【実施例】
【0040】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本発明における各特性値の測定方法は以下のとおりである。
(1)目付け量(g/m
2):JIS−L−1913に準じて測定する。
(2)厚み(mm):JIS−L−1913A法に準じて測定する。
(3)繊維径(μm):顕微鏡で500倍に拡大写真を撮り、任意の10本を測定し平均値で示す。
(4)引張強さ、5%伸長時の応力(N/10mm)、破断時の伸度:JIS−L−1913に準じ、定長引張試験機を用いて測定して求める。幅25mm、長さ300mmの試料を長さ方向(機戒の流れ方向)に3枚採取し、つかみ間隔200mm、引張速度100mm/分で5%伸長時の応力、破断時の引張強力、破断時の伸度を測定し、各々の平均値で示す。
【0041】
(5)SUS粘着力:JIS−Z−0237に準じて、SUS板に対する180度の引き剥がし粘着力を求める。
(6)粗面追従性1(貼り付け時):試験片には、幅15mm、長さ300mmのもの
を用い、また、被着体には主体粒度2〜3mmサイズの骨材が適宜処方されたリシン吹き
付け塗装面を使用し、温度23℃、湿度50%RHの条件下で被着体に完全に追従させる
ように貼り付けた時の貼り付け易さ(追従し易さ)を測定者が判断し、次の基準で評価す
る。
A:非常に良い、B:良い、C:普通、D:悪い
(7)粗面追従性2(貼り付け後経時):貼り付けた後1時間経過後の試験片の被着体に対する追従状態を観察し、次の基準で評価する。
A:非常に良い、貼り付け直後から全く変化がなく、被着体に追従している。
B:貼り付け直後から殆ど変化がなく、被着体に追従している。
C:部分的に凹部から試験片が浮き上がっている。
D:全面的に凹部から試験片が浮き上がっている。
【0042】
(8)手切れ性:長さ方向(機械の流れ方向)に幅25mm、長さ300mmの試験片
を用い、試験片の流れ方向に直交する方向に手で破断した時の破断状態を下記の基準で評
価定する。
A:非常によい。B:良い。C:普通。D:悪い(試験片の流れ方向に裂ける)。
(9)曲げ硬さ(mN・cm
2/cm):測定機KES−FB2(カトーテック社製)は、試料全体を一定曲率で円弧状に曲げ、その曲率を等速で変化させることができ、それに伴う微少な曲げモーメントを検出し、曲げモーメント(mN・cm/cm)と曲率(cm
‐1)の関係を測定することができる。幅2.5cm×長さ1.0cmの大きさの試料を長さ方向と幅方向から各々3点採取し、曲げ硬さ=モーメント/曲率を測定する。なお、最大曲率Kは±2.5cm
-1、クランプ間隔(試料長)は1cm、曲げ変形速度は0.5cm
-1/secである。
【0043】
(10)マスカー加工適性:マスカー加工機を使用し、25m巻マスカーを仕上げたときの仕上がりの様子を下記基準で評価する。
A:巻き巣がない。
B:空き巣がほとんどない良い。
C:巻き巣が少しあるが目立たない。
D:巻き巣が目立つ。
(11)凹部の窪み深さ率(%):断面の拡大写真から、
図2に示したように、非エン
ボス部の厚みAとエンボス部の凹部の厚みBとから下記式で求める。
窪み深さ率(%)=[(A―B)/A]×100
(12)引裂強力(N/25mm):JIS−L−1913のトラペゾイド法に準じて測定を行う。幅方向25mm×長さ方向80mmの試料を採取し、引張り試験機でつかみ間隔10mm、引張速度500mm/分で測定し、初期の値および経時の平均値を求める。
図3は、JIS−L−1913のトラペゾイド法に準じて引裂強力の測定を行った時の測定結果のモデル図である。初期引裂強力は、
図3中のF
1で示される測定初期の立ち上がりの最大値を指す。経時の平均値は、初期の立ち上がり後の引裂強力の3つの極大ピーク(
図3中のF
2、F
3およびF
4)の平均値である。
(13)製造加工適性:合成樹脂含侵加工、粘着剤塗布加工および剥離剤塗布加工の状況を下記の基準で評価する。
A:問題なく加工できた。
B:やや問題があるが加工できた。
C:幅入り又は樹脂の裏向けがあり、加工不可であった。
【0044】
[実施例1]
(テープ基材シートの作成)
スパンボンド法により得られる繊維径が18μmの単層からなるポリプロピレン長繊維ウエブをネットコンベア上に堆積させ、一対のエンボスロールで熱圧着し、部分熱圧着率8%の目付け量が40g/m
2、厚みが310μmのポリプロピレン長繊維不織布を得た。次いで、温度80℃、線圧300N/cmの条件でカレンダー加工し、厚みを120μmに仕上げ、さらに、温度80℃、線圧300N/cmの条件で、テープの幅方向に線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm)を施した後、樹脂の含浸処理を行った。なお、線状エンボスの角度はロール回転軸に対して0.2度であった。合成樹脂としては、ガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA−2555A」を用いて、浸漬、脱水、乾燥工程を得て、乾燥後の樹脂量が20g/m
2になるように含浸処理することによりテープ基材シートaを得た。
【0045】
(粘着剤の調整)
トルエン830gに素練りによりムーニー粘度を60に調整した天然ゴム100gを溶解した後、YSレジンPX1000(ヤスハラケミカル社製)を50g、ダイマロン(ヤスハラケミカル社製)を20g、老化防止剤アンテージW−400(川口化学工業社製)を1g添加し、十分溶解させ固形分17%、23℃の粘度が9800mPa・sの粘着剤aを得た。
【0046】
(粘着剤、剥離剤の塗布)
粘着剤aを乾燥後の塗布量が40g/m
2になるように上記のテープ基材シートaの片面に塗布し、反対面に剥離剤として、一方社油脂(株)製ピーロイル1010を乾燥後の塗布量が0.3g/m
2になるように塗布し、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表1に示す。
【0047】
[実施例2]
(テープ基材シートの作成)
上下層にスパンボンド法により得られる繊維径が18μm、目付け量が11g/m
2のポリプロピレン繊維不織布(S)と、中間層の2層にメルトブロン法により得られる繊維径が4μm、目付け量が1.5g/m
2のポリプロピレン極細繊維不織布(M)との4層積層ウエブ(SMMS)を熱圧着し、部分熱圧着率が14%、目付け量が25g/m
2、厚みが240μmの多層積層された長繊維不織布を得た。次いで、温度20℃、線圧300N/cmの条件でカレンダー加工し厚みを80μmにした後、実施例1と同様に線状のエンボス加工と樹脂の含浸処理を行なった。合成樹脂としては実施例1と同様の樹脂を用い、乾燥後の樹脂量が15g/m
2になるように含浸することによりテープ基材シートbを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様に、粘着剤aを上記テープ基材シートbの片面に40g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.3g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表1に示す。
【0048】
[実施例3]
(テープ基材シートの作成)
実施例2と同様にして得られたテープ用基布bの剥離剤塗布面側にガラス転移温度12℃の日本ゼオン(株)製「NIPOL LX430」を乾燥後の塗布量が5g/m
2になるように塗工することによりテープ基材シートcを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートcの粘着剤塗布面に40g/m
2塗布し、剥離剤塗布面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.1g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表1に示す。
【0049】
[実施例4]
ポリエチレンテレフタレート(PET融点265℃)をスパンボンド法により得られた繊維径が14μmの長繊維ウエブを熱圧着し、部分熱圧着率が20%、目付け20g/m
2、厚みが120μmのポリエステル長繊維不織布を得た。次いで、温度150℃、圧力300N/cmの条件でカレンダー加工を行い、厚みを80μmにし、さらに、温度160℃、線圧300N/cmの条件でテープの幅方向に破線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm、エンボス部と非エンボス部の比率が2:1)を施した後、合成樹脂の含浸処理を行った。なお、破線状エンボスの角度はロール回転軸に対して0.2度であった。含浸樹脂としては、ガラス転移温度が1℃の日本ゼオン(株)製「NIPOL LX438C」にした以外は実施例1と同様に行って、乾燥後の樹脂量が15g/m
2になるように含浸することによりテープ基材シートdを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートdの片面に40g/m
2塗布し、反対面に実施例1と同様の剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.2g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表1に示す。
【0050】
[実施例5]
(テープ基材シートの作成)
実施例4と同様にして得られたテープ基材シートdの剥離剤塗布面にガラス転移温度12℃の日本ゼオン(株)製「NIPOL LX430」を乾燥後の塗布量が5g/m
2になるよう塗工することによりテープ基材シートeを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートeの粘着剤塗布面に10g/m
2塗布し、剥離剤塗布面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.05g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表1に示す。
【0051】
[実施例6]
(テープ基材シートの作成)
含浸樹脂にTg−47℃の日本ゼオン社製水系SBR樹脂「ニポールLX110」を用いたこと以外は実施例1と同様にしてテープ基材シートfを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを前記テープ基材シートfの片面に40g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.5g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
[実施例7]
(テープ基材シートの作成)
含浸樹脂の乾燥後の樹脂量を40g/m
2とした以外は実施例1と同様にしてテープ基材シートgを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートgの片面に15g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.1g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表2に示す。
(マスカーの作成)
【0054】
[実施例8]
(テープ基材シートの作成)
実施例1と同様にしてテープ基材シートaを得た。
(粘着剤の調整)
「三洋化成工業(株)製ポリシック430SA」100gに「三菱ガス化学(株)製テトラッドC」を0.1g添加し十分攪拌させ、固形分50%、23℃の粘度が25000mPa・sの溶剤型アクリル粘着剤bを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様のテープ基材シートaの片面に粘着剤bを40g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.5g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表2に示す。
【0055】
[実施例9]
(テープ基材シートの作成)
実施例1と同様にしてテープ基材シートaを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートaの片面に60g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を1.0g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表2に示す。
【0056】
[実施例10]
(テープ基材シートの作成)
実施例1と同様にしてテープ基材シートaを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートaの片面に30g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイルHT」を3.0g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表2に示す。
【0057】
[比較例1]
(テープ基材シートの作成)
目付け量を70g/m
2、カレンダー後の厚みを240μm、合成樹脂含浸量を40g/m
2としたことを除いて実施例1と同様にしてテープ基材シートを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様にして粘着剤および剥離剤を上記テープ基材シートに塗布し、粘着テープを作成した。得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表2に示す。
【0058】
[比較例2]
(テープ基材シートの作成)
目付け量を70g/m
2、含浸樹脂をガラス転移温度33℃の日本カーバイド工業社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFX−670」、含浸量を40g/m
2としたこと以外は実施例1と同様にしてテープ基材シートを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様にして粘着剤および剥離剤を上記テープ基材シートに塗布し、粘着テープを作成した。得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
[比較例3]
(テープ基材シートの作成)
目付け量を40g/m
2にしたことおよび幅方向の線状エンボス加工を施さなかったことを除いて実施例1と同様にしてテープ基材シートを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様にして粘着剤および剥離剤を上記テープ基材シートに塗布し、粘着テープを作成した。得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表3に示す。
【0061】
[比較例4]
(テープ基材シートの作成)
目付け量を70g/m
2、樹脂含浸量を40g/m
2、含浸樹脂をガラス転移温度33℃の日本カーバイド工業社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFX−670」としたこと以外は、実施例4と同様にしてテープ基材シートを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様にして粘着剤および剥離剤を上記テープ基材シートに塗布し、粘着テープを作成した。得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表3に示す。
【0062】
[比較例5]
スフ布を基材とした布粘着テープとして(株)スリオンテック社製「No.3372」を使用し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
【0063】
[比較例6]
ポリエチレン織物を基材としたフラットヤーン粘着テープとしてダイヤテックス社製「パイオランY−09−GR」を使用し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
[実施例11]
(テープ基材シートの作成)
スパンボンド法により得られる繊維径が18μmの単層からなるポリプロピレン長繊維ウエブをネットコンベア上に堆積させ、一対のエンボスロールで熱圧着し、部分熱圧着率8%の目付け量が40g/m
2、厚みが310μmのポリプロピレン長繊維不織布を得た。次いで、温度80℃、線圧300N/cmの条件でテープ幅方向に線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm)を施した後、樹脂の含浸処理を行った。なお、線状エンボスの角度はロール回転軸に対して1度であった。合成樹脂としてはガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA−2555A」固形分に対して松本油脂製薬(株)社製の熱膨張性マイクロカプセル「マツモトマイクロスフェアーF−36」を8wt%配合したものを用いて、浸漬、脱水、乾燥工程を経て、乾燥後の樹脂量が20g/m
2になるように含浸し、さらに片面にガラス転移温度12℃の日本ゼオン(株)製「NIPOL LX430」を乾燥後の塗布量が5g/m
2になるようにトップコートを塗工したテープ基材シートhを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
粘着剤aを乾燥後の塗布量が50g/m
2になるように上記のテープ基材シートhの未処理面側に塗布し、処理面に離型剤として、一方社油脂(株)製ピーロイル1010を乾燥後の塗布量が0.2gになるように塗布し、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表4に示す。
(マスカーの作成)
マスカー加工機を使用し、18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表4に示す。
【0066】
[実施例12]
(テープ基材シートの作成)
スパンボンド法により得られる繊維径が18μmポリプロピレン繊維(S)11g/m
2と、メルトブロン法により得られる繊維径が4μmの極細繊維(M)1.5g/m
2との多層積層ウエブ(SMMS)を熱圧着し、部分熱圧着率が14%、目付け量が25g/m
2、厚みが240μmの多層積層された長繊維不織布を得、実施例11と同様にエンボス加工を行った。次に、含浸処理としては、マイクロカプセルの配合量を5wt%に、乾燥後の樹脂量を15g/m
2になるようにしたことを除いて、実施例11と同様に含浸処理し、次いで実施例11と同じトップコート加工を行ない、テープ基材シートiを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートiの未処理面に50g/m
2塗布し、処理面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.2g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表4に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表4に示す。
【0067】
[実施例13]
ポリエチレンテレフタレート(PET融点265℃)を用いてスパンボンド法により得られた繊維径が14μmの長繊維ウエブを熱圧着し、部分熱圧着率が20%、目付け20g/m
2、厚みが120μmのポリエステル長繊維不織布を得た。次いで、温度160℃、線圧300N/cmの条件でテープの幅方向に破線状のエンボス加工(幅0.3mm×エンボス間隔3mm、エンボス部と非エンボス部の比率が2:1)を施した後、合成樹脂の含浸処理を行った。なお、破線状エンボスの角度はロール回転軸に対して1度であった。含浸処理としては、樹脂をガラス転移温度が1℃の日本ゼオン(株)製「NIPOL LX438C」とし、マイクロカプセセルの配合量を2wt%とし、乾燥後の樹脂量が15g/m
2になるように含浸したことを除いて実施例11と同様に行って、テープ基材シートjを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ用基布jの未処理面に50g/m
2塗布し、処理面に実施例1と同様の剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.1g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表4に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表4に示す。
【0068】
[実施例14]
(テープ基材シートの作成)
実施例13と同様にしてテープ基材シートjを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上前記テープ基材シートeの未処理面に30g/m
2塗布し、処理面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.1g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表4に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表4に示す。
【0069】
[実施例15]
(テープ基材シートの作成)
含浸樹脂にTg−47℃の日本ゼオン社製水系SBR樹脂「ニポールLX110」を用い、マイクロカプセルの配合量を8wt%にしたことを除いて、実施例11と同様にしてテープ基材シートkを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートkの未処理面に50g/m
2塗布し、処理面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.3g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表4に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表4に示す。
【0070】
[実施例16]
(テープ基材シートの作成)
マイクロカプセルの配合量を2wt%とし、乾燥後の樹脂量を30g/m
2としたことを除いて、実施例11と同様にしてテープ基材シートlを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを前記テープ基材シートlの未処理面に25g/m
2塗布し、処理面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.2g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表4に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
[実施例17]
(テープ基材シートの作成)
線状エンボスの角度をロール回転軸に対して0.5度にしたことを除いて、実施例11と同様にしてテープ基材シートmを得た。
(粘着剤の調整)
「三洋化成工業(株)製ポリシック430SA」100gに「三菱ガス化学(株)製テトラッドC」を0.1g添加し十分攪拌させ、固形分50%、23℃の粘度が25000mPa・sの溶剤型アクリル粘着剤bを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
上記テープ基材シートmの未処理面に粘着剤bを50g/m
2塗布し、処理面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.3g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表5に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表5に示す。
【0073】
[実施例18]
(テープ基材シートの作成)
線状エンボスの角度をロール回転軸に対して1.5度にしたことを除いて、実施例11と同様にしてテープ基布nを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートnの未処理面に70g/m
2塗布し、処理面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を2.0g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表5に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表5に示す。
【0074】
[実施例19]
(テープ基材シートの作成)
線状エンボスの角度をロール回転軸に対して3.0度にし、マイクロカプセルの配合量を10wt%とし、トップコートを施さなかったことを除いて、実施例11と同様にしてテープ基材シートoを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートoの片面に40g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイルHT」を5.0g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表5に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表5に示す。
【0075】
[実施例20]
(テープ基材シートの作成)
上下層にスパンボンド法により得られる繊維径が18μm、目付け量が11g/m
2のポリプロピレン繊維不織布(S)と、中間層の2層にメルトブロン法により得られる繊維径が4μm、目付け量が1.5g/m
2のポリプロピレン極細繊維不織布(M)との4層積層ウエブ(SMMS)を熱圧着し、部分熱圧着率が14%、目付け量が25g/m
2、厚みが240μmの多層積層された長繊維不織布を得た。次いで、温度20℃、線圧300N/cmの条件でカレンダー加工し厚みを80μmにした後、実施例13と同様の破線状のエンボス加工と実施例1と同様の樹脂の含浸処理を行ない、テープ基材シートpを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
実施例1と同様の粘着剤aを上記テープ基材シートpの片面に40g/m
2塗布し、反対面に剥離剤「一方社油脂(株)製ピーロイル1010」を0.3g/m
2塗布して、本発明の粘着テープを得た。
得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表5に示す。
【0076】
[比較例7]
(テープ基材シートの作成)
カレンダー加工を施さないこと、含浸樹脂としてガラス転移温度33℃の日本カーバイド工業社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFX−670」を用い、含浸樹脂固形分に対して松本油脂製薬(株)社製の熱膨張性マイクロカプセル「マツモトマイクロスフェアーF−36」を5重量%配合したこと、乾燥後の含浸樹脂量を30g/m
2としたことを除いて、比較例1と同様にしてテープ基材シートを作成し、厚み370μmのテープ基材シートを得た。
(粘着剤、剥離剤の塗布)
比較例1と同様にして粘着剤および剥離剤を上記テープ基材シートに塗布し、粘着テープを得た。得られた粘着テープの評価結果を不織布、テープ用基布およびテープ基材シートの特性と共に表5に示す。
(マスカーの作成)
18mm幅に切断した粘着テープの長さ方向の片側側縁幅3mmに亘って、厚み10μm、幅1000mmのポリエチレンフィルムの片側側縁に重ねて貼り合わせ、フィルムを折り込んで外径24mmの紙管に長さ25mにて巻き上げ、最多折り込み回数20回、製品幅95mmのマスカーを仕上げた。マスカー加工適正の評価結果を表5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】
実施例1〜20の本発明の粘着テープは、曲げ硬さ、5%伸長応力が小さく、柔らかい為に、曲面、粗面および凹凸面への追従性が良く、粘着力および引張強力が高く、本発明の粘着テープを用いた施工現場で、施工後剥がす時のテープの破断が少なく、且つ、作業時の手切れ性がよく、現場作業性が良好であった。
一方、比較例1〜7の粘着テープは、曲面、粗面および凹凸面への追従性が悪く、本発明の粘着テープの目的に沿えないものであった。
また、本発明の粘着テープを用いたマスカーは、マスカー加工適正が良好で、フィルムと貼り合わせて綺麗にロール状に仕上げることができた。