設けられている。
コイルばね51において拡大部53以外の部分(以下、「腕部54」という。)は、コイル径D(外径)が所定長に設定されている。
【0037】
拡大部53の幅Wは、腕部54のコイル径Dよりも大きい寸法に設定されている。
また、拡大部53の幅Wは、ケース40の第1及び第2貫通孔45A,45Bの孔径φよりも大きい寸法に設定されている。この構成により、コイルばね51が、第1及び第2貫通孔45A,45Bを通り抜けることが抑制される。
【0038】
ここで、拡大部53の幅Wとは、コイルばね51の伸縮方向DEに垂直な各断面について断面形状の最大幅を比較したときに、最も大きい最大幅を有する部分におけるその外形の最大幅を示す。各断面形状とは、コイルばね51の伸縮方向DEに沿う軸上の各点それぞれにおける断面形状を示す。断面形状の最大幅は、例えば、断面形状が円形であるときは直径の長さを示し、断面形状が楕円であるときは長軸の長さを示す。
【0039】
また、この構成において、拡大部53における最も幅広部分の断面積が、ケース40の第1貫通孔45Aの孔面積及び第2貫通孔45Bの孔面積よりも大きいことが好ましい。これにより、コイルばね51全体が第1及び第2貫通孔45A,45Bを通り抜けることをより確実に抑制することができる。
【0040】
なお、ここで、拡大部53における最も幅広部分の断面積とは、拡大部53において上記「拡大部53の幅W」が設定される部分における断面積(コイル内の面積を含む。)をいう。
【0041】
次に、拡大部53の一例を説明する。
図6に示すように、拡大部53は、胴部53Aと、胴部53Aの両側それぞれに配置される傾斜部53Bとを有する。胴部53A及び傾斜部53Bは、伸縮方向DEに垂直な断面において、円形に形成されている。
【0042】
胴部53Aは円筒状に構成されている。胴部53Aの胴幅すなわちコイル径(拡大部53の幅Wに対応する。)は、腕部54のコイル径Dよりも大きい。また、胴部53Aは2巻き以上のコイルとして構成されている。
【0043】
傾斜部53Bは、胴部53Aから腕部54に向かってコイル径が順に小さくなるよう構成された部分である。なお、このコイルばね51では、拡大部53の胴部53Aにおいて断面積が最も大きくなるため、この胴部53Aのコイル径が拡大部53の幅Wに対応する。
【0044】
次に、拡大部53の他の例を挙げる。
拡大部53の断面形状(伸縮方向DEに垂直な断面の形状)は、円形に限られない。例えば、拡大部53の断面形状を楕円形に構成してもよいし、長円に構成してもよい。また、拡大部53の断面形状を長円にする場合において幅狭の部分を設けてもよい。以下、これらの例を説明する。
【0045】
図8に、第1の変形例の拡大部153を示す。
この拡大部153の断面形状は、長軸の長さ及び短軸の長さがともに腕部54のコイル径Dよりも大きい長さに設定されている楕円である。この拡大部153においては、長軸の長さが拡大部153の幅Wに相当する。そして、この幅Wは、第1貫通孔45A及び第2貫通孔45Bの孔径φよりも大きい長さに設定されている。
【0046】
図9に、第2の変形例の拡大部253を示す。
この拡大部253の断面形状は長円である。また、拡大部253の断面形状において、長手方向の長さが腕部54のコイル径Dよりも大きい長さに設定されている。一方、拡大部253の短手方向の長さは腕部54のコイル径Dと略等しい長さに設定されている。この拡大部253においては、長手方向の長さが拡大部253の幅Wに相当する。そして、この幅Wは、第1貫通孔45A及び第2貫通孔45Bの孔径φよりも大きい長さに設定されている。
【0047】
なお、この構成において、拡大部253の短手方向の長さを腕部54のコイル径Dよりも短くしてもよい。この構成においても、コイルばね51全体が第1貫通孔45A及び第2貫通孔45Bを通り抜けることが抑制される。
【0048】
<天井埋込スピーカの取り付け方法>
天井埋込スピーカ1の取り付け方法について説明する。
まず、天井埋込構造体60が入る寸法の孔(穿孔91)を天井90に形成する。
【0049】
例えば、天井埋込構造体60の寸法が縦215cm、横134cm、高さ89cmの場合は直径150cmの孔(穿孔91)を形成する。そして、この孔(穿孔91)を通じて天井埋込構造体60を天井裏に配置し、天井埋込構造体60の位置を調整することによりスピーカ本体21を穿孔91に対向させる。
【0050】
次に、一方のフック52を引っ張り出し、パネル30の一方の掛部34にフック52を引っ掛ける。また、同様に、他方のフック52を引っ張り出し、パネル30の他方の掛部34にフック52を引っ掛ける。これにより、コイルばね51の一端がパネル30の一側端に接続されて、かつコイルばね51の他端がパネル30の他側端に接続される。この状態のとき、パネル30にコイルばね51の引っ張り力が加わる。このため、パネル30が天井埋込構造体60に引っ張られ天井90に押圧された状態でパネル30が固定される。以上の作業により、天井埋込スピーカ1の取り付け作業が完了する。
【0051】
すなわち、天井埋込スピーカ1の取り付けは、第1ステップで天井90に孔を形成し、第2ステップで、天井埋込構造体60を配置し、第3ステップでパネル30にフック52を掛けるという、3ステップで作業が完了する。
【0052】
<拡大部の作用>
図10を参照して、コイルばね51が破断したときの拡大部53の作用を説明する。
なお、この説明では、コイルばね51について右側というときは
図10の右側にある部分を示し、左側というときは
図10の左側にある部分を示す。または、破断した2つのコイルばね51のうち破断部分Aよりも右側のコイルばね51を右側コイルばね51Rとし、破断部分Aよりも左側のコイルばね51を左側コイルばね51Lと称する。
【0053】
図10(a)は、コイルばね51が、拡大部53よりも右側で破断したときの状態を示す。コイルばね51が破断したとき、天井90側にパネル30を引き付ける力がなくなるため、パネル30が落下し始める。このため、破断した2つのコイルばね51もパネル30に引きずられて落下し始める。
【0054】
2つのコイルばね51のうち右側コイルばね51Rには拡大部53が付いていないため、右側コイルばね51Rは第1貫通孔45Aを抜け落ちる。一方、2つのコイルばね51のうち左側コイルばね51Lには拡大部53が付いているため、拡大部53が第2貫通孔45Bに当たって左側コイルばね51Lの落下が止められる。すなわち、パネル30は、左側コイルばね51Lにより片持ち状態で支持される。
【0055】
図10(b)は、コイルばね51が、拡大部53よりも左側で破断したときの状態を示す。コイルばね51が破断したとき、上記と同様に、パネル30が落下し始める。2つのコイルばね51のうち左側コイルばね51Lには拡大部53が付いていないため、左側コイルばね51Lは第2貫通孔45Bを抜け落ちる。一方、2つのコイルばね51のうち右側コイルばね51Rには拡大部53が付いているため、拡大部53が第1貫通孔45Aに当たって右側コイルばね51Rの落下が止められる。すなわち、パネル30は、右側コイルばね51Rにより片持ち状態で支持される。
【0056】
図10(c)は、コイルばね51が、拡大部53で破断したときの状態を示す。コイルばね51が破断したとき、上記と同様に、パネル30が落下し始める。
2つのコイルばね51のうち右側コイルばね51Rは、拡大部53のうちの片側が付いているため、拡大部53が第1貫通孔45Aに当たって右側コイルばね51Rの落下が止められる。また同様に、2つのコイルばね51のうち左側コイルばね51Lにも拡大部53の残片が付いているため、この拡大部53が第2貫通孔45Bに当たって左側コイルばね51Lの落下が止められる。すなわち、拡大部53で破断したとき、左側コイルばね51Lと右側コイルばね51Rとによりパネル30が支持される。
【0057】
本実施形態に係るパネル取付け装置10によれば、次の効果を奏する。
(1)パネル取付け装置10は、ケース40の裏側に掛け渡されるように配置されたコイルばね51でパネル30を支持する。このコイルばね51(伸縮弾性体)は伸縮方向DEに対して垂直な方向に拡大した拡大部53が設けられている。この拡大部53の幅Wは第1及び第2貫通孔45A,45Bの孔径φよりも大きい寸法に設定されている。
【0058】
この構成によれば、腐食等に起因してコイルばね51が破断したとしても、拡大部53が第1貫通孔45Aまたは第2貫通孔45Bに引っ掛かる。このため、破断により分割された2個のコイルばね51R,51Lがともに第1貫通孔45Aまたは第2貫通孔45Bを通過してしまうことが抑制される。これにより、パネル30の落下が抑制される。
【0059】
また、この構成の場合、その製造において、コイルばね51に抜け防止部材を取り付ける作業を要しない。このため、コイルばね51に抜け防止部材を取り付ける構造のパネル取付け装置に比べて、その製造工程が簡略化される。従って、パネル取付け装置10は、従来のパネル取付け装置に比べて、簡単に製造される。また、コイルばね51に抜け防止部材を取り付ける構造を有するパネル取付け装置に比べて、部品点数が少ないため、低コスト、かつ製造時の部品管理が容易であるというメリットもある。
【0060】
(2)パネル取付け装置10において、拡大部53で最も幅広部分の断面積が、第1貫通孔45Aの孔面積よりも大きく、かつ第2貫通孔45Bの孔面積よりも大きいことが好ましい。この構成によれば、コイルばね51が第1貫通孔45Aまたは第2貫通孔45Bを通り抜けることをより確実に抑制することができる。
【0061】
(3)パネル取付け装置10において、拡大部53は、第1及び第2貫通孔の孔径φよりも大きい胴幅を有する胴部53Aと、この胴部53Aの両側に配置される傾斜部53Bとを有することが好ましい。
【0062】
コイルばね51を有するパネル取付け装置10では、天井にパネル30を取り付ける際、コイルばね51を引っ張ってその一方の端部をパネル30に引っ掛けて、次いで、他方の端部をパネル30に引っ掛ける。このとき、コイルばね51は、ケース40の背面に摺れるようにして伸びる。この場合、ケース40の背面にバリ等の凸部があると拡大部53の端部が凸部にあたってコイルばね51を円滑に引張ることができにくくなる。
【0063】
そこで、本構成では、拡大部53の端部を傾斜させて、拡大部53の端部が凸部に引っ掛かることを抑制する。これにより、パネル取付け装置10の取付け作業時に、コイルばね51がバリ等の凸部に引っ掛かることが抑制され、その作業が滞ることが少なくなる。
【0064】
(4)天井埋込スピーカ1は、上記パネル取付け装置10を備えている。
この構成によれば、パネル30の落下が抑制される。また、抜け防止部材等の部品をコイルばね51に取り付けられている従来の天井埋込スピーカに比べて、簡単に製造することができる。
【0065】
[その他の実施形態]
本技術は、上記実施形態に限定されるものではない。
以下、その他の実施形態について説明する。
【0066】
・上記実施形態に示すコイルばね51では、1つのばね部51Aを有するが、複数個のばね部51Aを有するようにコイルばね51を構成してもよい。例えば、コイルばね51を、3つのばね部で構成し、2つのばね部の間に配置されるばね部において拡大部53を設ける。このような構成によっても、破断により分割されたコイルばね51の少なくとも一方は第1及び第2貫通孔45A,45Bを通り抜けない。なお、この構成でも、1本の金属線によりコイルばね51を形成することができるため、その部品点数が増加することはなく、製造時の作業効率が低下することもない。
【0067】
・上記実施形態に示すコイルばね51は、その伸縮方向DEに沿う軸に対して垂直な面に沿って金属線が巻かれているが、コイルばね51の形態はこれに限定されない。例えば、コイルばね51として、その伸縮方向DEに沿う軸に対して斜めに交差する面に沿って金属線が巻かれたものを用いてもよい。
【0068】
・上記実施形態に示すコイルばね51は1つの拡大部53を有するが、拡大部53の個数はこれに限定されない。コイルばね51において、複数個所に拡大部53を設けるようにしてもよい。
【0069】
・上記実施形態では、パネル取付け装置10を天井埋込スピーカ1に適用しているが、その適用は天井埋込スピーカ1のみに限定されない。パネル30をケース40側に引き付ける構造のもの、またはパネル30の取り付け構造をケース40側に引き付ける構造に変更することができるものについてパネル取付け装置10を適用することができる。例えば、天井90に取り付けられる照明用の化粧板(パネル)の取付構造についてパネル取付け装置10を適用することができる。また、火災報知器等において天井90に取り付けられる装置を、天井面よりも上方に配置する場合には、このパネル取付け装置10が好適に採用される。火災報知器を天井裏に配置する場合には、パネル30は、化粧板としての機能と、煙を吸い込む吸い込み口としての機能とを備えるように構成される。
【0070】
[付記]
発明を実施するための形態には、課題を解決する手段に挙げた技術思想以外の技術思想も開示されている。以下に、そのうちの1つを示す。
【0071】
[付記1]
本技術に係るパネル取付け装置は、天井裏に配置されるケースと、天井表側に配置されるパネルを前記ケースに引き付ける伸縮弾性体とを備え、前記ケースには、前記伸縮弾性体の一端が挿通する第1貫通孔と、前記伸縮弾性体の他端が挿通する第2貫通孔とが設けられ、前記伸縮弾性体が前記ケースの背面側に掛け渡されかつ前記伸縮弾性体の一端が前記第1貫通孔を挿通して前記パネルに接続されるとともに前記伸縮弾性体の他端が前記第2貫通孔を挿通して前記パネルに接続されるパネル取付け装置において、前記伸縮弾性体には伸縮方向に対して垂直な方向に拡大した拡大部が設けられ、この拡大部の幅が前記第1貫通孔の孔径よりも大きく、前記第2貫通孔の孔径よりも大きい寸法に設定され、前記拡大部の胴部の巻き数は2以上である。
【0072】
コイルばねの拡大部は、他の部分に比べてばね定数が小さくなる。このため、コイルばねを引っ張ったとき、拡大部が他の部分(腕部)に比べて伸びやすい。拡大部の巻き数を多くすることにより、コイルばねを伸ばし易くすることができる。これは次の点でメリットがある。例えば、オフィスビル等、多数の天井埋込スピーカが設置される場合、コイルばねを引っ張るために要する力が大きいと、パネル取り付け作業を行う作業者の負担が増す。この点、拡大部の巻き数を2巻き以上にして、コイルばねを引っ張るために要する力を小さくしているため、作業者の負担を軽減することができる。