(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機溶媒は、酢酸エチル、ベンジルアルコール、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、酢酸、トウィーン80及びスパン80及びそれらの2種以上の組み合わせから選択される溶媒を含む請求項1の方法。
前記薬剤可溶化剤は、トウィーン80、トウィーン20、ポリビニルピロリドン、シクロデキストラン、硫酸ドデシルナトリウム及びコール酸ナトリウムからなる群から選択される請求項1〜12のいずれか1つの方法。
前記薬剤可溶化剤は、ジエチルニトロソアミン、酢酸ナトリウム、尿素、グリセリン、プロピレングリコール、グリコフロール、ポリ(エチレン)グリコール、ブリスポリオキシエチレングリコールドデシルエーテル、安息香酸ナトリウム及びサリチル酸ナトリウムからなる群から選択される請求項1〜12のいずれか1つの方法。
前記濾過は、2〜5ダイアボリュームを0℃〜5℃で処理し、次いで、少なくとも1ダイアボリュームを25℃で少なくとも一定時間処理することを含む請求項25の方法。
前記第1のポリマーがポリ(乳)酸−ブロック−ポリ(エチレン)グリコールもしくはポリ(乳)酸−コ−グリコール酸−ブロック−ポリ(エチレン)グリコールである請求項1〜29のいずれか1つの方法。
前記治療剤が、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ゲムシタビン(ジェムザール)、ダウノルビシン、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキセート、5−フルオロウラシル(5−FU)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)、アルデスロイキン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビン、カンプトテシン、CPT−11,10−ヒドロキシ−7−エチルカンプトテシン(SN38)、ダカルバジン、S−Iカペシタビン、フトラフール、5’ −デオキシフルオロウリジン、UFT、エニルウラシル、デオキシシチジン、5−アザシトシン、5‐アザデオキシシトシン、アロプリノール、2−クロロアデノシン、トリメトレキサート、アミノプテリン、メチレン−10−デアザアミノプテリン(MDAM)、オキサリプラチン、ピコプラチン、テトラプラチン、サトラプラチン、白金‐DACH、オルマプラチン、CI‐973、JM‐216、エピルビシン、エトポシドホスフェート、9−アミノカンプトテシン、10,11−メチレンジオキシカンプトテシン、カレニテシン、9−ニトロカンプトテシン、TAS103、ビンデシン、L−フェニルアラニンマスタード、イホスファミデメホスファミド、ペルホスファミド、トロホスファミドカルムスチン、セムスチン、エポチロンA〜E、トムデックス、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アムサクリン、エトポシドホスフェート、カレニテシン、アシクロビル、バルアシクロビル、ガンシクロビル、アマンタジン、リマンタジン、ラミブジン、ジドブジン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ及び5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ブデソニド、シロリムス、ビンクリスチンならびにそれらの組み合わせの化学療法剤からなる群から選択される請求項1〜45のいずれか1つの方法。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、一般的に、活性薬剤もしくは治療薬もしくは薬を含むポリマーナノ粒子及び
治療用ナノ粒子の製造及び使用方法に関する。一般に「ナノ粒子」とは、直径が1000
nm未満、例えば、約10nm〜約200nmの粒子を指す。開示の治療用ナノ粒子は、
直径が約60〜約120nm、もしくは約70〜約130nm、もしくは約60〜約14
0nmのナノ粒子を含むことができる。
【0045】
開示のナノ粒子は、抗腫瘍薬等の活性剤、例えばタキサン剤(例えばドセタキセル)を
、約0.2〜約35重量パーセント、約3〜約40重量パーセント、約5〜約30重量パ
ーセント、10〜約30重量パーセント、15〜25重量パーセント、もしくは約4〜約
25重量パーセントを含むことができる。
【0046】
ここに開示のナノ粒子は、1種、2種、3種もしくはそれ以上の生体適合性ポリマー及
び/または生分解性ポリマーを含む。例えば、考えられるナノ粒子は、生分解性ポリマー
及びポリエチレングリコールを含む1種以上のブロックコポリマーを約10〜約99重量
パーセント及び生分解性ホモポリマーを約0〜約50重量パーセントを含むことができる
。
【0047】
ある実施例において、開示の治療用ナノ粒子は、標的化リガンドを含むことができ、例
えば、前立腺癌等の、疾病もしくは障害の治療を必要とする患者における、その治療に効
果的な低分子量PSMAリガンドを含むことができる。実施形態では、低分子量リガンド
はポリマーに結合しており、ナノ粒子は、リガンド結合ポリマー(例えば、PLA−PE
G−リガンド)と非官能化ポリマー(例えば、PLA−PEGもしくはPLGA−PEG
)の一定の比率を含む。有効量のリガンドが癌等の疾病、疾患の治療のためのナノ粒子に
会合されるように、このナノ粒子は、これら2つのポリマーの最適な比率を有することが
できる。例えば、リガンド密度の増加は、標的結合(細胞の結合/標的の取り込み)を増
加させ、このナノ粒子を「標的特異的」にする。あるいは、ナノ粒子中の特定濃度の非官
能化ポリマー(例えば、非官能化PLGA‐PEGコポリマー)は、炎症及び/または免
疫原性(すなわち、免疫応答を引き起こす能力)を制御し、このナノ粒子が、疾病もしく
は疾患(例えば、前立腺癌)の治療のために十分な循環半減期を有することができるよう
にする。さらに、非官能化ポリマーは、いくつかの実施例において、網内系(RES)に
よる循環器系からのクリアランスの速度を低下させることができる。すなわち、非官能化
ポリマーは、投与と同時に粒子が身体内を移動可能になる特性をナノ粒子に提供すること
ができる。
ある実施形態において、非官能化ポリマーは、ともすれば患者によるクリアランスを加
速して、標的細胞への送達量を少なくする可能性のある、高濃度なリガンドのバランスを
保つ。
【0048】
例えば、本明細書中で開示するのは、ナノ粒子のポリマー組成全体(すなわち、官能化
ポリマー+非官能化ポリマー)のうちほぼ0.1〜30、例えば、0.1〜20、例えば
、0.1〜10モルパーセントを構成するリガンドに結合した官能化ポリマーを含むこと
ができるナノ粒子である。また本明細書中では、別の実施形態において、1つ以上の低分
子量リガンドに複合化(例えば、共有結合的に(つまり、リンカー(例えば、アルキレン
リンカー)もしくは結合を介して)したポリマーを含むナノ粒子であって、低分子量リガ
ンドの全ポリマーに対する重量パーセントが、約0.001〜5、例えば、約0.001
〜2、例えば、約0.001〜1であるナノ粒子を開示する。
【0049】
また、本明細書中では、活性剤を約2〜約20重量パーセント含むポリマーナノ粒子を
提供する。例えば、かかるナノ粒子を含む組成物は、有効量を、例えば、標的である患者
の身体領域に送達できる。
【0050】
例えば、開示のナノ粒子は、生物学的部分、例えば、特定の膜成分または細胞表面受容
体に、効率的に結合するかまたはそうでなければ会合することができる。治療剤の標的化
(例えば、特定の組織の種類または細胞の種類、特異的な患部組織等は標的化するが、正
常な組織は標的化しない)は、固形腫瘍癌(例えば、前立腺癌)等の組織特異的な疾患の
治療に望ましい。例えば、細胞障害性抗癌剤の全身送達とは対照的に、本明細書中に開示
のナノ粒子は、薬剤が健康な細胞を死滅させるのを実質的に防ぐことが可能である。さら
に、開示のナノ粒子は、低用量の抗癌剤のコントロールを可能にするものであることがで
き(開示されたナノ粒子もしくは製剤を用いずに投与される有効量の剤に対して)、従来
の化学療法に一般的に付随する望ましくない副作用を減少することができる。
【0051】
ポリマー
いくつかの実施形態において、本発明のナノ粒子は、ポリマー及び治療薬のマトリック
スを含む。いくつかの実施形態において、治療薬及び/または標的化部分(すなわち、低
分子量PSMAリガンド)は、ポリマーマトリックスの少なくとも一部分と会合したもの
とすることができる。例えば、いくつかの実施形態において、標的化部分(例えば、リガ
ンド)は、ポリマーマトリックスの表面に共有結合で会合することができる。いくつかの
実施形態において、共有結合会合は、リンカーによって媒介される。治療薬は、ポリマー
マトリックスの表面と会合するか、ポリマーマトリックスで封入するか、ポリマーマトリ
ックスに包囲されているか、及び/またはその全体に分散したものとすることができる。
【0052】
種々のポリマー及びポリマーからの粒子形成方法が、薬剤送達の分野において知られて
いる。いくつかの実施形態において、本開示は、少なくとも2つの巨大分子を有するナノ
粒子を対象とし、ここで第1の巨大分子は、低分子量リガンド(例えば、標的化部分)に
結合した第1のポリマー;及び標的化部分に結合していない第2のポリマーを含む第2の
巨大分子を含む。ナノ粒子は任意に、1種以上の非官能化ポリマーを追加で含むことがで
きる。
【0053】
本発明によれば、あらゆるポリマーを使用することができる。ポリマーは天然ポリマー
であってもよいし、非天然(合成物)ポリマーであってもよい。ポリマーは、ホモポリマ
ーもしくは2つ以上のモノマーを含むコポリマーとすることができる。配列の点では、コ
ポリマーはランダム、ブロック、もしくはランダムとブロック配列の組み合わせを含むこ
とができる。代表的には、本発明に係るポリマーは有機巨大分子である。
【0054】
本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、当該技術分野において使用される通
常の意味を付与される、すなわち、共有結合的な結合によって接続される、1つもしくは
複数の反復ユニット(モノマー)を含む分子構造である。該反復ユニットは、すべて同一
であるか、またはいくつかの場合において、ポリマーの中に2つ以上の種類の反復ユニッ
トが存在していてもよい。いくつかの場合において、ポリマーは、生物学的に由来する、
すなわち、バイオポリマーである。ポリマーの非限定的な例には、ペプチドもしくはタン
パク質が含まれる。いくつかの場合において、例えば、後に記載される生物学的部分のよ
うな、追加の部分も該ポリマー中に存在していてもよい。ポリマーの中に2種類以上の反
復ユニットが存在する場合、このポリマーは「コポリマー」であると言われる。ポリマー
を用いるいずれの実施形態においても、用いられるポリマーは、場合によってはコポリマ
ーである可能性があることを理解されたい。該コポリマーを形成する反復ユニットは、任
意の様式で配置させることができる。例えば、反復ユニットは、ランダムな順序で、交互
の順序で、またはブロックコポリマーとして配置されていてもよく、すなわち、それぞれ
が第1の反復ユニット(例えば、第1のブロック)を含む1つもしくは複数の領域と、そ
れぞれが第2の反復ユニット(例えば、第2のブロック)を含む1つもしくは複数の領域
とを含む等の配置が可能である。ブロックコポリマーは、2つ(ジブロックコポリマー)
、3つ(トリブロックコポリマー)、またはそれより多い数の別個のブロックを有するこ
とができる。
【0055】
開示の粒子はコポリマーを含むことができ、いくつかの実施形態において、通常2つ以
上のポリマーの共有結合的な結合によって互いに会合された2つ以上のポリマー(本明細
書に記載されるような)について記載する。したがって、コポリマーは、共に複合化され
てブロックコポリマーを形成する第1のポリマー及び第2のポリマーを含むことができ、
第1のポリマーは該ブロックコポリマーの第1のブロックとすることができ、第2のポリ
マーは該ブロックコポリマーの第2のブロックとすることができる。当業者は、ブロック
コポリマーは、いくつかの場合において、複数のポリマーのブロックを含有することがで
きること、また「ブロックコポリマー」は、本明細書で使用される場合、単一の第1のブ
ロック及び単一のブロックのみを有するブロックコポリマーのみに限定されないことを理
解する。例えば、ブロックコポリマーは、第1のポリマーを含む第1のブロック、第2の
ポリマーを含む第2のブロック及び第3のポリマーまたは第1のポリマーを含む第3のブ
ロック等を含むことができる。いくつかの場合において、ブロックコポリマーは、任意の
数の第1のポリマーの第1のブロック及び第2のポリマーの第2のブロック(そして特定
の場合においては、第3のブロック、第4のブロック等)を含むことができる。また、ブ
ロックコポリマーは、いくつかの場合において、他のブロックコポリマーからも形成され
ていてもよいことを理解されたい。例えば、第1のブロックコポリマーは、複数の種類の
ブロックを含有する新しいブロックコポリマーを形成するために別のポリマー(ホモポリ
マー、バイオポリマー、別のブロックコポリマー等である可能性がある)と複合化するこ
とができ及び/または他の部分(例えば、ポリマー以外の部分)と複合化することができ
る。
【0056】
いくつかの実施形態において、ポリマー(例えば、コポリマー、例えば、ブロックコポ
リマー)は両親媒性であってもよい。すなわち、親水性の部位及び疎水性の部位を有する
か、または比較的親水性である部位及び比較的疎水性である部分を有していてもよい。親
水性ポリマーは、一般的に水を引き付けるポリマーであってもよく、疎水性ポリマーは、
一般的に水をはじくポリマーであってもよい。親水性または疎水性ポリマーは、例えば、
ポリマーのサンプルを製造し、水との接触角を測定することによって、識別することがで
きる(典型的には、ポリマーは60°未満の接触角を有し、一方、疎水性ポリマーは約6
0°を上回る接触角を有する)。いくつかの場合において、2つ以上のポリマーの親水性
は、互いに比較して測定することができる。すなわち、第1のポリマーは、第2のポリマ
ーよりも親水性である可能性がある。例えば、第1のポリマーは、第2のポリマーよりも
小さい接触角を有する可能性がある。
【0057】
一セットの実施形態において、本明細書中で考えられるポリマー(例えば、コポリマー
、例えば、ブロックコポリマー)は、生体適合性ポリマー、すなわち、生体内に挿入また
は注入された場合に、例えば、T細胞応答を介した免疫系による有意な炎症及び/または
ポリマーの急性拒絶を起こさず、典型的には有害反応を誘発しないポリマー、を含む。従
って、本明細書中で考えられる治療用粒子は、非免疫原性とすることができる。本明細書
中で用いる非免疫原性という用語は、その自然な状態において、通常、循環抗体、T細胞
、もしくは反応性免疫細胞を全く誘発しないか、もしくは最低限のレベルでしか誘発せず
、通常個体において個体自身に対する免疫反応を誘発しない、内在性増殖因子を指す。
【0058】
生体適合性は、免疫系の少なくとも一部分による物質の拒絶を指し、すなわち、対象に
埋め込まれた非生体適合性の物質は、免疫系による物質の拒絶を適切に抑制することがで
きないほど重度であり、しばしば対象からこの物質を除去しなければならないような程度
となり得る免疫応答を対象に引き起こす。生体適合性を判定するための簡単な試験の1つ
は、ポリマーを生体外で細胞に曝露することであってもよい。生体適合性ポリマーは、典
型的には中程度の濃度、例えば、50μg/106細胞の濃度では、有意な細胞死を引き
起こさないポリマーである。例えば、生体適合性ポリマーは、線維芽細胞または上皮細胞
等の細胞に暴露されると、このような細胞によって貪食されても、または取り込まれても
、約20%未満の細胞死を引き起こす可能性がある。本発明の様々な実施形態において有
用である可能性がある生体適合性ポリマーの非限定的な例には、ポリジオキサノン(PD
O)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(セバシン酸グリセ
ロール)、ポリグリコリド、ポリ乳酸、PLGA、ポリカプロラクトン、あるいはこれら
の及び/または他のポリマーを含むコポリマーもしくは誘導体が含まれる。
【0059】
ある実施形態において、考えられる生体適合性ポリマーは生分解性とすることができる
。すなわち、ポリマーは、化学的に及び/または生物学的に、身体等の生理的環境内で分
解できる。本明細書中で使用する「生分解性」ポリマーは、細胞内に導入された場合、細
胞機構(生物学的に分解可能)によって、及び/または、加水分解(化学的に分解可能)
等の化学的過程によって、細胞に有意な毒性効果を及ぼすことなく、細胞が再利用できる
か、または排出できる成分に分解され得るポリマーである。ある実施形態において、生分
解性ポリマーならびにそれらの分解副産物は、生体適合性とすることができる。
【0060】
例えば、考えられるポリマーは、水に曝露されると(例えば、対象内で)、瞬時に加水
分解するポリマーであってもよく、このポリマーは、熱に曝露されると(例えば、約37
℃の温度で)、分解することができる。ポリマーの分解は、使用されるポリマーまたはコ
ポリマーに依存して、様々な速度で起こりうる。例えば、該ポリマーの半減期(ポリマー
の50%が、モノマー及び/または他のポリマー以外の部分に分解され得る時間)は、ポ
リマーに依存して、数日間、数週間、数ヶ月間、または数年間とすることができる。この
ポリマーは、いくつかの場合において、例えば、リゾチーム(例えば、比較的低いpHを
有する)への曝露を介して、例えば、酵素活性または細胞機構によって、生物学的に分解
され得る。いくつかの場合において、該ポリマーは、細胞に有意な毒性効果を及ぼすこと
なく、細胞が再利用できるか、または排出できるモノマー及び/または他のポリマー以外
の部分に分解され得る(例えば、ポリ乳酸は、加水分解されて乳酸を形成することができ
、ポリグリコリドは、加水分解されてグリコール酸等を形成することができる)。
【0061】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、本明細書において集合的に「PLGA」と
称される、ポリ(乳酸‐コ‐グリコール酸)及びポリ(ラクチド‐コ‐ グリコリド)等
の乳酸及びグリコール酸単位を含むコポリマー、本明細書において「PGA」と称される
グリコール酸単位を含むホモポリマー、ならびに、本明細書において集合的に「PLA」
と称される、ポリ‐L‐乳酸、ポリ‐D‐乳酸、ポリ‐D、L‐乳酸、ポリ‐L‐ラクチ
ド、ポリ‐D‐ラクチド、及びポリ‐D、L‐ラクチド等の乳酸単位、を含むポリエステ
ルとすることができる。いくつかの実施形態において、例示的なポリエステルは、例えば
、ポリヒドロキシ酸、ラクチド及びグリコリドのペグ化ポリマー及びコポリマー(例えば
、ペグ化PLA、ペグ化PGA、ペグ化PLGA)、ならびにそれらの誘導体を含む。い
くつかの実施形態において、ポリエステルは、例えば、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエス
テル)、ペグ化ポリ(オルトエステル)、ポリ(カプロラクトン)、ペグ化ポリ(カプロ
ラクトン)、ポリリジン、ペグ化ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ペグ化ポリ(エ
チレンイミン)、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐L‐リジン)、ポリ(セリンエステル)、ポ
リ(4‐ヒドロキシ‐L‐プロリンエステル)、ポリ[a‐(4‐アミノブチル)‐L‐
グリコール酸]、及びそれらの誘導体を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、該ポリマーはPLGAとすることができる。PLGAは
、生体適合性及び生分解性の乳酸とグリコール酸とのコポリマーであり、乳酸:グリコー
ル酸の比率によって、様々な形態のPLGAが特徴付けられる。乳酸は、L−乳酸、D−
乳酸、またはD,L−乳酸とすることができる。PLGAの分解率は、乳酸−グリコール
酸の比率を変更することによって調節することができる。いくつかの実施形態において、
本発明にしたがって使用されるPLGAは、約85:15、約75:25、約60:40
、約50:50、約40:60、約25:75、または約15:85の乳酸:グリコール
酸の比率によって特徴付けられる。いくつか実施形態において、該ナノ粒子のポリマー(
例えば、PLGAブロックコポリマーまたはPLGA−PEGブロックコポリマー)内の
乳酸対グリコール酸モノマーの比率を最適化することにより、水の取り込み、治療剤の放
出(例えば、「徐放」)及びポリマー分解動態等のナノ粒子のパラメータを最適化するこ
とができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、1つもしくは複数のアクリルポリマーとす
ることができる。特定の実施形態において、アクリルポリマーは、例えば、アクリル酸と
メタアクリル酸とのコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタ
クリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、
ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタアクリル酸)、メタアクリル酸アルキルアミドコポリマ
ー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタアクリル酸ポリアクリルアミド)、アミ
ノアルキルメタクリレートコポリマー、グリシジルメタクリレートコポリマー、ポリシア
ノアクリレート、及び上記ポリマーのうちの1つもしくは複数を含む組み合わせ、を含む
。該アクリルポリマーは、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルと低含有量の
四級アンモニウム基との完全に重合したコポリマーを含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、カチオン性ポリマーとすることができる。
一般的に、カチオン性ポリマーは、負電荷を有する核酸の鎖(例えば、DNA、RNAま
たはその誘導体)を縮合及び/または保護することができる。ポリ(リジン)、ポリ(エ
チレンイミン)(PEI)、及びポリ(アミドアミン)デンドリマー等のアミン含有ポリ
マーの使用が、開示の粒子のいくつかの実施形態では考えられる。
【0065】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、カチオン性側鎖を有する分解可能なポリエ
ステルとすることができる。これらのポリエステルの例には、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐
L‐リジン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(4‐ヒドロキシ‐L‐プロリンエステル
)を含む。
【0066】
本明細書中で開示する粒子は、PEGを含んでもよく、含まなくてもよい。また、特定
の実施形態は、ポリ(エステル‐エーテル)、例えば、エステル結合(例えば、R−C(
O)−O−R’結合)及びエーテル結合(例えば、R−O−R’結合)によって連結され
た反復単位を有するポリマーを含有するコポリマーを対象とする。本発明のいくつかの実
施形態において、カルボキシル酸基を含有する、加水分解性ポリマー等の生分解性ポリマ
ーは、ポリ(エチレングリコール)反復単位と複合化させてポリ(エステル−エーテル)
を形成することができる。ポリ(エチレングリコール)反復単位を含有するポリマー(例
えば、コポリマー、例えば、ブロックコポリマー)も、「ペグ化」ポリマーと称すること
ができる。
【0067】
例えばPEGがリガンドに結合していない場合、PEGは末端基を含むことができると
考えられる。例えば、PEGは末端がヒドロキシル基、メトキシ基もしくはその他のアル
コキシル基、メチル基もしくはorアルキル基、アリール基、カルボン酸基、アミン基、
アミド基、アセチル基、グアニジノ基、もしくはイミダゾール基とすることができる。そ
の他の考えられる末端基は、アジド基、アルキン基、マレイミド基、アルデヒド基、ヒド
ラジド基、ヒドロキシルアミン基、アルコキシアミン基もしくはチオール部分を含む。
【0068】
当業者は、例えば、開環重合技術(ROMP)等を用いて、EDC(l‐エチル‐3‐
(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)及びNHS(N‐ヒドロキシス
クシンイミド)を使用して、アミンで終端するPEG基とポリマーを反応させる、ポリマ
ーのペグ化のための方法及び技術を理解するであろう。
【0069】
ある実施形態において、ポリマーの分子量は、本明細書中で開示する効果的な治療のた
めに最適化される。例えば、ポリマーの分子量は、粒子の分解率(特に、生分解性ポリマ
ーの分子量が調節される場合)、溶解度、水の取り込み、及び薬剤放出動態に影響する。
さらなる例として、該ポリマーの分子量は、治療される対象において、妥当な期間内(数
時間から1〜2週間、3〜4週間、5〜6週間、7〜8週間等の範囲)に該ナノ粒子が生
分解するように調節することができる。開示の粒子は、例えば、PEGとPL(GA)と
のジブロックコポリマーを含むことができ、ここで、例えば、PEG部分は、1、000
〜20、000、例えば、5、000〜20、000、例えば、10、000〜20、0
00の分子量を有し、PLGAは、約5、000〜約20、000、もしくは約5、00
0〜100、000、例えば約20、000〜70、000、 例えば約15、000〜
50、000の分子量を有することができる。
【0070】
例えば、ここに開示する例示的な治療用ナノ粒子としては、ポリ(乳)酸−ブロック−
ポリ(エチレン)グリコールコポリマーもしくはポリ(乳)−コ−ポリ(グリコール)酸
−ブロック−ポリ(エチレン)グリコールコポリマーを約10〜約99重量パーセント、
もしくはポリ(乳)酸−ポリ(エチレン)グリコールコポリマーもしくはポリ(乳)−コ
−ポリ(グリコール)酸−ポリ(エチレン)グリコールコポリマーを約約20〜約80重
量パーセント、約40〜約80重量パーセント、もしくは約30〜約50重量パーセント
、もしくは約70〜約90重量パーセント含むものを挙げられる。例示的なポリ(乳)酸
−ポリ(エチレン)グリコールコポリマーは、約15〜約20kDaの数平均分子量、も
しくはポリ(乳)酸を約10〜約25kDa及び約4〜約6の数平均分子量、もしくはポ
リ(エチレン)グリコールを約2kDa〜約10kDa含有することができる。
【0071】
開示のナノ粒子は、ポリ(乳)酸もしくはポリ(乳)酸−コ−ポリ(グリコール)酸(
PEGを含まない)を約1〜約50重量パーセントを任意に含むことができ、もしくは、
ポリ(乳)酸もしくはポリ(乳)酸−コ−ポリ(グリコール)酸を約1〜約50重量パー
セント、もしくは約10〜約50重量パーセントもしくは約30〜約50重量パーセント
任意に含むことができる。例えば、ポリ(乳)もしくはポリ(乳)−コ−ポリ(グリコー
ル)酸は、約5〜約15kDa、もしくは約5〜約12kDaの数平均分子重量を有する
ことができる。例示的なPLAは、約5〜約10kDaの数平均分子量を有することがで
きる。例示的なPLGAは、約8〜約12kDaの数平均分子量を有することができる。
【0072】
特定の実施形態において、該ナノ粒子のポリマーは、脂質と複合化されていてもよい。
該ポリマーは、例えば、脂質末端PEGとしてもよい。後に記載するように、該ポリマー
の脂質部位は、別のポリマーとの自己組織化のために使用することができ、ナノ粒子の形
成を促進する。例えば、親水性ポリマーは、疎水性ポリマーとともに自己組織化する脂質
と複合化することができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、脂質は油である。一般的に、当該技術分野において既知
である任意の油は、本明細書において使用されるポリマーと複合化することができる。い
くつかの実施形態において、油は、1つもしくは複数の脂肪酸基またはその塩を含むこと
ができる。いくつかの実施形態において、脂肪酸基は、可消化、長鎖(例えば、C
8−C
50)の、置換または非置換の炭化水素を含むことができる。いくつかの実施形態におい
て、脂肪酸基は、C
10−C
20脂肪酸またはその塩とすることができる。いくつかの実
施形態において、脂肪酸基は、C
15−C
20脂肪酸またはその塩とすることができる。
いくつかの実施形態において、脂肪酸は不飽和とすることができる。いくつかの実施形態
において、脂肪酸基は、一価不飽和とすることができる。いくつかの実施形態において、
脂肪酸基は、多価不飽和とすることができる。いくつかの実施形態において、不飽和脂肪
酸基の二重結合は、シス構造とすることができる。いくつかの実施形態において、不飽和
脂肪酸基の二重結合は、トランス構造とすることができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、脂肪酸基は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、
またはリグノセリン酸のうちの1つもしくは複数とすることができる。いくつかの実施形
態において、脂肪酸基は、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α
リノレン酸、γリノレン酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペン
タエン酸、ドコサヘキサエン酸、またはエルカ酸のうちの1つもしくは複数とすることが
できる。
【0075】
特定の実施形態においては、脂質は式V及びその塩である。
式中、Rはそれぞれ独立してC
1‐30アルキルである。
式Vの1つの実施形態において、該脂質は1,2ジステアロイル−sn−グリセロ−3
−ホスホエタノールアミン(DSPE)及びその塩、例えば、ナトリウム塩である。
【0076】
1つの実施形態において、任意の小分子標的化部分は、このナノ粒子の脂質成分に結合
され、例えば、共有結合的に結合される。例えば、本明細書中で提供するのは、治療薬を
含むナノ粒子、官能化及び非官能化ポリマーを含むポリマーマトリックス及び脂質及び低
分子量PSMA標的化リガンドである。ここで、標的化リガンドは、このナノ粒子の脂質
成分に結合され、例えば、共有結合的に結合される。ある実施形態において、低分子量標
的化部分に結合される脂質成分は式Vのものである。別の実施形態において、本発明は、
治療薬、ポリマーマトリックス、DSPE及び低分子量PSMA標的化リガンドを含む標
的特異的ナノ粒子を提供し、ここで、リガンドはDSPEに結合され、例えば、共有結合
的に結合される。例えば、本発明のナノ粒子は、PLGA−DSPE−PEG−リガンド
を含むポリマーマトリックスを含むことができる。
【0077】
考えられるナノ粒子は、前立腺癌の治療に効果的なリガンド結合ポリマー対非官能化ポ
リマーの比率を有し、親水性のリガンド結合ポリマーは、該ナノ粒子を構成する疎水性及
び親水性のポリマーが共有結合的に結合しないように、疎水性ポリマーとともに自己組織
化する脂質と複合化される。「自己組織化」は、高次構造の構成要素(例えば、分子)が
自然に互いを誘引することによる、該高次構造の瞬間的な集合のプロセスを指す。それは
、典型的には、分子のランダム運動と、サイズ、形状、組成または化学的特性に基づく結
合の形成とによって起こる。例えば、かかる方法は、ポリマー/脂質複合体を形成するよ
うに脂質と反応させられる第1のポリマーを提供するステップを含む。その後、リガンド
結合ポリマー/脂質複合体を製造するように、ポリマー/脂質複合体を低分子量PSMA
リガンドと反応させて、このリガンド結合ポリマー/脂質複合体を第2の非官能化ポリマ
ー及び治療剤と混合させると、ステルス型ナノ粒子が形成される。特定の実施形態におい
て、第1のポリマーはPEGであるため、脂質末端PEGが形成される。1つの実施形態
において、脂質は、式Vの脂質であり、例えば、2ジステアロイル−sn−グリセロ−3
−ホスホエタノールアミン(DSPE)及びその塩(例えば、ナトリウム塩)である。こ
の脂質末端PEGは、その後、例えば、PLGAと混合してナノ粒子を形成することがで
きる。
【0078】
標的化部分
本明細書中で提供するのは、任意の標的化部分、すなわち、膜成分、細胞表面受容体、
前立腺特異的膜抗原等の生物学的部分に結合する、または会合する部分を含むナノ粒子で
ある。該粒子の表面上に存在する標的化部分は、特定の標的サイト、例えば、腫瘍、患部
、組織、器官、細胞の型等に、粒子が局在化できるようにする。したがって、該ナノ粒子
は「標的特異的」である。該薬剤または他のペイロードは、いくつかの場合において、そ
の後該粒子から放出され得、特定の標的部位と局所的に相互作用することができる。
【0079】
ある実施形態において、開示のナノ粒子は、低分子量リガンド、例えば、低分子量PS
MAリガンドである標的化部分を含む。本明細書で使用される「結合」または「結合する
」という用語は、典型的には、生化学的、生理的及び/または化学的な相互作用を含む(
ただし、これらに限定されない)特異的または非特異的な結合または相互作用による、相
互親和性または結合能を示す対応する分子の対またはその一部分の間の相互作用を指す。
「生物学的結合」は、タンパク質、核酸、糖タンパク質、炭水化物、ホルモン等を含む分
子の対の間に生じる相互作用の種類を定義する。「結合パートナー」という用語は、特定
の分子との結合を起こすことができる分子を指す。「特異的結合」は、1つの結合パート
ナー(または限定された数の結合パートナー)に結合することができる、または結合パー
トナーを他の類似する生物学的存在の程度よりも実質的に高い程度まで認識することがで
きる、ポリヌクレオチド等の分子を指す。一セットの実施形態において、該標的化部分は
、約1マイクロモル未満、少なくとも約10マイクロモル、または少なくとも約100マ
イクロモルの親和性(解離定数によって測定される)を有する。
【0080】
例えば、標的化部位は、用いられる標的化部分に依存して、対象の身体の腫瘍(例えば
固形腫瘍癌)、患部、組織、器官、細胞型等に該粒子を局在化させることができる。例え
ば、低分子量PSMAリガンドは、乳癌や前立腺癌等の固形腫瘍癌や癌細胞に局在化させ
ることができる。対象はヒトまたは非ヒト動物とすることができる。対象の例には、イヌ
、ネコ、ウマ、ロバ、ウサギ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット
、ハムスター、霊長類、ヒト等の動物が含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
考えられる標的化部分は、小分子を含む。特定の実施形態において、「小分子」という
用語は、天然に生じるかまたは人工的に作製される(例えば、化学的合成によって)、比
較的低い分子量を有する、タンパク質、ポリペプチドまたは核酸以外の有機化合物を指す
。小分子は、典型的には複数の炭素−炭素結合を有する。特定の実施形態において、小分
子は約2000g/mol未満のサイズである。いくつかの実施形態において、小分子は
約1500g/mol未満または約1000g/mol未満である。いくつかの実施形態
において、小分子は約800g/mol未満または約500g/mol未満、例えば、約
100g/mol〜約600g/mol、または約200g/mol〜約500g/mo
lである。
【0082】
例えば、標的化部分は前立腺癌の腫瘍を標的とし、例えば、標的化部分はPSMAペプ
チターゼ阻害剤である。これらの部分は、本明細書において「低分子量PSMAリガンド
」とも称される。正常組織における発現と比較した場合、前立腺特異的膜抗原(PSMA
)の発現は、悪性の前立腺において正常組織の少なくとも10倍は過剰発現され、PSM
Aの発現レベルは、疾患が転移相へと進行するにつれて、さらに上方制御される(Sil
ver et al. 1997、 Clin. Cancer Res.、 3:81
)。
【0083】
ある実施形態において、低分子量PSMAリガンドは
式I、II、IIIもしくはIV及びそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互
変異性体、ジアステレオマー、またはラセミ体である。
式中、m及びnは、それぞれ独立して0、1、2、または3であり;pは0もしくは1
であり;
R
1、R
2、R
4及びR
5は、置換または非置換のアルキル(例えば、C
1−10−ア
ルキル、C
1‐6−アルキル、またはC
1‐4−アルキル)、置換または非置換のアリー
ル(例えば、フェニルまたはピリジニル)及びこれらの任意の組み合わせからなる群から
、それぞれ独立して選択され;及びR
3はHまたはC
1‐6−アルキル(例えば、CH
3
)である。
【0084】
式I、II、III、及びIVの化合物では、R
1、R
2、R
4、及びR
5は、ナノ粒
子との結合点(例えば、開示のナノ粒子を形成するポリマー(例えば、PEG)との結合
点を含むポリマー)を含む。結合点は、共有結合、イオン結合、水素結合、化学吸着及び
物理吸着を含む吸着によって形成される結合、ファンデルワールス結合によって形成され
る結合または分散力によって形成することができる。例えば、R
1、R
2、R
4またはR
5がアニリンまたはC
1−6‐アルキル‐NH
2基であると定義される場合、これらの官
能基のうちの任意の水素(例えば、アミノ水素)が除去することができ、この低分子量P
SMAリガンドはこのナノ粒子のポリマーマトリックス(例えば、ポリマーマトリックス
のPEGブロック)に共有結合的に結合される。本明細書で使用される「共有結合的な結
合」という用語は、少なくとも一対の電子を共有することにより形成される2つの原子間
の結合を指す。
【0085】
式I、II、III、またはIVの特定の実施形態において、R
1、R
2、R
4及びR
5は、それぞれ独立して、C
1‐6−アルキルもしくはフェニル、またはC
1‐6−アル
キルもしくはフェニルの任意の組み合わせであり、それらはOH、SH、NH
2またはC
O
2Hで1回もしくは複数回独立して置換されており、アルキル基はN(H)、Sまたは
Oによって中断されていてもよい。別の実施形態において、R
1、R
2、R
4及びR
5は
、それぞれ独立して、CH
2−Ph、(CH
2)
2−SH、CH
2−SH、(CH
2)2
C(H)(NH
2)CO
2H、CH
2C(H)(NH
2)CO
2H、CH(NH
2)CH
2CO
2H、(CH
2)2C(H)(SH)CO
2H、CH
2−N(H)−Ph、O−C
H
2−PhまたはO−(CH
2)
2−Phであり、それぞれのPhは、OH、NH
2、C
O
2HまたはSHで1回もしくは複数回独立して置換されていてもよい。これらの式では
、NH
2、OHまたはSH基は、ナノ粒子との結合点(例えば、−N(H)−PEG、‐
O‐PEGまたは−S−PEG)としての役割を果たす。
【0086】
さらに別の実施形態において、該低分子量PSMAリガンドは、
ならびにそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー
またはラセミ体からなる群から選択される。
式中、NH
2、OHまたはSH基は、ナノ粒子との共有結合的な結合点(例えば、‐N
(H)‐PEG、‐O‐PEG、または‐S‐PEG)としての役割を果たす。
【0087】
別の実施形態において、該低分子量PSMAリガンドは、
それらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマーまたはラ
セミ体からなる群から選択され、式中、Rは、NH
2、SH、OH、CO
2H、C
1‐6
‐アルキル(NH
2、SH、OH、CO
2Hで置換された)及びフェニル(NH
2、SH
、OH、またはCO
2Hで置換された)から群から独立して選択され、Rは、ナノ粒子と
の共有結合的な結合点(例えば、‐N(H)‐PEG、‐S‐PEG、‐O‐PEGまた
はCO
2‐PEG)としての役割を果たす。
【0088】
別の実施形態において、低分子量PSMAリガンドは、
ならびにそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー
、またはラセミ体からなる群から選択される。式中、NH
2またはCO
2H基は、該ナノ
粒子との共有結合的な結合点(例えば、−N(H)−PEG、またはCO
2−PEG)と
しての役割を果たす。これらの化合物は、NH
2、SH、OH、CO
2H、C
1‐6−ア
ルキル(NH
2、SH、OH、もしくはCO
2Hで置換された)またはフェニル(NH
2
、SH、OH、もしくはCO
2Hで置換された)でさらに置換されていてもよく、これら
の置換基は、ナノ粒子との共有結合的な結合点としての役割を果たすこともできる。
【0089】
別の実施形態において、該低分子量PSMAリガンドは、
及びその鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマーまたはラ
セミ体である。
式中、nは、1、2、3、4、5、または6である。このリガンドでは、NH
2基は、
このナノ粒子との共有結合的な結合点(例えば、−N(H)−PEG)としての役割を果
たす。
【0090】
さらに別の実施形態において、低分子量PSMAリガンドは、
及びその鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマーまたはラ
セミ体である。特に、ブチル−アミン化合物は、特に、ベンゼン環を持たないことから、
合成がしやすいという利点を有する。さらに、理論に束縛されるものではないが、ブチル
−アミン化合物は、天然に生じる分子(すなわち、リジン及びグルタミン酸)に分解する
傾向があり、したがって毒性の懸念を最小限に留める。
【0091】
いくつかの実施形態において、前立腺癌の腫瘍に関連する細胞を標的とするために用い
ることができる小分子標的化部分は、2‐PMPA、GPI5232、VA‐033、フ
ェニルアルキルホスホンアミダート等のPSMAペプチダーゼ阻害剤ならびに/またはそ
れらの類似体及び誘導体を含む。いくつかの実施形態において、前立腺癌の腫瘍に関連す
る細胞を標的とするために用いることができる小分子標的化部分は、2−MPPA及び3
−(2−メルカプトエチル)−1H−インドール−2−カルボン酸誘導体等のチオール及
びインドールチオール誘導体を含む。いくつかの実施形態において、前立腺癌の腫瘍に関
連する細胞を標的とするために用いることができる小分子標的化部分は、ヒドロキサマー
ト誘導体を含む。いくつかの実施形態において、前立腺癌の腫瘍に関連する細胞を標的と
するために用いることができる小分子標的化部分は、ZJ 43、ZJ 11、ZJ 1
7、ZJ 38等のPBDA及び尿素系の阻害剤ならびに/またはそれらの類似体及び誘
導体、アンドロゲン受容体標的物質(ARTA)、プトレシン、スペルミン、及びスペル
ミジン等のポリアミン、酵素グルタミン酸カルボキシラーゼII(GCPII)の阻害剤
、別名NAAGペプチダーゼもしくはNAALADアーゼを含む。
【0092】
本発明の別の実施形態において、標的化部分は、ΗeR
2、EGFR、もしくはtol
l受容体を標的とするリガンドとすることができる。
【0093】
例えば、考えられる標的化部分は核酸、ポリペプチド、糖タンパク質、炭水化物、もし
くは脂質を含むことができる。例えば、標的化部分は、細胞型特異的マーカーに結合する
核酸標的化部分(例えば、アプタマー、例えば、A10アプタマー)とすることができる
。一般に、アプタマーは特定の標的、例えばポリペプチド、に結合するオリゴヌクレオチ
ド(例えば、DNA、RNA、もしくは類似体もしくはそれらの誘導体)である。いくつ
かの実施形態において、標的化部分は、細胞表面受容器に対する自然発生もしくは合成リ
ガンド、例えば、発育因子、ホルモン、LDL、トランスフェリン等とすることができる
。標的化部分は抗体とすることができ、この用語は、抗体フラグメント、抗体の特徴的な
部、単鎖標的化部分を含むよう意図とされており、これらは、例えば、ファージディスプ
レイ法等の手順を使用して同定できる。
【0094】
標的化部分は、長さが最長約50残基である標的化ペプチドもしくは標的化ペプチド模
倣薬であってもよい。例えば、標的化部分は、アミノ酸配列順序、AKERC、CREK
A、アリールQKLNもしくはAXYLZZLNを含むことができ、ここでX及びZは、
可変アミノ酸、もしくはそれらの保存的変異体もしくはペプチド模倣薬である。特定の実
施形態において、標的化部分は、アミノ酸配列順序AKERC、CREKA、アリールQ
KLNもしくはAXYLZZLNを含むペプチドであり、ここでX及びZは、可変アミノ
酸であり、かつ長さが20、50もしくは100残基未満である。CREKA (Cys
Arg GIu Lys Ala)ペプチドもしくはそれらのペプチド模倣薬、もしく
はオクタペプチドAXYLZZLNのペプチドもまた、ペプチド、もしくはそれらの保存
的変異体もしくはペプチド模倣薬と同様、IV型コラーゲンと結合、もしく複合体を形成
する標的化部分として考えられ、もしくは標的組織基底膜(例えば、血管の基底膜)も標
的化部分として使用することができる。例示的な標的化部分は、標的ICAM(細胞接着
分子、例えば、ICAM−I)ペプチドを含む。
【0095】
本明細書中で開示する標的化部分は、一般に開示のポリマーもしくはコポリマー(例え
ば、PLA−PEG)に結合しており、かかるポリマー複合体は開示されたナノ粒子の一
部を形成することができる。例えば、開示の治療用ナノ粒子は、任意にPLA−PEGも
しくはPLGA−PEGを約0.2〜約10重量パーセントを含むことができ、該PEG
は標的化リガンド(例えば、PLA−PEG−リガンド)で官能化される。考えられる治
療用ナノ粒子は、例えば、PLA−PEG−GL2もしくはポリ(乳)酸−コ ポリ(グ
リコール)酸−PEG−GL2を約0.2〜約10モルパーセントを含む。例えば、PL
A−PEG−GL2は、約10kDa〜約20kDaの数平均分子量、及び約4、000
〜約8、000の数平均分子量を含むことができる。
【0096】
このような標的化リガンドは、いくつかの実施形態において、PEGに共有結合で結合
することができ、例えば、アルキレンリンカー、例えば、PLA−PEG−アルキレン−
GL2を介してPEGに結合することができる。例えば、開示のナノ粒子は、PLA−P
EG−GL2もしくはポリ(乳)酸−コ ポリ(グリコール)酸−PEG−GL2を約0
.2〜約10モルパーセントを含むことができる。PLA−PEG−GL2もしくはPL
GA−PEG−GL2は、PLA−PEGもしくはPLGA−PEGをGL2へ結合させ
るアルキレンリンカー(例えば、C
1−C
20直線的、例えば、(CH
2)
5)を含むこ
とができる部分を指すことを理解されたい。
【0097】
ポリマー複合体としては、
が挙げられる。
式中、R
1は、H、及びC
1−C
20アルキル基(1つ、2つ、3つもしくはそれ以上
のハロゲンで任意に置換することができる)からなる群から選択され;
R
2はエステル結合またはアミド結合であり;
R
3はC
1−C
10アルキレンもしくは結合であり;
xは50〜約1500、もしくは約60〜約1000であり;
yは0〜約50であり;及び
zは約30〜約200、もしくは約50〜約180である。
【0098】
異なる実施形態において、X=0〜1モル分率であり;及びY=0〜0.5モル分率で
あり。例示的な実施形態において、X+Y=20〜1720とすることができ、ならびに
/またはZ=25〜455とすることができる。
【0099】
例えば、開示のナノ粒子は、式VIによって表されるポリマー標的化部分を含むことがで
きる。
式中、nは約200〜約300、例えば、約222であり、mは約80〜約130、例
えば、約114である。開示されたナノ粒子は、実施形態では、例えば、式VIのポリマ
ー複合体を約0.1〜約4重量%、もしくは、例えば、式VIのポリマー複合体を約0.
1〜約2%もしくは約0.1〜約1%、もしくは約0.2%〜約0.8重量%含むことが
できる。
【0100】
実施形態としては、開示されたナノ粒子は、PLA−PEG−アルキレン−GL2複合
体を有するナノ粒子が挙げられる。ここで、例えば、PLAは数平均分子量が約16、0
00Daであり、PEGは分子量が約5000Daであり、例えば、アルキレンリンカー
はC1−C2Oアルキレン、例えば、(CH
2)Sである。
【0101】
例えば、開示のナノ粒子は、:
によって表される複合体を含むことができる。
式中、yは約222であり、zは約114である。
【0102】
開示のポリマー複合体は、任意の好適な複合化技術を用いて形成することができる。例
えば、標的化部分と生体適合性ポリマー、及び生体適合性ポリマーとポリ(エチレングリ
コール)等の2つの化合物は、EDC‐NHS化学(塩化1‐エチル‐3‐(3‐ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド及びN‐ヒドロキシスクシンイミド)またはマレイミ
ドもしくはカルボキシル酸が関与する反応等の技術を用いて複合化することができ、チオ
ール、アミン、または同様に官能化されたポリエーテルの一方の末端に複合化することが
できる。かかるポリマーの複合化、例えば、ポリ(エステル‐エーテル)を形成すための
ポリ(エステル)とポリ(エーテル)の複合化は、ジクロロメタン、アセトニトリル、ク
ロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン等のこれらに限定さ
れない有機溶媒中で実施することができる。特異的な反応条件は、ほんのルーチンの実験
を用いて当業者により決定することができる。適切な接合技術を用いて形成することがで
きる。
【0103】
別のセットの実施形態において、複合化反応は、カルボン酸官能基(例えば、ポリ(エ
ステル‐エーテル)化合物)を含むポリマーを、アミンを有するポリマーまたは他の部分
(標的化部分等)と反応させることによって実施することができる。例えば、低分子量P
SMAリガンド等の標的化部分は、アミンと反応させてアミン含有部分を形成することが
でき、その後にこのポリマーのカルボン酸と複合化させることができる。かかる反応は1
段階反応として起こるかもしれない。すなわち、複合化はN‐ヒドロキシスクシンイミド
またはマレイミド等の中間体を用いることなく実施される。アミン含有部分とカルボキシ
ル酸末端ポリマー(ポリ(エステル‐エーテル)化合物等)との間の複合化反応は、一セ
ットの実施形態において、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、テトラヒド
ロフラン、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、ま
たはジメチルスルホキシド等(これらに限定されないが)の有機溶媒に溶解させたアミン
含有部分を、カルボキシル酸末端ポリマーを含有する溶液に添加することによって、達成
することができる。カルボキシル酸末端ポリマーは、ジクロロメタン、アセトニトリル、
クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、またはアセトン等のこれら
に限定されない有機溶媒に含有することができる。アミン含有部分とカルボキシル酸末端
ポリマーとの間の反応は、場合によっては瞬時に起こるかもしれない。複合化されなかっ
た反応物は、かかる反応後に洗い流すことができ、ポリマーは、例えば、エチルエーテル
、ヘキサン、メタノール、またはエタノール等の溶媒中に沈殿させることができる。
【0104】
具体的な例として、低分子量PSMAリガンドは、以下のように粒子の標的化部分とし
て製造することができる。カルボン酸修飾ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)(PLGA
‐COOH)は、アミン修飾したヘテロ二官能性ポリエチレングリコール)(NH
2‐P
EG‐COOH)と複合化させて、PLGA‐PEG‐COOHのコポリマーを形成する
ことができる。アミン修飾した低分子量PSMAリガンド(NH
2‐Lig)を用いて、
PEGのカルボン酸末端をリガンド上のアミン官能基と複合化することにより、PLGA
‐PEG‐Ligのトリブロックポリマーを形成することができる。後に、このマルチブ
ロックポリマーは、例えば、後に考察されるように、治療用途に用いることができる。
【0105】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は飽和脂肪族基を含み、それらには直鎖
アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル等)、分岐鎖アルキル基(イソプロピル、第三級ブチル、
イソブチル等)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シク
ロフェニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロ
アルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基を含む。
【0106】
「アリール」という用語は、0〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員または6員
の単環芳香族基、例えば、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソ
チアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、
イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、及びピリミジン等を含む基を含む
。さらに、「アリール」という用語は、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベン
ゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレ
ンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、アントリル、フェナントリル、ナフチリ
ジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインド
リジン等、例えば、三環式、二環式の、多環アリール基を含む。環構造にヘテロ原子を有
するこれらのアリール基は、「アリールへテロ環」、「ヘテロ環」、「ヘテロアリール」
、または「ヘテロ芳香族」ともいうことができる。芳香族環は、1つもしくは複数の環の
位置で、例えば、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニル
オキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカル
ボニルオキシ、カルボン酸塩、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラル
キルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカ
ルボニル、アラルキルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、
アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナ
ート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリー
ルアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミ
ノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミ
ノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキ
ルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオ
ロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族部分もし
くはヘテロ芳香族部分等の上記置換基で置換されていてもよい。アリール基は、多環(例
えば、テトラリン)を形成するために、芳香族ではない脂環式環またはヘテロ環と、融合
または架橋されることもできる。
【0107】
標的化部分は、例えば、標的化部分に複合化されたポリマーを生成するために、本発明
のポリマー(例えば、PEG)と反応させることが可能な官能基でさらに置換されていて
もよい。官能基は、アミノ基、ヒドロキシ基、及びチオ基等、ポリマー(例えば、PEG
)と共有結合を作製するために使用することができる任意の部分を含む。ある具体的な実
施形態において、該小分子は、該小分子と直接結合しているか、または、例えば、アルキ
ル基もしくはフェニル基等の追加の基を介して該小分子と結合しているかのいずれか一方
である、NH
2、SH、またはOHで置換することができる。非限定的な例において、本
明細書に引用される特許、特許出願及び特許以外の参考文献に開示される小分子は、アニ
リン、アルキル‐NH
2(例えば、(CH
2)
1‐6NH
2)、またはアルキル−SH(
例えば、(CH
2)
1‐6NH
2)と結合させることができ、NH
2及びSH基は、ポリ
マー(例えば、PEG)と反応させて、ポリマーとの共有結合的な結合を形成すること、
すなわちポリマー複合体を形成することができる。
【0108】
例えば、本明細書中で開示するのは、治療薬;及び分子量が約100g/mol〜50
0g/molのリガンドに複合化しているPLGA−PEGコポリマーもしくはPLA−
PEGコポリマーを含む第1の巨大分子を含むナノ粒子であり、リガンドに複合化してい
るここでPLGA−PEGコポリマーもしくはPLA−PEGコポリマーは、全ポリマー
含有量の約0.1〜約30モルパーセントであり、もしくはナノ粒子の全ポリマー含有量
の約0.1〜約20モルパーセント、もしくは約0.1〜約10モルパーセント、もしく
は約1〜約5モルパーセントである。かかるナノ粒子はさらに、PLGA−PEGコポリ
マーもしくはPLA−PEGコポリマーを含む第2の巨大分子を含むことができ、このコ
ポリマーは標的化部分に結合しておらず;薬学的に許容される賦形剤である。例えば、第
1のコポリマーは、リガンドを全ポリマー含有量に対して約0.001及び5重量パーセ
ント有することができる。
【0109】
例示的なナノ粒子は、治療薬及びポリマー組成物を含むことができ、このポリマー組成
物は、リガンドに結合した第1のポリマーを含む第1の巨大分子及び標的化部分に結合し
ていない第2のポリマーを含む第2の巨大分子を含み;このポリマー組成は該リガンドを
約0.001〜約5.0重量パーセント含む。リガンドは、約100g/mol〜約60
00g/mol、もしくは約1000g/mol未満、例えば、約100g/モル〜約5
00g/molの分子量を有することができる。
別の実施形態において、本明細書中で提供するのは、各々が治療薬及びポリマー組成物
を含む、複数の標的特異的ポリマーナノ粒子を含む医薬品組成物であり、ここで該ポリマ
ー組成物は、第1の巨大分子を含むリガンドに結合した第1のポリマーを約0.1〜約3
0モルパーセントもしくは約0.1〜約20モルパーセント、もしくは約0.1〜約10
モルパーセント;及び標的化部分に結合していない第2のポリマーを含む第2の巨大分子
;及び薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0110】
ナノ粒子
開示のナノ粒子は、実質的に球状であるか(すなわち、該粒子は概して球状に見える)
、または非球状の構造を有していてもよい。例えば、該粒子は、膨張または縮小すると、
非球状の構造を採ってもよい。いくつかの場合において、該粒子はポリマーブレンドを含
むことができる。例えば、標的化部分(すなわち、低分子量PSMAリガンド)及び生体
適合性ポリマーを含む第1のポリマーと、生体適合性ポリマーを含むが標的化部分を含ま
ない第2のポリマーとを含むポリマーブレンドを形成することができる。最終的なポリマ
ーにおける第1のポリマーと第2のポリマーの比率を制御することにより、最終的なポリ
マーにおける標的化部分の濃度及び位置を、任意の好適な程度まで容易に制御することが
できる。
【0111】
開示のナノ粒子は、約1μm未満の特徴的寸法を有し得、該粒子の特徴的寸法は、該粒
子と同じ体積を有する真球の直径である。例えば、粒子は、約300nm未満、約200
nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約30nm未満、約
10nm未満、約3nm未満、場合によっては約1nm未満とすることができる粒子の特
徴的寸法を有していてもよい。具体的な実施形態において、本発明のナノ粒子は、約80
nm〜200nm、約60nm〜約150nm、もしくは約70nm〜約200nmの直
径を有する。
【0112】
一セットの実施形態において、粒子は内部及び表面を有していてもよいが、表面は内部
とは異なる組成物を有する、すなわち、少なくとも1つの化合物が内部に存在するが、表
面には存在しない(逆の場合も同様)、及び/または、少なくとも1つの化合物が内部に
存在し、表面では異なる濃度で存在する可能性がある。例えば、1つの実施形態において
、本発明のポリマー複合体の標的化部分(すなわち、低分子量PSMAリガンド)等の化
合物は、該粒子の内部及び表面の両方に存在し、該粒子の表面では内部よりも高い濃度と
することができるが、いくつかの場合において、該粒子の内部の濃度は実質的に非ゼロで
ある、すなわち、該粒子の内部には検出可能な量の化合物が存在する。
【0113】
いくつかの場合において、粒子の内部は粒子の表面よりも疎水性である。例えば、粒子
の内部は粒子の表面に対して比較的疎水性であってもよく、薬剤または他のペイロードは
疎水性であるかもしれないため、比較的疎水性である粒子の中心と容易に会合する。薬剤
または他のペイロードは、こうして粒子の内部に包含されていてもよく、そのため粒子を
取り囲む外部環境から保護することができる(逆の場合も同様)。例えば、対象に投与さ
れる粒子内に包含される薬剤または他のペイロードは、対象の体から保護され、該体は薬
剤から単離される。本発明のさらに別の態様は、2つ以上のポリマーまたは巨大分子が存
在するポリマー粒子、及びかかるポリマーまたは巨大分子に関するライブラリを対象とす
る。例えば、一セットの実施形態において、粒子は、2つ以上の識別可能なポリマー(例
えば、コポリマー、例えば、ブロックコポリマー)を含有することができ、2つ(または
それ以上)のポリマーの比率は独立して制御することが可能であるため、粒子の特性を制
御することが可能となる。例えば、第1のポリマーは、標的化部分及び生体適合性の部位
を含むポリマー複合体とすることができ、第2のポリマーは、生体適合性の部位を含むこ
とができるが標的化部分は含まないか、または第2のポリマーは、第1のポリマーと識別
可能な生体適合性の部位を含むことができる。よって、ポリマー粒子内におけるこれらの
ポリマーの量の制限は、例えば、粒子のサイズ(例えば、1つまたは両方のポリマーの分
子量を変化させることによる)、表面電荷(例えば、該ポリマーが異なる電荷または末端
基を有する場合に、ポリマーの比率を制御することによる)、表面親水性(例えば、ポリ
マーが異なる分子量及び/または親水性を有する場合)、標的化部分の表面密度(例えば
、2つ以上の該ポリマーの比率を制御することによる)等の粒子の様々な物理的、生物学
的、または化学的特性を制御するために使用することができる。
【0114】
具体的な例として、粒子は、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(エチレングリコー
ル)に複合化された標的化部分を含む第1のジブロックポリマーと、ポリ(エチレングリ
コール)は含むが標的化部分は含まないまたはポリ(エチレングリコール)及び標的化部
分の両方を含む第2のポリマーと、を含むことができ、第2のポリマーのポリ(エチレン
グリコール)は、第1のポリマーのポリ(エチレングリコール)とは異なる長さ(または
反復単位の数)を有する。
別の例として、粒子は、第1の生体適合性の部位及び標的化部分を含む第1のポリマー
と、第1の生体適合性の部位とは異なる第2の生体適合性の部位(例えば、異なる組成を
有する、実質的に異なる数の反復単位等)及び標的化部分を含む第2のポリマーとを含む
ことができる。
さらに別の例として、第1のポリマーは、生体適合性の部位及び第1の標的化部分を含
むことができ、第2のポリマーは、生体適合性の部位及び第1の標的化部分とは異なる第
2の標的化部分を含むことができる。
【0115】
例えば、本明細書中で開示するのは、第1の非官能化ポリマー;任意の第2の非官能化
ポリマー;標的化部分を含む官能化ポリマー;及び治療薬を含む治療用ポリマーナノ粒子
であって;該ナノ粒子は官能化ポリマーを約15〜約300分子、もしくは官能化ポリマ
ーを約20〜約200分子、もしくは約3〜約100分子含む、治療用ポリマーナノ粒子
である。
【0116】
特定の実施形態において、本発明のナノ粒子の第1のもしくは第2の巨大分子のポリマ
ーは、」PLA、PLGA、もしくはPEG、もしくはそれらのコポリマーである。特定
の実施形態において、第1の巨大分子のポリマーはPLGA−PEGコポリマーであり、
第2の巨大分子はPLGA−PEGコポリマー、もしくはPLA−PEGコポリマーであ
る。例えば、例示的なナノ粒子は、密度が約0.065g/cm
3、もしくは約0.01
〜約0.10g/cm
3のPEGコロナを有していてもよい。
【0117】
開示のナノ粒子は、例えば、糖類を含むことができる溶液中で、少なくとも約3日間、
約4日間もしくは少なくとも約5日間、室温もしくは25℃で、安定となり得る(例えば
、全ての活性剤を実質的に保持する)。
【0118】
いくつかの実施形態において、開示のナノ粒子は、薬剤放出の速度を増大させることが
できる脂肪族アルコールをも含むことができる。例えば、開示のナノ粒子は、Cg−C3
Oアルコール等のセチルアルコール、オクタノール、ステアリルアルコール、アラキジル
アルコール、ドコサナール、もしくはオクタソナール(octasonal)を含むこと
ができる。
【0119】
ナノ粒子は徐放性を有することができ、例えば、患者、例えば、患者の特定部位に、長
時間にわたり、例えば、1日、1週間又はそれ以上の期間にわたって、ある量の活性剤を
送達できる。いくつかの実施形態において、開示のナノ粒子は、例えば室温及び/または
37℃のリン酸緩衝液中に入れた場合、活性剤(例えば、タキサン)の約2%未満、約5
%未満、もしくは約10%未満を、実質的に直ちに(例えば、約1分間〜約30分間かけ
て)放出する。
【0120】
例えば、治療薬を含む開示のナノ粒子は、いくつかの実施形態において、例えば、25
℃の水溶液中に入れた場合、
a)約1時間後に全治療薬のうち約0.01〜約20%が放出される;
b)約8時間後に治療薬のうち約10〜約60%が放出される;
c)約12時間後に全治療薬のうち約30〜約80%が放出される;及び
d)約24時間後に全量のうち約75%以上が放出される、に実質的に対応する速度で
治療薬を放出することができる。
【0121】
いくつかの実施形態において、開示された開示されたナノ粒子もしくはナノ粒子を含む
組成物を対象もしくは患者へ投与した後の、患者における治療薬のピーク血漿濃度(C
m
ax)は、単独で投与した場合(例えば、のナノ粒子の一部としてではなく)の治療薬の
C
maxと比較して実質的に高い。
【0122】
別の実施形態において、開示の治療薬を含むナノ粒子は、対象に投与した場合、は、単
独で投与した治療薬のt
maxと比較して実質的に長い治療薬のt
maxを有することが
できる。
【0123】
この粒子のライブラリを形成してもよい。例えば、粒子内の2つ(またはそれ以上)の
ポリマーの比率を変化させることにより、これらのライブラリは、ハイスループットアッ
セイ等のスクリーニングテストに有用とすることができる。ライブラリ内の粒子は、上記
のような特性によって多様である可能性があり、いくつかの場合において、粒子の2つ以
上の特性がライブラリ内で多様であるかもしれない。このように、本発明の1つの実施形
態は、異なる特性を持つ異なる比率のポリマーを有するナノ粒子のライブラリを対象とす
る。該ライブラリは、任意の好適な比率のポリマーを含むことができる。
【0124】
図1は、上述のようなポリマーを用いてライブラリを生成することができることを示す
。例えば、
図1では、生体適合性の疎水性ポリマー、生体適合性の親水性ポリマー及び低
分子量PSMAリガンドを含む第1の巨大分子と、生体適合性の疎水性ポリマー及び生体
適合性の親水性ポリマーを含む第2の巨大分子とを含むポリマー粒子は、異なる比率の該
第1及び第2の巨大粒子を有する粒子のライブラリを作成するために使用することができ
る。
【0125】
ライブラリは、任意の数の望ましい特性、例えば、表面機能性、表面電荷、サイズ、ゼ
ータ(ζ)電気、疎水性、免疫原性等を制御する能力等の特性を有する粒子を実現するの
に有用となるかもしれない。
図2では、異なる比率の第1の巨大分子と第2の巨大分子(
巨大分子のうちの1つが欠けている比率を含む)が組み合わされて、ライブラリの基盤を
成す粒子が生成される。
【0126】
特定の例として、本発明のいくつかの実施形態において、該ライブラリは、本明細書で
考察されるように、生体適合性ポリマーと低分子量リガンドのポリマー複合体を含む粒子
を含む。次に
図1を参照すると、かかる粒子の1つが非限定的な例として示されている。
この図では、本開示のポリマー複合体は、粒子10を形成するために使用される。粒子1
0を形成するポリマーは、該粒子の表面上に存在する低分子量リガンド15、及び生体適
合性の部位17を含む。いくつかの場合において、ここに示すように、標的化部分15は
生体適合性の部位17と複合化することができる。しかし、生体適合性の部位17のすべ
てが標的化部分15と複合化されるように示されているわけではない。例えば、いくつか
の場合において、粒子10等の粒子は、生体適合性の部位17及び低分子量リガンド15
を含む第1のポリマーと、生体適合性の部位17を含むが、標的化部分15は含まない第
2のポリマーとを用いて形成することができる。該第1のポリマーと該第2のポリマーの
比率を制御することにより、異なる特性を有する粒子が形成されていてもよく、またいく
つかの場合において、かかる粒子のライブラリを形成することができる。また、粒子10
の中心に含まれるのは薬剤12である。いくつかの場合において、薬剤12は、疎水性効
果のために、該粒子の中に含むことができる。例えば、該粒子の内部は該粒子の表面に対
して比較的疎水性であってもよく、該薬剤は、比較的疎水性である該粒子の中心と会合す
る疎水性薬剤とすることができる。1つの実施形態において、該治療剤は、該ナノ粒子の
表面に会合している、該ナノ粒子の中に封入されている、該ナノ粒子に囲まれている、ま
たは該ナノ粒子全体に分散している。別の実施形態において、該治療剤は、該ナノ粒子の
疎水性コア内に封入されている。
【0127】
具体的な例として、粒子10は、比較的疎水性である生体適合性ポリマー、及び比較的
親水性である標的化部分15を含むポリマーを含むことができるため、粒子が形成される
間、濃度のより高い親水性標的化部分が表面上で曝露され、濃度のより高い疎水性の生体
適合性ポリマーが該粒子の内部に存在する。
【0128】
いくつかの実施形態において、該生体適合性ポリマーは疎水性ポリマーである。生体適
合性ポリマーの非限定的な例には、ポリ乳酸、ポリグリコリド及び/またはポリ(ラクチ
ド‐コ‐グリコリド)が含まれる。
【0129】
異なる実施形態において、本開示は、1)ポリマーマトリックス、2)任意に、粒子の
連続的または不連続的なシェルを形成するポリマーマトリックスを囲む、または該マトリ
ックスの中に分散される、両親媒性の化合物または層、3)ポリマーマトリックスの一部
を形成する非官能化ポリマー、及び4)ポリマーマトリックスの一部を形成することがで
きる、共有結合でポリマーに結合される低分子量PSMAリガンド、を含むナノ粒子を提
供する。例えば、両親媒性層は、該ナノ粒子内への水の浸透を減少させることが可能であ
り、そのため薬剤の封入効率を高め、薬剤の放出を遅延する。
【0130】
本明細書で使用される「両親媒性」という用語は、分子が極性部位及び非極性部位の両
方を有する特性を指す。両親媒性化合物は、長い疎水性の尾に結合した極性の頭を有する
ことが多い。いくつかの実施形態において、極性部位は水中で可溶性である一方、非極性
部位は水中では不溶性である。また、極性部位は、形式上の正電荷または形式上の負電荷
のいずれか一方を有することができる。あるいは、極性部位は、形式上の正電荷及び形式
上の負電荷の両方を有することができ、両性イオンつまり内塩とすることができる。本発
明の目的のために、両親媒性化合物は、1つまたは複数の、以下のものであってもよいが
、これらに限定されない:天然由来の脂質、界面活性剤、または親水性及び疎水性部分の
両方を有する合成化合物。
【0131】
両親媒性化合物の具体例には、0.01〜60(脂質の重量/ポリマーの重量)の間、
最も好ましくは0.1〜30(脂質の重量/ポリマーの重量)の間の比率で取り込まれる
、1、2−ジステアロイル−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、ジパ
ルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(
DSPC)、ジアラキドイルホスファチジルコリン(DAPC)、ジベヘノイルホスファ
チジルコリン(DBPC)、ジテトラコサノイルホスファチジルコリン(DTPC)及び
ジリグノセロイルファチジルコリン(DLPC)等のリン脂質が含まれるが、これらに限
定されない。使用することができるホスホリン脂質には、ホスファチジン酸、飽和及び不
飽和脂質の両方を有するホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホス
ファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホ
スファチジル誘導体、カルジオリピン、及びβ‐アシル‐イ‐アルキルホスホリン脂質が
含まれるが、これらに限定されない。ホスホリン脂質の例には、ジオレオイルホスファチ
ジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペンタデカノイルホスファチジル
コリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(D
PPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジアラキドイルホスファ
チジルコリン(DAPC)、ジベヘノイルホスファチジルコリン(DBPC)、ジトリコ
サノイルホスファチジルコリン(DTPC)、ジリグノセロイルファチジルコリン(DL
PC)等のホスファチジルコリン及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ま
たは1‐ヘキサデシル‐2‐パルミトイルグリセロホスホエタノールアミン等のホスファ
チジルエタノールアミンが含まれるが、これらに限定されない。不斉アシル鎖を有する合
成ホスホリン脂質(例えば、6個の炭素からなる1個のアシル鎖及び12個の炭素からな
るもう1本のアシル鎖を有する)も使用することができる。
【0132】
ある具体的な実施形態において、両親媒性層を形成するために使用することができる両
親媒性成分はレシチンであり、具体的には、ホスファチジルコリンである。レシチンは両
親媒性の脂質であり、そのため、水性であることが多いホスホリン脂質の二重層の周囲に
面する親水性(極性)の頭と、向かい合う疎水性の尾と、を有するホスホリン脂質の二重
層を形成する。レシチンは、例えば、大豆から入手可能な天然の脂質であり、他の送達デ
バイスにおける使用のためのFDA承認を既に得ているという利点がある。さらに、レシ
チン等の脂質の混合物は、単一の純粋な脂質よりも有利である。
【0133】
特定の実施形態において、開示のナノ粒子は両親媒性単層を有し、つまり該層は、ホス
ホリン脂質の二重層ではなく、該ナノ粒子の周りまたはナノ粒子の中の、単一の連続的も
しくは不連続的な層として存在するということを意味する。両親媒性層は、本発明のナノ
粒子と「会合される」、つまり、例えば、ポリマーのシェルの外側を囲んで、または該ナ
ノ粒子を構成するポリマーの中に分散されて、ポリマーマトリックスにある程度近接して
配置されることを意味する。
【0134】
ナノ粒子の製造
本開示の別の態様は、開示のナノ粒子の製造システム及び方法を対象とする。いくつか
の実施形態において、2つ以上の異なるポリマー(例えば、コポリマー、例えば、ブロッ
クコポリマー)を異なる比率で使用し、粒子を該ポリマー(例えば、コポリマー、例えば
、ブロックコポリマー)から作成することで、粒子の特性を制御することができる。例え
ば、1つのポリマー(例えば、コポリマー、例えば、ブロックコポリマー)は低分子量P
SMAリガンドを含んでいてもよいか、含まなくてもよい一方で、別のポリマー(例えば
、コポリマー、例えば、ブロックコポリマー)は、その生体適合性及び/または結果とし
て生じる粒子の免疫原性を制御するその能力のために選択することができる。
【0135】
一セットの実施形態において、1つもしくは複数のポリマーを含む溶液を提供し、溶液
をポリマー非溶媒(polymeroolvet)と接触させて粒子を生成することによ
り、粒子が形成される。溶液は、ポリマー非溶媒を含み、混和性または非混和性とするこ
とができる。例えば、アセトニトリル等の水混和性の液体は、ポリマーを含有することが
でき、例えば、アセトニトリルを制御された速度で水に注ぎ入れることにより、アセトニ
トリルがポリマー非溶媒である水に接触させられると、粒子が形成される。該溶液中に含
有される該ポリマーは、ポリマー非溶媒と接触させられると、その後、沈殿してナノ粒子
等の粒子を形成することができる。2つの液体は、周囲温度及び圧力下で少なくとも10
重量%のレベルまで一方が他方に溶解しない場合、互いに「非混和性」である、または混
和性ではないと言われる。
典型的には、有機溶液(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、テ
トラヒドロフラン、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキ
サン、ジメチルスルホキシド等)と水性液体(例えば、水または、溶解させた塩もしくは
他の種、細胞もしくは生物学的媒体、エタノール等を含有する水)は、互いに非混和性で
ある。例えば、第1の溶液を、第2の溶液に(好適な速度またはスピードで)流し込むこ
とができる。
ある場合において、ナノ粒子等の粒子は、第1の溶液が非混和性の第2の液体に接触さ
せて形成することができ、例えば、第1の溶液が第2の液体中に流れ込む間に、接触時の
ポリマーの沈殿が該ポリマーにナノ粒子を形成し、またある場合において、例えば、導入
の速度が注意深く制御され、比較的緩やかな速度で維持された場合に、ナノ粒子を形成す
ることができる。粒子形成の制御は、当業者により、ルーチンの実験のみを用いて容易に
最適化することができる。
【0136】
表面機能性、表面電荷、サイズ、ゼータ(ζ)電位、疎水性、免疫原性を制御する能力
等の特性を、開示のプロセスを用いて高度に制御することができる。例えば、粒子のライ
ブラリは、粒子が該粒子表面上に存在する特定の密度の部分(例えば、低分子量PSMA
リガンド)を有することができるようにする、ポリマーの特定の比率を有する粒子を識別
するために、合成及びスクリーニングすることができる。これにより、例えば、特定のサ
イズ及び特定の表面密度の部分のような1つもしくは複数の特定の特性を有する粒子を、
必要以上の努力をすることなく製造することができる。したがって、本発明の特定の実施
形態は、かかるライブラリ、及びかかるライブラリを用いて識別される任意の粒子を用い
るスクリーニング技術を対象とする。また、識別は、任意の好適な方法を用いて行うこと
ができ、例えば、識別は、直接的または間接的であってもよく、定量的または定性的に進
めることができる。
【0137】
ある実施形態において、すでに形成されたナノ粒子は、リガンド官能化ポリマー複合体
の生成について説明したものと類似する手順を用いて、標的化部分で官能化される。例え
ば、第1のコポリマー(PLGA‐PEG、ポリ(ラクチド‐コ‐グリコリド)とポリ(
エチレングリコール))は、治療剤と混合されて粒子を形成する。その後、該粒子は低分
子量リガンドと会合され、癌の治療のために使用することができるナノ粒子を形成する。
粒子は、ナノ粒子のリガンドの表面密度を制御することにより、ナノ粒子の治療的特徴を
変化させるために、種々の量の低分子量リガンドと会合することができる。さらに、例え
ば、分子量、PEGの分子量及びナノ粒子の表面電荷等のパラメータを制御することによ
り、非常に精密に制御された粒子を得ることができる。
【0138】
別の実施形態において、
図3及び4に示すようなプロセス等のナノエマルションプロセ
ス(nanoemulsion process)を提供する。例えば、治療薬、第1の
ポリマー(例えば、PLA−PEGもしくはPLGA−PEG等のジブロックコポリマー
、いずれも任意にリガンド、例えば、GL2に結合することができる)及び任意の第2の
ポリマー(例えば、(PL(G)A−PEGもしくはPLA)を、有機溶液と混合して、
第1の有機相を形成する。第1の相は、固形分を約5〜約50%重量、例えば、約5〜約
40%、もしくは約10〜約30%含むことができる。第1の有機相は、第1の水溶液と
混合して第2の相を形成することができる。
有機溶液は、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロ
フラン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミ
ド、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、ベンジルアルコール、ト
ウィーン80、スパン80等及びそれらの組み合わせを含むことができる。
ある実施形態において、有機相は、ベンジルアルコール、酢酸エチル及びそれらの組み
合わせを含むことができる。第2の相は、固形分が約1〜50重量%、例えば、約5〜4
0重量%とすることができる。水溶液は水であってもよく、任意にコール酸ナトリウム、
酢酸エチル、ポリ酢酸ビニル及びベンジルアルコールのうち1つ以上と併用してもよい。
【0139】
例えば、油もしくは有機相は、非溶媒(水)と部分的にしか混和性でない溶媒を使用す
ることができる。従って、十分に低い比率で混合し、及び/または有機溶媒で事前に飽和
した水を使用した場合、油相は液状のままである。油相は、液滴として水溶液中に乳化す
ることができ、例えば、ホモジナイザーもしくはソニケータ等の高エネルギー分散システ
ムを用いて剪断しナノ粒子とすることができる。エマルションの水性部分、別名「水相」
は、コール酸ナトリウムからなる、酢酸エチル及びベンジルアルコールで予め飽和させた
界面活性剤溶液としてもよい。
【0140】
エマルション相を形成するための第2の相の乳化は、1回もしくは2回の乳化工程で行
うことができる。例えば、一次エマルションを製造し、次に乳化してファインエマルショ
ンを形成することができる。一次エマルションは、例えば、単純な混合、高圧ホモジナイ
ザー、プローブソニケータ、攪拌バーもしくはロータステータホモジナイザーを用いて形
成することができる。一次エマルションは、例えば、プローブソニケータもしくは高圧ホ
モジナイザーに使用によって、例えば、ホモジナイザーを1回、2回、3回もしくはそれ
以上の回数通過させ、ファインエマルションに形成することができる。例えば、高圧ホモ
ジナイザーを使用する場合、用いる圧力は、約1000〜約8000psi、約2000
〜約4000psi、4000〜約8000psi、もしくは約4000〜約5000p
si、例えば、約2000、2500、4000もしくは5000psiであってもよい
。
【0141】
溶媒の蒸発もしくは希釈はいずれも、溶媒の抽出を完了させ、粒子を固化させるのに必
要かもしれない。抽出の動態をよりよく制御し、より適応性の高いプロセスを行うために
は、水での急冷による溶媒の希釈を使用することができる。例えば、エマルションは、有
機溶媒を全て溶解して急冷相を形成するのに十分な濃度まで冷水中に希釈することができ
る。急冷は、少なくとも部分的に約5℃もしくはそれ以下の温度で行うことができる。例
えば、急冷するのに使用する水は、室温未満の温度(例えば、約0〜約10℃、もしくは
約0〜約5℃)とすることができる。
【0142】
いくつかの実施形態において、この段階では全ての治療薬(例えば、ドセタキセル)を
粒子内に封入せず、薬剤可溶化剤を急冷相に加えて、可溶化相を形成する。薬剤可溶化剤
としては、例えば、トウィーン80、トウィーン20、ポリビニルピロリドン、シクロデ
キストラン、硫酸ドデシルナトリウム、もしくはコール酸ナトリウムが挙げられる。例え
ば、急冷したナノ粒子の懸濁液にトウィーン−80を加えて、遊離薬剤を可溶化し、薬剤
の結晶の形成を防止することができる。いくつかの実施形態において、薬剤可溶化剤と治
療薬(例えば、ドセタキセル)の比率は、約100:1〜約10:1である。
【0143】
可溶化相は、ナノ粒子を回収するため濾過してもよい。例えば、限外濾過膜は、を使用
して、ナノ粒子懸濁液を濃縮し、有機溶媒、遊離薬剤及びその他の加工助剤(界面活性剤
)を実質的に除去することができる。例示的な濾過は、タンジェンシャルフロー濾過シス
テムを使用して行うことができる。例えば、ナノ粒子は保持するが、溶質、ミセル、及び
有機溶媒は透過させるのに適した細孔径の膜を用いて、ナノ粒子を選択的に分離すること
ができる。分子量カットオフが約300−500kDa(〜5−25nm)の例示的な膜
を使用することができる。
【0144】
ダイアフィルトレーションは、定容アプローチを使用して行うことができる。つまり、
透析濾過液(diafiltrate、冷脱イオン水、例えば、約0〜約5℃、もしくは
0〜約10℃)を、濾液を懸濁液から取り除く速度と同じ速度で供給懸濁液に加えること
ができる。いくつかの実施形態において、濾過は、第1の温度約0〜約5℃、もしくは0
〜約10℃、及び第2の温度である約20〜約30℃、もしくは15〜約35℃を使用す
る第1の濾過を含むことができる。例えば、濾過は、約1〜約6ダイアボリュームを約0
〜約5℃で処理すること及び少なくとも1ダイアボリューム(例えば、約1〜約3もしく
は約1−2ダイアボリューム)を約20〜約30℃で処理することを含むことができる。
【0145】
ナノ粒子懸濁液を精製及び濃縮した後、粒子を1つか2つ以上の殺菌フィルター及び/
またはデプスフィルターを、例えば、深さ−0.2μmの前置フィルターを使用して通過
させることができる。
【0146】
ナノ粒子を製造する別の実施形態において、治療薬、例えば、ドセタキセル、及びポリ
マー(ホモポリマー、コポリマー及びリガンドを有するコポリマー)の混合物からなる有
機相を形成する。有機相は、界面活性剤及び数種類の溶解した溶媒からなる水相と、約1
:5の比率(油相:水相)で混合する。単純な混合下に、もしくはロータステータホモジ
ナイザーを使用して二相を混合して、一次エマルションを形成する。次に、高圧ホモジナ
イザーを使用して一次エマルションをファインエマルションに形成する。その後、混合し
ながら脱イオン水を加えてファインエマルションを急冷する。急冷液:エマルションの比
率は、約8.5:1である。次いで、トウィーンの溶液(例えば、トウィーン80)を急
冷液(quench)に加えて、トウィーン全体で約2%とする。これは、遊離した未封
入の薬剤を溶解する役割を果たす。遠心分離もしくは限外濾過/ダイアフィルトレーショ
ンのいずれかによって次にナノ粒子を単離する。
【0147】
製剤の製造に使用するポリマー及び治療薬もしくは活性剤の量は、最終的な製剤とは異
なるかもしれないことを理解されたい。例えば、いくつかの活性剤は、ナノ粒子に完全に
導入されない可能性があり、かかる遊離した治療薬は、例えば、濾過によって除去される
かもしれない。例えば、ある実施形態において、活性剤(例えば、ドセタキセル)約20
重量パーセント及びポリマー(例えば、PLA−PEG−GL2を約2.5molパーセ
ント及びPLA−PEGを約97.5molパーセント含むかもしれないポリマー)約8
0重量パーセントを、製剤の製造に使用することができ、これにより、例えば、上記を各
々約10重量パーセント活性剤(例えば、ドセタキセル)及び約90重量パーセント含む
最終的なナノ粒子が得られるポリマー(ここで、ポリマーはPLA−PEG−GL2を約
1.25molパーセント及びPLA−PEGを約98.75molパーセント含むこと
ができる)。かかるプロセスによって、治療薬を約2〜約20重量パーセント、例えば、
治療薬を約5、約8、約10、約15重量パーセント含む、患者への投与に適した最終的
なナノ粒子を提供することができる。
【0148】
治療薬
本発明によれば、例えば、治療剤(例えば、抗癌剤)、診断薬(例えば、造影剤、放射
性核種ならびに蛍光、発光、及び磁性部分)、予防薬(例えば、ワクチン)、及び/また
は栄養補助剤(例えば、ビタミン、ミネラル等)を含む、任意の薬剤を、開示のナノ粒子
によって送達することができる。本発明によって送達される例示的な薬剤には、小分子(
例えば、細胞毒性薬)、核酸(例えば、siRNA、RNAi、及びマイクロRNA薬)
、タンパク質(例えば、抗体)、ペプチド、脂質、炭水化物、ホルモン、金属、放射性元
素及び化合物、薬剤、ワクチン、免疫学的薬剤等、及び/またはそれらの組み合わせが含
まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、該送達される薬剤は、
癌(例えば、前立腺癌)の治療に有用な薬剤である。
【0149】
例えば、標的化部分は、対象の特定の部位を標的化すること、または粒子をこの部位に
局在化させることができ、該ペイロードをそれらの部位に送達することができる。ある具
体的な実施形態において、薬剤または他のペイロードを使用する場合は、薬剤または他の
ペイロードを、該粒子から徐放様式で放出することができ、特定の標的部位(例えば、腫
瘍)と局所的に相互作用することができる。本明細書で使用される(例えば、「徐放シス
テム」という文脈において)「徐放」という用語(及び該用語の変形)は、一般的に、選
択された部位での、または制御可能な速度、間隔及び/もしくは量での物質(例えば、薬
剤)の放出を包含することを意味する。徐放は、実質的に持続的な送達、パターン化され
た送達(例えば、定期的または不定期的な時間の間隔で中断される、一定期間にわたる断
続的な送達)及び選択された物質のボーラスの送達(例えば、比較的短時間(例えば、数
秒間または数分間)の場合は、所定の個別の量として)を包含するが、必ずしもこれらに
限定されない。
【0150】
活性剤もしくは薬剤としては、mTor阻害剤(例えば、シロリムス、テムシロリムス
、もしくはエベロリムス)等の抗腫瘍薬、ビンクリスチン等のビンカアルカロイド、ジテ
ルペン誘導体もしくはタキサン等のパクリタキセル(もしくはDHA−パクリタキセルも
しくはPG−パクリタキセル等のその誘導体)もしくはドセタキセル等の治療薬が挙げら
れる。
【0151】
一セットの実施形態において、ペイロードは、薬剤または2つ以上の薬剤の組み合わせ
である。この粒子は、例えば、標的化部分が、薬剤を含有する粒子を患者の特定の局在的
な位置に誘導するため、例えば、薬剤の局所的送達を可能にするために用いることができ
る実施形態において、有用である可能性がある。例示的な治療剤には、ドキソルビシン(
アドリアマイシン)、ゲムシタビン(ジェムザール)、ダウノルビシン、プロカルバジン
、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキセート、ベノレルビン、5−フ
ルオロウラシル(5‐FU)、ビンブラスチンもしくはビンクリスチン等のビンカアルカ
ロイド;ブレオマイシン、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール
)、アルデスロイキン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビ
ン、カンプトテシン、CPT−11、10−ヒドロキシ−7−エチルカンプトテシン(S
N38)、ダカルバジン、S−Iカペシタビン、フトラフール、5’−デオキシフルオロ
ウリジン、UFT、エニルウラシル、デオキシシチジン、5−アザシトシン、5−アザデ
オキシシトシン、アロプリノール、2−クロロアデノシン、トリメトレキサート、アミノ
プテリン、メチレン−10−デアザアミノプテリン(MDAM)、オキサリプラチン、ピ
コプラチン、テトラプラチン、サトラプラチン、白金−DACH、オルマプラチン、CI
−973、JM−216及びその類似体、エピルビシン、エトポシドホスフェート、9−
アミノカンプトテシン、10、11−メチレンジオキシカンプトテシン、カレニテシン、
9−ニトロカンプトテシン、TAS103、ビンデシン、L−フェニルアラニンマスター
ド、イホスファミドメホスファミド(ifophmidemefophmide)、ペル
ホスファミド、トロホスファミドカルムスチン、セムスチン、エポチロンA−E、トムデ
ックス、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アムサクリン、エトポシドホスフェ
ート、カレニテシン、アシクロビル、バルアシクロビル、ガンシクロビル、アマンタジン
、リマンタジン、ラミブジン、ジドブジン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、リツキシマ
ブ、5−フルオロウラシル及びそれらの組み合わせ等の化学療法剤が含まれる。
【0152】
潜在的に好適である薬剤の非限定的な例には、例えば、ドセタキセル、ミトキサントロ
ン、及び塩酸ミトキサントロンを含む抗癌剤を含む。タザロテン、テコガランナトリウム
、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、塩酸テロキサントロン、テモポ
ルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロ
デカオキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、サリドマイド、チアミプリン、チオコラ
リン、チオグアニン、チオテパ、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣体、サイマル
ファシン、サイモポエチン受容体作用薬、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフ
リン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、チタノセンジクロリド、塩酸トポテ
カン、トプセンチン、トレミフェン、クエン酸トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻
害剤、酢酸トレストロン、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリシ
リビンホスフェート、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプト
レリン、トロピセトロン、塩酸ツブロゾール、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、
チルホスチン、UBC阻害剤、ウベニメックス、ウラシルマスタード、ウレデパ、尿生殖
洞由来成長阻害剤因子、ウロキナーゼ受容体拮抗薬、バプレオチド、バリオリンB、ベラ
レソール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリ
スチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビ
ンロイロシン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、ビンキサルチン
、硫酸ビンゾリジン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコル
ブ、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、または塩酸ゾルビシン等の抗癌剤が挙げ
られる。
別の実施形態において、ペイロードは、20−エピ−1,25−ジヒドロキシビタミン
D3,4−イポメアノール、5−エチニルウラシル、9−ジヒドロタキソール、アビラテ
ロン、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アシルフルベン、
アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、全tk拮抗薬、アルトレタミン、ア
ンバムスチン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アミドックス、アミフォスチン、
アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アンルビシン、アムサクリン、アナグレリド、
アナストロゾール、アンドログラホリド、血管新生阻害剤、拮抗薬D、拮抗薬G、アント
ラレリックス、アントラマイシン、抗背側化形態形成タンパク質‐1、抗エストロゲン、
抗新生物薬、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィディコリングリシン酸塩、アポト
ーシス遺伝子調節因子、アポトーシス調節因子、アプリン酸、ARA‐CDP‐DL‐P
TBA、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アスラクリン、ア
タメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタ
チン3、アザシチジン、アザステロン、アザトキシン、アザチロシン、アゼテパ、アゾト
マイシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、ベンゾクロリン、ベ
ンゾデパ、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、βアレチン、βアクラマイ
B、ベツリン酸、BFGF阻害剤、ビカルタミド、ビスアントレン、塩酸ビスアントレン
、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビスナフィドジメシラート、ビストラテ
ンA、ビゼルシン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、BRC/ABL拮抗薬、ブレ
フラート、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブスルファン、ブチオ
ニンスルホキシミン、カクチノマイシン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カルス
テロン、カンプトテシン誘導体、カナリポックスIL‐2、カペシタビン、カラセミド、
カルベチマー、カルボプラチン、カルボキサミド‐アミノ‐トリアゾール、カルボキシア
ミドトリアゾール、カレストM3、カルムスチン、CARN700、軟骨由来阻害剤、塩
酸カルビシン、カルゼルシン、カゼインキナーゼ阻害剤、カスタノスペルミン、セクロピ
ンB、セデフィンゴール、セトロレリックス、クロラムブシル、クロリン、クロロキノキ
サリンスルホアミド、シカプロスト、シロレマイシン、シスプラチン、シス‐ポルフィリ
ン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリス
マイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クラン
ベシジン816、クリスナトール、クリスナトールメシラート、クリプトフィシン8、ク
リプトフィシンA誘導体、キュラシンA、シクロペントアントラキノン、シクロホスファ
ミド、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、細胞
溶解因子、サイトスタチン、ダカルバジン、ダクリキシマブ、ダクチノマイシン、塩酸ダ
ウノルビシン、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキシホスファミド
、デキソルマプラチン、デキスラゾキサン、デキスベラパミル、デザグアニン、デザグア
ニンメシラート、ジアジコン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジ
ヒドロ‐5‐アザシチジン、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセ
ル、ドコサノール、ドラステロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビ
シン、ドロキシフェン、ドロキシフェンクエン酸、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、ド
ロナビノール、デュアゾマイシン、ズオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、
エダトレキセート、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロミチン(eflomithi
e)、塩酸エフロミチン、エレメン、エルサミトルシン、エミテフル、エンロプラチン、
エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、塩酸エピルビシン、エプリステリド、
エルブロゾール、赤血球遺伝子遺伝子治療ベクター系、塩酸エソルビシン、エストラムス
チン、エストラムスチン類似体、エストラムスチンホスフェートナトリウム、エストロゲ
ン作用薬、エストロゲン拮抗薬、エタニダゾール、エトポシド、エトポシドホスフェート
、エトプリン、エキセメスタン、ファドロゾール、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、
フェンレチニド、フィルグラスチン、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチ
ン、フロキシウリジン、フルアステロン、フルダラビン、フルダラビンホスフェート、塩
酸フルオロダウノルニシン、フルオロウラシル、フルロシタビン、ホルフェニメキス、ホ
ルメスタン、フォスキドン、ホストリエシン、フォストリエシンナトリウム、ホテムスチ
ン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゼラ
チナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファ
ム、ヘルグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒドロキシウレア、ヒペリシン、イ
バンドロン酸、イダルビシン、塩酸イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イ
ホスファミド、イルモフォシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモド、免
疫賦活ペプチド、インスリン様増殖因子‐1受容体阻害剤、インターフェロン作用薬、イ
ンターフェロンα‐2A、インターフェロンα‐2B、インターフェロンα‐Nl、イン
ターフェロンα‐N3、インターフェロンβ‐IA、インターフェロンγ‐IB、インタ
ーフェロン、インターロイキン、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イプロプラチ
ン、イリノテカン、塩イリノテカン塩酸塩、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガ
ゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF
、ラメラリン−N−トリアセテート、ランレオチド、酢酸ランレオチド、レイナマイシン
、レノグラスチン、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病阻害因子
、白血球αインターフェロン、酢酸ロイプロリド、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲ
ステロン、ロイプロレリン、レバミソール、リアロゾール、塩酸リアロゾール、直鎖ポリ
アミン類似体、親油性二糖類ペプチド、親油性白金化合物、リソクリナミド、ロバプラチ
ン、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロニ
ダミン、ロソキサントロン、塩酸ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ルル
トテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド、マイタンシン、
マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリリシン阻害剤、
マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、マイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メ
ゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルバロン、メル
カプトプリン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトトレキセート、メトトレキセートナト
リウム、メトクロプラミド、メトプリン、メツレデパ、微細藻類プロテインキナーゼC阻
害剤、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本
鎖RNA、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトグアゾン、ミ
トラクトール、マイトマルシン、マイトマイシン、マイトマイシン類似体、ミトナフィド
、ミトスペル、ミトタン、ミトトキシン繊維芽細胞増殖因子−サポリン、ミトキサントロ
ン、塩酸ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチン、モノクローナル抗体、ヒ
ト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリルリピドA/マイコバクテリア細胞壁SK、モピ
ダモル、多剤耐性遺伝子阻害剤、多発性腫瘍抑制因子1系治療剤、マスタード抗癌剤、マ
イカペルオキシドB、マイコバクテリア細胞壁抽出物、ミコフェノール酸、ミリアポロン
、n‐アセチルジナリン、ナファレリン、ナグレスチプ、ナロキソン/ペンタゾシン、ナ
パビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸
、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、酸化窒素調節物質、窒素酸化物
酸化防止剤、ニトルリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、n‐置換ベンズアミド、O6
‐ベンジルグアニン、オクトレチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン
、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカイン誘導物質、オルマプラチン、オサテロ
ン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、オキシスラン、パクリタキセル、パクリタ
キセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミド
ロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパル
ガーゼ、ペルデシン、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム
、ペントスタチン、ペントロゾール、硫酸ペプロマイシン、ペルフルブロン、ペルホスフ
ァミド、ぺリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害
剤、ピシバニル、塩酸ピロカルピン、ピポブロマン、ピポスルファン、ピラルビシン、ピ
リトレキシム、塩酸ピロキサントロン、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲン
活性化剤阻害剤、白金錯体、白金化合物、白金‐トリアミン錯体、プリカマイシン、プロ
メスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロ
カルバジン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ2、前立腺癌抗アンドロ
ゲン、プロテアソーム阻害剤、タンパク質Aに基づく免疫調節物質、タンパク質キナーゼ
C阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラー
ゼ阻害剤、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、
プルプリン、ピラゾフリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキ
シエチレン複合体、RAF拮抗薬、ラルチトレクスド、ラモセトロン、RASファルネシ
ルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、RAS阻害剤、RAS‐GAP阻害剤、レテル
リプチン脱メチル化、レニウムRE186エチドロネート、リゾキシン、リボプリン、リ
ボザイム、RHレチンアミド、RNAi、ロゲルイミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキ
ニメックス、ルビギノンBl、ルボキシル、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、サイ
ントピン、サルクヌ、サルコフィトールA、サルグラモスチン、SDI1模倣物、セムス
チン、セネセンス由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シグ
ナル伝達調節物質、シムトラゼン、単鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサ
ン、ナトリウムボロカプテート、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン
結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォセートナトリウム、スパルフォシン酸、スパル
ソマイシン、スピカマイシンD、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラ
チン、スプレノペンチン、スポンジスタン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分裂
阻害剤、スチピアミド、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ストロメライシン阻害
剤、スルフィノシン、スロフェヌル、超活性血管作用腸管ペプチド拮抗薬、スラディスタ
、スラミン、スエインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリソマイシン、タリムスチ
ン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、
テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、塩酸テロキサントロン、テモポル
フィン、テモゾロマイド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロデ
カオキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、サリドマイド、チアミプリン、チオコラリ
ン、チオグアニン、チオテパ、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣体、サイマルフ
ァシン、サイモポエチン受容体作用薬、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフリ
ン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、チタノセンジクロリド、塩酸トポテカ
ン、トプセンチン、トレミフェン、クエン酸トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害
剤、酢酸トレストロン、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリシリ
ビンホスフェート、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレ
リン、トロピセトロン、塩酸ツブロゾール、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チ
ルホスチン、UBC阻害剤、ウベニメックス、ウラシルマスタード、ウレデパ、尿生殖洞
由来成長阻害剤因子、ウロキナーゼ受容体拮抗薬、バプレオチド、バリオリンB、ベラレ
ソール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリス
チン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビン
ロイロシン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、ビンキサルチン、
硫酸ビンゾリジン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ
、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、または塩酸ゾルビシン等の抗癌剤とするこ
とができる。
【0153】
医薬製剤
ここに開示のナノ粒子は、本発明の別の態様にしたがって、それらを薬学的に許容され
る担体と化合して医薬組成物を形成することができる。当業者に理解されるように、該担
体は、下記に記載する投与経路、標的組織の場所、送達される薬剤、薬剤の送達の時間的
経過等に基づいて選択することができる。
【0154】
本発明の医薬組成物は、経口及び非経口経路を含む当該技術分野で既知である任意の手
段を用いて患者に投与することができる。本明細書で使用される「患者」という用語は、
ヒト及び、例えば、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、及び魚類を含むヒト以外の動物を指
す。例えば、ヒト以外の動物は哺乳類(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サ
ル、イヌ、ネコ、霊長類、またはブタ)とすることができる。特定の実施形態において、
非経口経路が、消化管中に見出される消化酵素との接触を避けられるので望ましい。かか
る実施形態によると、本発明の組成物は、注入によって(例えば、静脈内、皮下または筋
肉内、腹腔内への注入)、経直腸的に、経膣的に、局所的に(粉末剤、クリーム剤、軟膏
、またはドロップ剤を用いて)、または吸入によって(スプレーを用いて)、投与するこ
とができる。
【0155】
ある具体的な実施形態において、本発明のナノ粒子は、それを必要とする対象に、例え
ば、静脈内点滴または注入によって、全身的に投与される。
【0156】
注射用製剤、例えば、滅菌注射用の水性または油性の懸濁液は、好適な分散剤または湿
潤剤及び懸濁化剤を用いて、既知の技術にしたがって処方することができる。滅菌された
注射用製剤は、例えば、1、3‐ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許
容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射液、懸濁液、またはエマルションであってもよい
。使用することができる許容されるビヒクル及び溶媒には、水、リンガー溶液、U.S.
P.、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。また、滅菌済みの固定油が、溶媒または懸濁
媒体として従来使用されている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む
、任意の無刺激性の固定油を使用することができる。また、オレイン酸等の脂肪酸が、注
射液の調製に使用される。1つの実施形態において、本発明の複合体は、1%(w/v)
カルボキシメチルセルロースナトリウム及び0.1%(v/v)トウィーン(登録商標)
80を含む担体液に懸濁される。注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過
によって、または使用前に、滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散させるこ
とができる滅菌固形組成物の形態である滅菌薬剤を組み込むことによって、滅菌すること
ができる。
【0157】
経口投与のための固形剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、及び顆粒剤を含む
。かかる固形剤形において、封入されたまたは封入されていない複合体は、クエン酸ナト
リウムもしくはリン酸カルシウム等の、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される賦
形剤または担体、及び/または(a)でんぷん、ラクトース、蔗糖、グルコース、マンニ
トール、及びケイ酸等の充填剤もしくは増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖、及びアカシア等の結合剤
、(c)グリセロール等の保湿剤、(d)寒天‐寒天、炭酸カルシウム、イモまたはタピ
オカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、(e)パ
ラフィン等の溶液遅延剤、(f)第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、(g)例え
ば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアリン酸塩等の湿潤剤、(h)カオリン
及びベントナイトクレイ等の吸収剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の
滑沢剤、またそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合は、該剤
形は、緩衝剤も含んでいてもよい。
【0158】
PSMA‐標的分子の正確な用量は、個々の医師によって選択され、一般に、用量及び
投与は、治療される患者を考慮して、治療される患者に有効量のPSMA‐標的分子を提
供するように調節されることを理解されたい。本明細書で使用されるPSMA‐標的分子
の「有効量」とは、所望の生物学的応答を起するのに必要な量を指す。当業者には理解さ
れるように、PSMA‐標的分子の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達され
る薬剤、標的組織、投与の経路等の要因に依存して、種々であるかもしれない。例えば、
抗癌剤を含有するPSMA−標的分子の有効量は、所望の期間にわたり所望の量だけ腫瘍
サイズの縮小をもたらす量である可能性がある。考慮され得る付加的な要因には、病態の
重症度、治療される患者の体重及び性別、食生活、投与の時間及び頻度、薬剤の組み合わ
せ、反応感度、ならびに治療に対する耐性/応答が含まれる。
【0159】
本発明のナノ粒子は、投与の簡便性及び投与量の均一性のために、投与単位形態で処方
することができる。本明細書で使用される「投与単位形態」という表現は、治療される患
者に適切であるナノ粒子の物理的な個別単位を指す。しかし、本発明の組成物の1日当た
りの合計使用量は、適切な医学的判断の範囲において担当医師によって決定されることを
理解されたい。いずれのナノ粒子についても、細胞培養アッセイまたは動物モデル(通常
、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタ)において、治療上有効な用量を始めに予測するこ
とが可能である。動物モデルは、望ましい濃度範囲及び投与経路を達成するためにも使用
することができる。かかる情報は、その後、ヒトにおいて有用な用量及び投与経路を決定
するために使用することができる。ナノ粒子の治療効果及び毒性は、細胞培養または実験
動物における標準的な薬学的手順、例えば、ED
50(集団の50%において治療上有効
である用量)及びLD
50(集団の50%において致死的である用量)を用いて決定する
ことができる。毒性効果と治療効果との用量比は治療係数であり、LD
50/ED
50と
して表すことができる。いくつかの実施形態において、高い治療係数を示す医薬組成物が
有用である可能性がある。細胞培養アッセイまたは動物試験から得られたデータは、ヒト
に使用するための用量の範囲を処方する際に使用することができる。
【0160】
ある実施形態において、本明細書中で開示された組成物は、パラジウムを約10ppm
未満、もしくはパラジウムを約8ppm未満、もしくは薬6ppm未満含み得る。例えば
、本明細書で提供するのは、ポリマー複合体PLA−PEG−GL2を有するナノ粒子を
含む組成物であり、ここで、該組成物は、パラジウム約10ppm未満を有する。
【0161】
例示的な実施形態において、治療薬;分子量が約100g/mol〜500g/mol
のリガンドに複合化しているPLGA−PEGコポリマーもしくはPLA−PEGコポリ
マーを含む第1の巨大分子を、ナノ粒子の全ポリマー含有量の約0.1〜約30モルパー
セント、もしくは約0.1〜約20モルパーセント、もしくは約0.1〜約10モルパー
セント、もしくは約1〜約5モルパーセント;及びPLGA−PEGコポリマーもしくは
PLA−PEGコポリマーを含む巨大分子であって、該コポリマーは標的化部分に結合し
ていない第2の巨大分子;及び薬学的に許容される賦形剤を各々含む複数のナノ粒子を含
む医薬品組成物を開示する。例えば、第1のコポリマーは、リガンドを全ポリマー含有量
に対して、約0.001及び5重量パーセント有していてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示のナノ粒子を含む凍結に適した組成物
が考えられ、凍結に適した溶液、例えば、蔗糖溶液、をナノ粒子懸濁液に加える。蔗糖は
、例えば、凍結の際に粒子が凝集するのを防ぐ抗凍結剤として使用することができる。例
えば、本明細書中で提供するのは、複数の開示されたナノ粒子、蔗糖及び水を含むナノ粒
子製剤であって;ここで、該ナノ粒子/蔗糖/水は、約3〜30%/10〜30%/50
〜90%(w/w/w)もしくは約5〜10%/10〜15%/80〜90%(w/w/
w)である。
【0163】
治療の方法
いくつかの実施形態において、本発明による標的分子は、疾患、疾病及び/または病状
の1つもしくは複数の症状もしくは特徴の治療、緩和、寛解、軽減、発症の遅延、進行の
阻害、重症度の軽減及び/または発生率を低下させるために使用することができる。いく
つかの実施形態において、本発明の標的分子は、固形腫瘍癌、例えば癌及び/または癌細
胞を治療するために使用することができる。特定の実施形態において、本発明の標的分子
は、癌の治療を必要とする対象の癌細胞表面または腫瘍新生血管にPSMAを発現する前
立腺または前立腺以外の固形腫瘍の血管新生を含む、任意の癌の治療のために使用するこ
とができる。PSMA関連表示の例には、前立腺癌、乳癌、肺非小細胞癌、結腸直腸癌、
及び膠芽腫が含まれるが、これらに限定されない。
【0164】
「癌」という用語は、前癌性及び悪性の癌を含む。癌には、前立腺、胃癌、結腸大腸癌
、皮膚癌(例えば、メラノーマまたは基底細胞癌)、肺癌、乳癌、頭頸部癌、気管支癌、
膵臓癌、膀胱癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、食道癌、口腔または咽頭癌、肝
臓癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸または虫垂癌、唾液腺癌、甲状腺癌、副腎癌、骨肉
腫、軟骨肉腫、血液組織(hemtologicltiue)の癌等が含まれるが、これ
らに限定されない。「癌細胞」は、腫瘍の形態であるか、対象に単独で存在するか(例え
ば、白血病細胞)、または癌由来の細胞株であってもよい。
【0165】
癌は、様々な身体的症状を伴う可能性がある。癌の症状は、通常、腫瘍の種類及び位置
に依存する。例えば、肺癌は、咳、息切れ、及び胸痛を引き起こし、一方大腸癌は、下痢
、便秘、及び血便を引き起こすことが多い。しかし、わずかではあるが例を挙げると、通
常、以下の症状が一般に多くの癌に関連している:熱、悪寒、寝汗、咳、呼吸困難、体重
減少、食欲減退、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、貧血、黄疸、肝腫大、喀血、疲労、倦
怠感、認知障害、うつ状態、ホルモン障害、好中球減少症、疼痛、難治性皮膚潰瘍(o‐
heligore)、リンパ節肥大、末梢神経障害、及び性機能障害。
【0166】
本発明の1つの態様において、癌(例えば、前立腺癌、乳癌)の治療のための方法が提
供される。いくつかの実施形態において、癌の治療は、本発明の標的分子を必要とする対
象に、所望の結果を達成するために必要な量及び時間で、治療上有効な量の本発明の標的
分子を投与するステップを含む。本発明の特定の実施形態において、本発明の標的分子の
「治療上有効な量」は、癌の1つもしくは複数の症状もしくは特徴の治療、緩和、寛解、
軽減、発症の遅延、進行の阻害、重症度の軽減、及び/または発生率を低下させるために
効果的な量である。
【0167】
本発明の1つの態様において、癌(例えば、前立腺癌)に罹患する対象に本発明の組成
物を投与するための方法が提供される。いくつかの実施形態において、粒子は、所望の結
果(すなわち、癌の治療)を達成するために必要な量及び時間で対象に投与される。本発
明の特定の実施形態において、本発明の標的分子の「治療上有効な量」は、癌の1つもし
くは複数の症状もしくは特徴の治療、緩和、寛解、軽減、発症の遅延、進行の阻害、重症
度の軽減、及び/または発生率を低下させるために効果的な量である。
【0168】
本発明の治療プロトコルは、治療上有効な量の本発明の標的分子を、健常な個体(すな
わち、いずれの癌の症状も示さない、及び/または癌であると診断されていない対象)に
投与するステップを含む。例えば、健常な個体は、癌を発症する及び/または癌の症状を
発症する前に、本発明の標的分子で免疫を受けることができ、リスクのある個体(例えば
、癌の家族歴を有する患者、癌の発症に関連する1つもしくは複数の遺伝子の突然変異を
保持する患者、癌の発症に関連する遺伝子多型を有する患者、癌の発症に関連するウイル
スに感染している患者、癌の発症に関連する習慣及び/または生活様式を有する患者等)
は、癌の発症と実質的に同時(例えば、48時間以内、24位内、または12時間以内)
に治療を受けることができる。当然、癌を有することが分かっている個体は、いつでも本
発明の治療を受けることができる。
【0169】
他の実施形態において、本発明のナノ粒子は、癌細胞(例えば、前立腺癌細胞)の増殖
を阻害するために使用することができる。本明細書で使用される「癌細胞の増殖を阻害す
る」という用語は、治療を行っていない対照癌細胞の観察されるまたは予想される増殖の
速度と比較して癌細胞の増殖の速度が減少されるような、癌細胞の増殖及び/または遊走
速度の任意の遅延、癌細胞の増殖及び/または遊走の停止、または癌細胞の死滅を指す。
「増殖を阻害する」という用語は、癌細胞もしくは腫瘍のサイズの縮小または消滅及びそ
の転移可能性の減少を指すものであってもよい。好ましくは、細胞レベルでのかかる阻害
は、対象における癌のサイズを縮小させる、増殖を遅延させる、癌の侵襲を減少させる、
または転移を予防もしくは阻害することができる。当業者は、様々な好適な指標のいずれ
かを用いて、癌細胞の増殖が阻害されているかどうかを容易に判定することができる。
【0170】
癌細胞増殖の阻害は、例えば、細胞周期G2/Mでの停止のように、例えば、細胞周期
の特定の段階での癌細胞の停止によって証明される。癌細胞増殖の阻害は、癌細胞または
腫瘍のサイズの直接的または間接的な測定によっても証明することができる。ヒト癌患者
において、かかる測定は、通常、磁気共鳴画像、コンピュータ断層撮影、及びX線等の周
知の造影方法を用いて行われる。癌細胞増殖は、循環する癌胎児抗原、前立腺特異的抗原
、または他の癌細胞増殖に相関する癌特異的抗原のレベルを判定することにより、間接的
にも判定することができる。癌増殖の阻害は、通常、対象の生存期間の延長及び/または
健康と福祉の増加にも相関している。
【0171】
また本明細書中で提供するのは、患者に本明細書中で開示する、活性剤を含むナノ粒子
を投与する方法であり、この方法では、患者への投与の際に、かかるナノ粒子は、分布容
積を実質的に減少させ、及び/または遊離したC
maxを、薬剤の単独での(つまり、開
示するナノ粒子としてではない)投与と比較して実質的に減少させる。
【0172】
実施例
ここで本発明を全般的に説明するが、本発明のある態様及び実施形態を説明する目的の
みで含まれ、いかなる方法でも本発明を制限することを意図したものではない以下の例を
参照することで、より容易に理解し得るであろう。
【0173】
実施例1:低分子量PSMAリガンドの合成(GL2)
原料化合物5g(10.67mmol)を無水DMF150mLに溶解した。この溶液
に、臭化アリル(6.3mL、72mmol)及びK
2CO
3(1.47g、10.67
mmol)を添加した。反応物を2時間撹拌して、溶媒を除去し、粗生成物をAcOEt
に溶解してpHが中性になるまでH
2Oで洗浄した。有機相をMgSO
4(無水)で乾燥
させ、蒸発させて5.15g(95%)の物質を得た(CH
2Cl
2:MeOH=20:
1のTLC、Rf=0.9、原料化合物Rf=0.1、ニンヒドリン及び紫外線で検出)
。FW508FW286
【0174】
CH
3CN(50mL)中の化合物(5.15g、10.13mmol)の溶液に、E
t
2NH(20mL、0.19mol)を添加した。反応物を室温で40分間撹拌した。
溶媒を除去して化合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:AcOEt=3:2)で
精製し、2.6g(90%)を得た(CH
2Cl
2:MeOH=10:1のTLC、Rf
=0.4、ニンヒドリンで検出(化合物は紫色を有する))。
1H−NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ 5.95−5.85 (m,
IH, −CH
2CHCH
2), 5.36−5.24 (m, 2H, −CH
2C
HCH
2), 4.62−4.60 (m, 3Η, −CH
2CHCH
2, NHBo
c), 3.46 (t, 1Η, CH(Lys)), 3.11−3.07 (m,
2Η, CH
2NHBoc), 1.79 (bs, 2H, NH
2), 1.79
−1.43 (m, 6H, 3CH
2(LyS)), 1.43 (s, 9Η, B
oc).
【0175】
−78℃で撹拌したCH
2Cl
2(143mL)中のジアリルグルタメート(sial
lyl glutamate)(3.96g、15mmol)及びトリホスゲン(1.4
7g、4.95mmol)の溶液に、CH
2Cl
2(28mL)中のEt
3N(6.4m
L、46mmol)を添加した。反応物を室温まで温めてから、1.5時間撹拌した。次
いでCH
2Cl
2(36mL)溶液中のリジン誘導体(2.6g、9.09mmol)を
−78℃で添加し、反応物を室温で12時間撹拌した。この溶液をCH
2Cl
2で希釈し
、H
2Oで2回洗浄し、MgSO
4(無水)上で乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(
ヘキサン:AcOEt3:1→2:1→AcOEt)で精製して、4g(82%)を得た
(CH
2Cl
2:MeOH=20:1のTLC、Rf=0.3、ニンヒドリンで検出)。
1H−NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ 5.97−5.84 (m,
3H, 3− CH
2CHCH
2), 5.50 (bt, 2H, 2NHurea
), 5.36−5.20 (m, 6Η, 3−CH
2CHCH
2), 4.81 (
bs, 1Η, NHBoc), 4.68−4.40 (m, 8Η, 3−CH
2C
HCH
2, CH(Lys), CH(glu)), 3.09−3.05 (m, 2
Η, CH
2NHBoc), 2.52− 2.39 (m, 2H, CH
2(glu
.)), 2.25−2.14 及び 2.02−1.92 (2m, 2Η, CH
2
(glu.)), 1.87−1.64 (m, 4Η, 2CH
2(LyS)), 1
.51−1.35 (m, 2Η, CH
2(LyS)), 1.44 (s, 9Η,
Boc).
【0176】
乾燥CH
2Cl
2(40mL)中の化合物(4g、7.42mmol)の溶液に、TF
A(9mL)を0℃で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。真空下で完全に乾燥す
るまで溶媒を除去し、4.1g(定量)を得た(CH
2Cl
2:MeOH=20:1のT
LC、Rf=0.1、ニンヒドリンで検出)。
1H−NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ 6.27− 6.16 (2
d, 2H, 2NHurea), 5.96−5.82 (m, 3Η, 3−CH
2
CHCH
2), 5.35−5.20 (m, 6H, 3−CH
2CHCH
2), 4
.61−4.55 (m, 6Η, 3−CH
2CHCH
2), 4.46−4.41
(m, 2H, CH(Lys), CH(glu)), 2.99 (m, 2Η,
CH
2NHBoC), 2.46 (m, 2H, CH
2(glu.)), 2.23
−2.11 及び 2.01−1.88 (2m, 2Η, CH
2(glu.)),
1.88−1.67 (m, 4Η, 2CH
2(LyS)), 1.45 (m, 2
Η, CH
2(LyS)).
【0177】
DMF(無水)(62mL)中の化合物(2g、3.6mmol)の溶液に、Pd(P
Ph
3)
4(0.7g、0.6mmol)及びモルホリン(5.4mL、60.7mmo
l)を、アルゴン下にて0℃で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し
た。粗生成物をCH
2Cl
2で2回洗浄し、次いでH
2Oに溶解した。この溶液に、NO
H(0.01N)の希釈溶液をpHが強塩基性になるまで添加した。減圧下で溶媒を除去
した。固体をCH
2Cl
2、AcOEt、及び1:1のMeOH‐CH
2Cl
2混合物で
再び洗浄し、H
2Oに溶解してアンバーライトIR‐120H
+樹脂で中和した。溶媒を
蒸発させ、化合物をMeOHで沈殿させて、1g(87%)のGL2を得た。
1H−NMR (D
2O, 300 MHz) δ 4.07 (m, 2H, CH
(Lys), CH(glu)), 2.98 (m, 2Η, CH
2NH
2), 2
.36 (m, 2H, CH
2(glu.)), 2.08−2.00 (m, 1Η
, CH
2(glu)), 1.93−1.60 (m, 5Η, CH
2(glu.)
, 2CH
2(LyS)), 1.41 (m, 2Η, CH
2(LyS)).Mas
s ESI: 320.47 [M + H
+], 342.42 [M + Na
+]
.
【0178】
実施例2:低分子量PSMAリガンド(GLl)の合成
原料化合物130mg(0.258mmol)をDMF(無水)3mLに溶解した。こ
の溶液に、臭化アリル(150μL、1.72mmol)及びK
2CO
3(41mg、0
.3mmol)を添加した。反応物を1時間撹拌して、溶媒を除去し、粗生成物をAcO
Etに溶解して、pHが中性になるまでH
2Oで洗浄した。有機相をMgSO
4(無水)
で乾燥させ、蒸発させて130mg(93%)を得た(CH
2Cl
2:MeOH=20:
1のTLC、Rf=0.9、原料化合物Rf=0.1、ニンヒドリン及び紫外線で検出)
。
1H−NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ 7.81−7.05 (12
H, 芳香族), 6.81 (bs, IH, NHFmoc), 5.93−5.8
1 (m, 1Η, −CH
2CHCH
2), 5.35− 5.24 (m, 2H,
−CH
2CHCH
2), 5.00 (bd, 1Η, NHboc), 4.61−
4.53 (m, 5Η, −CH
2CHCH
2, CH
2(Fmoc), CHφhe
ala.)), 4.28 (t, 1Η, CH(Fmoc)), 3.12−2.9
8 (m, 2Η, CH
2(pheala.), 1.44 (s, 9Η, Boc
).
【0179】
乾燥CH
2Cl
2(2mL)中の化合物(120mg、0.221mmol)の溶液に
、0℃でTFA(1mL)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。真空下で溶媒を
除去し、水を添加して再び除去し、CH
2Cl
2を添加して再び除去して、完全に乾燥さ
せ、120mg(定量)を得た(CH
2Cl
2:MeOH=20:1のTLC、Rf=0
.1、ニンヒドリン及び紫外線で検出)。
1H−NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ 7.80−7.00 (13
H, 芳香族, NHFmoc), 5.90−5.75 (m, 1Η, −CH
2C
HCH
2), 5.35−5.19 (m, 3H, −CH
2CHCH
2, NHbo
c), 4.70−4.40 (2m, 5Η, −CH
2CHCH
2, CH
2(Fm
oc), CHφheala.)), 4.20 (t, 1Η, CH(Fmoc))
, 3.40−3.05 (m, 2Η, CH
2(pheala.)).
【0180】
−78℃で撹拌したCH
2Cl
2(4mL)中のジアリルグルタメート(110mg、
0.42mmol)及びトリホスゲン(43mg、0.14mmol)の溶液に、CH
2
Cl
2(0.8mL)中のEt
3N(180μL、1.3mmol)を添加した。反応混
合物を室温まで温めてから、1.5時間撹拌した。次いで、CH
2Cl
2(1mL)及び
Et
3N(70μL、0.5mmol)の溶液中のフェニルアラニン誘導体(140mg
、0.251mmol)を−78℃で添加して、反応物を室温で12時間撹拌した。溶液
をCH
2Cl
2で希釈して、H
2Oで2回洗浄し、MgSO
4(無水)上で乾燥させて、
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:AcOEt=3:1)で精製して100mg(5
7%)を得た(CH
2Cl
2:MeOH=20:1のTLC、Rf=0.3、ニンヒドリ
ン及び紫外線で検出)。
1H−NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ 7.80−6.95 (13
H, 芳香族, NHFmoc), 5.98−5.82 (m, 3Η, 3−CH
2
CHCH
2), 5.54 (bd, IH, NHurea) ,5.43−5.19
(m, 7Η, 3−CH
2CHCH
2, NHurea), 4.85−4.78
(m, 1Η, CHφheala.)), 4.67−4.50 (m, 9Η, 3
−CH
2CHCH
2, CH
2(Fmoc), CH(glu.)), 4.28 (t
, 1Η, CH(Fmoc)), 3.05 (d, 2Η, CH
2(pheala
.)), 2.53−2.33 (m, 2Η, CH
2(glu.)), 2.25−
2.11 及び 1.98−1.80 (2m, 2Η, CH
2(glu.)).
【0181】
CH
3CN(1mL)中の原料物質(60mg、0.086mmol)の溶液に、Et
2NH(1mL、10mmol)を添加した。反応物を室温で40分撹拌した。溶媒を除
去して、化合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:AcOEt=2:1)で精製し
て35mg(85%)を得た(CH
2Cl
2:MeOH=10:1のTLC、Rf=0.
5、原料化合物Rf=0.75、ニンヒドリン(化合物は紫色を有する)及び紫外線で検
出)。
1H−NMR (CDCl
3, 300 MHz) δ 6.85 及び 6.55
(2d, 4H, 芳香族), 5.98−5.82 (m, 3H, 3− CH
2C
HCH
2), 5.56 (bd, IH, NHurea) ,5.44−5.18
(m, 7Η, 3−CH
2CHCH
2, NHurea), 4.79−4.72 (
m, 1Η, CHφheala.)), 4.65−4.49 (m, 7Η, 3−
CH
2CHCH
2, CH(glu.)), 3.64 (bs, 2Η, NH
2),
3.02−2.89 (m, 2Η, CH
2(pheala.)), 2.49−2
.31 (m, 2Η, CH
2(glu.)), 2.20−2.09 及び 1.9
1−1.78 (2m, 2Η, CH
2(glu.)).
【0182】
DMF(無水、1.5mL)中の化合物(50mg、0.105mmol)の溶液に、
Pd(PPh
3)
4(21mg、0.018mmol)及びモルホリン(154μL、1
.77mmol)をアルゴン下にて0℃で添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。溶
媒を除去した。粗生成物をCH
2Cl
2で2回洗浄してから、H
2Oに溶解した。この溶
液に、NOH(0.01N)の希釈溶液をpHが強塩基性になるまで添加した。減圧下で
溶媒を除去した。固体をCH
2Cl
2、AcOEt、及び1:1のMeOH‐CH
2Cl
2混合物で再び洗浄し、H
2Oに溶解してアンバーライトIR‐120H
+樹脂で中和し
た。溶媒を蒸発させ、化合物をMeOHで沈殿させて、25mg(67%)のGL1を得
た。
1H−NMR (D
2O, 300 MHz) δ 7.08 及び 6.79 (2
d, 4H, 芳香族), 4.21 (m, IH, CH(pheala.)),
3.90 (m, 1Η, CH(glu.)), 2.99 及び 2.82 (2d
d, 2Η, CH
2(pheala.)), 2.22−2.11 (m, 2Η,
CH
2(glu.)), 2.05−1.70 (2m, 2Η, CH
2(glu.)
).
13C−NMR (D
2O, 75 MHz) δ 176.8, 174.5,
173.9 (3 COO), 153.3 (NHCONH), 138.8 (H
2N−C(Ph)), 124.5, 122.9, 110.9 (aromatic
s), 51.3 (CH(pheala.)), 49.8 (CH(glu.)),
31.8 (CH
2(pheala.)), 28.4 及び 23.6 (2CH
2
−glu.)).Mass ESI: 354.19 [M + H
+], 376.2
3 [M + Na
+].
【0183】
実施例3:PLA−PEGの調製
d、l−ラクチドと、マクロ開始剤としてのα−ヒドロキシ−ω−メトキシポリ(エチ
レングリコール)との開環重合によって合成し、2−エチルヘキサン酸スズ(II)を触
媒として使用して高温で、以下に示すとおり行う(PEG Mn 〜 5,000 Da
; PLA Mn 〜 16,000 Da; PEG−PLA Mn 〜 21,00
0 Da)
【0184】
ポリマーをジクロロメタン中に溶解し、ヘキサンとジエチルエーテルの混合物中で沈殿
させることによって、ポリマーを精製する。この工程から回収したポリマーは、オーブン
で乾燥させる。
【0185】
実施例4:PLA−PEG−リガンドの調製
図2に示す合成は、先ずFMOC、BOCリジンをジメチルホルムアミド中の臭化アリ
ル及び炭酸カリウムと反応させることでFMOC、BOCリジンをFMOC、BOC、ア
リルリジンへ変換し、次いでアセトニトリル中のジエチルアミンで処理することで行う。
次にBOC、アリルリジンをトリホスゲン及びジアリルグルタメートと反応させ、その後
塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸で処理して、化合物「GL2P」を形成する。
【0186】
次にGL2P中のリジンの側鎖アミンを、ヒドロキシl−PEG−カルボン酸を加える
ことによってEDC及びNHSを用いてPEG化する。GL2PのPEGへの複合化は、
アミド結合によって行われる。この得られた化合物の構造を「HO−PEG−GL2P」
と標識付けする。PEG化の後、開始剤としてのHO−PEG−GL2P中でのd、l−
ラクチドの水酸基との開環重合(ROP)を利用して、エステル結合を介してポリラクチ
ドブロックポリマーをHO−PEG−GL2Pに付着させ、「PLA−PEG−GL2P
」を得る。2−エチルヘキサン酸スズ(II)を開環重合の触媒として用いる。
【0187】
最後に、PLA−PEG−GL2P上のアリル基を、ジクロロメタン中のモルフォリン
及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(触媒として)を使用して除去し
、最終的な生成物PLA−PEG−リガンドを得る。最終的な化合物を30/70%(v
/v)ジエチルエーテル/ヘキサン中で沈殿によって精製する。
【0188】
実施例5:ナノ粒子の製造−ナノ沈殿
ナノ粒子は、GLlもしくはGL2リガンドを使用して製造することができる。尿素系
PSMA阻害剤GL2は、PSMA結合にとって重要な意味をもたない領域に位置する自
由アミノ基を有し、スキーム1に示す手順に従って、市販の出発物質Boc‐Phe(4
NHFmoc)‐OH及びグルタミン酸ジアリルから合成される。ナノ粒子はナノ沈殿に
よって形成される:ポリマーリガンド複合体を、薬剤と、粒子の取り込みを追跡するため
の他の物質と、を含む水混和性有機溶媒に溶解する。リガンドの表面密度を調節するため
に、追加として非官能化ポリマーを含ませることができる。ポリマー溶液を水性相に分散
させ、その結果生じる粒子を濾過によって回収する。該粒子は、乾燥させてもよく、また
は生体外での細胞取り込みもしくは生体内での前立腺腫瘍に対する抗腫瘍効果を調べるこ
ともできる。
スキーム1
【0189】
実施例6:ナノ粒子の製造−乳化プロセス
2%ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)−ポリ(エチレングリコール)ジブロックコポ
リマー(PLGA−PEG; 45kDa〜5kDa)、2%ポリ(D、L−ラクチド)
(PLA;8.5kDa)、及び1%ドセタキセル(DTXL)を含む、固形分(wt%
)5%からなる有機相を形成する。ここでドセタキセルは、
の構造を有する。
【0190】
有機溶媒は、酢酸エチル(EA)及びベンジルアルコール(BA)であり、BAは有機
相を20%(wt%)含む。BAは、一つにはドセタキセルを可溶化するために使用する
。有機相と水相を、約1:5の比率(油相:水相)で混合する。ここで、水相は、水中の
0.5%コール酸ナトリウム、2%BA、及び4%EA(wt%)からなる。一次エマル
ションを、該二相を単純な混合もしくはロータステータホモジナイザーを用いて混合する
ことによって形成する。次に一次エマルションを、プローブソニケータもしくは高圧ホモ
ジナイザーを使用してファインエマルションに形成する。
【0191】
次いでファインエマルションを、脱イオン水の冷却した急冷液(0−5℃)に混合しな
がら加えることによって急冷する。急冷液:エマルションの比率は、約8.5:1である
。次に、トウィーン80の25%溶液(wt%)を急冷液に加えて、全体で約2%のトウ
ィーン80を得る。次に、遠心分離もしくは限外濾過/ダイアフィルトレーションのいず
れかによってナノ粒子を単離する。ナノ粒子懸濁液は、10wt%蔗糖等の凍結保護物質
で凍結することができる。
【0192】
PLGA−PEGコポリマーの他にPLAを加えることで、薬剤装填が有意に上昇する
ことが判明した。BAを使用すること自体もまた同様に封入効率を高め、DTXLの可溶
化にBAが必要でない場合でも封入効率を高めることが考えられる。急冷液の温度が薬剤
装填に重要な役割を果たすことが判明した。冷急冷液(一般的に0〜5℃に維持される)
を使用することによって、薬剤装填が、室温の急冷液を使用した場合の薬剤装填と比較し
て、有意に上昇した。
【0193】
DTXLは水溶性が非常に低く、未封入のDTXLは、形成されたナノ粒子から単離す
ることが困難な結晶をしばしば形成することが判明した。ファインエマルションを急冷し
た後、薬剤可溶化剤 (トウィーン80)を加えた。トウィーン80は、効果的にDTX
L結晶を可溶化し、DTXL結晶の形成を防ぐことによって、及び/またはファインエマ
ルションを急冷する場合に形成するあらゆるDTXL結晶を効果的に可溶化することによ
って、未封入のDTXLからのナノ粒子の単離を可能にすることが出来る。ナノエマルシ
ョン条件の標準的なセットは、以下の通りであった。
対照:
【表1】
【0194】
添加剤としてホモポリマーを加えることで、以下に示すように、薬剤装填が増大した一
方、粒度は低下した。
【表2】
【0195】
急冷温度
ここで、比較のために用いた対照は、それらは既に冷急冷温度で行われているため、上
記の対照とは異なる。
【表3】
例示的なパラメータ
【表4】
【0196】
実施例7 乳化プロセス
下記のプロセスでは、固形分が高い油相を使用する。プロセスの全体的フローチャート
を
図3に示し、プロセスフロー図を
図4に示す。乳化油相の溶媒含有量を低下させること
で、ナノ粒子を硬化させる際に急冷液に失われる薬剤が減少した。粘稠性が過度に高くな
ると、−100nmの液滴に乳化する能力を制限する恐れがあるため、これを避けるよう
に固形分及び溶媒系を選択する。相対的に低分子量のコポリマー(〜16kDa〜5kD
aのPLA−PEG)及び低分子量のホモポリマー(〜7kDaのPLA)を使用すると
、製剤の固形分が多くても粘稠性が十分低くなる。溶媒系は、薬剤を溶液中で高濃度で保
持するのに適切な溶媒和力を有するものを選択する。共溶媒系(一般に酢酸エチル:ベン
ジルアルコール=79:21)の使用によって、ポリマー:ドセタキセル=80:20配
合の、固形分が最高50%の連続溶液が可能となる。
【0197】
ドセタキセル(DTXL)とポリマー(ホモポリマー、コポリマー、及びリガンドを有
するコポリマー)の混合物からなる有機相を形成する。有機相を水相約1:5の比率(油
相:水相)で混合する。ここで、水相は、界面活性剤及び数種類の溶解された溶媒からな
る。高い薬剤装填を達成するために、有機相中に約30%の固形分を使用する。
【0198】
ドセタキセル(DTXL)とポリマー(ホモポリマー、コポリマー、及びリガンドを有
するコポリマー)の混合物からなる有機相を形成する。組成物及び有機溶媒を表に列記す
る。有機相と水相を、約1:5の比率(油相:水相)で混合する。ここで、水相は、界面
活性剤及び数種類の溶解された溶媒からなる。この二相を単純な混合もしくはロータステ
ータホモジナイザーを用いて混合することによって、一次エマルションを形成する。次に
、高圧ホモジナイザーを使用して一次エマルションをファインエマルションに形成する。
その後、脱イオン水を加えて混合しながらファインエマルションを所定温度(表に列挙)
で急冷する。急冷液:エマルションの比率は、約8.5:1である。次に、トウィーン8
0の25%(wt%)溶液を急冷液に加えて、全体で約2%のトウィーン80を得る。こ
のことは、遊離した未封入の薬剤を溶解する役割を果たし、ナノ粒子の単離工程を実行可
能にする。次に、遠心分離もしくは限外濾過/ダイアフィルトレーションのいずれかによ
ってナノ粒子を単離する。
【0199】
対照
ナノエマルション条件の標準的なセットを、以下のように提供する。リガンド非含有粒
子(非標的ナノ粒子)を形成する。
【表5】
固形分10%
【表6】
固形分20%
【表7】
固形分40%
【表8】
粒度の減少のために界面活性剤濃度を高くした固形分30%;標的化ナノ粒子バッチ
【表9】
【0200】
実施例8:ナノ粒子の製造−乳化プロセス2
ドセタキセル(DTXL)とポリマー(ホモポリマー、コポリマー、及びリガンドを有
するコポリマー)の混合物からなる有機相を形成する。有機相と水相を、約1:5の比率
(油相:水相)で混合する。ここで、水相は、界面活性剤及び数種類の溶解された溶媒か
らなる。高い薬剤装填を達成するために、有機相中に約30%の固形分を使用する。
【0201】
この二相を単純な混合下に、もしくはロータステータホモジナイザーを使用して混合す
ることによって、一次粗エマルションを形成する。ロータ/ステータは均質な乳白色の溶
液を生じたが、攪拌バーは粗い見た目のエマルションを生じた。攪拌バーの方法では、油
相の液滴の供給槽側への付着が著しくなることが観察され、粗エマルションのサイズは品
質に重要なプロセスパラメータではないが、歩留り損失もしくは相分離を防ぐために適度
な細かさが必要であることを示唆している。従って、大規模においては高速ミキサーが適
している可能性があるが、ロータステータを粗エマルション形成の標準分析法として使用
する。
【0202】
次に、高圧ホモジナイザーを使用して一次エマルションをファインエマルションに形成
する。粗エマルションのサイズは、ホモジナイザーを連続して(103回)通過させた後
の粒度に有意に影響しない。M−110−EH(
図5)。
【0203】
ホモジナイザーのフィード圧は、得られた粒度に有意な影響を有すること判明した。空
気圧及び電気式M−110EHホモジナイザーの両方において、フィード圧を低下させる
と粒度も減少することが判明した(
図6)。従ってM−110EHに使用する、標準操作
圧は相互作用チャンバあたり4000〜5000psiであり、これは単位あたりの最小
加工圧である。またM−1 10EHは、相互作用チャンバの数が1もしくは2で選べる
。これには、制限的なYチャンバが標準で付随し、直列でより非制限的な200μmのZ
チャンバが付随する。Yチャンバを取り外し、代わりにブランクのチャンバ(blank
chamber)を使用した場合、粒度が実際に減少したことが判明した。さらに、Y
チャンバを取り外すと、加工中のエマルションの流量が有意に増大した。
【0204】
2〜3回通過させた後では粒度は有意に減少せず、連続して通過させると粒度が増加す
ることさえあった。結果を
図7にまとめる。ここで、プラシーボの有機相は、25.5%
ポリマーストック50:5016.5/5PLA/PEG:8.2PLAで構成した。有
機相を標準的な水相で乳化し(O:W=5:1)、ホモジナイザーを別々に複数回通過さ
せ、各通過後少量のエマルションを急冷した。示された規模は、製剤の全固形分を表す。
【0205】
粒度に対する規模の影響は、驚くべき規模依存性を示した。傾向としては、2〜10g
のバッチサイズの範囲では、バッチが大きいほど小さい粒子が生成する。この規模依存性
は、10g規模より大きなバッチを考慮した場合、なくなることが実証された。油相に使
用した固形分の量は約30%であった。
図8及び9は、粒度及び薬剤装填に対する固形分
濃度の影響を示すが、15−175シリーズは、全バッチがプラシーボであるため例外で
ある。プラシーボバッチについては、固形分%の値は、標準的な20%w/wで存在する
薬剤の固形分%を表す。
【0206】
表A:乳化プロセスパラメータの概要
【表10】
【0207】
その後、ファインエマルションを所定温度の脱イオン水に加えて混合しながら急冷する
。急冷ユニット操作では、エマルションを冷水性急冷液に攪拌下に加える。これは、油相
溶媒の大部分を抽出し、下流の濾過においてナノ粒子を効果的に硬化する役割を果たす。
急冷液を冷却することによって、薬剤の封入が有意に改善された。急冷液:エマルション
の比率は、約5:1である。
【0208】
トウィーン80の35%(wt%)溶液を急冷液に加えて、全体で約2%のトウィーン
80を得る。エマルションを急冷した後、薬剤可溶化剤として作用するトウィーン80の
溶液を加え、濾過中に未封入の薬剤を効果的に除去することを可能とする。表Bは、各急
冷プロセスパラメータを示す。
表B:急冷プロセスパラメータの概要
【表11】
【0209】
温度は、十分に希薄な懸濁液(溶媒の濃度が十分に低い)で、粒子のTg未満に保つた
めに十分低く維持せねばならない。Q:E(急冷液:エマルション)比率が十分に高くな
い場合、溶媒の濃度が高いため粒子が可塑化し、薬剤の漏れが起こる可能性がある。逆に
、もっと低い温度では、低Q:E比率(〜−3:1)での薬剤の封入を増加することがで
き、プロセスをより効率的に行う可能にする。
【0210】
次に、タンジェンシャルフロー濾過プロセスによってナノ粒子を単離し、ナノ粒子懸濁
液を濃縮、溶媒、遊離薬剤、及び薬剤可溶化剤を急冷液から水中へ緩衝交換する。分画分
子量カットオフ(MWCO)が300の再生セルロース膜を使用する。
【0211】
定容ダイアフィルトレーション(DF)を行って、急冷液、遊離薬剤及びトウィーン8
0を除去する。定容DFを行うには、濾液を除去するのと同じ比率で、緩衝剤を保持液槽
に加える。TFF操作のプロセスパラメータの概要を、表Cに示す。クロスフロー速度は
、溶液が供給経路を通過する流速や、膜を透過する流速を指す。この流れが、膜を詰まら
せ及び濾液の流れを限定する分子を押し流す力を供給する。膜間差圧(transmem
brane pressure)は、透過性の分子を膜を通過させる力である。
表C:TFFパラメータ
【表12】
【0212】
次に、濾過したナノ粒子のスラリーを、ワークアップ(workup)中に高温まで熱
サイクルにかける。ナノ粒子を25℃の温度へ初めて曝露した後非常に迅速に、少量(一
般に5〜10%)の封入された薬剤がナノ粒子から放出される。この現象のため、ワーク
アップ中を通して低温に保持しているバッチは、薬剤が遊離しやすく、もしくは送達中や
凍結せずに保管している間に薬剤が結晶を形成しやすいが。ワークアップ中にナノ粒子の
スラリーを高温に曝露することによって、この「緩やかに封入された」薬剤を除去するこ
とで、薬剤装填が少し低下する一方、生成物の安定性を改善することができる。表Dは、
25℃で処理を行った2例の概要を示す。その他の実験では、2〜4ダイアボリュームを
25℃に曝露した後でも、封入された薬剤の大部分を失わず、生成物は十分安定している
ことが分かった25℃での処理の前の低温処理の量として5ダイアボリュームを使用する
。
表D:
【表13】
125℃でのワークアップのサブロットを、少なくとも5ダイアボリュームの後に
様々な期間25℃に曝露した。25℃に曝露したサブロットが複数の存在したため、範囲
を報告する。
2安定性データは、スラリー中で結晶が形成される(顕微鏡で観察可能)前に最終的
な生成物が25℃で10〜50mg/mlのナノ粒子の濃度で保持され得る時間を表す。
3インビトロバースト(In vitro burst)は、最初の時点(本質的に
直ちに)で放出される薬剤を表す。
【0213】
濾過プロセス後に、ナノ粒子懸濁液を滅菌用フィルター(絶対孔径(Absolute
)0.2μm)を通過させる。プロセスに対する適切な濾過面積/時間を使用するために
、前置フィルターを使用して、滅菌用フィルターを保護する。値は、表Eに概要を示すと
おりである。
表E:
【表14】
【0214】
濾過トレインは、Ertel Alsop Micromedia XLデプスフィル
ターM953P膜(公称孔径(Nominal)0.2μm)であり;Pall SUP
RAcap with Seitz EKSPデプスフィルター媒体(公称孔径0.1〜
0.3μm);Pall Life Sciences Supor EKV0.65/
0.2ミクロン滅菌グレードPESフィルター。
【0215】
デプスフィルターについてはナノ粒子1kgあたり0.2m
2濾過表面積を、滅菌用フ
ィルターについてはナノ粒子1kgあたり1.3m2の濾過表面積を使用することができ
る。
【0216】
実施例9
例えば、PEG、本明細書中で説明した化学療法薬に複合化した、及び任意にGLlも
しくはGL2に複合化した生体適合性ポリマーを含む標的特異的ナノ粒子を製造すること
ができる。例示的なナノ粒子を、下記の表1に示す。
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【0217】
実施例10
表2に示すナノ粒子を、実施例8の手順を使用して製造する。
PLGA−PEGの巨大分子及びPLGA−PEG−小分子リガンド(SML)の巨大分
子を含むナノ粒子を、下記の研究1及び2に示すように製造した。研究3及び4において
、PLA−PEGの巨大分子、PLGA−PEG−SMLの巨大分子、及びPLAの巨大
分子を含むナノ粒子を製造した(DB=ジブロックコポリマー)。
【0218】
小分子標的化部分−官能化巨大分子と非官能化巨大分子との比率は調節することが出来
、研究1を使用して、官能化巨大分子が約0.94モル%、4.63モル%及び9.01
モル%のポリマー組成を有するナノ粒子を製造することができる(「全ポリのDB−GL
2モル%」参照)。さらに、これらの方法を使用して、小分子リガンドを全ポリマーに対
して約0.015、0.073及び0.143重量%を含むナノ粒子を製造することがで
きる(「GL2wrtポリWt.%。」を参照)。
【0219】
また、ナノ粒子のポリマー組成全体の約0.1−30、例えば、0.1−20、例えば
、0.1−10モルパーセントを構成する官能化ポリマーを有するナノ粒子も、全ポリマ
ーに対して低分子量リガンドを0.001〜5、例えば、0.001〜2、例えば、0.
001〜1重量パーセントを有するナノ粒子を同様に製造することができる。
【表16-1】
【表16-2】
【0220】
実施例11
種々のナノ粒子製剤を、表Fに説明、比較するように、実施例8の手順を使用して形成
する。
【表17】
【0221】
図10に示すように、最適な粒度を、ホモポリマーPLAを使用せずに、また著しく薬
剤装填を損なわずに達成することができる。PLAホモポリマーを有するバッチは、コポ
リマーのみを使用して製造したバッチより著しく速く薬剤を放出する
図11)。様々なポ
リマーの種類及び分子量は、薬剤装填及び粒度の最適化に付加価値を与えなかった。逆に
、「代替ポリマー」タイプの全固形分15%では、粒度は概して標的サイズの100〜1
20mより大きかった。5wt。%で導入したセチルアルコールは、概してインビトロ放
出の速度を上昇させた(
図12)。
【0222】
実施例12 抗凍結剤
脱イオン水単独中でナノエマルションナノ粒子の懸濁液を凍結すると、粒子が凝集する
。これは、ナノ粒子表面でのPEG鎖の結晶化及びもつれのためであると考えられている
(Jaeghere et al; Pharmaceutical Research
16(6), p 859− 852)。糖系の添加剤(蔗糖、トレハロース、もしく
はマンニトール)は、凍結解凍条件下で、希薄な(〜10mg/ml)ナノ粒子懸濁液に
対して1wt%の低濃度で、これらのナノ粒子を凍結保護するように作用し得る。ある製
剤は、蔗糖を10wt%含むが、これは必要量に対して過剰量の蔗糖であり、生理食塩水
と同じ浸透圧である。
【0223】
表Gは、16/5PLA−PEGコポリマーが凍結解凍による凝集を起こしにくいことを
示す。
【表18】
【0224】
実施例13 パラジウムの除去
ヒトの臨床試験における用量レベル(ug/日)に基づき、PLA−PEG−GL2組
成物中の最大許容パラジウム濃度は約10ppmである。ポリマー(PLA−PEG−G
L2)のジクロロメタン(DCM)溶液(20もしくは35mg/mL)を、樹脂カラム
(DCM10mLで予備溶媒和)5gに装填し、次いで重力下でDCMを30mL用いて
溶出した。室温で回転蒸発の後真空乾燥を行って溶媒を除去し、ポリマーを回収した。ポ
リマーの回収を、重量測定で調べ、残留パラジウム含有量を、ガルブレイスラボラトリー
ズ社(Galbraith Laboratories Inc.)の誘導結合プラズマ
(ICP)分光法によって調べた。
【表19】
【0225】
表Hから分かるように、チオール、TMT、尿素及びチオ尿素の機能性によって、評価
される単位樹脂重量当りのポリマー装填におけるパラジウム濃度が50ppm未満となっ
た。しかし、TMT(トリメルカプトトリアジン)樹脂のみは、(>90%)ポリマー回
収率が良好であった。また、TMT樹脂はパラジウム含有量が許容閾値の10ppm未満
であった。結果には、用いた実験条件に依存するいくつかの可変性があると思われる。特
に、パラジウムの回収は、ポリマーを1050mg装填したTMTを5g樹脂カラムに充
填した場合により効果的である。これは、これらの実験条件におけるポリマー種及びパラ
ジウム触媒の滞留時間が長いためかもしれない。
【0226】
実施例14 製剤
PLA−PEG−リガンド、PLA、PLA−PEG、及びドセタキセルのナノ粒子を
含む製剤を蔗糖/水組成物中で形成する。
【表20】
【0227】
実施例15 インビトロ放出
Aインビトロ放出方法を用いて、周囲条件と37℃の条件の両方でこれらのナノ粒子か
らの初期バースト相放出を調べた。沈下条件を維持し、ナノ粒子が放出試料に入るのを防
ぐために、透析システムを設計した。100nm粒子のペレット化が可能な超遠心分離機
を得た後、透析膜を取り除き、遠心分離を用いて放出された薬剤を封入された薬剤から分
離した。
【0228】
透析システムは以下の通りである:DI水中のドセタキセルナノ粒子のスラリー3mL
(約250μg/mL薬剤/PLGA/PLAナノ粒子、固体濃度2.5mg/mLに対
応する)を、ピペットによって300kDaMWCO透析器のインナーチューブ内に入れ
る。ナノ粒子は、この媒体あの懸濁液である。透析器を、放出された媒体(PBS中2.
5%ヒドロキシルベータシクロデキストリン)130mlを含有するガラスびん内に入れ
、これを、膜と外側溶液の界面における不攪拌水層の形成を防ぐため、振盪機を使用して
連続して150rpmで攪拌する。所定の時点において、試料の一定分量(1mL)をo
uter溶液(透析物)から抜き取り、そのドセタキセル濃度をHPLCによって分析し
た。
【0229】
遠心分離器は、同様の条件で、懸濁液分配量を低下させ、透析袋なしで運転した。60
,000g/30分間で試料を遠心分離し、上清をアッセイして薬剤の含有量を調べ、放
出された薬剤を測定する。
【0230】
実施例16 ドセタキセルナノ粒子のインビトロ放出
実施例8で製造したドセタキセルナノ粒子の懸濁液(ドセタキセル10重量%及びポリ
マー(PLA−PEG−GL2 1.25wt%及びPLA−PEG 98.75wt%
、MPLA=16Da;MPEG=5Da)90重量%)を透析カセット内に入れ、PB
Sの貯留槽内で37℃で撹拌しながら培養した。透析物の試料を回収し、逆相HPLCを
使用してドセタキセルを分析した。比較のため、従来のドセタキセルを同じ手順に供した
。
図13は、従来のドセタキセルと比較した、ナノ粒子のインビトロ放出特性を示す。封
入されたドセタキセルのポリマーマトリックスからの放出は、最初の24時間にわたって
は本質的に直線的であり、残りは約96時間にわたって徐々に粒子から放出された。
【0231】
実施例17 シロリムスナノ粒子
ナノ粒子バッチを、実施例8の全般的な手順を使用して、80%(w/w)ポリマー−
PEGもしくはホモポリマーPLAを有するポリマー−PEGを40%(w/w)で製造
し、各バッチの全固形分%を5%、15%及び30%とした。使用した溶媒は次のとおり
であった:ベンジルアルコール21%及び酢酸エチル79%(w/w)。2グラムのバッ
チサイズ毎に、薬剤を400mg使用し、16−5ポリマー−PEGを1.6gもしくは
16−5ポリマー−PEGを0.8g、+10kDaPLA(ホモポリマー)を0.8g
使用した。ジブロックポリマー16−5 PLA−PEGもしくはPLGA−PEG(5
0:50L:G)を使用し、ホモポリマーを使用する場合は、以下のものを使用した:P
LA(M=6.5kDa、Mw=10kDa、及びMw/M=1.55)。
【0232】
有機相(薬剤及びポリマー)を2gのバッチで調製する:20mLシンチレーションバ
イアルに薬剤及びポリマーを加える。固形分濃度%において必要な溶媒の質量を、以下に
示す:
i.固形分5%:ベンジルアルコール7.98g+酢酸エチル30.02g
ii.固形分15%:ベンジルアルコール2.38g+酢酸エチル8.95g
iii.固形分30%:ベンジルアルコール0.98g+酢酸エチル3.69g
【0233】
0.5%コール酸ナトリウム、2%ベンジルアルコール、及び水中4%酢酸エチルで水
溶液を調製する。2Lのびんに、コール酸ナトリウムを7.5g、DI水を1402.5
g、ベンジルアルコールを30g及び酢酸エチルを60g加え、攪拌プレート上で溶解す
るまで混合する。
【0234】
エマルションの形成については、水相と油相の比率5:1を用いる。有機相を水溶液中
に注ぎ、IKAを使用して10秒間室温で均質化して、粗エマルションを形成する。溶液
を9Kpsi(ゲージ上で45psi)で2回別々にホモジナイザー(110S)に通し
、ナノエマルションを形成する。
【0235】
エマルションを、<5Cで攪拌プレート上で攪拌しながら急冷液(D.I.水)中に注
ぐ。急冷液とエマルションの比率は8:1である。水中35%(w/w)トウィーン80
を急冷液に25:1=トウィーン80:薬剤の比率で加える。TFFによってナノ粒子を
濃縮 し、急冷液を500kDaポールカセット(2膜)を用いて〜100mLにTFF
で濃縮する。冷DI水の〜20ダイアボリューム(2リットル)を用いてダイアフィルト
レーションを使用し、該容量を最低容量まで下げ、次に、最終的なスラリー、〜100m
Lを回収する。濾過していない最終的なスラリーの固形分濃度を、風袋を差し引いた20
mLシンチレーションバイアルを使用し、最終的なスラリー4mLを加えて調べ、真空で
凍結乾燥機/オーブン(lyo/oven)で乾燥させ、乾燥させたスラリー4mL中の
ナノ粒子の重量を調べる。濃縮蔗糖(0.666g/g)を、最終的なスラリー試料に加
えて、10%蔗糖を得た。
【0236】
0.45um濾過の最終的なスラリーの固形分濃度を、蔗糖を加える前に最終的なスラ
リーサンプル約5mLを0.45μmシリンジフィルターで濾過することによって調べた
;風袋を差し引いたシンチレーションバイアル20mLに、濾過した試料4mLを加え、
真空下で凍結乾燥機/オーブンで乾燥させる。
【0237】
濾過していない最終的なスラリーの残りの試料を、蔗糖とともに凍結した。
ラパマイシン(シロリムス)製剤:
【表21】
【0238】
固形含有量の影響及びポリ(乳)酸ホモポリマーの含有の効果を、
図14に示す。
【0239】
インビトロでの放出実験を、トウィーン20(T20)10%(w/w)を含有するPB
S中にナノ粒子を37℃で分散して行った。T20を使用してラパマイシンのPBSへの
溶解性を、HPLCによって検出可能なレベルまで増加させ、また沈下条件を維持した。
薬剤を付加したナノ粒子3mLを、既知の濃度(約250μg/ml)で広口瓶に入れた
放出媒体13OmL中で再分散した。これらの容量は、放出媒体中での薬剤の最大濃度が
常に最大溶解性、すなわち、沈下条件の10%未満となるように選択した。媒体及びナノ
粒子懸濁液を、150rpmで攪拌する。所定の時点において、一定分量4mlを50、
000rpm(236、000g)で1時間遠心分離して、ナノ粒子を溶出媒体から分離
した。溶出媒体をHPLCに注入し、ナノ粒子から放出された薬剤を調べる。ラパマイシ
ンの放出は、
図15に示すように、緩慢かつ持続性の放出を示した。
【0240】
実施例18−テムシロリムス
乳化前の有機相中の固形含有量が30%のテムシロリムスを使用したことを除いて、ナ
ノ粒子を実施例17及び8のように製造した。
【表22】
【0241】
図16は、テムシロリムスの重量%を示し、
図17は、テムシロリムスを有する異なる
ポリマーナノ粒子用のナノ粒子を示す。実施例17に示すインビトロ放出実験の結果は、
図18に示すように、テムシロリムスの緩慢かつ持続性の放出を示す。
【0242】
実施例19 ビノレルビンナノ粒子
ナノ粒子バッチを、実施例8の全般的な手順を使用して、80%(w/w)ポリマー−
PEGもしくはホモポリマーPLAを有するポリマー−PEGを40%(w/w)で製造
し、各バッチの全固形分%を5%、15%及び30%とした。使用した溶媒は次のとおり
であった:21%ベンジルアルコール及び79%酢酸エチル(w/w)。2グラムのバッ
チサイズ毎に、ビノレルビン400mgを使用し、16−5ポリマー−PEG1.6gも
しくは16−5ポリマー−PEG0.8g+10kDa PLA(ホモポリマー)0.8
gを使用した。ジブロックポリマー16−5 PLA−PEGもしくはPLGA−PEG
(50:50L:G)を使用し、ホモポリマーを使用する場合は、以下のものを使用した
:PLA(M=6.5kDa、Mw=10kDa、及びMw/M=1.55)。
【0243】
有機相(薬剤及びポリマー)を2gのバッチで調製する:シンチレーションバイアル2
0mLに薬剤及びポリマーを加える。固形分濃度%において必要な溶媒の質量を、以下に
示す:
i.固形分5%:ベンジルアルコール7.98g+酢酸エチル30.02g
ii.固形分15%:ベンジルアルコール2.38g+酢酸エチル8.95g
iii.固形分30%:ベンジルアルコール0.98g+酢酸エチル3.69g
【0244】
水に、0.5%コール酸ナトリウム、2%ベンジルアルコール及び4%酢酸エチルを加
えて水溶液を調製する。瓶に、コール酸ナトリウム7.5g、DI水1402.5g、ベ
ンジルアルコール30g及び酢酸エチル60gを加え、攪拌プレート上で溶解するまで混
合する。
【0245】
エマルションの形成については、水相と油相の比率は5:1である。有機相を水溶液中
に注ぎ、IKAを使用して10秒間室温で均質化し、粗エマルションを形成する。溶液を
9Kpsi(ゲージ上は45psi)で2回別々にホモジナイザー(110S)に通し、
ナノエマルションを形成する。
【0246】
エマルションを<5℃の急冷液(D.I.水)中に攪拌プレート上で攪拌しながら注ぐ
。急冷液とエマルションの比率は8:1である。水中35%(w/w)トウィーン80を
急冷液に25:1=トウィーン80:薬剤の比率で加える。TFFでナノ粒子を濃縮し、
500kDa ポールカセット(2膜)を用いたTFFで急冷液を〜100mLに濃縮す
る。冷DI水の〜20ダイアボリューム(2リットル)を用いてダイアフィルトレーショ
ンを使用し、該容量を最低ボリュームまで下げ、次に、最終的なスラリー、〜100mL
を回収する。濾過していない最終的なスラリーの固形分濃度を、風袋を差し引いた20m
Lシンチレーションバイアルを使用し、最終的なスラリー4mLを加えて調べ、真空でl
yo/オーブンで乾燥させ、乾燥させたスラリー4mL中のナノ粒子の重量を調べる。濃
縮蔗糖(0.666g/g)を、最終的なスラリー試料に加えて、10%蔗糖を得た。
【0247】
0.45um濾過の最終的なスラリーの固形分濃度を、蔗糖を加える前に最終的なスラ
リーサンプル約5mLを0.45μmシリンジフィルターで濾過することによって調べた
;風袋を差し引いたシンチレーションバイアル20mLに、濾過した試料4mLを加え、
真空下で凍結乾燥機/オーブンで乾燥させる。
【0248】
濾過していない最終的なスラリーの残りの試料を、蔗糖とともに凍結した。
ビノレルビン製剤:
【表23】
*=試料で行ったインビトロ放出
【0249】
インビトロ放出を、固形分30%の3種類の製剤で行った:16−5 PLA−PEG
;16−5 PLA−PEG+PLA;及び16−5 PLGA−PEG+PLA、及び
37℃で、気室において尿素10%PBS溶液を放出媒体として使用して、インビトロ放
出データを集めた。下記の表及び
図19は、その結果を示す。
【表24】
【0250】
実施例20−ビンクリスチン
ビンクリスチンを含むナノ粒子製剤を、実施例8の全般的な手順を使用して製造した。
ビンクリスチン製剤:
【表25】
ビンクリスチン製剤の分析的特徴付け:
【表26】
【0251】
インビトロ放出をビンクリスチン製剤で行い、及び37℃で、気室において尿素10%
PBS溶液を放出媒体として使用してインビトロ放出データを集めた。
図20は、参照し
たいくつかのロットに関するインビトロ放出を示す。
【0252】
実施例21 薬物動態
実施例20で製造したようなビンクリスチンを有し、実施例8で製造したようなドセタ
キセルを有するナノ粒子の薬物動態(PK)を、スピローグ−ドーリー(SD)ラットで
調べた。ラット(オスのスピローグドーリー、約300g、頚静脈にカニューレを挿入)
に、遊離薬剤もしくは薬剤を封入した受動的標的化ナノ粒子(薬剤10wt%、ポリマー
(PLA−PEG、MPLA=16Da;MPEG=5D、PTNP)90wt)を、0
.5mg/kgを、薬剤5mg/kg及び0時間目におけるPTNP=0で、単回静脈内
投与量0.5mg/kgで与えた。投与後様々な時間に、頚静脈のカニューレからリチウ
ムヘパリンを含有するチューブへ血液試料を採取し、血漿を調製した。血漿から薬剤を抽
出し、次いでLCMS分析を行うことによって、血漿中濃度を調べた。
【0253】
図21は、ビンクリスチン及びビンクリスチンPTNP及びドセタキセル及びドセタキ
セルPTNPのPKプロファイルを示す。
【0254】
実施例22粒径分析
粒度を2種類の技術、動的光散乱(DLS)及びレーザー回折によって分析する。Br
ookhaven ZetaPals機器を使用して、25℃、希水性懸濁液中で、90
°で散乱させた660nmレーザーを使用してDLSを行い、キュムラント法及びNNL
S法(TP008)を使用して分析する。Horiba LS950機器を使用し、希水
性懸濁液中で、90°で散乱させたHeNeレーザー(633nm)及びLED(405
m)の双方を使用してレーザー回折を行い、Mie光学モデル(TP009)を使用して
分析する。DLSからの出力は、粒子の流体力学的半径と関連しており、これはPEGの
「コロナ」を含むが、一方でレーザー回折装置はPLA粒子の「コア」の幾何学的サイズ
と更に密接に関連している。
【0255】
実施例23−リガンド密度
全体的な粒子直径がBrookhaven粒度測定器によって測定される流体力学的径
と等しいとすると、ナノ粒子は完全な球体であり、全PEGが完全に水和するのと同様、
全親水性PEG及びリガンドが表面上に発現し、粒子表面のモデルは、表1に示すように
構築することができる。
【表27】
【0256】
実施例24−乳癌腫瘍標的
実施例8のように製造され、静脈投与されるナノ粒子(ドセタキセル10wt%、ポリ
マー90wt(PLA−PEG−GL2〜1.25wt%;及びPLA−PEG〜98.
75%、Mn PLA=16Da;Mn PEG=5Da)(BIND−14と標識)の
前立腺以外の腫瘍の増殖を阻害する能力を、従来のドセタキセル及び同じ薬剤/ポリマー
組成(PTNP)を有する非標的化対象粒子との比較において、MX−I異種移植片を埋
め込んだマウスで評価した。腫瘍が300mm
3の平均容積に達したとき、マウスに試験
物(蔗糖、ドセタキセル、PTNP、BIND−14)を4日毎に3回投与した。各処理
群の経時的な平均腫瘍容積を、
図22に示す。
【0257】
ドセタキセルを静脈内投与した後に腫瘍への送達を高める標的化ナノ粒子(BIND−
14)の能力を、平均腫瘍容積1700mm
3の、ヒトMX−1乳癌異種移植片を有する
マウスで評価した。BIND−14、PTNP、及び従来のドセタキセルを投与した動物
から、静脈内投与(IV dose)から24時間後に切除した腫瘍中のドセタキセル濃
度(g/mg)を、LC/MS/MSを使用してそのドセタキセル含有量を分析し、
図2
3に示す。
【0258】
実施例25−前立腺癌腫瘍標的
実施例8のように製造したナノ粒子(ドセタキセル10wt%、ポリマー(PLA−P
EG−GL2〜1.25wt%;及びPLA−PEG−98.75%、Mn PLA=1
6Da;Mn PEG=5Da;BIND−14)90wtを使用したドセタキセルのナ
ノ粒子の、静脈内投与後の腫瘍への送達を、ヒトLNCaP前立腺癌の異種移植片を有す
るオスのSCIDマウスで評価した。雄SCIDマウスに、ヒトLNCP前立腺癌細胞を
皮下接種した。接種後3〜4週間後、1回の静脈内投与用量、5mg/kgのドセタキセ
ルを、BIND−014として、もしくは従来のドセタキセルとして投与した。投与から
2時間後もしくは12時間後に、マウスを屠殺した。各群からの腫瘍を切除し、そのドセ
タキセルをLC−MS法によってアッセイした。
【0259】
BIND−1450mg/kgを一回投与した12時間後に、BIND−014を投与
された動物における腫瘍中のドセタキセル濃度は、従来のDTXLを投与された動物に比
べて約7倍高く、
図24に示すように、長期循環性PSMA−標的化ナノ粒子は、より多
くのDTXLを腫瘍部位に送達することを示している。
【0260】
また、BIND−014の反復投与の腫瘍増殖を抑制する能力を、
図25に示すように
、LNCP異種移植腫瘍モデルで評価した。雄のSCIDマウスに、ヒトLNCaP前立
腺癌細胞を皮下接種した。接種後3〜4週間後、マウスを1日おきに4回、BIND−0
14、従来のドセタキセル(DTXL)、非標的化ナノ粒子に封入されたDTXL(PT
NP)、及び賦形剤(対照)で処理した。5mg/kgを4回投与した後、腫瘍容積の減
少は、従来のドセタキセルもしくは非標的化粒子(PTNP)と比較して、BIND−0
14を投与された動物においてより大きかった。腫瘍中のドセタキセル濃度の増加は、よ
り顕著な細胞毒性につながる。
【0261】
一実施態様において、本発明は、活性剤又は治療薬、例えば、タキサン及び1、2もし
くは3種類の生体適合性ポリマーを含む治療用ナノ粒子を提供する。例えば、本明細書中
で開示するのは、治療薬を約0.2〜約35重量パーセント;ポリ(乳)酸を約10〜約
99重量パーセント−ポリ(エチレン)グリコールコポリマーもしくはポリ(乳)−コ−
ポリ(グリコール)酸−ポリ(エチレン)グリコールコポリマー;及びポリ(乳)酸を約
0〜約50重量パーセントもしくはポリ(乳)酸−コ−ポリ(グリコール)酸を含む治療
用ナノ粒子である。治療薬の例としては、タキサン等の抗悪性腫瘍薬、例えばドセタキセ
ルを含み、例えば、タキサン剤などの治療薬を約10〜約30重量パーセントを含むこと
ができる。
【0262】
本明細書中で提供するのは、一つには、複数の開示の治療用ナノ粒子を製造する方法で
あり、治療薬、第1のポリマ、及び第2のポリマーと、有機溶媒(例えば、以下から選択
される溶媒:酢酸エチル、ベンジルアルコール、塩化メチレン、ジメチルフォルムアミド
、トウィーン80及びスパン80及びそれらの2種以上の組み合わせ)とを混合すること
によって、約5〜約50%の固形分を有する第1の有機相を形成し;第1の有機相を第1
の水溶液(いくつかの実施形態において、コール酸ナトリウム、酢酸エチル、ベンジルア
ルコールより選択される試薬もしくはそれらの組み合わせを含むことができる)に混合し
て第2の相を形成すること;第2の相を乳化してエマルション相を形成すること;エマル
ション相を急冷して急冷相を形成すること;薬剤可溶化剤を急冷相に加えて未封入治療薬
の可溶化相を形成すること;及び可溶化相を濾過して標的特異的ステルス型ナノ粒子を回
収し、それによって直径が約80nm〜約150nmの治療用ナノ粒子のスラリーを形成
することを含む方法である。
ある実施形態において、第2の相を乳化することは、第2の相を乳化して粗エマルショ
ンを形成すること、及び粗エマルションを乳化してファインエマルション相を形成するこ
とを含むことができる。第2の相の乳化は、例えば、ロータステータホモジナイザー、プ
ローブソニケータ、攪拌バー、もしくは高圧ミキサーを用いて行うことができる。粗エマ
ルションの乳化は、例えば、複数の(例えば、2つ、3つ、4つ、もしくはそれ以上の)
相互作用チャンバを有することができる高圧ホモジナイザーを用いて、例えば、1相互作
用チャンバあたり約4000〜約8000psiのフィード圧で行うことができる。
【0263】
ある実施形態において、急冷は、約5℃以下、例えば、約0℃〜約5℃の温度で少なく
とも部分的に行うことができる。急冷液:エマルションの比率は、約8:1〜約5:1、
もしくは約2:1〜約40:1とすることができる。
【0264】
開示された方法において使用する薬剤可溶化剤の例としては、トウィーン80、トウィ
ーン20、ポリビニルピロリドン、シクロデキストラン、硫酸ドデシルナトリウム、もし
くはコール酸ナトリウムを含むことができる。いくつかの実施形態において、薬剤可溶化
剤は、ジエチルニトロソアミン、酢酸ナトリウム、尿素、グリセリン、プロピレングリコ
ール、グリコフロール、ポリ(エチレン)グリコール、ブリス(ポリオキシエチレングリ
コールドデシルエーテル(bris(polyoxyethyleneglycoldd
odecyl ether)、安息香酸ナトリウム、及びサリチル酸ナトリウムからなる
群から選択される。薬剤可溶化剤と治療薬の比率は、約100:1〜約10:1とするこ
とができる。
【0265】
ある実施形態において、方法は、例えば、タンジェンシャルフロー濾過システムを用い
て、ナノ粒子を含む可溶化相を濾過することを含むことができる。濾過は、例えば、第1
の温度である約0℃〜約5℃、及びその後第2の温度である約20℃〜約30℃で行うこ
とができる。あるいは濾過は、例えば、第1の温度である約20℃〜約30℃で行い、そ
の後第2の温度である約0℃〜約5℃で行うことができる。いくつかの実施形態において
、濾過は、約1〜約6ダイアボリュームを約0℃〜約5℃で処理すること、及び少なくと
も1ダイアボリュームを約20℃〜約30℃で処理することを含み、例えば、濾過は約1
〜約6ダイアボリュームを約0℃〜約5℃で処理すること、及び約1ダイアボリューム〜
約15ダイアボリュームを約20℃〜約30℃で処理することを含むことができる。ある
実施形態において、濾過は異なる別の温度で別の1ダイアボリュームを処理することを含
むことができる。可溶化相は、該濾過前に精製して該有機溶媒、未封入の治療薬、及び/
または薬剤可溶化剤を実質的に取り除くことができる。
【0266】
開示された方法は、濾過トレインを用いた制御した速度での治療用ナノ粒子のスラリー
の無菌濾過を含むことができる。例えば、デプスフィルター及び細菌濾過器を含む濾過ト
レインを使用することができる。
【0267】
また、本明細書中で提供する複数の治療用ナノ粒子を製造する方法は、治療薬、第1の
ポリマー及び第2のポリマーを有機溶媒に混合して第1の有機相を形成すること;第1の
有機相を、第1の水溶液に混合して第2の相を形成すること;第2の相を乳化してエマル
ション相を形成すること;エマルション相を急冷して急冷相を形成すること;薬剤可溶化
剤を急冷相に加えて封入されていない治療薬の可溶化相を形成すること;及び定容ダイア
フィルトレーションでタンジェンシャルフロー濾過を用いて可溶化相を濾過することを含
み、少なくとも1ダイアボリュームを、別の1ダイアボリュームを約−5℃〜約10℃に
曝露した後、約25℃に曝露する。例えば、濾過は、約2〜約5ダイアボリュームを約0
℃〜約5℃で処理すること、及び次に、少なくとも1ダイアボリュームを25℃で少なく
とも一定期間処理することを含むことができる。
【0268】
本明細書中で提供する方法は、25℃で少なくとも2日間約10mg/mlの濃度で安
定化することができる治療用ナノ粒子を形成する方法である。開示された方法を用いて形
成した治療用ナノ粒子は、少なくとも5日にわたり25℃で治療薬の10重量%未満を放
出させることができる。いくつかの実施形態において、開示された方法を用いて形成した
治療用ナノ粒子は、例えば、約2〜約30パーセントの治療薬を封入するものとすること
ができる。
【0269】
ある実施形態において、治療薬、第1のポリマー(例えば、PLGA−PLAコポリマ
ーもしくはPLA)及び第2のポリマー(例えば、PLA、PLGA、もしくはPEG、
もしくはそれらのコポリマー)及び任意に第3のポリマー(例えば、リガンドに結合して
いないPLAもしくはPLGA)を混合することを含み、第1のポリマーは、分子量が約
1000g/mol未満のリガンド、例えば、低分子量リガンド、例えば、PSMAリガ
ンドに結合している、複数の開示の治療用ナノ粒子を製造する方法を提供する。かかる低
分子量PSMAリガンドは、化合物I、II、III及びIV:
ならびにそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー
、もしくはラセミ体からなる群から選択することができる。
式中、
m及びnは各々独立して0、1、2もしくは3であり;
pは0もしくは1であり;
R
1、R
2、R
4及びR
5は各々独立して、置換もしくは非置換のアルキル、置換もし
くは非置換のアリール、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択され;及び
R
3はHもしくはCH
3であり;
式中、R
1、R
2、R
4もしくはR
5は、該ナノ粒子との共有結合的な結合点を含む。
例えば、R
1、R
2、R
4及びR
5は、各々独立して、C
1‐6−アルキルもしくはフ
ェニル、またはC
1‐6−アルキルもしくはフェニルの任意の組み合わせであり、それら
はOH、SH、NH
2、またはCO
2Hで1回もしくは複数回独立して置換されており、
該アルキル基はN(H)、SまたはOによって中断されていてもよい。別の実施形態にお
いて、例えば、R
1、R
2、R
4及びR
5は、それぞれ独立して、CH
2−Ph、(CH
2)
2−SH、CH
2−SH、(CH
2)2C(H)(NH
2)CO
2H、CH
2C(H
)(NH
2)CO
2H、CH(NH
2)CH
2CO
2H、(CH
2)2C(H)(SH)
CO
2H、CH
2−N(H)−Ph、O−CH
2−Ph、またはO−(CH
2)
2‐Ph
であり、それぞれのPhは、OH、NH
2、CO
2HまたはSHで1回もしくは複数回独
立して置換されていてもよい。低分子量PSMAリガンドの例としては、
ならびにそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー
、またはラセミ体からなる群から選択することができる。
式中、NH
2、OH、またはSH基が、前記第1の粒子との共有結合的な結合点として
の役割を果たすか、もしくは
ならびにそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー
、またはラセミ体からなる群から選択することができる。
式中、Rは、NH
2、SH、OH、CO
2H、C
1‐6−アルキル(NH
2、SH、O
H、CO
2Hで置換された)、及びフェニル(NH
2、SH、OH、またはCO
2Hで置
換された)からなる群から独立して選択され、
式中、Rは、前記第1の粒子との共有結合的な結合点としての役割を果たす。
例示的なリガンドは
ならびにそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー
、またはラセミ体を含み、これらのうちのいずれもが、NH
2;SH;OH;CO
2H;
NH
2、SH、OH、もしくはCO
2Hで置換されたC
1‐6‐アルキル;またはNH
2
、SH、OH、もしくはCO
2Hで置換されたフェニルでさらに置換されていてもよく、
これらの官能基が、前記ナノ粒子との共有結合的な結合点としての役割を果たし、例えば
、低分子量PSMAリガンドとしては
ならびにそれらの鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー
、またはラセミ体が挙げられる。NH
2基は、第1のポリマーとの共有結合的な結合点と
しての役割を果たす。
【0270】
ある実施形態において、治療薬、第1のポリマー(例えば、PLGA−PLAコポリマ
ーもしくはPLA)、及び第2のポリマー(例えば、PLA、PLGA、もしくはPEG
、もしくはそれらのコポリマー)及び任意に第3のポリマー(例えば、Aリガンドに結合
していないPLAもしくはPLGA)を混合することを含む、複数の開示の治療用ナノ粒
子を製造する方法を提供する。
ある実施形態において、治療薬はドセタキセルである。別の実施形態において、治療薬
は、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ミトキサントロン、ゲムシタビン(ジェムザ
ール)、ダウノルビシン、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、
メトトレキセート、5−フルオロウラシル(5−FU)、ビンブラスチン、ビンクリスチ
ン;ブレオマイシン、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)、
アルデスロイキン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビン、
カンプトテシン、CPT−11,10−ヒドロキシ−7−エチルカンプトテシン(SN3
8)、ダカルバジン、S−Iカペシタビン、フトラフール、5’−デオキシフルオロウリ
ジン、UFT、エニルウラシル、デオキシシチジン、5−アザシトシン、5−アザデオキ
シシトシン、アロプリノール、2−クロロアデノシン、トリメトレキサート、アミノプテ
リン、メチレン−10−デアザアミノプテリン(MDAM)、オキサリプラチン、ピコプ
ラチン、テトラプラチン、サトラプラチン、白金‐DACH、オルマプラチン、CI−9
73、JM−216及びその類似体、エピルビシン、エトポシドホスフェート、9−アミ
ノカンプトテシン、10,11−メチレンジオキシカンプトテシン、カレニテシン、9−
ニトロカンプトテシン、TAS103、ビンデシン、L−フェニルアラニンマスタード、
イホスファミドメホスファミド(ifophmidemefophmide)、ペルホス
ファミド、トロホスファミドカルムスチン、セムスチン、エポチロンA−E、トムデック
ス、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アムサクリン、エトポシドホスフェート
、カレニテシン、アシクロビル、バルアシクロビル、ガンシクロビル、アマンタジン、リ
マンタジン、ラミブジン、ジドブジン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、
5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ブデソニド、シロリムス、ビンクリスチン及
びそれらの組み合わせ等の化学療法剤が含まれ、もしくは治療薬はsiRNAが挙げられ
る。
【0271】
本明細書中では提供するのは、開示された方法で製造した有効量のナノ粒子を、前立腺
癌の治療を必要とする対象に投与することを含む、前立腺癌の治療方法である。
【0272】
また、ある実施形態において、本明細書中で提供するのは:第1のポリマー及び治療薬
を含む第1の有機相とエマルション相を形成する第2の相の乳化;ここでエマルション相
は次に、急冷相を形成する約0℃〜約5℃の温度で急冷され;及び第1の温度約−5℃〜
約10℃での急冷相の濾過;及び急冷相を第2の温度である約25℃で濾過すること;に
よって製造される治療用ナノ粒子であって、それによって少なくとも5日間25℃で安定
な治療用ナノ粒子を形成する。
【0273】
ある実施形態において、治療薬を有する治療用ナノ粒子を安定化させる方法であって:
ナノ粒子で封入されている治療薬及び薬剤可溶化剤を含むスラリーを供給すること;スラ
リーを第1の温度約−5℃〜約10℃で濾過すること;スラリーを第2の温度である約2
5℃で濾過することを含む方法を提供する。
【0274】
均等物
当業者は、本明細書に記載される、本発明の特定の実施形態の多くの均等物を、通常の
ルーチン実験を用いて理解するか、または確認することができる。かかる均等物は、以下
の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0275】
参照による援用
本明細書に引用されるすべての特許、公開特許出願、ウェブサイト、及び他の参考文献
の内容全体は、参照によりそれらの全体がここに明示的に援用される。