【実施例】
【0157】
[0072]以下の実施例は特許請求する発明の具体例として与える。しかしながら、本発明は実施例において示される特定の詳細に限定されないことを理解すべきである。
実施例1
[0073]N
2吸着によって測定して約1.6mL/gの細孔容積を有する多孔質シリカゲル、ミクロ多孔質シリカゲル、及びシリカ1gあたり1.5ミリモルのカルシウム含量を有するカルシウム処理シリカ(ここで用いたシリカゲルもミクロ多孔質であった)を、2:1:1の重量比で物理的に混合することによって防食顔料を調製した。カルシウム処理シリカの製造は、水酸化カルシウムの30重量%水性スラリーをミクロ多孔質シリカの30重量%水性スラリーにゆっくりと加えることを含んでいた。得られた生成物を90℃において4時間熟成し、その後、濾過、洗浄、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。多孔質タイプのシリカ、ミクロ多孔質シリカ、及びカルシウム処理シリカは、SYLOID(登録商標)244、SYLOID(登録商標)AL1、及びSHIELDEX(登録商標)AC3(全てW.R. Grace & Co. Conn.から入手できる)として得られる。
【0158】
実施例2
[0074]シリカ1gあたり0.125ミリモルのカルシウム含量に相当する量の水酸化カルシウムの15重量%水性スラリーをゆっくりと加えることによって、メソ多孔性、及びDBPによって測定して約180の吸油量を有する沈降シリカの20重量%水性スラリーを処理した。得られた生成物を90℃において4時間熟成し、その後、濾過、洗浄、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。沈降シリカは、PERKASIL(登録商標)SM604(W.R. Grace & Co. Conn.から入手できる)として得られる。
【0159】
実施例3
[0075]シリカ1gあたり1.5ミリモルのカルシウム含量に相当する量の水酸化カルシウムの30重量%水性スラリーをゆっくりと加えることによって、ミクロ多孔質シリカの30重量%水性スラリーを処理した。得られた生成物を90℃において4時間熟成し、その後、濾過、洗浄、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。この生成物を、メソ多孔性、及びDBPによって測定して約180の吸油量を有する沈降シリカと、カルシウム処理シリカ1重量部に対して沈降シリカ11重量部の比で物理的に混合した。沈降シリカはPERKASIL(
登録商標)SM604として、カルシウム処理シリカはSHELDEX(登録商標)AC3として得られ
る(いずれもW.R. Grace & Co. Conn.から入手できる)。
【0160】
[0076]クロムを含まない予備処理剤で処理した、Chemetall GmbH, Frankfurtから入手
できるTP10475として知られるSendzimir亜鉛メッキ鋼試験パネルへのポリエステルコイル被覆において、実施例1〜3の材料に関する防食試験を行った。実施例の材料を含むポリエステル−メラミンプライマーを、アプリケーターバーによって約5〜7μmの乾燥膜圧が得られるように試験パネルに適用し、214〜226℃のピーク金属温度に硬化させた。続いて、ポリエステル−メラミン上塗り層を約20〜22μmの乾燥膜圧に施し、その後、232〜241℃のピーク金属温度に硬化させた。用いた配合物を下表1に与える。SHIELDEX(登録商標)C303(W.R. Grace & Co. Conn.から入手できる)は、コイル被覆産業において現在用いられている主要なクロメートを含まない防食顔料であり、対照として用いた。
【0161】
【表1-1】
【0162】
上記の配合物において、DBEは二塩基性エステル溶媒であり、DAAはジアセトンアルコールであり、EBPA及びEDBSAはそれぞれ以下に示すエポキシでブロックされたリン酸及びスルホン酸触媒である。
【0163】
【表1-2】
【0164】
【表1-3】
【0165】
【表1-4】
【0166】
[0077]膜の硬化の指標として、1つの組の試験パネル上での溶媒(メチルエチルケトン)に対する抵抗性を用いた。ここでは、約1kgの負荷下でMEK中に浸漬した布帛を用いて、丁度被覆を除去し下層の金属を曝露させるMEKダブルラビングの数を求めた。次に、金属及び切り口まで斜めのスクライブを導入することによって、残りの被覆パネルを耐腐食性及び耐化学薬品性試験のために整えた。また、160インチ・ポンドの負荷下において、Gardener衝撃試験器(Erichsen Test Equipmentから得られる)を用いて、試験
パネルの裏面から衝撃損傷の領域を導入した。透明なPVCホイルによってパネルの裏面を保護した後、パネルの幾つかをASTM−B117にしたがう塩噴霧に1000時間かけた。アルカリへの抵抗性を評価するために、試験パネルの更なる組をpH12のアルカリ性浴中に7日間浸漬した。いずれの場合においても、試験の完了後にパネルを取り出し、簡単にすすぎ、乾燥し、30分以内に評価した。
【0167】
[0078]塩噴霧後の評価は、衝撃損傷の領域及びスクライビングした領域において形成した腐食の量を等級付けすることを含んでいた。等級付けは0〜10のスケールで与えた。ここで、0は破損がなかったことを示し、10は完全に破損したことを示す。更に、ナイフ及びセロテープ(登録商標)を用いて軽く付着している塗料を除去することによって、測定したスクライブにおけるスクライブからの接着損失の量(mm)を評価し、切り口における端部変形又は膨れの形成の程度をmmで測定した。アルカリ性溶液への曝露後の試験パネルに対して、破損の程度についての視覚的評価を与えた。ここで等級付けは同様に0〜10のスケールで行った。SHIELDEX(登録商標)C303に対する実施例1〜3の結果を下表2に示す。
【0168】
実施例4:
[0079]対照顔料に対する実施例1〜3についての試験結果を表2に与える。
【0169】
【表2】
【0170】
[0080]本発明の実施例は、対照の顔料よりも改良されたスクライブ接着性、耐アルカリ性、及び高いレベルの硬化を示すことが分かる。
実施例5(比較例)
[0081]リン酸の50%溶液260gを容器に充填した。温度及びpHを制御しながら、水酸化カルシウムの5重量%水性スラリー1963gをゆっくりと加えた。添加中に到達した最高温度は70℃であり、得られた生成物は約6のpHを有していた。得られた生成物を洗浄し、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。X線分析によって材料がモネタイトであることが示された。
【0171】
実施例6
[0082]メソ多孔性及びDBPによって測定して約180の吸油量を有する沈降シリカの20重量%水性スラリー475.3gを容器に充填し、リン酸の50%溶液110.33gを加えた。酸を加えることによって、粘度が大きく減少し、したがってより容易な取扱い性が得られた。温度及びpHを制御しながら、水酸化カルシウムの5重量%水性スラリー941.9gをゆっくりと加えた。到達した最高温度は30℃であり、得られた生成物は約7のpHを有していた。得られた生成物を洗浄し、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。X線分析によって、ホスフェート相がブルシャイトであることが示された。沈降シリカは、PERKASIL(登録商標)SM604として得られるものであり、W.R. Grace & Co. Conn.から
入手できる。
【0172】
実施例7
[0083]メソ多孔性及びDBPによって測定して約180の吸油量を有する沈降シリカの20重量%水性スラリー475.3gを容器に充填し、リン酸の50%溶液110.33gを加えた。酸を加えることによって、粘度が大きく減少し、したがってより容易な取扱い性が得られた。温度及びpHを制御しながら、85:15のカルシウム:マグネシウムのモル比の水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムの5重量%水性スラリー915.42gをゆっくりと加えた。到達した最高温度は30℃であり、得られた生成物は約7のpHを有していた。得られた生成物を洗浄し、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。X線分析によって、主ホスフェート相がブルシャイトであることが示された。沈降シリカは、PERKASIL(登録商標)SM604として得られるものであり、W.R. Grace & Co. Conn.から入手でき
る。
【0173】
実施例8
[0084]リン酸の50%溶液84.44gを容器に充填し、N
2吸着によって測定して約1.6mL/gの細孔容積を有する75gの多孔質シリカゲルを加えて30%のスラリー濃度を生成させた。酸を用いないので、僅か約10%のスラリー濃度が適当であった。温度及びpHを制御しながら、85:15のカルシウム:マグネシウムのモル比の水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムの5重量%水性スラリー700.58gをゆっくりと加えた。到達した最高温度は30℃であり、得られた生成物は約7のpHを有していた。得られた生成物を洗浄し、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。X線分析によって、主ホスフェート相がブルシャイトであることが示された。シリカゲルは、SYLOID(登録商標)244と
して得られるものであり、W.R. Grace & Co. Conn.から入手できる。
【0174】
実施例9
[0085]95:5のモル比で2−ヒドロキシホスホン酢酸と組み合わせたリン酸の50%溶液57gを容器に充填し、N
2吸着によって測定して約1.6mL/gの細孔容積を有する48.5gの多孔質シリカゲルを加えて30%のスラリー濃度を生成させた。温度及びpHを制御しながら、85:15のカルシウム:マグネシウムのモル比の水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムの5重量%水性スラリー460.2gをゆっくりと加えた。到達した最高温度は30℃であり、得られた生成物は約7のpHを有していた。得られた生成物を洗浄し、乾燥し、所望の粒径に粉砕した。X線分析によって、主ホスフェート相がブルシャイトであることが示された。シリカゲルは、SYLOID(登録商標)244として得
られるものであり、W.R. Grace & Co. Conn.から入手できる。
【0175】
[0086]実施例6〜9の材料について防食試験も行った。この場合においては、試験媒体として水性アクリル分散液を用い、基材として冷間圧延鋼を用いた。実施例の材料を含む被覆をアプリケーターバーによって、約40μmの乾燥膜圧が得られるように試験パネル(Q-Panel. Co.から入手できるQ-Panel S-412)に施した。乾燥は室温において数日間行
った。実施例6〜9の材料は亜鉛を含んでおらず、水性アクリル被覆において通常用いられている代表的な商業的に入手できる亜鉛ベースの防食顔料であるHeucophos(登録商標
)ZPO(Heubach GmbHから入手できる)に対して比較した。また、商業的に入手できる亜
鉛を含まない防食顔料であるSHIELDEX(登録商標)AC5(W.R. Grace & Co. Conn.から入
手できる)及びHeucophos(登録商標)CHP(Heubach GmbHから入手できる)も対照試料として含ませた。また、実施例5を、実施例6〜9と同様であるが無機酸化物を用いない顔料を示す対照例として用いた。用いた配合物を下表3に与える。
【0176】
【表3】
【0177】
[0087]被覆パネルを金属までスクライブし、塩噴霧(ASTM−B117にしたがう)に240時間かけた。続いて、パネルを簡単にすすぎ、乾燥し、塩噴霧室から取り出して30分以内に評価した。
【0178】
[0088]塩噴霧後の評価は、スクライビングした領域において形成された腐食の量、膨れの量、及び試験パネルの表面全体の上に形成された膜通過腐食の量を等級付けすることを
含んでいた。等級付けは0〜10のスケールで与えた。ここで、0は破損がなかったことを示し、10は完全に破損したことを示す。更に、ナイフ及びセロテープ(登録商標)を用いて軽く付着している塗料を除去することによって、測定したスクライブにおけるスクライブからの接着損失の量(mm)を評価した。また、クロスハッチ試験を用いてパネルの表面全体の上での接着損失の程度も評価し、クロスハッチ後にセロテープ(登録商標)を用いて軽く接着している塗料を除去した。等級付けは0〜5のスケールで与え、5は完全な接着損失を示す。実施例5、SHIELDEX(登録商標)AC5、Heucophos(登録商標)ZPO
、及びHeucophos(登録商標)CHPに対する実施例6〜9に関する結果を下表4に示す。
【0179】
実施例10
[0089]対照試料と比較した実施例6〜9の試験結果を下表4に与える。
【0180】
【表4】
【0181】
[0090]表4における結果は、本発明の実施例が、特にスクライブ発錆性、スクライブ接着性、クロスハッチ接着性、膨れ抵抗、及び膜通過腐食抵抗性に関して、商業的に入手できる重金属及び亜鉛を含まない対照顔料と比較して優れた防食特性を与えることを示す。亜鉛ベースの対照試料と比較すると、本発明の実施例は、ここでもより少ないスクライブ発錆性及び接着損失、並びにより良好なクロスハッチ接着性を示し、膨れ及び膜通過腐食に対する抵抗性においては同等か又は極めて近似して機能した。
【0182】
[0091]本発明を限られた数の態様によって説明したが、これらの特定の態様は本明細書において他に記載され特許請求されている発明の範囲を制限することを意図するものではない。更なる修正及び変更が可能であることは、本明細書中の代表的な態様及び記載を検討することにより当業者に明らかである。実施例及び明細書の残りの部分における全ての部及びパーセントは、他に特定しない限り重量基準である。更に、明細書又は特許請求の範囲において示す全ての数値範囲、例えば特性の特定の組、測定値の単位、条件、物理的状態、又は割合を示すものは、明らかに、言及するか又は他の方法で示すかかる範囲内に含まれる全ての数、並びにそのように示されている任意の範囲内の数の任意の部分集合を文字通り含むものであると意図される。例えば、下限R
L及び上限R
Uを有する数値範囲が開示されている場合には常に、この範囲内に含まれる任意の数Rが具体的に開示されている。特に、この範囲内の次式の数R:R=R
L+k(R
U−R
L)(式中、kは1%の増分で1%〜100%の範囲の変数であり、例えばkは、1%、2%、3%、4%、5%、・・・50%、51%、52%、・・・95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である)が具体的に開示されている。更に、上記で算出されるRの任意の二つの値によって表される任意の数値範囲も、具体的に開示されている。本明細書において示し記載したものに加えて、本発明の任意の修正は、上記の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正は、特許請求の範囲内に包含されると意図される。
[1](a)流体;及び
(b)平均細孔径が少なくとも約2nmであるようなメソ多孔性及び/又はマクロ多孔性、及び少なくとも約0.2mL/gの平均細孔容積を有する無機酸化物を含む防食粒子;
を含む防食粒子の分散液。
[2]平均細孔径が少なくとも約3nmである、[1]に記載の分散液。
[3]平均細孔径が約4nm〜約50nmの間である、[1]に記載の分散液。
[4]防食粒子が、カルシウム、亜鉛、マンガン、コバルト、鉛、ストロンチウム、リチウム、バリウム、マグネシウム、セリウム、アルミニウム、又はこれらの混合物などの多価金属イオンを含む、[1]に記載の分散液。
[5]無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、又はこれらの混合物を含む、[1]に記載の分散液。
[6]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも1つの成分が沈降シリカである無機酸化物粒子の混合物を含む、[1]に記載の分散液。
[7]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも10重量%が沈降シリカである無機酸化物粒子の混合物を含む、[1]に記載の分散液。
[8]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも1つの成分がシリカゲルである無機酸化物粒子の混合物を含む、[1]に記載の分散液。
[9]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも10重量%がシリカゲルである無機酸化物粒子の混合物を含む、[1]に記載の分散液。
[10]流体が、水、錯化剤、バインダー、膜形成剤、殺菌剤、又はポリマーを含む、[1]に記載の分散液。
[11]粒子が約10μm未満の平均粒径を有する、[1]に記載の分散液。
[12]粒子が約1μm未満の平均粒径を有する、[1]に記載の分散液。
[13]平均細孔容積が約0.2mL/g〜約3mL/gである、[11]に記載の分散液。
[14]平均細孔容積が約0.4mL/g〜約1.2mL/gである、[11]に記載の分散液。
[15]粒子が[1]に記載の粒子の分散液に基づくものである変性された粒子の分散液。
[16][1]に記載の分散液を含む被覆。
[17](a)流体;及び
(b)平均細孔径が少なくとも約2nmであるようなメソ多孔性及び/又はマクロ多孔性、及び少なくとも約0.2mL/gの平均細孔容積を有し、多価金属カチオンによって変性されており、場合によっては弱酸の無機又は有機アニオン並びにそれらの共役種を含み、それぞれ記号
【化46】
【化47】
及び
【化48】
によって表されるi番目のカチオン、アニオン、又は酸化物のモル数;用いられる全てのカチオン、アニオン、及び酸化物全体の合計によって与えられるそれぞれの成分の合計モル数(ここで、上線は1より多いカチオン、アニオン、又は酸化物を顔料組成物中に含ませることができることを示す)
【化49】
(式中、
【化50】
【化51】
及び
【化52】
はそれぞれカチオン、アニオン、及び酸化物の合計モル数である);
【化53】
及び
【化54】
即ち、それぞれアニオン及び酸化物と会合しているカチオンの合計モル数;カチオン、アニオン、及び酸化物の合計数のフラクションとしてのi番目のカチオン、アニオン、及び酸化物の割合c
i、a
i、及びo
i:
【化55】
以下の式の組によって決定される生成物を構成する多価金属カチオン
【化56】
無機酸化物
【化57】
及びアニオン
【化58】
の合計数(モルで表す)(ここで、記号s及びnは酸化物1gあたりの表面積、及び酸化物1nm
2あたりの表面ヒドロキシル基の数を指し、1種類より多い酸化物が含まれる場合には平均値として求められる):
【化59】
ここで、
【化60】
及び
【化61】
であり、ここで、記号b及びcを用いてそれぞれの式における種々の項を表し、また次の関係式によって酸化物に対するアニオンの所望の比rを表し;
【化62】
また、基礎として次の制約を用い
【化63】
ここで記号fはカチオンによる処理に関与する表面ヒドロキシル基の理論的割合を与え、記号sはカチオンとアニオンとの間の化学量論比を決定し、記号
【化64】
及び
【化65】
は、組成物を構成するカチオン及びアニオンの平均価数を表し、それぞれの場合において下式によって決定される:
【化66】
(式中、z
i及びu
iは、i番目のカチオン又はアニオンの価数及びカチオン又はアニオンの合計数のフラクションとしての割合、即ちc
i及びa
iである)
M
c、M
a、及びM
oは、カチオン、アニオン、及び酸化物の分子量であり、又は必要に応じて平均値を表し、N
aはアボガドロ数である;
の観点から定義される防食無機酸化物粒子;
を含む防食粒子の分散液。
[18]平均細孔径が少なくとも約2nmである、[17]に記載の分散液。
[19]平均細孔径が少なくとも約3nmである、[17]に記載の分散液。
[20]平均細孔径が約4nm〜約50nmの間である、[17]に記載の分散液。
[21]多価金属イオンが、カルシウム、亜鉛、マンガン、コバルト、鉛、ストロンチウム、リチウム、バリウム、マグネシウム、セリウム、アルミニウム、又はこれらの混合物を含む、[17]に記載の分散液。
[22]無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チタン、又はこれらの混合物を含む、[17]に記載の分散液。
[23]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも1つの成分が沈降シリカである無機粒子の混合物を含む、[17]に記載の分散液。
[24]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも10重量%が沈降シリカである無機酸化物粒子の混合物を含む、[17]に記載の分散液。
[25]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも1つの成分がシリカゲルである無機粒子の混合物を含む、[17]に記載の分散液。
[26]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも10重量%がシリカゲルである異なる無機酸化物粒子の混合物を含む、[17]に記載の分散液。
[27]粒子が約10μm未満の平均粒径を有する、[17]に記載の分散液。
[28]粒子が約1μm未満の平均粒径を有する、[17]に記載の分散液。
[29]アニオン性成分が、ホスフェート、ハイドロジェンホスフェート、ホスファイト、ポリホスフェート、有機ホスホネート、ボレート、カルボキシレート、ヒドロキシカルボキシレート、及びアゾール化合物から誘導される、[17]に記載の分散液。
[30]無機酸化物又は多価カチオンで処理した無機酸化物成分が防食粒子の少なくとも5重量%の量で存在する、[17]に記載の分散液。
[31]流体が、水、錯化剤、バインダー、膜形成剤、殺菌剤、又はポリマーを含む、[17]に記載の分散液。
[32]平均細孔容積が約0.2mL/g〜約3mL/gである、[17]に記載の分散液。
[33]平均細孔容積が約0.4mL/g〜約1.2mL/gである、[17]に記載の分散液。
[34]粒子が[17]に記載の粒子の分散液に基づくものである変性された粒子の分散液。
[35][17]に記載の分散液を含む被覆。
[36](a)平均細孔径が少なくとも約2nmであるようなメソ多孔性及び/又はマクロ多孔性、並びに少なくとも約0.2mL/gの平均細孔容積を有する無機酸化物を含む防食粒子;
を含む防食粒子の粉末。
[37]平均細孔径が少なくとも約3nmである、[36]に記載の粉末。
[38]平均細孔径が約4nm〜約50nmの間である、[36]に記載の粉末。
[39]防食粒子が、カルシウム、亜鉛、マンガン、コバルト、鉛、ストロンチウム、リチウム、バリウム、マグネシウム、セリウム、アルミニウム、又はこれらの混合物などの多価金属イオンを含む、[36]に記載の粉末。
[40]無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、又はこれらの混合物を含む、[36]に記載の粉末。
[41]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも1つの成分が沈降シリカである無機酸化物粒子の混合物を含む、[36]に記載の粉末。
[42]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも10重量%が沈降シリカである無機酸化物粒子の混合物を含む、[36]に記載の粉末。
[43]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも1つの成分がシリカゲルである無機酸化物粒子の混合物を含む、[36]に記載の粉末。
[44]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも10重量%がシリカゲルである無機酸化物粒子の混合物を含む、[36]に記載の粉末。
[45]粒子が約10μm未満の平均粒径を有する、[36]に記載の粉末。
[46]平均細孔容積が約0.2mL/g〜約3mL/gである、[36]に記載の粉末。
[47]平均細孔容積が約0.4mL/g〜1.2mL/gである、[36]に記載の粉末。
[48]粉末が[36]に記載の粉末に基づくものである変性粉末。
[49][36]に記載の粉末を含む被覆。
[50]平均細孔径が少なくとも約2nmであるようなメソ多孔性及び/又はマクロ多孔性、及び少なくとも約0.2mL/gの平均細孔容積を有し、多価金属カチオンによって変性されており、場合によっては弱酸の無機又は有機アニオン並びにそれらの共役種を含み、それぞれ記号
【化67】
【化68】
及び
【化69】
によって表されるi番目のカチオン、アニオン、又は酸化物のモル数;用いられる全てのカチオン、アニオン、及び酸化物全体の合計によって与えられるそれぞれの成分の合計モル数(ここで、上線は1より多いカチオン、アニオン、又は酸化物を顔料組成物中に含ませることができることを示す)
【化70】
(式中、
【化71】
【化72】
及び
【化73】
はそれぞれカチオン、アニオン、及び酸化物の合計モル数である);
【化74】
及び
【化75】
即ち、それぞれアニオン及び酸化物と会合しているカチオンの合計モル数;カチオン、アニオン、及び酸化物の合計数のフラクションとしてのi番目のカチオン、アニオン、及び酸化物の割合:c
i、a
i、及びo
i:
【化76】
以下の式の組によって決定される生成物を構成する多価金属カチオン
【化77】
無機酸化物
【化78】
及びアニオン
【化79】
の合計数(モルで表す)(ここで、記号s及びnは酸化物1gあたりの表面積、及び酸化物1nm
2あたりの表面ヒドロキシル基の数を指し、1種類より多い酸化物が含まれる場合には平均値として求められる):
【化80】
ここで、
【化81】
及び
【化82】
であり、ここで、記号b及びcを用いてそれぞれの式における種々の項を表し、また次の関係式によって酸化物に対するアニオンの所望の比rを表し;
【化83】
また、基礎として次の制約を用い
【化84】
ここで記号fはカチオンによる処理に関与する表面ヒドロキシル基の理論的割合を与え、記号sはカチオンとアニオンとの間の化学量論比を決定し、記号
【化85】
及び
【化86】
は、組成物を構成するカチオン及びアニオンの平均価数を表し、それぞれの場合において下式によって決定される:
【化87】
(式中、z
i及びu
iは、i番目のカチオン又はアニオンの価数、及びカチオン又はアニオンの合計数のフラクションとしての割合、即ちc
i及びa
iである)
M
c、M
a、及びM
oは、カチオン、アニオン、及び酸化物の分子量であり、又は必要に応じて平均値を表し、N
aはアボガドロ数である;
の観点から定義される防食無機酸化物粒子;
を含む防食粒子の粉末。
[51]平均細孔径が少なくとも約2nmである、[50]に記載の粉末。
[52]平均細孔径が少なくとも約3nmである、[50]に記載の粉末。
[53]平均細孔径が約4nm〜約50nmの間である、[50]に記載の粉末。
[54]多価金属イオンが、カルシウム、亜鉛、マンガン、コバルト、鉛、ストロンチウム、リチウム、バリウム、マグネシウム、セリウム、アルミニウム、又はこれらの混合物を含む、[50]に記載の粉末。
[55]無機酸化物が、シリカ、アルミナ、チタン、又はこれらの混合物を含む、[50]に記載の粉末。
[56]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも1つの成分が沈降シリカである無機酸化物粒子の混合物を含む、[50]に記載の粉末。
[57]無機酸化物粒子が、沈降シリカ、又はその少なくとも10重量%が沈降シリカである無機酸化物粒子の混合物を含む、[50]に記載の粉末。
[58]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも1つの成分がシリカゲルである無機酸化物粒子の混合物を含む、[50]に記載の粉末。
[59]無機酸化物粒子が、シリカゲル、又はその少なくとも10重量%がシリカゲルである無機酸化物粒子の混合物を含む、[50]に記載の粉末。
[60]粒子が約10μm未満の平均粒径を有する、[50]に記載の粉末。
[61]アニオン性成分が、ホスフェート、ハイドロジェンホスフェート、ホスファイト、ポリホスフェート、有機ホスホネート、ボレート、カルボキシレート、ヒドロキシカルボキシレート、及びアゾール化合物から誘導される、[50]に記載の粉末。
[62]無機酸化物又は多価カチオンで処理した無機酸化物成分が防食粒子の少なくとも5重量%の量で存在する、[50]に記載の粉末。
[63]平均細孔容積が約0.2mL/g〜約3mL/gである、[50]に記載の粉末。
[64]平均細孔容積が約0.4mL/g〜約1.2mL/gである、[50]に記載の粉末。
[65]粉末が[50]に記載の粉末に基づくものである変性粉末。
[66][50]に記載の粉末を含む被覆。
[67]無機酸化物成分を加える前にアニオン成分を反応混合物に加える、[1]、[17]、[36]、又は[50]のいずれかに記載の防食粒子及び防食粒子の分散液を製造する方法。
[68]無機酸化物成分を加えるのと同時にアニオン成分を反応混合物に加える、[1]、[17]、[36]、又は[50]のいずれかに記載の防食粒子及び防食粒子の分散液を製造する方法。
[69]予め形成した無機酸化物又はイオン変性した酸化物を用いる、[1]、[17]、[36]、又は[50]のいずれかに記載の防食粒子及び防食粒子の分散液を製造する方法。
[70]無機酸化物への前駆体を用いる、[1]、[17]、[36]、又は[50]のいずれかに記載の防食粒子及び防食粒子の分散液を製造する方法。
[71]予め形成したアニオン成分を用いる、[1]、[17]、[36]、又は[50]のいずれかに記載の防食粒子及び防食粒子の分散液を製造する方法。
[72]アニオン成分への前駆体を用いる、[1]、[17]、[36]、又は[50]のいずれかに記載の防食粒子及び防食粒子の分散液を製造する方法。
[73]複数の成分を混合する、[1]、[17]、[36]、又は[50]のいずれかに記載の防食粒子及び防食粒子の分散液を製造する方法。