(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
添付した図面を参照して、本発明の一例である態様を詳細に説明する。可能な限り、同様の参照符号は、各図を通して、同様の構成部材を参照するものとして使用される。
【0037】
図1を参照すると、符号100で指定された車両の駆動システムの概略図が示されている。本発明の一つの態様では、駆動システム100は、トラック、ゴミ収集車、バスまたは自動車などのオンハイウェイ車両、または、建設車両及び農業車両などのオフハイウェイ車両に適用される。
【0038】
図1に示された例では、駆動システム100には、符号102で指定されたハイブリッド駆動アセンブリと、符号104で指定された制御システムが含まれる。ハイブリッド駆動アセンブリ102は、制御システム104によりハイブリッド駆動アセンブリ102を制御している間に、選択的に車両を推進するように適応される。
【0039】
本発明の一つの態様では、駆動システム100には、さらに、一つ以上の前輪106と一つ以上の後輪108が含まれる。駆動システム100の前輪及び後輪106,108のそれぞれに、ブレーキ120が動作可能に組み付けられている。ブレーキ120は車両の運動エネルギーを選択的に減少させるように適用される。本発明の一つの態様では、ブレーキ120は摩擦ブレーキである。この摩擦ブレーキを限定するものではないが、駆動システム100への使用に適した摩擦ブレーキには、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、機械作動式ブレーキ、流体作動式ブレーキ、空気作動式ブレーキ、電気作動式ブレーキまたはそれを組み合わせたブレーキが含まれる。
【0040】
駆動システム100のハイブリッド駆動アセンブリ102には、符号122で指定された第1動力源と、符号124で指定された第2動力源が含まれる。
図1に示された例では、第2動力源124は、第1動力源122に対して並列に配置されている。しかしながら、他の例では、第2動力源124は、第1動力源122に対して直列に配置することができる。
【0041】
本発明の幾つかの態様では、ハイブリッド駆動アセンブリ102の第1動力源122には、内燃エンジンのような従来型の原動機が含まれる。一般に、原動機126は燃料の燃焼に応答して力を発生する。本発明の一つの態様では、第1動力源122には、従来型のトランスミッションユニットのようなトランスミッション128が含まれる。第2動力源124が第1動力源122に並列に連結された場合には、トランスミッション128は、符号130で指定された駆動ラインを介して、原動機126から少なくとも一つの車輪106,108に力を伝達する。
【0042】
本発明の一つの態様では、駆動ライン130には、フロント駆動軸132、リア駆動軸134、左右の車軸136,138及びディファレンシャル140が含まれる。ディファレンシャル140は、左右の車軸136,138の間に配置されている。示された例では、左右の車軸136,138は、後輪108をディファレンシャル140に連結している。他の態様では、駆動ライン130は、前輪106をディファレンシャルに連結する車軸を含むことができる。
【0043】
図1及び
図2を参照すると、本発明の特定の態様では、第2動力源124は流体動力源である。例えば、第2動力源124には、ポンプ‐モータアセンブリ143、流体リザーバ144及びエネルギー貯蔵ユニット146が含まれる。幾つかの態様に従うと、第2動力源124には、また、システムフィルタ147(
図2)が含まれる。ポンプ‐モータアセンブリ143には、ポンプ/モータユニット142と端部カバーアセンブリ145(
図2)が含まれる。ポンプ‐モータアセンブリ143は、流体リザーバ144及びエネルギー貯蔵ユニット146に選択的に流体連結されるように配置されている。
【0044】
一つの態様に従うと、ポンプ/モータユニット142は、可変容量型のポンプ/モータユニットである。本発明の一つの態様では、ポンプ/モータユニット142は、アキシャルピストン型のポンプ/モータユニット(例えば、可変容量型アキシャルピストン型)である。ポンプ/モータユニット142には、可変斜板148に係合可能なサーボアクチュエータが含まれる。このサーボアクチュエータは、ポンプ/モータユニット142の変位を調整する斜板148を選択的に調整するように適用される。本発明の一つの態様では、エネルギー貯蔵ユニット146はアクチュエータである。本発明の他の態様では、エネルギー貯蔵ユニット146は、ガス充填式アキュムレータである。
【0045】
第2動力源124には、さらに、連結アセンブリ149が含まれる。本発明の一つの態様では、連結アセンブリ149は、フロント駆動軸132とリア駆動軸134との間に配置される。この連結アセンブリ149は、ポンプ/モータユニット142を駆動ライン130に選択的に連結するように適用される。本発明の一つの態様では、連結アセンブリ149には、ポンプ/モータユニット142を駆動ライン130に選択的に連結するように構成されたクラッチが含まれる。例えば、クラッチは、クラッチバルブ224(
図2及び
図4)を含むことができる。本発明の他の態様では、連結アセンブリ149には、トランスファーケース(
図2参照)が含まれる。
【0046】
本発明の一つの態様では、連結アセンブリ149は、車両が減速した場合に、(例えば、クラッチを介して)ポンプ/モータユニット142を駆動ライン130に連結するように適用される。減速中、ポンプ/モータユニット142は、駆動ライン130に連結され、ポンプを作動する。ポンプ/モータユニット142は、流体リザーバ144からエネルギー貯蔵ユニット146に流体を移送(例えば、ポンプで移送)する。流体がエネルギー貯蔵ユニット146に移送されると、エネルギー貯蔵ユニット146内の流体圧力が増加する。
【0047】
本発明の他の態様では、エネルギー貯蔵ユニット146は、車両が加速した場合に、ポンプ/モータユニット142を駆動ライン130に連結するように適用される。加速中、ポンプ/モータユニット142は、駆動ライン130に連結され、モータを作動する。ポンプ/モータユニット142は、エネルギー貯蔵ユニット146から加圧流体を受け入れて、その結果、ポンプ/モータユニット142は、駆動ライン130にトルクを伝達する。このトルクは、ポンプ/モータユニット142から発生され、駆動ライン130に伝達されたトルクは車両を推進するために使用される。
【0048】
他の態様では、第2動力源124は第1動力源122に直列に連結され、原動機126は、ポンプ/モータユニット142に結合される。ポンプ/モータユニット142は、左右の車軸136,138に結合されるモータアセンブリ(図示省略)に流体連結される。
【0049】
引き続き
図1を参照すると、制御システム104の一例が示されている。本発明の一つの態様では、例示した制御システム104には、符号150で指定された第1動力源制御システムと、符号152で指定された第2動力源制御システムが含まれる。
【0050】
第1動力源制御システム150は、第1動力源122を制御するように適用される。本発明の一つの態様では、第1動力源制御システム150には、原動機制御ユニット154、トランスミッション制御ユニット156及びブレーキ制御ユニット158が含まれる。原動機制御ユニット154とトランスミッション制御ユニット156は、単一のパワートレイン制御モジュールに組み込むことができるが、ここでは、原動機制御ユニット154とトランスミッション制御ユニット156は、別々のユニットとして説明する。
【0051】
原動機制御ユニット154は、ここで詳細に説明されるように、原動機126の動作面を制御するように適用される。原動機制御ユニット154は、原動機126に動作可能に結合される(
図1の破線191を参照)。例えば、内燃型のエンジンを使用する場合には、原動機制御ユニット154は、例えば、エンジン内への噴射量、エンジンのアイドル速度、エンジンの点火時期及び/またはエンジンバルブのタイミングの一つまたはそれ以上を制御するように適用することができる。
【0052】
トランスミッション制御ユニット156は、ここで詳細に説明されるように、トランスミッション128の動作面を制御するように適用される。トランスミッション制御ユニット156は、トランスミッション128に動作可能に結合される(
図1の破線192を参照)。例えば、トランスミッション制御ユニット156は、燃料効率及び/または車両パフォーマンスを最適にするために、車両のギアチェンジをどうするか、また、いつギアチェンジするかを計算するように使用することができる。
【0053】
ブレーキ制御ユニット158は、ブレーキ120の動作面を制御するように適用される。ブレーキ制御ユニット158は、ブレーキ120に動作可能に結合される(
図1の破線193を参照)。例えば、ブレーキ制御ユニット158は、様々な駆動状態の間にアンチロックブレーキングを提供するように、及び/または、ペダルに加える力とブレーキの有効性との間に一定の関係を提供するように適用することができる。
【0054】
第2動力源制御システム152は、第2動力源124の動作面を制御するように適用される。本発明の一つの態様では、第2動力源制御システム152は、また、第1動力源122の原動機126の動作面を選択的に制御するように適用される。例えば、第2動力源制御システム152は、第2動力源124が駆動ライン130に連結されている場合には、原動機126からのトルクの出力を制限するように適用することができる。
【0055】
本発明の一つの態様によれば、原動機制御ユニット154、トランスミッション制御ユニット156、ブレーキ制御ユニット158及び第2動力源制御システム152は、車両の構成部材、関連するセンサにそれぞれ通信ネットワーク184(
図1の実線で示すように)を介して連絡されている。本発明の一つの態様によれば、通信ネットワーク184は、コントローラエリアネットワーク(CANまたはCANバス)である。本発明の他の態様によれば、通信ネットワーク184は、ネットワークプロトコル(例えば、J1939,HDOBD,OBD−II,EOBD,JOBD)を有している。
【0056】
図示した例では、車両には、また、ユーザーに情報を表示するように構成されたユーザーインターフェース190が含まれる。例えば、ユーザーインターフェース190には、計器、表示灯、電子読み出し情報(例えば、テキスト読み出し情報、数値読み出し情報など)、音などを含むことができる。本発明の一つの態様では、ユーザーインターフェース190は、通信ネットワーク184に通信可能に結合されている。他の態様では、ユーザーインターフェース190は、第2動力源制御ユニット152に対して通信可能に直接結合することができる。
【0057】
図3は、
図1及び
図2の駆動アセンブリ102のような駆動アセンブリに用いる制御システム104の例を示すブロック図である。
図3の制御アセンブリ104には、通信ネットワーク184を介して互いに通信可能に結合された第1動力源制御ユニット150と第2動力源制御ユニット152が含まれる。一つの態様に従うと、通信ネットワーク184は電気的に接続することができる。しかしながら、他の態様に従うと、通信ネットワーク184は無線で接続することができる。
【0058】
本発明の一つの態様では、第1動力源制御ユニット150の原動機制御ユニット154には、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)160と不揮発性メモリコンポーネント161が含まれる。原動機制御ユニット154のプロセッサ160は、一つまたはそれ以上の原動機センサ170から電子データ信号を受信するように適用される。例えば、二つの原動機センサ170A,170Bが
図3に示されている。一つの態様に従うと、これらのセンサ170A,170Bは、原動機126に隣接して配置される。しかしながら、他の態様に従うと、任意の数のセンサ170を、原動機制御ユニット154のプロセッサ160に動作可能に結合することができる。
【0059】
本発明の一つの態様では、プロセッサ160は、通信ネットワーク184を介して、複数のセンサ170から電子データ信号を受信することができる。本発明の他の態様では、プロセッサ160は、複数のセンサ170A,170Bと直接通信リンク(例えば、配線)を介して電子データ信号を受信することができる。原動機センサ170の非限定例として、スロットル位置センサ、O
2センサ、RPMセンサ、マニホールド絶対圧(MAP)センサ、クーラントセンサ、ノックセンサ、クランクシャフト位置センサ、及び/または、オイル温度センサの内の一つまたはそれ以上のセンサを含むことができる。
【0060】
原動機制御ユニット154のマイクロプロセッサ160は、不揮発性メモリコンポーネント161に記憶されたアルゴリズムから原動機126用の制御パラメータを計算するように適用される。この制御パラメータは、一つまたはそれ以上の原動機センサ170から受信した電子データ信号を使用して計算され、原動機126の動作を制御するために使用される(例えば、
図1の制御接続線を経由)。
【0061】
不揮発性メモリコンポーネント161には、原動機126を制御するためにプロセッサ160によって使用され、制御パラメータを計算するソフトウェア、ファームウェアなどが記憶されている。不揮発性メモリコンポーネント161は、原動機制御ユニット154が機能しない場合に、ソフトウェア、ファームウェアなどを記憶することができる。原動機制御ユニット154への使用に適した不揮発性メモリコンポーネントの例として、消去及び書込み可能読取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read−Only Memory)、電気的消去及び書込み可能読取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュメモリなどが含まれる。
【0062】
本発明の一つの態様では、トランスミッション制御ユニット156には、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)162と不揮発性メモリコンポーネント(例えば、EPROM、EEPROM,フラッシュメモリなど)163が含まれる。トランスミッション制御ユニット156のプロセッサ162は、一つまたはそれ以上のトランスミッションセンサ172から入力される電子データ信号を受信するように適用される。
図3に示す例では、一つだけのトランスミッションセンサ172がトランスミッション制御ユニット156のプロセッサ162に動作可能に結合されている。しかしながら、他の態様に従うと、任意の数のセンサ172を、トランスミッション制御ユニット156のプロセッサ162に動作可能に結合することができる。
【0063】
本発明の一つの態様では、プロセッサ162は、通信ネットワーク184を経由して電子データ信号を受信することができる。本発明の他の態様では、プロセッサ162は、複数のセンサ172と直接通信リンク(例えば、配線)を介して電子データ信号を受信することができる。トランスミッションセンサ172の非限定例として、入力速度センサ、出力速度センサ、車輪速度センサ、スロットル位置センサ、及び/または、トランスミッション流体温度センサの内の一つまたはそれ以上のセンサを含むことができる。本発明の他の態様では、トランスミッション制御ユニット156は、アクセルがフルスロットルを通過するように押し込まれたことを判定するために使用されるキックダウンスイッチ、トラクションコントロールシステム、クルーズコントロールモジュールなどの内の一つまたはそれ以上から入力される電子データ信号を受信するように適用することができる。
【0064】
トランスミッション制御ユニット156のプロセッサ162は、不揮発性メモリコンポーネント163に記憶されたアルゴリズムからトランスミッション128用の制御パラメータを計算するように適用される。この制御パラメータは、一つまたはそれ以上のトランスミッションセンサ172から受信した電子データ信号を使用して計算され、トランスミッション128の動作を制御するために使用される。
【0065】
本発明の一つの態様では、ブレーキ制御ユニット158には、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)164と不揮発性メモリコンポーネント165(例えば、EPROM、EEPROM,フラッシュメモリなど)が含まれる。ブレーキ制御ユニット158のプロセッサ164は、一つまたはそれ以上のブレーキセンサ174から入力される電子データ信号を受信するように適用される。ブレーキ制御ユニット158のプロセッサ164は、不揮発性メモリコンポーネント165に記憶されたアルゴリズムからブレーキ120用の制御パラメータを計算するように適用される。この制御パラメータは、一つまたはそれ以上のブレーキセンサ174から受信した電子データ信号を使用して計算され、ブレーキ120の動作を制御するために使用される。
【0066】
本発明の一つの態様では、プロセッサ164は、通信ネットワーク184を経由して電子データ信号を受信することができる。本発明の他の態様では、プロセッサ164は、複数のセンサ174と直接通信リンク(例えば、配線)を介して電子データ信号を受信することができる。ブレーキセンサ174の非限定例として、車輪速度センサ、ブレーキ流体の圧力を監視する圧力センサ、及び/または、ペダル位置センサの内の一つまたはそれ以上のセンサを含むことができる。
【0067】
本発明の一つの態様では、第2動力源制御システム152には、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)166と、不揮発性メモリコンポーネント167(例えば、EPROM、EEPROM,フラッシュメモリなど)と揮発性メモリコンポーネント168が含まれる。プロセッサ166は、一つまたはそれ以上のセンサ176から電子データ信号を受信するように適用される。本発明の一つの態様では、センサ176の非限定例として、アキュムレータ圧力センサ、フィルター圧力センサ、ニュートラル圧力センサ、ポンプ/モータ速度センサ、リザーバ流体温度センサ、ポンプケース温度センサ、リザーバ流体レベルセンサ、斜板角度センサ、ブレーキ圧センサ、及び/または、アキュムレータ及びトランスファーケース近接センサの内の一つまたはそれ以上のセンサを含むことができる。示された例では、プロセッサ166は、三つのデータセンサ176A,176B及び176Cに動作可能に結合されている。しかしながら、他の態様では、プロセッサ166は、より多いまたはより少ないセンサ176に動作可能に結合させることができる。
【0068】
第2動力源制御システム152のプロセッサ166は、第2動力源制御システム152の不揮発性メモリコンポーネント167に記憶された制御アルゴリズム185から第2動力源124用の制御パラメータを計算するように適用される。この制御パラメータは、一つまたはそれ以上のセンサ176から受信した電子データ信号を使用して計算される。不揮発性メモリコンポーネント167は、また、第2動力源制御システム152(
図4)用の故障検知アルゴリズム187と動作パラメータ189を記憶するように構成されている。例えば、メモリ167は、故障状態が起動されたこと、アルゴリズムに使用される上限と下限、及び、一つまたはそれ以上のシステムコンポーネントの故障または誤動作を指示するエラーメッセージに従ってアルゴリズムを記憶することができる。
【0069】
プロセッサ166で検知された故障状態は、不揮発性メモリ167または揮発性メモリ168のいずれかに記憶することができる。いくつかの態様に従うと、故障状態は、非ラッチング、ラッチング及び機能障害の三つのタイプに分けることができる。これらの態様に従うと、ラッチング及び非ラッチング故障状態は揮発性メモリ168に記憶され、機能障害故障状態は不揮発性メモリ167に記憶される。したがって、ラッチング及び非ラッチング故障状態は、車両が開錠された場合に消去される。機能障害故障状態は、開錠/施錠されてもメモリ167に残される。
【0070】
図4は、第2動力源制御システム152に利用する故障監視及び対応を実行するように構成された故障検知システム200の例のブロック図である。一つの態様に従うと、例示した故障検知システム200は、第2動力源制御システム152のプロセッサ166とメモリ167を使用して実行される。他の態様に従うと、例示した故障検知システム200は、他のシステムのプロセッサ及び/またはメモリを使用して実行することができる。
【0071】
例えば、故障状態は、第2動力源制御システム152のメモリ167の記憶装置に代えて、或いは、記憶装置に追加して、データロガーシステムに記憶することができる。データロガーシステムの一例が
図1に示されており、参照符号101で指定されている。示されたデータロガー101は、通信ネットワーク184に動作可能に結合される。適正なデータロガーに関連する追加情報は、ハイブリッド車両用データロガーという名称で、2009年3月9日に出願された米国特許出願第61/158542に見出すことができ、この特許出願の開示内容は参照することによって本説明に組み込まれる。
【0072】
例示した故障検知システム200には、ここで詳細に説明される一つまたはそれ以上のセンサからの電子データ信号を受信するように構成された一つまたはそれ以上の監視モジュール201が含まれる。図示した例では、例示した故障検知システム200には、センサの入力を受信する一つの監視モジュール201が含まれる。他の例示したシステムでは、複数の監視モジュールが、センサの入力を受信して処理することができる。例えば、それぞれのセンサが対応する監視モジュールを有している。
【0073】
監視モジュール201は、故障状態が発生したかどうかを判定するために、受信したデータ信号を分析(解析)するように構成されている。例示した故障検知システム200には、検知された故障状態に反応するように構成された一つまたはそれ以上の応答モジュール206が含まれる。また、故障検知システム200には、車両の通信ネットワークに対して、また、車両の通信ネットワークからメッセージを送受信するように構成された通信ネットワークインターフェース202と、第2動力源制御システム152及び/または車両内の他の大容量固体記憶装置(MSU:memory storage units、例えば、データロガー)と対話するように構成されたメモリインターフェース205が含まれる。
【0074】
一つの態様に従うと、複数の監視モジュール201では、一つまたはそれ以上のセンサからデータ信号を受信する。適当なデータセンサの非限定例として、ポンプ/モータユニット142の斜板の位置を示す斜板位置センサ210、流体リザーバ144の流体量を示す流体(例えば、オイル)レベルセンサ211、リザーバ144の流体の温度を示す流体温度センサ212、エンドカバーアセンブリ145の圧力を示すニュートラル圧力センサ213、ケースドレンからの流体をろ過するシステムフィルタの上流において、システム圧力を計測し、システムフィルタ147の状態を示すフィルター圧力センサ214、エネルギー貯蔵ユニット146の圧力を示す高圧センサ215、フットバルブ236が開閉されたかどうかを示すアキュムレータ近接センサ216、回転しているポンプ/モータユニット142の毎分回転数を示すポンプ速度センサ217、ポンプ/モータユニット142のポンプハウジングの温度を示すケース温度センサ218、及び、トランスファーケーススイッチセンサ219の内の一つまたはそれ以上のセンサが含まれる。しかしながら、他の態様に従うと、また、監視モジュール201では、他の形式のセンサ、例えば、車両のブレーキ120の圧力を示すブレーキ圧力センサ(図示省略)からデータ信号を受信することができる。
【0075】
いくつかの態様に従うと、また、複数の監視モジュール210では、ネットワークインターフェース202を介して、車両の通信ネットワーク(例えば、CANバス)184から入力メッセージ203を受信することができる。一つの態様に従うと、入力メッセージ203は、第2動力源124を除くコンポーネントの作動状態を示す。入力メッセージ203の非限定例として、エンジン速度、車輪ベースの車両速度、入力軸速度、出力軸速度、エンジンの実際のギア比、エンジンの現在のギア比、アクセルペダル位置、ドライバーが要求するエンジンのパーセントトルク、公称摩擦のパーセントトルク、及び/または、アンチロックブレーキシステム(ABS)またはクルーズコントロールが作動しているかどうかの指示を含むことができる。
【0076】
一つの態様に従うと、また、ネットワークインターフェース202は、通信ネットワーク184に出力メッセージ204を送信する。出力メッセージ204の非限定例として、トルク制限、車両の移動が許容される最大速度を示す速度制限、第2動力源124の状態を示す状態メッセージ、一つまたはそれ以上の故障状態が発生したことを特定するユーザインジケータ190用のコード、オーバライドコントロールモードメッセージ、及び、ロガーデータ(すなわち、
図1のデータロガー100に記憶されたデータ)を含むことができる。
【0077】
いくつかの態様に従うと、メモリインターフェース205は、
図3のメモリ167のように、メモリからデータを取得すると共にメモリにデータを送信するように構成されている。例えば、メモリインターフェース205は、メモリから一つまたはそれ以上の故障検知アルゴリズム187及び/または故障検知パラメータ189を取得することができる。メモリインターフェース205によってメモリに書き込まれるデータの非限定例として、受信したセンサデータ、制御アルゴリズムで使用されるパラメータの値、システムコンポーネントの状態、故障状態の状況を含むことができる。他の態様に従うと、メモリインターフェース205は、通信ネットワーク184を経由して追加メモリ(図示省略)にデータを書き込むことができる。
【0078】
いくつかの態様に従うと、複数の応答モジュール206は、一つまたはそれ以上の故障状態に応じて、第2動力源124のコンポーネントを作動させるために、一つまたはそれ以上の制御バルブに制御信号を送信する。図示した例では、応答モジュール206は、バイパスバルブ222、クラッチバルブ224及び斜板制御バルブ226に制御信号を送信する。しかしながら、他の態様に従うと、応答モジュール206は、任意のバルブに制御信号を送信することができる。例えば、応答モジュール206は、遮断弁230、チャージバイパスバルブ232及びモードバルブ234(
図2参照)を作動することができる。
【0079】
一つの態様に従うと、制御信号には、バルブに動作可能に結合された一つまたはそれ以上のソレノイドに送信される電気信号が含まれる。例えば、斜板制御バルブ226は、モータソレノイド及びポンプソレノイド(
図2参照)によって作動することができる。バイパスバルブ222はバイパスソレノイドによって作動することができ、また、クラッチバルブ224はクラッチソレノイドによって作動することができる。しかしながら、他の態様に従うと、これらのバルブは、当業者に知られているように、より多数のまたはより少数のソレノイドを使用して、或いは、他の手段を経由して作動することができる。
【0080】
図5は、車両の駆動ライン130に動作可能に結合することができる第2動力源124による例示的なリセットプロセス300を示すフローチャートである。いくつかの態様に従うと、リセットプロセス300では、車両がスタートする(すなわち、キーが取り付けられている)たびに制御システム152によって実行される。また、他の態様に従うと、リセットプロセス300は、より詳細に説明したように、他のプロセッサによって呼び出されたときに、実行することができる。
【0081】
リセットプロセス300は、任意の初期化手順によって実行され、スタートモジュール310で開始して、チェックオペレーション320を開始する。チェックオペレーション320では、故障状態が記憶されているかどうかを判定するために、第2動力源制御システム152のメモリにアクセスする。一つの態様に従うと、チェックオペレーション320では、機能障害故障状態182をチェックするために不揮発性メモリ167にアクセスする。他の態様に従うと、チェックオペレーション320では、非ラッチング故障状態186及び/またはラッチング故障状態188をチェックするために揮発性メモリ168にアクセスする。
【0082】
判定モジュール330では、任意の故障状態がメモリに存在するかどうかを判定する。判定モジュール330で、故障状態がメモリに記憶されていないと判定した場合には、続いて、連結オペレーション340で、第2動力源124を車両に動作可能に連結する。ここで詳細に説明したように、連結オペレーション340が起動されるかどうかにかかわらず、監視オペレーション350では、センサの読み取り値を分析して、第2動力源124が切り離されるべきかどうかを判定する。リセットプロセス300では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュール360で終了する。
【0083】
図6は、システム及びコンポーネントの故障及び/または誤動作を検出し、かつ、調整することができる例示的な故障検知プロセス400を示すフローチャートである。一つの態様に従うと、例示的な故障検知プロセス400は、第2動力源制御システム152による実行に適用される。故障検知プロセス400では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール402で開始して、取得オペレーション404を続行する。
【0084】
取得オペレーション404では、電子データ信号を受信、すなわち、電子データ信号を引き出す。一つの態様に従うと、取得オペレーション404では、一つまたはそれ以上のセンサ(例えば、
図4のセンサ210〜219)から電子データ信号を取得する。他の態様に従うと、取得オペレーション404では、通信ネットワーク184から電子データ信号を取得する。一つの態様では、取得オペレーション404では、
図4の監視モジュール201で電子データ信号を受信する。
【0085】
分析オペレーション406では、故障状態が起動されたかどうかを判定するために、受信した電子データ信号を処理する。いくつかの態様に従うと、分析オペレーション406では、第2動力源制御システム152(
図3参照)の不揮発性メモリ167に記憶された故障検知アルゴリズム187と動作パラメータ189に基づいて、受信した電子データ信号を処理する。
【0086】
チェックオペレーション408では、いかなる故障状態が記憶されているかどうかを判定するために、第2動力源制御システム152のメモリにアクセスする。例えば、チェックオペレーション408では、不揮発性メモリ167及び/または揮発性メモリ168にアクセスすることができる。
【0087】
比較オペレーション410では、センサのデータから検知した故障状態とメモリに記憶された故障状態との重複部分を判定する。非重複部分の故障状態は、新たな故障状態の発生(すなわち、センサのデータで判定された故障状態であって、メモリに記憶されていない故障状態)であるか、または、以前の故障状態の停止(すなわち、メモリに記憶された故障状態であるが、センサのデータによって判定されていない故障状態)であるかどうかを指示している。
【0088】
第1判定モジュール412では、非重複部分の故障状態が、新たに発生した故障状態かどうかを判定する。第1判定モジュール412で、新たな故障状態が検知された判定した場合には、続いて、応答オペレーション414では、第2動力源124を車両から切り離す。一つの態様に従う応答プロセスの一例が、
図7に関連して説明されている。
【0089】
第2判定モジュール416で、処理される追加の非重複部分の故障状態が存在すると判定した場合には、続いて、故障検知プロセス400では、第1判定モジュール412に戻って、上述したように続行される。第2判定モジュール416では、全ての非重複部分の故障状態が処理された比較オペレーション410によって提供されたと判定した場合には、続いて、故障検知プロセス400では、任意の適当なプロセスを実行して、ストップモジュール424で終了する。
【0090】
しかしながら、第1判定モジュール412で、以前に検知された故障状態が停止したと判定した場合には、続いて、第3判定モジュール418では、どのタイプの故障状態が停止したのかを判定する。例えば、第3判定モジュール418では、非ラッチング故障、ラッチング故障または機能障害故障が検知されたかどうかを判定することができる。第3判定モジュール418で、ラッチング故障状態または機能障害故障状態が検知されたと判定した場合には、続いて、故障検知プロセス400では、第2判定モジュール416を繰り返す。
【0091】
しかしながら、第3判定モジュール418で、非ラッチング故障状態が検知されたと判定した場合には、続いて、消去オペレーション420では、メモリから非ラッチング故障状態を消去して、リセットオペレーション422では、
図5のリセットプロセス300を実行して、故障検知プロセス400では、上述したように、第2判定モジュール416を繰り返して続行する。
【0092】
図7は、新たな故障状態が検知された場合に、第2動力源制御システム152の応答に従う例示的な応答プロセス500の動作フローを示すフローチャートである。応答プロセス500では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール502で開始され、警告オペレーション504を続行する。
【0093】
警告オペレーション504では、ユーザー(例えば、ドライバー)に、故障状態が発生したという指示を提供する。いくつかの態様に従うと、警告オペレーション504では、(例えば、車両のダッシュボード上の)一つまたはそれ以上の車両の警告指示器190を作動させる。警告指示器190の非限定例として、発光シンボル192、ディスプレイスクリーン上のテキスト読み出し、及び/または、可聴信号を放出するように構成されたスピーカ194を含むことができる。例えば、一つの態様に従うと、警告オペレーション504では、車両のユーザーに表示される発光指示器に電力を供給することができる。
【0094】
第1作動オペレーション506では、ポンプ/モータユニット142(
図2)の斜板148をニュートラル位置(例えば、垂直位置)に移動させる。例えば、第1作動オペレーション506では、応答モジュール206(
図4)から斜板制御バルブ226に制御信号を送信して、斜板148をニュートラル位置にゼロ設定することができる。斜板148をゼロ設定することは、第2動力源142に損傷を与えるポンプ/モータユニット142の過速度状態を抑制するのに役立たせることができる。また、斜板148をゼロ設定することは、駆動ライン130からトルクを除去するのに役立たせることができる。
【0095】
第2作動オペレーション508では、ポンプ/モータの高圧ポートと流体リザーバ144(
図2)との間にバイパスを開口させる。例えば、第2作動オペレーション508では、応答モジュール206からバイパスバルブ222(
図4)に制御信号(例えば、電子信号)を送信して、流体をポンプ/モータユニット142にバイパスさせることができる。バイパスバルブ222を開口させることは、駆動ライン130からトルクを除去するのに役立たせることができる。いくつかの態様に従うと、第2作動オペレーション508では、第1作動オペレーション504で、斜板148をゼロ設定した後に、所定の時間期間でバイパスバルブ222を作動させる。他の態様に従うと、第2作動オペレーション508では、斜板位置を検知した後にバイパスバルブ222を作動させる。
【0096】
切り離しオペレーション510では、ハイブリッド駆動アセンブリ102から第2動力源124を操作的に切り離す。操作的に切り離された場合、第2動力源124は車両に動力を供給しない。いくつかの態様に従うと、切り離しオペレーション510では、連結アセンブリ149のクラッチバルブ224を作動して、第2動力源124を駆動ライン130から切り離す。一つの態様に従うと、切り離しオペレーション510では、第2作動オペレーション508でバイパスを開口するのとほぼ同時にクラッチバルブ224を作動させる。しかしながら、他の態様に従うと、切り離しオペレーション510では、第1及び第2作動オペレーション506,508が実行される前に、或いは、実行されるのに続いて、第2動力源124を駆動ライン130から切り離すことができる。
【0097】
確認オペレーション512では、検知された故障状態のタイプを判定する。いくつかの態様に従うと、確認オペレーション512では、故障状態が、非ラッチング故障186、ラッチング故障184または機能障害故障182であるかどうかを判定する。判定モジュール514で、新たに検知した故障状態が機能障害故障であると判定した場合、続いて、第1記憶オペレーション516では、機能障害故障状態を不揮発性メモリ167(
図3)などの不揮発性メモリに保存する。判定モジュール514で、新たに検知した故障状態が機能障害故障ではないと判定した場合、続いて、第2記憶オペレーション518では、故障状態の記録を不揮発性メモリ168(
図3)などの不揮発性メモリに保存する。
【0098】
応答プロセス500では、任意の適当な完了手順を実行して、ストップモジュール520で終了する。
【0099】
図8は、故障検知システムにより、ネットワークの故障状態を特定することができる
図4の故障検知システム200の監視モジュール201による例示的なネットワーク故障検知プロセス600の動作フローを示すフローチャートである。一つの態様に従うと、ネットワークの故障状態は非ラッチング故障である。しかしながら、他の態様に従うと、ネットワークの故障状態は、ラッチング故障または機能障害故障である。
【0100】
ネットワーク故障検知プロセス600では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール610で開始され、リスン(傾聴)オペレーション620を続行する。傾聴オペレーション620では、データが通信ネットワーク184から受信されたかどうかをチェックする。例えば、傾聴オペレーション620では、予期されたパラメータまたはメッセージが受信されたことを判定することができる。
【0101】
判定モジュール630では、データが通信ネットワーク184から受信されたかどうかを判定する。いくつかの態様に従うと、判定モジュール630で、データが受信されていないと判定した場合には、故障オペレーション640で、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。一つの態様に従うと、また、故障オペレーション640では、メモリにネットワーク通信故障状態を記憶することができる。ネットワーク故障検知プロセス600では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュール650で終了する。
【0102】
図9は、
図4の故障検知システム200の監視モジュール201で範囲外の故障状態を特定する例示的な範囲故障検知プロセス700の動作フローを示すフローチャートである。範囲外の故障状態の非限定例として、受信したセンサ信号が、コンポーネントの誤動作及び/またはシステムの誤動作を指示することができる通常の作動範囲の範囲外であること、受信したセンサ信号が、センサの問題及び/または配線の問題を指示することができる検知可能な範囲の範囲外であること、及び、バルブの誤動作を指示することができる計測したバルブ電流を含むことができる。
【0103】
範囲故障検知プロセス700では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール710で開始され、取得オペレーション720を続行する。取得オペレーション720では、
図2のセンサ211〜219などの一つまたはそれ以上のセンサから一つまたはそれ以上のセンサ信号を受信する。
【0104】
判定モジュール730では、どの受信したデータ信号が、所定のしきい値外の値(例えば、以上または以下)を有するかどうかを判定する。いくつかの実施形態に従うと、判定モジュール730では、どのデータ信号が、メモリ(制御システム152のメモリ167)に記憶された所定のしきい値外の値を有するかどうかを判定する。一つの態様に従うと、判定モジュール730では、データ信号が、所定の時間期間の間、しきい値外に留まっているかどうかを判定することができる。
【0105】
いくつかの態様に従うと、判定モジュール730では、受信したデータ信号が所定のしきい値外であると判定した場合には、故障オペレーション740では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。一つの態様に従うと、また、故障オペレーション740では、メモリにネットワーク通信故障状態を記憶することができる。範囲故障検知プロセス700では、任意の適当な完了手順を実行して、ストップモジュール750で終了する。
【0106】
図10は、
図4の故障検知システム200が競合しているセンサの読み取り値または指令によって起動される故障状態を特定する例示的な不一致故障検知プロセス800の動作フローを示すフローチャートである。このような故障状態の非限定例として、ポンプ速度センサと出力軸速度センサによって報告された速度の間の競合、二つまたはそれ以上の斜板センサによって報告された斜板の姿勢間の競合、斜板センサと指令された斜板角度によって報告された斜板の姿勢間の競合、及び、クラッチバルブセンサと指令されたクラッチ状態によって報告されたクラッチ状態間の競合を含むことができる。
【0107】
不一致故障検知プロセス800は、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール810で開始され、取得オペレーション820を続行する。不一致故障検知プロセス800では、
図2のセンサ211〜219などのセンサから、システムまたはコンポーネントの状態を示す第1データ信号を受信する。一つの態様に従うと、第1取得オペレーション820では、通信ネットワーク184を介して第1データ信号を受信することができる。他の態様では、第1取得オペレーション820では、センサから直接第1データ信号を受信することができる。
【0108】
第2取得オペレーション830では、システムまたはコンポーネントの状態を示す第2データ信号を取得する。いくつかの態様に従うと、第2取得オペレーション830では、
図2のセンサ211〜219などのセンサから第2データ信号を取得する。他の態様に従うと、第2取得オペレーション830では、通信ネットワーク184またはメモリから第2データ信号を取得することができる。一つの態様に従うと、第2データ信号は、バルブ(例えば、バルブを制御するソレノイドに対して)に供給される指令または制御信号である。
【0109】
比較オペレーション840では、第1取得オペレーション820で受信したデータ信号と第2取得オペレーション830で受信したデータ信号との間に競合が存在するかどうかを判定する。例えば、いくつかの態様に従うと、比較オペレーション840では、データ信号間の差を判定することができる。例えば、一つの態様に従うと、比較オペレーション840では、一つの斜板センサから報告された斜板の角度の値と他の斜板センサから報告された斜板の角度の値との差を判定することができる。他の態様に従うと、比較オペレーション840では、第1データ信号の2進値が第2データ信号の2進値と一致するかどうかを判定する。例えば、いくつかの態様に従うと、比較オペレーション840では、クラッチバルブによって報告されたクラッチの状態が、クラッチバルブに送信された最新の指令に一致するかどうかを判定することができる。
【0110】
第1判定モジュール850では、故障状態を起動させるために、どの競合が十分であるかを判定する。いくつかの態様に従うと、第1判定モジュール850では、競合する各データ信号の差が、メモリ(例えば、制御システム152のメモリ167)に記憶されたシステムの許容範囲を超えるかどうかを判定する。第2判定モジュール860では、システムの許容範囲を超えているどの競合が所定の時間期間の間存続しているかどうかを判定する。
【0111】
他の態様に従うと、第1及び第2判定モジュール850,860で、二つのデータ信号の間の競合がシステムの許容範囲を超えて、所定の時間期間の間存続していると判定した場合には、故障オペレーション870では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。一つの態様に従うと、また、故障オペレーション870では、メモリにネットワークの故障状態を記憶することができる。不一致故障検知プロセス800では、任意の適当な完了手順を実行して、ストップモジュール880で終了する。
【0112】
図11は、
図4の故障検知システム200の監視モジュール201が、第2動力源124のフィルター147のような詰まったフィルターを検知する例示的なフィルター詰まり故障検知プロセス900の動作フローを示すフローチャートである。
【0113】
フィルター詰まり故障検知プロセス900では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール910で開始され、第1取得オペレーション920を続行する。第1取得オペレーション920では、
図2の流体温度センサ212のような流体温度センサから第1データ信号を受信する。一つの態様に従うと、第1取得オペレーション920では、通信ネットワーク184を介して第1データ信号を受信することができる。他の態様に従うと、第1取得オペレーション920では、流体温度センサ212から直接第1データ信号を受信することができる。
【0114】
第2取得オペレーション930では、ポンプ速度を指示するポンプ速度センサ217のようなポンプ速度センサから第2データ信号を取得する。いくつかの態様に従うと、第2取得オペレーション930では、ポンプ速度センサ217から直接ポンプ速度データ信号を取得する。他の態様に従うと、第2取得オペレーション930では、通信ネットワーク184からポンプ速度データ信号を取得することができる。
【0115】
計算オペレーション940では、第1及び第2取得オペレーション930,940で提供される流体温度とポンプ速度に基づいて許容可能なフィルター圧力を判定する。一つの態様に従うと、許容可能なフィルター圧力は、実験で得られた試験結果に基づいて計算される。
【0116】
第3取得オペレーション950では、
図2のフィルター圧力センサ214のようなフィルター圧力センサから第3データ信号を取得する。いくつかの態様に従うと、第3取得オペレーション950では、フィルター圧力センサ214から直接フィルター圧力データ信号を取得する。他の態様に従うと、第3取得オペレーション950では、通信ネットワーク184からフィルター圧力データ信号を取得することができる。
【0117】
第1判定モジュール960では、第3取得オペレーション950で提供されたフィルター圧力と、計算オペレーション940で提供された許容可能なフィルター圧力とを比較する。いくつかの態様に従うと、また、第1判定モジュール960では、フィルター圧力が、故障状態を起動させるために十分な量で、計算された許容可能なフィルター圧力を超えたかどうかを判定する。第2判定モジュール970では、フィルター圧力が、所定の時間期間の間、所定の許容範囲以上で、計算された許容可能なフィルター圧力を超えたかどうかを判定する。
【0118】
他の態様に従うと、第1及び第2判定モジュール960,970で、フィルター圧力が、システムの許容範囲以上で所定の時間期間の間よりも長く、許容可能なフィルター圧力を超えていると判定した場合には、故障オペレーション980では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。一つの態様に従うと、また、故障オペレーション980では、メモリにネットワークの故障状態を記憶することができる。フィルター詰まり故障検知プロセス900では、任意の適当な完了手順を実行して、ストップモジュール990で終了する。
【0119】
図12は、
図4の故障検知システム200の監視モジュール201が、
図2の近接センサ216のようなアキュムレータの近接センサの誤動作を検知する例示的なフットバルブ故障検知プロセス1000の動作フローを示すフローチャートである。フットバルブ故障検知プロセス1000では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール1002で開始され、第1取得オペレーション1004を続行する。
【0120】
第1取得オペレーション1004では、
図2のアキュムレータ圧力センサ215のようなアキュムレータ圧力センサから第1データ信号を受信する。一つの態様に従うと、第1取得オペレーション1004では、通信ネットワーク184を介して第1データ信号を受信することができる。他の態様に従うと、第1取得オペレーション1004では、アキュムレータ圧力センサ215から直接第1データ信号を受信することができる。
【0121】
第2取得オペレーション1006では、近接センサ216から第2データ信号を取得する。いくつかの態様に従うと、第2取得オペレーション1006では、近接センサ216から直接フットバルブ236の状態を表すデータ信号を取得する。他の態様に従うと、第2取得オペレーション1006では、通信ネットワーク184からフットバルブデータ信号を取得することができる。
【0122】
第1判定モジュール1008では、アキュムレータ圧力のデータ信号が、受入可能な範囲の外側にあるかどうかを判定する。例えば、一つの態様に従うと、第1判定モジュール1008では、アキュムレータ圧力のデータ信号が、所定の下限値よりも低いかどうかを判定する。
【0123】
第1判定モジュール1008で、アキュムレータ圧力のデータ信号が所定のしきい値よりも低いと判定した場合には、続いて、第2判定モジュール1010で、近接センサのデータ信号が、フットバルブ236が開であることを示しているかどうかを判定する。一つの態様に従うと、フットバルブが開である間にアキュムレータの圧力が所定のしきい値以下であることは、第1故障状態を示している。
【0124】
第2判定モジュール1010では、近接センサのデータ信号がフットバルブ236が開であることを示しており、それによって第1故障状態を指示していると判定した場合には、続いて、第3判定モジュール1012では、故障状態が所定の時間期間の間持続しているかどうかを判定する。いくつかの態様に従うと、第3判定モジュール1012で、故障状態が所定の時間期間よりも長い間持続していると判定した場合には、故障オペレーション1014では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。
【0125】
しかしながら、第1判定モジュール1008で、アキュムレータ圧力のデータ信号が許容可能な範囲内にあると判定した場合には、続いて、フットバルブ故障検知プロセス1000では、第3取得オペレーション1016を実行する。第3取得オペレーション1016では、
図2の流体温度センサ212のような流体温度センサからデータ信号を受信する。計算オペレーション1018では、第3取得オペレーション1016で提供される流体温度に基づいて、許容可能なアキュムレータ圧力を判定する。
【0126】
第4判定モジュール1020では、第1取得オペレーション1004で提供されたアキュムレータ圧力が、計算オペレーション1018で提供された計算された許容可能なアキュムレータ圧力を超えたかどうかを判定する。第4判定モジュール1020で、第1取得オペレーション1004が許容可能なアキュムレータ圧力を超えていると判定した場合には、続いて、第5判定モジュール1022で、近接センサのデータ信号がフットバルブが閉であることを示しているかどうかを判定する。一つの態様に従うと、フットバルブが閉である間に、アキュムレータ圧力が計算された許容可能な圧力以上であることは、第2故障状態を示している。
【0127】
第5判定モジュール1022では、フットバルブ236が閉であることを示しており、それによって第2故障状態を指示していると判定した場合には、続いて、フットバルブ故障検知プロセス1000では、第3判定モジュール1012を実行し、かつ、上述したように続行する。しかしながら、第2、第3、第4及び第5判定モジュール1010,1012,1020、1022の内の一つまたはそれ以上で、故障条件が満足されていないと判定した場合には、続いて、フットバルブの故障検知プロセス1000では、第1取得オペレーション1004に戻って繰り返され、再び開始される。フットバルブの故障検知プロセス1000では、任意の適当な完了手順を実行して、ストップモジュール1024で終了する。
【0128】
図13は、
図4の故障検知システム200の監視モジュール201が高圧リークを検知する例示的な圧力リーク故障検知プロセス1100の動作フローを示すフローチャートである。圧力リーク故障検知プロセス1100では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール1102で開始され、第1取得オペレーション1104を続行する。
【0129】
第1取得オペレーション1104では、
図2のアキュムレータ圧力センサ215のようなアキュムレータ圧力センサから第1データ信号を受信する。一つの態様に従うと、第1取得オペレーション1104では、通信ネットワーク184を介して第1データ信号を受信することができる。他の態様に従うと、第1取得オペレーション1104では、アキュムレータ圧力センサ215から直接第1データ信号を受信することができる。
【0130】
計算オペレーション1106では、第1取得オペレーション1104によって提供された、時間に対してプロットされた(記入された)アキュムレータ圧力の傾きを見つける。一つの態様に従うと、また、計算オペレーション1106では、傾きの絶対値を取得する。第1判定モジュール1108では、計算された傾きの値が所定のしきい値を超えているかどうかを判定する。第1判定モジュール1108で、しきい値を超えていないと判定した場合、続いて、圧力リーク故障検知プロセス1100では、第1取得オペレーション1104に戻って繰り返され、再び開始される。
【0131】
しかしながら、第1判定モジュール1108で、計算された傾きの値が所定のしきい値を超えていると判定した場合には、続いて、第2取得オペレーション1110では、
図2の近接センサ216のようなアキュムレータの近接センサから第2データ信号を取得する。いくつかの態様に従うと、第2取得オペレーションでは、フットバルブセンサから直接フットバルブのデータ信号を取得する。他の態様に従うと、第2取得オペレーションでは、通信ネットワーク184からフットバルブのデータ信号を取得することができる。
【0132】
第2判定モジュール1112では、第2取得オペレーション1110によって提供されたフットバルブのデータ信号が、フットバルブが開であることを示しているかどうかを判定する。第2判定モジュール1112で、フットバルブのデータ信号が、フットバルブが閉であることを示していると判定した場合には、続いて、圧力リーク故障検知プロセス1100は、第1取得オペレーション1104に戻って繰り返され、再び開始される。しかしながら、第2判定モジュール1112では、フットバルブのデータ信号が、フットバルブが開であることを示していると判定した場合には、続いて、第3取得オペレーション1114では、モードバルブが開であるか、または、閉であるかどうかを示すデータ信号を受信する。いくつかの態様に従うと、第3取得オペレーションでは、モードバルブのデータ信号をモードバルブセンサから直接取得する。他の態様に従うと、第3取得オペレーショ1114では、通信ネットワーク184からモードバルブのデータ信号を取得することができる。
【0133】
第3判定モジュール1116で、モードバルブのデータ信号が、モードバルブが開であることを示していると判定した場合には、続いて、圧力リーク故障検知プロセス1100は、第1取得オペレーション1104に戻って繰り返され、再び開始される。しかしながら、第3判定モジュール1116で、モードバルブのデータ信号が、モードバルブが閉であることを示していると判定した場合には、続いて、第4判定モジュール1118では、所定の時間期間、フットバルブが開で、かつ、モードバルブが閉である間に、アキュムレータ圧力がしきい値を超えたかどうかを判定する。
【0134】
いくつかの態様に従うと、第4判定モジュール1118で、故障状態が所定の時間期間よりも長く持続していると判定した場合には、故障オペレーション1120では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。圧力リーク故障検知プロセス1100は、任意の適当な完了手順を実行して、ストップモジュール1122で終了する。
【0135】
図14は、
図1及び
図2のポンプ/モータユニット142のようなポンプ/モータユニットで使用することができる例示的なポンプアセンブリ1300の概略図である。ポンプアセンブリ1300には、斜板1320によってピストン1315が軸方向に変位することができる複数のボア(シリンダ開口)1312が形成されたポンプボディ1310が含まれる。各ピストン1315はシュー1317を介して斜板1320と相互に作用する。時間の経過と共に、ポンプボディ1310は、各ボア1312と各ピストン1315との間、各ピストン1315と各シュー1317との間、各シュー1317と斜板1320との間、及び/または、ボアとポンプケースとの間に、(例えば、損傷したバレル(シリンダ)から)漏れ(リーク)を生ずる可能性がある。
【0136】
いくつかの態様に従うと、ポンプボディアセンブリ1300のリークは、ポンプボディ1310の回転ごとに1回、ポンプケース内に流体の脈動を発生させる。流体の脈動は、ケース内にまたはフィルター圧力センサで圧力スパイクを発生させる。圧力スパイクは、バレルが回転する周期と等しい頻度で発生する。一つの態様に従うと、フィルター圧力センサからのデータ信号は、バレルリークが発生しているかどうかを判定するために、フィルター処理されると共に、分析される。他の態様に従うと、ケース圧力センサからのデータ信号は、バレルリークが発生しているかどうかを判定するために、フィルター処理されると共に、分析される。
【0137】
図15Aは、
図14のポンプアセンブリ1300におけるバレルリークのようなバレルリークを検知することができる例示的なリーク検知プロセス1200Aの動作フローを示すフローチャートである。いくつかの実施の態様に従うと、リーク検知プロセス1200Aは、上述したハイブリッド車両で使用されるポンプで実施される。しかしながら、他の実施の態様に従うと、リーク検知プロセス1200Aは、ポンプ速度とケース圧力を計測する適当なセンサを備えた任意の形式のポンプ(例えば、アキシャルピストンポンプ)で使用することができる。
【0138】
リーク検知プロセス1200Aでは、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール1202で開始され、第1取得オペレーション1204を続行する。一つの態様に従うと、第1取得オペレーション1204では、第2動力源124に関連する流体の圧力を判定する。例えば、一つの実施の態様では、第1取得オペレーション1204で、
図2のフィルター圧力センサ214のようなフィルター圧力センサからデータ信号を受信する。他の態様に従うと、第1取得オペレーション1204では、ケース圧力センサからデータ信号を受信する。
【0139】
第2取得オペレーション1206では、ポンプ/モータの周波数を判定する。例えば、一つの実施の態様では、第2取得オペレーション1206で、
図2のポンプ速度センサ217のようなポンプ速度センサからデータ信号を受信する。一つの態様に従うと、第2取得オペレーション1206では、ポンプ速度のデータ信号を周波数の値に変換する(例えば、ポンプ速度を60で割ることによりRPMをHzに変える)。他の実施の態様では、第2取得オペレーション1206で、別な方法で、ポンプの周波数を判定することができる。
【0140】
フィルターオペレーション1208では、フィルター処理した信号を取得するために、取得した信号から圧力パルスを取り除く。例えば、いくつかの態様に従うと、フィルターオペレーション1208では、ポンプが一定の速度で回転している場合、一定の速度では起こらないパルスを除去する。他の態様に従うと、フィルターオペレーション1208では、ポンプが回転している周波数とは異なる周波数で発生する圧力パルスを取り除く。例えば、フィルターオペレーション1208では、ポンプの周波数よりも高い周波数及び/または低い周波数で発生するパルスを除去することができる。ある実施の態様では、フィルターオペレーション1208で、このようなパルスを除去するためにロールオフフィルターを使用する。
【0141】
例えば、いくつかの実施の形態に従うと、フィルターオペレーション1208では、標準的な漏れ(リーク)、のろのろ運転サイクルなどからノイズを軽減するために、ハイパスフィルター(例えば、バターワースフィルター)を通して第1取得オペレーション1204からデータ信号を通過させることができる。また、フィルターオペレーション1208では、実質的に離散的信号を取得するために、ハイパスフィルターから取得した信号を修正することができる。ある実施の形態では、また、フィルターオペレーション1208では、ローパスフィルターを通して圧力センサの信号(すなわち、または修正信号)を通過させることができる。一つの態様に従うと、ハイパスフィルターとローパスフィルターは、ポンプの周波数のために実験的に決定した値に基づいて調整することができる。
【0142】
他の実施の形態では、第1取得オペレーション1204からのデータ信号は、フィルター処理した信号を取得するために、バンドパスフィルターを介して通過させることができる。バンドパスフィルターは、ポンプの形状、取得した信号のリップルの強さ、および/または、システムの他のコンポーネントに由来する他の周波数(例えば、振動または他のノイズ)に基づいて構成することができる。例えば、一つの実施の態様では、フィルターオペレーション1208で、ポンプ周波数の上下約20%の周波数を除去することができる。他の実施の態様では、フィルターオペレーション1208で、ポンプ周波数の上下約10%の周波数をロールオフフィルター処理する。ある実施の態様では、フィルターオペレーション1208で、ローパスフィルターだけを使用することができる。例えば、いくつかの態様に従うと、ポンプが限界回転速度(約500RPM)以下で作動している場合には、フィルターオペレーション1208では、高周波数のパルスをロールオフするためにローパスフィルターのみを使用することができる。
【0143】
(破線で示した)追加のポンプ速度判定モジュール1210では、ポンプの回転が所定の周波数に達したかどうかを判定する。いくつかの実施の態様では、リークからの圧力パルスは、正確にサンプリングされた特定のポンプ速度以上であまりにも速く発生する。この実施の態様では、ポンプ速度判定モジュール1210で、ポンプが検知範囲外の速度で回転している場合に迷惑な故障を防ぐ。従って、ポンプ速度判定モジュール1210では、第2取得オペレーション1206からのポンプ速度が最大限界速度よりも大きいと判定した場合には、続いて、リーク検知プロセス1200は、第1取得オペレーション1204に戻って繰り返され、再び開始される。
【0144】
しかしながら、ポンプ速度判定モジュール1210では、ポンプ速度が最大限界速度よりも小さいと判定した場合には、続いて、リーク検出プロセス1200で、第2判定モジュール1212を実行する。他の実施の態様では、センサ(例えば、
図2のフィルターセンサ)はポンプ速度判定モジュール1210を不要とするために十分に正確である。この実施の態様では、リーク検知プロセス1200Aで、フィルターオペレーション1208から圧力スパイク判定モジュール1212を実行する。
【0145】
圧力スパイク判定モジュール1212では、フィルター処理した信号が所定のしきい値を超えているかどうかを判定する。いくつかの態様に従うと、しきい値は、実験的に決定され、(例えば、
図3の第2動力源制御システム152のメモリ167に)電子的に記憶される。例えば、一つの実施の態様では、第2判定モジュール1212で、CANバス184上のメモリからしきい値を取得することができる。
【0146】
例えば、いくつかの実施の態様では、圧力スパイクしきい値は、既知のリーク(漏れ)を備えたポンプを運転して、運転中の圧力スパイクをマッピング(対応付け)することによって選択することができる。ある実施の態様では、しきい値は、実験的に測定した圧力スパイクを許容値にプラスまたはマイナスした大きさとして設定することができる。他の実施の態様では、しきい値は、実験的に測定した圧力スパイクの大きさの百分率(例えば、10%、15%、25%、50%、75%など)で設定することができる。他の実施の態様では、しきい値は、理想的な条件で運転されるポンプで発生する圧力スパイクに基づいて選択される。例えば、しきい値は、理想的な条件で実験的に取得した圧力スパイクに、その百分率(25%、50%、75%、100%、150%など)をプラスして選択することができる。
【0147】
いくつかの態様に従うと、ポンプ周波数で発生する圧力スパイクは、異なる作動条件のためにマッピング(対応付け)される。従って、圧力スパイクのしきい値は、異なる作動条件に対して対応付けすることができる。例えば、圧力スパイクは、異なる斜板角度位置および/または異なる圧力読取値に対して対応付けすることができる。マップは、与えられた作動パラメータに対して使用されるしきい値を判定するために使用することができる。この場合、リーク検知プロセス1200Aでは、作動パラメータを判定し、また、圧力スパイクしきい値モジュール1212では、これらの作動パラメータに対して、フィルター処理した信号としきい値とを比較する。他のプロセスが
図15Bに示されており、ここで説明される。
【0148】
圧力スパイク判定モジュール1212で、フィルター処理した信号が圧力スパイクしきい値を超えていないと判定した場合、続いて、リーク検知プロセス1200Aでは、第1取得オペレーション1204に戻って繰り返され、再び開始される。しかしながら、圧力スパイク判定モジュール1212で、フィルター処理した信号が圧力スパイクしきい値を超えていると判定した場合には、続いて、故障オペレーション1214では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。一つの態様に従うと、故障オペレーション1214では、リークが機能障害故障を構成していると判定する。リーク検知プロセス1200Aでは、任意の完了手順を実行して、ストップモジュール1216で終了する。
【0149】
図15Bは、
図14のポンプアセンブリ1300のバレルリークのようなバレルリークを検知する他の例示的なリーク検知プロセス1200Bの動作フローを示すフローチャートである。いくつかの実施の態様に従うと、リーク検知プロセス1200Bは、上述したように、ハイブリッド車両で使用されるポンプで実行される。しかしながら、他の実施の態様に従うと、リーク検知プロセス1200Bは、ポンプの速度とケースの圧力を測定する適当なセンサを有する任意に形式のポンプ(例えば、任意のアキシャルピストンポンプ)で使用することができる。リーク検知プロセス1200Bは、
図15Aのリーク検知プロセス1200Aの代わりに使用することができる。リーク検知プロセス1200Bは、(実質的に全作動パラメータ用の3Dマップの代わりに)特定の作動パラメータのみに対して圧力スパイクしきい値を記憶することで、リーク検知プロセス1200Aと異なっている。
【0150】
リーク検知プロセス1200Bでは、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール1202で開始され、第1判定モジュール1201を続行する。第1判定モジュール1201では、ポンプ(すなわち、または車両)の現在の作動パラメータが許容範囲内にあるかどうかを判定する。例えば、いくつかの実施の態様では、第1判定モジュール1201で、ポンプ及び/または車両の現在の作動パラメータを判定するために、適当なセンサからデータ信号を取得する。例えば、ある実施の態様では、第1判定モジュール1201で、現在の斜板角度及び/または現在のフィルター圧力を表すデータ信号を取得する。また、第1判定モジュール1201では、現在の作動状態に対応する圧力スパイクしきい値が、例えば、
図3の第2動力源制御システム152のメモリ167に記憶されているかどうかを判定する。対応するしきい値を有しない作動状態は、許容範囲外である。
【0151】
第1判定モジュール1201では、現在の作動条件に対して圧力スパイクしきい値が記憶されていないと判定した場合には、続いて、リーク検知プロセス1200Bは、スタートオペレーション1202に戻って繰り返され、再び開始される。したがって、第1判定モジュール1201では、迷惑な故障を防ぐ。しかしながら、第1判定モジュール1201では、現在の作動条件に対して圧力スパイクしきい値が記憶されていると判定した場合には、続いて、リーク検知プロセス1200Bでは、第1取得オペレーション1204を実行する。リーク検知プロセス1200Bのオペレーション1204から1214を実行することは、リーク検知プロセス1200Aのオペレーション1204から1214を実行することと実質的に同じである。
【0152】
リーク検知プロセス1200Bでは、圧力スパイク判定モジュール1212で、フィルター信号が、第1判定モジュール1201で判定された作動条件に対応する所定のしきい値を超えたかどうかを判定する。いくつかの態様に従うと、圧力スパイクしきい値は、(例えば、
図15Aに関連して上述した任意のプロセスを使用して)実験的に決定され、(例えば、
図3の第2動力源制御システム152のメモリ167に)電子的に記憶される。例えば、一つの実施の態様では、第2判定モジュール1212では、CANバス184上のメモリからしきい値を取得することができる。
【0153】
第2判定モジュール1212で、フィルター信号が圧力スパイクしきい値を超えていないと判定した場合には、続いて、リーク検知プロセス1200は、第1取得オペレーション1204に戻って繰り返され、再び開始される。しかしながら、第2判定モジュール1212で、フィルター信号が圧力スパイクしきい値を超えていると判定した場合には、続いて、故障オペレーション1214では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。一つの態様に従うと、故障オペレーション1214では、リークが機能障害故障を構成していると判定する。リーク検知プロセス1200Bでは、任意の完了手順を実行して、ストップモジュール1216で終了する。
【0154】
図15Cは、ポンプの調子の変化を長期間にわたり監視して、フィルター圧力スパイクの変化に対応付けた例示的な監視プロセスの動作フローを示すフローチャートである。いくつかの実施の態様に従うと、監視プロセス1200Cでは、
図15A、
図15Bのリーク検知プロセス1200A,1200Bが継続される。例えば、一つの実施の態様では、監視プロセス1200Cで、プロセスの開始に戻って繰り返される前に、フィルターの圧力信号が許容範囲(例えば、しきい値以下にある)内にあることを判定する第2判定モジュール1212を実行することができる。他の実施の態様では、監視プロセス1200Cは、故障オペレーション1214が起動された後に実行することができる。
【0155】
監視プロセス1200Cでは、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール1218で開始され、取得オペレーション1220を続行する。取得オペレーション1220では、前の圧力スパイク値が、(例えば、
図3の第2動力源制御システム152のメモリ167に)記憶されていたかどうかを判定する。そのような値が記憶されていた場合には、取得オペレーション1220では、その値をメモリから引き出す。いくつかの実施の態様では、取得オペレーション1220で、メモリに記憶されていた一つまたはそれ以上の圧力スパイク離散値を引き出す。他の実施の態様では、取得オペレーション1220で、以前に記憶された値に基づいて移動平均値を引き出す。
【0156】
判定モジュール1222では、リーク検知プロセス1500A,1500Bで取得したフィルター処理したデータ信号と、記憶された圧力スパイク値とを比較する。判定モジュール1222では、フィルター処理したデータ信号の圧力スパイクが、圧力スパイク用に記憶した値からしきい値の量だけ外れていると判定した場合には、続いて、故障オペレーション1224が起動される。一つの実施の態様では、故障オペレーション1224で、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動させる。
【0157】
記憶オペレーション1226では、例えば、
図3の第2動力源制御システム152のメモリ167に、フィルター処理したデータ信号の圧力スパイクの値を記憶する。いくつかの実施の態様では、記憶オペレーション1226で、メモリに既に記憶した値に基づいて移動平均を計算するために、フィルター処理したデータ信号の値を使用する。監視プロセス1200Cでは、任意の完了手順を実行して、ストップモジュール1228で終了する。
【0158】
判定モジュール1222では、フィルター処理したデータ信号の圧力スパイクが、圧力スパイク用に記憶した値からしきい値の量だけ外れていないと判定した場合には、続いて、監視プロセス1200Cでは、記憶オペレーション1226に進むことができる。しかしながら、他の実施の態様では、監視プロセス1200Cで、代わりにストップモジュール1228を直接実行することができる。
【0159】
いくつかの実施の態様に従うと、監視プロセス1200Cでは、ポンプの機能が、故障を起動させるほどには低下していない場合でも、ポンプの機能が経年的に低下し始めた場合を判定するために使用することができる。他の実施の態様に従うと、監視プロセス1200Cでは、ポンプの予後の提供に役立つように、ポンプの機能を長期的に詳細に計画するために使用することができる。
【0160】
図16は、流体(例えば、オイル)の低レベルを判定する一つの例示的な検知プロセス1400を示すブロック図である。いくつかの態様に従うと、検知プロセス1400では、トランスミッション出力速度センサ、オイルレベルセンサ、フットバルブセンサ及びアキュムレータの圧力センサから入力を受信する。トランスミッション出力速度がほぼゼロRPMに等しく、かつ、フットバルブセンサが、
図2のフットバルブ236のようなフットバルブが開であることを示している場合には、検知プロセス1400では、アキュムレータの圧力センサとリザーバ内のオイルレベルセンサの両方が、所定の時間期間の間、所定のしきい値以下の流体レベルを示しているかどうかを判定する。一つの態様に従うと、検知プロセス1400に起因する故障条件は機能障害故障である。
【0161】
図17は、バイパスバルブの誤動作を判定する例示的なバイパスバルブ故障検知プロセス1500を示すブロック図である。検知プロセス1500では、実際の計算された流量を調べて、所定の時間期間(例えば、約10秒)以内に、ポンプが適当な圧力に達しない場合には、故障を掲示する。
【0162】
いくつかの態様に従うと、検知プロセス1500では、斜板角度センサ、ポンプ回転速度センサ及びアキュムレータ圧力センサから入力信号を受信する。斜板角度センサ及びポンプ回転速度センサから受信したデータにより、ポンプ/モータの流量の絶対値を計算することができる。例えば、ポンプ/モータ流量は、次式を使用して計算することができる。
【0163】
ポンプ/モータ流量=[(最大斜板角度出の変位量)*(回転速度)*tan(実際の斜板角度)]/(231*(最大斜板角度))
【0164】
検知プロセス1500では、計算した流量が所定の限界値を超え、かつ、アキュムレータの圧力が、所定の時間期間の間に所定のしきい値に達しない場合に、ラッチング故障状態が発生したと判定する。検知プロセス1500では、ラッチング故障状態が所定回数(例えば、5回またはそれ以上)よりも多く検知された場合には、機能障害故障状態が発生したと判定する。一つの態様に従うと、検知されたラッチング故障状態の回数は、
図3の揮発性メモリ168のようなメモリに記憶することができる。
【0165】
図18は、バイパスバルブの誤動作を検知する例示的なブートストラップ故障検知プロセス1600を示すブロック図である。検知プロセス1600では、指令された計算流量を調べて、所定の時間期間(例えば、約10秒)以内に、ポンプが適当な圧力に達しない場合には、故障を掲示する。
【0166】
いくつかの態様に従うと、検知プロセス1600では、ポンプ回転速度センサ及びアキュムレータ圧力センサから入力信号を受信する。また、検知プロセス1600では、最新の指令が斜板制御バルブに送信されたことを判定する。ポンプ/モータ流量の絶対値は、ポンプ回転速度と配置を指令された斜板の角度に基づいて計算することができる。例えば、ポンプ/モータの流量は、次式を使用して計算することができる。
【0167】
ポンプ/モータ流量=[(最大斜板角度出の変位量)*(回転速度)*tan(指令された斜板角度)]/(231*(最大斜板角度))
【0168】
検知プロセス1600では、計算した流量が所定の限界値を超え、かつ、アキュムレータの圧力が、所定の時間期間の間に所定のしきい値に達しない場合に、ラッチング故障状態が発生したと判定する。検知プロセス1600では、ラッチング故障状態が5回またはそれ以上検知された場合には、機能障害故障状態が発生したと判定する。一つの態様に従うと、検知されたラッチング故障状態の回数は、
図3の揮発性メモリ168のようなメモリに記憶することができる。
【0169】
図19は、ポンプの誤動作を検知する例示的なポンプ/モータ故障検知プロセス1700を示すブロック図である。いくつかの態様に従うと、検知プロセス1700では、斜板角度センサ、ポンプ回転速度センサ及びアキュムレータ圧力センサから入力信号を受信する。
図17に関連して提供した式に基づいてポンプ/モータの流量の絶対値を計算することができる。
【0170】
検知プロセス1700では、計算した流量が所定の限界値を超え、かつ、アキュムレータの圧力が、所定の時間期間の間に所定のしきい値に達しない場合に、機能障害故障状態が発生したと判定する。一つの態様に従うと、アキュムレータ圧力用の所定のしきい値は、バイパスバルブの故障を判定するために検知プロセス1500で使用した所定のしきい値よりも低い。
【0171】
図20は、車両から第2動力源124を切り離すトランスファーケースの故障を判定する例示的な切り離し故障検知プロセス1800を示すブロック図である。いくつかの態様に従うと、検知プロセス1800では、クラッチバルブセンサから入力信号を受信する。また、検知プロセス1800では、クラッチバルブに転送された最新の指令を判定する。検知プロセス1800では、指令されたクラッチの状態と実際のクラッチの状態との差が、所定の時間期間よりも大きい間、しきい値量だけ異なる場合に、機能障害故障が発生したと判定する。一つの態様に従うと、検知プロセス1800では、機能障害故障状態の検知に応答して速度制限プロセスを起動する。
【0172】
図21は、トランスファーケースの故障が発生した場合にエンジン速度を制限して、第2動力源に対する損傷を軽減する例示的な速度制限プロセス1900の動作フローを示すフローチャートである。一般的に、速度制限プロセス1900では、適当な速度制限指令(例えば、J1939指令)をエンジンに送信して、第2動力源124が第1動力源からの切り離しに失敗した場合に、ポンプが過回転することを防止する。
【0173】
速度制限プロセス1900では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュール1902で開始され、第1判定モジュール1904を続行する。第1判定モジュール1904では、切り離し失敗故障
の障害が発生しているかどうかを判定する。例えば、一つの実施の態様では、第1判定モジュール1904では、そのような故障が、
図3の第2動力源制御システム152の不揮発性メモリ167に記憶されているかどうかをチェックする。そのような故障が起動される例示的なプロセスが、
図20に関連して上述されている。当然に、故障は、他のタイプまたは形式の電子メモリに記憶することができる。
【0174】
第1判定モジュール1904では、そのような故障が起動されなかったと判定した場合には、続いて、速度制限プロセス1900では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュール1916で終了する。しかしながら、第1判定モジュール1904で、切り離し失敗故障が起動されたと判定した場合には、続いて、速度制限プロセス1900では、第1取得オペレーション1906を実行する。第1取得オペレーション1906では、ポンプ速度(例えば、RPM)を表すデータ信号を受信する。例えば、第1取得オペレーション1906では、
図2の速度センサ217のようなポンプ速度センサからデータ信号を取得することができる。
【0175】
第2取得オペレーション1908では、ポンプのギア比を表すデータ信号を受信する。例えば、一つの実施の態様では、第2取得オペレーション1908では、
図3のプロセッサ166及び第2動力源制御システム152の不揮発性メモリ167からデータ信号を受信することができる。他の例示的な実施の態様では、第2取得オペレーション1908で、
図3のプロセッサ160及び原動機制御ユニット154の不揮発性メモリ161からデータ信号を受信することができる。他の実施の態様では、第2取得オペレーション1908で、ユーザーの入力により、または、リモートコンピュータからアップロード信号を経由して、ギア比のデータ信号を受信することができる。
【0176】
計算オペレーション1910では、第2動力源が車両に連結されている場合に、最大許容エンジン速度を判定する。いくつかの実施の態様では、計算オペレーション1910で、取得したギア比の少なくとも一部に基づいて最大許容エンジン速度を判定する。ある実施の態様では、計算オペレーション1910で、取得したポンプ速度の少なくとも一部に基づいて最大許容エンジン速度を判定する。例えば、一つの実施の態様では、計算オペレーション1910で、次式に従って最大許容エンジン速度を計算することができる。
最大許容エンジン速度=最大許容トランスミッション出力速度*ギア比
他の実施の態様では、計算オペレーション1910で、
図3の不揮発性メモリ167または不揮発性メモリ161のようなメモリから記憶された値を読み出すことによって、最大許容エンジン速度を判定する。
【0177】
第2判定モジュール1912では、ポンプが、計算された最大許容速度よりも速く動いているかどうかを判定する。第2判定モジュール1912では、ポンプが最大許容速度よりも速く動いていない場合には、続いて、速度制限プロセス1900では、第1取得オペレーション1906に戻って、現在のポンプ速度を監視する。しかしながら、第2判定モジュール1912では、ポンプが最大許容速度よりも速く動いていると判定した場合には、つづいて、速度制限プロセス1900では、制限オペレーション1914を実行する。
【0178】
制限オペレーション1914では、エンジンの速度を制限するために適当な指令を送信する。例えば、制限オペレーション1914では、通信ネットワーク184を経由して制限指令を送信する。一つの実施の態様では、制限オペレーション1914で、J1939指令をエンジンに送信する。速度制限プロセス1900では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュール1916で終了する。
【0179】
図22は、
図2の高圧アキュムレータ146としての使用に適合した例示的な流体アキュムレータ2000の概略図である。この流体アキュムレータ2000には、内部チャンバを形成する剛体の外側シェル(すなわち、ハウジング)が含まれる。セパレータ(ブラダー)2020は、内部チャンバを液体チャンバ2015とガスチャンバ2025に区分けしている。上記したように、オイルは、(例えば、高圧バルブを経由して)リザーバ144とアキュムレータ146の液体チャンバ2015との間で移動させることができる。ガスチャンバ2025内のガスは、ガス圧力バルブを介して受け入れることができる。いくつかの実施の態様では、ガスは窒素ガスのようなある種の不活性ガスである。本開示では、任意の特定のタイプのガスの使用を制限するものではないこと理解すべきである。
【0180】
いくつかの実施の態様では、ハウジング2101には、液体チャンバ2015をアキュムレータの外側の構成部材と連通する流体ポートと導管2012が含まれる。種々の実施の態様では、流体ポートと導管は、バルブアセンブリを含むことができるし、或いは、含まなくてもよい。いくつかの例示的な実施の態様では、内部ガスチャンバ2025は、例えば、ガスポート2022とガスチャージバルブを介して、加圧ガス源から高圧ガスを受け入れることができる。他の実施の態様では、アキュムレータ2000は、単一の流体バルブまたはガスバルブを含むことができる。本発明の実施の形態は、特定の形式の流体バルブ、すなわち、そのようなバルブが存在したとしても、特定の形式の流体バルブに限定されない。
【0181】
ある実施の態様では、液体チャンバ2015とガスチャンバ2025との間のセパレータ2020は、(例えば、弾性シールリングでシールされる)ピストンを含むことができる。他の実施の態様では、セパレータ2020は、ある種のベローズ配置を含むことができる。さらに他の実施の態様では、セパレータ2020は、弾性ブラダーを含むことができる。そのようなブラダーを形成するために使用される例示的ないくつかの材料は、透過性または少なくとも半透性である(すなわち、長年にわたって、ブラダーの材料を通して隣接する液体チャンバ内に窒素ガスの一部を通過させない材料である。)。一つの例示的な態様では、ブラダー2020は、ニトリルゴムから形成されている。
【0182】
内部ガスチャンバ2025からのガスリークを検知する一つのプロセスには、ブラダー2020内のガスの温度と圧力を監視することが含まれる。しかしながら、いくつかの実施の態様に従うと、内部ガスチャンバ2020からのガスのリークは、ガスの測定した特性に基づいては検知されない。実際、ある実施の態様では、アキュムレータ2000には、アキュムレータ2000のブラダー2020内のガス圧力センサやガス温度センサの少なくとも一つは含まれない。ある態様に従うと、アキュムレータ2000には、アキュムレータのブラダー2020内のガス圧力センサやガス温度センサのいずれも含まれない。
【0183】
図23は、アキュムレータのガスリークを検知することができる例示的なガスリーク検知プロセス2300の動作フローを示すフローチャートである。例えば、ガスリーク検知プロセス2300では、
図22のアキュムレータ2000のガスチャンバ2025からガスがリークしている(漏れている)どうかを判定することができる。いくつかの態様に従うと、ガスリーク検知プロセス2300では、ガスの特性を直接測定することなくガスリークを検知する。例えば、ある実施の態様では、ガスリーク検知プロセス2300では、ガスの温度及び/または圧力を直接測定することなくガスリークを検知する。
【0184】
一般に、ガスリーク検知プロセス2300は、第2動力源システムがスタートした場合(例えば、毎日または停止期間後)にのみ実行される。このように、ガスリーク検知プロセス2300では、任意の適当な初期化手順を実行して、スタートモジュールで開始され、第1判定モジュール2302を続行する。第1判定モジュール2302では、アキュムレータが新たにスタートしたのかどうかを判定する。
【0185】
第1判定モジュール2302で、アキュムレータが新たにスタートしたと判定した場合には、続いて、ガスリークプロセス2300では、第1取得オペレーション2304を実行する。しかしながら、第1判定モジュール2302で、アキュムレータが新たにスタートしたのではないと判定した場合には、続いて、ガスリークプロセス2300では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。判定をすることができる第1判定モジュール2302のプロセスの一例が、
図24に示されている。
【0186】
一つの態様に従うと、第1取得オペレーション2304では、液体温度センサからデータ信号を受信する。例えば、一つの実施の態様では、第1取得オペレーション2304で、
図2のリザーバ温度センサ212からデータ信号を受信することができる。このデータ信号は、
図2のリザーバ144のようなリザーバ内の液体(例えば、オイル)の温度を表している。この液体は、
図22のアキュムレータ2000の流体チャンバ2015のようなアキュムレータのチャンバに移送される。他の実施の態様では、第1取得オペレーション2304で、リザーバとアキュムレータとの間を流れる液体の温度を測定するように構成された任意の温度センサからデータ信号を受信することができる。
【0187】
第2取得オペレーション2306では、アキュムレータの流体圧力センサからデータ信号を受信する。例えば、一つの実施の態様では、第2取得オペレーション2306で、
図2のアキュムレータ圧力センサ215からデータ信号を受信する。このデータ信号は、アキュムレータ内の液体(例えば、オイル)の圧力を表している。例えば、一つの実施の態様では、データ信号は、
図22のアキュムレータ2000の流体チャンバ2015内の流体の圧力を表している。他の実施の態様では、第2取得オペレーション2306で、リザーバとアキュムレータとの間を流れる液体の圧力を測定するように構成された任意の圧力センサからデータ信号を受信することができる。
【0188】
推定オペレーション2308では、
図22のアキュムレータ2000の内部ガスチャンバ2025内の窒素のような、アキュムレータ内のガスの圧力を計算する。例えば、いくつかの実施の態様では、推定オペレーション2308で、アキュムレータ内の流体の圧力に基づいてアキュムレータ内のガスの圧力を計算する。この実施の態様では、推定オペレーション2308で、第2取得オペレーション2306で受信したデータ信号に基づいて概算のガス圧力を判定する。
【0189】
ある実施の態様では、推定オペレーション2308で、アキュムレータ内のガスの圧力が特定の温度になるであろうということを判定する。例えば、一つの実施の態様では、推定オペレーション2308で、アキュムレータ内のガスの圧力が、ガスの温度が約20℃であった場合があるだろうということを判定する。当然に、推定オペレーション2308では、任意の所望の温度で圧力を計算することができる。推定オペレーション2308では、アキュムレータのリザーバまたは液体チャンバの測定された流体温度と測定された流体圧力に基づいて決定を下すことができる。例えば、推定オペレーション2308では、第1及び第2取得オペレーション2302,2304で受信したデータ信号に基づいて流体の圧力を逆算することができる。逆算した流体圧力から、推定オペレーション2308では、所望の温度でガス圧力を概算することができる。
【0190】
第2判定モジュール2310では、概算したガス圧力が許容値内にあるかどうかを判定する。いくつかの実施の態様では、第2判定モジュール2310で、概算したガス圧力が、特定の温度での所定のしきい値よりも小さいかどうかを判定することができる。ある実施の態様では、しきい値は、特定のアキュムレータ用に、実験的に決定することができる標準の作動圧力に基づいて設定される。いくつかの実施の態様では、第2判定モジュール2310で、逆算した推定圧力値としきい値とを比較する。他の態様に従うと、推定オペレーション2308で逆算したガス圧力に対する温度は、しきい値に基づいている。
【0191】
いくつかの実施の態様では、第2判定モジュール2310用のしきい値は、特定のアキュムレータ用の標準の作動温度での標準の作動ガス圧力のパーセント値に基づいている。例えば、ある実施の態様では、第2判定モジュール2310で、概算圧力が、特定のアキュムレータ用の標準作動範囲の10%以内にあるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第2判定モジュール2310で、概算圧力が、標準作動範囲の15%以内にあるかどうかを判定する。さらに他の実施の態様では、第2判定モジュール2310で、概算圧力が、標準作動範囲の20%以内にあるかどうかを判定する。さらに他の実施の態様では、第2判定モジュール2310で、概算圧力が、標準作動範囲の25%以内にあるかどうかを判定する。例えば、ある実施の態様では、アキュムレータ内のガスの標準作動圧力は、20℃で約124バールである。このような実施の態様の一つでは、第2判定モジュール2310で、概算したガス圧力が、20℃で100バールより少ないか、または等しいかどうかを判定する。
【0192】
第2判定モジュール2310で、概算したガス圧力がガス圧力の許容値の範囲外にあると判定した場合には、続いて、ガスリーク検知プロセス2300では、故障オペレーション2312を起動する。例えば、第2判定モジュール2310では、概算したガス圧力が設定したしきい値以下であることを判定することができる。故障オペレーション2312では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動する。一つの態様に従うと、故障オペレーション2312では、リークは機能障害故障を構成すると判定する。リーク検知プロセス2300では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。
【0193】
第2判定モジュール2310で、概算したガス圧力がガス圧力の許容値の範囲内にある(例えば、設定したしきい値以下ではない)と判定した場合には、続いて、ガスリーク検知プロセス2300では、記憶オペレーション2314を実行する。記憶オペレーション2314では、概算したガス圧力の値を、第2動力源(
図3参照)の不揮発性メモリ167のようなメモリに保存する。ある実施の態様では、また、記憶オペレーション2314で、メモリに記憶した最も古いガス圧力値のような以前に記憶した値を消去する。他の実施の態様では、記憶オペレーション2314で記憶した値を消去しない。
【0194】
平均オペレーション2316では、メモリに記憶した推定ガス圧力値の移動平均を計算する。いくつかの実施の態様では、平均オペレーション2316で、メモリに記憶した最新の値に基づいて移動平均を計算することができる。例えば、一つの実施の態様では、平均オペレーション2316で、メモリに記憶した最新の5つの概算ガス圧力値の移動平均を計算する。しかしながら、他の実施の態様では、平均オペレーション2316で、最新の3つの値、8つの値、10の値、15の値、20の値、50の値などに基づいて計算をすることができる。
【0195】
第3判定モジュール2318では、概算ガス圧力値の移動平均が許容値の範囲内にあるかどうかを判定する。いくつかの実施の態様では、第3判定モジュール2318で、移動平均が、特定の温度に関連する所定のしきい値よりも小さいかどうかを判定することができる。ある実施の態様では、移動平均用の許容値は、第2判定モジュール2310で使用される許容値よりも、所望の作動パラメータにより近い。
【0196】
いくつかの実施の態様では、第3判定モジュール2318用のしきい値は、特定のアキュムレータ用の標準の作動温度での標準作動ガス圧力のパーセント値に基づいている。例えば、ある実施の態様では、第3判定モジュール2318で、移動平均が、特定のアキュムレータ用の標準作動範囲の10%以内にあるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第3判定モジュール2318で、移動平均が、標準作動範囲の5%以内にあるかどうかを判定する。さらに他の実施の態様では、第3判定モジュール2318で、移動平均が、標準作動範囲の15%以内にあるかどうかを判定する。さらに他の実施の態様では、第3判定モジュール2318で、移動平均が、標準作動範囲の20%以内にあるかどうかを判定する。例えば、一つの実施の態様では、第3判定モジュール2318で、標準作動値が20℃で約124バールである場合に、概算ガス圧力値の移動平均が、20℃で115バールより小さいかどうかを判定する。
【0197】
第3判定モジュール2318で、移動平均が許容値の範囲外にあると判定した場合には、続いて、ガスリーク検知プロセス2300で、故障オペレーション2312を起動する。例えば、第3判定モジュール2318では、移動平均が設定したしきい値以下であることを判定することができる。故障オペレーション2312では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動する。一つの態様に従うと、故障オペレーション2312で、リークが機能障害故障を構成すると判定する。他の実施の態様では、故障オペレーション2312で、リークがラッチング故障を構成すると判定する。他の実施の態様では、故障オペレーション2312で、特に故障応答を起動することなく、サービスインジケータを発行する。リーク検知プロセス2300では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。
【0198】
第3判定モジュール2318では、移動平均がガス圧力の許容値の範囲内(例えば、設定したしきい値以下にない)にあると判定した場合には、続いて、ガスリーク検知プロセス2300では、故障オペレーション2312を起動することなくストップモジュールで終了する。
【0199】
図24は、ガスリーク検知プロセス2300により、システムが最近初期化されたかどうかを判定する例示的な初期化チェックプロセス2400の動作フローを示すフローチャートである。初期化チェックプロセス2400では、任意の初期化手順を実行して、スタートモジュールで開始して、
図2のフットバルブ236のようなフットバルブが開位置に状態が変えられたかどうかを判定する第1判定モジュール2402を開始する。
【0200】
フットバルブの状態が変化されていない、すなわち、開位置ではない場合には、続いて、初期化チェックプロセス2400では、「No」またはフォールス(偽)の値に戻る第1リターンオペレーション2412を開始する。初期化チェックプロセス2400では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。しかしながら、初期化チェックプロセス2400で、フットバルブが開状態に変更されたと判定した場合には、続いて、初期化チェックプロセス2400では、第1取得オペレーション2402を開始する。
【0201】
第1取得オペレーション2402では、ポンプケースの温度を示す第1温度センサからデータ信号を受信する。例えば、第1取得オペレーション2404では、ケース温度センサ218からデータ信号を受信することができる。第2取得オペレーション2406では、リザーバ144(
図1および
図2参照)のような流体リザーバの温度を示す第2温度センサからデータ信号を受信する。例えば、第2取得オペレーション2406では、リザーバ温度センサ212からデータ信号を受信することができる。
【0202】
比較オペレーション2408では、第1取得オペレーション2404で受信したデータ信号と第2取得オペレーション2406で受信したデータ信号との差を判定する。第2判定モジュール2408では、比較オペレーション2406で計算された差が、所定の範囲内にあるかどうかを判定する。例えば、一つの実施の態様では、第2判定モジュール2408では、ポンプケースの温度と流体リザーバの温度が互いに、10度以内にあるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第2判定モジュール2408では、ポンプケースの温度と流体リザーバの温度が互いに、2度、5度、8度、15度、20度以内などにあるかどうかを判定する。
【0203】
第2判定モジュール2410では、ケースの温度が流体リザーバの温度と異なると判定した場合には、続いて、初期化チェックプロセス2400では、「No」またはフォールス(偽)の値に戻る第1リターンオペレーション2412を開始する。第2判定モジュール2410では、ケースの温度が流体リザーバの温度の許容範囲内にあると判定した場合には、続いて、初期化チェックプロセス2400では、「Yes」またはトゥルー(真)の値に戻る第2リターンオペレーション2414を開始する。初期化チェックプロセス2400では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。
【0204】
図25は、流体(例えば、オイル)が第2動力源からリークしているかどうかを判定する例示的な流体リーク検知プロセス2500の動作フローを示すフローチャートである。例えば、流体リーク検知プロセス2500では、リザーバ、アキュムレータの液体チャンバまたはそれらの間の導管からリークしている(漏れている)流体を検知することができる。一般に、流体リーク検知プロセス2500では、リザーバ内の流体レベルと推定した流体レベルとを比較する。流体リーク検知プロセス2500では、任意の初期化手順を実行して、スタートモジュールで開始して、第1判定モジュール2502を開始する。
【0205】
第1判定モジュール2502では、フットバルブが開とされたかどうかを判定する。例えば、一つの実施の態様では、第1判定モジュール2502では、フットバルブの開閉を示す
図2のアキュムレータの近接センサ216からの読み取り値を取得することができる。第1判定モジュール2502で、フットバルブが開でないと判定した場合には、続いて、第1判定モジュール2502では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。しかしながら、第1判定モジュール2502で、フットバルブが開であると判定した場合には、続いて、流体リーク検知プロセス2500では、第1取得オペレーション2504を開始する。
【0206】
第1取得オペレーション2504では、リザーバの流体の温度を示す温度センサからデータ信号を受信する。例えば、一つの実施の態様では、第1取得オペレーション2504で、
図2のリザーバの温度センサ212からデータ信号を受信することができる。このデータ信号は、
図2のリザーバ144のようなリザーバ内の流体(例えば、オイル)の温度を示している。他の実施の態様では、第1取得オペレーション2504で、リザーバとアキュムレータとの間を流れる液体の温度を測定するように構成された任意の温度センサからデータ信号を受信することができる。
【0207】
第2取得オペレーション2506では、アキュムレータの流体圧力センサからデータ信号を受信する。例えば、一つの実施の態様では、第2取得オペレーション2506で、
図2のアキュムレータの圧力センサ215からデータ信号を受信する。このデータ信号は、アキュムレータ内の液体(例えば、オイル)の圧力を示している。例えば、一つの実施の態様では、データ信号は、
図22のアキュムレータ2000の流体チャンバ2015内の液体の圧力を示している。他の実施の態様では、第2取得オペレーション2506で、リザーバとアキュムレータとの間を流れる液体の圧力を測定するように構成された任意の圧力センサからデータ信号を受信することができる。
【0208】
推定オペレーション2508では、アキュムレータ内の推定された流体レベルを計算する。いくつかの実施の態様に従うと、推定オペレーション2508では、リザーバにあるべき流体量と第1及び第2取得オペレーション2504,2506で取得した読み取り値に基づいて推定された流体レベルを計算する。
【0209】
第3取得オペレーション2510では、リザーバの実際の流体レベルを測定する。例えば、一つの実施の態様では、第3取得オペレーション2510で、
図2のレベルセンサ211からデータ信号を受信する。このデータ信号は、
図2のリザーバ144内の流体のレベルを示している。
【0210】
第2判定モジュール2512では、車両が移動しているかどうかを判定する。本開示の態様に従うと、車両が移動している場合、流体は、リザーバの周囲でバチャバチャはねる。したがって、車両が移動している場合に得られる流体レベルの測定値は、車両が停止している場合の読み取り値よりも、不正確である可能性が高い。第2判定モジュール2512で、車両が移動していないと判定した場合、続いて、流体リーク検知プロセス2500では、測定された流体レベルと推定された流体レベルを評価して、両者の値の差を判定する比較オペレーション2516を開始する。
【0211】
しかしながら、第2判定モジュール2512で、車両が移動していると判定した場合には、続いて、流体リーク検知プロセス2500で調整オペレーション2514を開始する。調整オペレーション2514では、測定された流体レベルが推定された流体レベルと異なるように量を増加させる。ある実施の態様では、調整オペレーション2514による量により、車両の運転方法によりリザーバ内の流体に影響を及ぶすことになる測定値または許容値を修正する。したがって、ある実施の態様では、調整量は、特定のリザーバ及び/またはアキュムレータ用に実験的に決定することができる。
【0212】
いくつかの実施の態様では、調整オペレーション2514で、推定された流体レベルを所定量だけ上下させる。例えば、一つの実施の態様では、調整オペレーション2514で、測定された流体レベルと推定された流体レベルを比較する前に、推定された流体レベルから2ガロン減算する。他の実施の態様では、調整オペレーション2514で、測定された流体レベルと推定された流体レベルを比較する前に、推定された流体レベルから1〜5ガロン減算する。さらに、他の実施の態様では、1ガロン以下(例えば、四分の一ガロン、二分の一ガロンなど)を減算することができる。
【0213】
他の実施の態様では、調整オペレーション2514で、比較のために許容範囲を増大させる。例えば、一つの実施の態様では、調整オペレーション2514で、約2ガロンだけ許容範囲を増加させることができる。他の実施の態様では、調整オペレーション2514で、測定された流体レベルと推定された流体レベルを比較する前に、許容範囲に1〜5ガロンを追加する。さらに他の実施の態様では、調整オペレーション2514で、許容範囲に1ガロン以下(例えば、四分の一ガロン、二分の一ガロンなど)を追加することができる。この実施の態様では、調整オペレーション2514は、比較オペレーション2516の前に実行される。しかしながら、他の実施の態様では、調整オペレーション2514は、比較オペレーション2516の後に実行することができる。
【0214】
第3判定モジュール2518では、推定された流体レベルが、リザーバ内の測定された流体レベルに十分に近いかどうかを判定する。いくつかの実施の態様では、第3判定モジュール2518で、推定された流体レベルと測定された流体レベルとの差が、所定のしきい値以下にあるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第3判定モジュール2518で、調整された推定流体レベルと測定された流体レベルとの差が、所定のしきい値以下にあるかどうかを判定する。
【0215】
いくつかの実施の態様では、しきい値は、システムの許容範囲の量に基づいて少なくとも部分的に設定される。例えば、しきい値は、流体温度読み取り値のパーセント誤差、流体圧力読み取り値のパーセント誤差及び流体レベル読み取り値のパーセント誤差を考慮に入れることができる。一つの実施の態様では、流体温度センサは2%の誤差、流体圧力センサは1%の誤差及び流体レベルセンサは7%の誤差を有することができる。この一つの実施の態様では、許容しきい値は、測定値の少なくとも9%の値に設定することができる。しかしながら、他の実施の態様では、許容しきい値は、より高いまたはより低い許容値に設定することができる。
【0216】
いくつかの実施の態様では、しきい値は、法律、規則または指針に基づいて少なくとも部分的に設定される。例えば、しきい値は、EPA(米国環境保護庁)の指針に基づいて少なくとも部分的に設定される。例えば、一つの実施の態様では、第3判定モジュール2518で、推定流体レベルと測定流体レベルとの差が、約10ガロン以下であるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第3判定モジュール2518で、推定流体レベルと測定流体レベルとの差が、約5ガロン以下であるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第3判定モジュール2518で、推定流体レベルと測定流体レベルとの差が、約3ガロン以下であるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第3判定モジュール2518で、推定流体レベルと測定流体レベルとの差が、約1ガロン以下であるかどうかを判定する。他の実施の態様では、第3判定モジュール2518で、推定流体レベルと測定流体レベルとの差が、約2分の1ガロン以下であるかどうかを判定する。
【0217】
第3判定モジュール2518では、推定流体レベルと測定流体レベルとの差が許容範囲以内にあると判定した場合には、続いて、流体リーク検知プロセス2500では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。しかしながら、第3判定モジュール2518では、差が許容範囲外にあると判定した場合には、続いて、流体リーク検知プロセス2500では、故障オペレーション2520を起動する。この故障オペレーション2520では、
図7の応答プロセス500のような応答プロセスを起動する。一つの態様に従うと、故障オペレーション2520では、流体のリークが機能障害故障を構成していると判定する。流体リーク検知プロセス2500では、任意の完了手順を実行して、ストップモジュールで終了する。
【0218】
図26は、車両から第2動力源124を切り離すトランスファーケースの故障を判定する他の例示的な切り離し故障検知プロセス2600を示すブロック図である。本開示のいくつかの実施の態様に従うと、例示的な切り離し故障検知プロセス2600は、
図20に示された例示的な切り離し故障検知プロセス1800の代わりに使用することができる。しかしながら、本開示の他の実施の態様に従うと、例示的な切り離し故障検知プロセス2600は、
図20に示された例示的な切り離し故障検知プロセス1800と共に使用することができる。
【0219】
一般に、検知プロセス2600では、クラッチが切り離されたと推定された後に、依然としてポンプが作動している場合を判定する。また、判定プロセス2600では、ポンプ速度と出力軸速度との差が、論理的にありえない場合を判定することができる。いくつかの実施の態様に従うと、検知プロセス2600では、クラッチが連結または切り離しされたかどうかを判定するために、クラッチバルブセンサから入力信号を受信する。
【0220】
また、検知プロセス2600では、ポンプの速度を判定するために、ポンプ速度センサから入力信号を受信する。また、検知プロセス2600では、出力軸速度とトランスファーケースの比を使用してポンプ速度を推定する。一つの例示的な実施の態様では、検知プロセス2600では、CANバス184を経由してエンジンコントローラから出力軸速度を取得する。例えば、一つの実施の態様では、検知プロセス2600では、次式を使用して、ポンプ速度と出力軸速度を比較することができる。
=|ポンプ速度−(出力軸速度*トタンスファーケース比)|
【0221】
検知プロセス2600では、クラッチが連結され、かつ、ポンプ速度と比較される出力軸速度との差が、所定の時間期間よりも長い間、許容量を超えた場合に、故障を起動する。種々の例示的な実施の態様では、検知プロセス2600では、許容される速度制限値が、約3秒、5秒、8秒、30秒、1分、2分、5分または30分を超えた場合に機能障害故障を起動することができる。
【0222】
いくつかの実施の態様では、検知プロセス2600で、非ラッチング故障を起動する。他の実施の態様では、検知プロセス2600で、ラッチング故障を起動する。さらに他の実施の態様では、検知プロセス2600で、機能障害故障を起動する。一つの実施の態様に従うと、検知プロセス2600では、機能障害故障状態の検知に応答して速度制限プロセスを起動する。他の実施の態様に従うと、検知プロセス2600では、故障状態の検知に応答してサービス警告を起動する。
【0223】
また、検知プロセス2600では、クラッチ状態センサが、クラッチが切り離されていることを示しており、かつ、ポンプ速度が、所定の時間期間よりも長い間、しきい値速度を超えている場合に、故障を起動する。種々の実施の態様では、検知プロセス2600では、速度しきい値が、約3秒、5秒、8秒、15秒、30秒、1分、2分または5分を超えた場合に機能障害故障を起動することができる。
【0224】
いくつかの実施の態様では、検知プロセス2600で、非ラッチング故障を起動する。他の実施の態様では、検知プロセス2600で、ラッチング故障を起動する。さらに他の実施の態様では、検知プロセス2600で、機能障害故障を起動する。一つの実施の態様に従うと、検知プロセス2600では、機能障害故障状態の検知に応答して速度制限プロセスを起動する。他の実施の態様に従うと、検知プロセス2600では、故障状態の検知に応答してサービス警告を起動する。
【0225】
開示した内容の修正や変更は、本開示の範囲及び精神から離れることなく、当業者には明らかであるだろう。例えば、各フローチャートは、一連のオペレーショの例を表している。これらのフローチャートのオペレーションの少なくとも一つは、異なる順序で実行することができる。本開示の範囲は、ここで説明した実施の形態に不当に限定されないことを理解すべきである。