特許第6104241号(P6104241)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104241
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】トリヨード造影剤の製造
(51)【国際特許分類】
   C07C 235/16 20060101AFI20170316BHJP
   C07C 231/02 20060101ALI20170316BHJP
   C07C 237/46 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   C07C235/16 CCSP
   C07C231/02
   C07C237/46
【請求項の数】30
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-516431(P2014-516431)
(86)(22)【出願日】2012年2月2日
(65)【公表番号】特表2014-527510(P2014-527510A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】GB2012000109
(87)【国際公開番号】WO2012175903
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2014年11月25日
(31)【優先権主張番号】PT105770
(32)【優先日】2011年6月24日
(33)【優先権主張国】PT
(73)【特許権者】
【識別番号】507128610
【氏名又は名称】ホビオネ インテル エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ホセ マヌエル ガリンドロ
(72)【発明者】
【氏名】アナ クリストイナ クルズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョアオ ホセ バンダルラ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ヘググイエ
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−082236(JP,A)
【文献】 特表2002−537371(JP,A)
【文献】 特表2004−514705(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/100731(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101190888(CN,A)
【文献】 韓国公開特許第2000−0001987(KR,A)
【文献】 特表2002−524538(JP,A)
【文献】 特表平11−505234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 1/00−409/44
A61K 39/00− 39/44
A61K 49/00− 49/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIの化合物である、(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸:
【化1】
【請求項2】
5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸をアシルハライドでアシル化する工程を含む、請求項1記載の式IIの化合物の製造方法。
【請求項3】
前記アシルハライドが、アシルクロライドである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記アシルクロライドが、(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテートである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記アシルハライド(化合物)を、前記5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(化合物)を基準として少なくとも1.5:1のモル比で使用する、請求項2、3又は4記載の方法。
【請求項6】
前記アシル化工程を、非プロトン性極性溶媒中で行う、請求項2〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記非プロトン性極性溶媒が、ジメチルアセトアミド(DMA)である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸1g当たり、1ml〜5mlのDMAを使用する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記アシル化工程における反応を、40℃〜60℃の温度で行う、請求項2〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記温度を、5〜9時間の設定時間の間維持する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記温度を前記設定時間の間維持した後、前記アシル化工程における反応混合物を、式IIの化合物に変換されるまで、15℃〜25℃の温度で撹拌する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
式IIの化合物を含む前記非プロトン性極性溶媒を水に添加して、そこから、濾過により式IIの化合物を分離する請求項6〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
式IIの化合物を含む前記非プロトン性極性溶媒を、前記非プロトン性極性溶媒を基準として5:1〜16:1の体積比の水に添加する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
式IIの化合物を含む前記非プロトン性極性溶媒を、15℃〜25℃の温度の水に添加する、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
式IIの化合物を使用する、トリヨード造影剤の製造方法:
【化2】
【請求項16】
極性溶媒中でハライド化試薬と反応させることにより、式IIの化合物を、それぞれの酸ジハライド、(S)-1-((3,5-ビス(ハロカルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートに変換する工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記反応の温度を、25℃〜50℃に設定する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記極性溶媒が、アセトニトリル、N-メチルピロリドン、又はDMAである、請求項16又は17記載の方法。
【請求項19】
前記極性溶媒を、式IIの化合物の量を基準として5:1の体積比で使用する、請求項16〜18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
式IIの化合物を、塩素化剤と反応させることにより、それぞれの酸ジクロライド、(S)-1-((3,5-ビス(クロロカルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートに変換する、請求項16〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記塩素化剤がリンペンタクロライドである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
反応終了後の前記反応混合物を、前記極性溶媒の量を基準として2:1の体積比の水に添加して、式IIの化合物の前記酸ジハライドを単離する、請求項16〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
反応終了後の前記反応混合物を、0℃〜10℃の温度の水に添加して、式IIの化合物の前記酸ジハライドを単離する、請求項16〜22のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記酸ジハライドを、水とイソプロピルアルコールの混合物中での懸濁によりさらに精製する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
式IIの化合物の前記酸ジハライドを、乾燥させることなく、湿潤固体としてその次の化学的工程に直接使用するか、又は、乾燥させた後、乾燥固体としてその次の化学的工程に使用する、請求項23又は24記載の方法。
【請求項26】
前記酸ジハライド、(S)-1-((3,5-ビス(ハロカルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートを、2-アミノ-1,3-プロパンジオールとの反応によって、式IVの化合物(即ち、(S)-1-((3,5-ビス((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバモイル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテート)に変換するアミド化工程を含む、請求項16〜25のいずれか1項記載の方法:
【化3】
【請求項27】
式IVの化合物のアセテートの加水分解工程を含み、イオパミドールを提供する、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記トリヨード造影剤がイオパミドールである、請求項15〜27のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
トリヨード造影剤の製造方法における、式IIの化合物の使用:
【化4】
【請求項30】
前記トリヨード造影剤がイオパミドールである、請求項29記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物を介する、イオパミドールなどのトリヨード(triiodinated)造影剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
イオパミドールは、最も使用されている非イオン性ヨード化X線造影剤のうちの1つである。イオパミドールの製造においては、多段階の合成が関与する。
【0003】
イオパミドールの合成に関する文献において、いくつかの方法が開示されている。GB1472050及びUS4001323に開示されている、イオパミドールの調製について初めて記載された方法では、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタロイルジクロライドを(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテートと反応させることによりキラル中心を導入した。これらの方法に指定された1つのデメリットは、合成のきわめて早い段階でのキラル中心の導入であるが(US7282607参照)、しかしながら、非常に高価な試薬である2-アミノ-1,3-プロパンジオール(セリノール)を、合成のできる限り遅い段階で導入することが、経済的にはより好ましい。対照的に、より最近になって記載された他の方法は、US7282607及びUS7368101に開示されているように、合成の最終工程でキラル中心を導入したものであり、これらは、5-アミノ-N1,N3-ビス(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-2,4,6-トリヨードイソフタルアミドのエステルの形成及び他の保護戦略、それに続く保護誘導体の(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテートとの反応を含む。該合成の最終工程では、第一級アルコールを保護するために導入されたすべての基を除去し、前記キラル中心からアセテートも除去して、イオパミドールを得る。このような方法は、多量の副生成物を放出するので、原子の観点からすると、経済的及び環境的にフレンドリーとは言えない。この欠点を克服するためには、GB1472050及びUS4001323の最初に記載された方法がそうであったように、「原子使用量(atom usage)」の少ない方法が好ましい。アシルクロライド中間体の使用量がより少ない方法もまた好ましいだろう(そのような方法は、工業的な実施を容易にし得るからである。)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、本発明の方法は、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(triidoisophatalic acid)を出発物質として使用すること、及び、(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテートとの反応によって該方法の最初の段階でキラル中心を導入して、新規化合物である(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸を形成することにより、上記の要望及び要求を満たす。さらには、該新規化合物を介する該方法は、イオパミドールなどのトリヨード造影剤に至る合成経路がラセミ化を伴わずに進行することを可能にし、保護/脱保護の方法論の使用を回避し、そして、非常に高価な試薬であるセリノールは、イオパミドールを得る化学的工程の直前に導入される。その上、イオパミドールは高純度で得られ、アセチル及びヒドロキシアセチルアナログなどの関連するプロセスの不純物の含有量も非常に低い。
【発明を実施するための形態】
【0005】
(発明の説明)
本発明の一態様によれば、以下に示す式IIの新規化合物、(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸が提供される。
【化1】
【0006】
本発明の第2の態様によれば、式IIの新規化合物を介するイオパミドールの合成方法が提供される。該方法は、以下に示すスキームに従って、式IIの新規化合物を塩素化剤と反応させて、既知の化合物である5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタロイルジクロライド(式III)を形成すること、それに続くセリノールとのアミド化反応を含み、アセテートの加水分解の後、イオパミドールを提供する。
【0007】
【化2】
該アミド化反応及びアセテートの加水分解は、双方とも、先行技術において記載されている方法を介して行うことができる。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、式IIの新規化合物の合成方法が提供される。該方法は、以下に示すスキームに従って、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(isophtalic acid)(式I)を(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテートと反応させて前記式IIの新規化合物、(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸を形成することを含む。
【0009】
【化3】
【0010】
該アシル化反応は、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸を溶解することができる、非プロトン性極性溶媒などの好適な溶媒、好ましくは、ジメチルアセトアミド(DMA)中で行う。5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸1g当たり、1ml〜5mlのDMAを使用することができる。この溶液に、アシルハライド、好ましくは、(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテート((S)-(-)-2-アセトキシプロピオニルクロライドとしても知られており、これは市販されている。)などのアシルクロライドを、更なる精製をすることなく添加することができる。好ましくは、該アシルハライドは、15℃〜25℃の温度で添加する。該アシルハライドの該アミンとの比は、少なくとも1.5:1(当量)であってよい。得られる反応混合物は、40℃〜60℃、好ましくは、48℃〜52℃の温度で、最も好ましくは、約50℃で加熱することができる。該加熱した反応混合物は、5〜9時間、好ましくは、約8時間の設定時間の間、所望の温度で維持することができる。この後、得られる反応混合物を、所望の変換レベルに達するまで、15℃〜25℃の温度で撹拌することができる。該反応が完了したものとみなされた後、該混合物を水にゆっくりと添加して前記式IIの化合物の沈殿を促し、該混合物中に該固体の優れた分散を与えることができる。水と該極性非プロトン性溶媒との比は5:1〜16:1であってよい。形成された懸濁液は、15℃〜25℃の温度で、好ましくは、約22℃の温度で、最大5時間まで撹拌することができ、その後、該固体を濾過により分離し、水で洗浄することができる。該生成物は、好ましくは約50℃以下の温度で、真空下で乾燥させることができる。本発明による該式IIの新規化合物の合成方法は、該式IIの新規化合物の優れた収率かつ高純度(HPLCにより最大99.9%)での生成を可能にする。
【0011】
該式IIの新規化合物を使用してイオパミドールを合成するために、該新規化合物を、アセトニトリル、N-メチルピロリドン、又は、好ましくは、DMAなどの好適な極性溶媒中に溶解する。該極性溶媒は、該式IIの化合物に対して、5:1の比で使用することができる。リンペンタクロライド(これは、例えば、環境適合性に劣る塩化チオニルに比べて好ましい。)などの好適な塩素化剤を該溶液に一部ずつ(portion-wise)添加して、式IIIのジクロライドの形成を促進する。或いは、他の好適なハライド化(halidating)剤を使用して、式IIIのジハライド等価物を形成することができる。このように形成された反応混合物を、所望の変換レベルに達するまで、25℃〜50℃、好ましくは、38℃〜42℃の温度で、最も好ましくは、約40℃で撹拌する。該反応が完了したものとみなされた後、該混合物を、予め10℃〜0℃、好ましくは、5℃〜0℃の温度まで冷却しておいた水に、好ましくは、撹拌しながら1時間より長い時間にわたって、添加する。好ましくは、該反応混合物を、前記極性溶媒の量を基準として2:1の比の水に添加する。これにより、式IIの化合物の酸ジクロライド(又は対応するジハライド)の単離が可能になる。形成された白色の沈殿物を濾過により分離し、水で洗浄する。該湿潤固体は、既知の、当業者によって通常使用される手順に従って、例えば、水とイソプロピルアルコールの混合物中での懸濁によって、さらに精製することができる。この段階で添加する水の量は最小限とし、不要な加水分解反応を最小化して、収率の損失を低減する。該白色固体の懸濁液を25℃以下の温度で撹拌して、懸濁した固体のより効率のよい洗浄を促進する。該酸ジクロライドを、濾過により該混合物から分離して、該湿潤濾過ケーキを好適な溶媒、例えば、イソプロピルアルコールでリンスして、大部分の水を洗い落とす。該湿潤固体は乾燥することなく直接使用することができ、これが本発明のもう一つの利点を構成する。該湿潤固体を、25℃〜45℃の温度で、好ましくは、40℃〜45℃で、真空下で乾燥して、式IIIの既知の化合物を得ることができる。
【0012】
該式IIIの化合物(又は対応するジハライド)を、2-アミノ-1,3-プロパンジオールと反応させる。該2-アミノ-1,3-プロパンジオールとの反応は、DMAに溶解後、塩基の存在下で、などの、前記文献に開示されている方法に従って行うことができる。単離後、式IVの化合物が、HPLCによる面積で98%の純度、かつ優れた収率で得られ、これには、該プロセスの間に形成される約2%のイオパミドール(式V)が含まれる。最後に、このようにして得られた式IVの化合物をイオパミドールに変換することができる。式IVの化合物のイオパミドールへの変換は、前記文献に記載の方法に従って行うことができる。イオパミドールは、エタノールからの結晶化による単離の後、高純度で得ることができ、不純物B(式VI)及びC(アセチルアナログ-式VII)の含有率は、それぞれ0.002%及び0.004%(HPLCによる面積、イオパミドール濃度10mg/ml)と非常に低い。
【0013】
【化4】
【実施例】
【0014】
以下に記載する非限定的な実施例の説明により、前記式IIの新規化合物の調製、及び、イオパミドールへの変換後の本発明の各プロセスが説明され、理解しやすくなる。
【0015】
(実施例1:(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸の調製)
(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテート(0.75ml、5.91mmol)を5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(1.0g、1.79mmol)のDMA(5ml)溶液に滴加した。得られた混合物を約50℃で5時間20分撹拌した。80mlの水を該反応混合物に室温で添加し、その後、形成された懸濁液を0℃〜5℃の温度まで冷却し、この温度で25分間撹拌した。該懸濁液を濾過し、該固体を水で洗浄した。該生成物を、真空乾燥器中40℃で乾燥して、(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(0.695g、1.03mmol)を得た。MS、1H-NMR及び13C-NMRデータは、(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸の構造と一致している。
【0016】
収率:57.5%
HPLC純度:99.91%
(カラム:μPorasil 125 A 10μm (300 x 3.9 mm)。移動相:ヘキサン:テトラヒドロフラン [(80/20) (v/v)]及び0.05%のトリフルオロ酢酸。波長:254 nm; カラム温度:40 ℃)
MS: ES+ [M+H]+ 実測値 673.88、C13H11I3NO7は673.77を要する。
【化5】
【0017】
(実施例2:(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸の調製)
(S)-1-クロロ-1-オキソプロパン-2-イルアセテート(37.4ml、295.4mmol)を、5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(50.0g、89.5mmol)のDMA(100ml)中の懸濁液に、25℃〜29℃の温度で、ゆっくりと添加した。得られた混合物を約50℃まで加熱し、この温度で約8時間撹拌し、その後、加熱をはずし、該混合物を約14時間、室温で撹拌した。該反応混合物を、強く撹拌している水(500ml)上に、22℃〜30℃の温度でゆっくりと添加した。添加後、300mlの水を該懸濁液に添加した。該懸濁液を、さらに5時間、約22℃で撹拌し、その後、該白色固体を濾過して、予め約5℃に冷却しておいた水で2回洗浄した(各回30ml)。該生成物を、真空乾燥器中約50℃で乾燥し、(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(48.8g、72.5mmol)を得た。
【0018】
収率:81%
[α]43620=-21.69°(99.25mg/ml、エタノール)
HPLCによる純度:99.4%(実施例1に使用したとおりのHPLC条件)
融点:214.7℃(分解を伴う)
【0019】
(実施例3:(S)-1-((3,5-ビス(クロロカルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートの調製)
リンペンタクロライド(37.1g、178.3mmol)を、実施例2で得られた(S)-5-(2-アセトキシプロパンアミド)-2,4,6-トリヨードイソフタル酸(40.0g、59.4mmol)のDMA(200ml)溶液に一部ずつ添加した。該反応混合物を約40℃で6時間撹拌し、その後それを、0℃〜5℃の温度まで冷却した、力強く撹拌している水(400ml)に、1時間にわたって滴加した。得られた懸濁液を、さらに1時間、0℃〜5℃の温度で撹拌し、該白色の沈殿物を濾過した。該白色固体を、予め0℃〜5℃の温度まで冷却しておいた水(80ml)で洗浄した。該固体を、水(103ml)及びイソプロパノール(80ml)の混合物中に再懸濁し、この温度で15分間撹拌した。該懸濁液を、20℃〜25℃の温度まで温め、この温度で30分間撹拌し、次いで、0℃〜5℃の温度まで再び冷却し、15分間撹拌した。該白色沈殿物を濾過し、40℃〜45℃の温度で乾燥して、(S)-1-((3,5-ビス(クロロカルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートを白色の固体として得た(32.4g、45.7mmol)。
収率:77.0%
HPLC純度:98.4%(実施例1で使用したとおりのHPLC条件)
【0020】
(実施例4:(S)-1-((3,5-ビス((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバモイル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートの調製)
(S)-1-((3,5-ビス((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバモイル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートの調製は、参照として前記文献に記載の手順を採用して行った。実施例3由来の20g(28.2mmol)の(S)-1-((3,5-ビス(クロロ-カルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートを、2-アミノ-1,3-プロパンジオール(6.4g、70.5mmol)と、DMA(100ml)中で、トリエチルアミン(10.0ml、71.4mmol)の存在下、50℃で6時間反応させた。反応が終了して、濾過により塩を除去した後、該溶媒を、真空下、70℃以下で、粘性の油が得られるまで蒸留した。該残渣がまだ熱いうちに、アルコールを添加(20ml)して流動化させ、その後、アセトン(120ml)を、約1時間にわたって何回かに分けて添加し、さらに1時間還流した。得られた懸濁液を濾過し、該生成物を、真空下、50℃で16時間乾燥させて、(S)-1-((3,5-ビス((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバモイル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートを白色の固体として与えた(19.0g、23.1mmol)。
収率:82.0%
HPLC純度:98%(2%のイオパミドールを含む)
【0021】
(実施例5:湿潤(S)-1-((3,5-ビス(クロロカルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートを使用する(S)-1-((3,5-ビス((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバモイル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートの調製)
8.1g(11.4mmol)の(S)-1-((3,5-ビス(クロロカルボニル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートに相当する、実施例3の条件に従って得られた湿潤固体9.86gを、2-アミノ-1,3-プロパンジオール(2.6g、28.8mmol)と、DMA(41ml)中、トリエチルアミン(4.06ml、29.0mmol)の存在下において、50℃で6時間反応させた。反応が終了して、塩を除去した後、該溶媒を、真空下、70℃以下で、粘性の油が得られるまで蒸留した。該残渣がまだ熱いうちに、アルコールを添加(8.1ml)して流動化させ、その後、アセトン(48.8ml)を、何回かに分けて約1時間にわたって添加し、さらに1時間還流した。得られた懸濁液を濾過し、該生成物を、真空下、50℃で16時間乾燥させて、(S)-1-((3,5-ビス((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバモイル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートを白色の固体として与えた(6.45g、7.84mmol)。
収率:69.0%
HPLC純度:98%(2%のイオパミドールを含む)
【0022】
(実施例6:イオパミドールの調製)
先の実施例から得られた、(S)-1-((3,5-ビス((1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバモイル)-2,4,6-トリヨードフェニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルアセテートからのイオパミドールの調製は、前記文献に記載の手順に従って行った。実施例4で得られた化合物18g(22mmol)を水(36ml)に添加して、水溶液中の水酸化ナトリウム(水5ml中に1.4g、35mmol)と、40℃以下の温度で、反応が終了するまでpHを約11に維持しながら、反応させた。該溶液を、陽イオン及び陰イオン交換樹脂を使用して脱塩及び精製し、水を、真空下、85℃以下の温度で、濃厚な油が得られるまで蒸発させ、そこから該生成物を単離し、さらにエタノール(102ml)からの結晶化により精製して、濾過、並びに真空下、80℃以下の温度での乾燥を行った後、高純度のイオパミドールを与えた(13.0g、16.8mmol)。
収率:76.4%
[α]43620=-5.11°
HPLC:不純物B=0.002面積%;不純物C=0.004面積%及びイオパミドール99.76面積%。USPイオパミドールモノグラフ:不純物B=0.0011%w/w;不純物の合計I+H=0.11%w/w;何らかの不特定の不純物=0.029%w/w。JPイオパミドールモノグラフ:HPLCによる関連物質、総不純物0.0389%w/w。