特許第6104262号(P6104262)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6104262非侵入的なバイオリアクターのモニタリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104262
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】非侵入的なバイオリアクターのモニタリング
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/00 20060101AFI20170316BHJP
   C12N 5/07 20100101ALI20170316BHJP
   G01N 33/18 20060101ALI20170316BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20170316BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20170316BHJP
【FI】
   C12N1/00 B
   C12N5/07
   G01N33/18 F
   G01N33/18 106Z
   !C12M1/00 C
   !C12M1/34 D
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-537096(P2014-537096)
(86)(22)【出願日】2012年10月4日
(65)【公表番号】特表2014-530621(P2014-530621A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】US2012058720
(87)【国際公開番号】WO2013058992
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2015年8月24日
(31)【優先権主張番号】13/279,220
(32)【優先日】2011年10月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514057606
【氏名又は名称】セラピューティック プロテインズ インターナショナル, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ニアジ, サルファラーズ ケー.
【審査官】 上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−357421(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0035337(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0292940(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0124035(US,A1)
【文献】 米国特許第06573991(US,B1)
【文献】 特表2002−534997(JP,A)
【文献】 米国特許第05623095(US,A)
【文献】 特表2005−538353(JP,A)
【文献】 特表2007−517523(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0148931(US,A1)
【文献】 特開平02−136733(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/017721(WO,A2)
【文献】 特許第3109740(JP,B2)
【文献】 特開昭63−079039(JP,A)
【文献】 特開2005−087005(JP,A)
【文献】 特表2008−526203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00−7/08
C12M 1/00−3/10
C12Q 1/00−3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオリアクター内の栄養培地をモニターするための方法であって、
a.バイオリアクター内に、前記バイオリアクターの外部と流体連通している1つの開放端および1つの密閉端を有する、放出プローブまたは検出プローブを収容するのに適した少なくとも一対のレセプタクルを配置する工程、
b.放出プローブを第1のレセプタクル内に配置する工程、
c.検出プローブを第2のレセプタクル内に配置する工程、
d.前記放出プローブおよび検出プローブの方向を、透過放射物を読み取るために互いに向き合うように、または回析放射物を読み取る角度に調整する工程、および
e.前記放出プローブおよび検出プローブを作動させて、適用された放射物の透過または回析を記録する工程
を含み、前記第1のレセプタクル内の前記放出プローブと前記第2のレセプタクル内の前記検出プローブとの間の距離が、前記放出プローブおよび前記検出プローブを上下に調整することによって変化され得、前記プローブ間の距離が、モニターされる前記栄養培地の深さを表す、方法。
【請求項2】
前記レセプタクルの密閉端が互いに連結している、請求項1に記載のモニターするための方法。
【請求項3】
前記第1のレセプタクルおよび前記第2のレセプタクルがV字形に位置づけられている、請求項2に記載のモニターするための方法。
【請求項4】
複数の第1のレセプタクルおよび第2のレセプタクルが前記バイオリアクターの内側に配置されている、請求項1に記載のモニターするための方法。
【請求項5】
前記レセプタクルが金属製、プラスチック製、ガラス製または融解石英製である、請求項1に記載のモニターするための方法。
【請求項6】
前記レセプタクルが円管、楕円管、長方形管または正方形管である、請求項1に記載のモニターする方法。
【請求項7】
前記レセプタクルがポリメタクリル酸メチル材料製、ポリスチレン材料製またはポリテトラフルオロエチレン材料製である、請求項1に記載のモニターする方法。
【請求項8】
前記レセプタクルを構成する材料が、使用する放射物種に対して透過的であるものである、請求項1に記載のモニターする方法。
【請求項9】
音響放射物が、音波、超音波または超低周波音波を含む、請求項1に記載のモニターする方法。
【請求項10】
電磁放射物が、電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線およびガンマ線を含む、請求項1に記載のモニターする方法。
【請求項11】
前記栄養培地を、pH、溶存酸素、溶存二酸化炭素、光学濃度または前記栄養培地中の化学的実体の種類もしくは濃度についてモニターする、請求項1に記載のモニターするための方法。
【請求項12】
前記検出プローブが、前記栄養培地中の細胞の数を計数することができる光学エレメントまたはカメラである、請求項1に記載のモニターするための方法。
【請求項13】
前記放出プローブが、前記バイオリアクターの内側に配置され、前記栄養培地に曝露された使い捨て蛍光エレメントである、請求項1に記載のモニターするための方法。
【請求項14】
複数の放出プローブおよび検出プローブを前記レセプタクル内に取り付け、前記栄養培地のいくつかの性質を同時に記録する、請求項1に記載のモニターするための方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
細胞および生物体を成長させるために使用されるバイオリアクターでは、成長を最適化するために、栄養培地を頻繁にモニターしてその特性を調整することが必要である。最も一般的には、これはバイオリアクター内のポートを通じて栄養培地の試料採取をすることによって行われ、これにはバイオリアクターがコンタミネーションするリスクがある。フローセルを通じて栄養培地を運ぶ方法も用いられ、これにはなおコンタミネーションのリスクがある。つい最近、バイオリアクターの内側に取り付けた使い捨てセンサーを使用し、バッグの外側からそれらの応答を読み取ることによってモニターすることが行われた。この方法により、実用的な選択がもたらされるが、応答の変動性が大きく、また、この方法を用いる費用が高いので、依然としてあまり望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
バイオリアクター内の栄養培地の特性を、栄養培地をバイオリアクターから取り出さずに直接モニターして、pH、光学濃度、細胞数、溶存酸素、溶存二酸化炭素、グルコース濃度および検出器を利用することが可能な他の特定のパラメータなどのパラメータを記録するための方法を創出する必要性がまだ対処されずに残っている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、電磁波または音波の放出プローブをバイオリアクターの内側に栄養培地と接触させずに設置することを可能にし、さらに電磁波または音波の検出器をバイオリアクターの内側に栄養培地と接触させずに設置する。放出プローブおよび検出プローブを受けるための使い捨てレセプタクルは、使用する選択された放射線種または波種に対して完全に透過的である。放出プローブと検出プローブの間の距離は、V字形レセプタクルを使用する場合にはこれらを異なる高さに位置づけることによって、または、バイオリアクターの内側に所定の距離で離して取り付けることによって調整する。トランスミッターと検出器の間の栄養培地が試験される試料としての機能を果たす。
【0004】
プローブの角度により、測定される放射物(radiation)が透過したものであるか回折したものであるかが決定される。向き合っている場合、測定値は透過放射物のものであり、プローブの照準線の経路が交差するような角度で設置されている場合は、測定される放射物は回折放射物である。
【0005】
本発明の方法は、使い捨てバイオリアクターの内側に、放出プローブおよび検出器のためのレセプタクルに外部から接近可能になるようにレセプタクルを取り付けることを伴う。レセプタクルは、使い捨てではないバイオリアクターにおいても使用することができる。
【0006】
本発明は、費用のかかる放出プローブおよび検出器は再使用し、それらを収容するレセプタクルのみを1回使用した後に処分するので、バイオリアクターをモニターするための費用対効果が大きい解決法を提供する。
特定の実施形態において、本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
バイオリアクター内の栄養培地をモニターするための方法であって、
a.バイオリアクター内に、前記バイオリアクターの外部と流体連通している1つの開放端および1つの密閉端を有する、放出プローブまたは検出プローブを収容するのに適した少なくとも一対のレセプタクルを配置する工程、
b.放出プローブを第1のレセプタクル内に配置する工程、
c.検出プローブを第2のレセプタクル内に配置する工程、
d.前記放出プローブおよび検出プローブの方向を、透過放射物を読み取るために互いに向き合うように、または回析放射物を読み取る角度に調整する工程、および
e.前記放出プローブおよび検出プローブを作動させて、適用された放射物の透過または回析を記録する工程
を含む方法。
(項目2)
前記レセプタクルの密閉端が互いに連結している、項目1に記載のモニターするための方法。
(項目3)
複数の第1のレセプタクルおよび第2のレセプタクルが前記バイオリアクターの内側に配置されている、項目1に記載のモニターするための方法。
(項目4)
前記レセプタクルが金属製、プラスチック製、ガラス製または融解石英製である、項目1に記載のモニターするための方法。
(項目5)
前記レセプタクルが円管、楕円管、長方形管または正方形管である、項目1に記載のモニターする方法。
(項目6)
前記レセプタクルがポリメタクリル酸メチル材料製、ポリスチレン材料製またはポリテトラフルオロエチレン材料製である、項目1に記載のモニターする方法。
(項目7)
前記レセプタクルを構成する材料が、使用する放射物種に対して透過的であるものである、項目1に記載のモニターする方法。
(項目8)
音響放射物が、音波、超音波または超低周波音波を含む、項目1に記載のモニターする方法。
(項目9)
電磁放射物が、電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線およびガンマ線を含む、項目1に記載のモニターする方法。
(項目10)
前記栄養培地を、pH、溶存酸素、溶存二酸化炭素、光学濃度または前記栄養培地中の化学的実体の種類もしくは濃度についてモニターする、項目1に記載のモニターするための方法。
(項目11)
前記検出プローブが、前記栄養培地中の細胞の数を計数することができる光学エレメントまたはカメラである、項目1に記載のモニターするための方法。
(項目12)
前記放出プローブが、前記バイオリアクターの内側に配置され、前記栄養培地に曝露された使い捨て蛍光エレメントである、項目1に記載のモニターするための方法。
(項目13)
複数の放出プローブおよび検出プローブを前記レセプタクル内に取り付け、前記栄養培地のいくつかの性質を同時に記録する、項目1に記載のモニターするための方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、V字形レセプタクルの多くの図を示す。図1(a)はV字形レセプタクルの側面図であり、プローブの位置が示されている。図1(b)はV字形レセプタクルの側面図であり、プローブおよび回析を測定するための放射物の経路が示されている。図1(c)は、V字形レセプタクルの側面図であり、プローブおよび透過放射物を測定するための放射物の直線経路が示されている。図1(d)はバイオリアクターの側面図であり、バイオリアクターの内側に配置されたV字形レセプタクルが示され、バイオリアクターの外部からレセプタクルの内側の空洞への直接の接近が示されている。
【0008】
図2図2は、互いからの距離が固定されて取り付けられた2つのレセプタクルの多くの図を示す。図2(a)は2つのレセプタクルおよびレセプタクルの内側に設置されたプローブの側面図である。図2(b)は、2つのレセプタクルおよび両方のレセプタクルの内側に設置されたプローブおよび放射物の経路の角度をつけた図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細
バイオリアクターにおけるプロセスの最適な操作には、pH、溶存酸素、溶存二酸化炭素、光学濃度、細胞数、グルコース濃度およびプロセスに特異的な種々の他のパラメータなどのパラメータをモニターすることが必要である。これらのパラメータをモニターするのは、バイオリアクターにおける細胞および生物体の成長プロファイルを最適化するために栄養培地の条件または化学組成を調整することを可能にするためである。
【0010】
分光測色的技法に大きな進歩があり、栄養培地の性質のいくつかのパラメータを、光の可視波長、紫外波長および赤外波長を使用してモニターすることができる。超音波およびマイクロ波をレーザーと一緒に使用することにより、栄養培地の性質を検出する分光計の能力がさらに改善され、さらに、今後、電子設計の改善、より用途が広く小型化された放出プローブおよび検出器により、これらのプローブをバイオリアクターの内側に非侵入的に使用することが可能であれば、バイオリアクター内の栄養培地の特性をより有効におよび効率的にモニターすることがより都合よく、実用的になる。
【0011】
栄養培地の性質をモニターするための大部分の有効な方法では、その試料を光放射または音響放射物にさらし、放出された放射物と検出された放射物の差から特定の栄養培地の性質を評価することが可能になる。栄養培地をバイオリアクターから取り出さず、また栄養培地と接触させずに分光測色計および音響計測器を作動させることを可能にする必要性がまだ対処されていない。
【0012】
これは、本発明において、使用する放射物に対して透過的である材料で作製されたV字形レセプタクルを取り付けることによって実現される。V字形レセプタクルの2つのアームには、放出プローブおよび検出器を挿入するために外部から接近可能である。プローブの位置によりそれらの間の距離が決定される。プローブをレセプタクルに深く押し入れることにより、それらの間の距離が減少する。モニターされる栄養培地はレセプタクルの2つのアームの間に存在するので、より高濃度の栄養培地をモニターするには、プローブをV字形レセプタクルの2つのアームの連結部に向かって上向きに押すことによって光が通過する長さを減少させることが必要になる。
【0013】
本発明のより一般的な使用では、プローブを、バイオリアクターの底部に付着させた独立したレセプタクルに挿入する。
【0014】
放出器および放出プローブは、放出された放射物が検出器によって放射物の分散または回析から検出されるような角度に回転させることができる。これは、透過よりも、2つのプローブが互いに向かい合っている場合に測定される濁度の測定と類似する。
【0015】
第1の好ましい実施形態が図1に示されており、V字形レセプタクル5はプローブ1および2を保持することができる内部の空洞ならびにプローブを挿入するための開口3および4を有する。検出プローブ経路8に対してある角度で放出された放射物の経路7により、どのように回折放射物が検出されるかが示される。プローブが向かい合っている場合には、それらにより透過放射物を測定することが可能になる直線経路6が創出される。レセプタクル5は、バイオリアクターの内側9に、好ましくは、開口3および4が、バイオリアクターの外部からレセプタクル5の内側の空洞への流体連通を可能にするようにバイオリアクターの底部の表面に付着させて取り付け、バイオリアクターは、入口11および出口10ならびにレセプタクル5を完全に浸漬している栄養培地をさらに含んでよい。
【0016】
図2は、別の好ましい実施形態であり、図1に示されている1つのV字形レセプタクルの代わりに、2つの独立したレセプタクルが存在し、1つのレセプタクル2は放出プローブを保持するためのものであり、1つのレセプタクル13はレセプターを保持するためのものである。透過の経路14は2つのレセプタクルを横断し、放射物の経路が角度15に設置された場合には、回析を決定するために使用される。容器9に取り付ける際、デバイスは入口ポート11および排出口10を有してよい容器9の底部に付着させる。
【0017】
したがって、本発明は、栄養培地の性質を記録する伝統的な方法を用いながら栄養培地を非侵入的にモニターするための実用的な解決法を提供する。
【0018】
本発明は、バイオリアクターの内側の栄養培地を、その無菌性に影響を及ぼすことなく、またはバイオリアクターの完全性を破ることなく、そして試料をバイオリアクターから取り出すことなくモニターするための本発明の有用性を増強する新規プローブが開発されれば継続的に有益であることが証明される。
【0019】
本発明において使用される放出プローブおよび検出器は使い捨てではなく、したがって、操作の費用が実質的に減少すると同時に、モニター操作の最高の感度および再現性がもたらされる。
【0020】
深さが変動し得る栄養培地をモニターすることができることは、栄養培地を広範囲の濃度のモニターされる実体にわたってモニターすることの大きな利点である。これは、試料を希釈して、それらの性質を試験することと類似している。プローブ間の距離はモニターされる液体の深さを表し、これはプローブをV字形レセプタクルの頂端に向かって上下に移動させることによって変化する。
【0021】
本発明は、栄養培地に触れずにバイオリアクターの内側に放出プローブおよび検出器を挿入するためにバイオリアクターの外部から接近可能な使い捨てレセプタクルをバイオリアクターの内側に取り付けることによって栄養培地をモニターするための解決法も提供する。レセプタクルを構成する材料は、分光測色計において使用されるものと同じであり、レセプタクルの壁は特定の電磁波または音波を通し、これらのレセプタクルエレメントは安価に構築することができ、また、使い捨て放出プローブまたは検出器を使用する必要がない。
【0022】
本発明は、バイオリアクターの内側に取り付けた使い捨てパッチまたはプローブの使用を組み合わせた新規の解決法も提供し、これらのプローブは栄養培地の内容物と反応すると蛍光を放出する。次いで、蛍光をレセプタクルに収容された検出器によって検出して、正確度の程度が高い測定を可能にする。本発明を用いて、検出器エレメントをバイオリアクターの内側のこれらのパッチの近くに動かすことにより、これらのプローブをより密接にかつより正確にモニターすることができる。この場合、パッチは栄養培地に曝露されているレセプタクル部分に付着させることができ、検出器は蛍光プローブを励起させるための光の供給源も含んでよい。
【0023】
本発明を用いて、種々のパラメータをバイオリアクターの内側に非侵入的に測定することができる。これらのパラメータとしては、これだけに限定されないが、温度、pH、光学濃度、溶存酸素、溶存二酸化炭素、グルコース濃度および他の化学的実体が挙げられる。
【0024】
光学濃度は細菌培養物の成長の良好な指標であるが、哺乳動物細胞培養物では、特定の体積内の細胞を計数する必要がある。放出プローブを保持するレセプタクルと放出プローブを保持するの間に液体培地の小さな体積が存在するので、2つのレセプタクル間の液体に向けて顕微鏡のレンズまたはカメラなどの光学エレメントを取り付けて遠隔操作で細胞を計数する。レセプタクルを構築するために使用する材料はいかなる歪みも生じさせずに光を通し、したがって顕微鏡での作業を信頼できるものにすることが可能になることには注目すべきである。あるいは、カメラにより細胞の画像を記録し、次いで写真を読み取って細胞の密度を算出することができる。
【0025】
音響波、音波および超音波の両方の分析的方法における使用は、急速に発展している科学である。本発明においても同様に、音波および超音波に対して透過的である材料が広範に利用可能であり、これらの材料からレセプタクルを作製して、音波および超音波を使用した探索を可能にすることができる。
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図1(d)】
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図2(d)】