(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104285
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】電気開閉装置及び電気開閉装置のための開路アセンブリー
(51)【国際特許分類】
H01H 33/42 20060101AFI20170316BHJP
H01H 33/28 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
H01H33/42 K
H01H33/28 Z
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-556553(P2014-556553)
(86)(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公表番号】特表2015-506573(P2015-506573A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】US2013021162
(87)【国際公開番号】WO2013119348
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2015年12月11日
(31)【優先権主張番号】13/366,558
(32)【優先日】2012年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】スレピアン,ロバート マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ワイスター,ネイサン ジェイムス
【審査官】
澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04484046(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02001032(EP,A1)
【文献】
特開2000−067707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/28 , 33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気開閉装置(200)のための開路アセンブリー(100)であって、前記電気開閉装置(200)は、ハウジング(202)、該ハウジング(202)に囲まれた可分離接点(204)、及び該可分離接点(204)を開閉するための作動機構(206)を含み、該作動機構(206)は、ポールシャフト(208)を含んでおり、前記開路アセンブリー(100)は、
前記ポールシャフト(208)に回動自在に結合されるように構成される第1部分(104)、及び該第1部分(104)の略反対側に配置される第2部分(106)を含んで、開路位置と閉路位置との間を移動可能なバネ結合部(102)と、
前記ハウジング(202)に固定されて結合されるように構成される固定端部(112)、及び前記バネ結合部(102)の前記第2部分(106)に結合される可動端部(114)をそれぞれ含む1以上の開路バネ(110)と、を含み、
前記バネ結合部(102)が前記開路位置に配置されているとき、前記1以上の開路バネ(110)が、前記バネ結合部(102)及び前記ポールシャフト(208)を付勢して前記可分離接点(204)の最大分離を維持するように構成され、
前記バネ結合部(102)が前記閉路位置に配置されているとき、前記1以上の開路バネ(110)が、前記ポールシャフト(208)を付勢しないように構成されている、ことを特徴とする開路アセンブリー。
【請求項2】
前記バネ結合部(102)は、前記第1部分(104)と前記第2部分(106)との間に延びる中間部分(120)をさらに含み、前記中間部分(120)は、弓形形状を有しており、前記バネ結合部(102)が前記閉路位置に配置されているときに、前記バネ結合部(102)は、前記ポールシャフト(208)の一部の回りに延びるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項3】
前記ポールシャフト(208)は、該ポールシャフトから外向きに延びるアーム(210)を含み、前記バネ結合部(102)の前記第1部分(104)は、前記アーム(210)に回動自在に結合されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項4】
前記バネ結合部(102)は、向かい合わせに互いに離れて配置された一対の略同一の平板状部材(130,132)から形成され、前記ポールシャフト(208)の前記アーム(210)の一部は、前記一対の略同一の平板状部材(130,132)の間に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の開路アセンブリー(100)
【請求項5】
前記ポールシャフト(208)は、ピボットピン(220)をさらに含み、前記バネ結合部(102)の前記第1部分(104)は、前記ピボットピン(220)により、前記ポールシャフト(208)の前記アーム(210)に回動自在に結合されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項6】
前記バネ結合部(102)は、該バネ結合部(102)の前記第2部分(106)から側方外向きに延びる突出部(140)をさらに含み、前記1以上の開路バネ(110)のそれぞれの可動端部(114)は、前記突出部(140)に結合されることを特徴とする請求項5に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項7】
前記バネ結合部(102)は、第1側面(142)及び第2側面(144)をさらに含み、前記突出部はピン(140)であり、該ピン(140)は、前記バネ結合部(102)の前記第1側面(142)から第1方向に沿って側方外向きに延び、かつ、前記バネ結合部(102)の前記第2側面(144)から前記第1方向とは反対の第2方向に沿って側方外向きに延びることを特徴とする請求項6に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項8】
前記1以上の開路バネは、1つの第1開路バネ(110)と1つの第2開路バネ(110’)からなり、前記第1開路バネ(110)の前記可動端部(114)は、前記バネ結合部(102)の前記第1側面(142)上の前記ピン(140)に結合され、前記第2開路バネ(110’)の前記可動端部(114’)は、前記バネ結合部(102)の前記第2側面(144)上の前記ピン(140)に結合されることを特徴とする請求項7に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項9】
前記電気開閉装置(200)の前記ハウジング(202)は、側板(230)と該側板(230)から外向きに延びる少なくとも1つの突起部(240)とを含み、前記1以上の開路バネ(110)のそれぞれの前記固定端部(112)は、前記少なくとも1つの突起部(240)のうちの対応する1つに固定されて結合されるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項10】
前記バネ結合部(102)が前記閉路位置に配置されているとき、前記ポールシャフト(208)に対して互いに反対側に配置されるように構成されているとともに、前記ピボットピン(220)、前記ポールシャフト(208)、及び前記1以上の開路バネ(110)は、略一直線上に並ぶことを特徴とする請求項9に記載の開路アセンブリー(100)。
【請求項11】
ハウジング(202)と、
該ハウジング(202)に囲まれた可分離接点(204)と、
該可分離接点(204)を開閉するための、ポールシャフト(208)を含む作動機構(206)と、
請求項1から10のいずれか1項に記載の開路アセンブリー(100)と、を含むことを特徴とする電気開閉装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年2月6日に出願された米国特許出願第13/336,538号の利益を主張するものであり、この出願は、参考として本明細書に含まれる。
本出願に開示される思想は、電気開閉装置、特に、遮断器のような電気開閉装置に関する。本出願に開示される思想は、電気開閉装置のための開路アセンブリーにも関する。
【背景技術】
【0002】
電気システムは、遮断器のような電気開閉装置によって、例えば、電流過負荷、短絡、異常電圧、及び他の障害状態のような電気的障害状態から保護される。通常、遮断器は、作動機構を含み、この作動機構は、上記の障害状態の検出に応答して、例えばトリップ装置によって、電気接点アセンブリーを開き、電気システムの導体を通じた電流の流れを中断させる。電気接点アセンブリーは、固定電気接点と、固定電気接点から分離可能な、対応する可動電気接点とを含んでいる。
【0003】
例えば、
図1A及び
図1Bには、電力回路用気中遮断器1の一部が示されている。電力回路用気中遮断器1は、1以上の開路バネ3(
図1及び2には、1つの開路バネ3が、簡略された形で示されている)を使用して、開路動作の間に最大開路ギャップ(例えば、電気接点の分離)を達成及び維持するとともに、場合によっては、開路速度を速めて中断を改善するものである。但し、開路バネの力及びエネルギーは、必要な閉路エネルギーを最小化するため、可能な限り最小化することが望ましい。それぞれの開路バネ3は、その可動端側が、ポールシャフト7に固定されたアーム5に取付けられる。この構成により、閉路バネ3は、ポールシャフト7が開路位置(
図1A)から閉路位置(
図1B)まで回転するにつれて、開路長Lo(
図1A)から閉路長Lc(
図1B)まで引き伸ばされる。ポールシャフト7は、通常、略一定のモーメントアームを維持するにように設計される(例えば、
図1Aに示す開路時モーメントアームMoと、
図1Bに示す閉路時モーメントアームMcを参照されたい)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最大開路ギャップを達成及び維持することは、中断後、ゴミ及び分路挙動によって、必要な開路力が増大するため、特に困難となる。1つの選択肢は、開路バネを強めることである。しかしながら、対応する閉路バネを強めることなく開路バネを強めると、装置のストール及び閉路の不十分性が生じるおそれがある。強められた開路バネに対抗して閉じることは、閉路動作における後の段階、可動接点が固定接点上に着座して接点バネが寄与因子となった後に、より顕著に困難になる。また、開路バネの強さに対抗するために閉路バネの数を増やした場合、追加の費用、寿命の短縮、及び、必要な付属品(例えば、閉路ソレノイド及び蓄勢モーター。但し、これらに限定されるものではない)の増加も生じる。このような難点は、遮断器用ポールが追加されるにつれて、ますます重大な問題となる。
【0005】
したがって、遮断器のような電気開閉装置、及び、電気開閉装置のための開路アセンブリーには、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの要求及び他の要求は、電気開閉装置(例えば、遮断器。但し、これに限定されるものではない)のための開路アセンブリーに関する、開示される思想の実施形態により達成される。特に、この開路アセンブリーでは、開路バネは、全開状態では比較的大きなポールシャフトトルクを発生させて開路ギャップ(例えば、電気接点の分離)を維持し、かつ、閉路状態の近傍では、発生するトルクを略ゼロとして、閉路動作を容易にするように、開路バネを構成するものである。
【0007】
本出願に開示される思想の一態様では、電気開閉装置のための開路アセンブリーが提供される。電気開閉装置は、ハウジング、ハウジングに囲まれた可分離接点、及び可分離接点を開閉するための作動機構を含み、作動機構は、ポールシャフトを含んでいる。開路アセンブリーは、ポールシャフトに回動自在に結合されるように構成される第1部分、及び第1部分の略反対側に配置される第2部分を含んで、開路位置と閉路位置との間を移動可能なバネ結合部と、ハウジングに固定されて結合されるように構成される固定端部、及びバネ結合部の第2部分に結合される可動端部をそれぞれ含む1以上の開路バネと、を含む。開路アセンブリーは、バネ結合部が開路位置に配置されているとき、1以上の開路バネがバネ結合部及びポールシャフトを付勢して可分離接点の最大分離を維持し、かつ、バネ結合部が前記閉路位置に配置されているとき、1以上の開路バネがポールシャフトを付勢しないように構成されている。
【0008】
バネ結合部は、第1部分と第2部分との間に延びる中間部分をさらに含むものであってもよい。中間部分は、バネ結合部が閉路位置に配置されているときに、バネ結合部がポールシャフトの一部の回りに延びる構成を備えるために、弓形形状を有するものであってもよい。
【0009】
ポールシャフトは、ポールシャフトから外向きに延びるアームを含むものであってもよい。バネ結合部の第1部分は、アームに回動自在に結合されるように構成されているものであってもよい。バネ結合部は、向かい合わせに互いに離れて配置された一対の略同一の平板状部材から形成され、ポールシャフトのアームの一部は、一対の略同一の平板状部材の間に配置されるように構成されているものであってもよい。
【0010】
本出願に開示される思想の一態様では、ハウジングと、ハウジングに囲まれた可分離接点と、可分離接点を開閉するための、ポールシャフトを含む作動機構と、開路アセンブリーとを含んでいることを特徴とする電気開閉装置が提供される。開路アセンブリーは、ポールシャフトに回動自在に結合されるように構成される第1部分、及び第1部分の略反対側に配置される第2部分を含んで、開路位置と閉路位置との間を移動可能なバネ結合部と、ハウジングに固定されて結合されるように構成される固定端部、及びバネ結合部の第2部分に結合される可動端部をそれぞれ含む1以上の開路バネと、を含む。開路アセンブリーは、バネ結合部が開路位置に配置されているとき、1以上の開路バネがバネ結合部及びポールシャフトを付勢して可分離接点の最大分離を維持し、かつ、バネ結合部が前記閉路位置に配置されているとき、1以上の開路バネがポールシャフトを付勢しないように構成されている。
【0011】
本出願に開示される思想は、以下に記載する好適な実施形態の説明を、添付図面とともに読むことにより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】
図1A及び
図1Bは、既知の遮断器及びその開路アセンブリーの一部を示す側面図であり、
図1Aは、開路状態の遮断器に相当する。
【
図1B】
図1A及び
図1Bは、既知の遮断器及びその開路アセンブリーの一部を示す側面図であり、
図1Bは、閉路状態の遮断器に相当する。
【
図2】
図2は、本出願に開示される思想の一実施形態に従う遮断器及びその開路アセンブリーを示す側面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す開路アセンブリーの、遮断器が開路状態のときの配置を示す拡大図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す拡大図を、遮断器が閉路状態のときの開路アセンブリーを示すように変更して示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す開路アセンブリーの一部を示す等角投影図である、
【
図6A】
図6A及び
図6Bは、本出願に開示される思想の一実施形態に従う遮断器及びその開路アセンブリーの一部を示す側面図であり、
図6Aは、開路状態の遮断器に相当する。
【
図6B】
図6A及び
図6Bは、本出願に開示される思想の一実施形態に従う遮断器及びその開路アセンブリーの一部を示す側面図であり、
図6Bは、閉路状態の遮断器に相当する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される方向に関する用語(例えば、左、右、時計回り、反時計回り、及び、これらから派生する用語)は、図中の要素の向きに関するものであり、明示的に記載されていない限り、請求項を限定するものではない。
本明細書で用いられる場合、2以上の部品が「結合されている」という記載は、それらの部品が直接結合されているか、または、1以上の中間部品を介して結合されているかのいずれかを意味する。
本明細書で用いられる場合、「1以上の」という用語は、1または1よりも大きい整数(すなわち、複数)を意味する。
【0014】
図2は、電気開閉装置の開路アセンブリー100を示す。電気開閉装置は、例えば、遮断器200であるが、これに限定されるものではない。遮断器200は、ハウジング202、ハウジング202に囲まれた可分離接点204(
図2には、簡略化されて示されている)、及び可分離接点204を開閉するための作動機構206(
図2には、簡略されて示されている)を含んでいる。作動機構206は、ポールシャフト208(
図5の等角投影図に、詳細に示されている)を含む。
【0015】
開路機構100は、バネ結合部102を含んでおり、バネ結合部102は、ポールシャフト208に回動自在に結合されるように構成される第1部分104と、第1部分104の略反対側に配置される第2部分106とを含む。バネ結合部102は、開路位置(
図2、
図3、
図5、及び
図6A)と閉路位置(
図4及び
図6B)との間を移動可能なものである。開路機構100は、さらに、1以上の開路バネ110を含んでおり、それぞれの開路バネ110は、遮断器ハウジング202に固定されて結合される固定端部112と、バネ結合部102の第2部分106に結合される可動端部114とを含んでいる。
【0016】
上述した構造に鑑みると、バネ結合部102が開路位置(
図2、
図3、
図5、及び
図6A)に配置されているとき、1以上の開路バネ110が、バネ結合部102及びポールシャフト208を(
図2の視点では、反時計回りに)付勢して、可分離接点204(
図2)の最大分離を維持するように構成されている。言い換えれば、本出願に開示される思想では、開路バネ110、及び、開路バネ110のバネ結合部102を介したポールシャフト208への取付けは、全開状態(例えば、可分離接点204(
図2参照)の間の開路ギャップを維持するための状態。但し、これに限定されるものではない)において、比較的大きなポールシャフトトルクが生じるように構成されている。
【0017】
加えて、バネ結合部102が閉路位置(
図4及び
図6B)に配置されているときには、1以上の開路バネ110が、ポールシャフト208を付勢しないように構成されている。言い換えれば、閉路状態において、1以上の開路バネ110によって印加されるトルクは、略ゼロである。これによって、必要な閉路エネルギー及びそれに関連して遮断器の構成要素に印加される応力が低減する。さらに、閉路バネに対する要求が低減することによって、閉路エネルギーが低減するか、または、閉路マージンが増大する。有利なことに、閉路エネルギーが低減すると、付属品(例えば、バネ開放装置、電動操作装置。但し、これらに限定されるものではない)に対する要求が低減し、また、寿命が増大する。また、閉路マージンの増大により、閉路速度の増大及び接点バネの低減の一方または両方を要することなく、中断後の変動及び遮断器性能が調整される。以下、開示された開路機構100がこれらの利点を達成する特定の態様について詳述する。
【0018】
図2を参照しつつ、
図3〜
図6Bも参照すると、開示された開路アセンブリー100のバネ結合部102は、さらに、第1部分104と第2部分106との間に延びる中間部分120を含んでおり、中間部分120は、好ましくは、弓形形状を有している。このような弓形形状により、バネ結合部102は、バネ結合部102が閉路位置(
図4及び
図6B)に配置されているときに、遮断器ポールシャフト208の一部の回りに延びることが可能となる。
【0019】
図5の等角投影図に詳細に示すように、ポールシャフト208は、好ましくは、アーム210を含み、アーム210は、ポールシャフト208から外向きに延びるものである。バネ結合部102の第1部分104は、アーム210に回動自在に結合されるように構成されている。図示の例では、バネ結合部102は、一対の略同一の平板状部材130、132から形成され、これらの平板状部材130、132は、向かい合わせに互いに離れて配置されている。これに応じて、ポールシャフト208のアーム210の一部は、図示されるように、一対の略同一の平板状部材130、132の間に配置されている。ポールシャフト208は、さらに、ピボットピン220を含んでいる。バネ結合部102は、ピボットピン220により、ポールシャフトのアーム210に回動自在に結合される。
【0020】
引き続き
図5を参照すると、開路アセンブリー100のバネ結合部102は、さらに、バネ結合部102の第2部分106から側方外向きに延びる突出部140を含んでいる。
図5に示す例において、この突出部はピン140であり、バネ結合部102の第1側面142から、第1方向に沿って側方外向きに延び、かつ、バネ結合部102の第2側面144から、第1方向とは反対の第2方向に沿って側方外向きに延びている。
図5の例に部分的に示すように、本出願に開示される思想の範囲から逸脱することなく、複数の開路バネを使用することができる。例えば、第1開路バネ110は、バネ結合部102の第1側面142上のピン140に結合される可動端部114を含み、第2開路バネ110’は、バネ結合部102の第2側面144上のピン140に結合される可動端部114’を含んでいる。
【0021】
但し、任意の既知のまたは適切な数、種類、及び/または構成のバネ結合部(例えば、102)、及び、開路バネ(例えば、110、110’。但し、これらに限定されるものではない)のいずれか一方または両方を使用することも可能である。本明細書において、1つの開路アセンブリー100とそのためのバネ結合部102のみが詳細に説明されているのは、説明の効率化と図示の簡明化のためである。
【0022】
図6A及び
図6Bに示すように、例示された遮断器200のハウジング202は、側板230と少なくとも1つの突起部240とを含んでいる。突起部240は、図示されるように、側板230から外向きに延びるものである。1以上の開路バネ(例えば、110)のそれぞれの固定端部112は、少なくとも1つの突起部240のうちの対応する1つに固定されて結合される。
【0023】
図4及び
図6Bに示すように、動作時において、バネ結合部102が閉路位置に配置されると、図示されるように、第1部分104及び第2部分106は、ポールシャフト208に対して互いに反対側に配置される。この結果、ピボットピン220、ポールシャフト208、及び1以上の開路バネ110は、(非限定的な例として、図示される長手軸300に沿って)略一直線上に並ぶことになる。図示されるように、1以上の開路バネ110、ピン140、ポールシャフト208、ピボットピン220、及び突起部240は、全て軸300に沿って略一直線上に並んでいる。そして、このような配列の結果として、モーメントアームは略ゼロとなる(例えば、
図6Bに示すモーメントアームMc=0参照)。言い換えれば、閉路位置において、1以上の開路バネ110から、バネ結合部102またはポールシャフト208に対して印加されるトルクは、略ゼロである。これによって、閉路バネに対する要求が低減し、閉路エネルギーを低減させることが可能となるとともに、上述したように、閉路マージンが増大する。
【0024】
開示された開路アセンブリー100において、バネ結合部102は、バネ結合部102が
図6Aに示す開路位置に配置されているときには、所望に応じて、モーメントアームMoを達成するように設計されている。
図6Aと
図6Bとを比較すれば分かるように、バネ結合部102が
図6Aに示す開路位置に配置されているときの開路バネ長Loは、バネ結合部102が
図6Bに示す閉路位置に配置されているときの閉路バネ長Lcと、比較的同様の長さである。これによって、上述したように閉路時のモーメントアームが略ゼロ(
図6B参照)であることと併せて、遮断器の動作に対して顕著に有利な効果を奏する。
【0025】
例えば、開示された開路アセンブリー100が消費するエネルギーは、従来の閉路バネ構成が消費するエネルギーの40パーセント未満である。さらに、開路アセンブリー100では、全開状態で発生させることができるポールシャフトトルクを、エネルギー消費を従来の構成の半分よりも少なくしつつ、従来の構成よりも20パーセント増大させることが可能となる。
【0026】
したがって、開示された開路アセンブリー100は、とりわけ、特有のバネ結合部102と開路バネ110構成により、全開状態(例えば、可分離接点204(
図2参照)の間の開路ギャップを維持するための状態。但し、これに限定されるものではない)において所望のポールシャフトトルクを発生させつつ、閉路状態においては、発生するトルクを略ゼロとし、これによって必要な閉路エネルギー及びそれに関連する応力を低減するために、有効に機能するものである。
【0027】
以上、本出願に開示される思想の特定の実施形態を詳細に説明してきたが、当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、これらの詳細に対して様々な変形及び代替を実現することが可能である。したがって、開示された特定の構成は、例示のみを目的として記載されたものであって、本出願に開示される思想の範囲を限定するものではない。本出願に開示される思想は、添付請求項並びにその任意の及び全ての均等物の全範囲として与えられる。