【実施例】
【0134】
次の実施例は、例示であり、本開示の教示を制限するものではない。
【0135】
実施例1:ポリコーティング紙からの繊維性材料の調製
20lb/ft
3のかさ密度を有する印刷されていないポリコーティング白色クラフトボールから作製された未使用の半ガロンジュース容器パックの1500ポンドスキッドをInternational Paperから入手した。各容器パックを平坦になるように折り畳み、次いで、1時間におよそ15から20ポンドの速度で3 hp Flinch Baughシュレッダーに入れた。シュレッダーには2枚の12インチ回転ブレード、2枚の固定ブレードおよび0.30インチの排出スクリーンが備えられていた。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔を0.10インチに調整した。シュレッダーからの産出物は、幅が0.1インチから0.5インチの間、長さが0.25インチから1インチの間であり、出発物質と同等の厚み(約0.075インチ)を有する紙吹雪状であった。
【0136】
この紙吹雪状の材料をMunsonロータリーナイフカッター、モデルSC30に供した。モデルSC30には4枚の回転ブレード、4枚の固定ブレードおよび1/8インチ孔を有する排出スクリーンが備えられている。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔をおよそ0.020インチに設定した。ロータリーナイフカッターは、ナイフの刃を横切る紙吹雪状小片を剪断し、この小片を切り裂き、1時間に約1ポンドの速度で繊維状材料を放出した。繊維状材料のBET表面積は0.9748m
2/g+/-0.0167m
2/g、気孔率は89.0437%であり、かさ密度は0.1260g/mL(@0.53psia)であった。繊維の平均長は1.141mmであり、繊維の平均幅は0.027mmであり、平均L/Dは42:1となった。
【0137】
実施例2:晒クラフトボールからの繊維性材料の調製
30lb/ft
3のかさ密度を有する未使用の晒白色クラフトボールの1500ポンドスキッドをInternational Paperから入手した。材料を平坦になるように折り畳み、次いで、1時間あたりおよそ15から20ポンドの速度で3 hp Flinch Baughシュレッダーに入れた。シュレッダーには2枚の12インチ回転ブレード、2枚の固定ブレードおよび0.30インチの排出スクリーンが備えられていた。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔は0.10インチに調整した。シュレッダーからの産出物は、0.1インチから0.5インチの間の幅、0.25インチから1インチの間の長さおよび出発材料と同等の厚み(約0.075インチ)を有する紙吹雪状であった。この紙吹雪状材料をMunsonロータリーナイフカッター、モデルSC30に供した。排出スクリーンの孔は1/8インチであった。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔はおよそ0.020インチに設定した。このロータリーナイフカッターは紙吹雪状小片を剪断し、1時間あたり約1ポンドの速度で繊維状材料を放出した。繊維状材料のBET表面積は1.1316m
2/g+/-0.0103m
2/g、気孔率は88.3285%であり、かさ密度は0.1497g/mL(@0.53psia)であった。繊維の平均長は1.063mmであり、繊維の平均幅は0.0245mmであり、平均L/Dは43:1となった。
【0138】
実施例3:晒クラフトボールからの、2回剪断繊維性材料の調製
30lb/ft
3のかさ密度を有する未使用の晒白色クラフトボールの1500ポンドスキッドをInternational Paperから入手した。材料を平坦に折り畳み、次いで、1時間あたりおよそ15から20ポンドの速度で3 hp Flinch Baughシュレッダーに入れた。このシュレッダーには2枚の12インチ回転ブレード、2枚の固定ブレードおよび0.30インチの排出スクリーンが備えられていた。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔を0.10インチに調整した。シュレッダーからの産出物は紙吹雪状であった(上記と同様)。この紙吹雪状材料をMunsonロータリーナイフカッター、モデルSC30に入れた。排出スクリーンの孔は1/16インチであった。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔はおよそ0.020インチに設定した。ロータリーナイフカッターは紙吹雪状小片を剪断し、1時間あたり約1ポンドの速度で繊維状材料を放出した。第一の剪断から得られた材料を上記で述べた同一設定に供給し戻し、再度剪断した。得られた繊維状材料のBET表面積は1.4408m
2/g+/-0.0156m
2/gであり、気孔率は90.8998%であり、かさ密度は0.1298g/mL(@0.53psia)であった。繊維の平均長は0.891mmであり、繊維の平均幅は0.026mmであり、平均L/Dは34:1となった。
【0139】
実施例4:晒クラフトボールからの3回剪断繊維性材料の調製
30lb/ft
3のかさ密度を有する未使用の晒白色クラフトボールの1500ポンドスキッドをInternational Paperから入手した。材料を平坦に折り畳み、次いで、1時間あたりおよそ15から20ポンドの速度で3 hp Flinch Baughシュレッダーに入れた。このシュレッダーには2枚の12インチ回転ブレード、2枚の固定ブレードおよび0.30インチの排出スクリーンが備えられていた。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔を0.10インチに調整した。シュレッダーからの産出物は紙吹雪状であった(上記と同様)。この紙吹雪状材料をMunsonロータリーナイフカッター、モデルSC30に入れた。排出スクリーンの孔は1/8インチであった。回転ブレードと固定ブレードとの間の間隔はおよそ0.020インチに設定した。ロータリーナイフカッターはナイフの刃を横切る紙吹雪状小片を剪断した。第一の剪断から得られた材料を同一設定に供給し戻し、スクリーンを1/16インチのスクリーンに交換した。この材料を剪断した。第二の剪断から得られた材料を同一設定に供給し戻し、スクリーンを1/32インチのスクリーンに交換した。この材料を剪断した。得られた繊維状材料のBET表面積は1.6897m
2/g+/-0.0155m
2/gであり、気孔率は87.7163%であり、かさ密度は0.1448g/mL(@0.53psia)であった。繊維の平均長は0.824mmであり、繊維の平均幅は0.0262mmであり、平均L/Dは32:1となった。
【0140】
実施例5:電子線による加工処理
出力80kWで5MeVの電子を送達するアーチ状のRhodotron(登録商標)TT200連続波加速器を用いて電子線で試料を処理した。表1は使用したパラメーターを記載する。表2は、試料IDに対して使用した公称線量(単位Mrad)および試料に送達される対応する線量(単位kgy)を報告する。
【0141】
(表1)Rhodotron(登録商標)TT200パラメーター
【0142】
(表2)試料へ送達される線量
1例えば、5mAのビーム電流および12.9フィート/分の回線速度で、11秒で9.9kgyが送達された。処理間の冷却時間は2分前後であった。
【0143】
実施例6:ゲル浸透クロマトグラフィーによってセルロース系およびリグノセルロース系材料の分子量を測定する方法
分析用のセルロース系およびリグノセルロース系材料を実施例4に従って処理した。以下の表に挙げる試料材料は、クラフト紙(P)、麦藁(WS)、アルファルファ(A)、セルロース(C)、スイッチグラス(SG)、草(G)およびデンプン(ST)およびスクロース(S)を含む。試料IDの番号「132」とは、1/32インチスクリーンに通した剪断後の材料の粒子サイズを指す。ダッシュ後の数字は放射線の線量(MRad)を指し、「US」は超音波処理を指す。例えば、試料ID「P132-10」とは、132メッシュの粒子サイズまで剪断され、10Mradを照射したクラフト紙を指す。
【0144】
e線で照射した試料の場合、ダッシュの後の数字は試料に送達されたエネルギー量を指す。例えば、試料ID「P-10Oe」は、約100MRadまたは約1000kgyのエネルギーの線量が送達されたクラフト紙を指す(表2)。
【0145】
(表3)照射クラフト紙のピーク平均分子量
**低線量の放射線は一部の材料の分子量を増加させるように見える。
1線量率=1MRad/時間
2水に分散させた材料を用い、再循環条件下で1000Wホーンを使用する20kHzの超音波による30分間の処理
【0146】
(表4)E線で照射したクラフト紙のピーク平均分子量
【0147】
(表5)ガンマ線照射済み材料のピーク平均分子量
*処理後にピークは合体する。
**低線量の放射線は一部の材料の分子量を増加させると思われる。
1線量率=1MRad/時間
2水に分散させた材料を用い、再循環条件下で1000Wホーンを使用した20kHz超音波による30分間の処理
【0148】
(表6)E線での照射済み材料のピーク平均分子量
【0149】
ポリマーの分子量分布を調べるために、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用する。GPC分析中に、多孔性ゲル捕捉小分子を充填したカラムにポリマー試料の溶液を通す。分子サイズに基づいて試料を分離するが、大きな分子量のものほど小さい分子よりも早く溶出される。各成分の滞留時間は、殆どの場合、屈折率(RI)、蒸発光散乱(ELS)または紫外線(UV)により検出し、較正曲線と比較する。次いで、得られたデータを用いて、試料に対する分子量分布を計算する。
【0150】
合成ポリマーの特徴を調べるために固有の分子量ではなく分子量の分布を使用する。この分布の特徴を調べるために、統計的平均を使用する。これらの平均値の中で最も一般的であるのは「数平均分子量」(M
n)および「重量平均分子量」(M
w)である。
【0151】
これらの値を計算する方法は、当技術分野で、例えば国際公開公報第2008/073186号の実施例9に記載されている。
【0152】
多分散度指数またはPIはM
w/M
nの比率として定義される。PIが大きいほど分布は広くなるかまたは分散する。PIがとり得る最小値は1である。これは単分散試料を表す。即ち、分布中の全分子が同一分子量であるポリマーである。
【0153】
ピーク分子量値(M
p)は分子量分布の様式として定義される別の記述法である。これは、分布中で最も多く見られる分子量を意味する。この値からも分子量分布が分かる。
【0154】
殆どのGPC測定は異なるポリマー標準物質に対してなされる。結果の精度は、分析されるポリマーの特徴が、使用される標準物質の特徴に対してどの程度密接に一致するかに依存する。個々に較正された異なる一連の測定間の再現性で予測される誤差は約5〜10%であり、GPC測定の限定精度に特徴的である。従って、GPCの結果は、異なる試料の分子量分布間の比較が同一の一連の測定の間になされる場合に最も有用である。
【0155】
リグノセルロース系試料はGPC分析前に試料調製が必要であった。最初に、塩化リチウム(LiCl)の飽和溶液(8.4重量%)をジメチルアセトアミド(DMAc)中で調製した。およそ100mgの試料を新たに調製したおよそ10gの飽和LiCl/DMAc溶液に添加し、攪拌しながら混合物をおよそ150℃〜170℃に1時間加熱した。得られた溶液の色は、全般的に明黄色から暗黄色であった。溶液の温度をおよそ100℃に低下させ、さらに2時間加熱した。次いで、溶液の温度をおよそ50℃に低下させ、試料溶液をおよそ48から60時間加熱した。注目すべきことには、100MRadで照射した試料は、それらの未処理対照物と比較して容易に溶解した。加えて、(数字132によって示される)剪断試料は未切断試料と比較して平均分子量が僅かに小さかった。
【0156】
溶媒としてDMAcを用いて、得られた試料溶液を1:1希釈し、0.45μmのPTFEフィルターに通して濾過した。次いで、表7に記載のパラメーターを用いて、濾過した試料溶液をGPCによって分析した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した場合の試料のピーク平均分子量(Mp)を表3〜6にまとめる。各試料を二つ組で調製し、その試料の各標品は、1試料あたり合計4回の注入について二つ組(2回注入)で分析した。EasiCal(登録商標)ポリスチレン標準PS1AおよびPS1Bを使用して、約580から7,500,00ダルトンの分子量スケールに対して較正曲線を作成した。
【0157】
(表7)GPC分析条件
【0158】
実施例7:飛行時間二次イオン質量分析法(ToF-SIMS)表面分析
飛行時間二次イオン質量分析法(ToF-SIMS)は、試料のまさに最外部表面から分子を脱離させるためにパルスイオンビーム(Csまたは微小焦点Ga)を使用する表面敏感分光法である。表面の単原子層から粒子を脱離させる(二次イオン)。次に、これらの粒子を加速して「飛行管」に導き、それらが検出器に到達する正確な時間(即ち飛行時間)を測定することによってそれらの質量を決定する。ToF-SIMSは、表面、薄層、試料の界面に関する詳細な元素および分子情報を提供し、完全な三次元分析を可能にする。これは、半導体、ポリマー、塗料、コーティング、ガラス、紙、金属、セラミック、生体材料、医薬品および有機組織を含め、広く使用されている。ToF-SIMSは探査技術なので、Hを含め周期表の元素は全て検出される。ToF-SIMSデータを表8〜11で与える。使用したパラメーターを表12で報告する。
【0159】
(表8)関心対象の様々な陽イオンの正規化平均強度(総イオン数x10000に対して正規化)
【0160】
(表9)関心対象の様々な陰イオンの正規化平均強度(総イオン数x10000に対して正規化)
【0161】
(表10)関心対象の様々な陽イオンの正規化平均強度(総イオン数x10000に対して正規化)
【0162】
(表11)関心対象の様々な陰イオンの正規化平均強度(総イオン数x10000に対して正規化)
【0163】
(表12)ToF−SIMSパラメーター
【0164】
ToF-SIMSは、材料表面上の化学種を脱離させるために集束パルス粒子線(通常はCsまたはGa)を使用する。衝撃部位近くで生じる粒子は、解離イオンである傾向がある(陽または陰)。衝撃部位から離れて生じた二次粒子は、分子化合物、通常はより非常に大きい有機巨大分子の断片である傾向がある。次に、粒子を加速して、検出器に向かう飛行経路に導く。検出器に対する衝撃の時間から粒子の「飛行時間」をナノ秒スケールで測定することが可能なので、0.00X原子質量単位(即ちプロトン質量の1000分の1)という細かい質量分解能を得ることができる。典型的な操作条件下で、ToF-SIMS分析の結果には、0〜10,000amuの範囲にわたる全原子質量を測量する質量スペクトルが含まれ、ラスタービームにより、関心対象のあらゆる質量のサブミクロンスケールのマップが得られ、イオンビーム下でのスパッタリングによる表層の離脱によってデプスプロファイルが得られる。陰イオン分析から、ポリマーのCNO、CNおよびNO
2基の量が増加したことが分かった。
【0165】
実施例8:照射済み材料の気孔率測定分析
水銀細孔サイズおよび細孔容積分析(表21)は、密に制御された圧力下で水銀(非湿潤性液体)を強制的に多孔性構造に浸入させることにより行う。水銀は殆どの物質を湿らせず、毛細管作用によって自然に細孔に浸入することがないので、外部圧力をかけることによって試料の孔隙に強制的に浸入させなければならない。孔隙を満たすのに必要な圧力は細孔サイズに逆比例する。大きな孔隙を満たすためには小さな力または圧力しか必要とせず、一方、非常に小さな細孔の孔隙を満たすにはかなり大きな圧力が必要となる。
【0166】
(表21)水銀ポロシメトリーによる細孔サイズおよび体積分布
【0167】
AutoPore 9520は414MPaまたは60,000psiaの最大圧力を達成することができる。試料の調製および0.2psiaから50psiaのマクロ孔データ収集のために4つの低圧ステーションがある。25psiaから60,000psiaのデータを収集する2つの高圧チャンバーがある。金属コーティングされたガラス毛細管ステムに連結したペネトロメーターと呼ばれるボール様装置に試料を入れる。水銀は試料中および試料の周りの孔隙に浸入するので、水銀は毛細管ステムを下へ移動する。毛細管ステムから水銀が失われる結果、電気容量の変化が生じる。使用中のペネトロメーターのステム容量を知ることによって、実験中の容量変化を水銀の体積に変換する。殆どの試料のサイズおよび立体配置を収容するために、様々なボール(試料)サイズおよび毛細管を有する様々なペネトロメーターが利用可能である。以下の表22は、各試料について計算した重要なパラメーターの一部を定義する。
【0168】
(表22)パラメーターの定義
【0169】
実施例9:照射済み材料の粒径分析
静的光散乱による粒度測定技術は(フラウンホーファー理論も含む)ミー散乱に基づく。ミー散乱は、他の系の変数が分かっており、一定に保持されることを条件に、球状散乱粒子に対する大きさの関数として、強度対角度関係を予測する。これらの変数は入射光の波長および試料材料の相対的屈折率である。ミー散乱を適用することによって、詳細な粒径の情報が得られる。表23は、メディアン径、平均径およびモード径をパラメーターとして用いて粒径についてまとめる。
【0170】
(表23)レーザー光散乱による粒子(乾燥試料分散)
【0171】
粒径は、以下の条件を用い、Malvern Mastersizer2000を使用してレーザー光散乱(乾燥試料分散)によって決定した。
供給率:35%
ディスパーサー圧力:4バール
光学モデル:(2.610、1.000i)、1.000
【0172】
適切な量の試料を振動トレイ上に導入した。粒子が適切に分散されることを確実にするために、供給速度および空気圧力を調整した。凝集を破壊するが試料の完全性を損なわない空気圧を選択することは重要な要素である。必要とされる試料の量は、粒径により変動する。一般に、微細粒子を含む試料の場合、材料の必要量は、粗い粒子を含む試料よりも少量となる。
【0173】
実施例10:照射済み材料の表面積分析
Micromeritics ASAP 2420 Accelerated Surface AreaおよびPorosimetry Systemを用いて各試料の表面積を分析した。最初に40℃にて16時間脱気することによって、試料を調製した。次に、ヘリウムを含む自由空間(温および冷空間の両方)を計算し、次いで、ヘリウムを除去するために試料チューブを再度脱気する。データ収集はこの第二の脱気後に開始し、どの程度の気体が試料上に与えられるかを調節する標的圧力を規定することから構成される。各標的圧力において、吸着された気体の量および実際の圧力を調べ、記録する。試料チューブ内側の圧力は圧力トランスデューサで測定する。標的圧力が達成され、平衡となるまで、さらなる量の気体を継続して入れる。吸着された気体の量は試料上への複数回の適用量を合計することによって調べる。圧力および量により気体吸着等温線が規定され、これを使用してBET表面積(表24)を含む多数のパラメーターを計算する。
【0174】
(表24)気体吸着による表面積のまとめ
【0175】
等温線に対するBETモデルは、一般に用いられている、比表面積を計算するための理論である。この分析は、密に詰まったクリプトンの単層で全表面を覆うために必要な量を計算することによって、試料表面の単分子層容量を決定することを含む。単分子層容量にプローブガスの分子の断面積をかけて、全表面積を決定する。比表面積は、試料の一定分量の表面積を試料の質量で割ったものである。
【0176】
実施例11:照射済み材料の繊維長の測定
Techpap MorFi LB01システムを用いて、提示された試料において三つ組で繊維長分布試験を行った。平均長および幅は表25で報告する。
【0177】
(表25)リグノセルロース系繊維の長さおよび幅データのまとめ
【0178】
実施例12:照射済みおよび非照射クラフト紙のフーリエ変換赤外(FT-IR)スペクトル
Nicolet/Impact 400でFT-IR分析を行った。結果から、試料P132、P132-10、P132-100、P-1e、P-5e、P-10e、P-30e、P-70eおよびP-100eがセルロースベースの材料に相応することが示される。
【0179】
図3は、実施例4に従って剪断したクラフトボール紙の赤外スペクトルであり、一方、
図4は、100Mradのガンマ線照射後の、
図3のクラフト紙の赤外スペクトルである。照射済み試料は、未照射材料では見出されない領域Aにおけるさらなるピークを示す(中心は約1730cm
-1)。注目すべきことに、P132からP132-10からP132-100に進む際に〜1650cm
-1でのカルボニル吸収量の増大が検出された。試料P-1e、P-5e、P-10e、P-30e、P-70eおよびP-100eに対して同様の結果が観察された。
【0180】
実施例13:照射済みおよび非照射クラフト紙のプロトンおよび炭素-13核磁気共鳴(1H-NMRおよび13C-NMR)スペクトル
試料調製
2%フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物を含むDMSO-d
6で溶解することによって、分析用に試料P132、P132-10、P132-100、P-1e、P-5e、P-10e、P-30e、P-70eおよびP-100eを調製した。低レベル照射を受けた試料は高レベル照射を受けた試料よりも溶解度が顕著に低かった。非照射試料は、この溶媒混合液中でゲルを形成したが、60℃に加熱することによって、NMRスペクトルにおけるピークが分解された。より高レベルの照射を受けた試料は10%wt/wtの濃度で可溶性であった。
【0181】
分析
15mg/mLの試料の
1H-NMRスペクトルは、明らかな16ppmを中心とする非常に幅広い共鳴ピークを示した(
図5A-5J)。このピークはエノールに対する交換性-OHプロトンの特徴であり、「d
2Oシェイク」により確認された。モデル化合物(アセチルアセトン、グルクロン酸およびケト-グロン酸)を分析し、このピークが実際に交換性エノールプロトンであったことが説得力のあるものとなった。提案されるこのエノールピークは、濃度の影響に非常に敏感であり、本発明者らは、この共鳴がエノールまたはおそらくカルボン酸によるものであったか否かを結論付けることができなかった。
【0182】
モデル化合物のカルボン酸プロトン共鳴は、処理済セルロース試料に対して観察されたものと同様であった。これらのモデル化合物は、高磁場から〜5-6ppmにシフトした。より高い濃度のP-100eの調製(〜10%wt/wt)によって、モデル化合物のカルボン酸共鳴が見出された低磁場への劇的なシフトが起こった(〜6ppm)(
図5N)。これらの結果から、この共鳴が、この官能基を特徴付けるために信頼性がないという結論が導かれるが、しかし、このデータから、試料の照射が増加すると、交換性水素の数が増加することが示唆される。またビニルプロトンも検出されなかった。
【0183】
試料の
13CNMRスペクトルから、カルボン酸またはカルボン酸誘導体のカルボニルの存在が確認される。この新しいピーク(168ppm)は未処理試料には存在しない(
図5K)。長時間の遅延がある
13CNMRスペクトルによって、P-100eに対するシグナルの定量が可能となった(
図5L〜5M)。およそ100ppm(Clシグナル)での共鳴に対するカルボニル共鳴の積分の比較から、Clに対するカルボニル炭素の比が1:13.8であるかまたは14グルコース単位ごとに凡そ1カルボニルであることが示唆される。100ppmでの化学シフトはグルクロン酸とよく相関する。
【0184】
滴定
試料P-100eおよびP132-100(1g)を脱イオン化水(25mL)中で縣濁した。指示薬アリザリンイエローを攪拌しながら各試料に添加した。P-100eは湿らせることがより困難であった。0.2M NaOH溶液で両試料を滴定した。終点は非常に微妙であり、pH紙を用いることによって確認した。試料の開始pHは両試料とも〜4であった。P132-100は0.4ミリ当量の水酸化物を必要とし、これは2500amuのカルボン酸に対する分子量を与える。モノマーに対して180amuが使用される場合、これは、13.9モノマー単位に対して1個のカルボン酸基があることを示す。同様に、P-100eは3.2ミリ当量の水酸化物を必要とし、これは、計算すると、17.4モノマー単位ごとに1カルボン酸基となる。
【0185】
結論
セルロースのC-6炭素は、この酸化においてカルボン酸(グルクロン酸誘導体)に酸化されると思われ、これは驚くべきことに特異的である。この酸化は、〜1740cm
-1での照射によりIR域が大きくなることと一致し、これは脂肪族カルボン酸に対応する。滴定結果は定量的
13C NMRと一致する。高レベルの照射を行うほど、試料の溶解度が向上することは、カルボン酸プロトン数が増加することとよく相関する。「C-6酸化セルロース」の分解に対するメカニズムの仮説を下記スキーム1で提供する。
【0186】
【0187】
実施例14:前処理済みバイオマスの微生物試験
エタノール産生における発酵工程のためにバイオ燃料業界で用いられる酵母および細菌の一般的な株に対する毒性について、本明細書に記載のように前処理した特定のリグノセルロース系材料を分析する。さらに、プロセスの実行可能性を調べるために、糖含量およびセルラーゼ酵素との適合性を調べる。前処理した材料の試験は以下のように2つの相で行う。
【0188】
第1相:毒性および糖含量
酵母サッカロミセス-セレビジエ(ワイン酵母)およびピキア・スチピチス(ATCC 66278)ならびに細菌ザイモモナス・モビリス(ATCC 31821)およびクロストリジウム・サーモセラム(ATCC 31924)において、前処理した草および紙原料の毒性を測定する。インキュベーションおよび試料採取の最適時間を調べるために、各微生物を用いて増殖試験を行う。
【0189】
次いで、各微生物に対する標準微生物培地中でS.セレビジエ、P.スチピチス、Z.モビリスおよびC.サーモセラムとともに各原料を二つ組でインキュベートする。2種類の酵母株、S.セレビジエおよびP.スチピチスに対してはYMブロスを使用する。Z.モビリスに対してはRM培地を使用し、C.サーモセラムに対してはCM4培地を使用する。比較のために、純粋な糖を添加するが原料を添加しない陽性対照を用いる。インキュベーション中、12時間にわたり、0、3、6、9および12時間の時点で合計5種類の試料を採取し、生存率(Z.モビリスの場合はプレートカウントおよびS.セレビジエの場合は直接カウント)およびエタノール濃度について分析する。
【0190】
原料の糖含量は、Shodex(商標)sugar SP0810またはBiorad Aminex(登録商標)HPX-87Pカラムの何れかを備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定する。各原料(およそ5g)を逆浸透圧(RO)水と1時間混合する。混合物の液体部を採取し、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、アラビノースおよびセロビオース含量について分析する。分析はNational Bioenergy Centerのプロトコール「Determination of Structural Carbohydrates and Lignin in Biomass」に従って行う。
【0191】
第2相:セルラーゼ適合性
リグノセルロース系バイオマスを発酵可能な糖に還元する酵素複合体を含有する市販のAccellerase(登録商標)1000を用い、エレンマイヤーフラスコ中で推奨温度および濃度で、原料を二つ組で試験する。200rpm前後で穏やかに振盪しながらフラスコを12時間インキュベートする。その間、フラスコの液体部中の還元糖の濃度を測定するために、0、3、6、9および12時間の時点で3時間ごとに試料を採取する(Hope and Dean, Biotech J. 1974, 144:403)。
【0192】
実施例15:HPLCを用いた糖濃度分析
糖濃度(HPLC)および3種類の微生物(ピキア・スチピチス、サッカロミセス・セレビシエおよびザイモモナス・モビリス)に対する毒性について、13種類の試料を分析した。表26はこれらの実験のために使用した装置を挙げる。表27および28は、HPLC標準物質を調製するために使用した糖のリスト(製造供給元およびロット番号を含む。)およびHPLC標準物質を調製するために使用したプロトコールをそれぞれ提供する。
【0193】
(表26)実験で使用した装置
【0194】
(表27)HPLC分析で使用した糖
【0195】
(表28)HPLC標準物質の調製
【0196】
分析
各試料(1グラム)を逆浸透水と200rpmおよび50℃で一晩混合した。試料のpHを5から6の間に調整し、0.2μmシリンジフィルターに通してろ過した。試料の完全性を維持するために、分析前に試料を-20℃で保存した。試料調製中に行った観察を表29で与える。
【0197】
(表29)HPLC試料調製中の観察
*これらの試料のpHは1N NaOHを用いてpHに調整した。
【0198】
6種類の混合糖、グルコース、キシロース、セロビオース、アラビノース、マンノースおよびガラクトースの4mg/mL保存溶液から新しく標準物質を調製した。各糖0.400グラムを75mLのナノピュア水中で溶解することによって保存溶液を調製した(0.3ミクロンろ過)。溶解したら、容量フラスコを用いてこの保存溶液を100mLに希釈し、-20℃で保存した。ナノピュア水で保存溶液を連続希釈することによって、0.1、0.5、1、2および4mg/mLの希釈標準溶液を調製した。さらにこの保存溶液から1.5mg/mLの検査標準溶液も調製した。
【0199】
「Determination of Structural Carbohydrates in Biomass」(NREL Biomass Program, 2006)プロトコールに従って糖濃度を分析し、このプロトコールをその全体において参照により本明細書に組み入れる。蒸発光散乱検出器付きのSHODEX SUGAR SP0810カラムを使用した。実験中にカラムおよび検出器の完全性が維持されていることを確認するために、8回の注入ごとに検査用標準物質(1.5mg/mL標準物質)を分析した。標準曲線の変動係数(R
2値)は少なくとも0.989であり、検査用標準物質の濃度は実測濃度の10%以内であった。HPLC条件は次のとおりであった。
【0200】
(表30)HPLCパラメーター
*最初の試験から、移動相中で15/85アセトニトリル:水よりもナノピュア水を使用した際に良好な分離が観察されたことが示された(製造者は、このカラムで20%を超えるアセトニトリルを使用することを推奨していない。)。
【0201】
結果
表31、32および33でHPLC分析の結果を与える。
【0202】
(表31)mg/mLおよびmg/gとして表される抽出物の糖濃度
【0203】
(表32)紙に対する%で表される糖濃度
【0204】
(表33)総試料%で表される糖濃度
【0205】
実施例16:毒性試験
3種類のエタノール産生培養物パネルに対する毒性について12種類の試料を分析した。この実験において、培養物の飢餓と試料の毒性とを区別するために、試料にグルコースを添加した。ピキア・スチピチスに対する毒性について13種類の試料を試験した。使用したプロトコールの要約を表32で挙げる。毒性試験で使用した化学物質および装置の説明を表34〜36で報告する。
【0206】
(表34)毒性試験に対する条件
【0207】
(表35)毒性試験に対して使用した試薬
【0208】
(表36)振盪フラスコ試験で使用したYSI成分
【0209】
下記で記載のように3種類の微生物を用いて試験を行った。
【0210】
サッカロミセス・セレビシエATCC24858(American Type Culture Collection)
ATCCから得た再水和した凍結乾燥培養物から、S.セレビシエの斜面培地を調製した。YMブロス+20g/L寒天(pH5.0)上に斜面培地材料の一部を画線し、30℃で2日間インキュベートした。50mLの培地(20g/Lグルコース、3g/L酵母抽出物および5.0g/Lペプトン、pH5.0)を含有する250mLエレンマイヤーフラスコにYMプレートからの1個のコロニーを接種し、25℃および200rpmで24時間インキュベートした。増殖23時間後、試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、OD14.8であり、混入なくグラム染色された1本のフラスコ(種フラスコと呼ぶ。)を選択し、試験フラスコ全てに接種した。
【0211】
試験容器は、100mLの上述の滅菌培地を含有する500mLエレンマイヤーフラスコであった。試験材料添加前に、全フラスコを121℃および15psiで加圧滅菌処理した。加圧滅菌処理によって試料含量が変化するので、試験材料は滅菌しなかった。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験試料を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。このフラスコを36時間にわたり上述のようにインキュベートした。
【0212】
ピキア・スチピチスNRRL Y-7124(ARS Culture Collection)
ARS Culture Collectionから得た再水和凍結乾燥培養物から、P.スチピチスの斜面培地を調製した。YMブロス+20g/L寒天(pH5.0)上に斜面培地材料の一部を画線し、30℃で2日間インキュベートした。100mLの培地(40g/Lグルコース、1.7g/L酵母窒素原基礎培地、2.27g/L尿素、6.56g/Lペプトン、40g/Lキシロース、pH5.0)を含有する250mLエレンマイヤーフラスコに少量のプレート材料を接種し、25℃および125rpmで24時間インキュベートした。増殖23時間後に試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、光学密度が5.23で、混入なくグラム染色された1本のフラスコ(種フラスコと呼ぶ。)を選択し、試験フラスコ全てに接種した。
【0213】
試験容器は、100mLの上述の滅菌培地を含有する250mLエレンマイヤーフラスコであった。全フラスコを空のまま121℃および15psiで加圧滅菌処理し、試験材料の添加前にフラスコにろ過滅菌(0.22μmフィルター)した培地を添加した。加圧滅菌処理は試料含量を変化させ、ろ過滅菌は固体の滅菌に不適当なので、試験材料は滅菌しなかった。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験試料を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。このフラスコを48時間にわたり上述のようにインキュベートした。
【0214】
ザイモモナス・モビリスATCC31821(American Type Culture)
ATCCから得た再水和凍結乾燥培養物から、Z.モビリスの斜面培地を調製した。DYEプレート(グルコース20g/L、酵母抽出物10g/L、寒天20g/L、pH5.4)上に斜面培地材料の一部を画線し、30℃および5%CO
2で2日間インキュベートした。15mLの培地(25g/Lグルコース、10g/L酵母抽出物、1g/L MgSO
4・7H
2O、1g/L (NH
4)
2SO
4、2g/L KH
2PO
4、pH5.4)を含有する20mLスクリューキャップ試験管に1個のコロニーを接種し、振盪せずに30℃で24時間インキュベートした。増殖23時間後に試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、1本の試験管(OD1.96)を選択して、第二の種フラスコに接種した。第二の種フラスコは上述の培地70mLを含有する125mLフラスコであり、700μL(1%v/v)を接種し、振盪せずに30℃で24時間インキュベートした。増殖23時間後に試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、ODが3.72である1本のフラスコ(種フラスコと呼ぶ。)を選択し、試験フラスコ全てに接種した。
【0215】
試験容器は、酵母抽出物が5g/Lであることを除き上述のとおりの100mLの滅菌培地を含有する250mLエレンマイヤーフラスコであった。全フラスコを空のまま121℃および15psiで加圧滅菌処理し、試験材料の添加前に、ろ過滅菌(0.22μmフィルター)した培地をフラスコに添加した。加圧滅菌処理は試料含量を変化させ、ろ過滅菌は固体の滅菌に不適当なので、試験材料は滅菌しなかった。雑菌混入の可能性を抑えるために、接種時に試験試料を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。このフラスコを36時間上述のようにインキュベートした。
【0216】
分析
2種類の試料を細胞濃度について分析した(Z.モビリスの場合は塗布接種を使用し、直接計数し(S.セレビシエおよびP.スチピチスの場合は血球計算盤および顕微鏡で計数)。適切に希釈したZ.モビリスの試料をデキストロース酵母抽出物(グルコース20g/L、酵母抽出物10g/L、寒天20g/L、pH5.4)プレート上に広げ、30℃および5%CO
2で2日間インキュベートし、コロニー数を計数した。適切に希釈したS.セレビシエおよびP.スチピチスの試料を0.05%トリパンブルーと混合し、ノイバウエル血球計算盤に載せた。40Xの倍率で細胞を計数した。
【0217】
アルコール脱水素酵素アッセイに基づき、YSI生化学分析装置(YSI Biochem Analyzer)を用いて(YSI、Interscience)、エタノール濃度について3種類の試料を分析した。14,000rpmで20分間、試料を遠心し、完全性を維持するために上清を-20℃で保存した。分析前に0〜3.2g/Lエタノールの間となるようにこの試料を希釈した。分析中に膜の完全性が維持されていることを確認するために、およそ30試料ごとに3.2g/Lエタノールの標準物質を分析した。試料の濁度が上昇することにより固体試験試料が吸収測定を妨害し、不正確となるので、試料の光学密度(600nm)は報告しない。
【0218】
エタノール分析結果
各微生物に対して、対照と各試料を比較するために、パフォーマンスを使用した(表37-39)。しかし、株間の比較を行うためには%パフォーマンスを使用することができない。株を比較する場合、エタノールの総濃度を使用すべきである。データを分析する際、80%未満の%パフォーマンスは、細胞数も低い場合は毒性を示し得る。%パフォーマンスを決定するために使用した式は、以下である:
% パフォーマンス = (試料中のエタノール/対照中のエタノール)x100
【0219】
(表37)サッカロミセス・セレビシエを用いたエタノール濃度および%パフォーマンス
【0220】
(表38)ピキア・スチピチスを用いたエタノール濃度および%パフォーマンス
【0221】
太字の試料は、20g/Lを超え、木材加水分解物の場合の濃度と同等である、最大エタノール産生試料であった(H.K.Sreenath and T.W.Jeffries Bioresource Technology 72(2000)253-260)。
*後に振盪フラスコ実験で分析
【0222】
(表39)ザイモモナス・モビリスを用いたエタノール濃度および%パフォーマンス
【0223】
細胞濃度分析からの結果
各生物に対して、対照と各試料を比較するために、%細胞を使用する(表40-42)。しかし、株間の比較を行うためには%細胞を使用することができない。株を比較する場合、細胞の総濃度を使用すべきである。データを分析する際、70%未満の%パフォーマンスは、エタノール濃度も低い場合、毒性を示し得る。%パフォーマンスを決定するために使用した式は、以下である:
% 細胞 = (試料中の細胞数/対照中の細胞数)x100
【0224】
(表40)サッカロミセス・セレビシエに対する細胞濃度分析からの結果
【0225】
(表41)ピキア・スチピチスに対する細胞濃度分析からの結果
【0226】
(表42)ザイモモナス・モビリスに対する細胞濃度分析からの結果
【0227】
実施例17:P.スチピチスを用いたセルロース試料の振盪フラスコ発酵
要約
糖添加せずにP.スチピチス培養物におけるエタノール産生について13種類の試料を試験した。セルラーゼ(Accellerase 1000(登録商標)酵素複合体、Genencor)の存在下および非存在下でこれらを試験した。この実験に対して使用した装置および試薬を下記表43〜45で挙げる。
【0228】
(表43)装置およびメンテナンス頻度
【0229】
(表44)振盪フラスコ試験で使用したYSI成分
【0230】
(表45)振盪フラスコ発酵に対して使用した化学物質
【0231】
ARS Culture Collectionから得た再水和凍結乾燥培養物から、P.スチピチスNRRL Y-7124の斜面培地を調製した。Yeast Mold(YM)ブロス+20g/L寒天(pH5.0)上に斜面培地材料の一部を画線し、30℃で2日間インキュベートした。100mLの培地(40g/Lグルコース、1.7g/L酵母窒素原基礎培地、2.27g/L尿素、6.56g/Lペプトン、40g/Lキシロース、pH5.0)を含有する250mLエレンマイヤーフラスコに1個のコロニーを接種し、25℃および100rpmで24時間インキュベートした。増殖23時間後に試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、光学密度が6.79であり、混入なくグラム染色された1本のフラスコ(種フラスコと呼ぶ。)を選択し、試験フラスコ全てに接種した。
【0232】
試験容器は、100mLの培地(1.7g/L酵母窒素原基礎培地、2.27g/L尿素および6.56g/Lペプトン)を含有する250mLエレンマイヤーフラスコであった。増殖フラスコ培地に糖(グルコースまたはキシロース)は添加しなかった。全フラスコを空のまま121℃および15psiで加圧滅菌処理し、試験材料の添加前にフラスコにろ過滅菌(0.22μmフィルター)した培地を添加した。加圧滅菌処理は試料含量を変化させ、ろ過滅菌は固体の滅菌に不適当なので、試験材料は滅菌しなかった。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験試料(表46で列挙)を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。試料P132-100を含有するフラスコは、pHを5.0にするために0.4mLの1M NaOHの添加が必要であった。このフラスコを96時間以上、30℃および150rpmでインキュベートした。
【0233】
同時糖化および発酵(SSF)を試みるために、原料1種あたり2本組みのフラスコの一方のセットに、Accellerase(登録商標)酵素複合体(フラスコ1本あたり1.25mL、最も推奨される用量はバイオマス1グラムあたり0.25mL、Genencor)を添加した。2本組みフラスコの他方のセットには、Accellerase(登録商標)酵素複合体を添加しなかった。全部で52本のフラスコを分析した。
【0234】
6本の対照フラスコも分析した。陽性対照フラスコには、Accellerase(登録商標)酵素複合体を添加しておよび添加せずに、100mLフラスコ1本あたり2.5グラムの濃度(25グラム/L)で、SolkaFloc 200NF粉末セルロース(ロット#UA158072、International Fiber Corporation)を添加した。さらに、糖(グルコースおよびキシロース)のみを含有する対照を使用した。
【0235】
(表46)各フラスコに添加した各原料の量
【0236】
分析
アルコール脱水素酵素アッセイに基づき、YSI生化学分析装置を用いて(YSI、Interscience)、エタノール濃度について試料を分析した(表47、48および49)。14,000rpmで20分間試料を遠心し、-20℃で上清を保存した。分析前にエタノールが0〜3.2g/Lの間となるようにこの試料を希釈した。分析中に膜の完全性が維持されていることを確認するために、およそ30試料ごとに2.0g/Lエタノールの標準物質を分析した。
【0237】
結果
【0238】
(表47)対照フラスコの結果
【0239】
(表48)Accellerase(登録商標)1000酵素複合体非存在下での振盪フラスコの結果
【0240】
(表49)Accellerase(登録商標)1000酵素複合体存在下での振盪フラスコの結果
【0241】
実施例18:セルラーゼアッセイ
要約
温度およびpHの至適条件下で工業用セルラーゼ(Accellerase(登録商標)1000、Genencor)を用いて、セルラーゼ感受性について13種類の試料を試験した。
【0242】
プロトコール
本プロトコールはNREL「Laboratory Analytical Procedure LAP-009 Enzymatic Saccharification of Lignocellulosic Biomass」の改変法である。2本組みで、50mL試験管中の10mLの0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.8)および40mg/mLテトラサイクリン(細菌増殖防止のため)に材料の試料を添加した。各試験管に添加した試料の量は表50で挙げる。一部の試料は混合困難であったので(P132、P132-10、P132-100)、より低い濃度で添加した。0.2グラムのSolkaFloc 200NF粉末セルロース(ロット#UA158072、International Fiber Corporation)の陽性対照および陰性対照(試料なし)も加えた。体積を総量で20mLにするのに十分な逆浸透(RO)水を試験管に添加した。クエン酸緩衝液および水の両方を使用前に50℃に加熱した。
【0243】
バイオマス1グラムあたり0.25mLの用量(Genencorにより推奨される最大用量)で各試験管にAccellerase(登録商標)1000酵素を添加した。この試験管を45°の角度で150rpmおよび50℃(Genencorにより推奨)で72時間、インキュベートした。0、3、6、9、12、18、24、48および72時間(表52および53)で試料を採取し、14,000rpmで20分間遠心し、上清を-20℃で凍結した。表51に記載の条件を用いてYSI生化学分析装置(Interscience)を使用して試料中のグルコース濃度を分析した。2.500グラムのグルコース(Sigma Cat# G7528-5KG、Lot#:107H0245)を蒸留水中で溶解することによって、2.5g/Lのグルコース標準溶液を調製した。溶解したら、容量フラスコ中で蒸留水で総体積を1Lにした。毎週新鮮な標準物質を調製し、4℃で保存した。
【0244】
(表50)各試料の添加量
【0245】
(表51)振盪フラスコ試験で使用したYSI成分
【0246】
結果
(表52)セルラーゼアッセイ結果
【0247】
(チャート1)グルコース濃度(上位4種類の産生試料)
【0248】
次のように試験管中で消化されたセルロース量を計算した:
g/mLグルコースx20mL(試料体積)x0.9(セルロース加水分解時に添加した水分子に対する補正のため)。
【0249】
次のように、グルコースとして放出された総試料の割合(下記表53)を計算した:
消化されたセルロースg/添加した試料g(詳細については表5参照)
*100
【0250】
(表53)セルラーゼアッセイ結果
【0251】
実施例19:ピキア・スチピチスを用いた振盪フラスコ発酵
要約
表36からの最大の%パフォーマンスを有する4種類のセルロース系材料を用いて、ピキア・スチピチスを用いた振盪フラスコ発酵を行った。
【0252】
プロトコール
表54〜56で概説するパラメーターの元で実験を行った。
【0253】
(表54)装置およびメンテナンス頻度
【0254】
(表55)振盪フラスコ試験で使用したYSI成分
【0255】
(表56)振盪フラスコ発酵に対して使用した化学物質
【0256】
種材料の開発
次の振盪フラスコ実験全てに対して、次の手順を用いて種フラスコを調製した。
【0257】
ARS Culture Collectionから得た再水和凍結乾燥培養物から、P.スチピチスNRRL Y-7124の作業用細胞バンクを調製した。15%v/vグリセロール中のP.スチピチス培養物を含有する凍結バイアルを-75℃で保存した。凍結融解した作業用細胞バンク材料の一部をYeast Mold(YM)ブロス+20g/L寒天(pH5.0)上に画線し、30℃で2日間インキュベートした。使用前にこのプレートを4℃で2日間保持した。100mLの培地(40g/Lグルコース、1.7g/L酵母窒素原基礎培地、2.27g/L尿素、6.56g/Lペプトン、40g/Lキシロース、pH5.0)を含有する250mLエレンマイヤーフラスコに1個のコロニーを接種し、25℃および100rpmで24時間インキュベートした。増殖23時間後に試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、光学密度が4から8の間で、混入なくグラム染色された1本のフラスコ(種フラスコと呼ぶ。)を使用して、試験フラスコ全てに接種した。
【0258】
試料A132-10、A132-100、G132-10およびG132-100を使用して3回の実験を行った。実験#1では、様々な濃度のキシロースおよび一定濃度のグルコースで、エタノール濃度についてこれらの4種類の試料を試験した。実験#2では、表36の実験で使用した原料の2倍の濃度で、エタノール濃度についてこれらの4種類の試料を試験した。最後に、実験#3では、キシロースおよびグルコース濃度の両方を同時に変化させながら、エタノール濃度についてこれらの4種類の試料を試験した。
【0259】
実験#1-キシロース濃度の変動
下記表57で挙げるとおりの様々なキシロース濃度で4種類のセルロース系試料(A132-10、A132-100、G132-10およびG132-100)を試験した。
【0260】
(表57)実験#1フラスコの培地成分
【0261】
試験容器には100mLの培地を添加した(全部で40本、250mLエレンマイヤーフラスコ)。表57で概説したキシロースおよびグルコース量で、5種類の様々なタイプの培地を調製した。さらに、この培地は、1.7g/L酵母窒素原基礎培地(Becton Dickinson #291940)2.27g/L、尿素(ScholAR Chemistry #9472706)および6.56g/Lペプトン(Becton Dickinson #211677)を含有した。全フラスコを空のまま121℃および15psiで加圧滅菌処理し、試験材料の添加前に、ろ過滅菌(0.22 μmフィルター)した培地をフラスコに添加した。フラスコを室温で4日間保持し、使用前に雑菌混入(混濁)について調べた。加圧滅菌処理は試料含量を変化させ、ろ過滅菌は固体の滅菌に不適当なので、試験材料は滅菌しなかった。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験材料(5g/100mLでA132-10、A132-100、G132-10およびG132-100)を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。このフラスコを30℃および150rpmで72時間インキュベートした。
【0262】
残念ながら、試験中にフラスコを1本(100%キシロースの試料A132-100)破損した。従って、インキュベーション後24時間の全結果を1本のフラスコとして報告する。インキュベーション72時間後、セルロース系材料(5.0g)の元の量の100%を100%キシロースフラスコに添加し(全部で7本のフラスコ、試料A132-100を含有する1本のフラスコを破損した。)、さらに48時間、上記のようにインキュベートした。
【0263】
(表58)インキュベーション時間72時間での100%キシロースフラスコへの原料の添加
【0264】
分析
インキュベーション時間0、6、12、24、36、48および72時間に、40本の試験フラスコから試料を採取した。さらに、100%キシロースフラスコ中での原料の第二の量の添加後24および48時間で試料を採取した(表58参照)。
【0265】
アルコール脱水素酵素アッセイに基づきYSI生化学分析装置を用いて(YSI、Interscience)、全部で292種類の試料をエタノール濃度について分析した。14,000rpmで20分間、試料を遠心し、上清を-20℃で保存した。注目すべきことに、時間0の試料は、0.45μmシリンジフィルターによるろ過を必要とした。分析前に、0-3.2g/Lエタノールになるようにこの試料を希釈する。膜の完全性が維持されていることを確認するために、2.0g/Lエタノールの標準物質をおよそ30試料ごとに分析した。
【0266】
全部で47種類の試料を細胞数について分析した。インキュベーション72時間およびさらなるセルロース系材料の添加後48時間に、試料を採取する。適切に希釈した試料を0.05%トリパンブルーと混合し、ノイバウエル血球計算盤に載せた。40Xの倍率で細胞を計数した。
【0267】
実験#2-2X原料濃度の分析
試験容器(全部で8本、250mLエレンマイヤーフラスコ)には100mLの培地を入れた。この培地には、40g/Lグルコース、40g/Lキシロース、1.7g/L酵母窒素原基礎培地(Becton Dickinson #291940)、2.27g/L尿素(ScholAR Chemistry #9472706)および6.56g/Lペプトン(Becton Dickinson #211677)が含有されていた。実験#1のようにフラスコを準備した。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験試料(10g/100mLのA132-10、A132-100、G132-10およびG132-100)を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。このフラスコを30℃および150rpmで72時間以上インキュベートした。
【0268】
分析
0、6、12、24、36、48および72時間のインキュベーション時間で、8本の試験フラスコから試料を得た。実験#1のように、56種類の試料のエタノール分析を行い、表59で報告する。実験#1と同様に72時間の試料に対して細胞計数を行い、表60で示す。
【0269】
(表59)2倍の原料を用いた場合のフラスコ中のエタノール濃度
【0270】
(表60)2倍の原料を用いたフラスコ中の72時間のインキュベーション時間での細胞濃度
【0271】
実験#3-様々なキシロースおよびグルコース濃度
下記の表(表60)で挙げるとおりの様々なキシロースおよびグルコース濃度で、4種類のセルロース系試料(A132-10、A132-100、G132-10およびG132-100)を試験した。
【0272】
(表61)実験#3のフラスコの培地成分
【0273】
試験容器(全部で32本、250mLエレンマイヤーフラスコ)には100mLの培地を入れた。表61で概説した量のキシロースおよびグルコースを用いて4種類の異なるタイプの培地を調製した。さらに、この培地には、1.7g/L酵母窒素原基礎培地(Becton Dickinson # 291940)2.27g/L尿素(ScholAR Chemistry #9472706)および6.56g/Lペプトン(Becton Dickinson #211677)が含有されていた。このフラスコを実験#1のように調製した。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験試料(A132-10、A132-100、G132-10およびG132-100)を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。このフラスコを30℃および150rpmで72時間インキュベートした。
【0274】
分析
0、6、12、24、36、48および72時間のインキュベーション時間に、32本の試験フラスコから試料を採取した(表62-65参照)。アルコール脱水素酵素アッセイに基づきYSI生化学分析装置を用いて(YSI、Interscience)、エタノール濃度について全部で224種類の試料を分析した。14,000rpmで20分間試料を遠心し、上清を-20℃で保存した。注目すべきことに、一部の試料は、遠心および、次に、0.45μmシリンジフィルターによるろ過を必要とした。分析前にエタノールが0〜3.2g/Lの間となるようにこの試料を希釈した。YSI膜の完全性が維持されていることを確認するために、2.0g/Lエタノールの標準物質をおよそ30試料ごとに分析した。
【0275】
(表62)エタノール結果試料A132−10
*実験#3からの分析
【0276】
(表63)エタノール結果試料A132−100
*実験#3からの分析
**1本のフラスコの分析に基づく全結果
【0277】
(表64)エタノール結果試料G132−10
*実験#3からの分析
【0278】
(表65)エタノール結果試料G132−100
*実験#3からの分析
【0279】
細胞計数のために72時間のインキュベーションで試料を採取した(表66〜67参照)。適切に希釈した試料を0.05%トリパンブルーと混合し、ノイバウエル血球計算盤に載せた。40Xの倍率で細胞を計数した。
【0280】
結果
1本の種フラスコを使用して、全ての実験#1および#2試験フラスコに接種した。種フラスコの光学密度(600nm)を測定したところ、5.14となり、その細胞濃度は4.65x10
8個細胞/mLとなった(表65-66)。従って、試験フラスコ中の最初の細胞濃度はおよそ4.65x10
6個細胞/mLであった。
【0281】
第二の種フラスコを使用して、実験#3フラスコに接種した。種フラスコの光学密度(600nm)は5.78であり、細胞濃度は3.75x10
8個細胞/mLとなった。従って、試験フラスコ中の最初の細胞濃度はおよそ3.75x10
6個細胞/mLであった。
【0282】
(表66)72時間のインキュベーション時間での細胞計数
*増殖72時間後、試料への雑菌混入が激しかった。これは、糖添加なしではピキアがあまり増殖せず、混入雑菌(非滅菌試料由来)がピキアより多く増殖することできたからと予想される。
【0283】
(表67)添加後(100%キシロースおよびグルコース)48時間のインキュベーション時間での細胞計数
【0284】
実施例20:P.スチピチスおよびS.セレビシエに対するリグノセルロース系試料の毒性試験
要約
2種類のエタノール産生培養物、サッカロミセス・セレビシエおよびピキア・スチピチスに対する毒性について、37種類の試料を分析した。この実験において、培養物の飢餓と試料の毒性を区別するために、試料にグルコースを添加した。
【0285】
(表68)毒性試験に対する条件
【0286】
プロトコール
使用したプロトコールの要約を表68で挙げる。毒性試験で使用した化学物質の説明は表69で挙げる。試験の各週に、各微生物に対して2本の対照フラスコ(試料添加なし)を行った。全部で82本のフラスコを分析した。
【0287】
実験中、インキュベーションの最初の24時間において、試料C、C-1e、C-5eおよびC-1Oeを含有するP.スチピチスのフラスコ中でエタノールまたは細胞は見られなかった。結果を確認するために、この試験を繰り返した。2回目の試験によって、試料C、C1E、C5EおよびC10Eをフラスコに添加した際にP.スチピチス増殖が幾分阻害されることが確認された。
【0288】
(表69)毒性試験に対して使用した化学物質および材料
【0289】
(表70)毒性試験で使用したYSI成分
【0290】
試験試料
少量の試料に適切なコーヒーグラインダーを用いて7種類の試験試料(全てCの記号表示を有する。)を研削した。肉眼で見て適応する粒径(試料間)になるようにこの試料を研削した。試料番号C-100eは容易に小さな粒径に研削された。
【0291】
6種類のP試料(25グラム/リットル)を除き、50グラム/リットルの濃度になるように全試料をフラスコに添加した。これらの試料の色は白色から灰色がかった白色で、外見は綿毛状であり、これらのフラスコは50グラム/リットル濃度で適切に混合されない(十分な自由液体ではない。)。試料Sは容易に溶解し、後により高濃度でフラスコに添加し得る。将来的には100グラム/リットルで試料AおよびGを添加し得る。
【0292】
下記のように2種類の微生物を用いて試験を行った。
【0293】
サッカロミセス・セレビシエATCC 24858(American Type Culture Collection)
American Type Culture Collectionから入手した再水和凍結乾燥培養物から、S.セレビシエATCC24858の作業用細胞バンクを調製した。15%v/vグリセロール中のS.セレビシエ培養物を含有する凍結バイアルを-75℃で凍結した。凍結融解した作業用細胞バンク材料の一部をYeast Mold(YM)ブロス+20g/L寒天(pH5.0)上に画線し、30℃で2日間インキュベートした。培地(20g/Lグルコース、3g/L酵母抽出物および5.0g/Lペプトン、pH5.0)50mLを含有する250mLエレンマイヤーフラスコにYMプレートから1個のコロニーを接種し、25℃および200rpmで24時間インキュベートした。増殖23時間後に試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、ODが9-15であり、混入なくグラム染色された1本のフラスコ(種フラスコと呼ぶ。)を増殖フラスコに接種するために使用するものとした。増殖23時間後、種フラスコのODは低く(5.14)、細胞数が少なかった(1.35x10
8個細胞/mL)。注目すべきことに、種プレートから採取したコロニーは通常より小さかった。従って、0.5mLの種材料(計画した0.1mLではない。)を各試験容器に添加した。
【0294】
試験容器は、100mLの上述の滅菌培地を含有する500mLエレンマイヤーフラスコであった。試験材料の添加前に、全フラスコを121℃および15psiで加圧滅菌処理した。加圧滅菌処理は試料の含量を変化させるので、試験材料は滅菌しなかった。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験試料を添加した。試験試料に加え、0.5〜1.0mL(0.5〜1.0%v/v)の種フラスコ材料を各フラスコに添加した。上述のようにこのフラスコを72時間インキュベートした。
【0295】
ピキア・スチピチス(ARS Culture Collection)
ARS Culture Collectionから入手した再水和凍結乾燥培養物から、P.スチピチスNRRL Y-7124の作業用細胞バンクを調製した。15%v/vグリセロール中のP.スチピチス培養物を含有する凍結バイアルを-75℃で凍結する。凍結融解した作業用細胞バンク材料の一部をYeast Mold(YM)ブロス+20g/L寒天(pH5.0)上に画線し、30℃で2日間インキュベートした。使用前にこのプレートを4℃で最長5日間維持した。100mLの培地(40g/Lグルコース、1.7g/L酵母窒素原基礎培地、2.27g/L尿素、6.56g/Lペプトン、40g/Lキシロース、pH5.0)を含有する250mLエレンマイヤーフラスコに1個のコロニーを接種し、25℃および125rpmで24時間インキュベートした。増殖23時間後に試料を採取し、光学密度(UV分光光度計で600nm)および純度(グラム染色)について分析した。これらの結果に基づき、光学密度が5-9であり、混入なくグラム染色された1本のフラスコ(種フラスコと呼ぶ。)を使用して、試験フラスコ全てに接種した。
【0296】
試験容器は、100mLの上述の滅菌培地を含有する250mLエレンマイヤーフラスコであった。全フラスコを空のまま121℃および15psiで加圧滅菌処理し、ろ過滅菌(0.22 μmフィルター)した培地を試験材料の添加前にそのフラスコに添加した。加圧滅菌処理は試料の含量を変化させ、ろ過滅菌は固体の滅菌に不適当なので、試験材料は滅菌しなかった。雑菌混入の可能性を抑えるために、(接種前ではなく)接種時に試験試料を添加した。試験試料に加えて、種フラスコ材料1mL(1%v/v)を各フラスコに添加した。このフラスコを上述のように72時間インキュベートした。
【0297】
分析
接種直前に種フラスコから試料を採取し、24および72時間にそれぞれフラスコを試験し、直接計数することにより細胞濃度について分析した。適切に希釈したS.セレビシエおよびP.スチピチスの試料を0.05%トリパンブルーと混合し、ノイバウエル血球計算盤に載せた。40Xの倍率で細胞を計数した。
【0298】
0、6、12、24、36、48および72時間の時点で各フラスコから試料を採取し、アルコール脱水素酵素アッセイに基づきYSI生化学分析装置を用いて(YSI、Interscience)、エタノール濃度について分析した。14,000rpmで20分間、試料を遠心し、上清を-20℃で保存した。分析前に、0-3.2g/Lエタノールになるようにこの試料を希釈した。分析中に膜の完全性が維持されていることを確認するために、2.0g/Lエタノールの標準物質をおよそ30試料ごとに分析した。
【0299】
計算
対照フラスコと細胞数およびエタノール濃度を比較するために、次の計算を使用した。
%パフォーマンス=(試験フラスコ中のエタノール濃度/対照中のエタノール)
*100%
細胞=(試験フラスコ中の細胞数/対照フラスコ中の細胞数)
*100
【0300】
結果
S.セレビシエの種フラスコの光学密度(600nm)は5.14であり、細胞濃度は1.35x10
8個細胞/mLであった。0.5mLの種フラスコ材料を各試験フラスコに添加した。従って、各フラスコ中の出発細胞濃度は6.75x10
5/mLであった。試験第2週の間、S.セレビシエの種フラスコの光学密度(600nm)は4.87であり、細胞濃度は3.15x10
7個細胞/mLであった。1mLの種フラスコ材料を各試験フラスコに添加した。従って、各フラスコの出発細胞濃度は6.30x10
5/mLであった。0時間の試料採取時間のS.セレビシエのフラスコのpHは表71で示す。フラスコ内容物のpHは、S.セレビシエ増殖に対する至適pHの範囲内(pH4-6)であった。pH調整は必要なかった。
【0301】
(表71)試料採取時間0時間のS.セレビシエのフラスコのpH
*「S」はスクロースを指す。
*「C」はトウモロコシを指す。
*「ST」はデンプンを指す。
【0302】
S.セレビシエのフラスコ中のエタノール濃度およびパフォーマンスを表72および73で示す。最大エタノール濃度はSシリーズから得られた。
【0303】
(表72)S.セレビシエのフラスコ中のエタノール濃度
*第2週に分析
試料番号の記号については表72参照。
【0304】
(表73)S.セレビシエのフラスコにおけるパフォーマンス
*第2週に分析
【0305】
S.セレビシエのフラスコ中の細胞濃度および%細胞を表74で示す。全フラスコで高細胞数が認められたが、全ての細胞がエタノールを産生している訳ではないと思われる。
【0306】
(表74)S.セレビシエの細胞数および%細胞
【0307】
P.スチピチスの種フラスコの光学密度(600nm)は5.01であり、細胞濃度は3.30x10
8個細胞/mLであった。1mLの種フラスコ材料を各試験フラスコに添加した。従って、各フラスコの出発細胞濃度は3.30x10
6/mLであった。試験第2週の間、P.スチピチスの種フラスコの光学密度(600nm)は5.45であり、細胞濃度は3.83x10
8個細胞/mLであった。1mLの種フラスコ材料を各試験フラスコに添加した。従って、各フラスコの出発細胞濃度は3.83x10
6/mLであった。0時間の試料採取時間のP.スチピチスのフラスコのpHは表75で示す。フラスコ内容物のpHは、P.スチピチス増殖に対する至適pHの範囲内(pH4-7)であった。pH調整は必要なかった。
【0308】
(表75)試料採取時間0時間のP.スチピチスのフラスコのpH
【0309】
P.スチピチスのフラスコのエタノール濃度およびパフォーマンスは表76および77で示す。最大エタノール濃度はGおよびAシリーズであった。フラスコC-30e、C-50eおよびC-100eも高濃度エタノールを含有した。P.スチピチスのフラスコ中の細胞濃度および%細胞は表78で示す。記号Sが付いたフラスコでは細胞濃度が低いことが観察された。24時間の試料採取時間において、試料C、C1E、C5EおよびC10Eを含有するフラスコでも細胞数が少ないことが観察された。
【0310】
(表76)P.スチピチスのフラスコ中のエタノール濃度
*第2週に分析
【0311】
(表77)P.スチピチスのフラスコのパフォーマンス
*第2週に分析
【0312】
(表78)P.スチピチスの細胞数および%細胞
*第2週に分析
【0313】
細胞毒性の結果の要約
ザイモモナス・モビリス
チャート1Aで示されるように、24時間の時点で、P-132-10、G-132-10およびWS-132-10を含有する試料において、細胞数増加(例えば対照よりも多い。)が認められた。その他の全ての試料存在下の細胞数は対照と同等であった。この観察から、播種後最長24時間まで、基質がZ.モビリスに対して毒性がなかったことが示される。
【0314】
36時間の時点で、対照を含め、全試料に対して、細胞数の減少(例えば細胞喪失または細胞死によるもの)が観察された。P-132-10、G-132-10を含有する試料の場合に最大の細胞数減少が認められた。この影響の推定原因は対照を含む全試料で共通である。従って、試験基質は各試料で異なり、対照には存在しないので、この影響の原因は試験基質ではない。この観察に対して考えられる理由としては、不適切な培養条件(例えば、温度、培地組成)または試料中のエタノール濃度が挙げられる。
【0315】
(チャート1A)Z.モビリスに対する細胞濃度
【0316】
チャート1Bで示されるように、基質にかかわらず、全ての細胞が各時点で同等量のエタノール(例えば5-10g/L)を産生した。チャート1Aで示される細胞数データと一致して、各試料中のエタノール濃度は、24時間の時点でピークに達した。細胞数データとは対照的に、エタノール濃度は、その後の時点で低下しなかった。これはエタノールが系から除去されなかったからであると予想された。さらに、このデータから、これらの試料中のエタノール産生は、培地中でのグルコースの発酵による結果であり得たことが示唆される。試験した基質の中でエタノール産生を向上させたものはないようであった。
【0317】
(チャート1B)Z.モビリスに対するエタノール濃度
【0318】
総合すると、チャート1Aおよび1Bから、Z.モビリスに対して約6g/L以上のエタノール濃度が毒性であり得ることが示唆される。チャート1Cで示されるように、対照に対して正規化された割合としても、データを示す。
【0319】
(チャート1C)Z.モビリスに対する%増殖およびエタノール産生
【0320】
ピキア・スチピチス
チャート2Aで示されるように、細胞数は対照と同等であった。さらに、G-132およびWS-132を含有する試料中で細胞数が僅かに減少していたが、G-132-10、G-132-100、A-132-10またはA-132-100の場合は細胞数の減少は観察されなかった。従って、基質GまたはAは毒性がないと思われる。むしろ、G-132およびWS-132の場合に観察された細胞数減少は、実験上の例外によるかまたは、何らかの形で細胞増殖を妨げる未処理の基質の存在によるものであったと思われる。全体的に、このデータから、対照および実験試料に存在するグルコースは、至適なP.スチピチス増殖を促進するために十分であると思われ、試料中にさらなる基質が存在してもこの増殖速度は向上しないことが示唆される。これらの結果から、P.スチピチスにおいて毒性がある試料がないことも示唆される。
【0321】
(チャート2A)P.スチピチスに対する細胞濃度
【0322】
チャート2Bで示されるように、チャート2Bで同じような細胞数が報告されたにもかかわらず、実験基質を含有する全試料においてエタノール産生の大幅な増加が観察された。試験した3回の各時点で、エタノール濃度が時間とともに上昇した。エタノールの最大濃度は、A-132-10に対して48時間の時点で観察された(例えばおよそ26.0g/L)。エタノール産生レベルが最大である基質濃度をチャート2Bで示される細胞数データと比較することによって、P.スチピチスは、エタノール濃度上昇に感受性がないと思われることが分かる。さらに、エタノール産生は細胞数には関連がなく、むしろ試料中に存在する基質のタイプに関連があると思われる。
【0323】
(チャート2B)P.スチピチスに対するエタノール濃度
【0324】
総合すると、チャート2Aおよび2Bで示される結果から、実験用基質はP.スチピチスの増殖向上を促進しないが、それらはこの細胞タイプにより産生されるエタノール量を大幅に増加させることが示唆される。チャート2Cで示されるように、対照に対して正規化された割合としてもデータを示す。
【0325】
(チャート2C)P.スチピチスに対する%増殖およびエタノール産生
【0326】
サッカロミセス・セレビシエ
チャート3Aで示されるように、G-132-100、A-132、A-132-10、A-132-100およびWS-132は、対照と比較して細胞数増加を僅かに促進した。何れの試料に対しても細胞数の顕著な減少は観察されなかった。これらの結果から、S.セレビシエにおいて毒性がある試料はないことが示唆される。
【0327】
(チャート3A)S.セレビシエに対する細胞濃度
【0328】
チャート3Bで示されるように、対照と比較して、各細胞タイプで処理した細胞においてエタノール産生の向上が観察された。最大量のエタノールを含有する試料をチャート3Aで示される細胞数データと比較することによって、5g/Lを上回るエタノール濃度が細胞数に対して悪影響を有し得たことが示唆される。しかし、この所見は全ての試料に当てはまる訳ではない。
【0329】
(チャート3B)S.セレビシエに対するエタノール濃度
【0330】
チャート3Cで示されるように、対照に対して正規化された割合としてもデータを示す。
【0331】
(チャート3C)S.セレビシエに対する%増殖およびエタノール産生
【0332】
結論として、試験した試料の中でZ.モビリス、P.スチピチスまたはS.セレビシエにおいて毒性であると思われるものはなかった。さらに、P.スチピチスは、試験した実験用基質からエタノールを産生することについて3種類の細胞タイプの中で最も有効であると思われた。
【0333】
その他の態様
本発明の多くの態様を記載してきた。しかし、当然のことながら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変をなし得る。
【0334】
例えば、本繊維は、何らかの所望の形態であり得、様々な異なる形態を有し得る。一般に、セルロース系材料は表面積が大きいことが望ましい。場合によって、この繊維は単層または多層シートに組み込まれ得、例えばこの繊維はHEPAフィルターなどの一部であり得る。このシート材料の表面積は、例えば約1から500m
2/gであり得る。繊維性材料は、スクリーンまたはメッシュの形態で、重ねられ得る、例えばメルトブローされ得る、折り畳まれ得るかまたはその他の形状で与えられ得る。繊維は押出されるかまたは共押出され得る。
【0335】
本繊維は、ナノスケール、例えば約1000nm未満、例えば、500nm、250nm、100nm、50nm、25nm未満またはさらに1nm未満から、より大きい粒径、例えば、100ミクロン、200ミクロン、500ミクロンまたはさらには1000ミクロン超または粒子の凝集体まで、何らかの所望の粒径を有し得る。
【0336】
バイオマス基質について本明細書中で考察してきたが、このような基質は、その他の基質、例えば、全開示が参照により本明細書中に組み入れられる2009年10月16日出願の米国特許出願第61/252,300号で開示されている無機および合成基質と組み合わせて使用することができる。
【0337】
本繊維または本繊維を含有する繊維性材料は、微生物および/または酵素で前処理することができ、および/または本繊維または繊維性材料は、糖化または発酵などのバイオプロセス中に微生物および/または酵素と接触させることができる。
【0338】
上記で考察されるように、微生物の代わりにまたは微生物に加えて、酵素を繊維上に固定化することができる。
【0339】
セルロースおよび/またはバイオマスのリグニン部分など、バイオマスを分解する酵素およびバイオマス分解生物は、様々なセルロース分解性酵素(セルラーゼ)、リグニナーゼまたは様々な低分子バイオマス分解代謝産物を含有するかまたは産生する。これらの酵素は、結晶性セルロースまたはバイオマスのリグニン部分を分解するために相乗的に作用する酵素の複合体であり得る。セルロース分解性酵素の例としては、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよびセロビアーゼ(β-グルコシダーゼ)が挙げられる。糖化中、セルロース系基質は最初に、ランダムな位置でエンドグルカナーゼにより加水分解され、オリゴマー中間体が生成する。次に、これらの中間体は、セロビオヒドロラーゼなどの、末端側から切断するグルカナーゼに対する基質となり、セルロースポリマーの末端からセロビオースが生成する。セロビオースは、水溶性の、グルコースの1,4-結合二量体である。最後に、セロビアーゼがセロビオースを切断し、グルコースが得られる。
【0340】
セルラーゼはバイオマスを分解することができ、真菌または細菌由来であり得る。適切な酵素には、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、フミコラ(Humicola)属、フザリウム(Fusarium)属、チエラビア(Thielavia)属、アクレモニウム(Acremonium)属、クリソスポリウム(Chrysosporium)属およびトリコデルマ(Trichoderma)属由来のセルラーゼが含まれ、フミコラ、コプリナス(Coprinus)、チエラビア、フザリウム、ミセリオフトラ(Myceliophthora)、アクレモニウム、セファロスポリウム(Cephalosporium)、シタリジウム(Scytalidium)、ペニシリン(Penicillium)またはアスペルギルス(Aspergillus)の種(例えば欧州特許第458162号)が含まれ、特にフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)(シタリジウム・サーモフィルム(Scytalidium thermophilum)として再分類、例えば、米国特許第4,435,307号参照)、コプリヌス・シネレウス(Coprinus cinereus)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、メリピルス・ギガンテウス(Meripilus giganteus)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、アクレモニウム種、アクレモニウム・ペルシシナム(Acremonium persicinum)、アクレモニウム・アクレモニウム(Acremonium acremonium)、アクレモニウム・ブラシペニウム(Acremonium brachypenium)、アクレモニウム・ジクロモスポルム(Acremonium dichromosporum)、アクレモニウム・オブクラバツム(Acremonium obclavatum)、アクレモニウム・ピンケルトニエ(Acremonium pinkertoniae)、アクレモニウム・ロセオグリセウム(Acremonium roseogriseum)、アクレモニウム・インコロラツム(Acremonium incoloratum)およびアクレモニウム・フラツム(Acremonium furatum)から選択される株;好ましくは、種フミコラ・インソレンスDSM 1800、フザリウム・オキシスポルムDSM 2672、ミセリオフトラ・サーモフィラCBS 117.65、セファロスポリウム種RYM-202、アクレモニウム種CBS 478.94、アクレモニウム種CBS 265.95、アクレモニウム・ペルシシナムCBS 169.65、アクレモニウム・アクレモニウムAHU 9519、セファロスポリウム種CBS 535.71、アクレモニウム・ブラシペニウムCBS 866.73、アクレモニウム・ジクロモスポルムCBS 683.73、アクレモニウム・オブクラバツムCBS 311.74、アクレモニウム・ピンケルトニエCBS 157.70、アクレモニウム・ロセオグリセウムCBS 134.56、アクレモニウム・インコロラツムCBS 146.62およびアクレモニウム・フラツムCBS 299.70Hから選択される株によって産生されるものが含まれる。セルロース分解酵素はクリソスポリウム、好ましくは、クリソスポリウム・ラクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)の株から得ることもできる。さらに、トリコデルマ(特に、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)およびトリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii))、好アルカリ性バチルス(例えば、米国特許第3,844,890号および欧州特許第458162号参照)およびストレプトミセス(例えば欧州特許第458162号参照)を用いることができる。
【0341】
適切なセロビアーゼとしては、NOVOZYME 188(商標)の商品名で販売されているアスぺルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のセロビアーゼが挙げられる。
【0342】
商品名ACCELLERASE(登録商標)、例えばAccellerase(登録商標)1500酵素複合体としてGenencorから入手可能なものなどの酵素複合体を用いることができる。Accellerase(登録商標)1500酵素複合体は、主にエクソグルカナーゼ、エンドグルカナーゼ(2200-2800CMC U/g)、ヘミ−セルラーゼおよびβ-グルコシダーゼ(525-775pNPG U/g)といった複数の酵素活性を含有し、4.6から5.0のpHを有する。酵素複合体のエンドグルカナーゼ活性は、カルボキシメチルセルロース活性単位(CMC U)で表され、一方、β-グルコシダーゼ活性はpNP-グルコシド活性単位(pNPG U)で表される。ある態様において、Accellerase(登録商標)1500酵素複合体およびNOVOZYME(商標)188セロビアーゼの混合物が使用される。
【0343】
ゆえに、その他の態様が次の特許請求の範囲の範囲内となる。