特許第6104234号(P6104234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6104234成形された食品を製造する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104234
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】成形された食品を製造する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 1/04 20060101AFI20170316BHJP
   A23G 1/21 20060101ALI20170316BHJP
   A23G 1/28 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   A23G1/04
   A23G1/21
   A23G1/28
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-509748(P2014-509748)
(86)(22)【出願日】2012年5月11日
(65)【公表番号】特表2014-512842(P2014-512842A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】EP2012058720
(87)【国際公開番号】WO2012152904
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】11165692.2
(32)【優先日】2011年5月11日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501003320
【氏名又は名称】ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Buehler AG
(74)【復代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(72)【発明者】
【氏名】フランク フーペアツ
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィト マルツィンコヴスキ
(72)【発明者】
【氏名】ターニャ パック
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル パウル
【審査官】 鈴木 崇之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0144261(US,A1)
【文献】 米国特許第06268006(US,B1)
【文献】 独国特許出願公開第102005009410(DE,A1)
【文献】 特開2010−127524(JP,A)
【文献】 特開2009−065910(JP,A)
【文献】 特開2006−256700(JP,A)
【文献】 特開2006−026592(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01609371(EP,A1)
【文献】 米国特許第04426402(US,A)
【文献】 特表2010−510768(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0099153(US,A1)
【文献】 NIKKOH.CO.,LTD,「事業内容」,[online],2010年 2月13日,<https://web.archive.org/web/20100213014828/http://nikkoh-web.com/muscat2> [retrieved on 2015-08-21]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/00−9/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂マスから成形された食品を製造する装置(1)であって、ハウジング(2)と、調温可能な少なくとも1つのパンチ(13)を備えた少なくとも1つのパンチプレート(10)とを備える装置(1)において、前記パンチプレート(10)は、前記調温可能な少なくとも1つのパンチ(13)が少なくとも1つのモールド内に導入され得る作業位置から運動可能であり、前記パンチプレート(10)は、レールまたは滑り軸受けによって前記ハウジング(2)から進出するように摺動可能であり、前記ハウジング(2)の外部に、室(14)が設けられており、該室(14)内へ、前記少なくとも1つのパンチプレート(10)が進出運動可能であり、前記室(14)に、乾燥された空気が供給可能であり、前記室(14)は少なくとも1つの壁により画定されており、前記少なくとも1つのパンチプレート(10)の進出運動させられた位置で、前記少なくとも1つのパンチ(13)に、少なくとも1つの供給管路(11)を介して、乾燥された空気が吹き付けられることを特徴とする、成形された食品を製造する装置(1)
【請求項2】
前記壁に、乾燥空気を導入するための少なくとも1つの通気格子(15)が設けられている、請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
前記パンチプレート(10)が、テレスコープ式レール(7)に取り付けられている、請求項1または2記載の装置(1)。
【請求項4】
前記パンチプレート(10)が、偏心ピンを用いて前記テレスコープ式レール(7)に取り付けられている、請求項3記載の装置(1)。
【請求項5】
前記ハウジング(2)が、閉鎖可能な開口(3)を有し、前記パンチプレート(10)は、進出運動させられた前記パンチプレート(10)が前記開口(3)を閉鎖するように形成されていてかつ前記開口(3)から進出運動可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項6】
前記パンチプレート(10)は、進出運動させられた位置で、進出運動の方向に対して直交する横方向の軸線を中心にして旋回可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項7】
当該装置(1)が保守装置(4)を有し、該保守装置(4)は前記ハウジング(2)の外部に位置していて、前記保守装置(4)に前記パンチプレート(10)のための収容部と、乾燥空気のための供給管路(11)とが配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項8】
前記保守装置(4)は、少なくとも1つの壁(5)によって部分的または全体的に閉鎖されていて、これにより前記保守装置(4)の外部の周辺空気との空気交換が行われないか、または僅かな空気交換しか行われないようになっている、請求項7記載の装置(1)。
【請求項9】
当該装置(1)が、ハウジング内部と、前記保守装置(4)の乾燥空気供給管路(11)とに乾燥空気を供給する乾燥空気設備を有する、請求項7または8記載の装置(1)。
【請求項10】
請求項から9までのいずれか1項記載の装置(1)に用いられる保守装置(4)において、当該保守装置(4)は、乾燥空気用の供給管路(11)と、パンチプレート(10)用の収容部とを有していて、該収容部内に位置するパンチプレート(10)が、モールドされた搬送装置の上に位置しないように位置決め可能であることを特徴とする、成形された食品を製造する装置(1)に用いられる保守装置(4)。
【請求項11】
前記保守装置(4)は、冷却媒体用の接続部を有し、該接続部はパンチプレート(10)に接続可能である、請求項10記載の保守装置。
【請求項12】
前記保守装置(4)は付加的に、パンチプレート(10)を収容するためのロール台車またはリフト台車を有する、請求項10または11記載の保守装置。
【請求項13】
請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(1)に設けられた、パンチプレート(10)に位置する調温可能な少なくとも1つのパンチ(13)をクリーニングする方法において、
−前記パンチプレート(10)をハウジング(2)から進出運動させ;
−前記調温可能な少なくとも1つのパンチ(13)をクリーニングし、;
−前記パンチプレート(10)を前記ハウジング(2)内に進入運動させる
ことを特徴とする、調温可能な少なくとも1つのパンチ(13)をクリーニングする方法。
【請求項14】
前記パンチプレート(10)に乾燥空気を供給して、かつ/または乾燥空気が供給された室(14)内で、クリーニングを行う、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記パンチプレート(10)を前記ハウジング(2)から進出運動させる前に、前記パンチプレート(10)を冷却媒体供給管路から分離し、前記パンチプレート(10)を前記ハウジング(2)内に進入運動させた後に、前記パンチプレート(10)を再び前記冷却媒体供給管路に接続する、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
−パンチプレート(10)クリーニングのために、請求項10から12までのいずれか1項記載の保守装置(4)内に前記パンチプレート(10)を導入し;
−乾燥空気を吹き付ける、請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記保守装置(4)に乾燥空気を提供するために、前記装置(1)のハウジング(2)から乾燥空気を分岐させるか、または前記ハウジング(2)の乾燥空気循環路の乾燥空気供給部または乾燥空気戻し部から乾燥空気を取り出す、請求項16記載の方法。
【請求項18】
ハウジング(2)を備えた、請求項1から9までのいずれか1項記載の、油脂マスから成形された食品を製造する装置(1)に設けられた、調温可能な少なくとも1つのパンチ(13)を備えたパンチプレート(10)を交換する方法において、請求項10から12までのいずれか1項記載の保守装置(4)に、交換パンチプレートを提供し、
−使用済みのパンチプレートを、前記ハウジング(2)から、請求項10から12までのいずれか1項記載の保守装置(4)内へ進出運動させ、
−前記交換パンチプレートを前記ハウジング(2)内に押し込み、この場合、前記交換パンチプレートを前記ハウジング(2)内へ移動させる前に、前記保守装置(4)内で前記交換パンチプレートに乾燥空気を吹き付け、かつ/または冷却管路を介して前記交換パンチプレートを冷却する、ことを特徴とする、パンチプレートを交換する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂マス、特にカカオ含有もしくはチョコレート含有の油脂マスから、成形された食品(Verzehrgut)を製造する装置および方法に関する。
【0002】
このような方法では、まずデポジッタの多数のモールド(流し込み型)内に油脂マスが、流動性の調温された状態で充填され、その後に、充填されたモールド内に、冷却されたパンチ(Stempel)が案内され、このパンチが油脂マスを成形し、かつ少なくとも部分的に凝固させて、特にスリーブを形成する。引き続き、パンチは油脂マスから引き離され、その後に、成形されかつ凝固された油脂マスは、場合によっては別の加工ステップの後にモールドから取り除かれる。これらのステップは、空にされたモールドにつき新たに実施され得る。
【0003】
このために使用されるコールドパンチ設備は、たとえば欧州特許第0981280号明細書に基づき公知であるような、冷却可能な多数のパンチを有する。パンチは、有利には熱伝導性の材料から製造されており、食品を取り囲む雰囲気の露点は、パンチの温度よりも下に保持され、これによってパンチに凝縮物が形成されないようになっている。このことは一般に、周辺部に乾燥した空気(「乾燥させられた空気」または「乾燥空気」とも呼ばれる)が供給されることにより達成される。
【0004】
たいてい、凝固された油脂マスは完全に、ひいては満足し得る状態で、モールド内に留まるが、しかし時々、凝固された油脂マスの残分がパンチに付着したままとなることが起こり得る。このような残分はたいてい次の成形プロセスにおいて再び溶け離れる。このことが行われないと、油脂マスの新たな成形時における形状形成が損なわれる恐れがある。このことを阻止するために、このような設備のパンチは、凝固された油脂マスが所望の形状を有しないことが確認されるやいなや、クリーニングに施される。
【0005】
パンチに付着したままの残分は、工具、たとえばスパチュラを用いて除去される。スムーズな進行が維持されるようにするために、クリーニングは一般に運転中に行われ、極めて迅速に実施されなければならない。
【0006】
このためには、オペレータが一般にコールドパンチ設備のハウジングを開く。この場合、湿った空気がパンチ周辺部に流入し、望ましくない凝縮が生じる恐れがある。
【0007】
設備の大きさが許す場合は、オペレータは自身がハウジング内部に入り込み、背後で再びハウジングを閉じることができる。しかし、このためには、所要の安全技術上および衛生上の要求に応えられなければならない。このことは多くの場合、困難ないし不可能である。
【0008】
小型の設備では、設備内に立ち入ることがもともと不可能である。
【0009】
ドイツ連邦共和国特許第102005009410号明細書には、コールドパンチ設備が開示されている。パンチは、ガス状の媒体のための乾燥器を備えたパンチチャンバ内に配置されている。検査目的または保守目的のためにパンチチャンバの扉が開放されると、高められた量の乾燥された空気が流出するので、扉が開かれた状態でも圧力が維持される。
【0010】
この設備は、扉が開かれたままにされると、所要乾燥空気量を検出するための制御装置および大量の乾燥空気を必要とする。したがって、この設備は複雑でかつエネルギ消費が高い。
【0011】
凝縮物形成を阻止し、かつ凝縮物を剥離させるためには、パンチにアルコールを吹き付けることができる。しかし、このアルコールは自らパンチと油脂マスとの間に望ましくない中間層を形成してしまう。
【0012】
同様の問題は、パンチの交換時にも生じる。新しいパンチプレートが組み付けられる場合、このためには一般にハウジングが開放される。このときに、パンチ周辺部に室空気が流通され、これにより、冷却されたパンチに凝縮物形成が容易に生じる恐れがある。
【0013】
欧州特許出願第1555886号明細書に記載の装置では、ハウジングが完全に不要にされる。パンチにおける凝縮水の形成を阻止するために、パンチがモールドから解放されるやいなや、パンチに、乾燥された空気が吹き付けられる。この装置では、周辺空気に対する防護なしに生産が行われるので、衛生に関するリスクが発生する。さらに、この装置の運転時でも、極めて多くの乾燥空気が必要とされ、このことは極めて多くのエネルギを消費し、したがって不都合となる。
【0014】
本発明の根底を成す課題は、公知先行技術における不都合を回避し、そして冒頭で述べた装置を改良して、クリーニングならびにパンチプレートの交換のためにかかる手間を減少させ、かつ操作を一層快適に実施することのできる装置を提供することである。
【0015】
油脂マス、特にカカオ含有および/またはチョコレート含有の油脂マスから、成形された食品を製造する本発明による装置は、ハウジングと、少なくとも1つのパンチプレートとを有する。パンチプレートは、調温可能な少なくとも1つのパンチを備えている。
【0016】
パンチプレートは、本発明によれば、前記調温可能な少なくとも1つのパンチが少なくとも1つのモールド内に導入され得る作業位置から進出するように運動可能であり、特に引出し可能であり、前記パンチプレートは、有利には前記ハウジングから進出するように運動可能、特に引出し可能である。
【0017】
油脂マス、特にカカオ含有および/またはチョコレート含有の油脂マスから、成形された食品を製造する装置はハウジングと、少なくとも1つのパンチプレートとを有する。パンチプレートは、調温可能な少なくとも1つのパンチを備えている。
【0018】
パンチプレートは本発明によれば、前記調温可能な少なくとも1つのパンチを少なくとも1つのモールド内に導入することのできる作業位置から進出運動可能であり、特に摺動可能であり、この場合、前記パンチプレートは有利にはハウジングから進出するように運動可能であり、特に摺動可能である。
【0019】
前記少なくとも1つのパンチプレートを進出運動させることにより、オペレータがハウジング内に入り込むか、またはハウジング内に手を突っ込む必要なしに、前記少なくとも1つのパンチをクリーニングすることができる。このことは、クリーニングのためにかかる作業手間を減少させ、衛生を向上させる。さらに、前記少なくとも1つのパンチプレートを交換するためにかかる作業手間も著しく減じられる。
【0020】
さらに、パンチプレートを迅速にハウジングから導出しかつハウジング内に導入することができるので、クリーニング中もしくは交換中での乾燥空気の損失は極めて僅かである。
【0021】
ハウジングはパンチプレートを有利には完全に取り囲んでいる。このことは、コントロールされた雰囲気内でのパンチプレートの運転を可能にする。特に、ハウジング内部の空気の温度ならびに湿分含量を、規定された所定の値内に保持することができる。さらに、衛生規定を維持するためにハウジング内への導入前に空気を濾過し、かつ/または滅菌することができる。
【0022】
前記装置は、有利にはハウジング内部の別のコンポーネント、特に少なくとも1つのモールド(流し込み型)を有している。このモールド内に、油脂マスまたはチョコレートマスが流し込み可能であり、かつ前記少なくとも1つのパンチが導入され得るようになっていて、これにより油脂マスまたはチョコレートマスを成形してスリーブを形成することができる。
【0023】
特に有利には、前記装置は搬送装置、特に搬送ベルト、ロールコンベヤおよび/またはチェーンコンベヤを有する。この搬送装置により、モールドを連続的にパンチプレートの傍らに通して案内することができる。このことは前記装置の生産効率を向上させる。択一的に、前記装置は、前記搬送装置が連結され得るように形成されている。
【0024】
ハウジングは有利には少なくとも1つの通過部を有する。この通過部を通じて、前記少なくとも1つのモールドを、特に前記搬送装置によってハウジング内に導入することができる。この少なくとも1つの通過部は、ハウジング内部の空気とハウジング外部の周辺空気との交換ができるだけ回避されるように形成されていると特に有利である。このことは、たとえばできるだけ小さな通過部またはモールドの導入のためにしか開かないフラップによって達成され得る。択一的には、ストリップカーテン(Streifenvorhang)またはのれんドア(Bandtor)を使用するか、またはハウジングの内部に正圧を発生させることができる。空気交換を回避することにより、乾燥空気の極めて小さな部分しか失われない。このことは前記装置の、エネルギ的に好都合な運転を可能にする。
【0025】
特に有利には前記装置が搬送手段を有する。この搬送手段はモールドを連続的に、第1の通過部を通じてハウジング内に導入し、パンチプレートの傍らに通して案内し、引き続き第2の通過部を通じて再びハウジングから導出する。これにより、本発明による装置を食品のための生産ラインに組み込むことができる。
【0026】
前記装置は有利には1つのパンチプレートを有する。択一的に前記装置は1つよりも多いパンチプレートを有していてもよい。これにより、生産速度を高めることができる。パンチプレートはこの場合、互いに直列に配置されていても、相並んで並列に配置されていてもよい。
【0027】
前記少なくとも1つのパンチは調温可能である。有利にはこの場合、冷却液が通路を通って前記少なくとも1つのパンチ内に案内される。この液体によって、前記少なくとも1つのパンチを規定の温度または規定の温度範囲にまで冷却することができる。択一的には、前記少なくとも1つのパンチを、たとえばペルティエ素子によって電気的に冷却することもできる。このことは、よく知られているように、モールド内の油脂マスまたはチョコレートマスの一層迅速な凝固を生ぜしめる。特に有利には、前記少なくとも1つのパンチプレートが、接続手段を有しており、これによりこのパンチプレートは冷却液循環路に接続される。冷却液循環路は前記装置の構成要素であると有利である。
【0028】
前記装置は有利には、前記少なくとも1つのパンチを少なくとも1つのモールド内に導入することのできる作業位置からパンチプレートを運動させる、特に摺動させるための手段を有する。有利には、前記少なくとも1つのパンチプレートはこの場合、ハウジングから進出するように運動させられ、たとえば持ち上げられるか、または摺動される。前記手段は、たとえばレール、滑り軸受けまたはこれに類するものである。択一的には、旋回装置によってパンチプレートをハウジングから旋回させることもできる。
【0029】
調温されたパンチのできるだけ中断のない冷却を保証するためには、パンチプレートが、進出運動させられた状態においても冷却液循環路に接続されたままとなると有利である。このことは、たとえばホースまたはこれに類するものを用いた、冷却液循環路への十分に長くかつフレキシブルな結合部により行われ得る。択一的には、ハウジングが外側に、パンチプレートを、進出運動させられた状態で冷却液循環路に接続することを可能にする相応する接続手段を有していてよい。この場合、パンチプレートは進出運動時に短時間、冷却液循環路から分離されるだけでよい。
【0030】
有利には、前記少なくとも1つのパンチプレートの前記少なくとも1つのパンチに、進出運動させられた位置で、少なくとも1つの供給管路を介して、乾燥された空気が吹き付けられる。これにより、前記少なくとも1つの調温されたパンチに凝縮水が形成されることが阻止される。前記供給管路は、前記少なくとも1つのパンチプレートに乾燥空気から成るカーテンが形成されるように配置構成されていると特に有利である。このことは、たとえばパンチプレートの互いに反対の側の2つの側に複数の空気ノズルを配置することにより達成され得る。
【0031】
付加的にまたは択一的に、ハウジングの外部に室が設けられていてよく、この室内には、前記少なくとも1つのパンチプレートが進出運動可能である。前記室は、乾燥された空気によって負荷されるようになっている。すなわち、前記室には、乾燥された空気が供給されるようになっている。乾燥空気がノズルを介して直接にパンチプレートに近付けられ得るか、または前記室が、たとえば通気格子の形の少なくとも1つの供給開口を有していて、この供給開口を介して乾燥通気が可能となる。
【0032】
前記室は、特に少なくとも部分的に閉鎖可能である。すなわち、前記室は有利には壁により画定され、これらの壁は乾燥空気と室空気との交換を阻止し、かつこのような空気交換を少なくとも少なく保持する。前記室の1つの壁が、ハウジング外壁により形成されると有利である。
【0033】
前記室は有利には少なくとも1つの壁により画定され、この壁には特に、乾燥空気を導入するための少なくとも1つの通気格子が設けられている。
【0034】
前記室は、全ての側で壁により画定され得る。この場合、少なくとも1つの壁が透明であるか、または窓を有しているので、パンチプレートは視覚的にコントロールされ得る。
【0035】
前記室は有利には、パンチプレートへのアクセスを可能にするために、1つの開いた側または開放され得る1つの壁を有している。
【0036】
前記室は別個のロックゲートとして設けられていてよい。このロックゲートはハウジングとは別個に独立して形成されていて、パンチプレートをハウジングから導出したい場合にハウジングに近付けられる。
【0037】
前記室の壁は、たとえばドアエレメントの形で、フラップ式および/またはスライド式にハウジングに取り付けられていてよい。このドアエレメントは、パンチプレートがハウジングから引き出される前に開放されかつ位置調整される。
【0038】
特に、乾燥された空気を供給するための通気格子を備えた1つまたは複数の壁がハウジング内部またはハウジング外面に配置されていてよく、この場合、ハウジングからのパンチプレートの引出しの前または引出しと共に、乾燥空気により負荷するための室が形成される。
【0039】
たとえば、乾燥空気のための供給手段、特に通気スリットを備えた壁が、パンチプレートと一緒にハウジングから引出し可能であってよい。
【0040】
乾燥空気のための同様の供給手段、特に通気スリットは、パンチ作動中でもハウジング内部において、パンチプレートへの乾燥空気の供給を生ぜしめることができる。
【0041】
パンチプレートが、テレスコープ式レールに取り付けられていると有利である。このことは、パンチプレートの簡単な引出しを可能にする。このテレスコープ式レールは、押込み後に完全にハウジング内に位置するので、前記装置をスペース節約的に形成することができる。さらに、パンチプレートは特に有利には偏心ピンを用いてテレスコープ式レールに取り付けられている。これにより、パンチプレートを特に迅速にかつ簡単に取り外すことができる。このことはパンチプレートの効率良い交換を可能にする。
【0042】
ハウジングは、有利には閉鎖可能な開口を有し、この場合、パンチプレートは、進出運動させられたパンチプレートが前記開口を閉鎖するように形成されていてかつ前記開口から進出運動可能である。これにより、パンチプレートが進出運動させられた状態でも、ハウジングの内室からの空気と、ハウジング外部の周辺空気との交換が効率良く阻止され得る。前記開口はこの場合、特に有利には、押し出されたパンチプレートの1つの辺が前記開口を面一に閉じるように形成されている。択一的には、たとえばテレスコープ式レールに閉鎖エレメントが取り付けられていてよい。この閉鎖エレメントは、前記開口を閉鎖するために、パンチプレートの引出し時に一緒に運動する。
【0043】
パンチプレートは、進出運動させられた位置で、付加的に進出運動の方向に対して直交する横方向の軸線を中心にして旋回可能であると有利である。このことは、たとえばパンチプレートの起立または鉛直設置を可能にし、このことはパンチプレートのクリーニングを著しく容易にする。
【0044】
この場合に重要となるのは、乾燥空気のための存在する供給手段がパンチプレートと一緒に旋回するので、前記少なくとも1つのパンチに、旋回させられた位置においても乾燥空気を吹き付けることができることである。
【0045】
択一的には、パンチプレートのパンチが旋回後に、乾燥空気によって負荷されるようになっている室に向けられる。
【0046】
前記装置は保守装置を有すると有利である。この保守装置はハウジングの外部に位置していて、有利には前記ハウジングの構成要素に含まれている。保守装置には、パンチプレートのための収容部と、乾燥空気のための供給管路とが配置されている。
【0047】
乾燥空気が、前記保守装置に配置されたノズルを介して直接にパンチプレートに案内され得るか、または前記保守装置が室を有していて、この室に、たとえば通気格子を介して乾燥空気が供給されるようになっている。
【0048】
保守装置は、たとえば複数のハウジング壁のうちの1つに凹部として形成されていてよい。さらに、保守装置は別の装置、たとえば清掃工具、保守工具またはこれに類するもののための保持装置を有していてもよい。パンチプレートのための収容部は、たとえばテレスコープ式レール用の固定エレメントまたはパンチプレートを運動させるための別の手段として形成されていてよい。
【0049】
保守装置は、少なくとも1つの壁によって部分的または全体的に閉鎖される。これにより保守装置の外部の周辺空気との空気交換が行われないか、または僅かな空気交換しか行われないようになっている。このことは、乾燥空気供給の効率を高めると共に、凝縮水もしくは氷の形成を阻止するために役立つ。さらに、パンチプレートと、濾過されていない空気および/または滅菌されていない空気との接触が減じられ、このことは衛生を付加的に向上させる。
【0050】
前記装置は、ハウジング内部と、前記保守装置の乾燥空気供給管路とに乾燥空気を供給する乾燥空気設備を有すると有利である。この乾燥空気設備はさらに付加的な濾過エレメントおよび/または滅菌エレメントならびに選択的に、乾燥空気を予冷却または予熱するための冷却器または加熱器を有していてよい。
【0051】
特に、パンチプレートの下方で、乾燥空気によって負荷された室内に導入される乾燥空気は、パンチを取り囲む空気に比べて加熱されていてよく、これによって乾燥空気はパンチプレートにまで上昇する。
【0052】
択一的には、クリーニング段階または保守段階の間、意図的にパンチの冷却の継続のために役立つようにするために、乾燥空気は冷却されていてよい。
【0053】
本発明の別の対象は、油脂マスから、成形された食品を製造する装置に取り付けられているか、またはこの装置に接近可能であってよい保守装置に関する。
【0054】
本発明による保守装置は、乾燥空気用の供給管路と、パンチプレート用の収容部とを有している。
【0055】
乾燥空気が、前記保守装置に配置されたノズルを介して直接にパンチプレートに案内され得るか、または前記保守装置が、たとえば通気格子を介して乾燥空気によって負荷されるようになっている室を有する。
【0056】
保守装置は、固有の乾燥空気設備を有するか、または乾燥空気設備によって保守装置に乾燥空気が供給され得る。この乾燥設備はハウジングの内部にも乾燥空気を供給する。
【0057】
保守装置は、収容部内に位置するパンチプレートが、モールドまたは搬送装置の上に位置しないように位置決め可能である。
【0058】
パンチプレートは有利には、油脂マスから、成形された食品を製造する装置から進出運動可能であり、特に摺動可能である。択一的には、パンチプレートが前記装置から取り除き可能であってもよい。
【0059】
クリーニング目的、保守目的または別の場所への搬送のために保守装置内へ運動させられるパンチプレートは、保守装置内で乾燥空気によって負荷することにより、凝縮水の形成に対して保護され得る。
【0060】
保守装置は、少なくとも1つの壁によって部分的または全体的に閉鎖されると有利である。これにより保守装置の外部の周辺空気との空気交換が行われないか、または僅かな空気交換しか行われないようになっている。このことは、乾燥空気供給の効率を高めると共に、凝縮水の形成を阻止するために役立つ。さらに、パンチプレートと、濾過されていない空気および/または滅菌されていない空気との接触が減じられ、このことは衛生を付加的に向上させる。さらに、必要とされる乾燥空気の量が最小限にまで減じられる。
【0061】
保守装置は、付加的に冷却媒体用の接続部を有し、この接続部がパンチプレートに接続可能であると有利である。これにより、パンチプレートの進出運動させられた状態においても、前記少なくとも1つのパンチの中断なしの冷却を達成することができる。
【0062】
保守装置は付加的に、パンチプレートを収容するためのロール台車(Rollwagen)、特にリフト台車(Hubwagen)を有する。ロール台車は、パンチを損傷から保護するための保護ボックスを備えていると有利である。ロール台車により、使用されたパンチプレートを比較的簡単にかつ効率良く交換することができる。択一的には、パンチプレートの交換のために、別の汎用の産業車両、たとえばフォークリフトトラックを使用することもできる。
【0063】
本発明のさらに別の課題は、少なくとも1つの調温されたパンチを備えたパンチプレートを簡単にかつ効率良くクリーニングすることができ、しかも公知のクリーニング方法の欠点を回避するような方法を提供することである。
【0064】
油脂マス、特にカカオ含有および/またはチョコレート含有の油脂マスから、成形された食品を製造する装置に設けられた、パンチプレートに位置する少なくとも1つの調温されたパンチをクリーニングする本発明による方法の第1のステップでは、パンチプレートがハウジングから進出運動させられ、特に引き出される。このことは、たとえば、前記装置に設けられた、このために適した手段、たとえばレールまたは滑り軸受けを介して行われ得る。
【0065】
進出運動の後に、前記少なくとも1つのパンチはクリーニングされる。このことは、少なくとも1つのパンチから油脂マス残分またはチョコレートマス残分を掻き取ることにより慣用的に行われ得る。択一的には、たとえばクリーニング液を噴霧塗布することにより別の手段でクリーニングを行うこともできる。
【0066】
クリーニングの後に、パンチプレートは再びハウジング内に進入運動させられる。
【0067】
有利には、パンチプレートは進出運動の前にまず冷却媒体供給管路から分離される。進入運動の後に、パンチプレートは相応して再び冷却媒体供給管路に接続される。
【0068】
クリーニングは、パンチプレートに乾燥空気を供給して行われると有利である。
【0069】
油脂マス、特にカカオ含有および/またはチョコレート含有の油脂マスから、成形された食品を製造する装置に設けられた、パンチプレートに位置するパンチをクリーニングする本発明による別の方法においては、パンチプレートが、クリーニングのために、特に本発明による保守装置内に導入される。この保守装置内では、パンチプレートに乾燥空気が供給され、特にパンチプレートに乾燥空気が吹き付けられる。これにより、パンチプレートにおける凝縮水の形成は阻止される。
【0070】
保守装置内に乾燥空気を提供するためには、前記装置のハウジングから乾燥空気が分岐されるか、またはハウジングの乾燥空気循環路の乾燥空気供給部または乾燥空気戻し部から乾燥空気が取り出されると有利である。
【0071】
本発明のさらに別の課題は、ハウジングを備えた、油脂マス、特にカカオ含有および/またはチョコレート含有の油脂マスから、成形された食品を製造する、特に本発明による装置に設けられた、少なくとも1つの調温可能なパンチを備えたパンチプレートを交換する方法を提供することである。
【0072】
本発明による方法の第1のステップでは、特に本発明による保守装置に、交換パンチプレートが提供される。その後に、使用済みのパンチプレートが前記装置のハウジングから保守装置内へ押し出される。保守装置内では、交換パンチプレートに乾燥空気が吹き付けられ、かつ/または交換パンチプレートが冷却管路を介して冷却される。上記方法の最後のステップでは、交換パンチプレートがハウジング内に押し込まれる。
【0073】
上で説明したように、1つの装置のハウジングの内部に1つまたは複数の交換パンチプレートを貯蔵することもできる。運転開始のためには、交換パンチプレートが作業位置へ運ばれなければならない。このためには、前記装置が、パンチプレートの簡単な交換を可能にする手段、たとえばレール等を有することができる。
【0074】
ハウジングの内部で、交換パンチプレートは、凝縮水による被覆を阻止する条件を受ける。
【0075】
交換パンチプレートは、同じく準備のためにハウジングから押し出すことができる。この場合、この交換パンチプレートには、押し出された位置において、特に本発明による保守装置内で乾燥空気が吹き付けられる。
【0076】
以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】本発明による装置の1実施形態を示す斜視図である。
図2図1に示した装置を、パンチプレートが引き出された状態で示す斜視図である。
図3】パンチプレートを、引き出された状態で下から見た図である。
【0078】
図1には、本発明による装置1の斜視図が示されている。装置1はハウジング2を有し、このハウジング2は開口3と通過部6とを備えている。通過部6は、ハウジング2の内部からの空気と、ハウジング2の外部の周辺空気との著しい交換が行われることなしに、モールド(流し込み型)がハウジング2の内部へ進入し得るように構成されている。たとえば通過部6はストリップカーテン(Streifenvorhang)またはのれんドア(Bandtor)を有していてよい。さらに、開口3の下には、保守装置4が配置されている。保守装置4は壁5によって部分的に閉鎖されている。
【0079】
図2には、図1に示した装置の実施形態を、パンチプレート10が引き出された状態で示す斜視図が示されている。装置1の図示の実施形態では、パンチプレート10が、テレスコープ式レール7によってハウジング2から進出するように運動させられる。このためには、まず開口3が開放される。すなわち、図示の実施形態では、フラップ14が開放旋回される。パンチプレート10を保護するために、この実施形態では、付加的に保護構造体8がハウジング2からパンチプレート10と共に進出運動させられる。開口3を再び閉鎖するためには、閉鎖エレメント9が保護構造体8と同時に移動させられる。
【0080】
壁5は室14を画定している。室14は、パンチプレート10がハウジング2から進出するように移動させられている場合に、乾燥空気が供給されるようになっている。周辺空間との空気交換を阻止する別の壁(図面に明示しない)が設けられていてもよい。
【0081】
一方の側壁5には、通気格子15が配置されている。この通気格子15を介して室14に乾燥空気が供給される。反対の側に位置する他方の側壁には、別の通気格子(図面に明示しない)が取り付けられていてよい。
【0082】
択一的にかつ/または付加的に、通気格子またはたとえば図3に示した別の供給手段11が、パンチプレート10に連結されていてよく、このパンチプレート10と共に引き出されるようになっていてよい。
【0083】
引き出されたパンチプレート10および壁5は、乾燥空気を供給可能な室14を規定している。この室14はパンチプレート10によってハウジングから進出する方向で案内可能である。
【0084】
壁は、図示の実施形態におけるように定位置固定であってよいが、しかしたとえばドア式に旋回可能、懸吊可能またはハウジングから引出し可能であってもよい。
【0085】
通気格子を介して、引き出されたパンチプレート10のパンチには乾燥空気クッションが生ぜしめられ、この乾燥空気クッションは凝縮水の形成を阻止する。
【0086】
図3には、パンチプレート10を、引き出された状態で示す斜視図が図示されている。図示の実施形態では、保守装置4に複数の供給手段11が配置されている。これらの供給手段11はノズル12を介してパンチプレート10のパンチ13に乾燥空気を吹き付ける。ノズル12はこの場合、吹き込まれた乾燥空気(矢印により示す)が、パンチプレート10の1つの辺に沿って乾燥空気のカーテンを形成するように配置されている。これにより、パンチ13における凝縮水の形成が阻止される。
図1
図2
図3