(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接触工程において、前記磁性粒子をタルク粒子と接触させたまま、前記タルク粒子と前記磁性粒子を乾燥させることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
前記接触工程において、前記磁性粒子と前記タルク粒子の質量比が0.005〜4であるように、前記タルク粒子を前記磁性粒子と接触させることを特徴とする、請求項1から11の何れか一項に記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性無機粒子を含む組成物の調製方法、及びかかる磁性無機粒子を含む組成物に関する。
【0002】
本明細書において、「無機粒子(鉱物粒子)」は、炭素を含む場合は炭酸塩又はシアン化物の形態でしか含まない、全ての無機粒子を意味する。
【0003】
本明細書において、「2:1型層状ケイ酸塩」又は「T.O.T.型層状ケイ酸塩」は、各基本シートが1層の八面体層とその両側に位置する2層の逆四面体層の組み合わせで構成され、各八面体層が互いに結びついているYO
6型八面体(Yは陽イオンを意味する)から形成され、各四面体がそのうち3つの頂点を共有してその隣体と結びついている、各四面体層がSiO
4型四面体の二次元連続層から構成される、全ての層状ケイ酸塩(又はフィロケイ酸塩)を意味する。その構造から、2:1型フィロケイ酸塩はまた、T.O.T.(すなわち、四面体−八面体−四面体)型とも呼ばれる。
【0004】
他の観点から、2:1型層状ケイ酸塩の中には、四面体の二次元格子が八面体の中央層の両側に配置され、各八面体層がO
2−及びOH
−イオン(O
2−/OH
−のモル比は2:1)の2つの平面で形成され、各四面体層が、それぞれ1つの頂点を八面体の1個の酸素が占め、3つの頂点をほぼ同一平面上にある酸素で占める四面体から形成される。さらに、四面体が共有する酸素は、六方又は二重三方対称の酸素の底面を形成すると言われている。
【0005】
フィロケイ酸塩は、結晶構造を有する基本シートの規則的又は不規則的な積層から構成され、基本シートの数は数単位から数千単位まで様々である。
【0006】
ゼロ電荷を示す2:1型層状ケイ酸塩の群は、特にタルク、ウィレムサイト、パイロフィライトから構成される。また、以降の本明細書において、「タルク粒子」又は「タルク組成物」は、ゼロ電荷を示す2:1型層状ケイ酸塩の群に属する粒子を含む、全ての粒子又は全ての組成物を意味する。
【0007】
本明細書において、「熱水処理」は、オートクレーブなどの閉鎖容器内で、水の存在下、所定の温度及び大気圧を超える圧力で行われる全ての処理を意味する。
【発明の概要】
【0011】
したがって、本発明は磁性を示すケイ酸塩無機粒子を含む組成物の調製方法を提案することを目的とする。
【0012】
本発明は、磁性を示す合成ケイ酸塩無機粒子を含む組成物の調製方法を提案することを目的とする。
【0013】
本発明は、実施が簡易かつ迅速であり、産業利用における制約に適合した、かかる方法を提案することを目的とする。
【0014】
本発明はまた、磁性を示すケイ酸塩無機粒子を含む組成物を提案することを目的とする。
【0015】
本発明は、磁性を示し、様々な用途において、天然タルク組成物の代替品として用いることのできる、フィロケイ酸塩無機粒子を含む組成物を提案することを目的とする。
【0016】
このために、本発明は、非ゼロ磁化率を示す磁性タルク粒子と呼ばれる無機粒子を含む、磁性タルク組成物と呼ばれる組成物の調製方法であって、接触工程において、
− ゼロ電荷及び平均10nm〜300nmの相当直径を示す、2:1型層状ケイ酸塩からなる群から選択されるタルク粒子と、
− 磁鉄鉱及び磁赤鉄鉱からなる群から選択される少なくとも一の磁性酸化鉄を含む、磁性粒子と呼ばれる粒子であって、平均1nm〜50nmの相当直径を示す前記磁性粒子と
を接触させる方法に関する。
【0017】
実際、本発明者らは驚くべきことに、かかるタルクナノ粒子及びかかる磁性ナノ粒子を用いる本発明の方法により、特に常温(例えば、18℃〜25℃)で、既知のゼロ電荷の2:1型層状ケイ酸塩の磁性と異なる磁性を示す無機粒子が調製できることを確認した。
【0018】
驚くべきことに、平均10nm〜300nmの相当直径を示すタルク粒子と平均1nm〜50nmの相当直径を示す磁性粒子(磁鉄鉱及び/又は磁赤鉄鉱を含む)とを単純に接触させることにより、高温での長時間熱処理、さらには長時間高せん断での破砕など高度な技術手段を実施しなくても、磁性粒子とタルク粒子が長期にわたって互いに結合される、磁性タルク組成物を得ることができる。
【0019】
磁性粒子とタルク粒子との親和性について可能性のある説明は、磁性粒子の大きさとタルク粒子の大きさ、特にタルク粒子の厚さ(又は辺縁の大きさ)との対応と関係し、本発明者らは磁性粒子が、好ましくは、例えばタルクのシート辺縁に沿って、特にO−H結合を形成して固定されることを観察した。
【0020】
タルク組成物と前記磁鉄鉱粒子との前記接触工程(又は酸化接触工程)は、非ゼロ磁化率を示す磁性ケイ酸塩粒子を含む磁性タルク組成物を得ることが可能なあらゆる方法で実施できる。
【0021】
タルク粒子と磁性粒子は、特に乾燥状態又は溶液状態、例えば水溶液状態で互いに接触できる。溶液状態での調製の場合、磁性粒子はあらかじめタルク粒子と接触させて調製し、ついでタルク粒子と溶液状態で接触する、又は少なくとも一種の前記磁性粒子の前駆体要素から「in situ(その場)」で、すなわちタルク粒子を含む溶液中で調製することができる。
【0022】
本発明による方法の実施の第1の変形形態によると、タルク粒子と磁性粒子との接触を液体媒体中で実施する。
【0023】
本発明により、有利には、接触工程において、
− 水溶液を調製し、
− 水溶液にタルク粒子及び磁性粒子を加え、
− 水溶液を除去する。
【0024】
さらに、本発明により、有利には、水溶液にタルク粒子及び磁性粒子を加えた後、タルク粒子及び磁性粒子を含む前記溶液を混合する。ついで、乾燥によって水溶液を除去する。
【0025】
本発明により、有利には、タルク粒子と磁性粒子とを溶液状態で接触させた後、磁性粒子をタルク粒子と接触させたまま、タルク粒子及び磁性粒子を乾燥させる。特に、本発明により、有利には、接触工程において、磁鉄鉱粒子をタルク粒子と接触させたまま、タルク粒子及び磁鉄鉱粒子を乾燥させる。実際、本発明者らは、驚くべきことに、タルク粒子と磁鉄鉱粒子の同時乾燥によるかかる接触工程によって、少なくとも20質量%のタルク粒子と少なくとも0.5質量%の磁鉄鉱及び/又は磁赤鉄鉱粒子を含む磁性タルク粒子を得ることができることを確認した。
【0026】
本発明による方法の好ましい実施形態において、接触工程において、
− 前記磁性粒子の少なくとも一種の元素前駆体を、タルク粒子を含む懸濁液に導入し、
− 前記磁性粒子の沈殿反応を実施する。
【0027】
特に、本発明による方法の好ましい実施形態において、
− 前記磁鉄鉱粒子の少なくとも1つ元素前駆体を、タルク粒子を含む水性懸濁液に導入し、
− 前記磁鉄鉱粒子の、in situ沈殿反応と呼ばれる、沈殿反応を実施し、
− 得られたタルク粒子及び磁鉄鉱粒子を一緒に乾燥する。
【0028】
例えば、磁鉄鉱Fe
3O
4粒子の前駆体要素として、塩化鉄(III)六水和物(FeCl
3・6H
2O)及び塩化鉄(II)四水和物(FeCl
2・4H
2O)を用い、所定の量のアンモニア水溶液を加えて磁鉄鉱Fe
3O
4粒子の沈殿反応を実施することができる。
【0029】
本発明による方法の実施の第2の変形形態により、乾燥状態でタルク粒子と磁性粒子との接触を実施する。
【0030】
本発明により、有利には、酸化接触工程において、タルク粒子及び磁性粒子の共破砕、特に乾燥状態での共破砕を実施する。実際、本発明者らは、驚くべきことに、タルク粒子と磁性粒子、特に磁鉄鉱及び/又は磁赤鉄鉱粒子の同時破砕によるかかる接触工程(又は酸化接触工程)により、磁性タルク粒子、特に少なくとも20質量%のタルク粒子と、少なくとも0.5質量%の磁鉄鉱及び/又は磁赤鉄鉱粒子を含む磁性タルク粒子を得ることができることを確認した。特に、単純な機械的処理又は軽い破砕、すなわち高いせん断力を必要としない破砕だけで、平均10nm〜1000nm、特に10nm〜300nmの相当直径を示すタルク粒子と、平均1nm〜50nmの相当直径を示す磁性粒子との間に強く持続性のある相互作用を作ることができる。
【0031】
本発明により、有利には、前記磁性タルク粒子は、正の磁化率を示す。さらに、本発明により、有利には、前記磁性タルク粒子は、1より上、特に10
3より上の磁化率を示す。
【0032】
本発明により、有利には、ゼロ電荷を示す前記2:1型層状ケイ酸塩には、層間カチオン及び層間水分子が欠けている。実際、ゼロ電荷を示す層状ケイ酸塩は、他の電荷補償カチオンとも呼ばれる層間カチオンも、非ゼロ正電荷を示すケイ酸塩の層間空間内で前記電荷補償カチオンにしばしば結合する層間水分子も持たない。
【0033】
本発明により、有利には、タルク粒子が
(Si
xGe
1−x)
4M
3O
10(OH)
2を化学式とし、式中、
− xは範囲[0;1]の実数であり、
− Mは、Mg
y(1)Co
y(2)Zn
y(3)Cu
y(4)Mn
y(5)Fe
y(6)Ni
y(7)Cr
y(8)を式とする、少なくとも一の二価金属を示し、各y(i)は、
となる範囲[0;1]の実数を表す。
【0034】
本発明により、有利には、ゼロ電荷を示す2:1型層状ケイ酸塩からなる群は、特にタルク、ウィレムサイト、パイロフィライト、及びこれらの混合物を含む。本発明により、有利には、タルク粒子はタルクSi
4Mg
3O
10(OH)
2からなる。
【0035】
本発明により、有利には、磁性粒子、特に磁鉄鉱粒子は、平均1nm〜50nm、とりわけ1nm〜30nm、特に1nm〜15nm、より特定的には5nm〜10nmの相当直径を示す。
【0036】
本発明による方法において用いられる、ゼロ電荷を示す2:1型層状ケイ酸塩からなる群から選択されたタルク粒子は、天然又は合成由来であることが可能である。本発明により、有利には、ゼロ電荷を示す2:1型層状ケイ酸塩からなる群から選択されるタルク粒子は、合成である。
【0037】
本発明により、有利には、タルク粒子は平均10nm〜1000nm、特に10nm〜300nm、より特定的には20nm〜200nmの相当直径を示す。
【0038】
本明細書において、タルク粒子の「厚さ」は、前記粒子の最小寸法、あるいは前記タルク粒子の結晶格子のc方向による前記粒子の寸法を意味する。
【0039】
本明細書において、タルク粒子の「最大寸法」は、前記タルク粒子の結晶格子の(a,b)面内での前記粒子の最大寸法を意味する。
【0040】
タルク粒子の厚さ及び最大寸法は、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)による観察によって測定される。
【0041】
本発明により、有利には、前記タルク粒子は、1nm〜30nm、特に5nm〜20nm、例えば約10nmの厚さを示す。本発明により、有利には、タルク粒子の最大寸法は10nm〜400nm、特に20nm〜300nm、より特殊には20nm〜200nmである。
【0042】
本発明による方法において、あらゆる型のタルク粒子を用いることが可能である。本発明により、有利には、タルク粒子はケイ素/ゲルマニウム−金属ゲル(Si
xGe
1−x)
4M
3O
11・n’H
2Oである前記無機粒子のハイドロゲル前駆体の熱水処理により調製が可能であり、
− Mは、Mg
y(1)Co
y(2)Zn
y(3)Cu
y(4)Mn
y(5)Fe
y(6)Ni
y(7)Cr
y(8)を式とする、少なくとも一の二価金属を示し、各y(i)は、
となる範囲[0;1]の実数を表し、及び、
− xは範囲[0;1]の実数であり、
− n’は前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルに結合する水分子数に関する。
【0043】
ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルの熱水処理は、場合によっては、熱水処理を改善できる、特にその時間を短縮することができる、少なくとも一種のカルボン酸塩存在下の、液体媒体で実施できる。本発明により、有利には、ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルの熱水処理は、式R
2−COOM’の少なくとも一種のカルボン酸塩存在下で実施し、M’はNa及びKからなる群から選択される金属を示し、R
1及びR
2はそれぞれH及び5個未満の炭素原子を含むアルキル基から選択される。
【0044】
本発明により、有利には、接触工程において、磁性粒子とタルク粒子との質量比が0.005〜4である形で、タルク粒子と磁性粒子、例えば磁鉄鉱及び/又は磁赤鉄鉱粒子を接触させる。このようにして、非ゼロ磁化率を示す、20質量%〜99.5質量%のタルク粒子、及び0.5質量%〜80質量%の磁性酸化鉄粒子、すなわち磁鉄鉱及び磁赤鉄鉱粒子も含む、又は磁赤鉄鉱粒子は含まない、磁性タルク粒子を調製することが可能である。
【0045】
本発明は、非ゼロ磁化率を示す磁性タルク粒子と呼ばれる無機粒子を含む、磁性タルク組成物と呼ばれる組成物であって、前記磁性タルク組成物の総質量に対して、前記磁性タルク粒子がゼロ電荷を示す2:1型層状ケイ酸塩からなる群から選択されるタルク粒子を少なくとも20質量%、及び磁赤鉄鉱粒子を少なくとも0.5質量%含む、組成物に及ぶ。
【0046】
本発明はまた、非ゼロ磁化率を示す、磁性タルク粒子と呼ばれる無機粒子を含む、磁性タルク組成物と呼ばれる組成物にも及び、前記磁性タルク粒子は以下を含む。
− 前記磁性タルク組成物の総質量に対して、少なくとも20質量%のタルク粒子であって、ゼロ電荷を示す2:1型層状ケイ酸塩からなる群から選択され、平均10nm〜300nmの相当直径である前記タルク粒子、
− 前記磁性タルク組成物の総質量に対して、少なくとも0.5質量%の、磁鉄鉱及び磁赤鉄鉱からなる群から選択される、少なくとも一種の磁性酸化鉄を含む、磁性粒子と呼ばれる粒子であって、平均1nm〜50nmの相当直径である前記磁性粒子。
【0047】
このように、本発明による組成物は、非ゼロ磁化率を示す磁性タルク粒子を含む磁性タルク組成物を形成するように、少なくとも一部が互いに結合したタルク粒子、及び磁鉄鉱及び/又は磁赤鉄鉱粒子などの磁性粒子を含む。
【0048】
このように形成された磁性タルク粒子中の磁鉄鉱又は磁赤鉄鉱の存在を、X線回折によって、又は赤外又はラマン分光法によって検証することが可能である(特に、570〜590cm
−1の特徴的なバンドを示す磁鉄鉱、及び同様に730cm
−1、695cm
−1、630cm
−1、590cm
−1、560cm
−1、480cm
−1、440cm
−1付近で特徴的なバンドを示す磁赤鉄鉱)。さらに、メスバウアー分光法によって、あるいは「SQUID」と呼ばれる技術によって、磁性タルク粒子中の磁鉄鉱及び/又は磁赤鉄鉱の存在、ならびに磁鉄鉱の割合及び磁赤鉄鉱の割合を検証することが可能である。
【0049】
本発明により、有利には、前記磁性タルク粒子は正の磁化率を示す。
【0050】
本発明により、有利には、本発明による磁性タルク組成物は、本発明による方法によって調製される。
【0051】
特に、本発明により、有利には、本発明による磁性タルク組成物は、フェリ磁性を示す。本発明により、有利には、かかる組成物はフェリ磁性を示す磁性タルク粒子を含む。
【0052】
本発明はまた、上記又は下記の特徴のすべて又は一部の組み合わせを特徴とする、磁性タルク組成物の調製方法、及び磁性タルク組成物に関する。
【0053】
本発明の他の目的、利点、特徴は、本明細書及び以下の実施例を読むことにより明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明による方法の第1の実施形態において、前記タルク粒子のハイドロゲル前駆体、特にケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルの熱水処理によってタルク粒子を調製する。
【0055】
1/−ケイ素/ゲルマニウム金属ゲルの調製
したがって、本発明による方法の実施の第1の変形形態では、ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルは、以下の反応方程式による共沈によって調製される。
− m、n’、(m−n’+1)は正の整数であり、
− Mは、Mg
y(1)Co
y(2)Zn
y(3)Cu
y(4)Mn
y(5)Fe
y(6)Ni
y(7)Cr
y(8)を式とする、少なくとも一の二価金属を示し、各y(i)は、
となる範囲[0;1]の実数を表し、
− xは範囲[0;1]の実数であり、
− n’は前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルに結合する水分子数に関する。
【0056】
この共沈反応により、タルクの化学量論(3Mに対して4Si/Ge)を有するケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルを得ることができる。反応は以下から実施される。
1.メタケイ酸ナトリウム五水和物水溶液又はメタゲルマン酸ナトリウム水溶液、又はモル比x:(1−x)でのこれら2つの溶液の混合物、
2.蒸留水で希釈した1つ又は複数の金属塩(水和物又は無水物の形態)で調製した金属塩化物溶液、
3.1N塩酸溶液。
【0057】
ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルは、以下の手順に従って実施される。
1.塩酸溶液と金属塩化物(1つ又は複数)溶液を混合する、
2.この混合液を、メタケイ酸及び/又はメタゲルマン酸ナトリウム溶液に加える、すぐに共沈ゲルが形成される、
3.遠心分離(3000〜7000rpm、5〜20分間、例えば3500rpmで15分間)及び上清(形成された塩酸ナトリウム溶液)の除去後、ゲルを回収する、
4.少なくとも2回の洗浄/遠心分離を行い、水、特に蒸留水又は浸透水でゲルを洗浄する、
5.遠心分離後、ゲルを回収する。
【0058】
この第1段階の結果、水和ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲル(Si
xGe
1−x)
4M
3O
11・n’H
2O及びゼラチン様の稠度が得られる。このゲルは、チキソトロピー挙動、すなわち撹拌すると粘状から液状になり、その後十分な時間放置すると最初の状態に戻る挙動を示す。
【0059】
本発明による方法の第1の実施形態の第2の変形において、ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルは、試薬として、ケイ素を含む少なくとも一の化合物、M’がNa及びKからなる群から選択される金属を示し、R
1及びR
2がそれぞれH及び5個未満の炭素元素を含むアルキル基から選択される、式R
2−COOM’の少なくとも一種のカルボン酸塩存在下での、式M(R
1−COO)
2の少なくとも一種のジカルボン酸塩が関わる共沈反応によって調製される。
【0060】
この共沈反応により、タルクの化学量論(3Mに対して4Si、Mは式としてMg
y(1)Co
y(2)Zn
y(3)Cu
y(4)Mn
y(5)Fe
y(6)Ni
y(7)Cr
y(8)を有し、各y(i)は、
となるような範囲[0;1]の実数を表す)を有する水和ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルを得ることができる。
【0061】
ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルは、以下から実施される共沈反応によって調製される。
1.メタケイ酸ナトリウム五水和物水溶液又はメタゲルマン酸ナトリウム水溶液、又はモル比x:(1−x)でのこれら2つの溶液の混合物、
2.酢酸などカルボン酸で希釈した式M(R
1−COO)
2の1つ又は複数のジカルボン酸塩で調製したジカルボン酸塩溶液、
3.蒸留水で希釈した式R
2−COOM’の1つ又は複数のカルボン酸塩で調製したカルボン酸塩溶液。
【0062】
このハイドロゲル前駆体の調製は、以下の手順に従って実施される。
1.メタケイ酸ナトリウムと式R
2−COOM’のカルボン酸塩を混合する、
2.その中に速やかに式M(R
1−COO)
2のジカルボン酸塩溶液を加える、すぐに共沈ハイドロゲルが形成される。
【0063】
さらに、前記ハイドロゲルの調製媒体を超音波に施すことが可能である。
【0064】
この共沈の結果、カルボン酸塩水溶液中にケイ素/ゲルマニウム−金属ゲル(Si
xGe
1−x)
4M
3O
11・n’H
2Oが得られ、前記ハイドロゲルは強く水和され、多少なりともゼラチン様の稠度を示す。
【0065】
式R
2−COOM’及びR
1−COOM’の1つ又は複数のカルボン酸塩存在下で得られたケイ素/ゲルマニウム−金属ゲル(Si
xGe
1−x)
4M
3O
11・n’H
2Oは、このようにして直接熱水処理に施すことができるようになる。
【0066】
また、ハイドロゲルは、遠心分離(例えば、3000〜15,000rpm、5分から60分間)及び上清(カルボン酸塩溶液)の除去、場合によっては脱イオン水での洗浄(例えば、連続する2回の洗浄及び遠心分離)、ついで、例えば乾燥機内(60℃、2日間)での、凍結乾燥による、噴霧乾燥による、あるいはマイクロ波照射下での乾燥による乾燥の後に回収することもできる。式(Si
xGe
1−x)
4M
3O
11・n’H
2Oのケイ素/ゲルマニウム−金属粒子は、このようにして後の熱水処理のために、粉末の形態(水で洗浄が行われたか否かに応じて、カルボン酸塩の存在下又は不在下)で保管することができる。
【0067】
2/−ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルの熱水処理
上記で得られたようなケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルは、100℃〜400℃の温度で、30分〜60日間、特に1時間から10日間、特殊には1時間から10時間の期間、熱水処理を施す。沈殿により得られたケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルも、熱水処理を施す前に、まず60℃で乾燥機で、例えば2日間乾燥させることができる。
【0068】
熱水処理を行うには、
1.リアクタ内に液状形態のゲルを置く、
2.場合によっては、M’がNa及びKからなる群から選択される金属を示し、R
2がH及び5個未満の炭素原子を含むアルキル基から選択される、式R
2−COOM’の少なくとも一種のカルボン酸塩を含む溶液を、撹拌下で前記ゲルに加える(水和物又は無水物の形態で)、
3.場合によっては、液体/固体比を2〜20、特に5〜15の値に調整する(液体量はcm
3、固体量はグラムで表示する)、
4.全処理時間中、所定の反応温度(100℃〜400℃で設定する)で、反応器/オートクレーブを乾燥機の内部に置く。
【0069】
本発明による方法の実施の第1の変形において、この熱水処理の結果、水中に溶液状態で、ゼロ電荷の2:1型フィロケイ酸塩の群に属するタルク粒子を含むコロイド状のタルク組成物が得られる。タルク粒子は、遠心分離及び上清の除去によって回収できる。
【0070】
本発明による方法の実施の第2の変形形態において、この熱水処理の結果、カルボン酸塩水溶液中に混濁状態のタルク粒子が得られる。この熱水処理の終了時に、反応器内に含まれるタルク粒子は、遠心分離(3000〜15,000rpm、5分から60分間)、ついで上清の除去によって回収される。その後、タルク粒子を含む組成物は、好ましくは、少なくとも2回の洗浄/遠心分離を行って、水、特に蒸留水又は浸透水で洗浄後、回収される。
【0071】
上記に記載の本発明による方法の実施の2つの変形形態のそれぞれにおいて、最後の遠心分離後に回収されたタルク粒子を含む組成物は、その後下記のように乾燥できる。
− 60℃〜130℃の温度の乾燥機で1時間から24時間、あるいは、
− 凍結乾燥により、例えばCHRIST ALPHA(登録商標)1−2LD Plus型の凍結乾燥機で、48時間から72時間、
− あるいは噴霧乾燥による。
【0072】
かかる熱水処理の終了時に、乾燥後、式(Si
xGe
1−x)
4M
3O
10(OH)
2の粒子、特に式Si
4Mg
3O
10(OH)
2のタルク粒子を含む、分割された固体組成物が得られる。
【0073】
3/−磁性タルク組成物の調製のための接触
上記で得られたようなタルク粒子を含むタルク組成物は、前記磁鉄鉱粒子を少なくとも一部磁赤鉄鉱に酸化させるために適切な条件で磁鉄鉱粒子と接触させる。
【0074】
合成により形成された磁鉄鉱のナノ粒子は、非化学量論的であることがある(酸素及び/又は陽イオン性空隙の化学量論)。磁鉄鉱の化学式は(Fe
3+)
A[Fe
2++Fe
3+]
B4O
2−と記述される。Fe
2+からFe
3+への酸化(位置B上)は、空隙の形成を伴い、次のような一般式となる。すなわち、(Fe
3+)
A[Fe
2+1−3δ+Fe
3+1+2δ δ]
BO
4である。この酸化は、場合によっては、磁赤鉄鉱の形成まで進むこともある(完全なFe
2+不在)。
【0075】
この非化学量論の検証は、X線回折によって行われる。磁鉄鉱Fe
3−δO
4中の化学量論の偏差δに応じて、単位格子パラメータの偏差を求める、Yang et al.(≪Magnetic and structural studies of the Verwey transition in Fe
3−δO
4 nanoparticles≫ Journal de Physique Appliquee,Volume 95,numero 11,1
er juin 2004)の曲線によると、例えば次の式の磁鉄鉱粒子を用いることができる。すなわち、Fe
2.72±0.01O
4あるいはFe
2.86±0.01O
4である。この化学量論の偏差はFe2
+イオンの表面酸化に起因する。
【0076】
タルク粒子及び磁鉄鉱粒子は、乾燥又は溶液状態で接触させることができる。かかる溶液状態での調製の場合、磁鉄鉱は、あらかじめタルク粒子と接触させ、ついで溶液状態でタルク粒子と接触させて調製する、又は前記磁鉄鉱粒子の少なくとも一種の前駆体要素から「in situ(その場)」で、すなわちタルク粒子を含む溶液中で調製することができる。
【0077】
タルク粒子と磁鉄鉱粒子を溶液状態で接触させる場合、得られた懸濁液はそのとき、上清溶液から磁性タルク粒子を分離する形で遠心分離される。
【0078】
さらに、場合によっては、回収された磁性タルク組成物は、1回又は複数回の洗浄/遠心分離を行い、水、特に蒸留水又は浸透水で洗浄することができる。
【0079】
最後の遠心分離後回収された磁性タルク組成物は、そのとき特に乾燥機で、凍結乾燥によって、又は噴霧乾燥によって乾燥することができる。
【0080】
このようにして、磁赤鉄鉱粒子(及び場合によっては磁鉄鉱粒子)に結合した、式(Si
xGe
1−x)
4M
3O
10(OH)
2の粒子、特にタルク粒子Si
4M
3O
10(OH)
2を含む、磁性タルク組成物が得られる。
【実施例】
【0081】
実施例1
式Si
4Mg
3O
11・n’H
2Oのケイ素金属ゲルを調製し、300℃の温度で6時間熱水処理を施す。このようにして、合成タルクが得られる。
【0082】
一方、タルク粒子を含む水性懸濁液(ゲル形態で)であり、70mLの蒸留水中の水分割合が90%(あるいは前記懸濁液の総重量に対して10質量%の乾燥タルク)である、水性懸濁液20gの磁気撹拌下での混合によって、合成タルク懸濁液を調製する。タルク粒子は、平均20nm〜100nmの相当直径、及び特に約10nmから20nmまでの厚さ及び約200nmの最大寸法(又は粒子の長さ)の1つを示す。
【0083】
他方、200mLの蒸留水中での、10.81gの酸化鉄(III)六水和物(FeCl
3・6H
2O)と3.98gの酸化鉄(II)四水和物(FeCl
2・4H
2O)の磁気撹拌下での溶解によって、塩化鉄水溶液を調製する。その後、蒸留水で溶液を250mLとする。
【0084】
磁気撹拌下で、合成タルク懸濁液に54mLの塩化鉄水溶液、あるいはタルクに対して50質量%相当の磁鉄鉱Fe
3O
4を加える。得られた溶液は黄色の着色を示す。
【0085】
その後、磁気撹拌下で、30%水溶液状態の3mLから5mLのアンモニアを加える。このとき、磁鉄鉱粒子が沈殿によって形成され、懸濁液は黒色の着色となる。磁性粒子は平均5nm〜30nmの相当直径を示す。
【0086】
5分から10分の磁気撹拌後、得られた懸濁液を遠心分離して、塩化アンモニウムの上清溶液からタルク及び磁鉄鉱Fe
3O
4を含む粒子を分離する。このようにして得られた粒子は、凍結乾燥によって乾燥させる。
【0087】
乾燥後、磁性タルク組成物の総質量に対して、66.6質量%のタルク及び33.4質量%の磁性酸化鉄粒子(すなわち、磁鉄鉱Fe
3O
4粒子及び0.5質量%超の磁赤鉄鉱γ−Fe
2O
3粒子)を含む、磁性タルク粒子を含む磁性タルク組成物が得られる。
【0088】
閉鎖した透明プラスチック容器内に磁性タルク粒子を含むこの組成物を数グラム準備し、容器の底から磁石を近づけ、容器をひっくり返すと、磁性タルク粒子は再度落下せずに磁石に引きつけられたままになることが観察される。
【0089】
さらに、得られた磁性無機粒子を含む組成物は濃褐色の着色を示す。
【0090】
実施例2
式Si
4Mg
3O
11・n’H
2Oのケイ素金属ゲルを調製し、これを300℃の温度で6時間熱水処理を施す。このようにして、合成タルクが得られる。
【0091】
一方、タルク粒子を含む水性懸濁液(ゲル形態で)であり、70mL蒸留水中の水分割合が90%(あるいは前記懸濁液の総質量に対して10質量%の乾燥タルク)である水性懸濁液10gの磁気撹拌下での混合によって、合成タルク懸濁液を調製する。タルク粒子は、平均20nm〜100nmの相当直径、及び特に約10nmから20nmまでの厚さ及び約200nmの最大寸法(又は粒子の長さ)の1つを示す。
【0092】
他方、100mLの蒸留水中での、5.36gの酸化鉄(III)六水和物(FeCl
3・6H
2O)と1.98gの酸化鉄(II)四水和物(FeCl
2・4H
2O)の磁気撹拌下での溶解によって、塩化鉄水溶液を調製する。塩化鉄水溶液は85℃に上げられている間、磁気撹拌下で、窒素バブリングで保持される。
【0093】
このとき、磁気撹拌下で、30%水溶液状態のアンモニアを12mL加える。このとき、磁鉄鉱粒子が沈殿によって形成され、懸濁液は黒色の着色となる。
【0094】
5分から10分の磁気撹拌後、得られた磁性酸化鉄懸濁液を遠心分離して、塩化アンモニウム及び過剰のアンモニアを含む上清溶液から、磁鉄鉱Fe
3O
4及び磁赤鉄鉱γ−Fe
2O
3粒子を分離する。回収された磁性酸化鉄組成物は、1回蒸留水で洗浄し、ついで再度遠心分離する。各遠心分離は10,000rpmで40分間実施される。磁性酸化鉄組成物が得られ、そこに400mLの蒸留水を加え、1時間超音波を施す。磁性粒子は平均5nm〜30nmの相当直径を示す。
【0095】
磁気撹拌下で、合成タルク懸濁液に34.48mLの調製された磁性酸化鉄水溶液、あるいはタルクに対して20質量%相当の磁性酸化鉄を加える。得られた懸濁液は、磁気撹拌下で、常温(25℃)で10分間保持する。
【0096】
乾燥後、正の磁化率を示し、磁性タルク組成物の総質量に対して83.4質量%のタルク及び16.6質量%の磁性酸化鉄粒子(すなわち、磁鉄鉱Fe
3O
4粒子及び0.5質量%超の磁赤鉄鉱γ−Fe
2O
3粒子)を含む、磁性タルク粒子を含む懸濁状態の磁性タルク組成物が得られる。
【0097】
実施例3
式Si
4Mg
3O
11・n’H
2Oのケイ素金属ゲルを調製し、これに300℃の温度で6時間熱水処理を施す。このようにして、合成タルクが得られる。
【0098】
一方、熱水処理後回収された懸濁液の乾燥によって得られた1gのタルクから構成される合成タルク組成物を調製する。タルク粒子は、平均20nm〜100nmの相当直径、及び特に約10nmから20nmまでの厚さ及び約200nmの最大寸法(又は粒子の長さ)の1つを示す。
【0099】
他方、100mLの蒸留水中での、5.36gの酸化鉄(III)六水和物(FeCl
3・6H
2O)と1.98gの酸化鉄(II)四水和物(FeCl
2・4H
2O)の磁気撹拌下での溶解によって、塩化鉄水溶液を調製する。塩化鉄水溶液は85℃に上げられている間、磁気撹拌下で、窒素バブリングで保持する。
【0100】
このとき、磁気撹拌下で、30%水溶液状態のアンモニアを12mL加える。このとき、磁鉄鉱粒子が沈殿によって形成され、懸濁液は黒色の着色となる。磁性粒子は平均5nm〜30nmの相当直径を示す。
【0101】
5分から10分の磁気撹拌後、得られた磁性酸化鉄懸濁液を遠心分離して、塩化アンモニウム及び過剰のアンモニアを含む上清溶液から、磁鉄鉱Fe
3O
4及び磁赤鉄鉱γ−Fe
2O
3粒子を分離する。回収された磁性酸化鉄粒子は、1回蒸留水で洗浄し、ついで再度遠心分離する。各遠心分離は10,000rpmで40分間実施される。その後、回収した磁性酸化鉄粒子を乾燥する。
【0102】
その後、乾燥状態で、メノウ製乳鉢内で、2分間、0.2gの磁性酸化鉄粒子をタルク組成物と混合する。このようにして、タルクに対して20質量%相当の磁性酸化鉄を接触させる。
【0103】
正の磁化率を示し、磁性タルク組成物の総質量に対して、83.4質量%のタルク及び16.6質量%の磁性酸化鉄粒子(すなわち、磁鉄鉱Fe
3O
4粒子及び0.5質量%超の磁赤鉄鉱γ−Fe
2O
3粒子)を含む磁性タルク粒子を含む組成物が得られる。