【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の技術的課題の解決は、特許請求の範囲において特徴付けられる実施の形態によって達成される。
【0021】
特に、本発明は、コーヒーブレンドを製造する方法であって、コーヒーブレンドが、該コーヒーブレンドから標準条件下で抽出したコーヒー飲料が、少なくとも65mg/LのN−メチルピリジニウムカチオン(NMP)及び少なくとも550mg/Lのクロロゲン酸(CGA)を含有することを特徴とし、
(a)190℃〜210℃で少なくとも10分間、約45スケールパーツ〜60スケールパーツのダーク程度ま
でアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆を
ドラム焙煎する工程と、
(b)240℃〜270℃で最大5分間焙煎を行う回転流動床(RFB)によって約75スケールパーツ〜約90スケールパーツのミディアム程度ま
でアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆を
焙煎する工程と、
(c)1つのブレンド成分が(a)によるコーヒー豆からなり、1つのブレンド成分が(b)によるコーヒー豆からなり、(a)によるコーヒー豆がブレンドの60%(w/w)〜80%(w/w)を形成し、(b)によるコーヒー豆がブレンドの20%(w/w)〜40%(w/w)を形成する、少なくとも2つの成分をブレンドする工程と、
を含む、コーヒーブレンドを製造する方法に関する。
【0022】
本発明のより好ましい実施の形態では、工程(c)において、少なくとも1つのブレンド成分が(a)によるコーヒー豆からなり、少なくとも1つのブレンド成分が(b)によるコーヒー豆からなり、(a)によるコーヒー豆がブレンドの65%(w/w)〜80%(w/w)、より好ましくは70%(w/w)〜80%(w/w)、より好ましくは75%(w/w)〜80%(w/w)、より好ましくは60%(w/w)〜75%(w/w)、より好ましくは60%(w/w)〜70%(w/w)、より好ましくは60%(w/w)〜65%(w/w)、より好ましくは65%(w/w)〜75%(w/w)、より好ましくは65%(w/w)〜70%(w/w)、より好ましくは70%(w/w)〜75%(w/w)を形成し、(b)によるコーヒー豆がブレンドの20%(w/w)〜40%(w/w)、より好ましくは20%(w/w)〜35%(w/w)、より好ましくは20%(w/w)〜30%(w/w)、より好ましくは20%(w/w)〜25%(w/w)、より好ましくは25%(w/w)〜40%(w/w)、より好ましくは25%(w/w)〜35%(w/w)、より好ましくは25%(w/w)〜30%(w/w)、より好ましくは30%(w/w)〜40%(w/w)、より好ましくは30%(w/w)〜35%(w/w)、より好ましくは30%(w/w)〜40%(w/w)、より好ましくは35%(w/w)〜40%(w/w)を形成する。
【0023】
本発明の方法の好ましい実施の形態では、本方法は、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆を、焙煎する前にCGA及びトリゴネリンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物でスパイキングする工程を更に含む。
【0024】
スパイキング成分を焙煎中、例えばトレファクト(Torrefacto)プロセス(トレファクト焙煎;「スペイン焙煎(spanische Roestung)」とも呼ばれる)中に添加してもよい。この場合、液糖及びスパイキング成分を焙煎プロセスの終了時に添加する。
【0025】
別の態様では、本発明は、コーヒーブレンドであって、該コーヒーブレンドから標準条件下で抽出したコーヒー飲料が、少なくとも65mg/LのN−メチルピリジニウムカチオン(NMP)及び少なくとも550mg/Lのクロロゲン酸(CGA)を含有することを特徴とし、
(a)190℃〜210℃で少なくとも10分間、約45スケールパーツ〜60スケールパーツのダーク程度ま
でアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆を
ドラム焙煎する工程と、
(b)240℃〜270℃で最大5分間焙煎を行う回転流動床(RFB)によって約75スケールパーツ〜約90スケールパーツのミディアム程度ま
でアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆を
焙煎する工程と、
(c)少なくとも1つのブレンド成分が(a)によるコーヒー豆からなり、少なくとも1つのブレンド成分が(b)によるコーヒー豆からなり、(a)によるコーヒー豆がブレンドの60%(w/w)〜80%(w/w)を形成し、(b)によるコーヒー豆がブレンドの20%(w/w)〜40%(w/w)を形成する、少なくとも2つの成分をブレンドする工程とを含み、好ましくは少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆を、焙煎する前にCGA及びトリゴネリンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物でスパイキングする工程を更に含む、コーヒーブレンドを製造する方法により得ることができる、コーヒーブレンドに関する。
【0026】
「コーヒー」という用語は、本明細書中で使用される場合、挽いたコーヒー粉末又はコーヒー豆を意味する。したがって、本発明によるコーヒーブレンドは、コーヒー粉末ブレンド又はコーヒー豆のブレンドであり、コーヒーの由来は同じであっても、又は異なっていてもよい。
【0027】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの1つの実施の形態では、工程(c)におけるブレンド成分はコーヒー豆を含有し、本発明によるコーヒーブレンドはコーヒー豆のブレンドである。本発明の好ましい実施の形態では、本発明によるコーヒーブレンドがコーヒー豆のブレンドである場合、コーヒー飲料を抽出する前に、好ましくは細挽き、中挽き及び粗挽きからなる群から選択される粒度までコーヒー豆を挽く。コーヒー豆を挽く方法は当該技術分野で既知である。
【0028】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの別の実施の形態では、工程(c)におけるブレンド成分はコーヒー粉末を含有し、本発明によるコーヒーブレンドはコーヒー粉末ブレンドである。本発明の方法の好ましい実施の形態では、工程(a)及び工程(b)で準備されるコーヒー豆は、本発明によるコーヒーブレンドがコーヒー粉末ブレンドである場合、工程(c)前に挽いたものである。
【0029】
コーヒー飲料をコーヒーブレンドから抽出するための標準条件は当業者に既知である。好ましい実施の形態では、コーヒー飲料をコーヒーブレンドから抽出するための標準条件は、以下のものからなる群から選択される:
コーヒーブレンドを大気圧で熱湯を含有する容器内で浸出させ、かき混ぜ、コーヒー粒子を沈殿させる;
コーヒーブレンドを冷水によって浸出させ、大気圧で沸騰させ、飲料を沸騰前又は沸騰後に濾過する;
コーヒーブレンドをコーヒーメーカーでフィルターを用いて大気圧で直接浸出させる(泡のないフィルターコーヒー);
コーヒーブレンドをコーヒーメーカーで最大で20バールのポンプ圧を用いて高圧で直接抽出する(クレマを有するコーヒー;エスプレッソ)。
【0030】
より好ましい実施の形態では、標準条件は以下の通りである:約29.5gのコーヒーブレンドを、約600mlの水道水を用いてサイズ4のコーヒーフィルターを有するコーヒーメーカー(通常は、大気圧下で抽出を行う標準的なドリップフィルターのフィルターコーヒーメーカー)で抽出する。挽いていない豆については、約420μmの粉砕粉末度(Helosレーザー回折分析装置によって測定される、63.2%の体積含量で得られた中程度の粒度)を有するものを、上記標準条件下で使用する。
【0031】
別の好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドからのコーヒー飲料の抽出は、濾布でできたパッドに入れた、本発明による挽いたコーヒーブレンドを含むパッドを用いて行われる。コーヒーをコーヒー粉末パッドから抽出するための方法及び装置は、当該技術分野で既知である。例えば、この実施の形態では、抽出のための標準条件は以下の通りである:コーヒー粉末カプセル中の約7g〜8gのコーヒーブレンドを、コーヒー粉末パッドを用いてコーヒーを抽出するのに好適なコーヒーメーカーにおいて、水道水で抽出し、約125mlのコーヒー飲料を得る。
【0032】
別の好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドからのコーヒー飲料の抽出は、固体カプセル、好ましくはプラスチックカプセルに入れた、本発明による挽いたコーヒーブレンドを含むカプセルを用いて行われる。コーヒーをコーヒー粉末カプセルから抽出するための方法及び装置は、当該技術分野で既知である。例えば、この実施の形態では、抽出のための標準条件は以下の通りである:コーヒー粉末カプセル中の約7g〜8gのコーヒーブレンドを、固体コーヒー粉末カプセルを用いてコーヒーを抽出するのに好適なコーヒーメーカーにおいて、水道水で抽出し、約40ml〜125mlのコーヒー飲料を得る。
【0033】
「N−メチルピリジニウム」及び「NMP」という用語は、本明細書中で使用される場合、そのイオン形態のN−メチルピリジニウムだけでなく、例えばN−メチルピリジニウムヨージド、N−メチルピリジニウムクロリド、N−メチルピリジニウムヒドロキシド又はN−メチルピリジニウムスルフェートのような塩形態のN−メチルピリジニウムにも関する。
【0034】
「クロロゲン酸」及び「CGA」という用語は、本明細書中で使用される場合、コーヒー豆中に見ることのできる全てのクロロゲン酸に関し、カフェオイルキナ酸のアイソフォームであるネオクロロゲン酸、n−クロロゲン酸及びクリプトクロロゲン酸、並びにジカフェオイルキナ酸のアイソフォームであるイソ−1−クロロゲン酸、イソ−2−クロロゲン酸及びイソ−3−クロロゲン酸を含む。
【0035】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態では、上記コーヒーブレンドから抽出したコーヒー飲料は、コーヒー飲料におけるNMPの濃度に対するCGAの濃度の比率が6〜12、より好ましくは7〜10、最も好ましくは7.5〜9である。
【0036】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態では、上記コーヒーブレンドから抽出したコーヒー飲料は、少なくとも65mg/LのNMP、より好ましくは少なくとも70mg/LのNMP、より好ましくは少なくとも75mg/LのNMP、より好ましくは少なくとも80mg/LのNMP、より好ましくは少なくとも85mg/LのNMP、より好ましくは少なくとも90mg/LのNMP、より好ましくは少なくとも90mg/LのNMPと、少なくとも550mg/LのCGA、より好ましくは少なくとも600mg/LのCGA、より好ましくは少なくとも650mg/LのCGA、より好ましくは少なくとも700mg/LのCGA、より好ましくは少なくとも750mg/LのCGA、より好ましくは少なくとも800mg/LのCGA、より好ましくは少なくとも850mg/LのCGAとを含有する。本明細書中で規定されるNMPの値のいずれかと、本明細書中で規定されるCGAの値のいずれかとの任意の組合せも、本発明の好ましい実施の形態に含まれる。
【0037】
「カルボン酸−5−ヒドロキシトリプタミド」及び「C5−HT」という用語は、本明細書中で使用される場合、コーヒー豆中に見ることのできる全てのカルボン酸−5−ヒドロキシトリプタミドに関し、ステアロイル−5−ヒドロキシトリプタミド、アラキノイル−5−ヒドロキシトリプタミド、ベヘノイル−5−ヒドロキシトリプタミド及びリグノセロイル−5−ヒドロキシトリプタミド等の
βN−C
18:0−アルカノイル−5−ヒドロキシトリプタミド〜
βN−C
24:0−アルカノイル−5−ヒドロキシトリプタミドを含む。好ましい実施の形態では、C5−HTは
βN−アルカノイル−5−ヒドロキシトリプタミドである。
【0038】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態では、上記コーヒーブレンドから標準条件下で抽出したコーヒー飲料は、最大で200mg/LのC5−HT、より好ましくは150mg/LのC5−HT、より好ましくは100mg/LのC5−HT、より好ましくは最大で80mg/L、より好ましくは最大で60mg/L、最も好ましくは最大で40mg/LのC5−HTを含有する。
【0039】
これらの特徴、すなわちNMP、CGA及びC5−HTの特定の濃度及び/又は比率は、本発明のコーヒーブレンドの有利な生理学的特性、すなわちその高い抗酸化活性及び胃への優しさに直接関与する。
【0040】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態によると、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆を、焙煎前に脱ワックス処理及び/又は脱カフェイン処理する。生コーヒー豆を脱ワックス処理する方法は当該技術分野で既知である。例えば、脱ワックス処理は、van der Stegenによって記載される方法により行うことができる(van der Stegen, G. H. D., The effect of dewaxing of green coffee on the coffee brew, Food Chemistry 4(1), pp. 23 - 29, January 1979)。さらに、例えばコーヒー豆を酢酸エチル、ジクロロメタン(DCM)又は超臨界CO
2で処理することによる、生コーヒー豆を脱カフェイン処理する方法が当該技術分野で既知である。
【0041】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの別の好ましい実施の形態では、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆を焙煎前に水蒸気処理する。生コーヒー豆を水蒸気処理する方法は当該技術分野で既知である。
【0042】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態では、スパイキングを真空浸潤若しくは標準大気圧下での含浸によって、又は凍結乾燥に続く機械的乾燥機での乾燥により初期の生コーヒー豆の水分含量に戻すことによって行う。
【0043】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態では、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆をCGA又はCGA含有抽出物でスパイキングし、それによりスパイキングした生コーヒー豆中のCGAの最終量を、スパイキングする前の生コーヒー豆中のCGAの量よりも10%(w/w)〜300%(w/w)高くする。本発明の方法及びコーヒーブレンドの別の好ましい実施の形態では、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆をCGAでスパイキングし、それによりスパイキングした生コーヒー豆中のCGAの最終量を、スパイキングする前の生コーヒー豆中のCGAの量よりも少なくとも10%(w/w)、より好ましくは少なくとも20%(w/w)、より好ましくは少なくとも30%(w/w)、より好ましくは少なくとも50%(w/w)、より好ましくは少なくとも100%(w/w)、より好ましくは少なくとも150%(w/w)、より好ましくは少なくとも200%(w/w)、最も好ましくは少なくとも250%(w/w)高くする。本発明の方法及びコーヒーブレンドのより好ましい実施の形態では、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆をCGAでスパイキングし、それによりスパイキングした生コーヒー豆中のCGAの最終量を、スパイキングする前の生コーヒー豆中のCGAの量よりも最大で300%(w/w)高くする。
【0044】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態では、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆をトリゴネリン又はトリゴネリン含有抽出物でスパイキングし、それによりスパイキングした生コーヒー豆中のトリゴネリンの最終量を、スパイキングする前の生コーヒー豆中のトリゴネリンの量よりも10%(w/w)〜300%(w/w)高くする。本発明の方法及びコーヒーブレンドの別の好ましい実施の形態では、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆をトリゴネリンでスパイキングし、それによりスパイキングした生コーヒー豆中のトリゴネリンの最終量を、スパイキングする前の生コーヒー豆中のトリゴネリンの量よりも少なくとも10%(w/w)、より好ましくは少なくとも20%(w/w)、より好ましくは少なくとも30%(w/w)、より好ましくは少なくとも50%(w/w)、より好ましくは少なくとも100%(w/w)、より好ましくは少なくとも150%(w/w)、より好ましくは少なくとも200%(w/w)、最も好ましくは少なくとも250%(w/w)高くする。本発明の方法及びコーヒーブレンドのより好ましい実施の形態では、少なくとも1つのブレンド成分の生コーヒー豆をトリゴネリンでスパイキングし、それによりスパイキングした生コーヒー豆中のトリゴネリンの最終量を、スパイキングする前の生コーヒー豆中のトリゴネリンの量よりも最大で300%(w/w)高くする。
【0045】
両方のスパイキング方法、すなわちCGA又はCGA含有抽出物でのスパイキングと、トリゴネリン又はトリゴネリン含有抽出物でのスパイキングとを組み合わせることもできる。
【0046】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは、ダーク程度まで焙煎したコーヒーと、ミディアム程度まで焙煎したコーヒーとを、60:40(ダーク:ミディアム)〜80:20(ダーク:ミディアム)の比率で含有する。本発明の方法及びコーヒーブレンドのより好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは、ダーク程度まで焙煎したコーヒーと、ミディアム程度まで焙煎したコーヒーとを、60:40(ダーク:ミディアム)、65:35(ダーク:ミディアム)、70:30(ダーク:ミディアム)、75:25(ダーク:ミディアム)又は80:20(ダーク:ミディアム)の比率で含有する。
【0047】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの別の好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは、40%(w/w)〜20%(w/w)、より好ましくは35%(w/w)〜20%(w/w)、より好ましくは30%(w/w)〜20%(w/w)、最も好ましくは25%(w/w)〜20%(w/w)のミディアム程度まで焙煎したコーヒーを含有する。本発明の方法及びコーヒーブレンドの更に好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは、40%(w/w)、35%(w/w)、30%(w/w)、25%(w/w)又は20%(w/w)のミディアム程度まで焙煎したコーヒーを含有する。
【0048】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの別の好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは、80%(w/w)〜60%(w/w)、より好ましくは80%(w/w)〜65%(w/w)、より好ましくは75%(w/w)〜65%(w/w)、最も好ましくは70%(w/w)〜65%(w/w)のミディアム程度まで焙煎したコーヒーを含有する。本発明の方法及びコーヒーブレンドの更に好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは、80%(w/w)、75%(w/w)、70%(w/w)、65%(w/w)又は60%(w/w)のダーク程度まで焙煎したコーヒーを含有する。
【0049】
本発明の特に好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは以下のものを含む:
約260℃で約3分間焙煎を行う回転流動床(RFB)によって約80スケールパーツの焙煎程度まで焙煎した、約30%(w/w)のアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆;及び約200℃で約20分間、約50スケールパーツの焙煎程度までドラム焙煎した、約70%(w/w)のアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆。
【0050】
本発明のより好ましい実施の形態では、コーヒーブレンドは以下のものからなる:
約260℃で約3分間焙煎を行う回転流動床(RFB)によって約80スケールパーツの焙煎程度まで焙煎した、約30%(w/w)の脱ワックス処理したアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆;及び
約200℃で約20分間、約50スケールパーツの焙煎程度までドラム焙煎した、約70%(w/w)の脱ワックス処理したアラビ
カコーヒーノキのコーヒー豆。
【0051】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態は、ダーク程度まで焙煎したスパイキングしていない、トリゴネリンでスパイキングした及び/又はCGAでスパイキングしたコーヒー豆と、ミディアム程度まで焙煎したスパイキングしていない、トリゴネリンでスパイキングした及び/又はCGAでスパイキングしたコーヒー豆とのブレンドを、コーヒーブレンド中のそれぞれのコーヒー豆の本明細書中で規定される比率又は総量のいずれかで、並びにCGA及び/又はトリゴネリンでのコーヒー豆のスパイキングについて本明細書中で規定される量のいずれかで含み、コーヒー豆の代わりにコーヒー粉末をブレンドする場合に得られるそれぞれのブレンドについても同様である。例えば、本発明の方法及びコーヒーブレンドの好ましい実施の形態は、ダーク程度まで焙煎したスパイキングしていないコーヒー豆と、ミディアム程度まで焙煎したスパイキングしていないコーヒー豆とのブレンド、ダーク程度まで焙煎したトリゴネリンでスパイキングした及び/又はCGAでスパイキングしたコーヒー豆と、ミディアム程度まで焙煎したスパイキングしていないコーヒー豆とのブレンド、ダーク程度まで焙煎したスパイキングしていないコーヒー豆と、ミディアム程度まで焙煎したトリゴネリンでスパイキングした及び/又はCGAでスパイキングしたコーヒー豆とのブレンド、ダーク程度まで焙煎したトリゴネリンでスパイキングした及び/又はCGAでスパイキングしたコーヒー豆と、ミディアム程度まで焙煎したトリゴネリンでスパイキングした及び/又はCGAでスパイキングしたコーヒー豆とのブレンドを、コーヒーブレンド中のそれぞれのコーヒー豆の本明細書中で規定される比率又は総量のいずれかで、並びにCGA及び/又はトリゴネリンでのコーヒー豆のスパイキングについて本明細書中で規定される量のいずれかで含み、コーヒー豆の代わりにコーヒー粉末をブレンドする場合に得られるそれぞれのブレンドについても同様である。
【0052】
色については、60スケールパーツ未満、例えば50スケールパーツ未満、又は45スケールパーツ未満の焙煎程度がダークとみなされる。約75〜約90スケールパーツ、例えば約80スケールパーツ〜約90スケールパーツ、約85スケールパーツ〜約90スケールパーツ、又は約75スケールパーツ〜約80スケールパーツの焙煎程度がミディアムとみなされる。少なくとも90スケールパーツの焙煎程度がライトとみなされる。当業者は焙煎程度を、例えばSchaltex GmbH製の色検出装置Dr. Lange − LFM 1、Dr. Lange − LK 100又はRSM 2を、製造業者によって提供されるそれぞれのプロトコルに従って容易に決定することができる。
【0053】
本願の好ましい実施の形態では、ミディアム程度まで焙煎したコーヒー豆は、1.5分間〜5分間、1.5分間〜4分間、又は1.5分間〜3分間焙煎を行う流動床によって焙煎したものである。本願の別の好ましい実施の形態では、ダーク程度まで焙煎したコーヒー豆は、8分間〜25分間、10分間〜25分間、15分間〜25分間、8分間〜20分間、10分間〜20分間、又は15分間〜20分間焙煎を行うドラムによって焙煎したものである。
【0054】
ドラム焙煎を行うためのドラム内でのバッチ焙煎の例は
図22に見ることができ、ドラム焙煎に使用することのできるドラム焙煎機の例は
図23に見ることができる。
【0055】
流動床焙煎を行うための流動床焙煎機ドラムの例は
図24に見ることができ、回転流動床焙煎機の例は
図25に見ることができる。
【0056】
本発明の方法及びコーヒーブレンドの更に好ましい実施の形態では、上記コーヒーブレンドから抽出されるコーヒー飲料は抗酸化活性を有し、かつ/又は胃に優しい。
【0057】
本発明のコーヒーブレンド及び方法に使用することのできるコーヒー豆は、コーヒー豆がアラビ
カコーヒーノキ、例えばコロンビア又はブラジル原産のアラビ
カコーヒーノキに由来する限り、限定されない。
【0058】
好ましい実施の形態では、本発明は有利には、CGA及び/又はトリゴネリンを、従来技術における先入観にとらわれずに、コーヒー豆を焙煎する前にコーヒー豆に添加する、コーヒーブレンドを製造する方法を提供する。本発明によるブレンドを得る方法は、好ましい実施の形態では、例えば
図20及び
図21に示されるように、従来のコーヒー焙煎プロセスの最終生成物よりも多量のCGA及び/又はトリゴネリンを、焙煎中の上記成分の熱分解にもかかわらずに有する最終生成物をもたらす。
【0059】
驚くべきことに、焙煎前にコーヒー豆に添加したCGAの焙煎プロセス中の熱改質は、本発明による方法の好ましい実施の形態では、上記豆から抽出されるコーヒーの官能的利点をもたらす。特に、クロロゲン酸は、消費者によって心地よいものとして認識される芳香効果化合物である。これらの揮発性風味成分に加えて、製品の風味を特徴付ける非揮発性の苦味物質も、CGAの焙煎中に産生される。純粋なクロロゲン酸は酸味があり、苦味があり、渋味がある。加えて、クロロゲン酸及びその分解生成物は、コーヒー製品の色及び抗酸化能を決定する必須メラノイド画分の重要な成分である。したがって、コーヒー豆を焙煎する前に本発明の好ましい実施の形態においてCGA及び/又はトリゴネリンを添加することによって、本願は、更なる有益なコーヒー成分を含有し、酸味、苦味及び渋味のような望ましくない味を最低量まで低減する、コーヒーブレンドを提供する。本発明によるブレンドから抽出したコーヒー飲料の官能分析は、いかなる望ましくない香りも示さなかった。