(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、少なくとも1つの回路(122、400、800、802、804a〜e、902、906、908)の第2の電気特性を決定するステップ、及び第2の特性に基づいて、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)に関わる情報を決定するステップを含んでなる、請求項1又は2に記載の方法。
薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)に関わる情報の決定ステップが、使用者が、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)を薬物送達デバイス(300、1200)内に装着しようと試みるときに行われる、請求項1〜7のいずれかに記載の方法であって、
決定された情報に基づいて、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)を識別するステップ、及び決定された情報に基づいて、その薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)が、薬物送達デバイス(300、1200)との使用の対象としていないことを決定するステップ、をさらに含む、上記方法。
さらに、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)は、薬物送達デバイス(300、1200)との使用の対象としていないことの表示を示すステップを含んでなる、請求項8の方法。
さらに、薬物送達デバイス(300、1200)内への、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)の挿入を阻止するステップを含んでなり、ここで、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)の挿入を阻止するステップが、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)の挿入を阻止する電子ラッチ(116)を作動させるステップを含む、請求項8又は9に記載の方法、
さらに、薬物リザーバ(320、1000、1002、1006、1008)に関わる情報の、少なくとも一部を表示するように構成されたディスプレイを含んでなる、請求項12に記載の医療送達デバイス(300,1200)。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図2】薬物リザーバに関わる情報を決定する例示的方法を図示する。
【
図3A】
図1のシステムを含んでよい、代表的ペン型薬物送達デバイスを図示する。
【
図3B】回路を有するコード化材料を含んでよい、例としての薬物リザーバを図示する。
【
図5】検出器機能の、例としてのデコーディング回路を図示する。
【
図6】検出器機能の、別の例としてのデコーディング回路を図示する。
【
図7】検出器機能の例としてのコネクタ、及び、例としてのコード化材料を図示する。
【
図8】
図8Aは、例としての標準回路を図示する。
図8Bは、
図8Aの標準回路の例としての変更版を示し、ここで、変更版は、所定の薬物リザーバについての情報を表示するのに役立ってよい。
図8Cは、
図8Bの変更された標準回路の等価回路を図示する。
【
図9】
図9Aは、回路を有するコード化材料に接続された、複数のコネクタを有する、検出器機能の例を図示する。
図9Bは、検出器機能の
図9Aの等価回路とコード化材料を図示する。
【
図10】
図10A及び10Bは、薬物リザーバ上のコード化材料の、考えられる位置の例を図示する。
【
図12】
図1のシステムを含む、別の例としての、薬物送達デバイスを図示する。
【
図13A】コード化材料の、例としての回路を図示する。
【
図13B】コード化材料の、別の例としての回路を図示する。
【0047】
A. 概説
開示された方法、及び、システムは、電子センサによって、薬物リザーバに関わる情報の特定を可能にし得る。提案のシステム、及び、方法は、使用者が薬剤リザーバ間の区別するのを支援してよく、その結果、医療送達デバイスが、それが意図された薬剤リザーバとともに、使用できることを保証する。構成(arrangement)において、所定の医療送達デバイス、又は、薬物送達デバイスは、単独の薬物リザーバのみと共に使用するように意図されてよい。従って、提案されたシステム、及び、方法は、使用者に、単独の、所定の薬物リザーバのみが、所定の薬物送達デバイスと共に使用することを保証するのに役立つ。しかし、他の構成において、所定の薬物送達デバイスは、多数の薬物リザーバと共に使用するように意図されてよい。従って、開示されたシステム、及び、方法は、使用者に、意図されたリザーバのみが、薬物送達デバイスと共に使用することを保証するのに役立つ。
【0048】
所定の薬物リザーバが、薬物送達デバイスと共に使用するように意図されているかどうかを、使用者が特定できる様にすることに加えて、開示されたシステム、及び、方法は、リザーバのための必要な貯蔵条件、及び/又は、リザーバの有効期限などの、薬物リザーバに関する他の有益な情報をも、使用者(又は、より一般的に、製造、出荷、貯蔵など、薬物リザーバを扱う何れの人)に、伝えることができる。本開示に従って、薬物リザーバに関する情報は、検出器機能を使用することにより、コード化材料に関わる電気特性を決定することにより、決定されてよい。薬物リザーバに関わる情報を特定するための方法、及び、システムは、以下のセクションに、より詳細に記述されている。
【0049】
B. 薬物リザーバに関わる情報を特定するための、例示的方法とシステム
(i)例示的構造
図1は、コード化材料に関わる情報を決定するための、システム、又は、検出器機能100を描写する。このシステム100は、薬物リザーバに関わる情報を決定してよい。システム100は、プロセッサ102とコネクタ104を含む。システム100は、本発明明細書に記述された機能を実施するため、プロセッサ102によって実行可能な命令110を含んでなる、データ記憶装置108をも、含んでよい。プロセッサ102は、汎用マイクロプロセッサのような、単独プロセッサ、又は、複数の(例えば、パラレル)プロセッサを含んでよい。データ記憶装置108は、1つ、又は、それ以上の部分において、非揮発性記憶ブロック、及び/又は、取り外し可能記憶媒体などの、種々の形態をとってよい。データ記憶装置108は、本明細書に記述されたシステム機能を実施するために使用されてよいデータ112をも含んでよい。
【0050】
提案されたシステムと方法によると、システム100は、少なくとも1つの薬剤を含有する、少なくとも1つのリザーバを必要とする、注射器、ペン型注射器、クレジット・カード形状の注入デバイス、ポンプ、吸入器、又は、他の類似の注射、若しくは、注入デバイスなどの、薬物送達デバイス上に、又は、薬物送達デバイス内に備えられてよい。例えば、システム100は、
図3Aに示される薬物送達デバイス300内に備えられてよい。
【0051】
図3Aに関して、薬物送達デバイス300が示されている。薬物送達デバイス300は、第1のリザーバ保持部分304、及び、第2の主(外側)ハウジング部分306を有する、ハウジング302を含む。ハウジング部分306は、用量設定メカニズムを含んでよい。リザーバ保持部分、又は、カートリッジ・ホルダ304の第1の端部、及び、主ハウジング306の第2の端部は、保持機能308により、一緒に固定されている。この図示の配置において、リザーバ保持部分304は、主ハウジング306の第2の端部内に固定されている。ペン型注射器は、再使用可能な、又は、使い捨てのペン型注射器を含んでよい。注射器が再使用可能なデバイスを含む場合、カートリッジ・ホルダ304と、用量設定メカニズムとは、取り外し可能に、一緒に繋がれている。使い捨てデバイス300においては、それらは恒久的に繋がれている。
【0052】
医薬品322の多数の用量を投与することができる、
図3Bに示された薬物リザーバ320のような、薬物リザーバは、カートリッジ保持部分304内に挿入することができる。好ましくは、薬物リザーバ320には、一日に一回、又は、より多くの回数など、頻繁に投薬しなければならない種類の医薬品、又は、薬剤322が入っている。かかる薬剤322はインスリンである。
【0053】
本明細書にて使用されているように、術語「薬剤」は、少なくとも1つの、薬学的活性化合物を含む、医薬製剤を、好ましくは、意味し、
ここで、一実施態様において、薬学的活性化合物は、1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、プロテイン、多糖、ワクチン、DNA、RNA,抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくは、オリゴヌクレオチド、又は、上述の薬学的活性化合物の混合物であり、
ここで、さらなる、一実施態様において、薬学的活性化合物は、糖尿病、若しくは、糖尿病網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈、若しくは、肺の血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠動脈症候群(ACS)、アンギーナ、心筋梗塞、癌、黄斑編成、炎症、枯草熱、アテローム硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、さらなる、実施態様において、薬学的活性化合物は、糖尿病、若しくは、糖尿病網膜症などの糖尿病関連の合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる、実施態様において、薬学的活性化合物は、少なくとも1つの、ヒトインシュリン、若しくは、ヒトインシュリン類似体、若しくは、誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、若しくは、それらの類似体、若しくは、誘導体、又は、エキセンディン−3、若しくは、エキセンディン−4、若しくは、エキセンディン−3、若しくは、エキセンディン−4の類似体、若しくは、誘導体を含む。
【0054】
インシュリン類似体は、例えば、
Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインシュリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインシュリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインシュリン;Asp(B28)ヒトインシュリン;ヒトインシュリン,ここで、位置B28のプロリンは、Asp,Lys,Leu,Val、又は、Alaによって置換され、ここで、位置B29のLysは、Pro;Ala(B26)ヒトインシュリン;Des(B28−B30)ヒトインシュリン;Des(B27)ヒトインシュリン、及び、Des(B30)ヒトインシュリンによって置換されてよい。
【0055】
インシュリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインシュリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインシュリン;B29−N−ミリストイル・ヒトインシュリン;B29−N−パルミトイル・ヒトインシュリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインシュリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインシュリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインシュリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインシュリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインシュリン、及び、B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインシュリンである。
【0056】
エキセンディン−4は、例えば、エキセンディン−4(1−39),配列 H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0057】
エキセンディン−4 誘導体は、例えば、以下の化合物リストから選択される:
H−(Lys)4−des Pro36,des Pro37 エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−(Lys)5−des Pro36,des Pro37 エキセンディン−4(1−39)−NH2,
des Pro36[Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[IsoAsp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,IsoAsp28] エキセンディン−4(1−39);
又は、
des Pro36[Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[IsoAsp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39),
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンディン−4(1−39),
ここで、グループ −Lys6−NH2を、エキセンディン−4 誘導体の、C−末端に結合してよく;
【0058】
又は、
配列 H−(Lys)6−des Pro36[Asp28]エキセンディン−4(1−39)−Lys6−NH2,
des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36,Pro38[Asp28]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−Asn−(Glu)5des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−Asn−(Glu)5−des Pro36, Pro37,Pro38[Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−Lys6−NH2,
H−des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28] エキセンディン−4(1−39)−NH2,
des Pro36, Pro37, Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36[Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−Lys6−NH2,
des Met(O)14 Asp28 Pro36,Pro37,Pro38 エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−Asn−(Glu)5 des Pro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−Lys6−des Pro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28] エキセンディン−4(1−39)−Lys6−NH2,
H−des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14, Asp28] エキセンディン−4(1−39)−NH2,
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−NH2,
des Pro36,ro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2,
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2,
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンディン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
のエキセンディン−4 誘導体;
又は、上述のエキセンディン−4誘導体のいずれか1つの、薬学的に容認可能な、塩、又は、溶媒和化合物。
【0059】
ホルモンは、例えば、Rote Liste,ed.2008,Chapter 50に記載されている、Gonadotropine(Follitropin,Lutropin,Choriongonadotropin,Menotropin),Somatropine(Somatropin),Desmopressin,Terlipressin,Gonadorelin,Triptorelin,Leuprorelin,Buserelin,Nafarelin,Goserelinなどの、下垂体ホルモン、又は、視床下部ホルモン、又は、調節活性ペプチド、及び、それらの拮抗薬である。
【0060】
多糖類は、例えば、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、若しくは、超低分子量ヘパリン、若しくは、それらの誘導体、又は、硫酸化、例えば、上述の多糖類の多硫酸化型、及び/又は、薬学的に容認可能な、それらの塩である。多硫酸化低分子量ヘパリンの、薬学的に容認可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。
【0061】
薬学的に容認可能な塩は、例えば、酸付加塩、及び、塩基性塩である。酸付加塩は、例えば、HCl、又は、HBr塩である。塩基性塩は、例えば、アルカリ、又は、アルカリ性の、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+、又は、アンモニウム・イオンN+(R1)(R2)(R3)(R4),であり、ここで、R1からR4は、互いに独立して、以下を意味する:
水素、場合により置換C1−C6アルキル基、場合により置換C2−C6アルケニル基、場合に寄り置換C6−C10アリール基、又は、場合により置換C6−C10ヘテロアリール基。さらなる、薬学的に容認可能な塩は、“Remington's Pharmaceutical Sciences” 17. ed. Alfonso R. Gennaro (Ed.), Mark Publishing Company, Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0062】
薬学的に容認可能な塩は、例えば、水和物である。
【0063】
一つの実施態様において、システム100には、リザーバ保持部分304と主ハウジング部分306との間の境界面に、又は、境界面近くに、備えられている。従って、薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300内に挿入されたとき、システム100は、挿入されているリザーバ322に関わる情報を検知することが可能である。他の実施態様において、システム100は、薬物送達デバイス300上の、又は、薬物送達デバイス内の、他の位置に備えられてもよい。例えば、システム100は、薬物送達デバイス300の遠位端近くのリザーバ保持部分304内に備えられてもよい。
【0064】
(iii)例示的操作
上述のように、システム100は、薬物リザーバ320に関わる情報を特定するように、作動してよい。具体的には、システム100は、薬物リザーバ320上に配置されたコード化材料120(
図1参照)のような、コード化材料を、最初に、特定することにより、薬物リザーバ320に関わる情報を特定するように作動してよい。コード化材料120は、システム100により検知され得る、所定の、1つ、又は、複数の電気特性を有する、少なくとも1つの回路エレメント122を含む。以下に、より詳しく記述されているように、コード化材料120を、カートリッジ、バイアル、アンプル、パウチ、又は、コンテナなどのリザーバに適用することができる。このコード化材料120は、コード化材料が配置されている、薬物リザーバについての情報を表示するのに役立ってよい。例としての実施態様において、コード化材料120は、
図3Bに図示された薬物リザーバ320のような、薬物リザーバ上に、直接配置されている。示されているように、コード化材料120は、薬物リザーバ320の近位端近くに配置されている。しかし、他の実施態様においては、コード化材料120は、別のところに、おそらく、薬物リザーバ320の遠位端近くに、配置されてよい。所定の例において、回路122は、コード化材料120上に、印刷、又は、さもなければ、形成されてよい。コード化材料120は、次に、薬物リザーバ320に取り付けられてよい。しかし、他の例においては、回路122自体が、コード化材料であってよい。例えば、回路122は、ラベルを、リザーバ320に取り付ける前に、薬物リザーバ320のためのラベル上に、印刷、又は、さもなければ、形成されてよい。
【0065】
図2は、例示的実施態様に従って、検出器機能100によって実施されてよい、例示的方法のフローチャートである。
図2に示されているように、方法200は、ステップ202で始まり、そこでは、システム、又は、検出器機能100は、コード化材料120の回路122に関わる電気特性を決定する。次に、ステップ204にて、決定された電気特性に基づいて、検出器機能100は、薬物リザーバ320に関わる情報を決定する。これらのステップは、さらに、以下のセクションにおいて説明される。
【0066】
(a)コード化材料に関わる電気特性の決定
ステップ202は、様々な段階で生じてよい。例えば、薬物送達デバイス300内に、薬物リザーバ320が挿入される前、間、又は、後に、検出器機能100は、コード化材料120の電気特性を決定してよい。
【0067】
開示された方法とシステムによると、コネクタ104は、コード化材料120の回路122と交信してよく、従って、システム100は、コード化材料120の電気特性を決定してよい。回路122と通信するために、コネクタ104は、回路122と電気的に、接続、又は、さもなければ、繋げられてよい。さらに、所定の実施態様において、コネクタ104は、コネクタ104a〜cのような、複数の様々なコネクタを含んでよく、各々は、コード化材料120に様々な接続を提供するのに役立つ。上述のように、コード化材料120は、
図3Bに図示された薬物リザーバ320のような、薬物リザーバ上に、好ましくは、配置される。例えば、コード化材料120は、リザーバ、フェルール(ferrule)、栓(bung)、ラベル、又は、アダプタの上であってよい。しかし、他の所定の実施態様において、コード化材料120は、薬物リザーバ320、又は、複数の薬物リザーバ320の箱の上など、他の所に配置されてもよい。
【0068】
システム、又は、検出器機能100が、コード化材料120と通信するとき、検出器機能100は、回路122の電気特性を、又は、複数の電気特性を決定してよい。システム100が検知できる、所定の、電気特性、又は、複数の電気特性を有するように、回路122を製造、及び、設計してよい。このように、回路122は、任意のRCL回路のような、検知され得る所定の電気特性を備えたいかなる種類の回路でもよい。例としてのRCL回路400が、
図4に図示されている。回路400は、抵抗402、インダクタ404、及び、キャパシタ406を含む。当技術分野で知られているように、抵抗402、インダクタ404、及び、キャパシタ406を、既定の抵抗、既定のキャパシタンス、及び、既定のインダクタンスなどの、既定の電気特性を生み出すために、選択し、配置してよい。本開示による、RCL回路は、抵抗402(R),キャパシタ404(C)、及び/又は、インダクタ406(L)(即ち、RCL、RC,RL,CL,R,C,又は、L)の任意の組合せを含んでよい。好都合なことに、異なった電気特性を有する異なった回路122は、それぞれ、異なった薬物リザーバ320を、又は、所定の、薬物リザーバ320、若しくは、複数のリザーバ320についての、異なった情報を特定することが可能である。
【0069】
上述のように、回路322の様々なコンポーネントを、薬物リザーバ320上に、又は、薬物リザーバ320に取り付けられたラベルの上に、印刷することが可能である。印刷は、既知の、又は、今後開発される、数多くの回路印刷方式によって、達成されてよい。例えば、印刷方式は、スクリーン印刷方式、又は、インクジェット印刷方式であってよい。接点、又は、回路トラック(circuit tracks)は、銀入りインク(silver-loaded ink)を使用して印刷ができ、抵抗402は、インク中のカーボンを使用して印刷できる。もし、回路122が、キャパシタ406とインダクタ404の双方を含むならば、回路122を、2つ、又は、それ以上の層に印刷する必要がある。多層回路を、回路層間の接続を可能にする、プリント・インシュレータ層に穴を有する、プリント・インシュレータで印刷第1層を覆うことによって、達成することが可能である。第2の導電層を、次に、プリント・インシュレータ層の最上部に印刷してよい。
【0070】
コード化材料120への、より具体的には、回路122への、検出器機能100の接続を、種々の方法で行ってよい。例えば、コネクタ104は、任意の電気コネクタであってよい。例として、コネクタ104は、ばね入り金属接点であってよい。加えて、又は、代わりに、コネクタ104は、複数のばね入り金属接点を含んでよい。他の例において、コネクタ104は、無接点コネクタであってよい。例えば、コネクタ104は、磁気誘導、容量結合、又は、ラジオ周波数(RF)によって、無接点コネクタの機能を果たしてよい。
【0071】
コード化材料への接続のため、磁気誘導を使用する、例としての無接点コネクタが、
図7に示されている。特に、システム、又は、検出器機能700は、発振回路704と通信する、コネクタ702を含む。発振回路704は、コントローラ706によって、コントロールされる。このシステム700は、コード化材料708との物理的な接続なしに、コード化材料708の電気特性を決定してよい。好都合なことに、無接点コネクタ702は、ロバスト性を増すこと、及び/又は、コード化材料708をシステム700と一直線に並べる必要性を減少することが可能である。物理的接触を必要としないことにより、検出器機能700は、ばね入り金属接点の場合に必要であるように、回路に隣接するように一直線に並ぶことなしでも、コード化材料708の回路の電気特性を決定するように、作動することが可能である。
【0072】
薬物リザーバを手段としての情報のコーディングは、数多くの方法で達成することが可能である。例えば、上述のように、各コネクタ間の、抵抗、キャパシタンス、及び/又は、インダクタンスの測定により、コーディングを達成することが可能である。各コネクタ間の、抵抗、キャパシタンス、及び/又は、インダクタンスの測定は、例えば、マイクロコントローラ、又は、他のプロセッサに接続されたアナログ・デジタル・コンバータを利用することにより、達成することが可能である。
図5は、コード化材料502の、1つ、又は、複数の電気特性を決定するために、用いることが可能である、マイクロコントローラに接続されたアナログ・デジタル・コンバータを含む、検出器機能500を図示する。
【0073】
別の例として、システムは、所定の回路の共鳴周波数、又は、減衰の測定ができる、発振器を含んでよい。
図6は、インバータ602、及び、マイクロコントローラ604と共に、キャパシタ610、及び、抵抗608によって、形成されている、発振器を含む、検出器機能600を図示する。検出器機能600は、コード化材料606についての情報を決定してよい。
図6の例において、所定の薬物リザーバのコード化材料606上の抵抗608、及び、キャパシタ610は、検出器機能600の発振器回路を整調する。コード化材料606についての、決定された情報は、次に、コード化材料606の、1つ、又は、複数の電気特性を決定するため、廉価なマイクロコントローラ604にて、デコーディングされてよい。
【0074】
さらに別の例として、回路は、通過周波数とブロック周波数を測定することができる、1つ、又は、複数のローパス・フィルタ、又は、1つ、又は、複数のハイパス・フィルタを含んでよい。コーディング材料内の、抵抗、及び、キャパシタを、
図13Aに示すローパス・フィルタを、又は、
図13Bに示すハイパス・フィルタを形成するように、配置することができる。入力電圧Vinをかけ、出力電圧Voutを測定できるように、コネクタを配置することができる。
【0075】
回路の所定の電気特性を決定するために、検出器機能が行うことが可能な、他の例としての測定方法も、同様に可能である。
【0076】
(b)薬物リザーバに関わる情報の決定
決定された電気特性に基づいて、システム100は、次に、薬物リザーバ320に関わる情報を決定することが可能である。例えば、コード化材料120の、回路122、又は、複数の回路の、1つ、又は、複数の電気特性は、種々の種類の薬物リザーバに対して、変わることがあり、様々な電気特性は、薬物リザーバに関わる様々な情報と関連付けられてよい。特別の例として、第1の、所定の電気特性(例えば、第1の抵抗)を有する、第1の所定のコード化材料は、第1の薬物リザーバと関連付けられてよい。第2の、所定の電気特性(例えば、第2の抵抗)を有する、第2の所定のコード化材料は、第2の薬物リザーバと関連付けられてよい。さらに、第3の所定の電気特性(例えば、所定のキャパシタンス)を有する、第3のコード化材料は、第3の薬物リザーバと関連付けられてよい、などである。
【0077】
上記説明のように、システム100は、データ112を含む、データ記憶装置108を含んでよい。このデータ112は、複数の電気特性を、所定の薬物リザーバに関する、それぞれの情報にリンクする、情報のデータベースを含んでよい。例えば、データベースは、所定の電気特性を、薬物リザーバが入れている薬物種類にリンクする、情報を含んでよい。薬物、又は、薬物リザーバの種類の特定に加えて、コード化材料の電気特性は、薬物リザーバについての、他の情報を特定するのに役立ってよい。例えば、薬物リザーバに関わる情報は、薬物種類、薬物濃度、リザーバの製造に関わるデータ、薬物の有効期限、及び、薬物の保管条件(例えば、必要な保管温度)に関わる情報であってよい。他の種類の、薬物リザーバについての情報も、同様に、考えられる。
【0078】
開示された、方法、及び、システムによると、大量の情報が、薬物リザーバ上に配置された、コード化材料、又は、コーディング機能の、1つ、又は、複数の電気特性を変えることにより、コード化されてよい(例えば、多数の薬剤リザーバを区別する)。例えば、薬物リザーバにコーディングを提供するために、多様な材料が、薬物リザーバ上に提供されてよい。例えば、各々が、固有の電気特性を有する3つの回路が提供されてよい。
【0079】
いくつかの実施態様において、様々な方法で、別の情報に関わるコーディングが達成されてよい。例えば、コード化材料の位置は、特定する目的のためにも使用されてよい。例えば、標準機構に関連して、コード化材料120の位置は、薬物リザーバ320についての情報を特定するために使用されてよい。このように、システム100は、さらに、コード化材料120の位置を検知するように、構成されてよい。例として、薬物リザーバ320の近位端からの、コード化材料120の軸方向長さは、薬物リザーバ320に関わる情報を提供することが可能である。
【0080】
代替の実施態様において、システム100は、コード化材料120の大きさ(例えば、コード化材料の軸方向、周囲、及び/又は、半径方向大きさ)、又は、方向性(例えば、軸方向ストリップ(strip)、円周方向リング、又は、2Dパターン)に基づいて、コード化材料120を特定することが可能である。代わりに、コード化材料120内に組み込まれた回路122の数も、薬物についての情報を提供することが可能である。
【0081】
薬物リザーバ320に関しての情報は、薬物リザーバ320が薬物送達デバイス300の内に挿入される間、又は、後に、検知されるので、方法、及び、システム100は、薬物送達デバイス300の作動シーケンスの様々な段階で、特定された情報に対して、反応を示してよい。具体的には、システム100は、薬物リザーバ320が特定されたとき、ある動作を取るように、構成されてよい。例えば、システム100は、情報に反応を示し、(i)デバイス300の装着、(ii)用量選択、及び/又は、(iii)薬物の投与の間に、適切な動作を取ってよい。他の段階も同様に考えられる。好都合なことに、これらのステップの間、システム100は、装着されつつある、又は、既に装着された薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300のために意図されたものかどうかを、使用者が特定するのを支援することが可能である。
【0082】
薬物リザーバ320に関わる情報決定のステップは、使用者が薬物リザーバ320を薬物送達デバイス300内に装着するとき、行われてよい。システム100は、コード化材料120の回路122の電気特性を特定してよく、次に、電気特性に基づいて、薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300と共に使用するように意図されているかどうかを決定してよい。
【0083】
実施態様において、薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300と共に使用するように意図されていないとき、システム100は、薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300と共に使用するように意図されていないという表示を表示してよい。例えば、
図1に示すように、システム100は、プロセッサ102と通信するディスプレイ機構114を含んでよい。例として、ディスプレイ機構114を、
図3Aに示すように、ハウジング306の外側縁上に置くことができる。このディスプレイ機構114は、薬物リザーバ320が正しくないと表示することができる。例えば、ディスプレイ機構114は、正しくないデバイス320が装着されたとき、赤色のドット(dot)、又は、赤色の「X」を示してよい。ディスプレイ機構114は、正しい薬物リザーバ320が装着されたときに、同様に、表示するように作動してよい。例えば、ディスプレイ機構114は、正しい薬物リザーバ320が装着されたとき、緑色のドットを示してよい。
可聴表示のような、他の種類の表示も、同様に考えられる。
【0084】
もし使用者が、正しくないリザーバ320を、薬物送達デバイス300内に挿入しようと試みるならば、システム100は、薬物送達デバイス300内に、薬物リザーバ320の挿入を防止するように作動してよい。例えば、薬物リザーバ320の挿入を防止することは、薬物リザーバ320の挿入を防止する、
図1に示された、ラッチ116のような、電子的にコントロールされたラッチを作動させることを含んでよい。システム100は、もし、使用者が、薬物送達デバイス300に、正しくない薬物リザーバ、又は、コンテナ320を装着するように試みるならば、
図3Aに示す、スピンドル312のような、薬物送達デバイスの用量設定メカニズムのスピンドルのリセットを防止するように、構成されてもよい。
【0085】
実施態様において、システム100は、薬物送達デバイス300が意図している、所定の薬物リザーバ320以外の、すべての薬物リザーバ320の挿入をブロックするように、構成されてよい。別の実施態様において、システム100は、デバイス300と共に使用することが危険と考えられる、薬物のみをブロックするように構成されてもよい(例えば、短時間作用型薬物を、長時間作用型インスリンが意図されているデバイスに入れることができる、又は、低濃度薬物を、高濃度薬物が意図されているデバイスに入れることができる、しかし、この逆はそうではない)。
【0086】
方法、及び、システムは、用量選択段階の間(即ち、使用者が用量を選択しているとき)、識別された薬物リザーバ320に、同様に、反応を示し、適切な動作を行ってよい。例えば、システム100は、識別された薬物リザーバ320に基づいて、用量選択するように構成されてもよい。正しくない薬物リザーバ320の装着を防止するのと同様に、システム100は、識別された薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300との使用を対象としていないとき、用量選択を防止するように構成されてよい。システム100は、例えば、正しくないリザーバ320が、薬物送達デバイス300内に挿入されたとき、使用者が用量を設定するのを防止する、ラッチ116のような、ラッチを作動してよい。
【0087】
用量選択を制御する別の例も、同様に考えられる。例えば、システム100は、最大投与量を設定する、又は、実施することにより、識別された薬物リザーバ320に基づいて、用量選択をコントロールしてよい。薬物リザーバ320には、少しずつ(例えば、20単位、又は、より少なく)投与すべきである、薬物が入っていてよい。従って、システム100は、かかる薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300内に挿入されたとき、使用者が、20単位より多い用量の設定するのを防止するように、構成されてよい。別の例として、システム100は、最小投与量を設定する、又は、実施することにより、識別された薬物リザーバ320に基づいて、用量選択をコントロールしてよい。
【0088】
さらに、別の例として、システム100は、投与頻度を制御することにより、識別された薬物リザーバ320に基づいて、用量選択をコントロールしてよい。例えば、もし薬物が、一日一回より多くは投与するべきでないならば、使用者が用量を注射した後、システム100は、24時間、薬物送達用量設定メカニズムをロックアウト(lock out)するように構成されてよい。例えば、システム100は、用量設定を24時間行わせない様に、電子ラッチ320を作動してよい。
【0089】
方法、及び、システムは、投薬段階の間(即ち、使用者が薬物を投薬するとき)、同様に、反応を示し、適切な動作を行ってよい。システム100は、識別された薬物リザーバ320に基づいて、用量の投薬を制御するように、構成されてよい。例えば、正しくない薬物リザーバ320の装着と、正しくないリザーバ320を用いての用量選択を防止するのと同様に、システム100は、識別された薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300との使用を対象としていないとき、投薬を防止するように構成されてよい。
【0090】
別の例として、識別された薬物リザーバ320に基づいた、薬物の投薬のコントロールは、投薬速度、及び/又は、必要な投薬力を制御することを含んでよい。投薬速度、及び/又は、必要な投薬力を制御することは、様々な理由で、役に立つ。例えば、ある薬物は、栓上への析出、及び/又は、高粘度のゆえに、より大きな投薬力を必要とする可能性がある。かかる場合、電動駆動が必要とする力を減少するために、薬物をゆっくりと注射することが好都合であってよい。さらに、かかる場合に、かかる薬物の注射は、使用者に痛みを与える場合があり、それゆえ、速度を落とした注射は、痛みを減らすことが可能である。別の例として、速度/力を制御する、もう1つの理由は、過剰な負荷を検知すること、例えば、閉塞を検知することであり、所定の薬物に対して、所定の速度で、いくらの力が「正常」であるかを知ることが必要である。
【0091】
薬物リザーバ320に関わる情報を特定する、さらに別の例として、システム100は、薬物リザーバ320が、薬物送達デバイス300内に装着されてから、経過した時間を特定するのに使用されてもよい。例えば、カートリッジ・ホルダ・ラッチが最後に作動した時刻が、デバイス300内、又は、薬物リザーバ320上の記憶に、記録されてよい。
【0092】
システム100は、また、「閉ループ」薬物ポンプの一部として使用されてよい。ポンプは、患者の要求を、例えば、血糖モニタを使用することを、検知し、次に、正しい量の薬物、例えば、インスリンを投与する。このシステム100は、薬物濃度、又は、薬物種類などの変数を考慮に入れて、投与される薬物の量を変えることが可能である。
【0093】
薬物送達デバイス300の内、又は、上に配置されているシステム100としてよりも、システム100は、スキャン・ガン(scan gun)などの独立型デバイス、又は、薬物リザーバ320に関わる情報を特定するために使用される、又は、薬物特定ベース・ステーション(base station)であってよい。この独立型システムは、薬物リザーバ320に関わる情報を特定するために、例えば、患者、又は、医療スタッフ、又は、薬物製造者によって使用されてよい。かかる独立型デバイスは、種々の理由により使用されてよい。例えば、独立型システムは、薬物リザーバ320の保管、又は、出荷を助けるために使用されてよい。特別の例として、システム100は、薬物リザーバ320の有効期限を特定するために使用されてよい。別の例として、システム100は、薬物リザーバ320のための、必要な保管条件を特定するために使用されてよい。例えば、デバイスによって読み取られる、この情報のための、感温ラベルと共に、カートリッジ、又は、薬物リザーバ320が受けた保管条件を記録することも可能である。
【0094】
コード化材料120の回路122、又は、複数の回路は、既知の、又は、今後開発される方法にて、設計、及び、製造されてよい。本開示の所定の実施態様において、標準回路を製造することが可能であり、標準回路は、変更回路が表示しようとする情報に基いて、さまざまな方法で変更されてよい。標準回路の製造とその後の変更の実施は、少量生産の薬物リザーバ320のコーディングには、好都合、又は、有効である。
【0095】
変更の一つの例として、薬物の種類、又は、薬物リザーバ320についての他の情報を表示するため、いくつかのコンダクタがヒューズ付けされて、又は、切断されてよい。
図8A〜Cは、かかる例を図示する。
図8Aは、標準回路800を図示し、
図8Bは、変更回路802を図示する。示されているように、回路802は、ヒューズ付けされたコンダクタ804a〜eを有する。ヒューズ付けされた804a〜eは、回路802を、
図8Cに示す回路804と等価のものとする。別の方法でコンダクタをヒューズ付けすると、別の特性を有する回路が作られる。当然のことながら、多くの例と等価の回路が考えられる。
【0096】
標準回路800は、回路の構成要素(building block)から、又は、多数の独立した回路からなっていてよい。例において、薬物リザーバ320上の機械的機能は、異なった薬物ごとに、回路に対して、異なった位置にあってよく、薬物送達デバイス300は、デバイス300に回路が接続されている場所によって、薬物を認識する。2つ、又は、はそれ以上のコネクタは、回路800の一部分をバイパスする、短絡を形成してよい。
【0097】
このシステムにおいて、デバイス300のコネクタとコンダクタを変えることにより、構成要素を、直列に、又は、並行に組み合わせることができる。かかる例が
図9A〜Bに示されている。
図9Aは、2つのキャパシタC
12、C
45、及び、2つの抵抗R
23、R
34を含んでなる回路902を有する、コード化材料900に、接続された複数のコネクタ1〜5を有する検出器機能904の例を示す。デバイス300において、位置1〜4にコネクタがあるが、位置5にはなく、コネクタ2、及び、4は、デバイス300内で、回路906により、一緒に接続されている。デバイス300内の、この配置のコネクタ1〜5は、
図9Aに示す、コード化材料の回路902を、
図9Bに示す、回路908と等価なものにする。
【0098】
実施態様において、回路122を有するコード化材料120は、薬物リザーバの全円周上に適用されてよい。例えば、
図10Aに示すように、コード化材料120は、薬物リザーバ1000の全円周上に適用される。かかる実施態様において、装着されるときの、薬物リザーバ1000の向きは重要ではない。他の配置において、コード化材料120は、
図10Bに示す、薬物リザーバ1002上のコード化材料120のストリップのように、リザーバの全円周上に配置されてはいない、材料の離散領域(例えば、ストリップ)であってよい。
【0099】
上述のように、標準機構に対するコード化材料120の位置は、薬物リザーバ1000、1002についての情報を特定するために使用されてよい。このように、システム100は、さらに、コード化材料120の位置を検知するように構成されてよい。例として、
図10Aを参照して、システム100は、薬物リザーバ1000の遠位端1004からの軸方向長さに対するコード化材料120の位置を検知するように、構成されてよい。例え
ば、位置1010の、コード化材料120は、薬物リザーバは薬物リザーバ1000であることを、システム100に表示してよい。位置1020のコード化材料120は、薬物リザーバは薬物リザーバ1006であることを、システム100に表示してよい。位置1030のコード化材料120は、薬物リザーバは薬物リザーバ1008であることを、システム100に表示してよい。もしも、位置がコーディングのために使用されるならば、異なった薬物リザーバ1000、1002、1006、1008上の位置は、薬物が、互いに正確に区別され得るように、好ましくは、十分に離れている(例えば、10ミリメートル(mm))。
【0100】
代替の実施態様において、薬物リザーバが装着されるとき、コード化材料120は、システム100の、1つ、又は、複数のコネクタ104、104a〜cと一直線に並んでよい。整列を余儀なくさせる、薬物リザーバの機械的突出部、又は、窪みを使用して、コード化材料120を、システム100のコネクタ104と一直線に並べるように、様々な方法で、整列を達成してよい。整列は、コード化材料120に接続されたときに、検出器機能100のコネクタ104a〜cの整列が重要であるとき、特に有効である。しかし、他の状況においては、コネクタ104が無接点コネクタである場合など、整列が不要であることがある。
【0101】
実施態様において、多数のコーディング・エリアが適用される場合、1つのコネクタ104のみが必要となるように、読み取り装置内に挿入する間、多数のコーディング・エリアが読み取られてよい。例えば、リザーバは、保管条件を表示するコード化されたエリア、薬物の種類を表示するコード化されたエリア、及び、有効期限を表示するコード化されたエリアなどの、コード化材料120の3つのエリアを有してよい。これらのコード化されたエリアは、縦方向に、お互いに5mm離して、ずらされてよい。薬物リザーバが、システム100に挿入されるとき、システム100は、それぞれ5mm間隔である、コード化されたエリアと、通信することが可能であり、3つのコード化材料120の全ての電気特性、又は、複数の電気特性を特定することが可能である。
【0102】
本開示は、数多くの効果をもたらす。例えば、本開示は、電子手段によって、自動的に、薬物リザーバに関わる情報を特定する、ユーザーフレンドリーなシステムをもたらす。極めて数多くの、使用可能な様々な、コーディング材料もある。従って、開示されたコーディング方式によって、数多くの薬剤を、お互いに、区別することができる。その上、開示されたコーディング方式によって、もし、使用者が正しくないリザーバを装着しようと試みるならば、使用者は、組立ステップの早い段階で、使用者が正しくないリザーバを装着しようとしており、それゆえ、おそらく、誤った薬剤を使おうとしていると警告を受けることが可能である。
【0103】
その上、開示されたシステムと方法によって、薬物リザーバの偽造を難しくすることが可能である。開示されたシステムと方法によって、好都合なことに、薬物リザーバへの不正な変更、及び/又は、偽造を減らすことが可能である。なぜならば、コード化材料を有する、かかるリザーバは、不正をすることが難しく、それらは、偽造のリスクをも減らすことが可能であるからである:即ち、偽造者が、違法な偽造薬剤を携える製品を提供することを、より難しくしている。
【0104】
ある実施態様において、別の利点は、電気接点が必要ないことである。付加的利点は、開示の方法とシステムが、薬物リザーバをコーディングし、薬物リザーバについての情報を提供するための、コストの低いコーディング方式を提供することである。
【0105】
主に、インスリン市場を目指したが、本開示は、他の薬物に適応が可能である。本開示は、以下の例などの様々なデバイスに適用することが可能である;カートリッジ(例えば、3ml円筒状ガラス・カートリッジ)を備えた注射ペン、及び、
図3Aに図示されたような、単独のホルダ。本開示は、ホルダが、一次パックと共に、処分されるように、ホルダ内に、取り外しができないように、保持されたカートリッジ(例えば、3ml円筒状ガラス・カートリッジ)を備えた注射ペンに、及び、一次パックが直接ペンに結合している注射ペン、例えば、射出成形のポリマ・カートリッジに、適用することも可能である。
【0106】
他の適用において、本開示は、いかなる種類の一次パック、例えば、吸入器、パウチを、有するいかなる薬物送達デバイスにも適用することが可能である。例えば、1つのコード化材料120の様な、複数のコーディング機能を、
図11に図示されている、パウチ1100のような、パウチに加えることが可能である。実施態様において、コーディング機能はポート(port)1102に加えられる。しかし、コード化材料120を、パウチ1000の本体1104に加えることも可能である。
【0107】
システム100を含んでよいデバイスの別の例を、
図12に示す。
図12を参照すると、クレジット・カード形状の薬物送達デバイスである、薬物送達デバイス1200が示されている。薬物送達デバイス1200は、本体1202を含む。本体1202は、カートリッジ1206を挿入することが可能である、カートリッジ保持部分1204を含む。カートリッジ1206が挿入されるとき、システム100は、カートリッジのコード化材料120に関わる情報を検知することが可能である。デバイス1200は、デバイス1200の使用者に、カートリッジ1206に関わる情報を示すことが可能な、画面1208をも含む。当然のことながら、システム100は、様々な、他のデバイスにおいても使用することが可能である。
【0108】
本発明の例示的実施態様が記述された。しかし、当業者は、請求項によって明確にされている、本発明の真の範囲と精神を逸脱することなく、変更と修正が、これらの装置になされ得ることを理解するであろう。