(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(1)において、R、ボロン及び残部M以外に、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の不純分を含み、その合計含有量が0.10質量%以下である請求項1又は2の原料合金鋳片。
イットリウムを含む希土類金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種のRを27.0〜33.0質量%、ボロンを0.90〜1.30質量%、及び鉄を含む残部Mからなる原料合金溶湯を準備する工程と、前記原料合金溶湯を、表面粗さのRa値が3.00〜6.51μm、かつRsk値が−0.44以上−0.11以下である冷却ロールにより冷却・凝固させる工程とを含み、
前記原料合金溶湯が、R、ボロン及び残部M以外に、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素および亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の不純分を含み、その合計含有量が0.15質量%以下である、
希土類焼結磁石用原料合金鋳片の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の合金鋳片は、(1)イットリウムを含む希土類金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種のRを27.0〜33.0質量%、ボロンを0.90〜1.30質量%、及び鉄を含む残部Mからなる、という要件を満たす。ここで、残部Mの含有割合は、R及びボロンの残部であるが、本発明の合金鋳片は、これら以外に不可避な不純分を含んでいても良い。
【0011】
前記イットリウムを含む希土類金属元素とは、元素番号57から71のランタノイド及び元素番号39のイットリウムを意味する。前記Rは特に限定されないが、例えば、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、イットリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウム又はこれらの2種以上の混合物が好ましく挙げられる。特に、Rとして、プラセオジムまたはネオジムを主成分として含有し、かつガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の重希土類元素を含むことが好ましい。
これらの重希土類元素は、磁気特性のうち主に保磁力を向上させることができる。中でもテルビウムはもっとも大きな効果を示す。しかし、テルビウムは高価であるため、コストと効果を考慮するとジスプロシウムを単体、またはガドリウム、テルビウム、ホルミウム等と共に用いることが好ましい。
【0012】
前記Rの含有割合は、27.0〜33.0質量%である。Rが27.0質量%未満では、希土類焼結磁石の焼結体の緻密化に必要な液相量が不足して焼結体の密度が低下し、磁気特性が低下する。一方、33.0質量%を超えると、焼結体内部のR−rich相の割合が高くなり、耐食性が低下する。また、必然的に2−14−1系主相の体積割合が少なくなるため、残留磁化が低下する。
本発明の合金鋳片を単一合金法に用いる場合のRの含有割合は、29.0〜33.0質量%が好ましく、2合金法の2−14−1系主相用の合金として本発明の合金鋳片を用いる場合のRの含有割合は、27.0〜29.0質量%が好ましい。
【0013】
前記ボロンの含有割合は、0.90〜1.30質量%である。ボロンが0.90質量%未満では、2−14−1系主相の割合が減少し、残留磁化が低下し、1.30質量%を超えると、B−rich相の割合が増加し、磁気特性及び耐食性が共に低下する。
【0014】
前記残部Mは、必須元素として鉄を含む。残部M中の鉄の含有割合は、通常50質量%以上、好ましくは60〜72質量%、特に好ましくは64〜70質量%である。残部Mは、必要に応じて、鉄以外の遷移金属、
アルミニウム、錫、ガリウム、珪素及び炭素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいても良く、また、酸素、窒素等の工業生産上における不可避な不純分を含んでいても良い。
前記鉄以外の遷移金属は特に限定されないが、例えば、コバルト
、クロム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、マンガン、銅
、タングステン、
及びニオ
ブからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく挙げられる。
【0015】
本発明の合金鋳片は、不可避な不純分を許容するものではあるが、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、亜鉛(以下、これらをまとめて揮発元素と略記することがある)の含有量については、合計で0.10質量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは揮発元素の合計量で0.05質量%以下、最も好ましくは0.01質量%以下である。揮発元素の合計量が0.10質量%を超えると、チル晶が発生し、また2−14−1系主相の形状、並びにR−rich相の分散状態を極めて均一な合金とすることが困難となるおそれがある。その理由としては以下の点が考えられる。
【0016】
R
2Fe
14B系希土類焼結磁石用原料合金の融点は1200℃を超えることから、原料の加熱・溶解は1200℃以上の高温で行う。その際、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素および亜鉛の蒸発温度は低いため、合金中の揮発元素が0.10質量%を超えるような場合、多量に蒸発が生じる。蒸発した元素の一部は冷却ロール表面に析出する。もしくは、蒸発した揮発元素が炉内の微量な酸素等と反応した状態となっている。揮発元素が表面に析出した冷却ロールを用いて原料溶湯を急冷・凝固する際、ロール表面に存在する揮発元素とロール母材が反応しロール表面に揮発元素を主とする皮膜を形成する。この皮膜により溶湯と冷却ロールとの間の熱伝導を妨げられるため、発生した核の結晶成長を十分に制御できなくなると推測される。発生した核が十分に成長できないと溶湯の対流などによりロール表面から核が遊離しチル晶となる。
【0017】
本発明の合金鋳片は、冷却ロールを用いたストリップキャスティング法により得られた、ロール冷却面を有する鋳片であって、特に、単ロールを用いて得られた片側にロール冷却面を有する合金鋳片が好ましい。単ロールを用いた場合、ロール冷却面の反対側は冷却ロールと接触せずに凝固されており、フリー面という。ここで、ロール冷却面とは、製造時に原料合金溶湯が冷却ロール表面に接触し、冷却、凝固した面を意味する。
本発明の合金鋳片の厚みは、通常0.1〜1.0mm程度であり、さらに好ましくは0.2〜0.6mm程度である。
【0018】
本発明の合金鋳片は、(2)ロール冷却面を100倍の倍率で観察した顕微鏡観察像において、880μmに相当する線分を横切る結晶核の発生点を中心として円状にデンドライトが成長した、アスペクト比が0.5〜1.0、かつ粒径が30μm以上の結晶を5個以上有する、という要件を満たす。さらに好ましくは、該結晶の数が8個以上、15個以下である。通常、工業的に得られる該結晶の数は30個以下である。該結晶の数が、5個以上である場合、生成した結晶核の成長が阻害されにくく、かつ成長度合いを制御できる。したがって、断面組織は、チル晶の発生がほとんどなく、かつ2−14−1系主相の形状、並びにR−rich相の分散状態が極めて均一になる。上述した通り、揮発元素の含有量を同時に制御した場合、揮発元素による悪影響が抑制される効果と相俟って、極めて均一な組織を有する合金鋳片となり、このような合金鋳片を用いて作製した磁石は高い磁気特性を有する。
【0019】
前記結晶の数の測定は以下のようにして行う。100倍の倍率で観察した顕微鏡観察像において結晶核の発生点から円状にデンドライトが成長した結晶の境を描くと閉じられた曲線となる。これを1つの結晶とし、閉じられた曲線の短軸長と長軸長の平均を粒径とする。また(短軸長/長軸長)の値をアスペクト比とする。該観察像を均等に4分割するように880μmに相当する3本の線分を引き、それぞれの線分を横切る結晶核の発生点を中心として円状にデンドライトが成長したアスペクト比が0.5〜1.0、かつ粒径が30μm以上の結晶の数を数える。これらの平均値を該結晶の数とする。
【0020】
本発明の合金鋳片は、(3)ロール冷却面に略垂直な断面を200倍の倍率で観察した顕微鏡観察像における、R−rich相の平均間隔が、1μm以上10μm未満である、という要件を満たす。さらに好ましくはR−rich相の平均間隔は、3μm以上6μm以下である。
合金鋳片のR−rich相の平均間隔を1μm以上10μm未満とすることで、磁石製造の粉砕工程において、該合金鋳片を水素粉砕、ジェットミル粉砕を行った場合、得られる合金粉末中に結晶方位の異なる複数の結晶粒が存在する
確率が低くなるため好ましい。
【0021】
本発明の合金鋳片は、R−rich相の間隔のばらつきが小さいことが好ましい。ばらつきが小さいと、粉砕後の合金粉末を目的の分布を持った均一な粒度とすることができる。R−rich相の間隔のばらつきの指標であるR−rich相の間隔の標準偏差をR−rich相の平均間隔で割った値は、0.20以下が好ましく、さらに好ましくは0.18以下である。このような、均一な合金粉末を使用することにより、磁石製造の焼結工程において異常に大きな粒成長を引き起こすことがなくなり、磁石の保磁力を向上させることができる。
【0022】
上記R−rich相の平均間隔は、次の方法により求めることができる。
まず、本発明の合金鋳片のロール冷却面に略垂直(鋳片の厚み方向に平行)となる断面組織写真を光学顕微鏡により200倍の倍率で撮影する。R−rich相は2−14−1系主相からなるデンドライトの粒界相として存在している。R−rich相は、通常は線状に存在するが、鋳造過程の熱履歴等によっては島状に存在する場合もある。R−rich相が島状に存在しても、それらが明らかに線をなすように連続して存在する場合は、それらの島状のR−rich相をつなぎ、線状のR−rich相と同様に考慮する。
本発明の合金鋳片のロール冷却面と接した面に略垂直な方向に均等に4分割する3本の440μmに相当する線分を引き、その線分を横切るR−rich相の点数を数え、線分の長さ440μmをその点数で割る。10個の合金鋳片に関し、同様に測定し、計30点の測定値を得、これらの平均値をR−rich相の平均間隔とする。また該30点の測定値から標準偏差を算出する。
【0023】
本発明の合金鋳片は、α−Fe相を含有しない方が好ましいが、粉砕性に大きな悪影響を及ぼさない範囲で含有していてもよい。通常は、α−Fe相は合金の冷却速度の遅い位置に現れる。例えば、単ロールを用いたストリップキャスティング法で合金鋳片を製造する場合、α−Fe相はフリー面側に現れる。α−Fe相を含有する場合は、3μm以下の粒径で析出することが好ましく、体積率で5%未満であることが好ましい。
【0024】
本発明の合金鋳片は、微細な等軸結晶粒、即ち、チル晶をほとんど含有しないが、磁気特性に大きな影響を及ぼさない範囲で含有していてもよい。チル晶は、主に合金鋳片の冷却速度の速い位置に現れる。例えば、単ロールを用いたストリップキャスティング法で合金鋳片を製造する場合、チル晶はロール冷却面近傍に現れる。チル晶を含有する場合は、体積率で5%未満であることが好ましい。
【0025】
本発明の合金鋳片は、例えば、下記の本発明の製造方法により工業的に得られる。
本発明の製造方法は、イットリウムを含む希土類金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種のRを27.0〜33.0質量%、ボロンを0.90〜1.30質量%、及び鉄を含む残部Mからなる原料合金溶湯を準備する工程と、前記原料合金溶湯を、表面粗さのRa値が2〜15μm、かつRsk値が−0.5以上0未満である冷却ロールにより冷却・凝固させる工程とを含む。
前記原料合金溶湯に含まれる残部Mは、上述の鉄以外の残部Mを含むことができる。
【0026】
本発明の製造方法は、まず所望する合金の組成に応じて、原料となるR、ボロン、Mの単体もしくはこれらを含有する合金を配合する。次いで、配合した原料を真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気下、加熱・溶解して得られた原料合金溶湯を、単ロールまたは双ロールを用いるストリップキャスティング法により冷却・凝固させる。冷却ロールは単ロールが好ましい。
【0027】
本発明の製造方法において、前記原料中のアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素およびZnの含有量は合計で0.15質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、揮発元素の含有量を合計で0.10質量%以下、最も好ましくは0.05質量%以下とする。揮発元素の含有量を合計で0.15質量%以下とした場合、得られる合金鋳片中の揮発元素の含有量が合計で0.10質量%以下に制御しやすい。好ましくは、加熱・溶解する際に真空引きを行う工程により、揮発元素が冷却ロールに析出する前に系外に除去する。揮発元素は、主にRを含有する原料から混入する。Rの分離、精錬の工程より混入されていると予想される。原料を選別することで、従来、不可避的な不純分として意識されなかった揮発元素の含有量を制御することができる。
【0028】
本発明の製造方法において、上述の通り、冷却ロールの表面粗さのRa値は2〜15μm、Rsk値は−0.5以上0未満である。さらに好ましくはRsk値は−0.4以上0未満である。表面粗さのRsk値が−0.5以上0未満である冷却ロールを用いることにより、生成する結晶核がロール表面から遊離することを抑制できる。すなわちチル晶の析出を抑制できる。また、表面粗さのRa値が2〜8μmの冷却ロールを用いることが好ましい。Ra値を制御することで、核発生数を制御することができる。表面粗さのRa値が2〜15μm、Rsk値が−0.5以上0未満である冷却ロールを用いることで、特に、本発明の合金鋳片における(2)の要件を制御することができる。
【0029】
冷却ロールの表面性状の制御は、研磨、レーザー加工、転写、溶射、ショットブラスト等により行うことができる。例えば、研磨で行う場合、研磨紙を用いて特定の方向に研磨した後、それよりも粗い番手の研磨紙を用いて、該特定方向に対し80°〜90°の方向に研磨を行う方法で行うことができる。研磨紙の番手を変えずに前記研磨を行った場合、Rsk値が−0.5より小さくなり、チル晶の析出を抑制できないおそれがある。また、冷却ロール表面の凹凸が線状になりやすいため、デンドライトの成長が円状となりにくく、前記結晶の数を5個以上に制御することができないおそれがある。
また、溶射の場合、溶射材の形状、溶射条件を制御することにより行うことができる。具体的には、溶射材として非定型で高融点の溶射材を一部混合することで行うことができる。ショットブラストの場合、投射材の形状、投射条件を制御することにより行うことができる。具体的には、粒径の異なる投射材を使用したり、非定型の投射材を用いることで行うことができる。
【0030】
本発明の製造方法において、前記冷却ロールで冷却、凝固した合金鋳片は、冷却ロールから剥離した後、公知の方法により、適宜、破砕、加熱・温度保持、冷却を行うことができる。
【実施例】
【0031】
次に実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
歩留まりを考慮し、最終的にNd23.5質量%、Dy6.7質量%、B0.95質量%、Al0.15質量%、Co1.0質量%、Cu0.2質量%、残部鉄の合金鋳片が得られるように、原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナるつぼを使用して高周波溶解炉で溶解し、原料合金溶湯を得た。得られた合金溶湯を、水冷式の銅製単ロール鋳造装置を用いてストリップキャスティング法により鋳造し、厚さ約0.3mmの合金鋳片を得た。
使用した冷却ロールは、表面を#120の研磨紙を使用してロールの回転方向を研磨し、次いで、#60の研磨紙を使用してロールの回転方向に対し90°の角度で研磨して、冷却ロールの表面粗さのRa値を3.01μm、Rsk値を−0.44とした。原料中の揮発元素は0.05質量%以下となるように原料を選定し、得られた合金鋳片中の揮発元素は0.01質量%以下であった。
得られた合金鋳片のロール冷却面を上述の方法で観察したところ、880μmに相当する線分を横切る結晶核の発生点を中心として円状にデンドライトが成長したアスペクト比が0.5〜1.0、かつ粒径が30μm以上の結晶の数は15個であった。また合金鋳片の断面組織を観察したところ、チル晶は観察されなかった。R−rich相の平均間隔は4.51μm、R−rich相の間隔の標準偏差をR−rich相の平均間隔で割った値は0.15であった。
図1に得られた合金鋳片のロール冷却面の顕微鏡観察像の写しを、
図2にロール冷却面に略垂直な断面組織の顕微鏡観察像の写しを示す。
得られた合金鋳片を原料として使用し、焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の残留磁化(Br)は12.65kG、固有保磁力(iHc)は26.49kOeであった。これらの結果を表1に示す。
【0032】
実施例2
ロール回転方向の研磨を#60、ロールの回転方向に対し90°の角度の研磨を#30の研磨紙にそれぞれ変更し、表1に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に示す。
【0033】
実施例3
研磨紙の代わりにショットブラストを使用し、表1に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に示す。
【0034】
実施例4
原料中の揮発元素を0.90質量%となるように原料を選定し、表1に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。得られた合金鋳片中の揮発元素は0.11質量%であった。また、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に示す。
【0035】
比較例1
#60の研磨紙を用いて、ロールの回転方向にのみ冷却ロールの表面を研磨し、表1に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に示す。
図3に、得られた合金鋳片のロール冷却面の顕微鏡観察像の写しを、
図4に断面組織の顕微鏡観察像の写しを示す。
【0036】
比較例2
原料中の揮発元素を0.90質量%となるように原料を選定し、表1に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は比較例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。得られた合金鋳片中の揮発元素は0.12質量%であった。また、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に示す。
【0037】
比較例3
#60の研磨紙を用いロール回転方向に対し45°の角度をなすように研磨を行い、表1に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に示す。
【0038】
比較例4
#60の研磨紙を用いロール回転方向に対し45°と−45°の角度で互いに交差するように研磨を行い、表1に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例5
歩留まりを考慮し、最終的にNd29.6質量%、Dy2.4質量%、B1.0質量%、Al0.15質量%、Co1.0質量%、Cu0.2質量%、残部鉄の合金鋳片が得られるように、原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナるつぼを使用して高周波溶解炉で溶解し、原料合金溶湯を得た以外は、実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0041】
実施例6
ロール回転方向の研磨を#60、ロールの回転方向に対し90°の角度の研磨を#30の研磨紙にそれぞれ変更し、表2に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例5と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0042】
実施例7
研磨紙の代わりにショットブラストを使用し、表2に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例5と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0043】
実施例8
原料中の揮発元素を0.90質量%となるように原料を選定し、表2に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例5と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。得られた合金鋳片中の揮発元素は0.11質量%であった。また、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0044】
比較例5
#60の研磨紙を用いて、ロールの回転方向にのみ冷却ロールの表面を研磨し、表2に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例5と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0045】
比較例6
原料中の揮発元素を0.90質量%となるように原料を選定し、表2に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は比較例5と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。得られた合金鋳片中の揮発元素は0.12質量%であった。また、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0046】
比較例7
#60の研磨紙を用いロール回転方向に対し45°の角度をなすように研磨を行い、表2に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例5と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0047】
比較例8
#60の研磨紙を用いロール回転方向に対し45°と−45°の角度で互いに交差するように研磨を行い、表2に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例5と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例9
歩留まりを考慮し、最終的にNd18.2質量%、Dy10.8質量%、B0.92質量%、Al0.15質量%、Co1.0質量%、Cu0.2質量%、残部鉄の合金鋳片が得られるように、原料を配合し、アルゴンガス雰囲気中で、アルミナるつぼを使用して高周波溶解炉で溶解し、原料合金溶湯を得、原料中の揮発元素を0.07質量%となるように原料を選定した以外は、実施例1と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0050】
実施例10
ロール回転方向の研磨を#60、ロールの回転方向に対し90°の角度の研磨を#30の研磨紙にそれぞれ変更し、表3に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例9と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0051】
実施例11
研磨紙の代わりにショットブラストを使用し、表3に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例9と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0052】
実施例12
原料中の揮発元素を0.95質量%となるように原料を選定し、表3に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例9と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。得られた合金鋳片中の揮発元素は0.13質量%であった。また、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0053】
比較例9
#60の研磨紙を用いて、ロールの回転方向にのみ冷却ロールの表面を研磨し、表3に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例9と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0054】
比較例10
原料中の揮発元素を0.95質量%となるように原料を選定し、表3に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は比較例9と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。得られた合金鋳片中の揮発元素は0.13質量%であった。また、実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0055】
比較例11
#60の研磨紙を用いロール回転方向に対し45°の角度をなすように研磨を行い、表3に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例9と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0056】
比較例12
#60の研磨紙を用いロール回転方向に対し45°と−45°の角度で互いに交差するように研磨を行い、表3に示すRa値及びRsk値とした冷却ロールを用いた以外は実施例9と同様にして合金鋳片及び焼結磁石を作製した。実施例1と同様に各測定を行った。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】