特許第6104202号(P6104202)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104202
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/10 20060101AFI20170316BHJP
   A01D 67/00 20060101ALI20170316BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   A01F12/10 B
   A01D67/00 C
   A01D41/12 E
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-64386(P2014-64386)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-186447(P2015-186447A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】日野 真和
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 誠
(72)【発明者】
【氏名】下田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】坂井 孝次
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−215410(JP,A)
【文献】 特開2011−211911(JP,A)
【文献】 特開2008−072991(JP,A)
【文献】 特開2000−188932(JP,A)
【文献】 特開平10−155331(JP,A)
【文献】 特開2007−174941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/10
A01D 41/00−41/16
A01D 67/00−69/12
A01D 75/00−75/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植立穀稈を刈り取って、その刈取穀稈を後方に搬送する刈取搬送部と、
刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部と、
前記刈取搬送部により搬送される刈取穀稈を前記脱穀部の前側面に形成された穀稈供給口に案内する入口プレートと、
前記刈取搬送部と前記入口プレートとの受渡し箇所から落下したワラ屑を前記入口プレートの下方空間よりも外方側に向けて案内する案内板と、
前記案内板と前記入口プレートとの間に設けられた軟質材からなる隙間埋め部材とを備えているコンバイン。
【請求項2】
前記案内板は、前記入口プレートの下方空間における機体前部側に位置してワラ屑を前部側外方へ案内する前側案内板と、前記入口プレートの下方空間における機体横幅方向一方側に位置してワラ屑を横側外方へ案内する横側案内板とを備え、
前記隙間埋め部材は、前記前側案内板及び前記横側案内板の夫々と前記入口プレートとの間の隙間を埋める請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記入口プレートの下方にオイルタンクが備えられ、
前記オイルタンクの上面の前部側部分が前下がり傾斜姿勢に設けられ、
前記前側案内板が、前記上面の前部側部分に連なる状態で前下がり傾斜姿勢に設けられている請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記入口プレートの下方にオイルタンクが備えられ、
前記オイルタンクの上面に給油口が形成され、
前記案内板のうち前記給油口の前方側箇所又は前記給油口の横外方側箇所であって且つ前記隙間埋め部材と隣り合う箇所に、給油用開放部を形成する切欠きが形成され、その切欠きを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体が備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記入口プレートの下方にオイルタンクが備えられ、
前記オイルタンクの上面に給油口が形成され、
前記隙間埋め部材のうち前記給油口の前方側箇所又は前記給油口の横外方側箇所に、給油用開放部を形成する切欠きが形成され、その切欠きを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体が備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記オイルタンクの機体横幅方向一方側に、前記刈取搬送部に伝達される動力を変速する刈取変速装置が備えられ、
前記横側案内板が、前記刈取変速装置の横外方に向けてワラ屑を案内するように横外方下がり傾斜姿勢に設けられている請求項3〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植立穀稈を刈り取って、その刈取穀稈を後方に搬送する刈取搬送部と、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部とを備えているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインでは、脱穀部の前側面に形成された穀稈供給口に刈取穀稈を案内する入口プレートが備えられ、刈取搬送部から入口プレートへの受け渡し箇所には、上方側から覆う状態でシート状の受止め部材が備えられており、刈取穀稈が円滑に脱穀装置に供給されるように構成されていた。このように、刈取搬送部から入口プレートへの受け渡し箇所においては、シート状の受止め部材により刈取穀稈を案内するようにして下方にワラ屑等が落下しないようにしており、入口プレートの下方には防塵用の部材は特に設けられていなかった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−244785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、刈取作業に伴って、細かなワラ屑等の塵埃が刈取搬送部と脱穀装置との間の隙間を通して入口プレートの下方側に漏下することがあり、そのような下方に漏下したワラ屑が入口プレートの下方空間における平坦面部分に堆積することがある。そして、この種のコンバインでは、入口プレートの下方空間を有効に利用して、オイルタンク等を配備することがある。このような構成であれば、特に、平坦で且つ広い面積のオイルタンクの上面にワラ屑が堆積するおそれが大となっていた。
【0005】
このように入口プレートの下方空間における平坦面部分にワラ屑が堆積すると、その堆積したワラ屑が風に煽られて、機体の別の箇所、例えば、搭乗運転部やベルト式伝動機構等に飛散して悪影響を与えるおそれがあった。
【0006】
このような不利を回避するために、入口プレートの下方側にワラ屑が堆積するのを防止するための構成を備えることが考えられる。しかし、このような入口プレートの下方側は、刈取搬送部の搬送終端部と入口プレートとにより上方側が覆われているから、入口プレートの下方側箇所にワラ屑堆積防止用の部材を装着する場合には、脱穀部を組み付ける前に予め、組付けておく必要がある。そして、入口プレートの下方側箇所にワラ屑堆積防止用の部材を装着した後に、脱穀部を組み付けると、ワラ屑堆積防止用の部材と脱穀部に備えられている入口プレートとが干渉して損傷するおそれがある。
【0007】
そこで、刈取搬送部及び脱穀部の組み付け作業を良好に行えるものでありながら、入口プレートの下方空間にワラ屑が堆積するのを防止することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
植立穀稈を刈り取って、その刈取穀稈を後方に搬送する刈取搬送部と、
刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部と、
前記刈取搬送部により搬送される刈取穀稈を前記脱穀部の前側面に形成された穀稈供給口に案内する入口プレートと、
前記刈取搬送部と前記入口プレートとの受渡し箇所から落下したワラ屑を前記入口プレートの下方空間よりも外方側に向けて案内する案内板と、
前記案内板と前記入口プレートとの間に設けられた軟質材からなる隙間埋め部材とを備えている点にある。
【0009】
本発明によれば、入口プレートの下方側に案内板が備えられ、その案内板により、刈取搬送部と入口プレートとの受渡し箇所から落下したワラ屑が入口プレートの下方空間よりも外方側に向けて案内されるので、ワラ屑が入口プレートの下方空間に堆積することを回避することができる。
【0010】
この案内板は、その上方側が、刈取搬送部の搬送終端部と入口プレートとにより穀稈搬送用経路が形成される広い板状の構成体にて覆われる前に、すなわち、刈取搬送部及び脱穀部のうち少なくともいずれか一方の組み付け作業に先立って機体に予め組み付けておくことにより、刈取搬送部及び脱穀部の組み付け作業の邪魔になることがなく、組付け作業を良好に行える。
【0011】
そして、組付けられた状態では、脱穀部における入口プレートと案内板とを極力近づけることにより、漏下するワラ屑をできるだけ多く、入口プレートの下方空間よりも外方側に向けて案内することができる。このように入口プレートと案内板との隙間を少なくする状態で配備すると、案内板が予め組み付けられた後で、大型の装置である脱穀部が組み付けられる場合にそれらが干渉するおそれがある。
【0012】
そこで、案内板と入口プレートとの間に軟質材からなる隙間埋め部材を備えることで、入口プレートと案内板とを極力近づける状態で配備するようにしても、上記したような組み付け作業時において、入口プレートは隙間埋め部材に接触するだけで、脱穀部の入口プレートと、予め組み付けられている案内板とが接当して損傷することを回避できる。
【0013】
従って、刈取搬送部及び脱穀部の組み付け作業を良好に行えるものでありながら、入口プレートの下方空間にワラ屑が堆積するのを防止することが可能なコンバインを提供できるに至った。
【0014】
本発明においては、前記案内板は、前記入口プレートの下方空間における機体前部側に位置してワラ屑を前部側外方へ案内する前側案内板と、前記入口プレートの下方空間における機体横幅方向一方側に位置してワラ屑を横側外方へ案内する横側案内板とを備え、
前記隙間埋め部材は、前記前側案内板及び前記横側案内板の夫々と前記入口プレートとの間の隙間を埋めると好適である。
【0015】
本構成によれば、入口プレートの下方空間における機体前部側箇所に落下したワラ屑は、案内板における前側案内板部分により、前部側外方へ案内されて機外に排出される。又、入口プレートの下方空間における機体横幅方向一方側箇所に落下したワラ屑は、案内板における横側案内板部分により、横側外方へ案内されて機外に排出される。
【0016】
従って、入口プレートの下方に落下するワラ屑を前部側外方及び横側外方の広い範囲にわたって排出させることができ、入口プレートの下方空間にワラ屑が堆積することを一層良好に防止し易いものとなる。
【0017】
本発明においては、前記入口プレートの下方にオイルタンクが備えられ、
前記オイルタンクの上面の前部側部分が前下がり傾斜姿勢に設けられ、
前記前側案内板が、前記上面の前部側部分に連なる状態で前下がり傾斜姿勢に設けられていると好適である。
【0018】
本構成によれば、入口プレートの下方に備えられたオイルタンクの上面の前部側部分が前下がり傾斜姿勢に形成されている。そして、案内板の前下がり傾斜姿勢の前側案内板部分が、オイルタンクにおける上面の前部側部分に連なる状態で設けられている。
【0019】
つまり、上面の前部側部分と案内板の前側案内板部分とにより、前下がり傾斜姿勢の一連に連なる案内面が形成され、落下してくるワラ屑がこの案内面によって前部側外方へ案内されて機外に排出される。
【0020】
従って、入口プレートの下方の空間、すなわち、脱穀部の機体前方側の空間を有効利用してオイルタンクを配備することにより、例えば、脱穀装置の後方側等に大型のオイルタンクを配備する場合等に比べて機体全体のコンパクト化を図ることが可能となる。しかも、オイルタンクの上面の形状を合理的に形成することで、オイルタンクの上面を案内板の一部として兼用することができ、案内板の構成を簡素化できる。
【0021】
本発明においては、前記入口プレートの下方にオイルタンクが備えられ、
前記オイルタンクの上面に給油口が形成され、
前記案内板のうち前記給油口の前方側箇所又は前記給油口の横外方側箇所であって且つ前記隙間埋め部材と隣り合う箇所に、給油用開放部を形成する切欠きが形成され、その切欠きを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体が備えられていると好適である。
【0022】
本構成によれば、通常の作業状態では、給油口の前方側箇所又は給油口の横外方側箇所に備えられた蓋体を閉じ状態に切り換えておくことで、案内板としての機能を発揮することができ、落下してくるワラ屑を良好に排出案内することができる。
【0023】
そして、作業開始前あるいは作業を中断したとき等において、オイルタンクに作動油を供給する場合には、蓋体を開放状態に切り換えて切欠きを開放することにより、その切欠きを通して、機体前方側から、又は、機体横外方側から給油作業を良好に行うことができる。
【0024】
しかも、切欠きは隙間埋め部材と隣り合う箇所に形成されるものであり、脱穀部が組み付けられる場合には、蓋体を開放状態に切り換えておくことにより、入口プレートとの干渉のおそれがない。つまり、この切欠きが形成される箇所においては、隙間埋め部材を備える必要がなく、それだけ構成を簡素にすることができる。
【0025】
本発明においては、前記入口プレートの下方にオイルタンクが備えられ、
前記オイルタンクの上面に給油口が形成され、
前記隙間埋め部材のうち前記給油口の前方側箇所又は前記給油口の横外方側箇所に、給油用開放部を形成する切欠きが形成され、その切欠きを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体が備えられていると好適である。
【0026】
本構成によれば、通常の作業状態では、給油口の前方側箇所又は給油口の横外方側箇所に備えられた蓋体を閉じ状態に切り換えておくことで、隙間埋め部材によって、案内板と入口プレートとの間の隙間を埋めることができ、落下してくるワラ屑を良好に排出案内することができる。
【0027】
そして、作業開始前あるいは作業を中断したとき等において、オイルタンクに作動油を供給する場合には、蓋体を開放状態に切り換えて切欠きを開放することにより、その切欠きを通して、機体前方側から、又は、機体横外方側から給油作業を良好に行うことができる。
【0028】
本発明においては、前記オイルタンクの機体横幅方向一方側に、前記刈取搬送部に伝達される動力を変速する刈取変速装置が備えられ、
前記案内体の横側案内板部分が、前記刈取変速装置の横外方に向けてワラ屑を案内するように横外方下がり傾斜姿勢に設けられていると好適である。
【0029】
本構成によれば、案内体の横側案内板部分によって、入口プレートから漏下してくるワラ屑を刈取変速装置の横外方に向けて良好に排出案内することができ、ワラ屑が刈取変速装置に降りかかり堆積することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】コンバインの全体側面図である。
図2】コンバイン前部の側面図である。
図3】刈取搬送部の位置変更状態を示す平面図である。
図4】案内板配設部の正面図である。
図5】案内板配設部の平面図である。
図6】案内板配設部の側面図である。
図7】案内板装着部の斜視図である。
図8】刈取搬送部の機体に対する支持構造を示す一部切欠正面図である。
図9】伝動系統図である。
図10】刈取搬送部に対する伝動構造を示す側面図である。
図11】刈取搬送部に対する伝動構造を示す平面図である。
図12】駆動側伝動プーリの側面図である。
図13図12のXIII―XIII線断面図である。
図14】横向き筒状フレームの右側端部の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るコンバインの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0032】
〔全体構成〕
図1,2に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に横軸芯X周りで昇降操作自在に刈取搬送部3が連結され、走行機体2の後部に機体横幅方向に並ぶ状態で脱穀部としての脱穀装置4と穀粒を貯留する穀粒タンク5とが備えられている。又、走行機体2の前部右側箇所にキャビンにて覆われた搭乗運転部6が備えられ、この搭乗運転部6の下方側に駆動用のエンジン7が備えられている。尚、この実施形態では、機体横幅方向についての左右を規定するときは、機体前方方向視を基準にして右側あるいは左側を規定する。
【0033】
図2,3に示すように、刈取搬送部3は、倒伏した植立穀稈を引き起こす6つの引起し装置8、引起された植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置9、株元が切断された縦姿勢の刈取穀稈を徐々に横倒れ姿勢に姿勢変更させながら、機体後方側に位置する脱穀装置4の脱穀フィードチェーン10の始端部に向けて搬送する搬送装置11等を備えて構成されている。
【0034】
刈取搬送部3は、その全体が、前後方向に沿って延びる前後向き筒状フレーム12により支持される構成となっており、この前後向き筒状フレーム12を介して横軸芯X周りで昇降操作自在に走行機体2に支持されている。又、刈取搬送部3は、図3(a)に示すような刈取作業用の作用位置と、図3(b)に示すような機体前方横外方に向けて移動して機体前部を開放するメンテナンス位置とにわたり、縦軸芯Y周りで揺動可能に走行機体2に支持されている。
【0035】
図1に示すように、脱穀装置4は、刈取装置9により刈り取られて、搬送装置11により搬送されてくる刈取穀稈を、入口プレート15にて受け止めて案内しながら機体前部側面に形成された穀稈供給口24(図7,8参照)から内部に受け入れる。そして、穀稈の株元を脱穀フィードチェーン10によって挟持搬送しながら穂先側を扱胴13にて脱穀処理し、その下方に備えられた選別部14にて脱穀処理物に対する穀粒選別処理を実行して、得られた穀粒を穀粒タンク5にて排出するように構成されている。又、詳述はしないが、穀粒タンク5にて貯留される穀粒を外部に排出する穀粒排出装置16が備えられている。
【0036】
刈取搬送部3から脱穀フィードチェーン10への刈取穀稈の受け渡し箇所には、刈取搬送部3の搬送終端部から脱穀フィードチェーン10に向けて刈取穀稈を供給搬送する補助搬送装置17が備えられている。
【0037】
図示はしないが、エンジン7が備えられる原動部には、エンジン冷却用のラジエータや冷却ファン等が備えられ、機体右側外方から外気を吸引してエンジン7を冷却させたのち、排風を機体内方側に向けて排出させるようにしている。
【0038】
〔刈取搬送部の支持構造〕
刈取搬送部3の支持構造について説明する。
図2,3,8に示すように、前後向き筒状フレーム12の後端部が横向き姿勢の横向き筒状フレーム18に一体的に連結固定されており、この横向き筒状フレーム18は、機体側に設けられた左右一対の受止め保持部19,20により横軸芯X周りに回動自在に受止め支持されている。従って、刈取搬送部3が横軸芯X周りで回動自在に走行機体2に支持されることになる。
【0039】
図1及び図2に示すように、前後向き筒状フレーム12の途中部と機体フレーム21の前端部とにわたって油圧シリンダ22が枢支連結されており、この油圧シリンダ22を伸縮操作することで、刈取搬送部3が横軸芯X周りで昇降操作自在に構成されている。
【0040】
図2,3,6に示すように、入口プレート15の下方側であって横向き筒状フレーム18の下方側に位置する状態で、作動油を貯留するためのオイルタンク23が配備されている。このオイルタンク23は、剛性の高い構造体にて構成されている。
【0041】
図4〜8に示すように、オイルタンク23は、厚肉の板材からなる左右側面23a,23b、厚肉の板材からなる側面視山形状の上面23c、一連に連なる板材を折り曲げて形成された前面23d、後面23e及び底面23fからなり、それらが一体的に連結されて内部に作動油の貯留空間が形成されている。左右側面23a,23bのうちの左側面23aは、上面23cや後面23eよりも後方上方側に突出する状態で延長形成されている。又、右側面23bは、上面23cよりも下方側に位置する状態で設けられ、上面23cは、右側面23bよりも右側外方に突出する状態で延長形成されている。上面23cは、側面視山形状に形成されているから、その頂部23c1よりも前部側、つまり、オイルタンク23の上面23cの前部側部分23c2は前下がり傾斜姿勢に設けられている。
【0042】
又、オイルタンク23には、左側面23aにおける外側で且つ機体前部側の箇所に、その左側面23aに一体的に連設される状態で、刈取搬送部3を縦軸芯Y周りで回動自在に支持する回動支持部29が設けられている。
【0043】
この回動支持部29は、オイルタンク23の左側面23aを利用して機体後方側だけが開放された略箱状に形成されている。すなわち、左側面23aの左外側面に平面視L字形に屈曲形成した板体30の一端部を一体的に固定して、平面視で略コの字形の空間を形成し、且つ、その空間の天井面を形成する天板31が固定されて、機体後方側だけが開放された略箱状の収納空間が形成されている。尚、収納空間の底面は機体フレーム21により形成される。
【0044】
このオイルタンク23は、複数箇所をボルト締結することにより機体フレーム21に取り付け固定されている。すなわち、図8に示すように、左右側面23a,23bの下端部に板材を略直角に折り曲げて水平面部23a1,23b1が形成されており、この水平面部23a1,23b1が、機体フレーム21に上下方向に沿ってボルトで締結固定されている。
【0045】
又、図8に示すように、機体フレーム21における回動支持部29の下方に対応する箇所に収納空間の底面を形成する底部フレーム体21Bが備えられ、この底部フレーム体21Bに固定立設された固定ブラケット34に対して、回動支持部29の前面部29aと左側面部29bとが前後方向並びに左右方向に沿ってボルト35で締結固定されている。
【0046】
又、回動支持部29によって刈取搬送部3を縦軸芯Y周りで回動可能に支持するための筒状の支持軸36が、縦軸芯Y周りで回動自在に支持される状態で回動支持部29の内部に収納されている。回動支持部29の天板31には、支持軸36を回動自在に支持するための回動用筒部37が備えられ、その回動用筒部37を挿通した支持軸36の上部側箇所に回動基台部38が一体的に連結固定されている。
【0047】
上部に回動基台部38を備えた支持軸36は、上部側が回動用筒部37にて縦軸芯Y回りで回動自在に受け止め支持されており、又、下端部の小径段差部39が底部フレーム体21Bに形成された挿通孔40にて回動自在に受止め支持されている。このようにしてメンテナンス位置に切り換えられたときに、回動支持部29において刈取搬送部3の荷重を受止め支持することができるように構成されている。
【0048】
そして、回動基台部38の上部に横向き筒状フレーム18を支持するための左側の受止め保持部19が取り付けられている。左側の受止め保持部19は、回動基台部38に固定されている固定側受け部材41と、この固定側受け部材41に対して上下に重なる閉状態と外方に開放される開放状態とに揺動開閉自在に支持された回動側押え部材42とで構成されている。そして、固定側受け部材41と回動側押え部材42との間に横向き筒状フレーム18を位置させて回動側押え部材42を閉状態に切り換えてボルト43にて固定することにより、横向き筒状フレーム18を横軸芯X周りで支持軸36と一体回動が可能な状態で挟み込み保持する。
【0049】
又、図8に示すように、横向き筒状フレーム18を回動自在に受止め保持するための右側の受止め保持部20は、オイルタンク23の上部にブラケット44を介して取り付けて支持されている。この右側の受止め保持部20は、左側の受止め保持部19と同様に、固定側受け部材41と回動側押え部材42とで構成され、横向き筒状フレーム18を横軸芯X周りでの回動が可能な状態で挟み込み保持する。
【0050】
このような支持構造により刈取搬送部3が支持されることから、図3(a)に示す刈取作業用の作用位置から、油圧シリンダ22と前後向き筒状フレーム12との連結を解除し、左右一対の受止め保持部19,20のうちの右側の受止め保持部20の回動側押え部材42を開放状態に切り換えて、刈取搬送部3を支持軸36における縦軸芯Y周りで揺動させると、図3(b)に示すメンテナンス位置に切り換えることができる。但し、このとき、後述する動力伝達用の伝動ベルト107は取り外す必要がある。
【0051】
オイルタンク23の上面23cにおける頂部23c1よりも後部側であって機体左側寄りの箇所に、給油口25が形成されている。図6に示すように、上面23cから上方に向けて大きく突出する状態でタンク内部に連通する筒部26が設けられ、この筒部26の上端部に給油口25が形成されている。この給油口25は、給油作業時以外は着脱自在に装着されるキャップ27により閉塞されている。
【0052】
〔案内板〕
図4〜8に示すように、オイルタンク23の上部に、刈取搬送部3の搬送装置11から入口プレート15への刈取穀稈の受渡し箇所から落下したワラ屑を入口プレート15の下方空間よりも外方側に向けて案内する案内板45が備えられている。
【0053】
オイルタンク23は、刈取搬送部3から脱穀装置4への刈取穀稈の受け渡し箇所の下方に位置しており、落下したワラ屑がオイルタンク23の上部に降りかかり堆積するおそれがあるから、案内板45によりこのようなワラ屑の堆積を回避させるようにしている。
【0054】
次に、案内板45について説明する。
図5に示すように、案内板45は、入口プレート15の下方空間における機体前部側に位置してワラ屑を前部側外方へ案内する前側案内板45Aと、入口プレート15の下方空間における機体横幅方向一方側に位置してワラ屑を横側外方へ案内する横側案内板45Bとを備えている。
【0055】
前側案内板45Aは、機体横幅方向に沿って分割される4つの分割案内体45A1〜45A4にて構成され、横側案内板45Bは1枚板にて構成されている。前側案内板45Aの4つの分割案内体45A1〜45A4のうち最右側の分割案内体45A1は、板材を平面視で略L字形に折り曲げた形状である。
【0056】
右から2番目の分割案内体45A2は、平坦面状の板材にて構成されるが、この2番目の分割案内体45A2は、上部側箇所が開閉自在に構成されている。すなわち、2番目の分割案内体45A2は、上部側案内体部分45A21と下部側案内体部分45A22とに分割されており、それらが上下中間部にてヒンジ46を介して横軸芯周りで相対回動自在に枢支連結されている。
【0057】
下部側案内体部分45A22は、左右両側の分割案内体45A1,45A3にボルトで締結固定することで縦向きの閉姿勢で固定されている。又、上部側案内体部分45A21は、左右両側の分割案内体45A1,45A3にボルトで締結固定することで縦向き状態で固定される閉姿勢(図4,5参照)と、ビス止めを解除してヒンジ46の横向き揺動支点周りで下方に回動して上部側箇所を開放する開放姿勢(図7参照)とに切り換え自在に設けられている。
【0058】
最右側の分割案内体45A1と2番目の分割案内体45A2の下部側案内体部分45A22とが夫々、オイルタンク23の山形状の上面23cの頂部23c1に備えられた取付ブラケット48にボルトで締結固定されている。又、最右側の分割案内体と2番目の分割案内体同士はボルトで連結固定されている。
【0059】
右から3番目の分割案内体45A3は、2番目の分割案内体45A2の左側に連なる状態で設けられ、2番目の分割案内体45A2の下部側案内体部分45A22とボルトで連結固定されている。そして、この3番目の分割案内体45A3の前面側に4番目の分割案内体45A4が備えられている。
【0060】
右から4番目の分割案内体45A4は、3番目の分割案内体45A3の前面側に共締め状態でボルトで連結固定され、3番目の分割案内体45A3の上部側箇所から左側の受止め保持部19の上部箇所にわたってオイルタンク23の左側方の上方側を覆う状態で設けられている。4番目の分割案内体45A4は、後述するような刈取用伝動構造における伝動機構の上方に位置しており、上方から降りかかるワラ屑をオイルタンク23上に案内するとともに、ワラ屑を機体前部側に案内するように構成されている。
【0061】
横側案内板45Bは、3番目の分割案内体45A3の左側端部に共締め状態でボルトで連結固定されており、後方に向けて片持ち状に延設されている。この横側案内板45Bは、正面視で略L字形に屈曲形成され、ワラ屑を機体横幅方向の左外方に向けて流下案内するように横外方下がり傾斜姿勢に設けられている。
【0062】
図4に示すように、2番目の分割案内体45A2は、給油口25の機体前方側に対応する位置に設けられている。給油作業を行う場合には、図7に示すように、2番目の分割案内体45A2の上部側案内体部分45A21を開放姿勢に切り換えることによって形成された切欠きQを通して、機体前方側から給油を行うことが可能となる。従って、2番目の分割案内体45A2の上部側案内体部分45A21が開放されることにより形成された切欠きQが給油用開放部を形成することになる。
従って、2番目の分割案内体45A2の上部側案内体部分45A21が蓋体Fに対応している。
【0063】
〔隙間埋め部材〕
そして、上記したような案内板45と入口プレート15との間には、軟質材からなる隙間埋め部材71が備えられている。この隙間埋め部材71は、前側案内板45A及び横側案内板45Bの夫々と入口プレート15との間の隙間を埋めるように設けられている。
【0064】
すなわち、図5,7に示すように、前側案内板45Aのうちの3番目の分割案内体45A3、及び、横側案内板45Bの上部側にボルトで締結固定されて上方に延長形成される状態で、軟質材の一例であるゴム板からなる隙間埋め部材71が備えられている。このように隙間埋め部材71が設けられることにより、案内板45の上縁部と入口プレート15との間の隙間を埋めることができ、ワラ屑がオイルタンク23の上部に降りかかることを防止できる。
【0065】
隙間埋め部材71がゴム板であるから、コンバインの組み立て製造工程において、予め刈取搬送部3や案内板45等が組み付けられたのちに脱穀装置4を組み付けるような場合に、下方に移動する入口プレート15が隙間埋め部材71に接当して押圧力を受けても、隙間埋め部材71が弾性変形して入口プレート15の下方移動を許容するので、部材が損傷することを回避できる。
【0066】
説明を加えると、脱穀装置4の組付け作業は、脱穀装置4をクレーンにて吊り下げ支持しながら機体の所定位置に下して設置させることになる。このとき、案内板45が入口プレート15に近接する箇所まで延設されていると、入口プレート15が案内板45に接当して損傷するおそれがある。しかし、入口プレート15と案内板45との間を埋めるゴム板からなる隙間埋め部材71を設けることにより、上述したような脱穀装置4の組付け時において部材が損傷する不利を回避できる。
【0067】
3番目の分割案内体45A3に隣り合う2番目の分割案内体45A2は、上下方向の全幅に亘って金属材にて構成されるが、脱穀装置4の組み付け時においては、上部側案内体部分45A21を開放姿勢に切り換えておくことで、入口プレート15と接当して損傷することを回避できる。
【0068】
最右側の分割案内体45A1は、平面視で略L字形に折り曲げた形状であって、例えば、後述するような脱穀装置4の扱胴13に対する動力伝達機構や他の機体側の部材との干渉を避けるために、機体前方側に折れ曲がる形状となっている。そのために、入口プレート15と干渉するおそれが少ないので、最右側の分割案内体45A1と入口プレート15との間には、隙間埋め部材71は備えられていない。
【0069】
〔伝動構造〕
次に、エンジン7の動力を各部に伝達するための伝動構造について説明する。
図9に示すように、搭乗運転部6の下方に配備されたエンジン7の動力が、エンジン7の出力軸7aからベルト式伝動機構47を介してミッションケース49に伝達される。ミッションケース49内には、図示しないが、走行駆動用の静油圧式無段変速装置(HST)と旋回用伝動機構が備えられている。そして、このミッションケース49から左右のクローラ走行装置1に走行用の動力が伝達される。ベルト式伝動機構47には、伝動ベルト50に緊張力を付与する走行用テンション機構51が備えられる。
【0070】
又、エンジン7の動力が、出力軸7aからベルト伝動機構62及び横向き伝動軸63を介して分岐伝動機構64に伝達され、その分岐伝動機構64により、脱穀装置4と、刈取変速装置としての刈取駆動用の静油圧式無段変速装置(HST)(以下、刈取用HSTと略称する)65とに分岐伝達される構成となっている。ベルト伝動機構62は、エンジン側のプーリ62Aと従動側のプーリ62Bとに亘って3本の伝動ベルト62Cが巻回されている。
【0071】
図10,11に示すように、刈取用HST65は、オイルタンク23の後部の上方に位置する状態で、オイルタンク23の側壁としての左側面23aにおける後方上方に延長形成された箇所に、複数箇所をボルト70で締結することにより取り付け固定されている。
【0072】
つまり、図7に示すように、左側面23aにおける後方上方に延長形成された箇所には、左外側方に向けて突出する状態で複数の取付け部67が一体的に形成され、図11に示すように、この取付け部67の先端面に刈取用HST65のケーシング68をボルト70で締結して、刈取用HST65が取り付け固定されている。その結果、刈取用HST65とオイルタンク23の左側面23aとの間には、取付け部67の突出量に相当する隙間が形成されることになる。
【0073】
図9に示すように、横向き伝動軸63は、一体的に形成された中継用伝動ケース75により外周側が覆われる状態で回動自在に支持されており、オイルタンク23の機体左側端部に相当する位置から右側端部位置よりも右側外方にまで機体横幅方向に沿って延びる状態で、且つ、オイルタンク23の機体後方側であって且つ脱穀装置4の機体前方側に位置する状態で備えられている。
【0074】
又、横向き伝動軸63の途中部からベベルギア機構77を介して前後向きの伝動軸78に動力が分岐され、その伝動軸78に備えられた伝動プーリ79と伝動ベルト80を介して脱穀装置4の扱胴13に動力が伝達される。
【0075】
図11に示すように、中継用伝動ケース75は、分岐伝動機構64のケースも兼用する構成となっており、横向き伝動軸63の外周部を囲う横向き筒状部分75Aと、分岐伝動機構64の周囲を囲う分岐伝動ケース部分75Bと、取付け用フランジ部分75Cとが一体的に形成され、取付け用フランジ部分75Cをボルト締結することにより機体フレーム21に取付け固定されている。
【0076】
分岐伝動機構64は、オイルタンク23に対して機体左側に位置する状態で配備されている。この分岐伝動機構64には、横向き伝動軸63、中継伝動軸81、脱穀駆動用伝動軸82、刈取駆動用伝動軸83の夫々が、中継用伝動ケース75内に備えられら伝動ギア84〜87を介して順次、連動連結される状態で且つ機体前後方向に並ぶ状態で備えられている。
【0077】
図9,10,11に示すように、脱穀駆動用伝動軸82に伝動プーリ88が取り付けられている。この伝動プーリ88から伝動ベルト89を介して脱穀装置4の選別部14に動力が伝達される。脱穀駆動用伝動軸82は中継用伝動ケース75の左側外方に突出しており、その外方突出部に伝動プーリ88が取り付けられている。
【0078】
刈取駆動用伝動軸83から刈取用HST65の変速入力軸90に入力用伝動機構91を介して動力が伝達される。入力用伝動機構91は、中継用伝動ケース75の左側外方に突出した刈取駆動用伝動軸83に固定された駆動側伝動プーリ92と、変速入力軸90に備えられた従動側伝動プーリ93と、それらにわたって巻回される2本の入力用伝動ベルト94と、入力用伝動ベルト94に緊張力を付与する入力用テンション機構95とを備えて構成されている。
【0079】
入力用伝動機構91は、図10,13に示すように、下部側箇所が、オイルタンク23の左側面23aと中継用伝動ケース75との間に形成された左右方向に幅狭の空間に入り込む状態で備えられている。このように左右両側が位置固定状態の部材によって挟まれた狭い空間に配備される入力用伝動機構91は、伝動ベルト94の点検修理等のメンテナンス作業を行い易くするために、以下に説明するような構成となっている。
【0080】
図13に示すように、駆動側伝動プーリ92は、2本の入力用伝動ベルト94が夫々各別に巻回される単独のプーリ体92a,92bからなり、各プーリ体92a,92bは取外し可能にボルト117で連結固定する構成となっている。そして、各プーリ体92a,92bは、メンテナンス作業時には、機体横外側方から手動で取外し可能であり、その分だけ、入力用伝動ベルト94の通過用空間が確保できて、2本の入力用伝動ベルト94を取り外すことができるようになっている。
【0081】
すなわち、図12,13に示すように、刈取駆動用伝動軸83にキー連結により一体回転自在に駆動回転体73が外嵌装着されている。この駆動回転体73は、側面視で略三角形状に形成され、その頂部に対応する位置にボルト挿通孔74が形成されている。駆動回転体73は、刈取駆動用伝動軸83の端部にナット114で締め付け固定された当て板113により抜け外れが阻止されている。つまり、図13に示すように、刈取駆動用伝動軸83の軸端に外方に突出するネジ部115が形成され、このネジ部115に当て板113を介して外方側からナット114を締結するようにしている。
【0082】
駆動回転体73の機体横幅方向内方側に位置する状態で、駆動側伝動プーリ92が一体回転自在に備えられている。駆動側伝動プーリ92における2つのプーリ体92a,92bのうち機体横幅方向外方側に位置するプーリ体92aは、駆動回転体73のボルト挿通孔74に対して3本のボルト116により一体回転自在にボルト連結されている。又、機体横幅方向内方側に位置するプーリ体92bは、外方側に位置するプーリ体92aに対して、駆動回転体73との連結箇所に対して周方向に位置を異ならせて3本のボルト117により一体回転自在にボルト連結されている。上方に位置する従動側伝動プーリ93は、2つのベルト巻回部分を一体的に形成した1つのプーリ体にて構成されている。
【0083】
このような構成では、入力用伝動機構91の機体横幅方向外方側に位置する中継用伝動ケース75に干渉しない位置において、機体横外側方から前記ボルト116,117による締結を順次解除して、各プーリ体92a,92bを駆動回転体73から1つずつ取り外すことにより、2本の入力用伝動ベルト94を順次取り外すことができる。このような構成とすることにより、入力用伝動機構91のメンテナンス作業が行い易いものとなっている。
尚、各プーリ体92a,92bの両方を外さずに、一方のプーリ体92aを他方のプーリ体92bから取り外すだけでも入力用伝動ベルト94が取り外せるように構成してもよい。
上述のように構成することで、入力用伝動機構91の機体横幅方向の横幅寸法をコンパクトにすることができる。
【0084】
図10に示すように、入力用テンション機構95は、オイルタンク23の左側面23aの左外側方に備えられている。そして、この入力用テンション機構95は、左側面23aに固定された固定軸96に揺動自在に支持された側面視L字形の揺動アーム97と、揺動アーム97の端部に位置するテンション輪体99と、揺動アーム97を揺動付勢するバネ101等を備えて構成されている。バネ101の付勢力によりテンション輪体99が入力用伝動ベルト94に緊張力を付与する。
【0085】
刈取用HST65にて変速された後の動力は、刈取用HST65の変速出力軸102から横向き筒状フレーム18の内部に備えられた刈取入力軸103に伝達される。刈取入力軸103は、刈取用HST65の変速出力軸102よりも機体前方側に位置する状態で備えられ、変速出力軸102から刈取入力軸103に動力を伝達する出力用伝動機構104が、オイルタンク23に対して機体横幅方向における刈取用HST65と同じ側、具体的には、オイルタンク23の左側の外側面に備えられている。
【0086】
図9,10に示すように、出力用伝動機構104は、変速出力軸102に固定された駆動側伝動プーリ105、刈取入力軸103の左側端部に備えられた従動側伝動プーリ106、それらにわたって巻回される出力用伝動ベルト107、及び、出力用伝動ベルト107に緊張力を付与するテンション輪108等を備えている。
【0087】
図9に示すように、刈取入力軸103は、横向き筒状フレーム18の内部において、機体横幅方向の両側端部にわたって長尺状に設けられ、軸芯方向両側端部にてベアリングを介して回動自在に安定的に横向き筒状フレーム18に支持されている。
【0088】
刈取入力軸103に伝達された動力は刈取搬送部3に伝達される。つまり、図9に示すように、刈取入力軸103の横幅方向途中部に設けられたベベルギア機構110を介して搬送装置11に伝達され、且つ、右側端部に備えられたベベルギア機構111及び前後向き伝動軸78を介して引起し装置8及び刈取装置9に伝達される。尚、詳述はしないが、刈取入力軸103に伝達された動力は、刈取搬送部3の他にも伝動機構125を介して補助搬送装置17へも動力伝達するようにしている。
【0089】
搭乗運転部6の下方に備えられたエンジン7の冷却風は、機体右側外方から吸引されたのち、左側に向けて排出されるが、このエンジン7の排風は、エンジン7の熱により高温になっている。そして、横向き筒状フレーム18が横軸芯周りで回動自在に右側の受止め保持部20に支持される箇所には、横向き筒状フレーム18の外周面と受止め保持部20との摺動箇所に作用するように予めグリスが充填されている。このような受止め保持部20にエンジン7の冷却風が吹き付けられると、グリスが溶けて流れ出すおそれがある。
【0090】
そこで、図14に示すように、横向き筒状フレーム18の右側端部には、エンジン冷却風が右側の受止め保持部20により回動自在に支持される箇所に吹き付けられるのを防止する平坦な大径円板状の防風板112が設けられている。この防風板112は、横向き筒状フレーム18の右側端部から外嵌装着され、横向き筒状フレーム18の外周部に形成された段差部にて受止められた状態でサークリップ118にて抜け止め固定されている。
【0091】
このように横向き筒状フレーム18における受止め保持部20よりも右側箇所に防風板112を設けることにより、エンジン7の排風により受止め保持部20の内部に備えられているグリスが溶出するのを防止している。
【0092】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、案内板45における前側案内板45Aが、機体横幅方向に沿って分割される4つの分割案内体45A1〜45A4にて構成されるものを示したが、このような構成に代えて、前側案内板45Aが3枚以下あるいは5枚以上の分割案内体にて構成されるものでもよく、前側案内板45Aが1枚板にて構成されるものでもよい。又、上記実施形態では、横側案内板45Bが1枚板にて構成されるものを示したが、このような構成に代えて、横側案内板45Bが複数の分割案内体にて構成されるものでもよい。
【0093】
(2)上記実施形態では、案内板45が前側案内板45Aと横側案内板45Bとを備える構成としたが、案内板45は、前側案内板45Aと横側案内板45Bのうちのいずれか一方だけを備えるものでもよく、又、前側案内板45A、横側案内板45B以外に、横側案内板45Bに対して機体横幅方向反対側に位置する他方側横側案内体を備えるもの等、種々の形態で実施することができる。
【0094】
(3)上記実施形態では、案内板45のうちオイルタンク23の給油口25の前方側箇所であって且つ隙間埋め部材71と隣り合う箇所に給油用開放部を形成する切欠きQが形成され、その切欠きQを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体Fとしての上部側案内体部分45A21が備えられる構成としたが、このような構成に代えて、次の(3−1)〜(3−3)に記載の構成としてもよい。
【0095】
(3−1)案内板45のうち給油口25の横外方側箇所であって且つ隙間埋め部材71と隣り合う箇所に切欠きが形成され、その切欠きを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体を備える構成。
具体的には、案内板45の横側案内板45Bの給油口25に対応する前後途中箇所に、隙間埋め部材71を備えない領域が形成され、その領域に、蓋体Fとして、上部側案内体部分45A21と同様な構成の回動自在な案内体部分を形成し、この案内体部分を開閉自在に設け、開放状態で給油用開放部を形成する切欠きが形成される構成である。
【0096】
(3−2)隙間埋め部材71のうち給油口25の前方側箇所に、給油用開放部を形成する切欠きが形成され、その切欠きを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体が備えられる構成。
具体的には、案内板45の前側案内板45Aにおいて、機体前後方向視で給油口25に対応する箇所にも、上部側に隙間埋め部材71が備えられ、その給油口25に対応する箇所における隙間埋め部材71の一部に、蓋体Fとして、上部側案内体部分45A21と同様な構成の回動体部分を形成し、この回動体部分を開閉自在に設け、開放状態で給油用開放部を形成する切欠きが形成される構成である。
【0097】
(3−3)隙間埋め部材71のうち給油口25の横外方側箇所に、給油用開放部を形成する切欠きが形成され、その切欠きを開放する状態と閉じる状態とに切り換え自在な蓋体が備えられる構成。
具体的には、案内板45の横側案内板45Bにおいて、側面視で給油口25に対応する箇所に、蓋体Fとして、上部側案内体部分45A21と同様な構成の回動自在な案内体部分を形成し、この案内体部分を開閉自在に設け、開放状態で給油用開放部を形成する切欠きが形成される構成である。
【0098】
(4)上記実施形態では、隙間埋め部材71が軟質材としてゴム板にて構成されるものを示したが、ゴム材に限らず、軟質材であれば合成樹脂材や不織布等どのような材質でもよい。
【0099】
(5)上記実施形態では、オイルタンク23の機体左側箇所に刈取用HST65が備えられる構成としたが、刈取用HST65が、オイルタンク23の機体右側箇所に備えられる構成や、オイルタンク23から離間した箇所に備えられる構成等、種々の構成で実施してもよい。
【0100】
(6)上記実施形態では、入口プレート15の下方にオイルタンク23が備えられ、オイルタンク23の上面23Cの前部側部分23C2が前下がり傾斜姿勢に設けられるものを示したが、この構成に代えて、オイルタンク23の上面が平坦な形状に設けられ、案内板45がオイルタンク23の上面の端部まで覆うようにしてもよい。又、入口プレート15の下方にオイルタンク23を備えない構成としてもよい。
【0101】
(7)上記実施形態では、受止め保持部20におけるグリスの溶出を防止するための防風板112が、大径で平坦な円板状に設けられるものを示したが、このような構成に代えて、防風板112としては、例えば、径方向外方に向かうほど、受止め保持部20側に湾曲する湾曲形状のものでもよく、又、横向き筒状フレーム18の外形よりも少しだけ大きい小径の円板状のものでもよい。要するに、エンジン7の排風が受止め保持部20に吹き付けられるのを防止するものであればよく、種々の形状で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、植立穀稈を刈り取って、その刈取穀稈を後方に搬送する刈取搬送部と、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀部とを備えているコンバインに適用できる。
【符号の説明】
【0103】
3 刈取搬送部
4 脱穀部
15 入口プレート
23 オイルタンク
23c 上面
23c2 前部側部分
25 給油口
45 案内板
45A 前側案内板
45B 横側案内板
65 刈取変速装置
71 隙間埋め部材
F 蓋体
Q 切欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14